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きっぷの分割
(分割定期券、分割回数券、分割乗車券)

きっぷの分割とは

きっぷの分割とは、きっぷを目的地まで普通に買わず、2以上の区間に分けて買うことをいいます。2枚の切符に分けて買うということは、目的地までの切符を通しで1枚で買うよりも多少の手間がかかりますし、モノはまとめて買った方が単価が割安になる(いわゆるボリュームディスカウント)という常識に反します。

しかし、実はJRのきっぷについては、目的地まで買わずに途中で分割すると安くなることがあるのです。次の運賃表をご覧下さい。

東京の電車特定区間運賃表(一部)
運賃
1 3 km 130円
11 15 km 210円
26 30 km 450円

これは、JR東日本の都市部の運賃表です。ここで質問です。30km先の駅に行くにはいくらかかりますか?

30km先の駅までの運賃は450円です。しかし、15km先の駅までの運賃は210円・・・。そうです、端数を抜きにして考えれば15km先の駅までで一旦降りれば(*)、30km先の駅までに行くのになぜか420円(210*2)で済むのです。

(*)場合によっては、一旦降りて改札を入りなおす必要がない事もあります。詳しくは後述。

考えてみればおかしな話ですが、、、実際にJR(*)の運賃表では、こういった事が起こりうるのです。本来は、長い距離の区間になればなる程に1キロあたりの運賃が安くなるはずです。しかし、実際の運賃表にはそうなっていない個所があるのです。

(*)JR以外の私鉄でも、分割により安くなる事があります。ただし、あまり多くはありません。

30kmの運賃は450円で、1キロあたり15円の単価になっています。しかし、15km区間は210円ですから、1キロあたり14円の単価なのです。この例では、うまく1キロあたりの単価が安い区間を組み合わせた事で、通しで買うより安くなったのです。

分割の基本は、通しで買うより単価の安い区間を組み合わせる事にあります。

分割すると安くなるワケ

さて、きっぷを分割するとなぜ安くなるのかは、「より単価の安い区間を組み合わせたからだ」と説明しました。なぜ、通しで買うより安い単価の区間を組み合わせることができるのでしょうか?

1 運賃表の根本的な欠陥

次の表をご覧下さい。

東京の電車特定区間運賃表(一部)
運賃 円/km 値上幅
1 3 km 130円 (@43.3)
4 6 km 150円 (@25.0) +20円
7 10 km 160円 (@16.0) +10円
11 15 km 210円 (@14.0) +50円
16 20 km 290円 (@14.5) +80円
21 25 km 380円 (@15.2) +90円
26 30 km 450円 (@15.0) +70円
31 35 km 540円 (@15.4) +90円
36 40 km 620円 (@15.5) +80円
41 45 km 690円 (@15.3) +70円
46 50 km 780円 (@15.6) +90円
 
(以下略)
 

これは、先ほどと同様のJR東日本エリアの都心部の運賃表です。この運賃表にはいくつか「?」があります。

まず、根本的におかしいのは、キロ当たりの運賃が一番安いのが15km区間という事です。このことから、前章で例示した30kmは15kmで分割すると安くなるという事象が発生するのです。本当はキロ当たりの運賃が、段階的に安くなっていかねばなりません。

また、運賃の上がる階段がきついです。階段がキツイと、運賃が上がった直後の区間のキロ当たり運賃がバカ高くなります(例:15km区間は14円/km、16km区間は約18円/km)。従って、分割で安くなる余地が生まれます。

2 特定区間

国鉄は赤字であったために、他の鉄道事業者(都市圏の私鉄)よりも運賃が割高です。その国鉄から事業を引き継いだJRですが、やはり都市部については割高です。しかし、それでは私鉄との競争上問題があります。

そこで、私鉄と競合している区間に割安な運賃を設定していることがあります。つまり、キロ当たり運賃が特別に安い区間があるのです。

3 エリアによる運賃表の違い

ここまでJRの運賃表を示してきましたが、この運賃表は都市部のみを乗車する際に適用される運賃表です。 JRの運賃計算に使う運賃表は、たくさん種類があります。首都圏に限っても山手線内(文字通り山手線の内側)、電車特定区間(だいたい国道16号線内のエリアです)、幹線(その他)、地方交通線(八高線などローカル線が該当)とたくさんの運賃表が存在します。 この順番で運賃が高くなっていきます。

そして、割安な山手線内や電車特定区間の運賃表が適用になるのは、基本的にはそのエリア内だけでの利用時に限られます。 郊外から都市部まで利用する際には、もう少し高い運賃表が適用されます。

従って、郊外と都市部をまたがって乗車する際には、郊外区間と都市部の区間を分ければ、都市部の区間でキロあたりの単価が割安な区間をつかまえることができ、合計の運賃が安くなる事がありえます。

以上のような理由から、通しで買うより単価の安い区間を組み合わせる事ができる場合もあるのです。

分割点を見つけるには

JRの運賃制度は大変複雑ですし、なにしろ面倒なのでなるべく機械に頼りましょう。駅すぱあとなど市販のソフトを利用しても良いですし、オンライン上では定期代カッター(*)N.I.Pなどのサイトが便利だと思います。

(*)ごめんなさい。現在、リンク切れになっています・・・。

乗車券の分割の実践

乗車券の分割について、考えましょう。

きっぷを分割する為に、いちいち改札口を降りるのは面倒くださいですよね。いやいや、ホントに面倒くさい。それはもっともです。精算で何とかならないのか?何とかなりそうですが・・・。

乗り越し精算の原則

乗り越し精算の原則は、乗り越し区間の運賃を支払う方式です。これを着駅計算といいます。具体的にいえば、宇都宮から郡山までのきっぷ(1,890円)で、急に牛タンが食べたくなり仙台まで乗り越した場合は、郡山〜仙台間の運賃(2,210円)を支払う必要があります。

原則は例外?普通の精算

この原則には2つの例外があります。それは、乗ったときに買ったきっぷ(上の例ですと宇都宮〜郡山間のきっぷ)が100km未満の場合と、大都市近郊区間内だけを通る場合です。この場合には、乗った駅〜最終的に降りた駅までの運賃から乗ったときに買ったきっぷの運賃を差し引いた額を支払います。これを、発駅計算といいます。

ということで、日常生活で電車に乗る際にはすべて例外になってしまうわけです。例外がふつうなのです。

結論、結局は降りなきゃダメ?

繰り返しになりますが、ふつう(=例外)は乗り越し精算する際には、差額を支払いうことになります。つまり、乗車駅〜降車駅までの運賃から、乗車駅で買ったきっぷの値段を控除した金額を支払います。

例えば、東京駅からディズニーランドに行こうと舞浜駅までのきっぷ(210円)を買って乗車したとします。京葉線の車内で、「やっぱ幕張のアウトレットへ行こう!」と気が変わり海浜幕張駅まで乗り越すと、東京〜海浜幕張間の料金540円から東京駅で買ったきっぷの運賃210円を差し引いた330円を、海浜幕張で精算する際に支払うということです。舞浜〜海浜幕張間の290円を支払うわけではありません。よって、結局のところはトータルで540円を払わねばなりません。

乗車券の分割

もし、舞浜できっぷを分けて合計500円(210円+290円)でおさめたい人は、舞浜駅で改札を出入りしなければならないのでしょうか?残念ながらそうです。従って、普通乗車券を分割することで安くあげるためには、改札を一旦出ることが避けられません(*)

(*)あらかじめ「東京〜舞浜」と「舞浜〜海浜幕張」のきっぷを用意しておけば、一旦改札を出ることを回避できます。各駅(券売機&みどりの窓口)では、基本的にその駅からの乗車券のみの販売になっていますが、実は旅行会社でJRのきっぷを買うことができますので用意できます。しかし、こんな短距離のきっぷを旅行会社で買うのは難しいですし、何よりかっこ悪いです。

回数券の分割

次は、回数券の分割(そういえば、分割回数券とはあまり言わないですね・・・)についてです。あらかじめ、2つの区間の乗車券を用意できる回数券については、改札を一旦出ることなく分割の恩恵を受けられます。

分割回数券の購入

分割される駅で買う形になります。回数券は基本的に利用区間の両端の駅(発駅又は着駅)でしか購入できません。

自動改札対策

入場記録のない回数券で出場するときに注意がいるのが、あまりに距離の短い回数券(*1)で入場記録がないと自動改札のトビラが閉まってしまうことです。キセル防止(*2)の観点からそのようになっています。しかし、正当なキップを持っている人(*3)からすると多少面倒です。

(*1)自動券売機で買った回数券のみのようです。ちなみに、みどりの窓口で回数券を買うと定期券サイズの大きさになります。

マルス回数券

(*2)新宿駅から130円で入って、あらかじめ買っておいた横浜〜桜木町の回数券で桜木町駅を出ようとするなど。

(*3)ちゃんと区間がつながっている複数の回数券を使っている人

ただし、分割回数券でオトクになるような距離(*4)であれば問題ないと思われますし、自動改札で引っかかっても、入場した時の回数券とあわせて見せれば有人改札を出られますので、あまり心配する必要はありません。

(*4)「距離」というのは改札機の設定によるらしいのです。例えば、「**円以下の回数券で入場記録がなければ閉める」など設定できるらしいです。

定期券の分割(分割定期券)

あらかじめ、2つの区間の乗車券(定期券)を用意できる定期券についても、問題なく分割の恩恵を受けられます。 なにしろ、ドカンと大きな金額が節約できることがありますので、大手企業も導入しているとか?

注意点

ややこしいのですが、割引率その他の関係からか1ヶ月だと分割定期券にしてもトクしないが、6ヶ月だとトクするということもあります。ご注意下さい。

自動改札対策 (連続ビット処理)

入場記録(*)のない定期券で出場するときに、自動改札で引っかかってしまうことがあります。あるいは、引っかからなくても「自動改札による入場記録がありません」なんて、まるでキセル犯と疑われているかのような表示が出ます。

(*)定期券には、自動改札を通った記録や自動精算機で精算したした記録が残ります。

特に、定期区間外での精算記録が入っている場合(帰りのきっぷをタッチパネル式券売機に定期券を挿入して購入した場合を除く)はキセルの疑いが強いので、まず間違いなく引っかかります(*)

(*)直前に自動精算機で精算した記録があって入場記録がない場合は、キセルの可能性が高いと判断されます。例えば、大井町〜品川の定期券を持っている人が横浜まで行き精算し、130円のきっぷで横浜から入場して品川で出ようとするようなパターンです。帰りに横浜から乗る際に、タッチパネル式券売機に定期券を入れて横浜〜大井町間のきっぷを購入するか、横浜駅でふつうに横浜〜大井町間のきっぷを買い、品川駅で自動精算機にそのきっぷを投入し、精算金額の代わりに定期券を挿入すれば、自動改札をすんなりと通ることができます。

もちろん、分割定期券の利用は不正乗車ではないので、2枚の定期券を有人改札で呈示すれば「どーぞ、どーぞ」と出してもらえますが、毎回それをするのは面倒です。 そんなあなたは、改札口で連続ビット処理をしてもらいましょう。連続する2枚の定期券を持っていけば、おおむね1分以内でやってもらえます。入場記録がなくても出場できてしまうという、ある意味トンデモない定期券の出来上がりです。

Suicaはだめ?

Suicaは分割定期券に対応していません。例えば、八王子駅から「八王子〜新宿」のスイカで入って、錦糸町駅を「新宿〜錦糸町」の別のスイカ(又は普通の定期券)で出るというこはできないということです。しかし・・・

Suicaで分割定期券の裏ワザ(2区間定期券)に続く


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