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2017/09/22

お題「MPMにまさかの大型新人登場とな!!」

http://jp.reuters.com/article/usa-moneymarkets-0921-idJPKCN1BW2T9
2017年9月22日 / 04:39
12月米利上げ確率78%、前日から上昇=金利先物

しかしまあ何ですな、FF先物とか政策勤地がモロに効いてくる所だから右往左往するのは仕方ない面はありますが、そもそも年内のドットチャートは6月FOMCの時と実質変わらん訳で、その間に勝手に市場が利上げしないとかするとか動いた訳ですけど、3月に利上げをした時のことをもう少し落ち着いて思い出せと思う次第でして、9月の段階で12月利上げのビューを変えて出して来るというのはあり得なくて、変えるにしたって直前になるよねえと思うのですよ。まあそんなナイーブな反応するのが米国のワケワカラン所ですけど。

でまあ本来ならば米国の話がメインになりそうな無風MPMだったのですがオモシロ事案もありましたのでジャパンのMPMのお話でも。

○現状維持に対案無き反対とかこの人は(自粛)じゃなかろうか

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2017/k170921a.pdf
当面の金融政策運営について

『1.日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、以下のとおり決定した。

(1)長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)(賛成8反対1)(注1)』

反対1とな????と思って脚注を見ますと・・・・・・・・

『(注1)賛成:黒田委員、岩田委員、中曽委員、原田委員、布野委員、櫻井委員、政井委員、鈴木委員。反対:片岡委員。片岡委員は、資本・労働市場に過大な供給余力が残存しているため、現在のイールドカーブのもとでの金融緩和効果は、2019 年度頃に2%の物価上昇率を達成するには不十分であるとして反対した。


緩和が不十分というのは分かったが対案が無い(政策変更に対して現状維持で反対するなら対案無いというのはあり得るがそれも「現状維持」って対案ですからねえ)とかこの人は何を考えて反対しているのでしょうかねえ???????


・・・・・・・・という件で悪態をついていると肝心(かどうか知らんが)の声明文比較ができなくなるからまずは悪態および世間話の前に声明文の比較をしましょう。


○経済物価情勢の現状と先行きに関する判断は概ね全文一致

前回の比較は展望レポート基本的見解で行います。

再掲しますが今回
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2017/k170921a.pdf

この前の展望レポート
http://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor1707a.pdf

・現状判断

『わが国の景気は、所得から支出への前向きの循環メカニズムが働くもとで、緩やかに拡大している。』(今回)
『わが国の景気は、所得から支出への前向きの循環メカニズムが働くもとで、緩やかに拡大している。』(前回)

前回のは基本的見解の2ページ(最初の鏡の直後)の頭からになります。

『海外経済は、総じてみれば緩やかな成長が続いている。そうしたもとで、輸出は増加基調にある。国内需要の面では、設備投資は、企業収益が改善するなかで、緩やかな増加基調にある。個人消費は、雇用・所得環境の着実な改善を背景に、底堅さを増している。この間、公共投資は増加しており、住宅投資は横ばい圏内の動きとなっている。以上の内外需要の増加を反映して、鉱工業生産は増加基調にあり、労働需給は着実な引き締まりを続けている。』(今回)

『海外経済は、総じてみれば緩やかな成長が続いている。そうしたもとで、輸出は増加基調にある。国内需要の面では、設備投資は、企業収益や業況感が業種の拡がりを伴いつつ改善するなかで、緩やかな増加基調にある。個人消費は、雇用・所得環境の着実な改善を背景に、底堅さを増している。この間、公共投資は増加に転じつつあり、住宅投資は横ばい圏内の動きとなっている。以上の内外需要の増加を反映して、鉱工業生産は増加基調にあり、労働需給は着実な引き締まりを続けている。』(前回)

企業の業況感に関する部分は短観が入った後の声明文等の時だけ入るという仕様になっているので、その部分で表現に変化がありますが、判断に関わる部分の文言には変化がありません。


『わが国の金融環境は、きわめて緩和した状態にある。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、0%台半ばとなっている。予想物価上昇率は、弱含みの局面が続いている。』(今回)

『わが国の金融環境は、きわめて緩和した状態にある。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品、以下同じ)の前年比は、0%台前半となっている。予想物価上昇率は、弱含みの局面が続いている。』(前回)

現実の物価の数字に関する部分は実際の数値によるものなので変わっていますが、予想物価上昇率はまだ弱含みの局面だそうです。


・先行き見通し

『先行きのわが国経済は、緩やかな拡大を続けるとみられる。』(今回)
『先行きのわが国経済は、緩やかな拡大を続けるとみられる。』(前回)

前回のは2ページ目の『2.わが国の経済・物価の中心的な見通し 』から該当する所を拾っています。

『国内需要は、きわめて緩和的な金融環境や政府の大型経済対策による財政支出などを背景に、企業・家計の両部門において所得から支出への前向きの循環メカニズムが持続するもとで、増加基調をたどると考えられる。』(今回)

『2018 年度までの期間を展望すると、国内需要は、きわめて緩和的な金融環境や政府の大型経済対策による財政支出などを背景に、企業・家計の両部門において所得から支出への前向きの循環メカニズムが持続するもとで、増加基調をたどると考えられる。』(前回)

同じですな。


『輸出も、海外経済の改善を背景として、基調として緩やかな増加を続けるとみられる。』(今回)
『こうした海外経済の改善を背景として、輸出も、基調として緩やかな増加を続けるとみられる。』(前回)

同じですのう。

『消費者物価の前年比は、マクロ的な需給ギャップの改善や中長期的な予想物価上昇率の高まりなどを背景に、プラス幅の拡大基調を続け、2%に向けて上昇率を高めていくと考えられる(注2)。』(今回)

『もっとも、先行きの物価を展望すると、消費者物価の前年比は、マクロ的な需給ギャップの改善や中長期的な予想物価上昇率の高まりなどを背景に、プラス幅の拡大基調を続け、2%に向けて上昇率を高めていくと考えられる。』(前回)

てな訳で同じです。注2というのは物価が2%に向けて上昇率を高めていくという見通しにはならないと片岡委員が反対していまして、緩和が足りないというのと整合的は整合的ですが・・・・(あとでネタにします)


・リスク認識

『リスク要因としては、米国の経済政策運営やそれが国際金融市場に及ぼす影響、新興国・資源国経済の動向、英国のEU離脱交渉の展開やその影響、金融セクターを含む欧州債務問題の展開、地政学的リスクなどが挙げられる。』(今回)

『リスク要因としては、米国の経済政策運営やそれが国際金融市場に及ぼす影響、新興国・資源国経済の動向、英国のEU離脱交渉の展開やその影響、金融セクターを含む欧州債務問題の展開、地政学的リスクなどが挙げられる。』(前々回)

こいつだけは比較しにくいので6月会合の
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2017/k170616a.pdf
から引用の巻。

とまあそういうことで現状判断も先行き見通しも変化はないという結果になりました。


○片岡委員の反対に関する雑談と悪態

・そもそもどこを問題にして追加緩和をしようとしているのかが分からん

『反対:片岡委員。片岡委員は、資本・労働市場に過大な供給余力が残存しているため、現在のイールドカーブのもとでの金融緩和効果は、2019 年度頃に2%の物価上昇率を達成するには不十分であるとして反対した。』

ということですが、「緩和が足りない」というのは簡単なのですが、(若干上記部分に説明はあるけれども)足りない緩和を強化するとして、その強化によって何をどういう波及経路で利かせに行くのかというのがこれではさっぱり見えてこないんですよね。これで対案があれば少しは波及経路のメカニズムの理屈も見えてくるんですけど。

つまりですな、「スラックがでかいから問題」なのか「2019年ごろに達成しないから問題」なのかというのが分かり難くて、さっきの注の方だと、

『(注2)片岡委員は、物価の前年比は、原油価格や為替の影響により当面上昇すると見込まれるものの、来年以降、2%に向けて上昇率を高めていく可能性は現時点では低いとして反対した。』

って意見をだしているので、何となくは「そもそもこれでは永遠に2%達成できない可能性が高いから追加緩和しろ」と言っているように見えるのですが、「2019年頃に」とか余計な文言が入っているからさっぱり分からん訳で、今の政策でも達成するけれども時間が死ぬほど掛かるから問題なのか、そもそも今の緩和規模では達成しないと言っているのかが分からんです。

でまあ問題はどうも未だに経済にスラックが残っているという認識だから追加緩和というお話のようですが、QQEやらアベノミクスやらを4年間もやっているのにまだ経済にスラックが過大にある、という御認識なのでしたらば、リフレ一派の皆様が仰せになっている「リフレ政策は大成功、雇用がこんなに改善しているではないか(キリッ)」というのは何だったのかと小一時間問い詰めたいところですし、追加緩和をしないとそのスラックが解消しないというのであれば、ここまで4年間散々やった緩和を更に追加するようなのってどんだけの緩和になるのでしょうかと思いますな。


・まあそれ以前の問題として対案が無い(「現状維持という対案」はここでは有り得ないので)

まあ先ほどから申し上げておりますように、対案が無いとこの人は金融政策のどういう手段を使うと経済にどういう波及ルートから効いてきて、その結果このような部分に効果が出てくる、というような話がさっぱり見えない訳でして、単に「足りないから反対、でも方法は事務方考えろ」だったらば、それはただの評論家であって責任ある立場の人間のすることではありませんな。

しかもですよ、例えば金融ばかりを専門にしていた訳ではない企業経営者の方がその経済や実業に対する見識を持って就任した、というのであれば金融政策の手段とか波及メカニズムとかその辺についての研究に時間が掛かるというのは分かるのですが、この人は以前から金融政策に対してああでもないこうでもないと仰せになっていた訳でして、その上就任からまるまる2か月経過している訳で、お前はこれまで何をしていたのかと小一時間問い詰めたい訳で、単に「2年を念頭に出来るだけ速やかに」が出来そうにもないけれども、じゃあこれをやったら達成するという対案も無いんだが、自分のアリバイ工作だけはしないといけないマズイじゃんとなって保身の為に「言ってみただけ反対」をしたのでしたら無能か怠慢かという話になるのですが、次に何か説得力のあるメカニズムを持ち出して、当然ながら政策のプロコン分析も含めた形で具体的な対案を出して頂けるものと信じておりますので、まあ本来であれば今回の時点で出せないという所でお前は何を言っているんだと思う訳よ。

いやね、確か棄権というのも可能なはず(間違ってたらごめんなさい)だから、対案も無いのに反対する位なら「現状の金融緩和が早期に2%物価目標を達成させる為に適切なのかの分析をもっと行う必要があり、判断を留保する為に今回は棄権」というのもあったんじゃないかなあとは思うのですけど、対案も出さないで現状維持に反対っていうのは無責任にも程があると見えてしまうのでもう少しものを考えて頂きたいですな。


・なおプロコン分析ちゃんとやってるんでしょうかねえ

いやまあ追加緩和で量に回帰とか金利をもっと下げるとか提案するならするで良いのですが、そもそも総括検証をやった時点でプロコン分析をやって「プロコンかんがえた時に適切なバランスはこの辺」ということで政策を決めていた訳(そのプロコン分析も何だかなーとは思うけど)ですから、それを破る追加緩和提案をする、というのにプロコン分析が全く無いまま単に「たくさん緩和すればそのうち盛大に効く理論」で追加緩和提案されても困る訳だし、大体からして2%物価目標はマンデートなのですが、そもそも何のために2%物価目標やるのかというのは別に中央銀行の自己満足の為に2%にする訳ではなくて、国民厚生の向上の為に実施するんですけど、まあここで2%の為なら国民が困窮しても問題ない理論が炸裂したらそれはそれで面白い(超不謹慎)ので楽しみに正座して追加緩和のご提案を待ちたいと思います。

ただまあこれだけの緩和を4年間実施してこの程度な訳ですから、早期2%達成にはその延長で考えた場合どんだけ緩和するのか、という話になるでしょうなあ。


・しかしこの背景を妄想するとそれはそれで面白い

とまあそういう訳で、ジンバブエ原田先生をある意味で超越しそうな逸材が登場しましたので、野次馬として見ている分には笑える(いやまあ笑えないのだが)展開になりましたが、この追加緩和提案が実はこう政治方面から黒田さんを盛大に刺しに来ているのでしたら物凄く熱い展開な訳でして、次期執行部人事絡みで黒田さん再任どころの騒ぎじゃないという事になりますが、散々黒田さんを屋根の上に上げて馬鹿踊りをやらせた挙句に下の建物に盛大に放火するという風情を感じてしまいますのでオソロシスとも言えます。

まあ今までのリフレ審議委員の皆様に対して片岡さんがいきなりカチコミを入れてきたという形であることは間違いないのですが、このカチコミがそういう訳で政治方面からのカチコミなのか、単に遅れてきた革命家が現実の政治を見ないで夢見る理想主義で寝言を言っているだけなのか、まあ判断のつきかねるところではありますが、リフレ派の内ゲバみたいになって参りまして、面白いから内ゲバの結果共倒れになって頂きたく存じます。

ああそれからの提案に対してリフレ一派の皆様におかれましては「よくやった」との声が多いように見受けられますが、そんなことを言っている暇があったら置物副総裁とかジンバブエ先生とかショーンK先生とかを白川日銀を口汚く罵っていた勢いで罵倒しないといけないと思いますがね。

・・・・・・とか最後は不毛な悪態になってしまって正直スマンカッタ。まあしかしこの「反対しただけ」のままでは説明責任どうなってるんだという話になるので、次回はちゃんと対案を出して頂いて、「主な意見」を使ってそのバックボーンを説明して頂きたいと思います。




2017/09/21

お題「FOMCである」

すっかり消費増税するという話のようですが、消費増税のせいでインフレ目標達成が遅れてしまったがマネタリーベース直線一気論は正しい(キリッ)とか言っている置物リフレ一派の皆様におかれましては何で猛然と批判を開始しないんですかねえ。

・・・・・・・と思ったのですが、良く考えたら物価目標がどうせ早期に達成できないのですから消費増税が行われた方が金融政策理論は正しいが消費税ガーって言い訳が出来るので無限言い訳が可能で都合がよろしいんでしょうかねえ。

という悪態はさておきましてFOMCなのですが。


○声明文比較

https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20170920a.htm(今回)
https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20170726a.htm(前回)

・第1パラグラフ:現状認識は微修正程度

『Information received since the Federal Open Market Committee met in July indicates that the labor market has continued to strengthen and that economic activity has been rising moderately so far this year.』(今回)

『Information received since the Federal Open Market Committee met in June indicates that the labor market has continued to strengthen and that economic activity has been rising moderately so far this year.』(前回)

総括判断は前回と同じ。


『Job gains have remained solid in recent months, and the unemployment rate has stayed low. Household spending has been expanding at a moderate rate, and growth in business fixed investment has picked up in recent quarters.』(今回)

『Job gains have been solid, on average, since the beginning of the year, and the unemployment rate has declined. Household spending and business fixed investment have continued to expand.』(前回)

雇用に関するところは若干現状判断の文言が強くなっていて、家計支出の判断が微妙に下がっていて、企業投資の判断は微妙に上がっています。


『On a 12-month basis, overall inflation and the measure excluding food and energy prices have declined this year and are running below 2 percent. Market-based measures of inflation compensation remain low; survey-based measures of longer-term inflation expectations are little changed, on balance.』(今回)

『On a 12-month basis, overall inflation and the measure excluding food and energy prices have declined and are running below 2 percent. Market-based measures of inflation compensation remain low; survey-based measures of longer-term inflation expectations are little changed, on balance.』(前回)

物価に関して2%以下で推移というのに「this year」って入れているのは一時的だとでも言いたいのかどうか知りませんが、何で入れたんじゃろ。


・第2パラグラフ:やたらハリケーンの影響とそれが一時的であるという話をしております

まあそんだけ大きなハリケーンだったんですかね(イマイチ分かって無くてすいません)。

『Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability.』(今回)
『Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability.』(前回)

これはいつも通り。

『Hurricanes Harvey, Irma, and Maria have devastated many communities, inflicting severe hardship. Storm-related disruptions and rebuilding will affect economic activity in the near term, but past experience suggests that the storms are unlikely to materially alter the course of the national economy over the medium term.』(今回)

今回わざわざハリケーンに関する説明をしているのですが、要は「色々と影響がありますが、中期的に見た場合に経済に影響を与えるような話にはなりませんよご安心ください」ということのようで。

『Consequently, the Committee continues to expect that, with gradual adjustments in the stance of monetary policy, economic activity will expand at a moderate pace, and labor market conditions will strengthen somewhat further.』(今回)

『The Committee continues to expect that, with gradual adjustments in the stance of monetary policy, economic activity will expand at a moderate pace, and labor market conditions will strengthen somewhat further.』(前回)

同じですな。

『Higher prices for gasoline and some other items in the aftermath of the hurricanes will likely boost inflation temporarily; apart from that effect, inflation on a 12-month basis is expected to remain somewhat below 2 percent in the near term but to stabilize around the Committee's 2 percent objective over the medium term.』(今回)

『Inflation on a 12-month basis is expected to remain somewhat below 2 percent in the near term but to stabilize around the Committee's 2 percent objective over the medium term.』(前回)

ハリケーンの影響で一時的に物価が上がるかも知れませんが中期的には影響ありませんですぜという話をしていたりするので、これはこれで穏当な話なのですが、ブレイナード理事のように適合的期待形成チックな話をしている人はこの手の一時的物価上昇に対してどういう反応を示すのかというのが興味ありますな(なお本来的には「適合的期待形成の観点から物価が弱いとマズーであっても、もとより物価が弱めで推移している中なので多少の上振れはそれが一時的であれば寧ろインフレ期待を2%でアンカーさせるのに寄与する」というような話をすると思うですが、単に足元の物価でフラフラしているだけだと変な反応になる可能性も)。

『Near-term risks to the economic outlook appear roughly balanced, but the Committee is monitoring inflation developments closely.』(今回)
『Near-term risks to the economic outlook appear roughly balanced, but the Committee is monitoring inflation developments closely.』(前回)

経済のリスク認識に関する変化はありません。まあいつも通り。


・第3、第4パラグラフ:金利政策に関する部分は全文一致

第3パラグラフは全文一致。

『In view of realized and expected labor market conditions and inflation, the Committee decided to maintain the target range for the federal funds rate at 1 to 1-1/4 percent. The stance of monetary policy remains accommodative, thereby supporting some further strengthening in labor market conditions and a sustained return to 2 percent inflation.』(今回)

『In view of realized and expected labor market conditions and inflation, the Committee decided to maintain the target range for the federal funds rate at 1 to 1-1/4 percent. The stance of monetary policy remains accommodative, thereby supporting some further strengthening in labor market conditions and a sustained return to 2 percent inflation.』(前回)

でもって全文一致なので一気に引用しちゃいます第4パラグラフ。

『In determining the timing and size of future adjustments to the target range for the federal funds rate, the Committee will assess realized and expected economic conditions relative to its objectives of maximum employment and 2 percent inflation. This assessment will take into account a wide range of information, including measures of labor market conditions, indicators of inflation pressures and inflation expectations, and readings on financial and international developments. The Committee will carefully monitor actual and expected inflation developments relative to its symmetric inflation goal. The Committee expects that economic conditions will evolve in a manner that will warrant gradual increases in the federal funds rate; the federal funds rate is likely to remain, for some time, below levels that are expected to prevail in the longer run. However, the actual path of the federal funds rate will depend on the economic outlook as informed by incoming data.』(今回)

『In determining the timing and size of future adjustments to the target range for the federal funds rate, the Committee will assess realized and expected economic conditions relative to its objectives of maximum employment and 2 percent inflation. This assessment will take into account a wide range of information, including measures of labor market conditions, indicators of inflation pressures and inflation expectations, and readings on financial and international developments. The Committee will carefully monitor actual and expected inflation developments relative to its symmetric inflation goal. The Committee expects that economic conditions will evolve in a manner that will warrant gradual increases in the federal funds rate; the federal funds rate is likely to remain, for some time, below levels that are expected to prevail in the longer run. However, the actual path of the federal funds rate will depend on the economic outlook as informed by incoming data.』(前回)

いつもと同じ話をしておりますので、今回利上げに関しての予告ホームランも無いのですが、何故か某モーサテでは12月利上げを織り込ませに行ったとか言っていたのが聞こえてきて意味が分からんのですが空耳であることを希望します。


・第5パラグラフ:資産規模縮小開始

予告通りキタコレ。

『In October, the Committee will initiate the balance sheet normalization program described in the June 2017 Addendum to the Committee's Policy Normalization Principles and Plans.』(今回)

『For the time being, the Committee is maintaining its existing policy of reinvesting principal payments from its holdings of agency debt and agency mortgage-backed securities in agency mortgage-backed securities and of rolling over maturing Treasury securities at auction. The Committee expects to begin implementing its balance sheet normalization program relatively soon, provided that the economy evolves broadly as anticipated; this program is described in the June 2017 Addendum to the Committee's Policy Normalization Principles and Plans.』(前回)

うーんこのあっさり感のある資産買入縮小開始の説明。でまあ開始したからには次回のFOMCからは縮小ペースをいじるのでない限りはパラグラフ自体が削除されるんでしょうし、ペースは基本的にコロコロいじるものではない、としていましたのでそういうのも中々やらないんでしょうな。

ペースについては
https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20170920a1.htm
September 20, 2017
Implementation Note issued September 20, 2017

のディレクティブの所に、

『Effective in October 2017, the Committee directs the Desk to roll over at auction the amount of principal payments from the Federal Reserve's holdings of Treasury securities maturing during each calendar month that exceeds $6 billion, and to reinvest in agency mortgage-backed securities the amount of principal payments from the Federal Reserve's holdings of agency debt and agency mortgage-backed securities received during each calendar month that exceeds $4 billion. Small deviations from these amounts for operational reasons are acceptable.』

とございます。


・第6パラグラフ:全員一致とは巧みにまとめましたな

『Voting for the FOMC monetary policy action were: Janet L. Yellen, Chair; William C. Dudley, Vice Chairman; Lael Brainard; Charles L. Evans; Stanley Fischer; Patrick Harker; Robert S. Kaplan; Neel Kashkari; and Jerome H. Powell.』(今回)

『Voting for the FOMC monetary policy action were: Janet L. Yellen, Chair; William C. Dudley, Vice Chairman; Lael Brainard; Charles L. Evans; Stanley Fischer; Patrick Harker; Robert S. Kaplan; Neel Kashkari; and Jerome H. Powell.』(前回)

カシュカリ先生からも反対が出なかったですな。まあ計画書の方が全員一致だったので順当は順当ですけどここは良くまとめてきたとイエレンさんを高く評価したい所です。



○SEP:今回はロンガーランのFF金利が下がっているんですよねー

https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/fomcprojtabl20170920.pdf(今回)
https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomcprojtabl20170920.htm(HTML版)

https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/fomcprojtabl20170614.pdf(前回)
https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomcprojtabl20170614.htm(HTML版)

・GDP

2017年の数値が2.2→2.4と上振れ
2020年の数値が1.8で出てきてロンガーランと一致

となっていて、2019年もまあ微妙に上がっています。一応絵としては年内は確り成長、以降再来年くらいまではロンガーランの成長率を若干上回る成長を継続したあとロンガーランと一致という図になっています。

・失業率

2018年と2019年の数字が気持ち下振れしていますが、数値事態は4.3→4.1→4.1→4.2なので、ここから失業率が一段低下という程のことにはならないのですが、ロンガーランの失業率が4.6%のままになっているので、本来ならば成長もロンガーランを上回って失業がロンガーランを下回るのが3年も続いたらインフレ加速する筈なんですけど・・・・・・・・・・・


・インフレ率

2017年の数字がコアの方で1.7→1.5に下方修正されていて、2018年の数字がコアもヘッドラインも2.0→1.9になっています。まあ2018年の2.0が1.9になるのっていうのは、極端にアクチュアルの物価に政策を紐つけるような事をしていない限り、この修正がそこまで大きな意味があるとは思わないので、今回は足元の物価見通しを若干下方修正したという程度の話なのでしょうが、ロンガーラン2%という説明の中で、GDPと失業率のロンガーランよりも良い状況が3年継続するのに何故か物価の方は2018年以降ほぼ2%で安定推移するというのも理屈としては整合性が妙な見通しになっておりますな。


・ドットチャート

年内の部分に関してですが・・・・・・・・・・

12月までFOMCは2回、会見付は1回となっておりますが、年内の利上げに関しては、

無し:4票→4票
1回:8票→11票
2回:4票→1票

前回時点での2回というのは「年4回」派でしたので3人降りるのは順当(1人変態仮面がいますが)なのですが、年3回派は誰も降りていないですね。

来年の部分に関して

無し:1票→2票

・・・・・・というのがほほーという感じで、これがブレイナード大先生だったら笑ってしまいますが、物価見通しがもし下の方で1.9どころの騒ぎではない、というのであれば無しに入れても整合性は取れるので、この1名が誰なのか(あと一人はブラード)興味ありますな。

でもって、無し派の人の方から下に票が入っている、と仮定して2018年の利上げ回数を見ますと、

年内無し派の人4名:来年も無し2名、来年2回が1名、来年3回が1名
年内1回派の人11名:来年2回1名、3回6名、4回(1人レンジじゃないのも含めると)4名
変態仮面:来年4回

となっておりまして、概ね来年の利上げペースも3回というのが多そうな感じ。

でもって2019年と20年はスルーしまして問題のロンガーラン

ロンガーランの金利

2.25%:0名→1名
2.50%:1名→4名
2.75%:5名→4名
3.00%:8名→5名
3.50%:1名→1名

(合計が1少ないのはブラードがロンガーランを出していないから)

となっていて、下げるのが0.25%までだと仮定すると、今回は3.00%から3人、2.75%から4人、2.50%から1人がレートを0.25%下げた計算になる(まあそうじゃなくて0.5%一気に下げた人がいるかもしれませんからあくまでも推測ね)ので、おお今回随分降りたじゃないの、という風に思う訳で、アタクシはこっちの方がほほーと思ったのですが、何故か12月利上げの旗が降りなかった方で反応しているみたいな後講釈になっていて違和感は正直あるのでした。


○会見は後日

そこまで手が回らなかったので後日。
https://www.federalreserve.gov/mediacenter/files/FOMCpresconf20170920.pdf
Transcript of Chair Yellen’s Press Conference Opening Remarks
September 20, 2017



2017/09/20

お題「市場世間話とFOMCプレビュー雑談」

ほほー
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170919/k10011148411000.html
トランプ大統領 国連総会の演説で北朝鮮を強く非難
9月20日 4時00分


○短国が残っているようで

昨日の短国買入(と輪番)
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of170919.htm
国庫短期証券買入 10,000 2017年9月21日
国債買入(残存期間1年以下) 1,000 2017年9月21日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,100 2017年9月21日
国債買入(物価連動債) 250 2017年9月21日

前々回の短国買入(6M入札直後)が7500億円のオファーだったので昨日の短国買入1兆円は多めに入れてきましたという感じですが、先週木曜の3Mと金曜の1Y(をネタにしてないのですが、汗)がイマイチな結果で短国の需給があまり宜しくないという事で増額してきましたな。


で結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba170919.htm
国庫短期証券買入 31,540 10,002 0.000 0.006 91.5
国債買入(残存期間1年以下) 2,220 1,002 0.002 0.002 99.7
国債買入(残存期間5年超10年以下) 13,923 4,105 0.008 0.008 89.9
国債買入(物価連動債) 1,044 250 0.300 0.199 84.6

応札3兆とは多いですなという所ですが、6糸甘平均の引け按分で、カレントの3Mと1Yの入札は▲13.94bp/▲11.75bpと▲13.08bp/▲12.78bpとなっていて、売買参考統計値が3Mで▲12.5bp、1Yで▲13.8bpになっていたので、6糸甘で入れたとしましても1Yは入札平均対比利食いになっていますけれども、3Mはちと厳しいかなという感じではあるのですが、応札が3兆あったということは3Mも入れてきている筈で(落札できたかどうかは知らん)、まあ強い所で入れるようにはするのでしょうが、足が微妙にあるので3Mも入ったんじゃないですかねえという感じもせんでもない(まあ日銀の残高見て後日確認すれば良いのですが)。

あと長期輪番なのですが、水準自体はこんなもんちゃあこんなもんかも知れませんけれども、一本値になっているのがほーという所で。


でもって話は戻るのですが、短国に関しては今月は中間期末ではあるのですが、この前の期末はお助け措置を打つ破目になるような短国需給の強さだったのに対して今回は需給が悪いと来ていまして、これが「買入残高のストックそのものが減った効果」なのか「買入のフローが減った効果」なのかがイマイチ良く分からんのですけれども、来月は日銀保有の短国の償還が5.7兆円有る筈なので(日銀保有短国の銘柄別明細からアタクシが計算した数字なので間違っていたらゴメンやで)、買入のフロー自体は来月多くなる筈でして(残高2兆減らすにしても3.7兆円買うことになるから)、来月の短国需給が確りしているようでしたらば「フロー効果>ストック効果」という話になると思うのですよ。

つー訳で多分資産買入政策の資産価格に与える影響として、フロー効果とストック効果の話が出てくるのですが、何度か申し上げたかと思いますが、買入残高がどこかの閾値に達するとフロー効果の方が大きくなって、それよりも少ない時にはストック効果が効くというのが(ちょっと特殊市場ではあるけれども)一つの例として示されるのかなーと楽しみにしています。まー定量的にどうなのかという話って出来ないので現場労働者の勘という何の根拠もない定性的な話になりますが、債券の場合だと、マーケットメーカーがマーケットメイクする(短国の場合コストの関係で今の状況だと事実上ショート振れないに等しいから特殊だけど)ためには一定の流通玉が無いといけなくて、その流動性バッファーみたいな流通玉の残高に手が掛かる段階が閾値なんじゃないのかなーと思うのです。

でもってその閾値を越えると急速にストック効果が出てきて、以前(マイナス金利政策をぶっこむ前)のように政策金利はマイナスになっていないのに短国だけマイナスに特攻するような事態になる(あの時は短国買入をMBの帳尻に使っていて市場の需給お構いなしに成行買いしていたからオペ狙いで相場が吊り上っていた面もあるから全部がストック効果なのかというとそれはそれで微妙なのだが)という事なのかねーと思いますので、「金利を下げる」という意味では効果はばつぐんなのですが、それは市場機能が壊れるのとのトレードオフ(フロー効果だったら市場がまだ生きている)というのもこれまでの教訓として示されている訳で、ストック効果を「効果」というものどうなのかねーとは思います。


○FOMCプレビュー雑談

うむ。
http://jp.reuters.com/article/-idJPL4N1M04TG
2017年9月20日 / 04:37 /
米金融・債券市場=利回りやや上昇、FOMCに注目

『朝方発表された経済指標では、8月の輸入物価指数が前月比0.6%上昇し、7カ月ぶりの大幅な伸びとなったことを受け、国債利回りが上昇する場面もあった。前週発表の8月の消費者物価指数(CPI)が上昇したことを受け、12月の利上げ観測が高まり、CMEグループのフェドウォッチによると、金利先物は12月利上げの確率が58%であることを織り込む水準となっている。』(上記URL先より)

まー今回はバランスシート縮小の開始が決定されて、そのスケジュール感についてはこの前ダドリーが講演で言っていた感じで、そこそこの幅を持たせながらも最終形のイメージは2020年から2021年辺りまで掛けて1兆ドル少々の減額を行うというようなのを念頭に置きつつ、とりあえずゆるりと減らしますって話になるんでしょう。

でもって12月利上げに関しては今回さすがに予告ホームラン打つほどの気合は無いでしょうし、一方で正常化をこんな所で止めるという事も無いでしょうから「正常化路線の継続」については盛大に主張するということで、まー市場が勝手に行きたい方向に解釈するという結果になるんじゃないですかねー、と思っていて、市場の流れを反転させるというよりは超短期で見た場合の足元の値動きがそのまま続く(株は何でこんなにワッショイなのか良く分からんが長期債の方は金利レンジの下限までやって戻ってきているので、とりあえずもうちょっとだけ上がるけどレンジの上限はそんなに遠くは無いと思うので、足もとの金利上昇が長期トレンドになるようなイメージには違和感があるというのは個人の感想ですので念のため申し添えます)という感じなんですかねえ、よー知らんが。

長期金利に関してはFF先物がどうのこうのよりも、今は正常化路線を取っている訳ですから、問題になるのは中立金利水準までの距離と時間であって、そらまあ12月に上げるか上げないかによって中立金利水準までの距離と時間が変わってくるのでそれ自体がどうでも良い訳ではないですけれども、モロに先物の原資産が利上げの有無で違ってくるFF先物の織り込みと長期金利の方の織り込みってまた別の話になると思う次第で、まあ2年金利でも見てろという話ですな。なお2年金利はついこの前全然利上げ無いんじゃないか位の勢いまで買われたりしていたのはナンダッタンダという所ですけど。

無論「そもそも中立金利どころの騒ぎではない」という風になると全然話は違ってくるので、中立金利まで上げられないだろうという話になってくれば長期金利の水準も別のステージになるのですが、実体経済のデータ自体は悪くないのでそこまでは行ききれませんでしたとゆー感じでしょうな。

てな訳で、今回は声明文は普通にちょっと足元の上方修正程度で資産買入縮小に着手するけれども依然として緩和的とかそういう話をする。ブレイナードとかが降参気味ではあるのですが、直近のCPIが確り目だったし、ドットチャートはそこまで弱くならないし、会見では12月利上げの可能性は言及するけれども、今後の状況次第なので今から何か決め打ちする事は無く、それを各市場が自分の都合の良いように解釈する、というような感じになるんじゃないでしょうか。仮に12月に利上げするにしても、3月利上げの時に直前3週間程度で強引に織り込ませに行って利上げの直前に全部織り込ませてしまって利上げ後に長期金利は上昇しませんでした、という結果を作っていて、たぶんあれはFED的には「利上げ大成功」という認識でいると思うので、12月利上げするにしても、10月FOMC(って2日目は11月1日だが)で予告ホームランしなくても直前に織り込ませることは可能と踏んでいて、今回12月利上げ無いみたいな事は言わないとしても、やる気満々スタイルでは来ないんじゃないですかねえ(あくまでも個人の感想というか妄想です)。


○雑談メモおよび微妙な悪態ですが

・インターンシップとな

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2017/rel170915a.htm/
インターンシップ(金融政策関連コース・中央銀行制度コース)の募集について

『日本銀行は、日本の中央銀行であり、「物価の安定」および「金融システムの安定」を政策目標としています。ただ、こうした目標の達成に向けて具体的にどのような実務がなされているのかについては、なかなかイメージしにくい部分もあるのではないでしょうか。』

物価は上がらないわマイナス金利+YCCの長期化で金融システムにも金融不均衡や金融機関の基礎的収益基盤の破壊をしているようにしか見えませんが。

『そこで、5日間のインターンシップを通じて、日本銀行の職員(総合職)が、どのような視点や考え方で金融政策の企画立案や経済調査などの業務を行っているのかを体験して頂くとともに、中央銀行における仕事のやりがいや、法律や経済など大学で学んだことがどのように生かされているのかを感じ取って頂きたいと考えております。』

「日本銀行の職員」であって政策委員の方ではないんですね!!!!!

つーことで、

『金融政策関連コース

プログラム概要

金融政策運営の概要について学んで頂くとともに、望ましい金融政策運営のために、どのように政策の企画立案や経済調査などの業務が行われているのかを体験して頂きます。

プログラム(予定)

1日目:オリエンテーション、金融政策関連業務の説明
2〜4日目:金融政策関連業務の体験(グループワーク)
5日目:グループ発表』

今からアタクシどっかの大学で勤労学生をさせて頂くことにしてこのコース参加させてくれませんかねえ(笑)。


『中央銀行制度コース

プログラム概要

中央銀行の役割や業務の全体像についての理解を深めて頂きます。そのうえで、様々な環境変化に対して、政策目標の達成に向けて中央銀行として何ができるのかについて考えて頂きます。

プログラム(予定)

1日目:オリエンテーション、中央銀行の制度・業務の説明
2〜4日目:中央銀行の制度・業務の検討に関するグループワーク
5日目:グループ発表』

金融政策の方は「どういう屁理屈をこねるのか」というような実践的な話でも聞かせてくれると面白いかも知れませんが、後者の中央銀行制度コースって方は真面目な話金融機関実務担当者に思いっきりニーズがあると思うのですが、何か日銀でやってくれませんかねえ、ああ日銀ホームページに勉強資料あるからそれを読めですかそうですか。

ちなみに、決済に関しては

http://www.boj.or.jp/paym/outline/index.htm/
決済システムの概要

の最後に

決済と決済システムを理解するためのキーポイント
決済の原理?決済についての入門講義?

というのがあって、実際はこの部分はリンクされていてその先の資料が大変によくできている(ただし長い)のでマジでお勧め(だが長いので読み切るまでにめげてしまう可能性は大)です。



・調節懇談会またやるのか

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2017/rel170915b.pdf
「市場調節に関する懇談会」の開催について

日本銀行金融市場局は、「市場調節に関する懇談会」(2017 年第 2 回目)を以下の要領で開催します。
1.日 時 2017 年 10 月 19 日(木) 17 時 30 分から
2.場 所 日本銀行本店

とまあそういう事で調節懇なのですが、直近はとにかく日銀政策は動かないわ調節も動かないわと風林火山(の山)モードになっておりますし、ちょうど選挙期間中になってしまって、まあ基本的には選挙結果であばばばばーという事も無いんでしょうが、それにしても選挙結果が次期日銀体制に影響を与えるかもというような中で新機軸を出すという時期でもないし、どうせ今週のMPMは展望レポートも無いので知らんがなという所でしょう。

それよりも市場云々という文脈で言いますと、来年5月に控えております国債決済T+1に向けた対応の方が気になる所でして、金融市場局と微妙にズレるネタではあるのですが、いまさらT+1を延期という訳にも行かないでしょうから強行するんでしょうけれども、決済回るのかとか(たぶん気合と根性で回すというジャパンクオリティが炸裂する筈)、国債のマーケットメイクの裏側で回っているレポデスクの業務回るのかいなとか、そういうのが気になる訳で、本来T+1を延期して欲しい所ですがそれが無理ならばせめて現物国債の流動性を上げておかないと、多分導入当初(から当分の間)T+1とT+2が混在しそうだし、銘柄後決めGCのT+0とかまともにワークするとも思えない(マージナルな取引に留まるのではないかと思う)ではないかと思うので、調節だけのマターではないのですけれども、せめてSLFの常設ファシリティ化(今のSLFはあくまでもスペシャル貸付ファシリティで例外扱い)をしないとまずいんじゃないかと思いますし、5月に間に合わせるためにはそろそろ検討しないとマズかろうと思いますがどうでしょうかね、と調節と関係ないけど思うのでした。

#さあ今晩から金融政策秋の陣開始本格開始ですな



2017/09/19

お題「連休明けですが雑談を少々でご勘弁」

予算委員長やってからバランス良い人になった一太先生がちゃんとしたコメントをしておる。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201709/CK2017091802000137.html
「国民をバカにしてると思われる」 山本元沖縄担当相、冒頭解散に懸念
2017年9月18日 朝刊

国会開催を散々引っ張って開催したら冒頭に7条解散とか憲法規定上かなり微妙な線を突っ走ってますし、事実上前国会の食い逃げ解散なんですけどね。

というか北朝鮮に異次元の圧力かけてるときに選挙するのってどうなのかと思ったがまさか(以下烈しく自主規制)。


○ブレイナード理事講演のまとめですが「実際に物価が上がらないと正常化は進めにくい」とのこと

https://www.federalreserve.gov/newsevents/speech/brainard20170905a.htm
September 05, 2017
Understanding the Disconnect between Employment and Inflation with a Low Neutral Rate
Governor Lael Brainard
At The Economic Club of New York New York, New York

実際の物価がマンデート水準に届いていないことによってインフレ期待が下がっているのではないか?というハト丸出しのブレイナードさんの指摘部分に関してはそこそこ重要だと思いますのでいまさらですが木曜の続きということでその部分を確認しておきますね。

『There is no single highly reliable measure of that underlying trend or the closely associated notion of longer-run inflation expectations. Nonetheless, a variety of measures suggest underlying trend inflation may currently be lower than it was before the crisis, contributing to the ongoing shortfall of inflation from our objective.』

『That conclusion is suggested by estimates based on time-series models, longer-run expectations from the University of Michigan Surveys of Consumers and Survey of Professional Forecasters, and market-based measures of inflation compensation.』

講演の真ん中あたりです。話の都合上木曜日に引用した部分の再掲から参りますが、基調的なインフレが金融危機以前よりも低下しているのではないか、ということを示す統計が多く見られ、これがミシガン大学のプロフェッショナルフォーキャスターや市場から計算されているインフレ期待の低下などにも示されていますと。

『Why might underlying inflation expectations have moved down since the financial crisis? One simple explanation may be the experience of persistently low inflation: Households and firms have experienced a prolonged period of inflation below our objective, and that may be affecting their perception of underlying inflation.』

インフレ期待が下がっている件について、一つのシンプルな説明として「the experience of persistently low inflation」という「適合的期待形成」の話が思いっきり出ている所が中々味わいがあります。

とは言いましても、適合的期待形成の話をするんだったら何でここまで正常化路線に賛成していたのか、という話になるのでして、ブレイナードさんの説明も微妙(だいぶ前になっちゃいましたが、以前ネタにした時に金融政策の部分に関してはブレイナードさん利上げを慎重にとは言いますが正常化路線に対して否定はしていないのです)に見えますな。

『A related explanation may be the greater proximity of the federal funds rate to its effective lower bound due to a lower neutral rate of interest.6 By constraining the amount of policy space available to offset adverse developments using our more effective conventional tools, the low neutral rate could increase the likely frequency of periods of below-trend inflation. In short, frequent or extended periods of low inflation run the risk of pulling down private-sector inflation expectations.7』

自然利子率が下がっていて、トレンドインフレ率を下回るような経済状況によって政策金利がゼロ制約に頻繁に引っ掛かるようになることによって、金融政策の物価に関する効果が弱くなってしまったりすると、物価が目標を下回って推移することが多くなって、その結果として民間のインフレ期待が低下するのではないか、というお話。

『Given today's circumstances, with the economy near full employment and inflation below target, how should the FOMC achieve its dual-mandate goals?』

ということで・・・・・・・・

『Some might determine that preemptive tightening is appropriate on the grounds that monetary policy operates with long lags, and inflation will inevitably accelerate as the labor market continues to tighten because of the Phillips curve. However, in today's economy, there are reasons to worry that the Phillips curve will not prove very reliable in boosting inflation as resource utilization tightens. Since 2012, inflation has tended to change relatively little as the unemployment rate has fallen considerably, from 8.2 percent to 4.4 percent.8 In short, the Phillips curve appears to be flatter today than it was previously.9 This is also apparent in a number of advanced foreign economies, where declines in their unemployment rates to relatively low levels have failed to generate significant upward pressures on inflation.10』

『Given the flatness of the Phillips curve, it could take a considerable undershooting of the natural rate of unemployment to achieve our inflation objective if we were to rely on resource utilization alone.』

この部分実はブレイナード講演の金融政策部分を引用するときに引用したのでこれまた再掲になってしまいますが(汗)、雇用の改善に対して物価が反応しない(従来通りのフィリップスカーブの関係になっていない)ので、金融政策がプリエンティブに対応する必要は無い、という話をしておりまして・・・・・・・・・

『For all these reasons, achieving our inflation target on a sustainable basis is likely to require a firming in longer-run inflation expectations--that is, the underlying trend. The key question in my mind is how to achieve an improvement in longer-run inflation expectations to a level that will allow us to achieve our inflation objective. The persistent failure to meet our inflation objective should push us to think broadly about diagnoses and solutions.』

物価の数値そのものがターゲット(2%)に到達することが重要、という話をしていまして、つまりは物価上昇の加速力が無いというのがブレイナードさんの主張で、それだったらプリエンティブに対応する必要は無かろうというお話になりますし、むしろバックワードルッキングな対応をしろというのですから相当なハト派に転じていて、この人あたりが今回のFOMCでどういう対応取って来るのかは(中々議事要旨やドットチャートでは見えにくい所ではありますが)興味深い。

『The academic literature on monetary policy suggests a variety of prescriptions for preventing a lower neutral rate of interest from eroding longer-run inflation expectations.11 One feature that is common to many proposals is that the persistence of the shortfall in inflation from our objective should be one of the considerations in setting monetary policy. Most immediately, we should assess inflation developments closely before making a determination on further adjustments to the federal funds rate.』

ということでして、自然利子率が低い状態を回避する為には、長期的なインフレ期待を下げないようにしないといけなくて、そのためには物価が低い状態を長期化させないことなので、利上げを行う際には物価の状況をみないといけません、という結論(その後金融政策の話になる)ので、実際の物価が重要ということになりますが、これは結局の所(既に米国債券市場もそういう反応になっていますが)今後FEDが動きやすくなる為には物価そのものが上がらないと厳しいですよね、という事になるんだろうなあという事ですので、雇用統計よりもCPIとかPCEコアの動きに市場は反応するようになってくるし、雇用統計の所では賃金が露骨に上がってこないと利上げ方向で反応はしないんでしょうなあ、と思うのでありました。


ということで再掲多かったんで恐縮ですが、一番ポイントになっていた部分を整理の為に続けて引用してみました。まあ物価が実際に上がりだしたら一気にまた形勢が変わりそうですが、物価が動かないうちはFEDも相当慎重にしか利上げをしてこない(バランスシート縮小の影響がそれほどでもない、となれば別なのでしょうが)と思われます。


そんな訳でしょうから・・・・・・

http://jp.reuters.com/article/idJPL4N1LZ4AP
2017年9月19日 / 04:32
米金融・債券市場=利回り上昇、FOMCでタカ派色増すとの予想

『米金融・債券市場は、週内開催の連邦公開市場委員会(FOMC)がタカ派色を強める可能性が意識され、国債利回りが上昇した。北朝鮮のミサイル試験を巡る懸念が和らいだほか、英国債価格が軟調となり、米国債利回りが上昇し、価格に下押し圧力が掛かった。終盤の取引で、10年債の価格が8/32安、利回りは2.229%。連邦準備理事会(FRB)は20日の会合終了後、財務省証券やエージェンシー発行モーゲージ債(MBS)の保有規模を縮小する方針を公表するとの見方が広がる。労働省が14日発表した8月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は、総合指数が前月比0.4%上昇と7カ月ぶりの大幅な伸びを示した。軟調なインフレに対する懸念が和らぎ、国債利回りは同日以降急上昇している。』(上記URL先より)

何だかんだとネタは書いてますが、結局の所先週のCPIが割と強めに出てたから反応した、というお話な訳で、そう考えますと物価指標が出る→市場想定よりも強い/弱い→米債がトレンドという程でもないけど傾向をもって弱い/強い、という感じになって、物価の統計ってそう毎週ホイホイでるようなものではないので、しばらくはレンジ内でトレンド(なんのこっちゃ)みたいなことになるんでしょうかねえ、よー知らんけど。


○しかし解散総選挙とな

http://jp.reuters.com/article/abe-parliament-dissolution-idJPKCN1BT1D3
2017年9月18日 / 21:24
安倍首相、衆院解散は訪米の帰国後に判断 自公幹部は結束確認

ということで選挙戦術丸出し解散総選挙をいきなりやるようですが、まあ余程の変な結果というのは兎も角としても、安倍ちゃん3選やっぱ危うしという結果になりますと、これは来年の日銀総裁人事の方にも影響してきそうなので中々味わいが深い選挙になりそうですな。

まー大義名分とかナメトンノカこのタイミングとかいうのはありますが、野党の準備が出来ない時にやるという事なので普通に考えれば普通の結果になるのでしょうが、どう見ても大勝利間違いなしと言って解散総選挙した欧州の方の島国の例もあるので世の中何が起こるかワカランチ会長で、こりゃ期初から(期末の数字は調整くらいでしょ)ポジション倒しにくくなってしまいましたなあと思うのでした。


○一応市場メモ

http://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL4N1LW2H6
2017年9月15日 / 15:13
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は反発、長期金利0.020%に低下

『 <15:10> 国債先物は反発、長期金利0.020%に低下

長期国債先物は反発。北朝鮮が早朝にミサイルを発射し地政学リスクが意識されたことに加えて、日銀の国債買い入れオペが強い結果となり、先物は堅調に推移した。現物債は強含みで推移した。長期ゾーンは先物高を手掛かりに買いが優勢になったほか、中期ゾーンは需給の引き締まりが意識され金利に低下圧力がかかった。超長期ゾーンにも国内銀行勢を主体にした実需がみられた。9月ロイター短観(400社ベース)は、製造業のDIが前月から2ポイント悪化のプラス25となったが、市場への影響は限られた。

長期国債先物中心限月12月限の大引けは、前営業日比19銭高の150円96銭。10年最長期国債利回り(長期金利)は前営業日比1.5bp低下の0.020%。』(上記URL先より)

・・・・・・ということでそういえば金曜の朝はミサイルがあったのか(遠い目)という感じで、解散総選挙という事になりそうなので、何かその手の話が全部すっ飛んでしまったような感じです。まー金融政策動向も政治次第(ってのは本来どうなのかと思うが現実がそうなのでべき論は別としてそこは考えないといけない)なので、政治が予想外に動く(可能性無くは無かったけど基本無いがメインシナリオだったと思うので)のでそれによってストーリーが変わってきますな、というだけの感想しかありませんです。

#連休明けなのにネタ投下ではなく雑談ですいません





2017/09/15

お題「短国がしらっと滑っていますな/BOEは近いうちの利上げを盛大に示唆」

あっそう。
http://jp.reuters.com/article/-idJPL4N1LV5BT
2017年9月15日 / 04:51
米金融・債券市場=国債利回り上昇、CPI受け12月利上げ観測強まる

というほど金利上がっている訳でもないのですが、まー概ね「今の状況だとインフレ加速するとか無いからそう利上げできないでしょ」と思いつつも「とは言え物価が上がって無くても利上げするかも」ってのもあるんじゃないのかと勝手に思ってるんだがどうなんでしょう。

○20年入札というより短国ェ・・・・・・

http://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL4N1LV36H
2017年9月14日 / 17:00
〔マーケットアイ〕金利:夜間国債先物は弱含み、長期金利8月23日以来の0.040%に上昇

『 <15:10> 国債先物は続落、長期金利0.035%に上昇

長期国債先物は続落。前日の米債安を手掛かりに売りが先行した。中盤に下落幅を縮小したが、終盤にかけて海外勢を巻き込んだポジション調整売りの圧力が強まった。現物債は弱含みで推移した。長期ゾーンは国債先物に連動して軟化、中期ゾーンもさえない。超長期ゾーンは20年債入札を無難にこなしたが、全体の地合いが良くないなかで売りが優勢になった。長期国債先物中心限月12月限の大引けは、前営業日比17銭安の150円77銭。10年最長期国債利回り(長期金利)は前営業日比1.5bp上昇の0.035%。』(上記URL先より)

でもってイブニング10年カレント4bpに上昇している訳ですが、まあこの前までの10年カレントから3か月償還が伸びていて昨日の引けだと1毛違う(カレントの辺りのカーブが微妙にデコボコがあってアレだが)のでこの前のカレントで引き直すと3bpという所なのですが、その前に▲1bpとかまでやらかした後ですから4bp位戻ったとゆー所で、10年のレンジを0〜10bpだと思っておくとレンジのうち4bpってなると結構やってるじゃん的な感はありますの。


20年国債入札結果
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/resul20170914.htm

6.価格競争入札について
(1)応募額 3兆3,377億円
(2)募入決定額 8,039億円
(3)募入最低価格 100円65銭(募入最高利回り)(0.563%)
(4)募入最低価格における案分比率 67.8513%
(5)募入平均価格 100円71銭(募入平均利回り)(0.560%)

直近銘柄の161回の出合いが前場引けの最後の最後に直近出合いから5糸強い所の0.550%(5糸甘)でやっていまして、何か入札強めにするんかいなと思ったら161回の直近出合いから1毛〜1毛3糸で入札をやるの図ですし、大体からして前場引けの10年とか5年は1.5甘だったのでそもそも5糸甘からというのが強いから結果は強めでしたなあという感じ。

でまあ第U非価格の辺りまでは超長期は値持ちしていた感があったのですが、引けに掛けて滑りましたなという感じですが、短国の方がコケたのも相場全体という意味では効いたんジャマイカと愚考。


3M短国
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20170914.htm

(3)募入最低価格 100円02銭9厘0毛(募入最高利回り)(-0.1175%)
(4)募入最低価格における案分比率 49.7235%
(5)募入平均価格 100円03銭4厘4毛(募入平均利回り)(-0.1394%)

前回3Mの707回が前日時点での売買参考統計値ベースで▲15.6bpだったのですが、平均の▲14弱はまあ良いとして、足切が▲11.75bpまで流れておりまして、まーアチャーという感じと申しますか、月末月初の辺りでの▲20bpとは何だったのかという所ですが、毎度申し上げておりますようにこの水準は海外需要で思いっきり振らされるのと日銀買入のフローに影響されるという話なので致し方なしという所で。売買参考統計値ベースだとこの新発708回が▲12.3bpで707回が▲14.0bpになっていますから、当然ながら既発に影響食らっていますし、平均よりも低い売参ですかそうですかということでパッとしませんな。

でもって今週は1年短国の入札が今日実施されるので、今日は短国買入が無いという残念な展開ではあるのですが、この地合いが1年短国でも継続すれば週明け火曜日には7500で買入来るでしょうというのが希望という感じですかな。しかし短い所がコケて中期にどの程度影響してくるかですけど、期末前にコケ気味なので期末までにまだ需給がひっくり返るというのもあるでしょうかね。よー知らんけど。


○未だにこんな話をするのがいるのかという電波浴コーナー

昨日は日経新聞さんの目を覆いたくなるような残念な記事を拝読しましたが、何か電波浴シリーズが某所から放流されてきたのでヒマネタ(暇でもないが)で電波一発ネタ。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52897?page=2
ついにデフレ脱却の兆しとなる、ある「重要な数字」が現れた

デフレ脱却の兆しだったらそら物価指数だろと言いたくなるのですが物価指数の話は無くて、相変わらず昔からずーっと「今度こそ設備投資が出てくる」の話が展開されていて、だから何ですねんという趣旨の方もアレなのですが、何せ未だにこんなことを言うのはジンバブエ大先生位しかいないだろという言説があるのが何とも。

『現在の日本において、金融機関関係者が、債券投資の利益だけをみて、デフレ脱却に消極的、場合によっては反対の姿勢をとるのは、「木を見て森を見ず」の状態であり、自分で自分の首を絞めているとしか思えない。』(上記URL先より)

えーっとすいません。マイナス金利だのYCCだのという政策が実施されて、それが当初の触れ込みと全然違って「出来るだけ早期に2%達成」が出来なくてダラダラと政策が継続されて大迷惑にも程があるので政策の在り方を考えろという話をしているのが普通の知能を持っている金融機関関係者の総意と言っても過言ではなくて、とにかくとっととデフレ脱却してこの馬鹿としか言いようがないマイナス金利政策止めてまともな金利のある世界にしろ、というのが通常の知性のある金融関係者の考えと思いますが、この著者はどこをどう見て上記のような見解が出てくるのかさっぱり理解できないのですし、こういうような怪電波をジンバブエ先生辺りが真に受けるもんだから見るに耐えない講演がジンバブエ方面から出てくる訳で、豆腐の角に(以下割愛)。

つーかマイナス金利政策で困っているという状態なのにデフレ脱却しなかったら更に困るとか、そもそも金利がマイナスだったら債券投資してもマイナス利回りな訳で、この人は債券投資の基本がクーポン収入という事もご存じないのかと頭がクラクラするんですが、置物一派というかジンバブエ一党というかの皆様いまだにこの藁人形論法を言っているのかと思うと頭が痛いですし、だいたいからしてお前らの理論だと2年で2%達成の筈が未だに「デフレ脱却の兆しが」とかどんだけ効かない金融政策を提唱してたんだよと思いますし、全然公約達成できていないのに「デフレ脱却の兆しが」とかドヤ顔で言えた立場かと小一時間問い詰めたい次第であります。

いやまあ普段は電波浴するほど暇でもないので現代ビジネスとか読まない(だいたい記事の質が以下自粛だから読む気も起きない)のですがちょっと放流されてきたもんでつい釣られて見ました。


○まともなネタに戻りましてBOE

今回
http://www.bankofengland.co.uk/publications/Pages/news/2017/006.aspx
Bank Rate held at 0.25%, government bond purchases at £435bn and corporate bond purchases at £10bn
14 September 2017


なお前回
http://www.bankofengland.co.uk/publications/Pages/news/2017/005.aspx
Bank Rate held at 0.25%, government bond purchases at £435bn and corporate bond purchases at £10bn
03 August 2017


サマリーのサマリーから。基本的に断りの無い限り今回のを引用します。

『The Bank of England’s Monetary Policy Committee (MPC) sets monetary policy to meet the 2% inflation target, and in a way that helps to sustain growth and employment. At its meeting ending on 13 September 2017, the MPC voted by a majority of 7-2 to maintain Bank Rate at 0.25%. The Committee voted unanimously to maintain the stock of sterling non-financial investment-grade corporate bond purchases, financed by the issuance of central bank reserves, at £10 billion. The Committee voted unanimously to maintain the stock of UK government bond purchases, financed by the issuance of central bank reserves, at £435 billion.』

つーことで今回も前回と同じく利上げ票は2票(票決は前回が6-2で今回は7-2)

『The MPC set out its most recent assessment of the outlook for inflation and activity in the August Inflation Report. That assessment depended importantly on three main judgments: that the lower level of sterling continues to boost consumer prices broadly as projected, and without adverse consequences for inflation expectations further ahead; that regular pay growth remains modest in the near term but picks up over the forecast period; and that subdued household spending growth is largely balanced by a pickup in other components of demand.』

8月インフレレポート以降の経済動向について、(1)ポンドが下落したので消費者物価が予想よりも上振れているがインフレ期待はそれによってオーバーシュートするような事にはなっていない、(2)定例賃金に関しては引き続き伸びが暫くは緩やかで、その後やや上昇するでしょうという見通し、(3)家計消費の伸びが弱いのだが、経済の需要に関してはそれ以外の所でカバーできている、ということだそうな。

『Since the August Report, the relatively limited news on activity points, if anything, to a slightly stronger picture than anticipated. GDP rose by 0.3% in the second quarter, as expected in the MPC’s August projections, although initial estimates of private final demand were softer than anticipated.』

GDPはちょっと強かったけれども民間最終需要はちょっと弱かったですね。

『The unemployment rate has continued to decline, to 4.3%, its lowest in over 40 years and a little lower than forecast in August. Survey indicators are consistent with continued strength in employment growth. Evidence continues to accumulate that the rate of potential supply growth has slowed in recent years. Overall, the latest indicators are consistent with UK demand growing a little in excess of this diminished rate of potential supply growth, and the continued erosion of what is now a fairly limited degree of spare capacity. Underlying pay growth has shown some signs of recovery, albeit remaining modest.』

雇用は強いです。トレンド供給の伸びは強くない。需要の伸びはトレンド供給の伸びよりは若干強いがそれほどの物ではない、とは言え現在は経済のスラックは極めて小さい。給与の伸びが回復しつつある。

『The sterling exchange rate has been volatile and the price of oil has increased. Headline and core CPI inflation in August were slightly higher than anticipated. Twelve-month CPI inflation rose to 2.9% and is now expected to rise to above 3% in October. 』

ポンド安と石油価格の影響でCPIは2.9%だし10月には3%に上がるじゃろと。

『The circumstances since the referendum on EU membership, and the accompanying depreciation of sterling, have been exceptional. Monetary policy cannot prevent either the necessary real adjustment as the United Kingdom moves towards its new international trading arrangements-or the weaker real income growth that is likely to accompany that adjustment over the next few years.』

ブリクジット以降のポンド安とか、ブリクジットによる交易への影響とかについてはワシら何も出来ないもんね〜だそうな。そらそうよという感じですけど。

『The MPC’s remit specifies that, in such exceptional circumstances, the Committee must balance any trade-off between the speed at which it intends to return inflation sustainably to the target and the support that monetary policy provides to jobs and activity.』

そういうのは所与として何をしますか、という話じゃと。

『Recent developments suggest that remaining spare capacity in the economy is being absorbed a little more rapidly than expected at the time of the August Report, and that inflation remains likely to overshoot the 2% target over the next three years.』

経済のスラックは予想よりも早く解消し、物価は向こう3年位2%からオーバーシュートするでしょう。

『All MPC members continue to judge that, if the economy follows a path broadly consistent with the August Inflation Report central projection, then monetary policy could need to be tightened by a somewhat greater extent over the forecast period than current market expectations.』

ということですので、すべてのメンバーは見通し通りに経済が進むのであれば、今市場が織り込んでいるよりも速いペースで金融政策をタイト化させまっせと。

『A majority of MPC members judge that, if the economy continues to follow a path consistent with the prospect of a continued erosion of slack and a gradual rise in underlying inflationary pressure then, with the further lessening in the trade-off that this would imply, some withdrawal of monetary stimulus is likely to be appropriate over the coming months in order to return inflation sustainably to target.』

多数の人は向こう数か月での利上げが適切と判断。

『All members agree that any prospective increases in Bank Rate would be expected to be at a gradual pace and to a limited extent. 』

とは言ってもそんなにバシバシと上げる訳でないよと全員が一致。

『At this month’s meeting, seven members thought that the current policy stance remained appropriate to balance the demands of the MPC’s remit. Two members considered it appropriate to increase Bank Rate by 25 basis points. The Committee will undertake a full assessment of recent developments in the context of its November Inflation Report and accompanying economic projections.』

2名は0.25%利上げを提案。

『There remain considerable risks to the outlook, which include the response of households, businesses and financial markets to developments related to the process of EU withdrawal. The MPC will respond to these developments as they occur insofar as they affect the behaviour of households and businesses, and the outlook for inflation. The Committee will continue to monitor closely the incoming evidence on these and other developments, and stands ready to respond to changes in the economic outlook as they unfold to ensure a sustainable return of inflation to the 2% target.』

まあこの辺は定型文言みたいなもんで、そうはゆうても先行き不確定な話は多いのでその時はその時で適切に対処しまっせ、ということで、まあ早いうちに利上げするんでしょうなあというのは把握した、という感じではないでしょうか。



2017/09/14

お題「市場等の世間話と悪態/ブレイナード講演は実際の物価上昇の重要性を指摘している感が」

よくよく考えたらBOEは今晩だったので(大汗)引き続きFED系ネタだが債券が全般的に微妙に動くようになっていますな。

○毎度で恐縮ですが市場世間話備忘メモ

・少々値動きをするようになってきました所で20年入札ですな

昨日の債券市場はここもとの巻き戻し、と言ってしまえばそうなんでしょうけれども、寄りからいきなり先物が16銭下に飛ばしてスタートして長期超長期も1.5甘とかやっていたと思ったら輪番確りで少し戻って取引終盤に何か知らんがエライ勢いで戻って先物瞬間前日比変わらずまで戻るとかワケワカラン。

暫くじとーっという感じの相場だったのに対してここのところ値動きするようになった(と言っても冷静に考えたら昔の値動きからみたら屁のようなもんかも知れんが)のは良いのですが、金利がレンジの下限っぽい所に来たら空中戦になりました(米債も)という風情でもあるので何でございますかなという感じです。

でもって今日は20年新発があって、たぶん161回から1.5毛からご相談となるので、昨日の引けが0.545%の筈ですから0.560%からという話になりますけれども、この何とも中途半端な水準でさてどうするんでしょとか、そもそも米債また微妙に金利上がっている所で前場頑張って調整するのでしょうかとか、まーたぶん入札系の今月最後のイベントっぽい感じになりますかね。よー知らんけど。

ロイター記事を毎度の如く貼っておく。
http://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL4N1LU2EB
2017年9月13日 / 15:23
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は小幅続落、長期金利変わらず0.015%

『<15:14> 国債先物は小幅続落、長期金利変わらず0.015%

長期国債先物は小幅続落。前日の海外市場でリスクオフの巻き戻しから、安全資産とされる米債が下落した流れを引き継いで売りが先行した。中盤は下落幅を広げたが、長期を対象にした日銀オペで需給の引き締まりが意識されると、急速に買い戻された。現物債では、長期ゾーンが先物に連動して金利の上昇幅を縮小したほか、中期ゾーンも底堅く推移した。超長期ゾーンは翌日の20年債入札を意識した調整が入ったが、終盤にかけて押し目買いもみられた。長期国債先物中心限月12月限の大引けは、前営業日比4銭安の150円94銭。10年最長期国債利回り(長期金利)は前営業日比変わらずの0.015%。一時8月23日以来の0.035%に高水準を付ける場面があった。』(上記URL先より)

どちらかというと輪番で戻った方よりも取引終盤に掛けてホイホイ戻ったという感じではありますが、まあしかし何が何やらという感じの動きではありますな。


あと本日は毎度おなじみの3Mがあるのですが、先月末から今月頭の▲20bp台から落ち着いている感じでして、前回の3月期末の時は月末近くに色々とバタバタして、中短期の金利形成にも影響というかノイズを出してくれましたが、今回は月初のところでプリエンティブに短国買入落としたのが効いたのか、単に海外需要が今月入ってからのタイミングでよわまっただけなのかよー分からんですけれども、とりあえず落ち着いて推移しているという風情なので3月末ほどのような事は無いんでしょうなあとは思うのでした(が海外次第なので良く分からん)。


・ということで輪番減額は暫く出来ないでしょうな

てな訳で今月は月初の所で輪番を減額(前月末もそうですけど)できたのですけれども、いったん金利下がった所から戻って来ちゃいましたので、これはしばらく輪番減額は難しくなりましたなという所で。まあ要因がリスクオフだか何だか良く分からん円高が進む中で輪番減らしてうっかりその輪番減額をネタに円高が更に進行されても困る、というのはあったと思うので先週の金利低下局面で輪番減額しにくい(今月は月前半に主要な入札が固まって行われるので輪番減らすとノイズになりやすいというのもありますけど)というのはまあ分かりますけれども、いざ金利が下つけて戻ってしまうのを見ると「もうちょっと減らすチャンスが無かったかな〜」とか思ってしまうアタクシ。

・・・・・・とは言いましても、まー暫く前からの輪番の動かし方を見ておりますと、極力目立たないようにするというのと、動くのにはやたらと慎重という感じが見受けられますので、暫くこのペースで行くんじゃないですかねえ(個人の感想です)。



○あまりネタにしないのだがさすがにトサカに来たので

さすがに昨日のこれは腰が砕けたので。

https://www.nikkei.com/article/DGXLZO21055280S7A910C1EE8000/
銀行、金利上昇の備え薄く リスク回避の取引低迷
2017/9/13 1:09日本経済新聞 電子版

『金融機関が1〜2日と短い期間に資金を貸し借りする金融市場で、リスクを回避する「保険」の役割を果たす金融商品の取引減少が止まらない。日銀が短期の金利を一定水準に誘導する政策を導入し、金利上昇のリスクを考慮する必要性が薄れているからだ。ただ、北朝鮮情勢などの有事で金利が変動した場合の備えは手薄になっている。短期金利の変動リスクを回避する手段はそれほど多くない。』(上記URL先より、この先は有料記事です)

でまあ記事の方は昨日の日経朝刊本紙の5面のトップにある訳ですが、何ぼ何でもちょっとレベルがどうなっているのという感じなので最近あまりこの手のはネタにしないようにしているのだが猛省を促したいので少々悪態をば。

えーっとですな、まあ記事の方はユーロ円金利先物取引が低迷しているっつー話から市場の取引が減っていて金利が動いた時に対処できない云々という話に繋がっているのですが、そもそもユーロ円金先で金利上昇リスクヘッジとか言いましても債券ポートのリスクヘッジに使うんだったらユーロ円金先じゃなくて円金利スワップだの債券先物だのでも使えば良いですし、まあALMの帳尻的にユーロ円金先使うにしたってそれはポートのヘッジを本格的に行う物じゃない(デュレーションが短すぎる)ですがな、ということですな。

そもそも「金融機関が1〜2日と短い期間に資金を貸し借りする金融市場で、リスクを回避する「保険」の役割を果たす金融商品」とあるのだが、コールポジションのヘッジに金先とか意味わからんですし(翌日物コールなんぞは翌日にはポジション無くなるぞな)ですし、その次の「日銀が短期の金利を一定水準に誘導する政策を導入し」ってそれは普通の金融政策なのであって、今だって「次回決定会合までの金利ディレクティブ」が示されているし、別にそれは金利誘導やっている所で万国共通な訳で、出だしの所でお前は何を言っているんだという頭のクラクラするリードになっています。

まーさらに言えば金利上昇のリスクが云々とか言われましても、今機関投資家は国内円金利がアホのように低い事で困っている訳でして、だからこそ外債がどうのこうのとかそういうのが話題になっておったりした次第であって、財政破たんヒャッハーとかいう破壊的な金利上昇でも起きない限り、経済物価情勢が好転するとか、金融緩和の度合いをちょっと調整して緩めてマイナス金利撤回みたいな形で金利上昇するんだったら寧ろウハウハな訳でございますので、「金利上昇の備え薄く」とか何を言いたいのかさっぱり分からんというお題になっております。

・・・・・・・でまあ結論っぽい所(当然ながら有料記事部分になるので細かくは書きませんけれども)でのお話は「政策金利が全然動かないせいで短期市場の参加者が減っているし、やっている所でも人員縮小していて、金利が戻るときにそのままだとマズイでしょうな」という感じの結論っぽく読めましたので、だったら最初からそういう趣旨で話を進めれば良いのに、何か全然斜め上の煽りっぽい題名と、一応金先とか銀行ポートとかの話を少しでも理解している人が見たらお前は何を言ってるんだというような記事のリード部分という組み合わせで天下の日経新聞さんが堂々と記事を書かれますと、非常に血圧が上昇するとかそういう問題だけではなくて、変なミスリードを誘発するんじゃないですかねえ、と思うのですよね。

ってのが前からずーっと気にはなっていたのですが、さすがに金先ネタとかになって来ると悪態つきたくなってきたので悪態をついた訳ですが、日経新聞さんって近年この手の無駄な煽りによってミスリード誘発するような記事が段々目についてきてまして、それこそアクセス数優先で煽り記事ばっかり出してくるしょうもないネットメディアみたいになって来ているのではないかと、そっちの方が懸念される今日この頃なので関係者(というかこんなの何でデスクが通すのかさっぱり分からん)の猛省を促したく珍しく悪態を申し上げてしまいましたとさ、という事です。


#しかしもうちょっと昔だったらアタクシも罵倒文言をもっと並べたのにすっかり人間が大人しくなりましたなあ(しみじみ)


○などと書いていたらブレイナード講演ネタの続きをやる時間ががががが

https://www.federalreserve.gov/newsevents/speech/brainard20170905a.htm
September 05, 2017
Understanding the Disconnect between Employment and Inflation with a Low Neutral Rate
Governor Lael Brainard
At The Economic Club of New York New York, New York

金融政策ネタの部分は先日ネタにしたのですが、背景となる物価が何故上がらんかという考察部分をちょっと読みましょうと思っていたのですが、この調子だとネタにしないままお蔵入りになりそうなのでちょっとだけでも。

本文の3分の1辺りからになるのですが、

『To what extent does it make sense to look through the recent low inflation readings on the grounds they are transitory? It appears that temporary factors, such as discounted cell phone plans, are pushing down inflation to some extent this year. By the same token, it is likely that other temporary factors--for example, prescription drug prices--boosted inflation last year. Going forward, we should see a temporary boost to headline inflation due to Hurricane Harvey's effect on gasoline prices that I mentioned earlier. Temporary factors, by their nature, have little implication for the underlying trend in inflation.』

雇用が良くなっている(というのはその前にある)のだが何で物価が上がらんのじゃろということで、ああでもないこうでもないと一時的要因を並べているのだが、それはでも基調的な物価とは別ですからねえということで・・・・・・・・・

『In contrast, what is troubling is five straight years in which inflation fell short of our target despite a sharp improvement in resource utilization.』

過去の物価上がらんかったのは経済のスラックがあったから。

『It is instructive to put the shortfall in inflation in recent years in perspective by comparing inflation in the past few years with the last time the economy was in the neighborhood of full employment--namely, just before the financial crisis. In particular, over the past three years, unemployment has averaged roughly 5 percent. Similarly, over the three years ending in early 2007--before the unemployment rate started rising--the unemployment rate also averaged 5 percent. Despite a similar degree of resource utilization, core inflation averaged 2.2 percent from 2004 to 2007, notably higher than the comparable three-year average inflation rate today of 1.5 percent.』

金融危機前の平均的な失業率の水準が5%位で、その時はコアインフレが2%普通にあったのに今はご存じの状態ですよね、ということで・・・・・・

『Why is inflation so much lower now than it was previously? The fact that the period from 2004 to 2007 had inflation around target with similar unemployment rates casts some doubt on the likelihood that resource utilization is the primary explanation.3 Similarly, a 12-quarter average is typically long enough that temporary factors should not be the dominant concern.』

『One key factor that may have played a role in the past three years is the decline in import prices, reflecting the dollar's surge, especially in 2015. By contrast, in the 2004?07 period, non-oil import prices increased at roughly a 2 percent annual rate and had a more neutral effect on inflation. Nonetheless, while the decline in non-oil import prices likely accounts for some of the weakness in inflation over the past few years, these prices have begun rising again in the past year at a time when inflation remains relatively low.』

最初に上げた要因がドル高による輸入価格の低下とな。

『So if import prices, resource utilization, and transitory factors together do not provide a complete account, why has inflation been so much lower in the past few years than it was previously?』

ほうほうそれでそれで?

『In many of the models economists use to analyze inflation, a key feature is "underlying," or trend, inflation, which is believed to anchor the rate of inflation over a fairly long horizon. Underlying inflation can be thought of as the slow-moving trend that exerts a strong pull on wage and price setting and is often viewed as related to some notion of longer-run inflation expectations.』

ということでここで企業の賃金設定と価格設定の話が出ていて、それはロンガーランのインフレ期待に繋がっていますと来ます。

『There is no single highly reliable measure of that underlying trend or the closely associated notion of longer-run inflation expectations. Nonetheless, a variety of measures suggest underlying trend inflation may currently be lower than it was before the crisis, contributing to the ongoing shortfall of inflation from our objective.』

断定的には言えないけど、とはしていますが、物価が低い状態が継続しているから、トレンドのインフレあるいは長期インフレ期待が下がっているかも、という指摘で、これはつまり実際の物価が上がらない中で利上げをホイホイして良いのかという話に繋がっていくのでほほーという感じです。

『That conclusion is suggested by estimates based on time-series models, longer-run expectations from the University of Michigan Surveys of Consumers and Survey of Professional Forecasters, and market-based measures of inflation compensation.』

でまあミシガン大学のサーベイなどから見るとそれが言えるでしょう、という事なので、ブレイナードさんまたバックワードな金融政策方面に考えが戻りましたな、ということでございます。

#いかもうちょっとあるのですが、時間の都合上明日以降に続きます





2017/09/13

お題「色々巻き戻してますな/ダドリー講演でのバランスシート縮小に関する技術的な説明」

ふーん。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170912/k10011136891000.html
北朝鮮 制裁決議を非難 “米に代償支払わせる”
9月13日 2時39分

まあ核保有国だって言いたいから日本と韓国はスルーで相手が米国という話になるんですかねえ。

○急にリスクオンというか巻き戻しと言うか

http://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL4N1LT285
2017年9月12日 / 15:15
〔マーケットアイ〕金利:国債先物が続落で引け、長期金利は3週ぶり0.020%に上昇

『 <15:10> 国債先物が続落で引け、長期金利は3週ぶり0.020%に上昇

国債先物中心限月12月限は前日比22銭安の150円98銭と続落して引けた。前日の海外市場で、北朝鮮を巡る緊張状態が和らぎ、米債が下落した流れを引き継いで売りが先行した。午後に発表された5年債入札結果がやや低調となったことに加えて、円安・株高の進行を受けて、一時150円84銭まで水準を切り下げた。ただ、下値で買い期待が根強いことに加えて、13日に中期・長期を対象にした国債買い入れが予定されていることから、引けにかけては下げ幅を縮小した。現物市場は軟調。これまで買われてきた中長期ゾーンを中心に売りが出た。10年最長期国債利回り(長期金利)は一時同3.5bp高い0.030%と8月24日以来約3週ぶりの水準に上昇したが、その後0.02%まで上昇幅を縮めた。』(上記URL先より)

ということで昨日は先物とか10年とかホイホイ売られていて、中期も弱いという展開(超長期は元々あまり金利が下がって無かったからその分上昇も少なかったけど底堅いというのかは良く分からん)でございましたが、どちらかと言えば今回は海外とか為替とかに引っ張られてやってしまいましたという感じだったので、海外の方が急にドル高に反転する(金曜108円割れとかやってて今朝は110円とかナンジャソラという感じですし)わ金利は反転するわで、そんなにおまいらハリケーンだの北朝鮮だの警戒してたのかよと思ってしまいますが・・・・・・・・・

まあハリケーンやら北朝鮮問題云々というよりは、米国の利上げ路線頓挫ネタとか欧州の金融緩和縮小先送りネタとかその辺のネタを一通りやった挙句に最後にイベントネタが出てショートが焼かれた後にイベントネタが終わったのでいったんネタやるの飽きたという感じなのでしょうかねえ、何だか良く分かりませんけど。

http://jp.reuters.com/article/idJPL4N1LT59D
2017年9月13日 / 06:17
UPDATE 1-米金融・債券市場=長期国債利回り上昇、軟調な10年債入札受け

『米金融・債券市場は、10年債入札への需要がさえず、債券価格全体を圧迫する中、長期国債利回りが3営業日連続で上昇した。市場関係者によると、安全資産買いを巻き戻す動きも出た。米財務省が実施した200億ドルの10年債入札は、最高落札利回りが2.18%と、昨年11月以来の低水準だった。

応札倍率は2.28倍と、前月(2.23倍)をやや上回ったが、平均(2.42倍)を下回った。10年債利回りは直近2週間で、約10ベーシスポイント(bp)低下した。過去1週間の下がり具合を踏まえ、軟調な入札結果は予想通りとアナリストらは話す。終盤の取引で、10年債利回りが2.17%と前日終盤の2.125%から上昇した。10年債入札後、一時2.18%まで上昇し、3週間ぶり水準を記録した。』(上記URL先より)

つーことでそんなに金利が戻るネタなのかという感じもするのですが、元々下がった方も何でそんなに下がるのかという事でしたので、単にレンジ相場の真ん中あたりに戻って来ましたという事なのかも知れませんけど、何なんでしょうなあこの相場はとしか申し上げようがない謎の展開ではございましたな。

でまあ明日が20年入札で新発が輪番に入れられるのが金曜日からで、そういうタイミングで巻き戻しだか何だか知りませんけど下がった金利が上がるという中々お洒落な展開になっておりまして、まあ相場はいつもながら皮肉なタイミングで動く(今週木曜が需給的に一番悪い所にあたるのでその前に金利が反転するというのがお洒落という意味です)なあと思いますし、動かん相場で何だかしょうもないとか思っていたら急に動くとか、久々にまとも(かどうかは知らんが)に動いたので面白いなあと思うのでありました。


○そろそろ中銀ネタが動き出す時期になってきますがその前に昨日の続きでダドリー講演

まあ何ですな、今日はBOEですし来週はFRBの資産縮小開始決定が来る(日本のMPMがあるような気もしますがそれは知らんがなということで)ということで、徐々に金融政策秋の陣から冬の陣に向けて色々とネタが出るでしょうなあと思う訳ですが、そーゆーの出る前でネタが各種講演ばっかですがまあ勘弁ということで。

https://www.newyorkfed.org/newsevents/speeches/2017/dud170907
The U.S. Economic Outlook and the Implications for Monetary Policy
September 07, 2017
William C. Dudley, President and Chief Executive Officer
Remarks at Money Marketeers of New York University, New York City

昨日の続きです。


・資産買入縮小に関する論点

『Balance Sheet Normalization』のところから。話の流れ上昨日引用した所から再掲します。

『In thinking about the decision to reduce the size of the Fed’s balance sheet, I see two important, opposing factors.』

『One is that a large balance sheet could conceivably make further asset purchases less attractive. This factor suggests that we should use the opportunity to shrink the balance sheet during good economic times so that this tool will be fully available to us in the future if necessary. However, on the other side, reducing the size of the balance sheet is another form of monetary tightening, one with which we have little experience. This suggests we should proceed with caution. The FOMC has judged that a gradual, predictable approach to normalization is the best way to appropriately balance these two factors.』

バランスシート縮小の一つ目の論点というか理由は「バランスシート拡大していくと拡大による政策効果が逓減していくので糊代を作る」「でもそれ自体は引き締め効果があって、実際にやってみないと分からないから縮小は慎重に」でした(昨日の再掲)。

『Another question is how long the normalization process will take. Assuming that this process begins later this year and continues uninterrupted, the balance sheet size would likely normalize in the early part of the next decade.4』

2つ目の論点でノーマライゼーションの期間ということで、始めてから数年(next decadeと言ってるんですから2019年いっぱいに終わるとかそういうレベルではないということで)掛かる予定ですが・・・・・・・・

『There is uncertainty about the exact timing for several reasons. We don’t know how fast our agency MBS holdings will pre-pay, how quickly currency outstanding will grow, how many bank reserves will be required for the efficient execution of monetary policy, or the evolution of other liability items on the Fed’s balance sheet that affect the amount of bank reserves.』

MBSのプリペイメントによって縮小が加速するとか、資産縮小による超過準備縮小の市場への影響がどうなるかとかによってどうなるか分からん、とかまあ慎重ですわな。

『Against that backdrop, one major issue that remains outstanding is whether the Fed will continue to operate with a “floor” system, in which the Fed maintains a relatively abundant supply of reserves and the effective federal funds rate is managed by periodic adjustments to the interest rate the Fed pays on bank reserves.』

という背景があるので、フロアシステムを継続する、と言っているのですが、フロアタイプのシステムっちゅうのは要するに「超過準備を当座預金付利によって不胎化する(ちなみにFEDの場合は所要準備にも付利している筈)」というシステム。

『Or, whether the Fed will move back to a “corridor” system, in which reserves are relatively scarce and the effective federal funds rate is managed by frequently adjusting the supply of reserves to meet demand at the desired federal funds rate level.』

『In this type of regime, it is the quantity of reserves, rather than the interest rate the Fed pays on reserves, that is the primary driver of the federal funds rate.5』

またはコリドアシステムということで(何か用語の使い方が一般的なコリドアと違うように見えますが)資金需給を均すことによって金利調整をする方法もありますが・・・・・・・・・


『Having managed the System Open Market Account during the financial crisis-a period during which the demand for reserves was very volatile-I very much favor a floor-type system.』

『It is much easier to manage on a day-to-day basis. It also eliminates the need for a lot of interbank trading activity to move reserves to banks that would otherwise find themselves short of reserves on a particular day. In my view, this type of intermediation activity does not have much social value.』

でもってこの縮小時期において、金融機関の超過準備保有に対するニーズがどう変化するのかというのが分からん上に、そもそも通常でもニーズが動く訳で、そういう状況下においては、金融危機の時の経験を生かすとフロアタイプのシステムが有効である、と言ってますがそらそうよとしか言いようがない。

『While the FOMC has discussed these issues, it has made no decision about its choice of long-term monetary policy operating framework. This seems appropriate to me because over the next few years we will gain considerable further experience about operating with a floor-type system.』

今後数年は超過準備の需要が読めないのでIOER付利は継続していきますよと。

『Nevertheless, my expectation is that the FOMC will ultimately favor maintaining a floor-type system similar to what is in place today. As support, I would point to the minutes of the November 2016 FOMC meeting, in which participants observed that the current framework had been working well.』

つーことで今のところはIOERとリバースレポでの短期金利調整が上手く行ってますと。


『This leads us to the next question: Assuming that a floor system is retained, what amount of reserves will be needed in the banking system so that day-to-day open market operations are not necessary to keep the federal funds rate within its target range? In other words, how small can the amount of excess reserves be before banks begin to compete and bid for such reserves, introducing unwanted volatility to the federal funds rate?』

でもって次の論点として、じゃあどこまで超過準備を縮小できるのかという話とかもう完全にマニア向けの話題。

『First, there will need to be sufficient excess reserves to accommodate day-to-day fluctuations in the “autonomous factors” that influence the amount of reserves in the banking system. These include shifts in the Treasury’s cash balance, the foreign repo pool, and overnight reverse repo facility usage. Second, there will have to be an additional buffer to meet banks’ underlying demand for reserves. We expect that the demand for reserves will be considerably higher than it was prior to the financial crisis because reserves can be used to satisfy the more stringent liquidity requirements that are in place today, and because the opportunity cost of holding reserves is much lower now since the Fed pays interest on reserves.』

益々技術的な話になっていますが、超過準備需要の日々のブレに対する話と、流動性の糊代としての需要がありますよね、とかいう話を始めていて、昔は物凄い雑なインターバンクの資金需給管理をしていた筈のFEDとは思えない話をしておりまして将来は日銀みたいに細かい金融調節始めるんじゃないかという位の勢いの話で胸が熱くなります。

『Together, as a rough starting point, we have suggested that the necessary amount of excess reserves could be in a range of $400 billion to $1 trillion.6 Coupled with uncertainty about the likely growth in other factors, such as currency outstanding, this implies a normalized balance sheet size of, perhaps, $2.4 trillion to $3.5 trillion in the early 2020s.』

でもってその適正な超過準備の規模が4000億ドルから1兆ドルくらいで(随分あるなおい)、その際のFEDのバランスシートのレベルは2.4兆ドルから3.5兆ドルになるそうで、そうなるのは2020年代の早めの時期だそうな。覚えておこう。

『After reaching that level, one should anticipate that the Fed would resume purchases of Treasury securities. These purchases would allow the balance sheet to expand to accommodate the growth in currency outstanding and in banks’ demand for reserves as the economy grows. They also would make up for ongoing paydowns of the agency MBS that remain in our portfolio. 』

ほほう。

『Although there is considerable uncertainty about the long-run size of the Fed’s balance sheet, I would stress that the balance sheet is likely to shrink by much less than it grew between 2007 and 2014. Based on New York Fed staff projections, I would expect the Fed’s balance sheet, which currently stands at $4.5 trillion, to shrink by roughly $1 trillion to $2 trillion. This compares to an increase of about $3.7 trillion in the wake of the financial crisis. This is another reason why I anticipate that the impact of balance sheet normalization on financial markets is likely to be quite mild. This view is supported by empirical research carried out within the Fed7 and is consistent with the results of surveys of private sector economists, including the Survey of Primary Dealers and the Survey of Market Participants conducted by the New York Fed’s Markets Group.8』

つーことで数字の話を細かくしていますが、今の4.5兆ドルのポートフォリオをそんな訳でランオフしながら縮小していくと言っても2020年代早めの所で2.4〜3.5兆ドルということなので、まあその程度のペースでしか縮小しないからそんなに債券市場に影響は出ない筈、という結論になっていますが、まあ実際どうなるんでしょうかねえ。

つーかですよ、FEDがこのペースでしか縮小できないということは日銀のバランスシートは・・・・・・・






2017/09/12

お題「クーレ理事講演では為替の話が多かったりする/ダドリー講演だが買入縮小の影響は気になるようで」

クソワロタ。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017091100900&;g=eco
「プレ金」見直しへ=月初実施を検討−榊原経団連会長


○一応相場備忘メモ

まー昨日は輪番も入札も無かったのですけど。

http://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL4N1LS2EQ
2017年9月11日 / 15:56
〔マーケットアイ〕金利:国債先物が反落で引け、長期金利は0%に小幅上昇

『 <15:09> 国債先物が反落で引け、長期金利は0%に小幅上昇

国債先物先物中心限月12月限は前営業日比14銭安の151円20銭と反落して引けた。高値警戒感が浮上する中、先週からのリスク回避の流れに一服感が出て、短期筋の売りが優勢になった。ただ、良好な需給環境が相場を下支えし、売り一巡後が下げ渋った。前場序盤の取引で12月限は出来高ベースで9月限を上回った。その結果、先物中心限月が9月限から12月限に移行した。現物市場は先物に連動する格好で中長期ゾーンが軟調。12日の5年債入札に備えた調整圧力も上値を重くした。10年最長期国債利回り(長期金利)は同1bp高い0.000%。一方、超長期ゾーンは小口の買いが入り底堅く推移。』(上記URL先より)

つーことでさすがにこの辺に来ると上値が重いみたいなのですが、昨日はしらっと超長期の先週入札やった30年が確りしていてフラットニングしている辺りが何ともまあという感じで、その前に中期とか先物が走った反動の部分はあるにせよ、まーどこかがコケても何処かが確りというのかどうか。

http://jp.reuters.com/article/-idJPL4N1LS5B
2017年9月12日 / 05:27
米金融・債券市場=国債利回り急上昇、北朝鮮情勢緊張和らぐ

『 米金融・債券市場は、長短期の国債利回りが一時、1週間ぶり水準に上昇した。北朝鮮を巡る緊張状態が和らいだほか、3年債入札結果がさえず、債券価格を圧迫した。終盤の取引で、10年債利回りが2.123%と前週末終盤(2.061%)から上昇した。2.134%まで上昇する場面もあった。30年債利回りは2.736%と前営業日(2.680%)から上昇した。一時、2.752%の高水準をつけた。』(上記URL先より)

急上昇ったって別に10毛動いた訳でもないのですが、そうは言いましてもここのところの円債ちゃんは高値なので上値さすがに追うのもねえとか新発が輪番で今週木曜まで捌けないとかいうこともありまして米債金利上がると反応したりもしますので、さて本日は2日続落あるのかねという所で。5年国債もあるのだがこの水準でどうせえちゅうねんという気はだいぶするのだが。

とただの後で見直した時用の俺様メモでした。


○クーレ理事の講演は面白そうなのだがかなり長いのでこういうのがあるとご紹介だけでも

http://jp.reuters.com/article/ecb-coure-idJPKCN1BM0QT
2017年9月11日 / 17:17
ECB緩和策は長期化、ユーロ高の影響限定へ=クーレ専務理事

『専務理事はフランクフルトの会合で「過去の需要ショックと比較して、政策はより長期的により緩和的な状態が続く見通しであり、成長がけん引するユーロ高の影響は抑制されるだろう」との認識を示した。また「ユーロ圏の現在の回復は主に内需にけん引されているため、世界的な金融危機後と比べて、ユーロ高が成長に及ぼす影響は小さなものになるのかもしれない」とも語った。ECBは「中期的に」インフレ率を2%前後にすることをターゲットとしているが、「中期的」は明確には定義されていない。ユーロ圏のインフレ率は4年半に渡り目標を下回っており、先週示された予想によると、2%に向けて上昇するのは2020年以降になる見込みだ。専務理事は「インフレ圧力の弱さを踏まえると、われわれの金融政策戦略で使われる『中期』はより長くなるかもしれない」と述べた。』(上記URL先より)

つーことでECBは何でこう高官発言が色々と飛び交うのという感じですがこれがECBなのでヘッドラインがピョコピョコと飛んで来るのは致し方なし。

でもってこのクーレ理事の講演はこちら。

http://www.ecb.europa.eu/press/key/date/2017/html/ecb.sp170911.en.html
The transmission of the ECB’s monetary policy in standard and non-standard times

Speech by Benoit Coure, Member of the Executive Board of the ECB, at the workshop
“Monetary policy in non-standard times”, Frankfurt am Main, 11 September 2017

ということでお題が金融政策のトランスミッションメカニズムっつーことで題名から中々マニア向け期待が大きいので、斜め読みしようと思ったのですがちと分量が多いのでこれは(汗)。

ただですね、上記URL先をポチっとなとして頂きますと分かるのですが、途中にスライドが出てきておりまして、そのスライドでも何となく話の筋が分からんことも無さそうに見えるのですよ。でもって・・・・・・・・・・・

最初のスライドのまえに『A state-dependent exchange rate pass-through』という小見出しがありまして、本文も『Let me start with the exchange rate channel - a channel that has been heavily debated in recent months in the light of the large movements that we have observed in the foreign exchange market.』とかあって、いきなり金融政策の為替市場経由での波及効果とか言っている辺りがお洒落。

でもって途中のスライドは惜しくも画像で貼られているので、スライドの題名をタイプするのが面倒という理由で途中のスライド名を出しませんがちょっとだけ。

スライド3の所を見ますと、為替市場がドルベースで1%のショックがあった時にどういう影響があるかというのがあって、概ね半年程度の所が一番大きな影響があって徐々に減衰するとかいうのがあるのですが、スライド4では為替の変化要因を金融政策要因とその他の要因に分解しているのですが、その他の要因の方が何気に大きい(需要ショックと供給ショックと外生(exogenous)ショック)というような仕上がりになっていまして、金融政策は為替目的というよりも需要などに働きかけて結果為替が動くみたいな話に持って行く、という感じに仕上がっています。そしてスライド5では為替の与える今後の影響がどうのこうの的なのがあって、

『Slide 5 illustrates the implications of this shock decomposition for the assessment of the exchange rate pass-through. The black line, which is the net effect, suggests relatively mild downward pressure on core inflation, much below what the rule of thumb would tend to suggest, despite the sizeable appreciation.』

『The reason is simple. The current solid economic expansion in the euro area allows firms that export to the euro area to increase prices in their currency without losing market share, thereby mitigating, once again, the pass-through.』

とか何とか言ってまして、上記ニュース記事にも紹介されていますが、ユーロ圏内の経済が堅調なのでユーロ高状況においても域内企業の域内における価格競争力が落ちていないという事でして、だいたいこの部分に関して現状の話は(以前の話はまた別みたいな書き方だがきちんと全部読めていないのでそこはパス)ユーロ高ゆうてもそこまで悪影響ちゃいますがなという話をしている感isある。

でもって2番目の小見出しが『The New Keynesian IS curve in the euro area』っていきなりニューケインジアンとなという所ですが、『This brings me to the second channel I would like to discuss this morning: the effects of monetary policy on real economic activity.』とあってスライド7で分析結果が出ているのですが、これは本文をちゃんと読まないとイマイチ良く分からんのでパス。


ということで手抜きにも程があるが結論を引用。『Conclusion』って小見出し。

『With this in mind, let me conclude.』

With thisって言っても途中を全部とばしちゃいましたすいませんすいません。

『The negative relationship between the real interest rate gap and economic activity as posited by Wicksell back in 1898 is a mainstay of modern central banking. This relationship has not been lost with the advent of unconventional monetary policy measures. By easing market-based financial conditions, and by putting downward pressure on the real interest rate that banks charge to borrowers, central banks can stimulate aggregate demand, even when short-term interest rates approach the effective lower bound.』

えーっとつまり実質金利を引き下げて市場の金融環境を緩和する、という従来から言われている金融政策のトランスミッションメカニズムはワークしていますよと言いたいようですな。

『The validity of this relationship is also crucial for assessing the price effects of monetary policy-induced movements of the exchange rate. With policy being effective in boosting growth, any disinflationary effect of a stronger currency arising from expectations of a tighter future monetary policy stance might be mitigated, or offset, by the ensuing improvement in the economic outlook.』

微妙に際どい言い方なのだが、金融政策によって需要が拡大して、ディスインフレの圧力が軽減されることによって為替市場でも自国通貨が高騰しないので、その効果が経済にプラスである、というこの何とも微妙な(前の部分で金融政策が直接為替に効くというわけではなくて他のショックも結構影響してますがな、という話になっているので整合的ではありますが)書き方に。

『However, exogenous shocks to the exchange rate, if persistent, can lead to an unwarranted tightening of financial conditions with undesirable consequences for the inflation outlook.』

そんなの何が需要要因で何が外生要因か分からんがな、という風に思う訳ですが、まあものは言いようで、結局のところこれは「ユーロ高が思いのほか長引いたらインフレ見通しは好ましくない方向で下がります」と言っているのと同じなのですが、それを品位のある言い方で説明した、ということですわな。

中身は読んでみてオモシロかったらネタにします。


○ダドリー講演ネタの続きとおもったら時間が無いのでバランスシート縮小に関する話の途中まで

https://www.newyorkfed.org/newsevents/speeches/2017/dud170907
The U.S. Economic Outlook and the Implications for Monetary Policy
September 07, 2017
William C. Dudley, President and Chief Executive Officer
Remarks at Money Marketeers of New York University, New York City

この講演なのですが、後半結構な分量を『Balance Sheet Normalization』に割いていて、オペレーション的な細かい話をしているので割と興味深いのですが、話をまとめるのが割とめんどくて時間の関係上今日はオペレーショナルな話の前の辺りで勘弁。

小見出しの途中からになりますが、

『As I see it, a few questions about this program remain and are worth addressing. The first question is why do this at all. After all, the Fed has had a large balance sheet for many years now. In my view, the balance sheet expansion was undertaken in response to an extraordinary set of circumstances-a deep recession, short-term interest rates at the zero lower bound, and the economy far away from our dual mandate objectives.』

『Now that these circumstances no longer hold, it seems appropriate to begin to reduce the size of the Fed’s balance sheet.』

つーことでゼロ金利制約に無いと判断されるようになったから縮小をする、というのはまあいつも通りの話。

『In thinking about the decision to reduce the size of the Fed’s balance sheet, I see two important, opposing factors. One is that a large balance sheet could conceivably make further asset purchases less attractive.』

買入を拡大していくと徐々に買入の効果が逓減していく、とかどこかの中銀に聞かせたい。

『This factor suggests that we should use the opportunity to shrink the balance sheet during good economic times so that this tool will be fully available to us in the future if necessary.』

でもって縮小しておけば将来必要になって買入を行った際に効果はばつぐんだ(縮小したから)とかどこかの中銀以下同文。

『However, on the other side, reducing the size of the balance sheet is another form of monetary tightening, one with which we have little experience.』

というこの部分がまあFEDの高官の皆様が今一番気にしていることなんだろうなあという想像はつく訳で、従いましてこのランオフの影響がどうでるのか(最初のうち出ないと思うのだが)を物凄い気にしていて、だからこそ発言が(元々のハト派は別にして)慎重になっているのではないかとは思う(ので、ランオフ始まるまでは慎重発言しか出て来ないということですな)。

『This suggests we should proceed with caution. The FOMC has judged that a gradual, predictable approach to normalization is the best way to appropriately balance these two factors.』

でもって以下の部分は時間の関係で明日に続く予定(汗)。








2017/09/11

お題「2年5年がほぼ並びですかそうですか/ダドリー講演より少々」

また関係筋か・・・・・・
http://jp.reuters.com/article/ecb-exclusive-four-choices-idJPKCN1BJ120
2017年9月8日 / 18:43 /
ECB資産買い入れ縮小で合意、来月決定へ=関係筋

『[フランクフルト 8日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は7日の理事会で、次のステップは資産買い入れ縮小とすることで幅広く合意し、具体的に4つの選択肢を協議した。3人の関係筋が明らかにした。可能性としては、資産買い入れ規模を2018年から400億ユーロあるいは200億ユーロに縮小する、延長期間は6カ月あるいは9カ月とすること――を含めて討議したが、これに限定されるわけではないとしている。』(上記URLより)

○10年マイナスでついに2年5年がほぼ並びとかもうね

http://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL4N1LP2K8
2017年9月8日 / 15:16 /
〔マーケットアイ〕金利:国債先物が大幅高、長期金利は4営業日ぶり-0.010%に低下

『 <15:09> 国債先物が大幅高、長期金利は4営業日ぶり-0.010%に低下

国債先物中心限月9月限は前日比25銭高の151円51銭と大幅に上昇し、昨年11月10日以来の水準で引けた。前日の海外市場では、欧州中央銀行(ECB)のインフレ率見通しの下方修正を受けて欧州債や米国債が買われ、円債市場もその流れを引き継ぎ買いが先行した。いったん伸び悩む場面もあったが、日銀が実施した国債買い入れで既発債の需給引き締まりを反映した順調な結果となったことで、午後取引開始直後から上げ幅を拡大。北朝鮮情勢の緊張が高まる中、円高・株安が進み、リスクオフの流れが強まったことも買いを促した。

現物市場は先物高につれて堅調。日銀買い入れで好需給が確認された超長期ゾーンにも短期筋の買いが観測された。10年最長期国債利回り(長期金利)は一時同2bp低いマイナス0.010%と4営業日ぶりの水準に低下。5年債利回りも一時同1bp低いマイナス0.155%と5月2日以来の水準に低下した。』(上記URL先より)

つーことで2年が▲16bpとかで5年が▲15.5bp(売買参考統計値だと2年が▲16.5で5年が▲15.9ですけど)とか利回りが並びの所まで強くなってしまいまして、先物の辺りもチーペストの売買参考統計値▲12.5bpとか中々お洒落な事になっていまして、えーっとすいません利下げ観測というのが無いのであればイールドカーブはフラット以上に突っ込まないと考えますと、2年の金利が何らかの事故(事故というか需給でございますが)でもう一発金利が低下しない限り先物周りもあと4毛弱しか金利の低下余地無いんですけど、というこの勢い。

一方で10年は▲1.0bpなのでベンダー的には久々のマイナス1bpヒャッハーということになるのですが、やはりこの中期から先物の強さがナンジャソラ的なものがございまして、こんな絶対金利水準だと日銀当座預金にペナルティー払った方がマイナス金利がマシな上に、価格変動リスクまで負っているとかどこのマゾだよという金利水準ではあるのですが、債券残高的にこの辺を持っておかないとポートの平均残存期間が長くなり過ぎてアカンとか、債券インデックスと勝負な方としてスッカラカンにもしにくいとかいろいろな事情はあると思うのですが、いやはや何ともという状況になっております。

まあ何ですな、10年ピン止め政策なのでこうなるのは仕様ではあるのですが、こういう短い所がヒャッハーな相場展開になってきますと10年が割安に見えてくる訳ですが、そうは言いましても隙あらば輪番減額(ただし輪番減額をネタにして円高になるのは回避)が待っているのと、10年に関しては明示的ではないですけど▲10〜+10ってのが誘導目標チックになっているので、ここを先途とバンバン10年やっていくぜ〜となるには利下げ観測みたいなのが毛ほどでも出てくる事が必要という感じでして、金利が低下する際には10年は割安化してしまうのはYCCの現在の建付け上仕方ないということなのでしょうな(金利が上がるときは10年が割高化する)、うんうん。


ところで短国
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of170908.htm
国庫短期証券買入 7,500 2017年9月12日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 2,800 2017年9月12日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 3,000 2017年9月12日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 2,000 2017年9月12日
国債買入(残存期間25年超) 1,000 2017年9月12日

中期と超長期の輪番が減額されなかった(まあ超長期はあの30年入札で減額したら悪意がありますわ)のですが、短国は7500億円なので順当に行われるとそんなもんかなという数値の大きい方(5000か7500が順当)でした。でもってオファー額見た時に「7500で打って来るということは6Mと3Mは業者の持ちになっているのかいな」と思ったら結果はご覧のとおり。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba170908.htm
国庫短期証券買入 20,428 7,501 0.005 0.007 90.5
国債買入(残存期間1年超3年以下) 8,380 2,803 0.001 0.003 66.3
国債買入(残存期間3年超5年以下) 8,244 3,004 -0.008 -0.007 91.9
国債買入(残存期間10年超25年以下) 6,181 2,010 -0.007 -0.005 44.7
国債買入(残存期間25年超) 2,259 1,001 -0.019 -0.013 62.7

輪番は相変わらずの堅調モードでしたが、短国買入に関してはカレントの引けがそこまで強くなっていない所なのに札が2兆あって甘決着になっていまして、売買参考統計値を見ますと、707回の売買参考統計値を見ると▲18.5bpになっていて前日が▲18.6bpだったのでこの水準で外すと損になってしまうものの、じゃあ投げ投げなのかというとそういう引値にもなっていないという微妙な感じでして、706回も▲18.4bpで前日の▲18.4bpと変わらずの引けにしているので、短国買入にカレントを入れると投げレートになってしまうのですが、では世の中が投げ投げかというとそういう訳でも無くて引値は同じ水準に維持しているという重いんだか底堅いんだか良く分からん状態ですの。


○ダドリー講演から今の政策スタンスに関するご批判にお答えしますコーナーがあったので簡単に

https://www.newyorkfed.org/newsevents/speeches/2017/dud170907
The U.S. Economic Outlook and the Implications for Monetary Policy
September 07, 2017
William C. Dudley, President and Chief Executive Officer
Remarks at Money Marketeers of New York University, New York City

『Monetary Policy Outlook』の真ん中あたりから参ります。

『With that background, I would like to comment on some of the criticism of Fed policy decisions.』

ほほう。

『Some of the commentary surrounding the FOMC’s June decision to raise the federal funds rate target by 25 basis points illustrates the current tension between “too low” inflation and “too buoyant” financial conditions. On one hand, some observers question the decision to reduce policy accommodation given that inflation has fallen somewhat further below our objective. I would respond to these concerns by noting that monetary policy is still accommodative and that financial conditions have eased.』

水準に関しての批判についてですが・・・・・・・・・

『In addition, the long and variable lags between monetary policy adjustments and their impact on the economy imply that the FOMC may need to remove accommodation even when inflation is below its goal. In particular, if the unemployment rate were already below its longer-run natural rate, as may be the case currently, the impact on wage growth and price inflation would still likely take some time to become evident. This would be particularly true if inflation expectations were well-anchored at or slightly below our 2 percent objective, as is the case currently. 』

つーことで金融政策の波及効果には長めのラグがあるので、特に今のように完全雇用の状態であれば物価がターゲットより低くても利上げをすることがあります、と従来路線の話はしてるにはしている。

『On the other hand, some Fed watchers have argued that we are helping to create financial asset bubbles by not removing accommodation more quickly. My view is that asset valuations are not particularly troublesome given the economic environment in which we’ve been-that is, a long period of moderate growth, low inflation, low interest rates, and low recession risks.』

緩和環境での資産バブルに関する議論。

『I would be much more concerned about asset valuations if financial market performance were disconnected from the economy’s performance-for example, if market volatility were very low and asset valuations elevated at a time when the economy was performing poorly and the outlook was highly uncertain. Stretched valuations would also be of greater concern if credit growth were unusually strong and financial institutions were becoming more leveraged and dependent on wholesale funding.』

「financial market performance were disconnected from the economy’s performance」ってのを判断するのに一応その後に色々と指摘しているけど、まあこの判断は現場職人の勘としか言いようが無いのでこういう説明しているようだと中々判断できないと思う。

『The good news is that the substantially higher capital and liquidity requirements enacted in response to the financial crisis have helped to reduce the risks to financial stability.』

と言っているが大規模バブルやったらいう程頼りにならんからね。

『Relatedly, some critics have argued that our asset purchases have unduly distorted financial asset prices. My response to this critique is that monetary policy-including large-scale asset purchase programs-works through its influence on financial conditions.』

資産買入で資産市場のバリュエーションを歪めている問題。

『We turned to asset purchases to provide additional monetary policy stimulus when the federal funds rate was constrained by the effective zero lower bound. In buying longer-maturity Treasuries and agency MBS, we sought to reduce risk premia to provide additional support to economic growth at a time when the economy was operating far from full employment. The argument that monetary policy should avoid affecting asset prices-that it be somehow “neutral”-is not one that I find compelling. Such an argument essentially implies that monetary policy should not be utilized to achieve the Fed’s dual mandate objectives. 』

資産買入はゼロ金利制約の下で追加緩和効果を出すため、という整理に思いっきりなっていて、ゼロ金利制約から外れたのだから資産買入は減らす、というのが今の理屈になるんでしょうな(今日はパスしますが後の方で資産縮小の話をしている、たぶんダドリーもこの影響が読み切れない中で12月の利上げが自信無いんじゃネーノという感じはある)。

『Another recent critique is that the Fed has contributed to the low volatility of financial markets by making monetary policy too predictable. Some argue that we should surprise market participants in order to manufacture greater uncertainty and generate more market volatility. The notion is that if the Fed were more unpredictable, market participants would be less complacent. And, if markets were perceived as riskier, this might hinder the development of financial asset bubbles.』

うーんこれはという感じですが、政策があまりにも先が見えやすいと却って市場の緊張感が無くなるとかそういう話。

『I am not supportive of such a strategy for several reasons. First, I don’t think it is necessary to be unpredictable to keep financial market participants “on their toes.” There are plenty of potential surprises from the economic environment without the Fed seeking to deliberately generate its own. Changes in the economic outlook affect financial asset prices and market participants’ expectations for future monetary policy actions. I don’t see a significant benefit to artificially adding “noise” to this process. Developments in early 2016 provide a good example. As the economic environment changed and financial conditions tightened, we responded by raising short-term interest rates much more slowly than had been anticipated.』

『Second, deliberately degrading the signal of how we are likely to react to changes in economic circumstances would likely lead to higher risk premia. This would represent a real cost that would have to be borne by households and businesses.』

『Third, a less reliable Fed would also presumably loosen the linkage between the stance of monetary policy and financial conditions. Because the monetary policy impulse works through its impact on financial market conditions, I don’t see why the Fed would want to act in a way that deliberately made this linkage less predictable. In actuality, I have been pushing in the opposite direction. By explaining the importance of financial conditions as part of our monetary policy decisions, I am trying to tighten the linkage.』

ということで、金融市場を驚かしたりノイズを入れたりして金融市場のボラを上げるとかいうのが良いことではないし、大体からしてそれはリスクプレミアムを上げてしまうし、金融政策スタンスと金融環境のリンクもおかしくなる、と仰せのようです。


つーことで批判の方が興味深いというかへーそうなんだ、という論点になっているのですが、まあダドリーさんだからそういう事は無いと思うのですが、どこぞのリフレ一派の中央銀行の政策委員の方々の場合、有りもしない批判や、明確にピンボケの批判を見つけてきて「批判にお答えします」と藁人形論法を加えてくるという技がありまして、不肖このアタクシそこまで米国内部での金融政策に関する批判とかに詳しくないので、これが藁人形論法なのかどうかわかりませんが、微妙な批判もあるんだなーとは思いました。

いずれにせよ、9月の資産買入縮小がダンディールで、その後の影響を見てあまり問題が無かった場合にさて12月できますかどうですかやっぱり物価見ないといかんですよね、とかそんな感じになるんでしょうから、目先余程目に余るヒャッハー相場にでもならない限りは連銀高官が決め打ち的な発言っていれてこないのかなーとは何となく思いました。ただし上記にあるように別に利上げ路線を諦めている訳でもないのは忘れない方が良いかもですけどね。




2017/09/08

お題「30年入札はイマイチとな/寝起きでECB」

http://bunshun.jp/articles/-/3869?cid=toppage
【文藝春秋 目次】2017年10月号
2017年9月8日 発売 / 定価880円(税込)

『【特集】政界激変前夜

〜NHK解説委員の直言〜 失速への転機は二〇一五年秋だった──
安倍総理「驕りの証明」 岩田明子』(上記URL先より)

・・・・・・・・え?岩田さんがそんなこと言うの???


○30年入札は無事通過とならずとな(俺様市場メモ)

昨日の30年国債入札
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/resul20170907.htm

6.価格競争入札について
(1)応募額 2兆4,165億円
(2)募入決定額 6,583億円
(3)募入最低価格 99円00銭(募入最高利回り)(0.841%)
(4)募入最低価格における案分比率 66.9438%
(5)募入平均価格 99円21銭(募入平均利回り)(0.832%)

うーんこのという感じで、弱めの結果となっていまして、例によって手抜きでロイターさんを見ますと、

http://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL4N1LO2C1
2017年9月7日 / 15:16 /
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は横ばい、長期金利0.010%に上昇

『<15:13> 国債先物は横ばい、長期金利0.010%に上昇

長期国債先物は横ばい。前日の米債安を受けて売りが先行したが、終盤にかけて買い戻しが優勢になった。中心限月の交代に絡むロールが順調に進ちょくしている。トランプ米大統領が6日、連邦債務上限の12月15日までの3カ月間の引き上げと政府機関の閉鎖回避、災害救済措置で、共和・民主両党の指導部と合意したことが材料視されていた。現物債は長いゾーンの金利に上昇圧力がかかった。低調な結果となった30年債入札を受けて超長期ゾーンが軟化した流れが長期ゾーンにも波及した。一方で中期ゾーンは底堅い。

長期国債先物中心限月9月限の大引けは、前営業日比変わらずの151円26銭。10年最長期国債利回り(長期金利)は前営業日比0.5bp上昇の0.010%。』(上記URL先より)

てな訳で昨日は30年入札が弱くて、というかその前から超長期が弱くて入札を迎えたものの、入札も直前予想よりも弱い結果になって超長期がしょぼーんとなる中でここの所微妙にパッとしなかった中期が確り目で推移していて結局先物はあんまり動いてないの巻という結果になっておりまする。

だったら今週に入ってのフラットニングは何だったのかと小一時間問い詰めたくなるのですけれども、まー市場そのものの流動性が落ちていて、ポジションを下手にたくさん積み上げると捌けない(結局捌けるのって新発入札と輪番オペだし、そういう状況だと投資家もそんなにポジション倒してこないから皆のポジションが小さくなって、その結果一段と流動性が落ちるという悪循環)ですから、ちょっと「先回り買い」とか「米金利低下に注目した買い」とか入っちゃうとフラフラとそっちに流れ、絶対水準80bpじゃんこんなのアウトライトの需要あるのかよああやっぱり無いじゃんどうするのよとなって入札がサラッと流れるの図、ということで宜しいのでしょうかね。

とは言いましても、昨日は中期が確りしていたりということで、どこかコケてもどこかが確りとかになっていまして、全体がコケたり全体が買い一色になるというような事象が中々生じないというのが味わいがあるというかウゴカンチ会長相場というかですなあ。


ところで短国
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20170907.htm

(3)募入最低価格 100円04銭6厘5毛(募入最高利回り)(-0.1864%)
(4)募入最低価格における案分比率 12.3832%
(5)募入平均価格 100円05銭0厘9毛(募入平均利回り)(-0.2040%)

つーことで一昨日の6Mが▲19.83bp/▲18.23bpだったので6Mよりレート低いんかいという結果ですが、707回の売買参考統計値を見ると▲18.6bpで足切水準の方に近く、しかしながら706回(6M)の売買参考統計値を見ると▲18.4bpで前日が▲17.9bpだったのでしらっと引値強くなっているという強いんだか重いんだか良く分からん数字になっているのですが、まー今日の短国買入どのくらい入ってくるかによって変わってくるんでしょうな、よー知らんけど。



○寝起きでECB

例によって寝起きなので多少アレなのは勘弁してつかあさい(最初からヘッジクローズ)。

http://www.ecb.europa.eu/press/pressconf/2017/html/ecb.is170907.en.html
Mario Draghi, President of the ECB,
Vitor Constancio, Vice-President of the ECB,
Frankfurt am Main, 7 September 2017

つーことで寝起きなので『INTRODUCTORY STATEMENT』の部分で勘弁だが、前回のステートメントと比較するという作戦に出てみる(ただし最初の所だけ)。

前回分はこちら
http://www.ecb.europa.eu/press/pressconf/2017/html/ecb.is170720.en.html


『Based on our regular economic and monetary analyses, we decided to keep the key ECB interest rates unchanged. We expect them to remain at their present levels for an extended period of time, and well past the horizon of our net asset purchases. Regarding non-standard monetary policy measures, we confirm that our net asset purchases, at the current monthly pace of ユーロ60 billion, are intended to run until the end of December 2017, or beyond, if necessary, and in any case until the Governing Council sees a sustained adjustment in the path of inflation consistent with its inflation aim. The net purchases are made alongside reinvestments of the principal payments from maturing securities purchased under the asset purchase programme.』(今回)

『Based on our regular economic and monetary analyses, we decided to keep the key ECB interest rates unchanged. We expect them to remain at their present levels for an extended period of time, and well past the horizon of our net asset purchases. Regarding non-standard monetary policy measures, we confirm that our net asset purchases, at the current monthly pace of ユーロ60 billion, are intended to run until the end of December 2017, or beyond, if necessary, and in any case until the Governing Council sees a sustained adjustment in the path of inflation consistent with its inflation aim. The net purchases are made alongside reinvestments of the principal payments from maturing securities purchased under the asset purchase programme.』(前回)

政策決定内容に関する部分は全文一致、現状維持だから当然ちゃあ当然ですが、ガイダンスや買入に関する先行き文言にも変更は無いと。

『The incoming information, including our new staff projections, confirms a broadly unchanged medium-term outlook for euro area economic growth and inflation. The economic expansion, which accelerated more than expected in the first half of 2017, continues to be solid and broad-based across countries and sectors. At the same time, the recent volatility in the exchange rate represents a source of uncertainty which requires monitoring with regard to its possible implications for the medium-term outlook for price stability.』(今回)

『Our monetary policy measures have continued to secure the very supportive financing conditions that are necessary to make continuous progress towards a sustained convergence of inflation rates to levels below, but close to, 2% over the medium term. The incoming information confirms a continued strengthening of the economic expansion in the euro area, which has been broadening across sectors and regions. The risks to the growth outlook are broadly balanced.』(前回)

だいたいこのパラグラフからは前回の表現と違うネタの話がホイホイと出てくるのが仕様なので、話が違うのは織り込み済みですが、今回はスタッフ見通しが新しくなったのでその評価があって、経済に関しては上方修正になっていて、その一方で「最近の為替市場のボラティリティは中期的な物価安定に対してモニターすべき不確実性を与えている」と為替(つまりユーロ高)に対する警戒を示したという格好。

『While the ongoing economic expansion provides confidence that inflation will gradually head to levels in line with our inflation aim, it has yet to translate sufficiently into stronger inflation dynamics. Measures of underlying inflation have ticked up slightly in recent months but, overall, remain at subdued levels. Therefore, a very substantial degree of monetary accommodation is still needed for underlying inflation pressures to gradually build up and support headline inflation developments in the medium term. If the outlook becomes less favourable, or if financial conditions become inconsistent with further progress towards a sustained adjustment in the path of inflation, we stand ready to increase our asset purchase programme in terms of size and/or duration. This autumn we will decide on the calibration of our policy instruments beyond the end of the year, taking into account the expected path of inflation and the financial conditions needed for a sustained return of inflation rates towards levels that are below, but close to, 2%.』(今回)

『While the ongoing economic expansion provides confidence that inflation will gradually head to levels in line with our inflation aim, it has yet to translate into stronger inflation dynamics. Headline inflation is dampened by the weakness in energy prices. Moreover, measures of underlying inflation remain overall at subdued levels. Therefore, a very substantial degree of monetary accommodation is still needed for underlying inflation pressures to gradually build up and support headline inflation developments in the medium term. If the outlook becomes less favourable, or if financial conditions become inconsistent with further progress towards a sustained adjustment in the path of inflation, we stand ready to increase our asset purchase programme in terms of size and/or duration.』(前回)

前回との違いですが、最初の方から行くと今後見込まれる経済成長がインフレ動向に強いダイナミクスを与えるかについては、前回が「it has yet to translate into stronger inflation dynamics」で、今回が「it has yet to translate sufficiently into stronger inflation dynamics」となっていまして、これはえーっと頭が良くないのでイマイチ分からんのですが後の文章を見る感じだと少しだけ判断を上げたように見えますが(汗)、その次の物価の基調判断に関しては「Measures of underlying inflation have ticked up slightly in recent months but, overall, remain at subdued levels.」で「Headline inflation is dampened by the weakness in energy prices. Moreover, measures of underlying inflation remain overall at subdued levels.」となっていたのに対して「ticked up slightly」ってこれまたエラくショボイ修正ですが上方修正は上方修正。

「このために極めて緩和的な金融環境が引き続き必要」以下の所は同じ話をしているのですが、金融政策に関する最後の部分に「This autumn we will decide on the calibration of our policy instruments beyond the end of the year, taking into account the expected path of inflation and the financial conditions needed for a sustained return of inflation rates towards levels that are below, but close to, 2%.」と年末にエンドの来る政策ツールについて、物価のパスや金融環境を点検しながら目標達成に対して適切な政策組み合わせをこの秋に決定します、とぶっこんで来まして、結局判断先送りかよという感じではありますが、ただまあ景気と物価の判断を景気はやや引き上げ、物価は屁ほどですが引き上げ、と来ている中で次回に判断先送りという事になったので、チャンスがあれば緩和縮小方向、とここのところだけを見ますと読んでしまいますな。実際はこの先や会見を確認なんですけどね。


つーことでちと飛ばして物価に関するアセスメントをもう少し見てみましょう。

『Euro area annual HICP inflation was 1.5% in August. Looking ahead, on the basis of current futures prices for oil, annual rates of headline inflation are likely to temporarily decline towards the turn of the year, mainly reflecting base effects in energy prices. At the same time, measures of underlying inflation have ticked up moderately in recent months, but have yet to show convincing signs of a sustained upward trend. Domestic cost pressures, notably from labour markets, are still subdued. Underlying inflation in the euro area is expected to rise gradually over the medium term, supported by our monetary policy measures, the continuing economic expansion, the corresponding gradual absorption of economic slack and rising wages.』(今回)

『Euro area annual HICP inflation was 1.3% in June, down slightly from 1.4% in May, mainly due to lower energy price inflation. Looking ahead, on the basis of current futures prices for oil, headline inflation is likely to remain around current levels in the coming months. At the same time, measures of underlying inflation remain low and have yet to show convincing signs of a pick-up, as domestic cost pressures, including wage growth, are still subdued. Underlying inflation in the euro area is expected to rise only gradually over the medium term, supported by our monetary policy measures, the continuing economic expansion and the corresponding gradual absorption of economic slack.』(前回)

さっきの所にありましたように現状判断は「measures of underlying inflation have ticked up moderately in recent months」とか微妙に引き上がっているのですが、その一方で要因に関する話になりますと、「Domestic cost pressures, notably from labour markets, are still subdued.」とじゃあ何で上がってますねんという感じではあるのですが、先行きの見通し(つーか願望っつーか)がある最後の所には前回が「the continuing economic expansion and the corresponding gradual absorption of economic slack」だったのが、今回は「the continuing economic expansion, the corresponding gradual absorption of economic slack and rising wages」と賃金上昇への期待が入って来ておりまして、まあどこでもそうなのですが賃金動向が確りしてくるという話ならば緩和縮小方向への傾斜は出てくるでしょうし、欧州だけに賃金割とホイホイ上がるのでは的なイメージもある(個人の感想です)のですが、まあこの動向に注目って3極共通になっていますな(英国は別)。

つーことでQ&Aは読んでいません(つーか朝5時台6時台ではテキストに落ちていない)のでそちらは週末に確認します。



2017/09/07

お題「市場雑談と米国およびカナダネタでござる」

FRBの副議長は任期を8か月残して個人的な理由で退任だそうですが、就任当初に掲げた公約を達成しないままのうのうと任期が9か月残っている副総裁がどこかの中央銀行にいらっしゃいますね!!!!!

○30年入札ですなとか短国とか

http://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL4N1LN2G1
2017年9月6日 / 15:24 /
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は強含み、長期金利0.005%に低下

『 <15:12> 国債先物は強含み、長期金利0.005%に低下

長期国債先物は強含み。5日の米債高を手掛かりに買いが先行した。中盤はもみあう場面もあったが、株安に加え、日銀オペが無難な結果に収まったことから海外勢を巻き込んだ需要が強まった。中心限月9月限は日中取引ベースで昨年11月11日以来の高水準となる151円32銭に上昇する場面があった。現物債は横ばい圏で推移。』(上記URL先より)

とまあそういうことで昨日は長期輪番がありましたがオファー額は4100億円のまま(って入札直後の輪番減額したら(元もと新発入れられないけど)それはビビるわという事なので順当なのですが)という数値で打ち込まれましたが、落札結果は以下のような感じでまあ確り。

輪番結果だけ
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba170906.htm
国債買入(残存期間5年超10年以下) 15,610 4,116 -0.005 -0.004 16.4
国債買入(物価連動債) 1,466 250 -0.230 -0.240

しかしまあ米債10年10毛強でも対して動かんというのが中かなか味わいがありますが、一応昨日は30年とかは引け甘になっているようで、何ぼ何でも80bpカツカツで入札を迎えるというのは勘弁(つーてもここのカーブは寝ているのでカレントが3か月延びても複利で5糸なので単利でも5糸しかハンデが無くて、結局55回から5糸だと引けベースで0.810%とかなので節目の所で入札とか絶対水準的には中々アレな入札(カーブはさておき)という感じですな。

30年入札って時々トンデモナイ所で札切られてショートカバーでウギャーというのがあるのですが、さすがに事前に碌すっぽ調整しないで入札だし、絶対水準は思いっきり節目の所(30年の80とか20年の50とか気分的には大きめの節目だと思うのですけどどうなんでしょうかねえ)だわということでまあさすがにとは思います。あと、YCC以降での記憶では30年入札で札上で切ってウギャーとやっても結局長続きしないで力技相場をやった方が返り討ち食らっていると思いますが、まあ今週は10年30年がこの水準でニーズどのくらいあるのかを確認するというのが重要な見ものになってしまいましたので、今日も生温かく推移を注目っつーことで。


でもって6M

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20170906.htm

(3)募入最低価格 100円09銭1厘(募入最高利回り)(-0.1823%)
(4)募入最低価格における案分比率 27.0561%
(5)募入平均価格 100円09銭9厘(募入平均利回り)(-0.1983%)

うーんこのという結果でございまして、3Mはキャッシュつぶしだのドル円ベーシスだのという話は分かるし、まあ6Mでも同じちゃあ同じなのですが、毎週出る3Mの方が使い勝手が良いので、6Mってどちらかと言えば短国買入用チックになるんですけど、▲20近い平均とか物無し芳一なんですかねえ。

と思ったら売買参考統計値を見ますと706回は▲17.9bpで引かせていまして、後続の買いが無かったので必要以上に入った分の外しは来た(テールやや流れてますし)という感じでございましょうか。まあこれで本日の3M短国がちったあ落ち着いてくれると宜しいのですけどさてどうなるやら。

ちなみに今週の短国買入は5000か7500かで強いんだったら5000でも多いくらいじゃネーノというイメージなのですが、冷静に考えますと短国買入って前月に出した残高見込みレンジの下限を割って減らしたこともありますので、別に2500でも構わない(何故かスキップはしないみたいだけど)んですよねーという事で、どちらかと言えば3月末のような緊急措置取らなくて済むように買入は少な目にしておいて、最後需給的にだぶつくようなら短国買入を多めに入れて調整してもしなくても良い(基本中間期末で担保玉とか足りなくなるから日銀が何も短国を積極的に吸い上げる必要はないのだが、この価格水準(国内の短期資金の純粋な運用として全く意味の無い水準)で買入を全然してくれないとなると、マーケットメーカーが入札に参加しなくなってしまうので、まあマーケットメーカーが死なない程度にランオフしていくということでお願いいたしたく。

#最終形は短国買入ってゼロで良いと思うのですけどね、どうせ超過準備マイナスチャージがあるし長期国債買入残高はまだまだ増えるんだから


○FEDネタ少々

・フィッシャー副議長が退任ですと!!!

ありゃま。
http://jp.reuters.com/article/fed-vice-chair-to-resign-idJPKCN1BH273
2017年9月7日 / 00:49 /
米FRB副議長が任期途中で退任、個人的な理由で

『[ワシントン 6日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のフィッシャー副議長(73)が6日、任期途中の10月中旬をもって退任すると表明した。個人的な理由によるものとしている。フィッシャー氏はトランプ米大統領宛の書簡で、10月13日前後に退任する予定とした上で、近年の経済や金融システムの改善を振り返り、「FRBで任務に当たり、殊にイエレン議長と共に仕事ができたことは光栄の至りだ」と述べた。』(上記URL先より)

ということでどこぞの副総裁とかいう悪態はさっきもついたのでそれはさておきFEDのリリースを慌てて読む。

https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/other20170906b.htm
September 06, 2017
Stanley Fischer submits resignation as a member of the Board of Governors, effective on or around October 13, 2017
For release at 10:45 a.m. EDT

10月13日近辺に退任という事になりますと、次のFOMCで終了(10月は10月30日〜11月1日)ということになりまして、ウホウホマクロプルーデンスおじさんが12月FOMCを待たずに退任となりますと、金融不均衡懸念の観点から利上げはしといたほうがエエンチャウノという強力な方が居なくなるということですからこれは12月利上げ軍劣勢というか、賤ヶ岳の戦いで突如前田利家軍が撤収したようなもんですが、まあ12月まではまだまだ間があるので一気にタカ派は落城って話では無かったりしますし、元よりタカ派苦戦モードではあるのでこれでいきなりヒャッハーとはならない(債務上限云々の方で今朝は米金利やや上昇しているように、12月利上げ苦しいというのが既に織り込まれていますから)のですけどね。

『Stanley Fischer submitted his resignation Wednesday as Vice Chairman and as a member of the Board of Governors of the Federal Reserve System, effective on or around October 13, 2017. He has been a member of the Board since May 28, 2014.』

そうか2014年5月からか・・・・・・・・・

『"Stan's keen insights, grounded in a lifetime of exemplary scholarship and public service, contributed invaluably to our monetary policy deliberations. He represented the Board internationally with distinction and led our efforts to foster financial stability," said Chair Janet L. Yellen. "I'm personally grateful for his friendship and his service. We will miss his wise counsel, good humor, and dry wit."』

イエレンさんの謝辞ですが「dry wit」なんだフィッシャーさん。

『Dr. Fischer, 73, was appointed to the Board by President Obama for an unexpired term ending January 31, 2020. His term as Vice Chairman expires on June 12, 2018. During his time on the Board, he served as chairman of the Board's Committee on Financial Stability as well as the Committee on Economic and Financial Monitoring and Research. He represented the Board internationally including at the Financial Stability Board, the Bank for International Settlements, the Group of 20, the Group of Seven, the International Monetary Fund, and the Organisation for Economic Co-operation and Development.』

『Before joining the Board, Dr. Fischer was governor of the Bank of Israel, from 2005 to 2013. He was vice chairman of Citigroup from February 2002 to April 2005. He served as first deputy managing director of the International Monetary Fund from September 1994 through August 2001. From January 1988 to August 1990, he was the chief economist of the World Bank. He was a professor of economics at the Massachusetts Institute of Technology from 1977 to 1999 and associate professor from 1973 to 1977. Prior to joining the faculty at MIT, he was an assistant professor of economics and postdoctoral fellow at the University of Chicago.』

経歴の話ですが、直近から順に説明するのですな(って日本語表記の場合しか分かっていないのがバレバレなドメスティックおじさんの不肖このアタクシ)。

『Dr. Fischer was born in Lusaka, Zambia, in October 1943. He received his B.Sc. and M.Sc. in economics from the London School of Economics. He received his Ph.D. in economics from the Massachusetts Institute of Technology in 1969.』

学部とマスターがLSEで博士号はMITで取ったんですかそうですか。

『Dr. Fischer is married with three adult children.』

ほー。ということで本人のレターはこちら(画像ファイルなので文章のコピペ不能)
https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/files/other20170906b1.pdf


・・・・・つーことでアヘアヘBISビューおじさん退任ということですが、今の米国の流れって「景気は良くて、金融緩和状態もあるので資産市場に資金が流入して資産価格は上昇するんだけど、物価が上がらないので中々金融締められない」という状態なのですが、これってどこぞの極東の国がほんの30年程前にやらかした時の環境と似ている訳でして、まあFRBもアホじゃないからそういう状況下で物価が上がらんから緩和継続するのでゴルディロックヒャッハーとかやってると資産バブル発生して崩壊すると、資産価格からのデフレというスラック大発生装置がまた出来てしまう、ということになる可能性というのは把握している筈だと思うのですが、それを声高にいう人が抜ける、というのがランボー怒りの退任でバブルに対する楽観FRBに大して怒って退任とか言うのだとこれはこれで資産市場はマツリダゴッホからのあばばばばーという流れになるでしょうし、単におじいさん疲れたよというのだったらこれまた別ですし、背景がどうなっているのかが分からんとどう受け止めて良いのかも中々微妙だな、とは思うのでありました。


○カナダ中銀利上げだが物価より総合判断とな

http://www.bankofcanada.ca/2017/09/fad-press-release-2017-09-06/
Bank of Canada increases overnight rate target to 1 per cent
FOR IMMEDIATE RELEASE
Media Relations
613-782-8782
Ottawa, Ontario
6 September 2017

PDFはこちら
http://www.bankofcanada.ca/wp-content/uploads/2017/09/fad-press-release-2017-09-06.pdf

『The Bank of Canada is raising its target for the overnight rate to 1 per cent. The Bank Rate is correspondingly 1 1/4 per cent and the deposit rate is 3/4 per cent.』

政策金利上げて1%(0.75→1.00)、コリドアはプラマイ25bp。

『Recent economic data have been stronger than expected, supporting the Bank’s view that growth in Canada is becoming more broadly-based and self-sustaining. Consumer spending remains robust, underpinned by continued solid employment and income growth. There has also been more widespread strength in business investment and in exports. Meanwhile, the housing sector appears to be cooling in some markets in response to recent changes in tax and housing finance policies. The Bank continues to expect a moderation in the pace of economic growth in the second half of 2017, for the reasons described in the July Monetary Policy Report (MPR), but the level of GDP is now higher than the Bank had expected.』

景気は想定よりも良くて大変に結構な状態になっていて、住宅市場の方は若干クールになってきたよ最近の施策が功を奏して、だそうな。

『The global economic expansion is becoming more synchronous, as anticipated in July, with stronger-than-expected indicators of growth, including higher industrial commodity prices. However, significant geopolitical risks and uncertainties around international trade and fiscal policies remain, leading to a weaker US dollar against many major currencies. In this context, the Canadian dollar has appreciated, also reflecting the relative strength of Canada’s economy.』

海外も強いけど米国財政ネタとか地政学ネタとかのリスクはありますと。

『While inflation remains below the 2 per cent target, it has evolved largely as expected in July. There has been a slight increase in both total CPI and the Bank’s core measures of inflation, consistent with the dissipating negative impact of temporary price shocks and the absorption of economic slack. Nonetheless, there remains some excess capacity in Canada’s labour market, and wage and price pressures are still more subdued than historical relationships would suggest, as observed in some other advanced economies.』

でもってここがポイントだが物価については2%下回った状況で、その背景として労働市場に若干のスラックが残っていたり、賃金や価格設定に関してはまだ上昇圧力が弱いのだが、というのを置いているのに利上げなのですよこれがまた。

『Given the stronger-than-expected economic performance, Governing Council judges that today’s removal of some of the considerable monetary policy stimulus in place is warranted. Future monetary policy decisions are not predetermined and will be guided by incoming economic data and financial market developments as they inform the outlook for inflation. Particular focus will be given to the evolution of the economy’s potential, and to labour market conditions. Furthermore, given elevated household indebtedness, close attention will be paid to the sensitivity of the economy to higher interest rates.』

つーことでして、物価が2%に向けてホイホイ上昇しているという状況ではないけれども、「景気の状態が想定よりも強いので」金融緩和度合いの調整を行いました、という形になっていまして、カナダだからというのはあるでしょうけれども、アクチュアルの物価が上がらんから金融緩和度合いの調整を行わない、というのではないというこの図式(たぶん正確に言えば「経済が想定よりも強いので、金融緩和度合いは同じ名目金利のままだと緩和度合いが高まっているので、それを調整する為にノミナルの金利を調整しました」という事になるので、実質ベースでの金融緩和度合いは同じ、とかそういう話になるんだと思うけど会見見てないから分からん)なのはほほーと思いました。



○ブレイナード理事講演はもう少し確認の要がありそうなので寝起き斜め読みの続き(と思ったら時間がががが)

・・・・・・・ということで時間が無いのでパスしますが、どうもこの講演は色々とインプリケーションがありそうな鉱脈を感じるので読んだ方が良いと思いますよ。ということで続きは多分明日。

https://www.federalreserve.gov/newsevents/speech/brainard20170905a.htm




2017/09/06

お題「市場世間話/ブレイナード理事講演である」

もっと前からバンバンネタは出ている筈なのですが。
http://jp.reuters.com/article/ny-stx-us-idJPL4N1LM59O?il=0
2017年9月6日 / 05:17
米国株式市場=ダウ234ドル安、北朝鮮巡る緊張で


○市場雑談メモ

・10年入札もそうですが超長期の後ろがお強くなっているようで

10年国債入札結果
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/resul20170905.htm

6.価格競争入札について
(1)応募額 7兆3,695億円
(2)募入決定額 1兆8,651億円
(3)募入最低価格 100円83銭(募入最高利回り)(0.016%)
(4)募入最低価格における案分比率 57.7604%
(5)募入平均価格 100円88銭(募入平均利回り)(0.011%)

前場引け時点での347の最終出合いが▲0.5bpだったので347+1.5bpよりちと甘いというか、そもそも事前の市場見通しよりもやや安めの決着だったので落札結果出た後は先物下がったりしていたのですが、後続の売りなんぞもなく(まあ売るものないし)止まってるなあとか思ったら段々確りしてきて結局先物変わらずの水準にしらっと戻るの巻。

http://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL4N1LM2FH
2017年9月5日 / 15:20
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は横ばい、長期金利-0.005%に上昇

『<15:12> 国債先物は横ばい、長期金利-0.005%に上昇

長期国債先物は横ばい。前日の米国市場が休場で外部環境からの手掛かりに乏しいなか、国内要因を材料視した売買になった。10年債入札が弱めになったことを確認すると、下落幅を拡大する場面があったが、リスク回避から日経平均株価が軟化すると、買い戻しがやや優勢になった。現物債は中長期債が弱含む一方で、超長期債は強含みとなった。長期ゾーンは10年債入札の影響と、日銀オペのオファー減額への警戒感が浮上していた。超長期ゾーンは出遅れ修正となった30年債と40年債に一部生保や年金勢の買い観測が見られた。 長期国債先物中心限月9月限の大引けは、前営業日比横ばいの151円22銭。10年最長期国債利回り(長期金利)は前営業日比0.5bp上昇のマイナス0.005%。』(上記URL先より)

ということで10年347は▲0.5bpということで見た目は前日比甘になっているのですが、そもそも月曜の引けの▲1.0bpというのがいやそれは強いだろという引けになっていましたので残念でもなく当然の引けという所なのですが、同様にその引けは5糸強いだろという20年カレントはちゃっかり引け水準でこちらは出合いとか、30年がしらっと1毛強の単利80bpキタコレとなっておりまして、明日新発30年やるというのに強くするとか止めたまえという相場になっているのがアレ。

まー出遅れていたと言ってしまえばそれまでではありますけれども、ここにきて超長期の方がじりじりとフラットニングという感じになって来ておりまして、それまでだと大体出遅れていてまー戻り売りも出るじゃろとかそういう感じでしたけれども、戻り売りをこなしながら押し目らしい押し目もろくすっぽなく、しかも20年は0.5%半ばの節目を抜いてしまいましたし(つーても次は0.50なので節目は多いのですけど)、30年は0.8%到達とかもうねという感じではあります。


・月初計数関連の確認を

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/fm/juqp/index.htm/
日銀当座預金増減要因(見込み)

2017年 9月 5日 2017年9月 [XLSX 49KB]

というのから確認しますと(エクセルです)、日銀保有短国の償還額が「30,300億円程度」となっておりまして、一方で

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/tmei/index.htm/
日本銀行による国庫短期証券の銘柄別買入額

2017年 9月 4日 2017年8月31日現在 [XLSX 17KB]

というのから確認しますと(これまたエクセルです)9月償還の銘柄の額面残高が30299億円となっていますので一致(って一致しなかったらアタクシの集計ミス)ですが、8月末時点での額面残高が25兆6842億円で、今月の短国買入残高メドが24〜26兆円なので、今月の買入は概ね1.4兆円〜3.4兆円、という事になりまして、9/1が1000億円の買入だったので、まあ残りが5000〜7500億円(6Mと1Yの時)と2500億円(最後)で13500〜18500億円の買入になるからそんなもんじゃろという感じですか。

ちなみに3月の場合前半需給ひっ迫しているのに割と普通に買入を入れていたら期末に向けて短国が極端な物不足になって期末越えのGCレートとかまでぶっ飛んでしまったのを受けて、期末前に急に「期末お助け措置実施」というのが出るという形になった訳ですが、まあ今回に関してはその辺りの実績を鑑みてもう少しプリエンティブに買入を減らして短国の需給が極端に逼迫しないようにして(どうせ需給緩んだってレート上昇には限界あるんだから)いただければと存じます。今年の3月は最後にいきなり売り現先は出るわ買入は止めるわと話の前提がひっくり返るプレイが起きたのは、そらまあ需給状況からしてやらないと行けなかったというのはあるけど、あーゆーのやると期末にお助け出るだろとタカを括って寝転がるというお助け措置狙いのタダ乗りスキームというかモラルハザードスキームというかが横行しやすくなるので良くないと思う。


http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mei/index.htm/
日本銀行が保有する国債の銘柄別残高

2017年 9月 4日 2017年8月31日現在 [XLSX 27KB]

そんなに計数は変わらんのだが確認して置いた。

8月末時点での国債買入残高は、営業毎旬ベース(簿価ベース)でみると年初来(昨年12月末基準)で44.3兆円増加、銘柄別残高ベース(額面ベース)でみると年初来で43.8兆円増加なので、まあ差分は誤差ということで以下額面ベースでお話をします。

アタクシの手集計(手と言ってもエクセルですけど)ベースですから違ってたらゴメンヤデなのですけれども、今年に関しては残り4か月で償還が17.1兆円、買入は直近のペースのままとして(中期3-5の3000億円まで織り込んで)残り30.2兆円なので年末の時点では買入拡大ペースは56.9兆円になりますな。「80兆円程度」との整合性は如何にという感じですが知らんふりするんでしょう。

でもって来年ですが、2018年通年で計算すると、償還予定額が50.8兆円あって、今の買入ペースですとフローの買入が年間で90.5兆円になりますので、来年って国債買入の増加額が39.6兆円ペースになる予定でして、年間80兆円の半分切る勢いになっておりまして、さすがにそれってどうなのよという感じがだいぶ漂ってくるのですが、この80兆円に関してはまあ債券市場的にはどうでも良いとは言え、声明文の文言なだけにいじるとインパクトあるし外すとインパクトあるのでさてどう言い訳するんでしょうなあという雑談でした。



○ブレイナード理事が日和ったと聞いてやって参りました!!!!

http://jp.reuters.com/article/fedlow-inflation-rate-hike-idJPKCN1BG1WC
2017年9月5日 / 22:47
物価上向くまで利上げ慎重姿勢必要=米FRB理事

『[ニューヨーク 5日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のブレイナード理事は5日、米国のインフレ率は目標を「大幅に」下回っているため、FRBは物価が上向いていると確信を持てるまで利上げに慎重になる必要があるとの考えを示した。』(上記URL先より)

まあ!!!

・・・・・ということで講演を見ましょう(寝起きだから超斜め読みだけど)。

https://www.federalreserve.gov/newsevents/speech/brainard20170905a.htm
September 05, 2017
Understanding the Disconnect between Employment and Inflation with a Low Neutral Rate
Governor Lael Brainard
At The Economic Club of New York New York, New York

題名の時点で出オチ感満載の講演でして、「自然利子率の低い環境の中に置いて雇用と物価のリンクが切れていることへの理解」とはこれはまたいきなり暫く前の「フィリップスカーブが通用しない」ネタに戻ったなという所ですが、この講演の題名で日銀ネタにするのも何ですが、先般ネタにした政井さんの金懇での執行部イタコ芸でもお分かりのように、今の日銀執行部の物価が2019年度に2%に行くという理屈は「雇用を中心にした需給ギャップのタイト化によって賃金から物価への波及が進む」というお話なのですが、ここでブレイナード理事個人の見解です(キリッ)とは言え、FRB理事からこういう題名で講演されてしまいますと、日銀が2%行くと言っている理屈をブレイナードさん知ってから知らずか(たぶん知らん)盛大に火炎放射器で焼きに逝っているというのが実に味わいが深いですな。

・・・・・・・・ということで、本来は背景説明の方もちゃんと読んだ方が良いのですが、時間も無いインスタント読みとしては後半の小見出し『Monetary Policy』とその直前辺りから読んでいくというアヘアヘ手抜きおじさんと化すのでした。


つーことで本文後半の方からいきなり参ります(手抜き)。『Monetary Policy』って小見出しの3つ上のパラグラフから参ります。

『Given today's circumstances, with the economy near full employment and inflation below target, how should the FOMC achieve its dual-mandate goals?』

なぜ3つ上からかというとこの最初の所が目についたからです(手抜き)。

『Some might determine that preemptive tightening is appropriate on the grounds that monetary policy operates with long lags, and inflation will inevitably accelerate as the labor market continues to tighten because of the Phillips curve.』

はい。

『However, in today's economy, there are reasons to worry that the Phillips curve will not prove very reliable in boosting inflation as resource utilization tightens. Since 2012, inflation has tended to change relatively little as the unemployment rate has fallen considerably, from 8.2 percent to 4.4 percent.8 In short, the Phillips curve appears to be flatter today than it was previously.9』

ということで出ました「これまでのフィリップスカーブに当てはまらない状況」攻撃。

『This is also apparent in a number of advanced foreign economies, where declines in their unemployment rates to relatively low levels have failed to generate significant upward pressures on inflation.10』

『Given the flatness of the Phillips curve, it could take a considerable undershooting of the natural rate of unemployment to achieve our inflation objective if we were to rely on resource utilization alone.』

とまあ最後にありますように、フィリップスカーブ自体の考え方って波及メカニズムを考えたら労働市場がひっ迫して賃金上がったら消費者の購買力の面と企業のコストの面から物価が上がるでしょう、というのは話としてはリーズナブルなので、問題は「実はスラックがある」というような所で、そのスラックの要因が何なんでしょという所ではないかと思うのですが・・・・・・

『For all these reasons, achieving our inflation target on a sustainable basis is likely to require a firming in longer-run inflation expectations--that is, the underlying trend. The key question in my mind is how to achieve an improvement in longer-run inflation expectations to a level that will allow us to achieve our inflation objective. The persistent failure to meet our inflation objective should push us to think broadly about diagnoses and solutions.』

でもってこの辺のロジック展開は前の方をちゃんと精読しないといけない(と言ってもそんなに長くは無いのだが本日は勘弁)ので何ですが、ロンガータームのインフレ期待に関しての言及がありますな。そして物価がターゲットより低い状況が長期化するとインフレ期待が下がるのを懸念と。

『The academic literature on monetary policy suggests a variety of prescriptions for preventing a lower neutral rate of interest from eroding longer-run inflation expectations.11 One feature that is common to many proposals is that the persistence of the shortfall in inflation from our objective should be one of the considerations in setting monetary policy. Most immediately, we should assess inflation developments closely before making a determination on further adjustments to the federal funds rate.』

てな訳で、物価がインフレ目標を下回って推移するのはアカン、という話にこの人まーた舵を切り直したという感じですが、ナンデジャロというのはちょっとパスして以下の金融政策に関する部分をば。

『Monetary Policy』

『This brings me to the implications for monetary policy. A key upcoming decision for the Committee is when to commence balance sheet normalization. I consider normalization of the federal funds rate to be well under way, the criterion for commencing balance sheet normalization. The approaching change to our reinvestment policy has been clearly communicated and is well anticipated.』

最初はバランスシート縮小の話から。

『In principle, the FOMC could use both the balance sheet and the federal funds rate as active tools for setting monetary policy. However, I view the federal funds rate as the preferred active tool, because its effect on financial conditions and the economy has been more extensively tested and therefore is better understood than changes to the balance sheet. As a result, once we set in motion the change in balance sheet policy, as long as the economy evolves broadly as expected, we should allow the balance sheet to run off in the background at the gradual pace that was announced. We would primarily look to ongoing adjustments in the federal funds rate to calibrate the stance of monetary policy as economic conditions evolve.』

ここは普通の話をしているのでどうでもよい。

『Once balance sheet normalization is under way, I will be looking closely at the evolution of inflation before making a determination about further adjustments to the federal funds rate. We have been falling short of our inflation objective not just in the past year, but over a longer period as well. My own view is that we should be cautious about tightening policy further until we are confident inflation is on track to achieve our target.』

でもって利上げに関しては「we should be cautious about tightening policy further until we are confident inflation is on track to achieve our target」だそうです。

『Unless we expect inflation to move quickly back toward target--or there are indications that the short-run neutral rate has moved up further--a variety of empirical estimates suggest we could approach neutral without too many additional rate increases.』

自然利子率が低いのであればそんなにたくさん上げなくても良かろうとな。

『Many forecasters assume that the neutral rate of interest is very low currently, and that it is likely to be low relative to historical norms in the longer run.12 For example, the well-known Laubach-Williams model currently suggests an estimate of the longer-run neutral federal funds rate that is actually slightly below zero.13』

極めて低いとな。

『And in the most recent Summary of Economic Projections (SEP), the median longer-run nominal federal funds rate was 3 percent, which implies the long-run real federal funds rate would only be 1 percent, lower than its average in the decades before then of around 2-1/2 percent.14』

ロンガーランのFFはSEPでの中心が3%ですからつまりロンガーランの実質金利は1%ですよ低いですね。

『These estimates suggest that the neutral rate of interest is likely to rise only modestly in the medium term. It is worth remembering, in addition, that the Federal Reserve's balance sheet policy may be reinforcing this tendency over the next several years. A recent study suggests balance sheet runoff could boost the level of the term premium on the 10-year Treasury yield by about 40 basis points over the first few years.15』

ということでここでキタコレなのですが、バランスシートのランオフ(縮小)をすると長期金利のタームプレミアムが上昇するよある種の計算によればランオフしたら10年で40bp拡大するよってお話をしていまして、FRBの中の方ではバランスシート縮小による長期金利の上昇を気にしているんでしょうね、というのが割と具体的に示されたなーと思います。

『Typical rules of thumb suggest that such an increase in term premiums would imply a decrease in the short-run neutral rate of interest.』

でまあそういう金利上昇が起きれば短期金利の実質引き上げにもなりますよと。

『Although the FOMC expects to begin normalizing its balance sheet relatively soon, several foreign central banks are continuing their purchases of longer-term assets in their own currencies.16 Because longer-term government securities in the major economies are close substitutes, the ongoing balance sheet programs of some foreign central banks will likely continue to hold down U.S. longer-term interest rates.』

他の主要国が資産買入やっているからランオフの影響がそこまで大きくないかもだそうです。

『But with economies abroad strengthening, it may not be too long before some foreign central banks will end their net purchases and, eventually, begin reducing their balance sheets. As that happens, the current downward pressure on longer-term interest rates from foreign spillovers will abate.』

とはいえ世界経済も回復しているのでいずれその辺の国も資産買入を縮小したりランオフするのでその時は影響出るでしょうだそうな。

『For these reasons, my current expectation is that the short-run neutral rate of interest may not rise much over the medium term. But this is an open question and bears close monitoring. Of course, it is entirely possible that other factors will be working to offset this downward pressure on the equilibrium funds rate--as could be the case, for instance, if fiscal stimulus is greater than many observers currently expect.』

つーことで基本線の考え方はあまり自然利子率上がってこないので利上げも慎重に、なのですが、財政などの他要因で変わる可能性は排除しませんと。

『To the extent that the neutral rate remains low relative to its historical value, there is a high premium on guiding inflation back up to target so as to retain space to buffer adverse shocks with conventional policy. In this regard, I believe it is important to be clear that we would be comfortable with inflation moving modestly above our target for a time.』

『In my view, this is the clear implication of the symmetric language in the Committee's Statement on Longer-Run Goals and Monetary Policy Strategy.』

でました「利下げ余地が無いので対処が難しいから利上げは慎重に」。


『Before concluding, it is worth considering the possible implications of a sustained period of low neutral rates and low unemployment for financial imbalances. Historically, extended periods with very low unemployment rates tend to be associated with below-average spreads of expected returns on risky assets over safe interest rates--low bond risk premiums, for example, or low equity premiums. Although, to some extent, low risk premiums and rising asset valuations may be consistent with strong economic fundamentals, such as low default rates and strong corporate earnings, there have also been episodes when a very strong economy and low unemployment rate have led to overvaluation of asset prices, underpricing of risk, and growing financial imbalances.』

「資産価格のオーバーバリュエーションには注意」というのも入っているのね。

『Thus, in today's environment, it is important to be vigilant to the signs that asset valuations appear to be elevated, especially in areas such as commercial real estate and corporate bonds, as well as the exceptionally low levels of expected volatility. Nonetheless, there are few signs of a dangerous buildup of leverage or of maturity transformation, which have traditionally been important contributors to financial instability. This is due, in no small measure, to the improvements in capital, liquidity, and risk management made by the financial institutions at the core of the system, which are associated with post-crisis financial reforms, as well as money market reform and the greater transparency in the derivatives markets.』

でもって今の所そういう兆候は無いとは言っていますが、モニターは必要、という話もしていまして、そらまあ利上げに慎重なハトモードではあるのですが、一応こういうのも入れているのはバランスを取りに行ったつもりなのでしょうか。

でもって最後。

『To conclude, much depends on the evolution of inflation. If, as many forecasters assume, the current shortfall of inflation from our 2 percent objective indeed proves transitory, further gradual increases in the federal funds rate would be warranted, perhaps along the lines of the median projection from the most recent SEP. But, as I noted earlier, I am concerned that the recent low readings for inflation may be driven by depressed underlying inflation, which would imply a more persistent shortfall in inflation from our objective. In that case, it would be prudent to raise the federal funds rate more gradually. We should have substantially more data in hand in the coming months that will help us make that assessment.』

物価がアガランチ会長になっているのが一時的と判明する、というのに自信が持てれば利上げ路線なのですが、そうじゃないのだったら利上げは慎重に行うべき、という話をしていて、それに対しては基調的な物価とか色々と見ないと行けないから十分なアセスメントを行う、ってんですからまあ慎重派は慎重派だし、ブレイナードさんがそういうことを言うという事はイエレン議長の鉄砲玉的な所もある方なので、そらまあ市場は反応するわなとは思ったものの、長期金利はともかくFF先物ってそこまで反応してないんでしたっけ(既に12月利上げ確率が低いというのはありますが)????






2017/09/05

お題「0金利近辺で迎える10年国債入札とは/債券市場サーベイだが定性的な面をどう捉えるのかが難しいと思うの」

そらそうよ。
https://www.nikkei.com/article/DGXLZO20758310V00C17A9PP8000/?dg=1
民進幹事長、一転大島氏に 山尾氏は代表代行
2017/9/5 1:43日本経済新聞 電子版

国会質問辺りできちんとしているからと言っても党務の要をやらせるのはさすがに何ぼ何でも、と思いますし、そもそも幹事長に起用しようという発想になる時点で前原ェ・・・・・・としか思えん。

#なおモーサテが始まった瞬間に「私言いましたよね」の前審議委員を認知したのでそっと閉じました

○さて10年国債入札ですが

昨日は超長期の輪番デーでしたが。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba170904.htm
国債買入(残存期間1年以下) 2,509 1,002 0.001 0.012 45.8
国債買入(残存期間10年超25年以下) 7,106 2,011 -0.004 -0.002 30.5
国債買入(残存期間25年超) 3,939 1,007 -0.004 -0.003 93.7

1年以下はまあこんなもんだと思いますが、前場の段階で超長期って引けはオファーに近かったと思いますので輪番結果はまあ堅調というか強め。

つーことで毎度のロイター記事ですと・・・・・・

http://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL4N1LL2CZ
#マーケットアイ2017年9月4日 / 15:17 / 14時間前
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は横ばいで引け、長期金利も変わらず-0.005%

『 <15:08> 国債先物は横ばいで引け、長期金利も変わらず-0.005%

国債先物中心限月9月限は前営業日比横ばいの151円22銭で引けた。前日の北朝鮮による核実験で地政学リスクが意識され、安全資産とされる円債への需要が先行し、一時151円31銭と日中取引ベースで昨年11月11日以来の高水準を付けた。ただ、高値警戒感が浮上する中、5日の10年債入札を控えて伸び悩んだ、現物市場は超長期ゾーンがしっかり。超長期ゾーンは日銀買い入れで好需給が確認されて買いが入った。一方、中長期ゾーンは10年債入札を控え上値重い。10年最長期国債利回り(長期金利)は一時同0.5bp低いマイナス0.010%と昨年11月15日以来の低水準を付けたが、その後マイナス0.005%に水準を戻した。』(上記URL先より)

地政学リスク云々はたぶん後付の言い訳でして、7月の頭で金利上がった所から8月の1か月って碌すっぽ押し目も無く(年限によって微妙に動きが違うのですが、10年に関しては碌な押し目もなく、最終投資家の参戦が多いと思われる超長期に関しては8月頭に30年入札警戒で云々という辺りくらいしか押し目らしいのも無く、ただまあ0.55%割った20年がやたらと上値重かったという所でしたな)上値重そうな時もあったけど結局終わってみれば金利低下という割とタチの悪い相場展開。

まあつまり戻り売りをこなしながらまるで押し目を作らんけど金利下がるのにも時間が掛かるという相場だった訳で、戻り売りすると買い戻せないし、ジャンピングキャッチすると含み益になるまで時間が掛かる(上に益が増えるのにも時間が掛かる)とか、ロングで1か月長期休暇でも取っておいた方が良かったのではという相場だった訳で、たぶんその地政学リスクだから買いが先行とかそういう相場付きじゃないと思うの(まあベンダー的には後付講釈としてこう書くしかないので致し方ないのですけどね)。

まあ戻り売りをこなしながらジリジリ金利低下する中で、段々戻り売りするにも売るもの無くなってきたところに来て、中間期末近くなってそもそもが残高足りない中では売り先行もしにくくなってきた上に、おまけとして北朝鮮問題というような辺りであって、直接の要因自体は北朝鮮かもしれんが、中間期末とかそっちの要因もあるんチャウのとか思ってしまったりもしますな。


という中で華麗に10年国債の入札ということで、10年347回って引けの時点では引け(▲0.5bp)だった筈なのだが(上記ロイターニュースも然り)、売買参考統計値見ると平均値単利が堂々の▲0.9bpとかになっている(つーか超長期カレントも1毛強の52bpとかにしてやがる)のですけれども、10年カレントの辺りのカーブはその手前までは基本複利1毛/3か月なのですが、カレントだけプレミアム付いているので複利1毛で引いてくるのか(本当は1毛5糸で引いた方が正しい気がするがどうせそうならんのでしょ)とかそういう入札なので、やはりカレント3か月延びても0金利近辺での入札とかいう中々の水準となるようでナムナムとしか申し上げようがありません。

まーこれで明日の輪番で長期減額をすると牽制球が150キロストレートという感じになるのですが、ここもとの輪番の減らし方を見ると、そんな刺激的な事はしないでしょうから、まー入札後に余程のワッショイ相場をやれば別ですけど、そもそもそんなワッショイ相場やるほどの勢いというものも感じられない(投資家の投げ踏みが無いとワッショイ相場というのは出来ないのですが、中間期末前に数字足りないからワッショイ踏み踏みと言っても10年でやるというのは無いわな)ので、じとーっとした感じで入札を迎えてじとーっとした感じで結果が出て相場はジリジリとかどうせそんな事になるんでしょ、よー知らんけどな。


○債券市場サーベイが週末に出ておりましたな

ほいな。
http://www.boj.or.jp/paym/bond/bond1708.pdf
債券市場サーベイ <2017年8月調査>


ちなみに過去のを見たい場合はこちらから見るとヨロシ。
http://www.boj.or.jp/paym/bond/index.htm/
ホーム > 決済・市場 > 債券市場

ということで債券市場の機能度云々なのですが・・・・・・・・・・

『1.債券市場の機能度の状況(長期国債の流通市場を念頭において、ご回答下さい)

(1)貴行(庫・社)からみた債券市場の機能度(注)
(注)債券市場の機能度は、(2)@〜Fの質問項目への回答内容等を総合的に勘案して、ご回答下さい。』

この上記注釈って別に今に始まった話ではないので急にここにきていちゃもんつけるのも何ですが、「(注)債券市場の機能度は、(2)@〜Fの質問項目への回答内容等を総合的に勘案して、ご回答下さい。」ってなっている質問項目って、

@貴行(庫・社)からみたビッド・アスク・スプレッドについてご回答下さい。
A貴行(庫・社)からみた市場参加者の注文量について、板の厚み(注)等を念頭においてご回答下さい。
B貴行(庫・社)の取引頻度の変化についてご回答下さい。
C貴行(庫・社)の実際に取引した相手の数の変化についてご回答下さい。
D貴行(庫・社)の取引ロット(1回あたりの取引金額)の変化についてご回答下さい。
E貴行(庫・社)の概ね意図した価格で取引ができているかご回答下さい。
F貴行(庫・社)の概ね意図した取引ロット(1回当たりの取引金額)で取引ができているかご回答下さい。


って成っている訳ですが、これって「市場がバカスカ派手に動いている時」よりも「市場が動いていない時」の方が改善しているように出てしまうという特性の出る質問項目になっておりまして、現在のように市場がガチガチで動かなくて、あまりにも動かないから売買のスプレッドも狭いし、値幅取れないから短期売買で鞘を取ろうと思ったらロット必要とかいう事になっても改善みたいな感じになってしまう、というのが待てあわてるなこれは孔明の罠だという注釈になっておる訳ですな。

もちろんのことですが、この注釈を見た瞬間にそういうことがこの注釈にはインプライされている、というのは何年かやっていると分かってしまうので、そうすると回答する方も(内務省検閲により削除されました)。


・・・・・てな事も踏まえて回答を見ますと、

(1)貴行(庫・社)からみた債券市場の機能度(注)


現状がさほど高くないが24社、低いが20社と前回とまるで同じ。
3M前との比較ではさほど改善していないが37社、低下したが7社。

となっていて、低下しているのにアセスメントの出来上がりが変わらんとはこれ面妖なと思いますが、元々低いで答えた人が更に低下したとか答えているんでしょうかねえ、良く分からんです。


でもって、

(2)債券市場の機能度・流動性に関する各論

を見ますと、

@貴行(庫・社)からみたビッド・アスク・スプレッドについてご回答下さい。


現状がタイトが10社、さほどタイトでは25社、ワイドが9社で、
前回対比だと真ん中が同じでタイトが2社増えてワイドが2社減少。

3M前との比較では縮小が7社、変わらずが36社、拡大が1社。

つーことでスプレッド縮小しているんですがそれは相場がまるで動かない(短国とかは別ですが)ということの反映に過ぎないので別にこれで機能度が上がったとかいう話ではないと思う。

いやまあ確かにこういうのって「市場の皆さんのアネクドータルですと市場機能は一段と低下しています、なお市場の皆さんの根拠は肌感覚」とか言っても、そういう説明で分かってくれるのは市場の中の人あるいはそれなりの経験者に限られてしまう話で、特に今のようにボードの皆さん(一部の方を除く)が市場機能とか言われてもチンプラゴロツキ共が強訴してきている位の意識で見ていらっしゃる方々となりますと、こういう人たちに「現場のゴロツキどもに聞いたら何かよく分からないのですが市場機能が低下していると文句垂れております」とか言ってもそらまあ知らんがなという事になって、先生大変!うちの債券市場ちゃんが息をしていないの!!とか言っても日本相互証券のアスクビットスプレッドを見て何だタイトなスプレッドじゃないかとか返されてしまう訳で、定量的な評価で話を進めていくことに対する問題というのがありますなあ、などと思いながら以下の部分もちょっとだけ鑑賞。

A貴行(庫・社)からみた市場参加者の注文量について、板の厚み(注)等を念頭においてご回答下さい。


これは多い、さほど多くない、少ない、で見るのですが、今回は2社、22社、20社で、前回が1社、24社、19社になっています。

3M前との比較では増加が2社、変わらずが32社、減少が10社になっていまして、スプレッド縮小しているけど市場の厚みが減っているというのはどう見ても債券市場ちゃんが息をしていないの状態になっているということですからどう見ても遺憾極まりない。

B貴行(庫・社)の取引頻度の変化についてご回答下さい

これは3M前との比較になりますが、増加が0で同じが30社で減少が14社。


・・・・・・・とまあそんな感じで、総体評価は兎も角として、益々債券市場ちゃんが息をしていないの状態になっているということですが、実際にこの結果を踏まえてボードが何をどう考えてくれるのか、というのが極めて謎ですし、大体からして鈴木さんと布野さん位しか市場というチンピラゴロツキに理解を示してくれそうな方が居ない(なお中曽さんも本来は理解を示して欲しいのだが大本営の中の人となって大本営発表しかしてくれないというのが何とも)のでさてどうなんでしょうかねえと。


○面白そうな日銀レビューが出ていますぞ

http://www.boj.or.jp/research/wps_rev/rev_2017/rev17j14.htm/
共働き世帯の増加の背景とその消費支出への影響

全文はこちら
http://www.boj.or.jp/research/wps_rev/rev_2017/data/rev17j14.pdf

でまあ本文の方をやる時間が無い(時間配分間違えた)ので、上記HTMLの方から要旨だけ引用しておきます。

『要旨

近年、共働き世帯が増加している。この背景としては、労働需給がタイト化するなかで、政府や企業の女性活躍促進への取り組みが奏功していることが挙げられる。もっとも、中年層を中心に、老後不安の高まりといった要因も、共働き世帯の増加に影響していることが示された。』

ほほう。

『次に、共働き世帯の増加が消費・貯蓄へ与える影響をみると、所得の増加を通じて消費全体を相応に下支えしていることが確認された。一方で、共働き世帯の増加は、貯蓄率の上昇(消費性向の低下)にも寄与しており、2013年頃からマクロの消費性向が低下傾向をたどった一因と考えられる。』

ほー。


とまあそういう話なのですが、そもそも東京は住居費教育費諸々が高くつくという問題点があり、ついでに東京一極集中みたいな流れがあるという要因があるんじゃネーノという気もしましたが、まあ内容に関してはほほーという感じで興味深く読めるので一読推奨。






2017/09/04

お題「オペ減額も10年マイナス金利とな/政井審議委員記者会見」

http://jp.reuters.com/article/us-econ-job-insight-idJPKCN1BC5L7
#トップニュース2017年9月2日 / 02:42 / 21時間前
米雇用統計:識者はこうみる
ロイター編集

『[1日 ロイター] - 8月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が15万6000人増となり、伸びは前月の18万9000人を含め、過去2か月間の底堅い水準から鈍化、予想の18万人も下回った。失業率は4.4%と、0.1%ポイント上昇した。』(上記URL先より)

えーっとですね、ロイター日本版のインターネットページなのですが、従来は個別のニュースをクリックすると個別ニュースを単純に読める仕様になっていたのですが、ブルームバーグ日本語版を参考にしたのか、要りもしないニュースがその後ダラダラ出てくるというブルームバーグ日本語版と同じ仕様に変わったようなのですが、無駄なデータを落とすことになるのと、ニュース印刷とかしようとすると無駄なのがダラダラ出てしまうという弊害の方が見ている側としては大きいので可及的速やかにユーザーインターフェース元に戻して下さい。

#つーかブルームバーグのネット版を読まなくなったのって検索機能が役立たずなのと、無駄なニュースがふんどしのように出てくるのが原因なんですけどねえ


○オペ減額も金利は低下して10年マイナス金利キタコレとな

昨日のオペオファー(除く補完供給)
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of170901.htm
国庫短期証券買入 1,000 2017年9月5日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 2,800 2017年9月5日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 3,000 2017年9月5日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,100 2017年9月5日

ということで、金曜日は短国買入が2500億円かと思ったら1000億円(スキップはしなかった)のオファーに減額(元々幾らやるとは明示していないので減額という表現も妙ではありますが、便宜上減額という言い方で勘弁)してきて、いつ減らすのかと思っていた3−5輪番が3000億円に減額ですが、これは7月に10年指値オペ実施した一環で買入を増額していた分なので、いつ減らすのかという感じだったものがやっと減額になったという感じです。

まー中期の減額に関して言えばもっと前に減額入るかと思っていたという向きが多いと思いますので、ちと遅い印象ではあるのですが、一応慎重にやってきましたというようなお話ではあろうかと。

でもって結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba170901.htm
国庫短期証券買入 5,551 1,000 -0.017 -0.010 66.8
国債買入(残存期間1年超3年以下) 12,325 2,805 0.000 0.001 94.8
国債買入(残存期間3年超5年以下) 9,052 3,003 -0.001 0.001 89.6
国債買入(残存期間5年超10年以下) 14,016 4,105 0.001 0.001 78.7

短国買入は先週申し上げた通りで新発の入札がファイヤーしてカレント近辺の引けが強い所になったという入札で、1000億円ぽっちしか買入が無い中で華麗に引け強の落札結果となっておりますし、3-5の輪番に関しても減額した影響は毛ほども感じさせないという華麗な結果になっておりました。

つーことでロイターさん(UI元に戻してちょ)。
http://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL4N1LI2GA
#マーケットアイ2017年9月1日 / 15:20 / 3日前
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は反発、長期金利が昨年11月16日以来の-0.005%に低下

『 <15:12> 国債先物は反発、長期金利が昨年11月16日以来の-0.005%に低下

長期国債先物は反発。前日の米債高を受けて買いが先行した。中盤に軟化する場面があったが、日銀オペ結果が総じて無難な水準に収まると買い優勢の展開になった。 現物債は長期金利が昨年11月16日以来となるマイナスに沈んだ。終盤に先物が一段高になったタイミングで、海外勢を巻き込んだ買い需要が強まった。中期ゾーンは底堅い。日銀は「残存3年超5年以下」の国債買い入れで、オファー額を3000億円と前回から300億円減らしたが、好需給が崩れることはなかった。超長期ゾーンにも最終投資家などからの押し目買いが入った。長期国債先物中心限月9月限の大引けは、前営業日比10銭高の151円22銭。10年最長期国債利回り(長期金利)は前営業日比0.5bp低下のマイナス0.005%。』(上記URL先より)

ということで最近はオペを減額した方が却って相場が上がる位の勢いになっているのがあばばばばーという感じですが、引け近くに10年マイナス金利出合って、まあそれもギャグで付けたというよりも0%ビットとかになるような風情でジャンピング記念出合いとかいうのではなさそうな感じらしく、いやー10年マイナス金利かよーという所で。

まー何のかんの言って戻り売りこなしながら金利がじりじりと下がって行くという感じ(中期とかに戻り売りがあるのかは謎ですが後ろに行けば行くほど戻り売りはあるでしょ)でございまして、いやはや何ともという感じなのですが、一面日銀の調節部署にとっては輪番減額のボーナスステージな訳で、いまさら買入減らして行っても誰も緩和の縮小とは言わないでしょうし材料にもしないでしょうから、中期もそうですし、10年の所もう一発削減するチャンスに見えますがどうでしょうかねえ(超長期も減らせるのかも知れないけどこの上値の重さを見ていると厳しいというか、その前に長期を減らした方が良いというバランスだと思う)。


それから、先月から今月にかけて(この前増やした分を減らしたという事ではあるのですが)輪番減額しましたので、(データが古くて7月末の銘柄別残高見ながら計算したのですが)2018年の1年間って償還予定が50.63兆円になっていて、輪番が今のペースで買入を継続すると(除く1年以内で)買入額面が90.48兆円になるので、2018年の1年間で切った場合の国債買入増加って39.85兆円になるんですよね(アタクシの計算が違っていたらすいません)。「80兆円」に対して40兆円カツカツという数字はさすがにどうするんでしょうか、とは思いますが、まあ「増えることもあるので別に問題ない(キリッ)」でしょうけれども、そうなるとこの「80兆円」とはどういう数字なのかと小一時間問い詰めたい所ではありますな、うんうん。



○政井審議委員会見ですが・・・・・・・・・・・・・・・・

http://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2017/kk1709a.pdf

・3ページも時候の挨拶があるとは

最初からの質問を3問並べるとこうなります。

『(問) 本日の金融経済懇談会では、どのような意見や要望が出されましたでしょうか。』

『(問) 金融経済懇談会を通じて、愛媛県経済の状況や今後の課題について、どのような認識を持たれましたでしょうか。』

『(問) 今の点に関連して、地域間格差を解消し、愛媛県経済の活性化をサポートする施策がありましたらお聞かせ下さい。 』

一番最初のはお約束の質問なのですが、愛媛県に関する質疑がその後2問やってくるというのはこれはまた多いぞなという印象でして、金融政策とか信用政策的にピンポイントでなにかトピックがあるというのであれば分からんことも無いのですが、質疑応答を見ましても、特に3番目の質疑応答って愛媛県の施策のご紹介なのか観光案内なのかというようなお話になっていて、いやまあ別に愛媛県の宣伝するのが悪いとかそういう話じゃないんですけど、金融政策に関する話とチャウヤロという話が都合3ページにわたって延々と展開されるというのはちょっと異例なものを感じました。

いやね、各県の金懇だから会見で当該地方での取り組みとか観光的な話が宣伝的なのも含めて質疑応答で出てくる、というのは金懇でのお約束な所はもちろんあるのですけれども、それにしては今回は分量がやたらめったら多いという感じでして、この手の質疑応答ってのは当然ながら地元宣伝モードなだけに想定問答ど真ん中のネタでもありまして、その想定問答ど真ん中で3ページ(会見が全部で9ページあるのできっちり3分の1)を費やすというのは・・・・・・・・・・・・・・・


・なんか質問も回答も散漫・・・・・・・・・・・・

気を取り直して次の質疑を読んだのだがこの質問をしたのは誰だ(ガラッ)と海原雄山状態。

『(問) 今日の講演の中で、2%の物価目標の達成時期が幾度も遅れているということについて、望ましいことではないとされたうえで、重要なことはその背景をしっかりと説明して 2%の達成に向けたパスを辿るような金融政策を遂行していくことだというふうにおっしゃっています。そうおっしゃっている一方で、金融政策の先行きについては殆ど触れられておりません。実際に、4 月、7 月の展望リポートで物価見通しを下方修正した時も、先送りした時も、特に政策対応を採られていません。』

まず「説明」について聞きたいのか「政策対応」について聞きたいのかが話が途中から流れてしまってワケワカラン。

『代わりに、この講演で紙幅を割かれているのが、今もおっしゃった女性の活躍推進ということで、これまでの政策委員の方々の講演の中で、最も女性の問題について紙幅を割かれているのではないかと思います。これはつまり、金融政策ではやれることが殆どなくなってきているので、女性の活躍推進こそがデフレ脱却の切り札であると、そのようなご認識をお持ちだから、こういうご講演になったのかどうかということをまず 1点お聞かせください。』

だったら前段の部分が要らん。質問の趣旨が何なんだか散漫になっている。

『また、デフレ脱却に向けた活路を開くうえで、女性の活躍が重要だとのご認識だと思うのですが、そうだとすると、例えば、日本銀行が今やっている人材とか設備更新に積極的に取り組む企業のETFを特別に買い上げているわけで、例えば、この日本銀行が最近取った「えるぼし」の認定の第3段階を取った企業等を集めて、ETFを買い上げる等の金融政策などは考えるに値するのではないかと思うのですが、如何でしょうか。』

その上意味わからん施策の提案をしだしたりしてお前は何を言いたいのかというのがさっぱり読めん。これじゃあ質問の意味が分からないので猛省を促したい。

でもって答え。

『(答) まず金融経済懇談会というのは、政策委員が地方に参りまして、その土地の財界や色々な方々とご意見を交換させて頂き、その時に私どもからは、展望レポート等を用いて日本銀行の中心的な考えをご説明させて頂くという趣旨で開催しています。』

政井さんの回答もいきなり何を言い出しているんだというこの会話の繋がらなさェ・・・・・・・・

『そのうえで、今年 6 月に、女性の活躍の推進を「さくらレポート」別冊のトピックとして取り上げ、女性の活躍推進に向けた取組みがどのように成長力の向上に資するかといったことを整理し、公表しました。私としては、そうしたこともあり、生産性の向上に向けた取組みの1つの例として、女性の活躍推進という切り口で、私なりの視点から述べさせて頂いたものです。』

その割には物凄い勢いで(ネタにしなかったですが)コーナーを設けていて説明していたのですが、そこまでの話では無かったということなのでしょうか???この説明も良く分からん。

『それから 2 つ目のご質問につきましては、金融政策は、その時々の経済・物価・金融の情勢をみながら、その時々に判断するべきものです。そのうえで申し上げると、前回7月の金融政策決定会合においては、展望レポートで経済については回復に復しているということで、今年度に入って2 度目となりますが、見通しを前進させました。従って、繰り返しになりますが、今後についても、その時々の状況をみながら、その時々で決めていくと認識しています。』

二つ目の質問というのがどれなのかが良く分からんのですが、どうも政策対応をしていない件に関する質問だと思うのですが、これは声明文の繰り返しで全然説明になっていないんですけど。


・2%物価目標に関して

『(問) 午前中の講演の中で、インフレ・ターゲティングについて、コミュニケーション・ツールとしての役割もあるとおっしゃっていますが、現状でのコミュニケーション・ツールとしての役割を少し噛み砕いて、ご説明頂けないでしょうか。』

これは一転して良い質問。

『それに関連して、物価目標の達成時期の先送りが 6 回続いたことで、市場としてはインフレ・ターゲティングを掲げて金融政策を行うというところまでは、コミュニケーションがとれていると思うのですが、2%の達成時期や実現可能性については、半信半疑の方が増えていたりしています。講演では、批判も承知していますとおっしゃっていますが、市場の懐疑的な目に対するコミュニケーションの在り方についてどのように考えているのか、教えてください。』

政井さんの説明。

『(答) まず我が国における 2%の「物価安定の目標」には、2 つの重要な役割があると考えています。1 つは日本銀行が「物価安定の目標」を掲げることで、人々が物価上昇を自然なもの、日常的なものとして受け入れられるようになるということです。物価が毎年 2%近く上がってくるものだという物価観が人々の間でしっかりと根付いていくことが、まず大切だと思っています。もう 1 つは、日本銀行が金融政策を運営していく際の枠組みとしての「物価安定の目標」です。日本銀行は、できるだけ早期に 2%の「物価安定の目標」を実現すべく、金融政策を運営しています。2%の「物価安定の目標」が達成できていない場合、その背景をしっかりと説明して、2%に向けたパスを辿るように政策を遂行していくことが重要だと思っています。デフレからの完全な脱却に時間を要している我が国では、これらのいずれもが重要だと考えています。』

なんかこう自分の言葉感が漂って来ない・・・・・・・・

『少し話が変わりますが、インフレ・ターゲティングについて少し申し添えさせて頂きますと、1988 年にインフレ・ターゲティングがニュージーランドで導入されて以降、30 年近くが経過し、現在では多くの国がインフレ・ターゲティングを導入しています。日本では、2013 年に「物価安定の目標」が導入されました。日本銀行では、次の 3 点にかんがみて、「物価安定の目標」として 2%を目指すことが重要だと考えています。』

いやそんな質問ではないと思うのだが。

『第 1 に、消費者物価指数には、物価上昇率を実体よりも高めに表すという統計上のくせがあるため、実体的に物価の安定を確保するためには、ある程度の物価上昇率が必要になることです。言い換えますと、消費者物価指数の前年比が 0%ということは、物価が一定程度低下している状態だということです。1998 年度から 2012 年度までのいわゆるデフレ期の消費者物価指数の前年比の平均は▲0.3%でしたが、物価はもっと下がっていたと感じられた方も多いのではないでしょうか。』

本当にそんなにボスキンバイアスあるのでしょうか?????

『第 2 に、再びデフレに陥らないためにも、ある程度プラスの物価上昇率を確保しておくことが望ましいということです。これは、いわゆる政策対応余地ののりしろといえます。』

冷静に考えたら金融政策対応の為に糊代を作るというのも妙な話で、金融政策以外で対応することにすれば糊代要らないのではという説も。

『最後に、ある程度プラスの物価上昇率として、主要先進国は共通して 2%という基準を設定しており、いわばグローバル・スタンダードになっているということです。私自身は、この最後の点が大変重要だと考えています。関係国が同じ程度の物価上昇率を目指すことは、長期的にみた為替レートの安定、ひいては金融市場の安定に繋がると考えています。現在のように経済が高度にグローバル化している中においては、家計や企業が安心して消費や投資を行ううえでも、このことは重要だと考えています。』

物凄いムツカシイ言い方をしているが要は為替対策。


『海外において、インフレ・ターゲティング、ないしこれに近い枠組みを導入している中央銀行が、2%程度を具体的に目指すべき物価上昇率としていることが多い背景としては、グローバルでみた場合、2%という数字が大体のところ、人々が痛みを感じにくい程度の物価上昇のスピードであると理解されているのではないかと思います。』

以下延々と説明があるのだが「So What?」としか申し上げようがないが埋め草に引用しておくよ。

『私はカナダ系の金融機関に勤めていた経験がありますが、ちょうどその頃、カナダ政府とカナダ中銀が共同でインフレ・ターゲティングの導入を宣言しました。カナダはインフレ・ターゲティングの導入から 26 年経ちますが、導入当時、インフレ・ターゲティングが当然に受け入れられたかといえば、なかなか厳しかったのではないかとの記憶があります。カナダ中銀総裁は、昨年の講演で同国におけるインフレ・ターゲティング導入前の議論を振り返り、インフレを直接的にターゲットとするコンセプトは、相応に懐疑的に受け止められたといってよいとお話しされています。 これまでも申し上げていますが、15 年以上デフレの状態が続いてきた我が国では、人々が物価上昇を自然なもの、日常的なものとして受け入れるようになるためには、まだ時間が必要なように思います。目指すべきインフレ率について、様々なご意見があることは承知していますが、そうした意見があること自体、「物価安定の目標」が人々に自然に受け入れられていないことを示していると思います。私としてはこのような状況では、更に丁寧な対話に努めることが重要で、また目標を変えることは適切ではないと思っており、中央銀行の一貫したコミットメントがあってこそ、人々が「物価安定の目標」を自然に受け入れられるようになるのではないかと思っています。』

という話ははあそうですかって感じですが、どさくさに紛れて「受け入れられるのに時間が掛かる」という話をしていて、おまいら期待に直接働きかけて2年で2%じゃなかったのかと小一時間というのはあるわけで、完全にQQEの当初のコンセプトが飛んでしまっているようなので、岩田置物副総裁様に今度QQE政策の波及経路の図をもう一度書いていただきたいものだと思いました。

以下質疑有るけどめんどいのでパス。




2017/09/01

お題「短期ゾーンが何か強いですな/長期輪番レンジ下げたが市場無反応で調節ウハウハですの/政井審議委員愛媛金懇ですが」

枝野さんは何だかなーなのだが前原さんよりはまだ変わる感が有りそうな気がするけど、いずれにせよ内ゲバばっかりやってる体質を何とかしないと話にならんじゃろ。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201708/CK2017083102000139.html
前原氏、消費増税認め再分配を 枝野氏、再生エネルギー後押し 民進あす代表選
2017年8月31日 朝刊

『前原氏は「企業が内部留保しただけで一般の実質賃金は増えなかった」と指摘。「まったく逆の再分配強化政策」として生活の安定、安心を優先し、消費を増やすとしている。具体的には二〇一九年十月の消費税率10%への再引き上げを容認した上で、増収分を教育の無償化や基礎年金の充実などに重点的に配分する考えだ。』(上記URL先より)

実質賃金が増えないのが問題で消費を増やしたいのに消費税を上げるって理屈が不思議。再分配の強化なら消費増税と関係ない所でやるもんじゃネーノ?????

○何か短い所が盛大に爆発(金利下がる方で)炎上しているのですが・・・・・・・・・

昨日の2年国債入札
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/resul20170831.htm

6.価格競争入札について
(1)応募額 8兆8,430億円
(2)募入決定額 1兆7,810億円
(3)募入最低価格 100円49銭5厘(募入最高利回り)(-0.146%)
(4)募入最低価格における案分比率 5.1418%
(5)募入平均価格 100円50銭1厘(募入平均利回り)(-0.149%)

昨日は海外がリスクオン(とか言うことになっていたが良く考えたら月末前のポジション整理じゃないかという気もするのとドル売りの巻き戻しじゃないのかという気がだいぶするのだが)とかいうことで(やや引値が強めになっていた分もあるものの)前場はヘロヘロと推移していて10年1甘(1bp)だの5年が何故か1.5甘(▲12.5bp)だの2年が0.5甘(▲15bp)だのとやっておった訳ですが、2年入札堅調で(というかその前に出ていた短国の方があちゃーな結果だったほうが先に効いてたかも知らんが)2年思いっきり切り返して引けの所では▲17bpとか2年にしては1日に高安2毛とか何をやっていますのという展開でしたが、

昨日の3M
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20170831.htm
(3)募入最低価格 100円04銭2厘0毛(募入最高利回り)(-0.1683%)
(4)募入最低価格における案分比率 58.4646%
(5)募入平均価格 100円04銭3厘9毛(募入平均利回り)(-0.1760%)

その前に行われた3M入札ちゃんの方が▲17.60bp/▲16.83bpとゆーことで、前週の3Mが▲14.63/▲14.23で強いですなあとか言ってたのを更に強くする結果でして、ただまあ前週の3M704回の売買参考統計値の前日引け(8/31公表分って奴)で▲17.4bpでしたので、突如飛んだという程でもないのは無いのですが、9月は短国買入の水準も少ないとみられる中で入札なのに調整しないとな、と思ったら市場推計の不明玉が盛大にあったようで、ショートカバーでエライ強い出合いもあったようでございますな。売買参考統計値ベースではそこまでではないものの、705回短国の売買参考統計値は▲25.2bp、なお前回債の704回短国の平均値単利が▲20.1bpでやっぱり強くしていて、そういや3月も短国大爆発した(3/3の短国買入とか2500億円しか買わないのに盛大に流れるとかおそロシアなことをやっていた、その後FOMCの3月利上げモードに巻き込まれて需給が緩んでしまったが)ですなあとか思いながら、結局何がどうなったいるのやらと。

http://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL4N1LH2P5
Markets | 2017年 08月 31日 15:15 JST
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は小幅続落、長期金利0.005%に上昇

『 <15:12> 国債先物は小幅続落、長期金利0.005%に上昇

長期国債先物は小幅続落。高値警戒感が浮上する中、リスク回避姿勢が和らぎ、円安・株高方向に振れたことから短期筋の利益確定売りが先行した。しっかりした2年債入札結果を確認した後は買い戻しが入り、下落幅を縮小した。

現物債も終盤にかけて押し目買いが優勢になった。2年債利回りは入札後に海外勢を巻き込んだ需要が一気に強まり、マイナス0.170%と5月26日以来の低水準を付けた。ただ、日銀が夕方に公表する9月分の「当面の長期国債等の買入れの運営について」の内容を見極めたいとするムードも広がり、超長期・長期債利回りは総じて横ばい圏で推移した。』

『短期金融市場では、無担保コール翌日物はマイナス0.045─マイナス0.080%を中心に取引された。月末で調達意欲は弱い。レポ(現金担保付債券貸借取引)GCT+1レートはマイナス0.099%とマイナス幅を縮小。TIBOR(東京銀行間取引金利)3カ月物は0.056%と横ばい。新発3カ月物国庫短期証券(TB)の入札は、海外勢の需要が強く、しっかりした結果になった。3カ月物TB(704回)の利回りは前営業日比2.6bp低いマイナス0.200%に低下した。』(上記URL先より)

ということでロイターさんをまたまた備忘の為に貼っておきます毎度すいません。


○長期輪番のレンジを下げましたが債券市場も他市場も反応していなかったようなので調節セクション大勝利の巻キタコレ

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2017/rel170831d.pdf
当面の長期国債等の買入れの運営について


ちなみに
『── 次回公表は2017年9月29日17時を予定。』
となっていますが9月29日というのはプレミアムフライデー(死語)なんですけどねえ。

前回のレンジ、カッコ内は直近の買入オファー額

短期:500〜1500(1000億円)
中期1-3年:2000〜3000(2800億円)
中期3-5年:2500〜3500(3300億円)
長期:3500〜5500(4700億円)
超長期10-25年:1500〜2500(2000億円)
超長期25-40年:500〜1500(1000億円)
物国:250(250億円)
変国:1000(7月は変国買入無しで6月は1000億円)

今回のレンジ、カッコ内以下同文

短期:500〜1500(1000億円)
中期1-3年:2000〜3000(2800億円)
中期3-5年:2500〜3500(3300億円)
長期:3000〜5000(4100億円)
超長期10-25年:1500〜2500(2000億円)
超長期25-40年:500〜1500(1000億円)
物国:250(250億円)
変国:1000(1000億円)

つーことで今回は長期輪番のレンジを3000-5000にしてきまして、減額(というより元に戻したというのが正しいけど)後の買入水準をレンジの中心に持ってくる形にして現状追認を行いました。

・・・・・・・のですが、これ出た時に為替市場ドル円はピクリともせず、債券先物イブニングは(そもそもイブニングの寄り後下がっていたのもありますが)特に売りになることもなく、寧ろ数銭買われたりしていて、全然反応しないですという流れに。

いやまあ昨日は「長期輪番レンジ下げるのは象徴的だし、別に今のレンジ維持しても600億円削減できるからレンジ変えなくてもエエンチャウノ」と申し上げた訳でどう見てもフラグ建築です本当にありがとうございましたという風情ですが、まあ確かにレンジ下げても全然市場が反応しないのでしたらこんなの下げられる時に下げて置いた方が良い訳で、とにかくYCCに関しては「10年金利をピン止めできればヨロシ」という(何か最初の宣伝と違う気がだいぶするがそこはさておき)お話なので、より少ない買入でピン止め出来るなら少ない買入でやっていた方が政策継続しやすくなるのですから、まあこれは調節ウハウハの展開ですな。

なお、調節ウハウハの展開というのはつまり少ない買入で継続できている、ということですが、調節という手段としては楽になっていても、多分政策目標達成という面で考えれば宜しくない(債券市場の流動性がストック効果で枯渇しているのか、それとも金利上昇期待が無い、すなわちインフレ期待が盛り上がらない状況なのだから)という事実がこれ有りで、政策の方はどうなのよという話になるんですけどね。

でもって長期輪番は早速本日なのですが、10年入札前に輪番減らすのはさすがに刺激的なので本日は継続して置いて、その後入札結果以降に順調にホイホイと金利が下がるようなら減らすし、ウダウダとしているならまあ様子見て月中盤以降に減らすかもしれませんよね程度の話で来るということでしょうかね、それより中期輪番どうするんじゃろ。


あと短国ですが、

『3.国庫短期証券の買入れ

金融市場調節の一環として行う国庫短期証券の買入れについては、9月末の残高を24〜26兆円程度とすることをめどとしつつ、金融市場に対する影響を考慮しながら1回当たりのオファー金額を決定する。』

とありまして、アタクシの計算があっていれば8末の短国残高って25.6兆円程度になっている筈で、(違ったらゴメンナサイ、7末から償還引いて短国買入を単純に足しただけ)今月の償還がこれまた計算間違っていなければ3兆円なので(この辺の数字は銘柄別残高を見れば誰でも計算出来るから計算してちょ)、今月の買入は少なくて1.5兆円、多くて3兆円という事になり、今月渡しの短国買入は4回になるので足もとは需給も良いので2500億円とかで入れて来るとかそういう感じになるんですかね。基本は2兆円位は買ってきそうには思えますが、まあこの残高は問題なければ減らして短期のリスクフリー資産を国内投資家に開放した方が良いとは思うのですけれどもねえ。


○政井審議委員愛媛金懇ですが・・・・・・・・・・・・・

http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2017/ko170831a.htm/
http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2017/data/ko170831a1.pdf
わが国の経済・物価情勢と金融政策
── 愛媛県金融経済懇談会における挨拶要旨 ──

・基本的に執行部ベースの話なのだがそもそも説明も足りないという作品になっております

・・・・・・・まあ何だ、突発性大滝秀治になってキンチョールのCM状態になるって奴ですわ(知らない若い衆は年寄りに聞いてください)。

『II.経済・物価情勢』のところは、

『日本銀行は、先月の政策委員会・金融政策決定会合において、「経済・物価情勢の展望」、いわゆる「展望レポート」を取りまとめ、2019年度までの経済・物価見通しを公表しました。経済・物価情勢については、「展望レポート」の内容に沿って、お話したいと思います。』

となっているのですが、内容に沿ったというよりは単に基本的見解を朗読しているようなテキストになっていまして、いやまあもしかしたら説明ではもうちょっと詳しく話をした部分もあるのかも知れませんけど、と一応フォローにならないフォローを入れてみますが、テキストを拝読する限り(棒読み)という風情で大滝秀治状態ですよこっちは。

でもってそこは全部スルーして、

『III.日本銀行の金融政策』で最初は『1.長短金利操作付き量的・質的金融緩和』という小見出し。

『日本銀行は、昨年9月の金融政策決定会合において、2%の「物価安定の目標」をできるだけ早期に実現するため、これまでの金融緩和の枠組みを強化する形で、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の導入を決定しました。この枠組みは2つの要素から成り立っています。』

ということで棒読みモードなのですけど、

『1つは、消費者物価上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまでマネタリーベースの拡大方針を維持する「オーバーシュート型コミットメント」です。わが国では、1990年代の後半から15年以上にわたり消費者物価の前年比がゼロないし僅かなマイナスが続くデフレの状態が続いてきました。わが国において、所謂デフレ・マインドがなかなか払拭されない背景の1つには、わが国の家計および企業が、デフレ期の環境に順応してきたことがあると思います。これを踏まえると、「物価は毎年2%くらい上がってくるものだ」という物価観が人々の間にしっかりと根付いていくには、このようなコミットメントを通じて日本銀行の強い決意を示すことが重要だと考えています。』

という風になっておりますが、コミットメント投下して4年経ってもインフレ期待という実績が出ていませんがという話についての解説は以下まるでない、というのがもうねという感じです。

でもってこの先にはYCCの説明があるのですがそこは飛ばしまして、

『2013年の「量的・質的金融緩和」の導入以降、金融緩和の基本的なメカニズムは、実質金利の低下を通じた効果ですが、現行の枠組みでは、経済・物価に対する見方が好転した場合、金融緩和の効果を増幅する機能があります。通常、そうした場合には、経済・物価の好転に見合った形で金利に上昇圧力がかかることになりますが、それを抑えて同じイールドカーブを保つときには、緩和の度合いが高まることになります。』

って今は完全に「実質金利の低下」で説明しているのですが、元々は「期待に直接働きかけて」実質金利を低下させるというパスがあったはずなのにそこの説明が無いまま次の小見出し『2.「物価安定の目標」の実現に向けて』に続く。

『日本銀行は、消費者物価の前年比が2%程度に達する時期は、2019年度頃になる可能性が高いとみています。日本銀行の展望レポートでは、これまで幾度もこの達成見込みの時期を後ずれさせてきていることから、一部にはそのことを批判する向きがあることは承知しています。』

後ずれさせている事を批判しているのではなくて、「達成できないという状況になっていることで自明なように効果がさほど大きくないのに副作用の大きい政策を漫然と継続している」ことを批判しているのですが。

『もちろん、日本銀行はできるだけ早期に2%の「物価安定の目標」を実現することを目指しており、達成時期の後ずれは望ましいことではありません。ただ、重要なことは、その時々の情勢により2%の「物価安定の目標」が達成できていない場合、その背景をしっかり説明し、2%に向けたパスをたどるように政策を遂行していくことだと思います。』

でもって説明が「やっぱり期待がなかなか動きませんでした」だと「元々のQQEの置物リフレ理論が机上の空論でした」という話であって、そこのレビューをちゃんとして頂きたいのだが、って書くと直ぐに藁人形論法が出てきて「緩和をするなということか」とか言われるのだが、そうじゃなくて金利をバカスカマイナスにしなくても金融緩和政策の効果はあるし、ドカドカ金利下げる効果がそんなに大きくないのだったら、副作用の大きくならない形で緩和政策をすればよいじゃないか、と言っている訳で、緩和を止めろとか誰も言ってないのだが、大体批判に対するお答えが藁人形になるのは何なんでしょうねえ。もうちょっと真面目にやって頂きたいものです。

『そもそも、インフレ・ターゲティングという政策枠組みには、そのコミュニケーション・ツールとしての役割が期待されていることはよく知られているとおりです。』

はあ。

『先ほどお話したとおり、消費者物価の前年比は、0%台前半で推移しており、2%の「物価安定の目標」の実現にはなお距離がありますが、それに向けたモメンタムは着実に強まりつつあると私自身はみています。特に、次の2点が重要だと思っています。』

「その背景をしっかり説明し、2%に向けたパスをたどるように政策を遂行していくことだと思います。」の説明がこれですか・・・・・・・・・・・

『第1に、賃金が中々上がらないと言われますが、それでも所定内給与が2年以上にわたって上昇を続けていることです。また、就業者の過半の就業先である中小企業の所定内給与の着実な増加により、賃金上昇を実感できる世帯が確実に拡がっていることは、今後、人々のインフレ期待が高まっていくうえでも、きわめて重要であると考えています(図表11)。』

『第2に、人手不足もあって、生産性向上に向けた機運が明確に高まっていることです。先ほど触れましたとおり、効率化・省力化投資や、成長分野への研究・開発(R&D)投資などの前向きな投資は、今後、一層盛り上がることが期待され、生産性向上に寄与するとみられます。また、人工知能(AI)やIoTなどの新しい技術を活用する環境も整ってきました。こうしたもと、本年6月に閣議決定された「未来投資戦略2017」では、経済社会の生産性を上げることを目指し、包括的な政策の推進が謳われております。こうした施策を政府が着実に進めていかれることに加えて、本行がきわめて緩和的な金融環境を維持し、デフレからの脱却を確実に進めることが、企業の前向きな動きを引き続き後押しし、生産性の向上、ひいては潜在成長力の引き上げにも繋がっていくものであると考えています。』

という早期達成とかとは関係ない話で、別にこれを維持するためだったらマイナス金利政策だの国債馬鹿買入だのやる必要があるのかという点の検討は相変わらず無い様です、というか今回は行ってない件についての背景説明が碌すっぽ無い(この講演以下は女性活躍がどうのこうのの話になる)という辺り、何かもう日銀与党の皆さん遂に開き直って行かない言い訳すらしなくなってきたというモードに入ってしまったんでしょうかねえ、と思ってしまう講演なのでした。だからまあ突発性大滝秀治になってしまう訳ですが。

#もしかして会見で何か面白いのあったかも知れませんがスルーしてたので要旨見てから考えます