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岩国市民の米軍再編反対は不動
岩国市長選迫る
            候補者縛る全市論議活発化  2012年1月16日付
 
 米軍再編問題を最大の争点とする岩国市長選(29日投票)が迫るなか、本紙と「安保」破棄山口県共斗会議は14、15日、選挙戦の模様を報道した本紙号外「候補者縛る市民の力結集へ―裏切りぞろいの各陣営・日本を潰させぬ斗い」を岩国市内に約1万部配布した。各候補者が市民不在の空中戦を繰り広げるなかで、本紙号外は市民の鋭い問題意識と響き合って強い共感を集めた。
 号外配布には、岩国市内をはじめ下関、山口、宇部、萩など山口県内から約30人が参加し、岩国駅周辺の麻里布、山手、今津、昭和、三笠地区、愛宕山に隣接する牛野谷、門前、尾津地区、また川下地区や錦見、南岩国、平田地区など旧市内全域で配布。市民からは、「どの候補者も信用できるものがいない」「このまま国や米軍のいいなりになるのは腹が立つが、民主党をはじめどの政党も政治家も市民を裏切る。どうすればこの現状を変えていけるのか」という強い問題意識がいたるところで語られた。
 市民の中で米軍再編反対の世論は衰えておらず、選挙戦において信頼に足る候補者が見あたらないなかで、候補者を縛り付ける全市的な動きに向けた世論が渦巻いている。
 号外を受け取った川下地区の男性は、「このまま岩国がアメリカ村になっていくことを喜んでいる市民はいない。だが四年前、艦載機移転を拒否した岩国市に対して国は“米軍を受け入れなければ金をやらぬ”の制裁をして首を締め上げた。米軍に逆らうなら金づく力づくでいいなりにさせる。これが戦後の日本の現実だ。日米同盟だの安全保障だのというが米軍は台風でさえ2、3日前から軍用機を1機残らずグアムなどに避難させる。自衛隊機も北海道へ全部逃げる。アメリカが中国や朝鮮と衝突すれば、極東一の岩国基地には必ずミサイルが飛んでくることになるが、アメリカに日本を守る気がないことは岩国市民が一番よく知っている」と語る。
 「この地域は、米軍基地に土地をとられた住民が川土手に盛り土をして畑を作ってきたが、護岸さえ整備されずに放置されてきたので大雨が降れば土手が決壊して水に浸かり、そのたびに畑を元通りにしないといけない。そんなささいな市民の要求には県も市もとりあわず、交付金は豪華な市庁舎や米軍用道路などにつぎ込んできた。金の行き先はいつも決まっている一部分だ。“基地との共存共栄”などありえない話。福田のままでは国のいいなりだが、井原も四年前ほどの迫力すらない。生ぬるい覚悟では結局つぶされるんだ」と思いをぶつけた。
 建設業を営む七〇代の男性は、「基地の沖合拡張や民間空港工事で地元に仕事が増えるといわれたが、すべてゼネコンが押さえて地元は孫請、曾孫請のカスばかりだ。同業者が集まれば、“福田の膏薬(公約)よりもサロンパスの方がよく効く”と語られている」と皮肉を込めて話した。
 また、「愛宕山開発が赤字というが、新しく移転する国立病院の隣りの土地に入居する業者を市が公募したところ、調剤薬局が最低売却価格の11倍の値段で落札している。1000平方bを5億1000万円だ。国立病院移転で需要はあるのに、米軍住宅用地だけは最安値で国が買いとるというのもバカげた話だ。沖合拡張が始まってから基地につながる道路網も整備され、表ざたにはなっていないが、広島からの弾薬輸送に使う道路を装束から新港を通って日本製紙の下を潜る地下トンネルを掘って基地につなぐという計画もある。また、愛宕山を米軍住宅にするにあたって隣接するゴミ焼却場も“米軍が嫌うから”ということで帝人製機のあった日の出町に移転させる計画も動いているが、市は公表していない。米軍優先のまちづくりが市民の知らないうちに進められ、多額の税金が投入されているから岩国はいつまでも借金地獄だ。海兵隊のような殴り込み部隊が増えれば、いよいよ岩国には人は住みにくくなる。市民無視の市長は落とさないといけない」と語気を強めて語った。
 30代の建設業者の男性は、「4000人の米兵に60機もの艦載機が来るのに“夢をかたちにする”(福田)などバカをいうなといいたい」と吐き捨てた。艦載機移転、米軍住宅を容認しながら米軍問題には一言も触れず、愛宕山売却によって借金130億5000万円が減額したとか、国立病院移転、民間空港開港などを並べて「夢がかたちになりました!」とうたう福田市長のノー天気ぶりには嫌気がさすが、対する井原陣営の対決姿勢の弱さ、わざわざ票割り候補を出す「日共」集団では選挙は様にならない。「市民がまとまって声を上げていかないとどうしようもないという状況にまで来ていると思う。前回は福田の応援で動いた同業者の間でも“結局だまされただけ”“防音工事でさえ広島の業者が乗り込んでくるようになって、基地関連の仕事は地元とは無縁になった”と話になる。そのうえ米兵がのさばるようになれば、子どもも安心して育てられない町になる。しっかり読ませてもらいたい」と号外を受けとった。
 川下地区の婦人は、号外の「裏切りぞろいの各陣営」という見出しを見て「この通りですね」と笑いながら話した。
 「民主党も裏切ったし、井原元市長も四年前と比べてもフラフラしている。国政を見ていても与野党の足の引っ張り合いで自分のことしか考えていない。まして米軍基地の問題は政治家頼みや政党まかせで解決する問題ではないと思う。私たちは親の世代から川下地区で住んでいるので基地に土地をとられたし、米兵がどんな犯罪を犯しても泣き寝入りさせられる現実を嫌というほど見てきた。米軍は完全な占領者意識。“基地の存在を認める代わりに振興策を”とか、なんらかの条件取引をして利益があるのは議員や一部の企業だけで、川下地区からは若い人が出て行って独居老人世帯や廃屋ばかりが増えている。これからの子どもたちのことを思えばわたしたち市民が力を合わせていかないといけない」と胸の内を語った。
 駅前商店街でも、「前回の市長選は、すさまじい締め付けで業者を動員して、投票用紙に“福田”と書いて携帯で写真を撮ってきたら金がもらえたという話や、病院では入院患者に強制的に“福田”と書かせたり、どこでも話題になるほど強引な選挙をやったことを市民は忘れていない。このままバカにされたまま終わるわけにはいかない」「経済的な関心で煽った前回選挙のような選挙はもう通用しない。市民一人一人の良識をどうやって形にしていくかが問われていると思う」と語られながら号外が受けとられ、市民のなかでの論議が進んでいる。

 

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