朝のドラめもん

2016/05/30

お題「消費増税先送りで財政はホイホイ出るのか・・・・・・・・/ちょっと目も当てられない講演が登場」

民進党が2年というから2年半ですかそうですか。

○消費増税先送りとな

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016052990070315.html
消費増税19年10月に 2年半延期 首相、麻生氏らへ意向
2016年5月29日 07時03分

『安倍晋三首相は二十八日夜、麻生太郎財務相兼副総理、自民党の谷垣禎一幹事長らと公邸で会談し、来年四月からの消費税率10%への引き上げを二〇一九年十月までの二年半、再延期する意向を伝えた。これを受け、政府・与党は増税の再延期に向けた最終調整に入る。首相は公明党の山口那津男代表との会談を経て今週にも正式表明する。』(上記URL先より、以下同様)

『延期期間を二年半とする意向を示したのは、基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化させる政府の目標年次である二〇年度までには、遅くとも増税を実現しなければならないとの判断があるとみられる。』

えーっと消費税増税を2020年度に間に合わせてもPBの黒字化の目標いやなんでもないです。

『首相は増税を再延期しても、財政健全化に道筋を付ける方針を明確にしたい考えだ。』

とか何とか出ているのですが、その一方で・・・・・・・・・・・

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO02908100Y6A520C1MM8000/
首相、G7踏まえ2次補正 消費増税延期、与党と調整へ
2016/5/28付日本経済新聞 朝刊

『安倍晋三首相は27日、主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で訴えた世界経済の危機回避に向け、公共事業などの経済対策を盛り込む2016年度第2次補正予算案を編成する方針を固めた。7月の参院選後に予定される臨時国会に出す方向。17年4月予定の消費税率10%への引き上げの再延期は近く与党と本格調整に入る。(関連記事総合1、政治面に)』(上記URL先より)

とありまして、あの「リーマンショック前」とやらの世界経済の危機回避に向けて、という経済対策ですからということで、こちらの記事だと有料部分にしか出て来ないのですが、共同のニュースなどを見たところ(ちょっとURL見つけ損なったのですが手元の新聞による)「家計支援など5兆〜10兆円」とかありまして、こちらだと公共事業なので良く分からんという感じなのですかね。

そらもうリーマンショックだから家計支援しないといけませんね(棒読み)という所ですが、そもそも論としてリーマンショックなんだったらそれは金融バブルが崩壊するという話なのですから、金融緩和とか公共事業やってもしょーがないですし、だったら各国で共同して金融危機対策をしないといけない訳で、「リーマンショック級の経済の落ち込みがあったので致し方ない」というのなら分かりますが、「これからリーマンショックが起きるから以前法的に決めたのやっぱり無し」というのはそもそも論としてやることが(以下の記述は不穏当表現の為に削除されました^^)。

でまあこれだけやらかしたら格付会社はばっちり格下げしないとさすがに存在意義の問題になってくるだろ常識的に考えて、とは思うのですが、何せ債券市場ちゃんの方は完全に本件に関して警鐘を鳴らすような市場機能を喪失しておりますので、まあ為替市場、というよりは外貨ファンディングの所でしか市場機能による警鐘は出ませんでしょうなあと思うのでした。



○この審議委員は(少なくとも新法)史上最低の人材ではないかと思われるゴミクズ講演登場

http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2016/data/ko160527a1.pdf
マイナス金利付きQQEと日本経済
── 公研セミナーにおける講演 ──

この講演なのですが、先般行われた下関金懇での内容を更に悪化させた代物というオソロシイものでございまして、一々全部ツッコミどころだらけなのですが、残念ながらこのおじさんの講演は執行部の無理繰りロジックの遥か斜め下を行くゴミ文章になっておりますので、以下の部分から残念ながら政策インプリケーションを得ることは困難である、という点をお含み置き頂きまして鑑賞して頂ければと存じます。まあ置物リフレ一派の程度を知るという意味では意味があるかも知れませんけどね!!!!!!!

なお、そもそも論として下関金懇の焼き直し部分がやたら多い上に焼き直したら更に悪化しているという講演になっておりまして、前回のツッコミと被る部分が多々ありそうなのは勘弁して下さい。
http://www.h5.dion.ne.jp/~bond7743/doramemon1604.html#160414


・下関金懇と同じく説明がハチャメチャなのだが誰か指摘する人はおらんのか

『2.マイナス金利付き量的・質的金融緩和政策の考え方』の所でまた下関金懇の焼き直しが出てくる。

『「マイナス金利付き量的・質的金融緩和政策」は、これまでの量的・質的金融緩和とは異なるものだという議論が一部にはありました。しかし、これは、これまでの金融緩和政策と同じ考えに基づくものです1。 』

考え方が同じでも手段が別なら別の政策手段でしょ、というようなツッコミを破壊する次の破壊力だが下関金懇で既に免疫があったアタクシもこの次は椅子から落ちたわ。

『やや理論的な話になりますが、自然利子率という概念があります。これは経済を不況にも過熱にもさせない、ほど良い利子率があるという考え方です。金融政策の目的は、現実の利子率をこの自然利子率との関係で適切な水準にコントロールすることで、経済をほど良い状態にしておくことになります。』

と見た瞬間に下関金懇を思い出しましたが・・・・・・・・・・・・・・

『具体的には、消費者物価上昇率を長期的に2%程度にしておくということです。』

( ゚д゚) 全然進化していない・・・・・・・・・

(ちなみに前回は何故かPDFファイルがおかしくてワードを使わないとテキストに落とせなかったのですが今回はその点だけ進化している)

『この2%の物価上昇率の下で、失業率も低下し、成長率もそれなりに高く、景気が良好という状態を保つことができると考えています。 』

問題はその自然利子率がどのあたりにあって、今の金利をどのくらいの水準に持って行くとどの程度景気に対する刺激効果があるのか、という話をしないといけないのですが、自然利子率をコントロールするって言っておいて何で急に2%の物価の話になるのか全く分からんというかお前はアホかとしか思えません。

『しかし、長いデフレと経済停滞が続いて、金利はほとんどゼロになってしまいました。名目金利だけを考えていたのでは、金利をこれ以上下げることは難しく、経済をほど良い状態にすることができなくなってしまいました。』

という話をしているのだが、そもそも自然利子率のアプローチで行くのであれば「名目金利だけを考える」というのが筋としておかしくねえかと思いますし、この後の方でここの説明と全く矛盾した説明をしている、というのが「説明の時に自分に都合の良いパーツを適当に繰り出して来るのでその部分だけ見ると御尤も(ジンバブエの場合はそもそも部分でも御尤もでは無いといいうのが論外なんだが)に見えるけれども、話の筋が通っていないから政策論として全く無意味どころか有害、という話になります。

『そこで行ったのが、2013 年 4 月の量的・質的金融緩和です。これは、マネタリーベースを拡大し、予想物価上昇率を引き上げ、実質金利すなわち名目金利マイナス予想物価上昇率を引き下げて、経済を良い方向に持っていこうというものです。』

とか何とか以下その先の説明をしているのですが、マイナス金利の説明部分で既に馬脚が。

『こうしたリスクの顕現化を未然に防ぐために、2016 年 1 月には、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を行いました。』

という事ですがこの次にサラッと馬鹿文言が登場。

『これは名目金利をマイナスにするわけですから、実質金利も当然に低下します。』

・・・・・( ゚д゚)
・・・・・(つд⊂)ゴシゴシ
・・・・・(;゚д゚)

えーっとすいません、あんさんさっき「インフレ期待を上げて実質金利を下げる」という話をしていた筈で、名目金利をマイナスにしたってインフレ期待が一緒になって下がったら実質金利って低下しないかもしれませんけれども、何で名目金利を下げたら実質金利が「当然に」下がるんですか。

『マイナス金利付き量的・質的緩和も、それ以前の量的・質的緩和も、実質金利を引き下げて、経済を良い状態にしようとすることでは同じです。 』

ということで、まあジンバブエ先生にそういうロジックは理解できないでしょうから別に良いのですが、QQEではマネタリーによって期待インフレを上げて(特にマネタリーショック的な2倍2倍)、長期国債買入はその大量のマネタリーを出すためと、インフレ期待上昇によるフィッシャー効果で上昇する長期金利の抑制を行う、という話でしたが、現状QQENになってからは明らかにその話をスルーするようになって、「イールドカーブを押し下げる」一点張りになってきていますので、同じ「実質金利を下げる」と言ってもアプローチが変容している訳で、「同じです」とか言うのはジンバブエ先生のような粗雑な脳味噌なので致し方ないのかもしれませんが、それで審議委員とはヘソが茶を沸かす。


・下関金懇から更に品が無くなっているコーナーキタコレ

でもってその次の『自然利子率を高めるべきか 』というのも同じ話をしている上に更にゴミな話が加わっている辺りがジンバブエクオリティ。

『自然利子率を高めるべきか 』という小見出しですが。

『ここで実体経済を良くするために、なんとか金利を下げようという発想で考えていますが、そもそも自然利子率が低すぎるのが問題で、それを上げるべきだという議論もあり得ます。日本経済の効率を高めて成長率を高くすることができれば、自然利子率も高くなりますから、金融政策でなんとかして金利を下げなくても良くなります。そのためには成長戦略が大事だという議論です。』

何かこの辺りの説明も大分怪しい気がするのだが。

『議論としては分かりますが、ではどうやって、どのくらい成長率を高めることができるのかという具体論はあまりないようです。』

と、人の事は勝手に言いますが自分の所の金融政策でインフレ期待や物価がどのくらい上がったのかという話は全然していないのに人の事だけ「あまりないようです(キリッ)」とか相手が無能であるかのような品性があまり宜しくない表現になるのが何とも。

『そもそも、先進国の中で、日本の実質経済成長率は低いですが、人口当たりでは中くらい、経済活動人口(15〜64 歳人口)当たりでは高い国になっています。』

ってこの前も話をしているのだが、実質成長が高いのだから良いというならそもそもノミナルなCPI2%目標に何の意味があるのかという話だし、実質経済成長率を経済活動人口当たりで比較して何の意味があるのかという話で、それ以外の人間は霞でも食って生きてるのかと小一時間。

『1970 年代までの中国、80 年代までのインドのように、極めて非効率な統制経済を自由化すれば容易に成長率を高めることができますが、かなり自由な経済をもっと自由な経済にして一挙に成長率を高めることは難しいでしょう。もちろん、念のために申し上げますが、私は自然利子率を引き上げることのできる正しい成長戦略の実行には大賛成です。』

だいたいそう簡単に「正しい成長戦略」なんぞ分からんのですが、置物リフレ一派の皆様におかれましては一事が万事で、「置物リフレ理論は正しい」というような態度でとにかく正しいというのが先にあるのでそれに合わせる為に適当な理屈をつぎはぎするから前後矛盾になって政策として全く使い物にならないというのが出来る訳ですな。

とまあここまでは下関金懇のお話だったのですがこの先が酷い。

『多くの方が、技術革新による新製品や高加価値品の投入や既存の生産技術の効率化を成長戦略だと考えておられるようです。しかし、効率を高めるためにもっとも重要なのは、儲からない仕事を止めることです。』

もうここで頭がクラクラするのですが、大体からしてお前らが超緩和的な政策を長期化することによってその「儲からない仕事」とやらが延命しやすくなっているだろ何を言ってるんだ馬鹿かという感じですし、そもそも言い方に品性というのが感じられませんで、中央銀行の政策委員の講演とは思えない。

『企業がおかしなことに手を染めたり、経営破綻に追い込まれたりするのも、儲からない仕事を無理やり続けようとするからです。 』

馬鹿の人のようです。

『企業経営において、しばしば「選択と集中」の重要性が指摘されます。儲からない仕事で儲かるように頑張るより、儲けることが可能な分野に経営資源を集中させることの方が、日本全体の成長力を高めることになると思います。』

さっきの「正しい成長戦略」もそうですけれども、実際に現場を何ら触れようとしないで、勝手に自分たち一派の脳内妄想を垂れ流しておられた方々だけの事はあると感心する次第でございまして、「儲けることが可能な分野に経営資源を集中させる」ってのが簡単に出来るならだれも苦労はしないですし、集中しまくった挙句にその後経営が苦しくなっている企業の例なんぞ幾らでも有る訳で、脳内妄想だけでこれまで送ってこられただけの事はありますなあと思う訳ですよ。

『儲からない仕事を止めれば、人が余ります。現在、人手不足なのですから、余った人が、より生産性の高い仕事に就けるようにすれば良いのです。』

そんなに簡単に行くかよ。それだけの生産性の高い仕事に就けるようにするのにどれだけコストを掛けないといけないのかとか、人をモノだとしか思っていないんでしょうなあ。まあ「経済学的には正しい(キリッ)」って奴なのかも知れんが実践として使えんわ。

『高度成長の前、狭い田畑を多くの人が耕していました。いくら耕しても、生産性は上がりません。農村の余剰人口が都市で働くことで生産性が高まり、高度成長が実現しました。』

なんちゅう一面的な説明。

『これは日本だけのことではなくて、これまで高度成長を成し遂げてきたすべての国と地域―香港、シンガポール、台湾、韓国、中国、インド、ASEANの国々―すべてに当てはまることです。』

あのーすいません、香港とシンガポールは都市国家なんですけど・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『もちろん、現在、日本の農村に大量の余剰労働力があるわけではありません。しかし、儲からない産業には、余剰人口があるのです。儲からないことを止めることこそが、最大最良の成長戦略だと申し上げておきたいと思います。』

それ口で言うのは簡単だけど具体的に何をどうすれば良いと思うの???????



・以下延々と続くのだが時間の関係で今回新たに登場した事実誤認説明を鑑賞しましょう

この次に『3.マイナス金利付き量的・質的金融緩和政策の仕組み 』というのがあって、相変わらず『当座預金残高を増やすのは、そのお金をより有利な運用先に充ててほしいからです。』という日銀に入ってもう1年経過しているのにまだこの点を分かっていないとかと呆れて物も言えない部分がございまして、あの置物師匠ですら色々と勉強して「新たに分かった」とか70過ぎの爺さんの「お勉強」に何で貴重な国費を投下しなければいけないのかという問題はさておいても、一応勉強をするというのに、どうもこのジンバブエ先生は勉強すらしないようで、こういうのにアカポスを与えたりチーフエコノミストなどというような肩書きを与えていた某都の西北大学や某グラントウキョウノースタワー総研などは製造物責任というのを感じて頂きたいものであります。

という掴みの悪態は兎も角、盛大に腰が砕けたのは小見出しの『4.金利低下の要因 』(ちなみにここも話がおかしいのが多々あるのだが、一々突っ込んでいるとここまで時間的に絶対に辿り付かないし量がクソ多くなるので今回は分割処理します、2日連続でどうでも良い講演を出すなとか言われそうですが)の中にある『金融政策と金利の関係 』という所。

『もう少し具体的に、金融政策と金利の関係を見てみましょう。図表10は、短期金利と長期金利と名目GDPの前年比伸び率を示したものです。金利がプラスの時代には、金融政策は、インフレや景気過熱やバブルの恐れがあれば短期金利を引き上げ、不況やデフレの恐れがあれば短期金利を引き下げて、経済をほど良い状態にしておくものでした。』

まあこれは良いがその次にいきなり酷いことになる。

『1980 年代の末、景気の過熱とバブルが生じましたので、金利を引き上げ、バブルを潰そうとしました。』

実際には金利引き上げだけではなくて、総量規制や三業種規制などの融資規制などの金融規制も実施されましたし、おそらくそっちの方が盛大に効いたと思いますが、それ以前の問題としてあの時点での資産価格は最早とんでもない事になっていたので、そう簡単に軟着陸できるような代物ではなかったでしょうな。

『その結果、バブルが崩壊し、経済は不況に突入しました。』

とまあ金融政策だけで話をする時点で分析が乱暴ですがそれはさておき。

『名目GDPの成長率が思った以上に急激に低下し、ついにはマイナスになってしまいました。そこであわてて短期金利を引き下げていきました。』

えーっとすいません、公定歩合の引き下げは1991年から実施しているのですが、GDPがマイナスになったのは図表10を見ますとどう見ても1993年とかになりますが。

『ところが、1995年に金利を 0.25%にまで下げても、名目GDPの成長率は1%程度にしか上がりませんでした。』

ここちょっと分からないのですが、95年に行った「低め誘導」の時はコールレートは「0.5%をやや下回る水準」で推移するという政策で、0.25%ってどこからその数字が出てきたのかがさっぱりわかりません。
http://www.boj.or.jp/announcements/release_before1995/k950908.pdf

『長期金利は、この間にもどんどん下がって行きました。ここに金融不良債権ショックが襲います。1997 年 11 月には、三洋証券、北海道拓殖銀行、山一証券、徳陽シティ銀行が破綻します。さらに、1998 年 10 月には日本長期信用銀行が、同年 12 月には日本債券信用銀行が実質破綻(国有化)し、名目GDPの成長率はマイナスになってしまいました。日本銀行は 1999 年 2 月にゼロ金利政策を導入しましたが、回復は遅れ、長期金利はさらに低下しました。 』

とまあこんな書き方になっていて、何か本人の中では纏まっているのかも知れませんが、このように現象を説明している部分ですら全体としてこう脈絡がないので読むのに苦労する訳ですが、政策に関する説明もあちこちおかしくて大丈夫かこの人としか申し上げようがないのですが、何が酷いと言って置物師匠のように少しは勉強して成長すれば良いのにそれすらない、というのがあと4年も居座るのかと思うと頭が痛いです。

なおクソくだらんと言われそうですがハチャメチャ振りについては明日も鑑賞が続きます(すいません)。ていうかここの部分とか見解に関わる話じゃなくて単純に事実誤認な訳で、日銀スタッフも見てやれよと思うし、ジンバブエは何を見ながらこの講演書いているんだよと小一時間ですわマッタクモウ。


#FEDネタを吹き飛ばす破壊力抜群、ただし政策インプリケーション皆無の講演でした

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