他人から批判されたときの対処

No.086 『他人から批判されたときの対処』

他人から批判されることを怖れすぎるために、人の輪に入れない、社会になじめない、という人がいます。
もちろん、他人から批判されることは、誰にとっても不愉快なことです。
しかし、だからといって、他人というものすべてを怖れ、心を閉ざしてひきこもってしまうのは、とてももったいないことです。

人の心を傷つけるのも人間なら、救ってくれるのもまた人間です。
世の中には、冷たい人もいますが、温かい心をもった人もたくさんいます。
冷たい人に傷つけられたからといって、すべての他人に心を閉ざしてしまっては、優しい人と出会うチャンスも失ってしまうことになります。

世の中で、他人と関わり合いながら生きていこうと思えば、批判されるということは避けられないでしょう。
逃げるばかりでなく、それに対処していく知恵をつけなければなりません。

他人から批判されたとき、かっとなったり、落ち込んだりせず、まず深呼吸をして、冷静に事態を判断してください。
第一に、「相手の言っていることが、正しいか、どうか」を考えましょう。
相手が正しく、自分が間違っていたのなら、素直に反省しなければなりません。

人付き合いの苦手な人は、たいてい、感受性が強く、繊細な心の持ち主です。
繊細であることは、悪いことではありません。むしろ、長所であるといえます。
しかし、傷つきやすい人というのは、えてして「自分の欠点を認めようとしない」というずるい面があることも、自覚しなければなりません。

他人から批判されて腹が立つのは、自分が情けないからです。自分の劣等感と向き合うことへの怖れが、攻撃性となって現れるのです。
「自分が間違っていると思ったら、素直に反省する」という姿勢をつねにもっていたならば、他人を怖れたり、怒りを感じたりすることはありません。
自分の過ちを認めることは、はじめは大変な勇気がいることかもしれません。しかし、自己欺瞞に苦しむよりは、よっぽど気が楽なことなのです。

他人に謝ることは、けっして恥ずかしいことではありません。自分の非を認めようとせず、意地を張ることのほうが、何百倍も恥ずかしいことです。
人は誰でも、過ちを犯すことがあります。自分が間違っていると思ったら、素直に謝る。それが、本当に人間として立派な姿です。
そういう態度こそが、他人からの信頼をえるために必要なことです。
(↓ つづく)

「どうせ自分が悪いんだ」とすねたり、ひがんだりして、ことさらに「あなたのせいで、私はこんなにも傷ついている」という態度を相手に見せつけようとする人がいますが、そんなことをしても、ますますバカにされるだけだし、「幼稚な手段でしか対抗できない自分」が嫌になるだけです。
謙虚さとは、自分を卑下して開き直ることではありません。
あくまで自分の向上のため、豊かな人生を送るために、素直に自分を省みるということが重要です。

第二に、「相手の言うことには納得できない。自分のほうが正しい」という自信がある場合。
このときの対処法は、ふたつに別れます。
「気にしない」か、「誤解を解いてもらうよう話し合う」か、どちらかです。

自分にとってどうでもいい人、嫌いな人に批判されたからといって、気にすることはありません。
「文句を言い返さないと気がすまない」のだとしたら、自分も相手と同レベルだということになってしまいます。
嫌いな人にどう思われようが、どうでもいいことではありませんか。言いたいことを言わせておけばよいのです。

自分が相手を嫌っているのだから、相手も自分を嫌う権利はあるはずです。
「自分が相手を嫌うことは許されるが、相手が自分を嫌うことは許されない」などという道理はありません。
「どちらがよけいに嫌うか」などという低次元な争いに精神を浪費するなんて、バカバカしいことです。
つまらない人のことなど放っておいて、自分は自分の幸せを求めればよいのです。

自分の好きな人から誤解を受けて批判された場合には、はっきり自分の正当性を主張して、誤解が解けるまで話し合うべきです。
相手との関係を大切だと思うなら、その関係を修繕すべく努力しなければなりません。
感情的にならず、相手の話もよく聞き、ここでも「自分が間違っていたと思ったら、素直に反省する」という態度が必要です。

おさらいをしておきましょう。
他人から批判されたときには、冷静に事態を判断し、

(1) 自分が間違っていたなら、素直に反省する謙虚さをもつ。
(2) 自分は間違っていないと思うときは、
 (a) どうでもいい相手なら、気にしない。
 (b) 自分にとって大切な相手なら、誤解を解いてもらうよう話し合う。

他人を怖れたり、腹を立てたりする前に、思い出してください。

(文・たかたまさひろ)
No.085 『他人の本心を知るには』 No.087 『見捨てられる不安を捨てる』
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