「壁に耳あり」とはよく言いますが、耳どころか鼻や骨や皮までも壁の中に入れられることになるかもしれません。もう家畜の飼料にすることができなくなった肉骨粉を建築材料として利用する研究がイギリスで進められています。焼却処分した肉骨粉の灰をコンクリートに混ぜ込んで、道路や建築物を造るのに利用しようというのです。
畜肉の副産物として、ヨーロッパでは年間およそ250万トンの肉骨粉が作られています。イギリスでは1996年まで家畜の飼料として利用されていましたが、狂牛病が広がる原因として指摘されて以来、それも禁止されて利用法が無くなってしまいました。これでは副産物ではなく、単なる産業廃棄物です。
食肉処理場では、肉を取った残りの骨などが山積みとなって残されることになり、今では焼却して埋め立て処理するしか無い状態です。したがって、もっと安価に処理できる方法が求められてきました。一つの案が、肉骨粉を焼却した灰を「骨材(コンクリートを作るときにセメントに混ぜる、砂や砂利などのこと)」として代理利用することです。ヨーロッパではすでにいくつかの国で、国内で焼却した肉骨粉の灰が骨材として使用されています。
2002年9月から、肉骨粉の灰を使ったコンクリートの強度や浸出物についてのテストが開始されます。しかし、そうしたテストで全く問題が無かったとしても、そのコンクリートで家を建てることを消費者が受け入れてくれるかどうかは怪しいところです。焼却段階で、すでに狂牛病の原因物質については問題無いと専門家は主張するのですが、「やっぱり嫌」という人が多いかもしれません。