岩田規久男副総裁

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岩田規久男副総裁

岩田規久男さんの略歴(日銀Webより)

昭和17年10月 3日生

昭和41年 3月 東京大学経済学部卒業
昭和48年 3月 東京大学経済学研究科博士課程修了
昭和48年 4月 上智大学経済学部専任講師
昭和51年 4月 上智大学経済学部助教授
昭和58年 4月 上智大学経済学部教授
平成10年 4月 学習院大学経済学部教授
平成25年3月20日 日本銀行副総裁に就任
(前職:学習院大学教授)

詳しくはこちら→http://www.boj.or.jp/about/organization/policyboard/dg_iwata.htm/


副総裁就任以降の発言

2015/07/14「6月16日の参議院半期報告の会議録が出ています」
2015/06/17「参院半期報告で頭が危ないのではという答弁連発で速記を何度も止める異例事態」
2015/06/01「金懇会見も予想通りに見苦しいダメダメ会見」
2015/05/28「札幌金懇ではまさかの「2%に達しない理由」の言い訳が登場とか見苦しいにも程がある」
2015/05/27「本日は金懇講演があるのでその前に4月23日の参議院財金での珍答弁を鑑賞」
2015/03/26「朝日新聞インタビューで見苦し言い訳と意味不明なブーメランを連発する」
2015/02/06「会見では「初めて知った」だの「深い研究ができるようになった」だのこの人は頭と人間性と倫理観が根本的におかしいのではないかとしか申し上げようがない話に終始しています」
2015/02/05「宮城金懇での講演は過去の話と全然違うロジックと言い訳に終始する見苦しい講演」
2015/01/28「金融教育の講演で高齢者の金融リテラシーがないのに自信満々って自己紹介でしょうか」
2015/01/26「そろそろ焼き土下座ですなあ」
2014/10/29「国会での半期報告の質疑応答内容が悲惨な件について」
2014/09/12「金沢金懇での会見内容が壊滅的なクオリティとなっている件」
2014/09/11「金沢金懇での説明は従来の置物理論に日銀理論が混在して更に支離滅裂になっている件について」
2014/09/10「金沢の金懇を前に東洋経済が岩田副総裁の2年で達成しないと辞職に関するコラムを」
2014/09/04「昨年の所信聴取に見る岩田副総裁の金融政策理論がゴミにも程がある件について」
2014/08/29「2年で2%に関する浜田先生の発言をマクラに昨年の国会発言をサルベージ」
2014/06/04「韓国の講演は共同通信の講演の中で読める部分だけを無理矢理つぎはぎとな」
2014/05/28「講演の内容はもう悲惨の一言に尽きまして政策的な意味合いが全くないという残念な状況」
2014/05/27「共同通信主催公演会の内容が悲惨にも程がある件(予告編)」
2014/03/31「北九州市での講演会の内容が同時期に講演した木内さんや佐藤さんの講演と比較して底が浅すぎて内容に全くの深みがないと言う残念な状況な件」
2014/02/10「会見での説明内容がお粗末極まりなくてもうお笑い落語と思うしかない件」
2014/02/07「お待ちかねの宮崎での金懇だがどう見ても講演内容が企画局の作文棒読みの件について」
2013/10/29「下関でまたまた会見の無い講演だが高橋財政の説明が端折り過ぎじゃないの」
2013/10/21「引き続き師匠の落語へのツッコミフォローアップ」
2013/10/19「中央大学での講演だがクオリティが酷過ぎて中銀副総裁の講演として如何なものかと思われる件」
2013/10/07「MPM後の総裁会見で処分勧告の出たアブラハム関連の機関誌サイトに登場した件を質問される」
2013/09/26「産経新聞への寄稿だが相変わらず微妙にアレ」
2013/08/30「京都の講演続き:読んでて分かったのはこの人の理論って(1)勝手に色々な物を所与にしているがその前提が怪しい、(2)相関関係と因果関係をごっちゃにしているので自分の都合の良い因果関係がホイホイ出てくるという事なのではないかという件について(史上最大の長文見出し)」
2013/08/29「京都商工会議所での講演デビュー戦はやはりオモシロ講演にも程があるのでした」
2013/06/25「ロイターで初インタビューだが最後に飛んでも無い脱力発言があるのでした」
2013/04/05「MB140兆円でインフレ2%なのにMB2倍拡大の緩和に何故岩田さんは反対しないのでしょうか」
2013/04/04「(岩田さんの発言ではないが)山本幸三先生が岩田理論で色々計算している結果が残念な件について」

2012年度下期までの発言(まさかのノーマークだったので就任前の分は追々補足します)

2013/03/25「就任記者会見も相変わらず言ってることが怪しかったり危なかったり」
2013/03/13「参議院での所信聴取もきくちゃんお笑い劇場モードである」
2013/03/07「国会聴取ネタの訂正の筈が別の悪態/連日のアレ発言でやや批判的なスタンスが出てきましたな」
2013/03/06「国会聴取でもアレな発言を繰り返しヘッドラインを見ながら市場は腹筋の鍛錬をするのです」
2013/03/05「所信聴取前日に行った講演がこれまた凄まじい位に実務面の不勉強ぶりをさらけ出す」
2013/03/04「レクの余裕もなく所信聴取とな」
2013/02/28「海外投資新聞なる媒体での無茶苦茶インタビューを早速サルベージ」
2013/02/27「岩田さんノミネート前にこんなオモシロ発言を(メモ)」
2013/02/26「市場反応メモ/今後の懸念が高いですね/早速口を滑らす岩田規久男さん情報管理も危な過ぎです」
2013/02/25「黒田総裁と岩田規久男副総裁がノミネートとな」

2015/07/14

○置物師匠ェ・・・・・・・・・・・・・

こんなのが参議院のサイトに出ています。
http://online.sangiin.go.jp/kaigirok/daily/select0105/189/18906160060015a.html
第189回国会 財政金融委員会 第15号
平成二十七年六月十六日(火曜日)

ちなみに上記URL先ですが、暫くすると国会会議録システムの方に移行するので、実際には国会会議録システムからH27/06/16の参議院財金を検索するようにした方がよろしいです。

でまあこちらの質疑応答なのですが、師匠が登場するのは質問の1発目になる民主党・新緑風会の風間直樹委員との質疑なのですが、これインターネットで参議院がやっている審議中継を聞きながら「おいおい大丈夫か」という展開になっていたところでして、『○委員長(古川俊治君) 速記を止めてください。〔速記中止〕』という感じで速記が止まったのが都合4回。

で、この質疑は文書にされても頭がクラクラとしますが、実際の質疑応答の方が全然問答として成立していなくて、「聞いたことに答えろよ」という顔をしている質問者とその隣の大塚委員の表情が何ともという感じでした。

なお、大塚さんが慌てて速記を止めさせた部分はそのちょっと前から以下の通り。

『○風間直樹君 岩田さん、それ全然質問に対する答弁になってない。
 今おっしゃっているのは、日銀が達成しようとする目標のことをおっしゃっているんですよ、岩田さんは。私が聞いているのは、今のままだと財政ファイナンスだとみなされるんじゃないかということなんです。そうみなされないために日銀がどういう国債の買入れ基準を持ってやっているのか、その結果、日銀の法定準備金が食い潰されるおそれがない、どうしてないのか、そのことを聞いているんです。もう一回言ってください。

○参考人(岩田規久男君) ですから、二%の物価安定を超えて財政ファイナンスをするわけじゃありませんの、
その心配はないということを申し上げているんです。(発言する者あり)

○委員長(古川俊治君) 一回速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(古川俊治君) 速記を起こしてください。

○参考人(岩田規久男君) 要するに、二%を達成するために、物価安定の目標のために長期国債を買っているんであって、そのことに関して、そういう、中央銀行が物価安定のために長期国債などを買うということに対して、それが財政ファイナンスだと言っているような、私、国はないというふうに思います。アメリカにしろ同じことをやったわけですね。物価安定の二%と、アメリカの場合は雇用の最大化がありますけれども。ECBも同じですね。あるいはイギリスのイングランド銀行も同じですね。要するに、物価安定のために長期国債を随分買ったわけです。

 先ほど申したのは、二%安定的になるまでは、だから、財政ファイナンスのためにやっているんじゃないということを申し上げているんです。これはどこの中央銀行でも同じです。』

でまあこの「二%の物価安定を超えて財政ファイナンスをするわけじゃありませんので」というのが微妙にアチャーだったので大塚さんが止めたという形でして、その後大塚さんが黒田総裁への質問の冒頭でこんな発言をしていました。


『○大塚耕平君 民主党の大塚でございます。

 今日は、岩田副総裁は私は答弁お願いしておりませんが、岩田さん、もしお時間があれば、今日は御質問しませんけれども、冒頭のところだけちょっといてください。

 日銀で私も十八年間仕事をさせていただきましたので、風間さんの横に座っておりますと、私もOBとして怒られているような気がして非常にいたたまれません。』

ワロタ。

『  先ほど私が席を立ったのはどういう意味かと申し上げますと、岩田さんのおっしゃりたいことは私はよく理解できましたけれども、話の流れの中で、二%に達した後は財政ファイナンスしないという、こういう文脈で御発言されたんです。後で議事録見てください。』

会議録もそうなっています(^^)。

『  それで、与党の先生方にもお願いしたいんですけれども、これ、私がもし理事をさせていただいておりましたら、この局面、日本のマーケット、とりわけ長期金利に影響を与えないように、理事の判断であそこは止めて、ちょっと岩田さん、先ほどあなたは二%に達した後まで財政ファイナンスはしないと言ったけれども、いや、それは間違いだから訂正をしてくださいと言って、理事として止めて、議事録を修正してもらう努力をします。あるいは発言を訂正してもらう努力をします。そのぐらい、副総裁、ここでの一言一言は重いんです。何となく流れで、ふわっとした発言で済む場所じゃないということだけ是非御理解いただけますか。』

いつもそういう答弁ばかりしているという認識は共有されているんでしょうなあ・・・・・・・・・・・・

『  そのまま、この場の雰囲気はそれで流れたとしても──ちょっと後ろ、今大事なところなんだからちょっと待って。バックベンチも、本当に大事なときにアシストで話しかけると、人間、両方の音聞けないから。』

お付きの事務方怒られるの図(><)。

『その後、二%に達するまでは財政ファイナンス今しているというふうに、いや、副総裁が発言したというふうに勝手に解釈されて報道されたら困るんですよ。だから、あそこは訂正するべきではないかということで、大変私も越権で席を立ったことはおわびを申し上げますけれども、みんな、日本国を悪くしたいと思っている人は一人もいませんから、日本国が財政的な問題で混乱に至らないように一言一言は論理的に整合性のある形で御発言をいただきたいという趣旨で思わず席を立ちましたことは、お許しをいただきたいと思います。』

ちなみに師匠の答弁での説明ってまあ「ああ言えばこういう」という応答はできているものの、質問の角度を変えて質問すると微妙に整合性の無い答弁をするもんだからこの回でも何だか蒟蒻問答状態になっている、というのは上記URLでご確認いただければと思いまする。まあ質問する風間さんのポイントもイマイチ絞れていないというか「だから何なんだ」という所がはっきりしていないのもありますけどね!!!!

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2015/06/17

○国会答弁で色々と

http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2015/ko150616a.htm
通貨及び金融の調節に関する報告書
参議院財政金融委員会における概要説明

昨日は毎度おなじみの国会半期報告があったのですが、そちらで色々とお話ががががが。

・黒田総裁の為替レート云々

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NQ0LDT6S972901.html
日銀総裁:「金融政策に深い意味はない」−実質実効レートで
2015/06/16 13:08 JST

もうちょっとこの記事の題名何とかならんのかと思うのですがそれはともかくとして。

『(ブルームバーグ):日本銀行の黒田東彦総裁は16日、為替相場を動かした10日の発言について国会で聞かれ、「このところの名目為替レートについての評価や予測として申し上げたわけではない」と述べるとともに、実質実効為替レートは「金融政策に非常に深い意味はない」と語った。こうした発言を受けてドル円相場は円が値下がりしている。』(上記URL先より、以下同様)

ということで国会で問い詰められて説明しているのですが・・・・・・・・・

『黒田総裁は参院財政金融委員会で、10日の発言について「あくまで理論的な説明をした」とした上で、「2国間の名目為替レートの水準や動きについて、先行きを占ったり、評価するものではない」と発言。「名目ベースでの円安を望んでないとか、円安にならないだろうと申し上げたわけではない」と述べた。 』

という説明なのですが、ブルームバーグニュースはその先がイヤミでワロタ。

『黒田総裁は10日の衆院財務金融委員会で、「実質実効為替レートでみると円安になっているのは事実」と指摘。実質実効レートでは「ここからさらに円安はありそうにない」などと述べた。これを受けて、それまで124円台半ばで推移していた円相場は直後に一時122円台まで円高が進んだ。』

参議院インターネット中継だと質疑の過去ログも一定期間は見れる筈なのですが、何かこう説明しているのですが何が何やらという感じでの話をしている感はありまして、結局何を言いたかったのかとゆーと「先日の発言は円安けん制ではありません」ということだったのではないかというのだけは把握できましたが・・・・・・・・・

『黒田総裁はまた、無所属クラブの中西健治氏の実質実効為替レートの評価について聞かれ、「実質実効レートが最初に開発されたのは国際通貨基金(IMF)で、私はその当時IMFに勤務していたので、それをめぐる議論やその論文等を読んだことがある」と述べた。』

『その上で、「その後40年くらい経って、これから何かを読み取るのは非常に難しいものであり、金融政策にはすぐには役に立たない。非常に迂遠(うえん)なものだ。為替の動きを占う面でも、直接的に含意がはっきりしているものではない」と指摘。』

『「この理論を開発した人を私はたまたま知っているので、全く無意味だ、一顧だにするな、と言われると、そこまで言う必要はないと思うが、金融政策にこれが非常に深い意味や縁はないということには全く同意見だ」と語った。』

しかしまあ何ですな、これ説明すれば説明するほどドツボに嵌るというか、わけがわからなくなって来るので、単純に「具体的な為替レートには言及しない」「経済のファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが望ましい」という説明を一貫して行えばよいだけだと思うのですけどねえ。

ということで実質実効為替レートの話はやっちまいましたなというだけの話でしたという所で、まー10日は前原さんの質問に答えようとして、自分の得意分野だという認識があるから余計な話をして口を滑らせた、というだけの話だったという評価でよろしいんじゃないですかね。もちろん背景として円安誘導ばっかりしてケシカランとか、そもそも円安コストプッシュで物価あげても誰得じゃネーノというような批判が外交方面や政治方面から飛んできているのはあるんでしょうが。


・それより色々とやばかったのは師匠なのですが・・・・・・・・・・・・

とまあそれはそれで良いのですが、昨日の参院財金での質疑ではニュースネタにあまりなっていない、と言うかニュースネタにするのもヤバいというのが置物大師匠の答弁。

民主党・新緑風会の風間委員(だったと記憶しているが間違っていたらすいません)からの質問が置物大師匠に飛ばされまして、質問の趣旨は日銀が剰余金を多めに留保したこの前の決算から始まり、「緩和政策によって大量に買入を行った資産について出口政策などで多額の損失が出た場合に通貨の信認という意味で大丈夫なのかという点について置物副総裁の認識如何」という話だったのですけれども、質問されたことと全然違う説明をおっぱじめたり、答弁の途中で「ところで何の質問でしたっけ」とか言い出したりで、まあそんなに国会マニアじゃないから委員会質疑を熱心に見る訳ではないアタクシなのですが、いちいち速記が止められてしまうという凄まじい展開になっておりまして、マジで大丈夫かという感じでしたので、中継録画見るなら最初の方が実はオヌヌメだったりします。

でまあその答弁の中で財政ファイナンス云々に関してかなりやばそうな言い間違えをして質問した民主党の方がびっくりして大塚耕平さんが立ち上がって理事席に行って議事止めるというこれまた珍現象が発生しておりまして、いやあの置物師匠大丈夫かという所でございましたですよ。

詳しくは会議録が出たらという所ですが、速記が何度も止まっているので様子を見るなら会議録よりも録画映像を見た方が良いかもしれません。

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2015/06/01

○師匠会見キタコレだがまあ想定通りにダメダメ会見

はいはい置物置物
http://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2015/kk1505d.pdf

・例の「電気料金下がってインフレ期待が下がる場合」の質疑

『(問) 2点あります。1つは、期待インフレ率について、朝の講演でも、 物価が上がれば、期待インフレ率も上がっていくというお話をされていらっしゃいます。例えば、電力料金は、7月以降、全国的に下がっていくと思うのですが、それによって期待インフレ率が下がるということはないのかどうか、ご見解をお願いいたします。(後半割愛)』

ワロタ。

『(答) 期待インフレ率あるいは予想インフレ率の形成には、2つの形成の 仕方があります。まず、いわば足許の物価を見て将来を予想するというアダプティブとか適応型と言われる予想インフレ率の形成の仕方があります。それから、必ずしも足許の物価だけではなく、金融政策の動向も含めて経済政策や他の企業の行動等色々な要因について、将来を予想するという合理的期待形成あるいはフォワードルッキングな予想形成ともいうものがあります。そういう予想形成にはいくつか、あるいはミックス型もあるわけです。』

で?

『日本の場合には、割合、適応型で予想する人が多いという傾向がありますので、物価が下がり続けると、予想インフレ率もだんだん下がるというリスクといいますか、その可能性があるということです。』

だからQQEで2年で2%というのを出したのですけどね。

『そういうことにも注意して金融政策を運営しているわけです。電気料金に関しても、ずっと下がった場合には、予想インフレ率が下がるということが絶対ないとは言えないですが、現在の状況では、あまりその可能性はないとみています。そういうことが絶対ないとも言えないので、やはり予想インフレ率がどのようになっていくかというのは、金融政策の運営上は気をつけてみています。(後半割愛)』

ここがヘッドラインになっている訳ですが、そもそも論としてフォワードルッキングな期待形成を強めるために「2年で」とわざわざ期間を切ったのに対して実際の物価が2年経ったら元の木阿弥になっている訳でして、予想インフレの形成に関しては「2年で行かなかった事」が重要で、しかもそれに対して講演で言い訳をしているという行為そのものがフォワードルッキングでもアダブティブでもインフレ期待を弱めることになるように思えますがね。


・意地悪質問というか何というか

『(問) 2つお聞きします。1つは、講演録の5ページ、2%物価目標の早期 実現へのコミットメントというところで、「現時点においては、物価安定目標の早期実現に向けたコミットメントを変更する考えは全くない」とおっしゃっています。あえて「現時点で」という言葉を入れているということは、将来については分からないとおっしゃっていると理解していいのでしょうか。』

『つまり、2016年度前半頃に2%に達するという日銀の大勢の見通しについて、それが 実現せずに、また何度もやってきたように見通しを先送りする時には、今度は、2年の目標というのはやはり無理だからあきらめるということもあり得るということをおっしゃっているのでしょうか。「現時点で」とあえて入れてあるので、あえてお聞きします。(後半割愛)』

クソワロタというか師匠だからこそ突っ込まれてしかるべき。

『(答) 最初の「現時点では」と申し上げたことについては、別に他意があったわけではなく、基本的に、2年程度を念頭において、できるだけ早期に、 というコミットメントは、この「量的・質的金融緩和」の一つの起点といい ますか、効果を発揮する一つの重要な要素ですので、それは全く変えることはないということです。「現時点で」というのは、その意味では、別に必要のなかったフレーズですので、そういうふうにご理解頂きたいと思います。(後半割愛)』

「必要のなかったフレーズ」ってなんだよ原稿チェックしてないのかよアホか。


・消費増税でインフレ2%に達しないのなら・・・・・・・・・・

さっきの質問の後半。

『(問)(前半割愛)もう1つは、インフレ率が2%に達していない理由について、消費増税による影響を挙げておられます。既に起こったことについて、どうこうはないですが、2017年4月に消費税の再増税が確定しております。』

本当は「反動で物価が下がったのならそもそも駆け込みで上がった分を含めてQQEの効果というのはおかしいだろボケナス」と聞いて欲しかったが。

『2014年4月の消費増税の影響が予想より大きく長引いたということですが、また、これと同じようなことが起こる可能性が十分あり得るわけです。』

(;∀;)イイハナシダナー

『そうなると、今は、2016年度前半頃に消費者物価が2%に達するという予想ですが、もし仮に、 万一これが実現したとしても、消費増税が予定されているということを考えると、消費増税の前に出口はかなり難しいでしょうし、消費増税をしてから1年くらいはやっぱり出口は難しいと思います。つまり、展望レポートで2017年度末までの経済・物価の見通しをお出しになっているわけですが、この見通し期間内には、出口はかなり難しいというふうに思わざるを得ないのですが、 如何でしょうか。』

これ出口の質問をするのじゃなくてもっとストレートに「消費増税で物価がマイナスの影響を受けるのであれば2017年4月の増税でまた物価が落ちる事になるのだから2016年度前半に2%到達しても安定的に維持できないのではないか」と聞くべきだったように思えます。

『(答)(前半割愛)次に、2017年4月の増税の影響ということですが、現時点では、昨年の消費増税の影響が、予想よりも少し大きかったということを踏まえて、2017年度の経済を展望しているということですので、その時に出口を出られないかどうかというようなことは、今この段階では、何らコメントするという状況ではありません。』

と逃げを打たれましたが、つまりここで置物師匠が言っているのは「日銀の今の見通しは前回の消費増税の影響を踏まえて次回の消費増税の影響についても含めて物価見通しを出している」という話でございますので、次回また「消費増税ガー」という事は絶対に許されない(というかそもそも今回のだって許されない見通し違いだけど次回は直近に例があるのだから間違えたら縛り首もんだろという話ね)という事ですね。


なお後の方で追加のツッコミが。

『(問) 先ほどの消費増税についての件ですが、講演録の6ページで、昨年 4月の消費増税の影響が予想よりも大きく長引いた理由として、「低調な雇用環境が長く続いたことによる低所得者層の拡大や、高齢化の進展による年金 生活者層の増加も一因ではないか」とおっしゃっています。展望レポートによると、2016年度前半頃に2%に達して、その後は2%前後で安定してくるという見通しを立てていらっしゃるわけですが、そうなると、2017年4月の次の 消費増税の時には、ほぼ物価は2%だということだと思います。これは、また、1年前に起こったことの二の舞になるのではないでしょうか。』

ニヤニヤ。

『高齢化ということは2年間で変わらないと思いますし、低所得者層の拡大というのも1年、 2年で変わるとは思えません。そうなると、また2017年4月の消費増税の時には、元々、物価が2%、そして、前回ほどではないにしろ、インパクトが2%近い消費増税による値上げ、物価の上昇というのがダブルで効いてくるわけです。それは、もともと予想を見誤ったことと─―日銀は前回の消費増税の影響をある種軽視してしまったと思うのですが─―、また同じ二の舞になるんじゃないかというおそれを非常に多くの人が持っているのではないかと思うのですけれども、そこはどのようにお考えでしょうか。』

順当な質問であるが言い訳がクソ長い。

『(答) 2014年の消費増税が、大方の予想といいますか、あるいは日銀も含めて予想より大きかった、かつ長引きましたが、低調な雇用環境が続いて、低所得者が増加し、高齢化が進展していたことを十分に織り込めていなかったのではないかということです。おっしゃる通り、今後も年金生活者は増えるわけですが、そういうことを踏まえて、こういう展望レポートを出しているわけです。』

はあそうですか。

『それを踏まえて出していると申し上げたのは、2014年というのはどういう時期だったかということをもう少し反省してみると、経済全体がデフレからようやく脱却し始めたという段階だったと思います。したがって、経済がどれほど 強かったかという問題があったと思います。強かったかどうかというのは、 低所得者の拡大とか高齢化ということがありますが、全体として、企業のマインドとか、消費者のマインドというのも、本当に、安心してデフレは脱却して道筋がみえてきたということを、確信とは言わないけれども、かなり確信に近いほど持っていて、将来の展望ができるというところまでやはり行っていなかったのではないかと思います。』

気合と信心が足りなかったと。

『まだ1年しか「量的・質的金融緩和」をやっていなかったわけです。』

おい最初の頃「少なくても2年」とか言ってなかったかお前。

『今後は、この効果が十分に発揮するように、今の金融政策で運営することによって、人々のマインドは、将来に対する希望といいますか、確信がもっと強まっていくと思います。物価も上がるだろうけれども、自分の賃金も上がっていく、そして企業モデルも非常にイノベーティブになってくるというような環境を、2014年の時とは違って、前向きな力強いものにしていこうと、あるいはいけるという考え方から、展望レポートというのはでき上がっています。』

つまりエビデンスに則った根拠ではないと。

『2014年度と2017年度は、経済環境というのが少し変わって、もっとポジティブにみんなが行動できるように、そういうようにしたいということと、しなければならないと思っているということです。ですから、ご指摘された下振れリスクについては、上下双方向のリスク要因をみていますので、必要があれば、適切な金融政策を運営するというスタンスには変わりないということです。』

ただの気合と願望だというのは把握しました。





・いやあ面白い答弁ですね(棒読み)

『(問) 日本銀行としては、「量的・質的金融緩和」が全体として上手くいっているという認識をお持ちだと思います。そこで、金融緩和の効果と副作用について、できましたら、北海道経済に引きつけて、コメントいただければと 思います。』

諸葛孔明の罠。

『(答) 北海道経済に関して一番はっきりと効果が表れているのは、インバウンドの需要が増えているということです。金融政策の効果としては、大きいというふうに感じております。』

それだけかよ。

『それ以外は、今日の懇談会で、例えば、飼料が 円安で高くなっているというようなデメリットがあるということをおっしゃっていましたが、そういう面もあるかもしれません。』

「そういう面もあるかもしれません」とかナメトンノカというか、燃料費の話(生活用と農業とか漁業用とか)は無いのかとかそっちも深刻な影響だろうよ。

『中長期的に考えると、日本の食糧生産というのは、輸入代替産業であって、非常に円高の時には輸出は全く考えられませんでした。ただ、ある程度円高が修正されると、コストは上がるけれども輸出産業への道も開けてくる、あるいは食糧の輸入というのが少し抑えられることによって、国内での販売を促進できるという面もあります。』

???????????

『中長期的にはそのように食糧生産も変わってくるとか、あるいは、農業の第6次産業化などによって、農業の全部が全部とは言いませんが、輸出産業になり得る機会もあるので、そういうようなプラスの面もあるということだと思います。(以下割愛)』

そもそも食糧自給が全然できていない(燃料も飼料も輸入だし)のに第6次産業化でプラスってそらまあ個別の主体レベルではそうかも知らんが国家全体で見たら円安進行で輸出代金が上がるから第6次産業化って敢えて極端に言えば飢餓輸出コースになるんですけどそれは。



・置物に答えが出来る話ではないがこれは鋭い論点

質問が鋭い論点。

『(問) 資産価格の関係で、民間資産の購入のことを少しお伺いします。先日、株式の時価総額がバブル期を超えるという話がありました。株式市場がバブルかどうかというような見方は色々あると思いますが、リスクプレミアムを圧縮するほどのアンダーバリューの状況はもう解消されているのではないかと思います。』

元々はリスクプレミアムを圧縮するという触れ込みで始まって、その後はMB拡大の一手段という言い方になっているのですが、こいつらの買入の意義とはという話にも繋がる論点。

『この前の金融システムレポートで不動産の過熱感について、警戒過熱感を示す指標が1つ出ていますが、こういう状況でETFとかJ−REITを買うことの政策的な必要性とか意義というのは、以前と変わらずまだ残っているということでしょうか。』

まあ置物の答えはうんこなのでどうでも良いので割愛。ちなみに置物先生にこのような論点での独自の知見があるとは全く思えない答えなのでインターネットのリソースの無駄遣いなので割愛しまして、ぜひ同じ質問を他の審議委員の皆様にも金懇でしていただきたい。


・これはクソワロタその1

『(問) 先日、QQE2年の検証のペーパーを出されました。そこにはマネタリーベースに関して直接的な言及はなかったわけですが、岩田副総裁はマネタリーベースそのものの増加が緩和効果を引き出しているとみられているのか、それとも強力なコミットメントを伴っているので、量的拡大というのが効果を持っているのかという点について、もう一回教えてください。』

順当な質問。

『(答) こういう記者会見の場では、なかなか、金融政策のメカニズムを説明出来ませんが、日銀のホームページを見ていただくと、私の講演の資料にメカニズムが書いてありますので、是非見ていただきたいと思います。』

あの風が吹けば桶屋が儲かるの話かよ。

『「量的・ 質的金融緩和」は、まず、言葉で言っているように、「量」と「質」と、もう一つはコミットメントという2本の柱になっています。1本の柱は、「量」だけではなく、「量」と「質」と言っているわけです。「量」だけと言わなかった理由は、マネタリーベースの量も大事ですが、量の増やし方─―どういう 資産を買うかということが質ですが─―、それが大事なのです。その「質」としては、例えば長期国債は平均残存期間が7年から10年ぐらいになるように買っていますが、どうしてそういうことをしているかといえば、日銀当座預金と代替性の低いものを買わないと、金融緩和効果というのは出ないという 考え方からやっているわけで、それが「質」です。量的・質的に国債を買っており、これは表裏一体になっているというふうに考えてください。だから、両方大事だということです。』

だったら短国買うなよというかこの置物は短国市場を叩き潰す勢いで買入してるの知らねえんじゃネーカ。

『それともう1本の柱であるコミットメントは、ちょっと違います。 つまり、そういう「量的・質的金融緩和」を、どういう目的で、どういうふうにして運営していくかということについては、2%の「物価安定の目標」が 安定的に実現するまでは基本的にそういうことをやっていく、基本的な枠組みは変えないということです。それがコミットメントです。』

コミットメントは2年じゃなかったのでしたっけ???????

『この二つが相俟って、金融政策の緩和効果というのが出てくるという考え方ですので、マネタリーベースに触れなかったのではなく、そういう 「量的・質的金融緩和」が、実質金利を下げるところからレポートは書かれているわけです。』

長期の実質金利を下げたいというのなら別にMBを目標にする必要ないじゃん。金利にもっと効かせる方法あるだろうよ。

『当然、「量的・質的金融緩和」は、「量」と「質」の両方と コミットメントがなければ、予想実質金利が下がらないという考え方があって、その上で予想実質金利がどれだけ下がったのかというところから出発して、 実体経済にどれだけ影響があったかというレポートになっているということです。』

「予想実質金利」とは???????????



・これもクソワロタその2

これの質疑は凄いというか酷いというのがある。

『(問) 瑣末なことかもしれないのですけれども、今回の講演の図表を見ると、これまでの岩田副総裁の講演資料にあった予想物価上昇率に関するグラフが全部なくなっていますが、何か理由はあるのでしょうか。』

確かに今回の資料異常に少ないなとは思っていましたがここまで頭が回らなかった・・・・・・・・


『(答) 講演と金融経済懇談会はちょっと違うと思っています。講演の方は、長時間でメカニズムを説明し、そのうえで実績はどうかというような説明をします。金融経済懇談会の方は、もう少し分かりやすくコンパクトにやるということで、色々な図表の中で、どれだけ使えばいいかということを考えています。比較的分かりやすく、短時間で分かっていただくには、あれくらいの図表が 適当だということでやっているので、何か意図的に図表を外したということではありません。』

ほうほう。

前回の金懇挨拶
http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2015/ko150204a.htm/
【挨拶】最近の金融経済情勢と金融政策運営
宮城県金融経済懇談会における挨拶
日本銀行副総裁 岩田 規久男
2015年2月4日

本文でも図表でも良いですが図表3は何でしょうか?????

前々回の金懇挨拶
http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2014/ko140910a.htm/
【挨拶】最近の金融経済情勢と金融政策運営
石川県金融経済懇談会における挨拶
日本銀行副総裁 岩田 規久男
2014年9月10日

本文でも図表でも良いですが図表13と図表14は何でしょうか??????????

・・・・・・ああそうですか、都合が悪くなってきたので2枚→1枚→0枚に変化したんですね(・∀・)ノ

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2015/05/28

○師匠の高座キター!!!!

http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2015/data/ko150527a1.pdf
最近の金融経済情勢と金融政策運営
── 札幌市金融経済懇談会における挨拶 ──
2015年5月27日

なお、折角の機会ですので本日は時々こちらから過去の説明も引用してみようと思います(^^)。
http://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2013/kk1303e.pdf
総裁・副総裁就任記者会見要旨
―― 2013年3月21日(木)
午後6時から約1時間45分


・経済の話はどうでもよいので金融政策の話から参ります

経済に関しては何せ期待インフレの計測方法すらご存じなかった置物大師匠様に独自の知見がある訳もないので展望レポート棒読みとなっておりましてそちらはどうでもよいので割愛致しまして、金融政策の能書きを鑑賞しましょう。『3.金融政策運営とわが国の物価情勢』の『(2)早期実現へのコミットメント』辺りから鑑賞。

『実は、日本銀行はそれ以前にも、金融政策の歴史におけるフロントランナーとして、ゼロ金利政策や量的緩和の導入など、「非伝統的」とも形容される様々な金融緩和措置を講じてきました。これらはいずれも非常にパワフルな政策ツールであり得たにもかかわらず、結果として、デフレからの脱却を果たすほどの力を発揮するには至りませんでした。』

ほうほうそれでそれで?

『この理由についての分析は百家争鳴の感がありますが、私としては、「金融政策によってデフレは克服できる」という政策当局としての信念と、その実現に向けたコミットメントが十分でなかった、言い換えると、金融政策のレジーム転換が不十分だったために、家計・企業・金融機関など民間経済主体のマインドの転換が進まなかったことが大きな要因だと考えています。』

どう見てもただの根性論です本当にありがとうございました。

『こうした反省を踏まえ、2013年4月に「量的・質的金融緩和」を導入した際には、従来とは次元の異なる大規模な緩和措置を打ち出すとともに、目標の実現時期について、「2年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に」ということを申し上げました。「できるだけ早期に」というスタンスだけでなく、我々がイメージしている「2年程度」という具体的な期間まで踏み込んで提示することで、物価安定目標の早期実現に向けたコミットメントを、これまでにない強い形で示したわけです。』

ところで達成していないのですけれども。

『後ほどご説明するように、日本銀行は現在、インフレ率が2%程度に達する時期が「2016年度前半頃」になると予想しており、これは従来の想定からは多?後ずれしています。しかし、物価の基調自体は、想定した政策効果の波及メカニズムが機能する形で着実に高まっており、現時点において、物価安定目標の早期実現に向けたコミットメントを変更する考えは全くありません。』

後ずれしている時点でコミットメント達成していないのですが、「このように見込み客の確度は上がったので来期に目標達成できますので今期の目標達成に向けたコミットメントを変更する考えは全くありません(キリッ)」って言った日には普通は営業会議で物凄い勢いで詰められて泡を吹くレベルなんですけどこれで済むのは何ででちゅかねえ。


・まあ今回の一番の笑い所はこの小見出し

でまあ上記の様な状態なのですが、それを受けて次の小見出しがもう出落ちにも程がある。

『(3)インフレ率が2%に達していない理由』
『(3)インフレ率が2%に達していない理由』
『(3)インフレ率が2%に達していない理由』

・・・・・( ゚д゚)
・・・・・(つд⊂)ゴシゴシ
・・・・・(;゚д゚)

さて、ここで2013年3月21日の就任記者会見を確認しましょう。

『私は、2%のインフレを達成するため、あるいはデフレを脱却するためには、2 つの条件が必要だと思っています。1 つは、2%のインフレ目標を大体いつ頃までに責任をもって達成するのかということに日本銀行がコミットするということです。これにコミットすることが、非常に大事なことです。』(2013年3月21日の就任記者会見より、以下暫くこの続きです)

なるほど昨日もこの説明をしていますね!!!

『大体いつ頃までに達成するかということについては、主要国の中央銀行は、大体、「中期的」とか「ミディアムターム」という言葉で表現しています。その「ミディアムターム」というのが実際何年くらいなのか、色々な研究者が調べたところ、大体2 年くらいということになっています。平均すると2 年くらいでインフレターゲットの中に入っているので、そういう経験から言っているわけです。』

ぷぷぷ。

『2 つ目は、そういう意味で、2 年くらいで責任をもって達成するとコミットしているわけですが、達成できなかった時に、「自分達のせいではない。他の要因によるものだ」と、あまり言い訳をしないということです。

ゲラゲラゲラ。

『そういう立場に立っていないと、市場が、その金融政策を信用しないということになってしまいます。』

(;∀;)イイハナシダナー

『市場が金融政策を信用しない状況で、いくら金利を下げたり、量的緩和をしても、あまり効き目がないというのが私の立場です。』(ここまで2013年3月21日の就任記者会見より)

・・・・・・・・なんなんですかねえ、これだけ大口叩いていたのにいきなり言い訳以外の何物でもない説明が小見出しと共に登場するとか、こういう事言ってて恥ずかしくないのかと思うのですが、学者先生ってのはやはりこう普通に仕事とかしたことが無いから社会的に何か欠落してるんですかねえと思ってしまいますので、まあこの置物にホイホイ喋らせると経済学者一般のレピュテーションに関わるような気がするんですが。



・物価が上昇しない理由に消費税を出すのはおかしいだろお前

とまあ小見出しだけでいきなりコーナーが出来てしまいましたがその内容。

『生鮮食品を除いた消費者物価の前年比(いわゆるコアインフレ率)の推移をみると、「量的・質的金融緩和」の導入直前に▲0.5%のボトムをつけた後、消費税率引き上げの直接的な影響を除くベースで、昨年4月の+1.5%までは順調な上昇傾向を辿りました。つまり、コアインフレ率を1年余りで2.0%ポイントも押し上げたわけで、この時期は「量的・質的金融緩和」の効果が物価面ではっきりと確認できました。』

円安コストプッシュと消費税前の駆け込み(以外にもXPパソコンサポート切れ要因とかエコ関連減税切れ要因とかあったと思うが)需要による価格設定の強気化という要因については触れないと。

『もっとも、2%の物価安定目標は、現時点ではまだ達成できていません。コアインフレ率は昨年4月をピークとして徐々に低下傾向を辿り、足許では0%程度となっています(図表7)。このようにインフレ率が低下した背景には、主に二つの大きな要因があると考えています。』

さあ言い訳が来ましたよ!!!!

・・・・・・ではあるのですが最初の小見出しでまた腰が砕けるのだ。

『@消費税率の引き上げ』
『@消費税率の引き上げ』
『@消費税率の引き上げ』

・・・・・( ゚д゚)

えーっとすいません、それは織り込んで異次元緩和を決めた筈なんですけどと思いつつ内容を読む。

『一つ目の要因は、昨年4月に実施された消費税率引き上げによる、需要の下押しです。』

いきなり語るに落ちているのですが、消費増税で需要が下押ししているならその前の駆け込みがある訳で、駆け込みの分でかさ上げされた需要が一時的に物価を押し上げた部分について計算しないでそっちの方だけ「この時期は「量的・質的金融緩和」の効果が物価面ではっきりと確認できました。」(キリッ)とかお前それでも学者かというか、そんなの学者じゃなくても考えるだろこいつは馬鹿か。

『税率引き上げ前の駆け込み需要の反動が生じること自体は想定されていましたが、1997年4月に消費税率が3%から5%へと引き上げられた時と比べて、その影響の度合いはさほど大きくならないとみられていました。しかし実際に生じた影響は、大方の予想よりも大きく、かつ長引きました。』

ということは駆け込みも大きかったのですからQQEの効果を割り引いて考えないといけないのではないでしょうかどういう検証になっているのでしょう日銀スタッフの皆様はカカシか何かでいらっしゃるのでございましょうか。

『この要因は一概に言えませんが、低調な雇用環境が長く続いたことによる低所得者層の拡大や、高齢化の進展による年金生活者の増加も一因ではないかとみています。』

えーっとすいませんそんなのずーっと前から分かりきっている事なのですし、大体からして外部環境が1997年と全然違うのに単純分析だけしかしないで政策運営していたんですかアホですかと。

『もっとも、先ほどもお話ししたとおり、雇用・所得環境や企業収益の着実な改善が続く中、家計部門・企業部門ともに、所得から支出への前向きな循環メカニズムはしっかりと作用し続けており、消費税率の引き上げがもたらした需要の下押し圧力は収束しつつあります。』

とか言ってますが、そもそも論として消費増税だってコストプッシュ要因による価格上昇だって消費者が支出の際に負担増になるという点では結果として同じ話な訳で、だったら物価が再上昇した際に再び需要が減速しないという確証はどこにあるのか小一時間問い詰めたい。

まあだいたいからして物価に関しては中央銀行の政策で責任もってやるし2年で達成するという話をしていたのに消費税のせいで達成できないとか単に置物理論の破綻を消費税のせいにして責任なすりつけているだけの話であって、もともと消費増税を見込んで緩和の規模を決めていたのだから見込み違いを認めて追加緩和して、それでもだめならそもそもの置物理論の破綻を認めて執行部総退陣だろと思いますがねえ。

消費税のせいにする説明とか見苦しいにも程があるし説明になってないわヴォケという所で。


・はいはい原油のせい原油のせい

『A原油価格の下落』というのが次の小見出しでまあ内容はお察しだがせっかくなので引用。

『足許のインフレ率が低下した二つ目の要因は、昨年の夏場以降に起こった原油価格の急速で大幅な下落です。』

ああそうですか。

『原油価格下落の影響については、どのくらいの期間を前提とするかによって見方が変わってくることに注意が必要です。すなわち、原油安によって様々な経済活動のコストが下がることは、実体経済に幅広くプラスの影響を与えますので、「長期的」にみれば、総需要の増加によって物価を押し上げる方向に作用します。しかし、そうした総需要の拡大効果が物価面に現れるまでの間、すなわち「短期的」にみれば、エネルギー価格下落の直接的な影響の方が強くなりますので、物価は一時的に押し下げられることになります。』

『今後の市況に左右される面はありますが、原油価格が現状程度の水準から先行き緩やかに上昇していくとの前提にたてば、今年度の後半以降、原油価格下落の「短期的」な影響は徐々に剥落していくとみています。』

この辺の屁理屈は聞き飽きた、というかこれだけかよ。

で、この後は『(4)物価の基調的な動き』という小見出しがあるのですが、これは毎度おなじみ展望レポートで示されている盛大な屁理屈なのでどうでもよくて、しかしまあ2年で2%行かなかった場合の説明責任をこれで取ってるつもりなのかよというか、今にして思えばいわゆる岩田-翁論争の時にこの置物を叩き潰さないで妙な裁定をして有耶無耶にしやがった植田和男先生の責任も重いわとか思う訳で是非ご見解を賜りたいものであります。


では講演テキストの引用の最後に就任記者会見からのお言葉でも入れておきましょう。

『先程申し上げた「中期的」とは、大体2 年ぐらいであり、2%は2 年ぐらいで達成しなければいけないということです。2 年経って、2%がまだ達成できない、2%近くになってもまだ達成できていない場合には、まず果たすべきは説明責任だと思います。ただ、その説明責任を自分で果たせないということ、単なる自分のミスジャッジだったということであれば、最高の責任の取り方は、やはり辞任だと思っています。まずは説明責任を果たせるかどうかが基本だと思います。』(2013年3月21日の就任記者会見より)



○なお置物金懇挨拶ではアドリブ発言が凄まじいのだがベンダーヘッドラインも相当意地悪(^^)

置物金懇ではスピーチの所にメディアも入っていたようで、このテキストに無いアドリブ発言がヘッドラインで報道されていて、そのヘッドラインが出た瞬間に椅子からずり落ちる人やら木彫りの熊になってしまわれた方など続出したのではないかと思われます。


・インフレ期待上昇はバブルで上げるんですねわかります

ということでまずはブルームバーグニュースから。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NOZMPH6K50XZ01.html
岩田日銀副総裁:株は「皆が上がると思えば上がる」
2015/05/27 16:22 JST

『(ブルームバーグ):日本銀行の岩田規久男副総裁は27日、札幌市内で講演し、皆が上がると思えば株は上がる、と述べた。』(上記URL先より、以下暫く同様)

『それに続いて講演録にはないアドリブで、「人間は不思議なもので、皆がデフレを予想すると結果的にデフレになる。予想が実現してしまうことを自己実現型の持続という。デフレとインフレにはそういう要素がある」と指摘。「一番分かりやすい例は、皆が明日、株が上がる、明後日、株が上がると予想して行動すると、今、株を買うので、明日でなく、今、株が上がる。それも自己実現型だ」と述べた。』

・・・・・(;゚д゚)

『その上で「要するに、皆が同じことを予想して同じ行動をすると、結果は予想した通りになる。そのことに注目しているのが今回の金融政策のレジーム転換のポイントだ」と語った。』(ここまで上記URL先より)

という事はつまり単に実体のないものに対してバブル的にインフレ期待を上げようという話のようですが、バブルは実態が伴わないと一昨年から昨年のコストプッシュに間接税増税での物価上昇が持続しなかったように持続性というのは無いんですけどアホですか????

というかですね、そんな単純な話なのでしたらそもそも論としてお前ら置物一派が日銀の政策についてデフレ政策だ何だと散々っぱら鉦や太鼓で宣伝しまくっていた行為そのものがデフレマインドを広める国賊的な行動であったという事になるんですけど大丈夫ですかおじいちゃん???

人がやっているときには散々批判してデフレマインドを広げておいて自分たちが実践すると結局翼賛して信じろとかアホか馬鹿かという話ですなマッタクモウ。


しかしまあ何ですな、メディアのヘッドラインの打ち方に悪意が感じられて実にワロタという所で、このブルームバーグのヘッドラインも一番笑える部分をヘッドラインにしているのですが、ロイターも相当意地悪なヘッドラインに作り上げていまして全く皆さんひどいですねえ(棒読み)という所で。


・久々の置物直線理論が今度はもっと凄い形で出てくるとはこれまたワロタ

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0OC05P20150527
消費増税前の物価上昇続けば昨年7月に2%目標達成=岩田日銀副総裁
2015年 05月 27日 12:16 JST

ヘッドライン見た瞬間に吹いたコーヒー返せと。

『[札幌 27日 ロイター] - 日銀の岩田規久男副総裁は27日札幌市内で講演し、一昨年4月にスタートした量的・質的緩和(QQE)1年目のペースで物価が上昇を続ければ、昨年7月にも2%の物価目標を達成できたと指摘。』(上記URL先より)

やべえこれはやべえ・・・・・・・・・

というか久々に置物直線理論炸裂という所でございまして、そら確かにその線引っ張れば達成できるのでしょうけれども、先ほど来申し上げておりますように、消費増税前の駆け込み需要が永遠に続いて為替の急激な円安が永遠に続くとかいう面白い事態が発生するという前提を元にした直線理論に何の意味があるのかと小一時間問い詰めるまでもないのですが大丈夫でしょうか師匠。

大体からして物価目標って一時的な需要とコストプッシュで2%達成しても意味が無くて、持続的に2%というか、景気が1サイクル循環的に回る中で平均的に2%近辺で安定推移するって概念じゃなかったでしたっけと小一時間ですからね。



・個別物価と一般物価は関係なかったのではないかと

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0OC0I520150527
電気代値下げによる予想インフレ率への影響注視=岩田日銀副総裁
2015年 05月 27日 16:24 JST

『[札幌 27日 ロイター] - 日銀の岩田規久男副総裁は27日午後札幌市内で講演し、日銀が金融政策運営で重視している予想インフレ率は、足元の物価に影響されやすいとの見解を示した。電気料金値下げで予想インフレ率が下がることはないが、「絶対ないとは言えない」として注視する姿勢を強調した。』(上記URLより)

・・・・・・・・・・・そのうち「昨年はイワシやサンマが豊漁だったためにインフレ期待の上昇が遅れているが、基調に変化はなく、2%達成が一時的に遅れているに過ぎないので達成時期は後ずれします」とか言い出すんじゃないかこのスットコドッコイ共はという感じがするのでありましたとさ。

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2015/05/27

○今日は札幌で師匠の高座があるようですので参議院で実施された蒟蒻問答をお送りいたします

http://www.boj.or.jp/announcements/press/index.htm/
講演・記者会見
日本銀行の役職員による講演要旨や記者会見要旨などを掲載しています

『今後の講演・挨拶等の予定 
2015年 5月27日 岩田副総裁 札幌市金融経済懇談会における挨拶』

(;∀;)イイハナシダナー

ということですので先日参議院で面白い演目が披露されていたと聞き早速会議録にあたってみることにしました。

物件はこちら↓
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/189/0060/18904230060008a.html
第189回国会 財政金融委員会 第8号
平成二十七年四月二十三日(木曜日)

上記リンクだと直リンで見れると思いますが、見れない場合は国会会議録検索システム(http://kokkai.ndl.go.jp/)から上記会議を検索するか、発言者「岩田規久男」で探すとヨロシアル。

2番目の質問者の前川清成委員(民主党)と師匠の問答がかなりの抱腹絶倒モノなのですが、これがまた引用しているととんでもない量になってしまうので詳しくは上記URLから鑑賞して頂きたいと存じますものの、まずはまあこの辺から。

『○前川清成君 おはようございます。

 今日はいつもと違いまして報道用のマイクも出ております。岩田副総裁におかれましては、教壇にも立っておられましたので分かりやすく説明することはお得意だろうと思いますので、是非、報道を接して副総裁の発言を見聞きされる国民の皆様方にも分かりやすいように、端的に御答弁をいただければ幸いでございます。

 今日は、まずはいわゆる量的緩和についてお尋ねしたいんですが、不景気になりますとお金がない、だから、企業は設備投資をしない、個人も住宅を建てない、その結果需要が生じないと。そこで、かつては公定歩合、日銀の各金融機関に対する貸出金利を下げた。公定歩合が下がったら、各銀行は言わば仕入れ値が下がるわけですから安く金を貸すことができると。金利が安いんだから、そうしたら借金してでも工場を建ててみようか、住宅を建ててみようかと。これらの需要が言わば呼び水となって景気が回復すると、これがいわゆる教科書に書いてあったような金融政策であります。』

うむ。

『 ところが、今、日銀がやろうとしているのは、いわゆるマネタリーベース、世の中に供給するお金の量を増やそうと、二年間で二倍に増やそうと、そうしたら二年間で物価が二%上昇すると、これがアベノミクスの一本目か二本目か知りませんが三本の矢の一つであって、クロダノミクスと言う人もあります。

 そこで、まず岩田副総裁、お尋ねしたいのは、何のためにこの金融緩和を行うのかと。インフレを起こして庶民の暮らしを厳しくする、これは目的ではないだろうと思います。今お金が眠っている、だからインフレを起こすことでそのお金に目を覚ましてもらうと。デフレからインフレに誘導することで企業や個人がお金を使うようにする、お金が回り出すことによって企業や個人が景気が良くなっていくと。こういう理屈だろうと思うんですが、そうだとすると、世の中に供給するお金の量を増やしたらどうして企業や個人はお金を使うようになるのか。この点を、期待に働きかけるとかいうことはおっしゃらずに、分かりやすく御説明をいただきたいと思います。』

(・∀・)ニヤニヤ

『○参考人(岩田規久男君) 日本銀行は、十五年にわたるデフレから脱却するために、二〇一三年四月に御案内のとおり量的・質的緩和を導入したわけでありますが、この量的・質的金融緩和というのは大きく分けて二本の柱から成っておるということであります。

 一つは、二%という物価目標というのを、安定ということに、その実現に強くコミットメントする、コミットするということであります。

 そして、もう一つの柱は、そのコミットメントを裏打ちするようなですね……(発言する者あり)大規模な金融緩和によって、今、予想物価上昇率を引き上げるということをして、実際に予想物価上昇率はこの金融緩和、量的緩和以後、緩やかにですが、振れを伴いますけれども、上昇傾向を示しているわけであります。

 そして同時に、名目金利というのは、長期名目金利、短期金利だけでなく長期金利も下げるということによって、名目金利から予想物価上昇率を引いた実質金利ですね、これを引き下げるということであります。この実質金利を下げるということによって実物の民間需要が刺激されて経済の需給ギャップが縮小し、物価上昇に圧力が掛かるというメカニズムになります。

 ただ、その際に、同時に、実質金利が下がるということは、どうしてそういうことが起こるのかと申しますと、デフレの予想が……』

ここでなんで3点リーダー2つ攻撃になっているかと言いますと・・・・・・・・・・・

『○委員長(古川俊治君) 答弁は端的に、質問者の趣旨に正面から答えるようにしてください。』

ちょwwwwwこれわwwwwwwwwwww

なお念のため申し添えますが、古川俊治委員長というのは自民党の方でございまして、自民党の財金委員長から言われる師匠クソワロタとしか申し上げようがありません。

『○参考人(岩田規久男君) はい。

 そういうメカニズムがあるということですが、ただ、その所期の効果がきちっとやはり発揮しておりまして、消費税率引上げ前は、直接の影響を除くベースで、二〇一四年四月には一・五%まで実際に物価は上昇したわけであります。これは、量的緩和の前よりも二%ポイント上昇したということを意味します。

 しかしながら、その後、消費税率引上げ後の反動減が長引いて、需要面の弱さが見られたことや、昨年夏場以降の原油価格が大幅に下落したということで、実際は二%になっておりますが……』

ここでまた3点リーダーが出るのですが・・・・・・・・・

『○前川清成君 あのね、副総裁、僕はその実質金利が云々かんぬんとか、そういうへ理屈は聞いていないんですよ。お金の供給量を増やしたらどうして企業や個人はお金を使うようになるんですかという質問、端的に答えてください。』

『○委員長(古川俊治君) 今の質問に端的にお答えください。』

委員長にまで言われておるわwwwww

『○参考人(岩田規久男君) やはりそれは実質金利が影響するということなんですね。つまり、デフレの中でデフレ予想をしている場合には、お金を現金や預金で持っているだけで価値が上がるということになります。実際にそういう状況の中では、企業というのは普通はお金を、内部留保などを設備投資に使うわけですが、実際はそれに使わないで現預金で持ってしまうというような、企業までもが持っているお金をため込むだけになってしまうと。それはやはりデフレ予想を変えてしなければできないということであります。』

『○前川清成君 今、岩田さんが答えているのは、金利が上がったら企業がお金を使うようになりますということを答えている。僕が聞いているのは違うんです。通貨の供給量、お金の供給量を増やしたらどうして使うようになるんですかと聞いているんです。』

上がったらというのは下がったらの間違いですね。まあいいけど。

『○参考人(岩田規久男君) 先ほどから申し上げましたとおり、物価安定の二%目標にまず強くコミットメントするということです、日本銀行が。このコミットメントが非常に大事だということです。そして、それを裏打ちするためにいわゆるマネタリーベースをどんどん増やしていく。その場合には、長期国債のような、そういう少し長めのものを買っていく、あるいはリスク性のあるものを買っていくということが大事であります。それによって予想がやっぱりデフレから実際インフレ予想に転換したわけですね。

 ですから、そういうことで、お金を持っているだけでは、現預金だけ持っているだけでは駄目だということで、企業が支出に使い出す、あるいは消費者も支出に使い出すと、それが実際に起こったことであります。』

『○前川清成君 僕が岩田さんの講義を取っていたら、必ず単位を落としますね。言っている意味が分からないもの。

 それで、岩田さん、何というのか、机上の空論じゃなくて、もっと分かりやすく具体的に答えてほしいんですが、例えば今極めて大事とおっしゃった、日銀が物価にコミットメントすると。中身はどういうことですか、具体的に。』

以下延々と続くのですが、まあ置物直線一気理論については答えないで判で押したように同じ話しかしないとか、この人本当に学者としての見識とか誠意とか全くないですねというか、そもそもこういう輩をのさばらせておく経済学会って何なんですかと思いますと、この置物師匠もさることながら経済学者全般にも猛省を促したいものでございますわマッタクモウという感じでいい感じで血圧は上昇しますが、まあそこまでトサカに来ないで読むとお笑い劇場にしか見えないので中々おすすめしますが、読んでいてトサカに来て血圧が上昇して健康に影響が発生しても自己責任でお願いいたします(−−;


この後「2年間」の話と「言い訳はしない」の話があってこれまたオモロイのですが一部だけ。

『○前川清成君 岩田さん、僕は今言い訳をしてくださいと言っているんじゃないんですよ。これはこの後また聞きますよ、あなたが言いたいんだったら。違って、二年前に、マネタリーベースを二倍にしたら物価が二%上がりますと、こうおっしゃったのはどういう根拠なんですかと聞いているわけです。

 もう一つ。じゃ、二倍にしたら二年後に二%とおっしゃった。二年後というのはどういう根拠だったのか。これを因果の流れで、僕、最初言ったでしょう、公定歩合を下げると銀行の仕入れが下がる、仕入れが下がるから安く貸し出すことができる、こういう因果の流れで説明してくださいよ。』

『○参考人(岩田規久男君) 因果に関しては先ほどから申し上げているとおりでありまして、一方でデフレマインドからインフレマインドに変えていくということと、長期名目金利を下げて実質金利を下げるということであります。それによって人々がお金を使い出すということであります。

 二年ということでありますが、ある程度、それは、一般に中央銀行のこれから二%の目標を、物価目標を挙げている国が、これはもう二十年ぐらいの経験があるわけですが、その中で、大体二年程度でその目標を反映しているという実績がある。そのためにはどのぐらいマネタリーベースを増やせばいいかということを一応モデル計算をしているということであります。

 しかし、そういう中で、実際想定しなかったような原油価格の下落とかいうことが起こる、そのために今その物価目標の二%が少し遅れているということであります。しかし、実際の原油価格の下落というのは、総裁先ほども申し上げたとおり、中長期的に見ると、経済を活性化して物価を押し上げる要因ですので、今のその下がっていることということはそれほど心配するということではないということであります。』

黒田総裁がこの前に質疑応答で答弁をしておりましたので総裁云々はそういう話です。

『○前川清成君 あなたは二年以内に達成できなかったら辞めるというふうにまでおっしゃったんだけど、その二年の根拠は大体二年なんですか。大体二年って何の大体二年なんですか。』

『○参考人(岩田規久男君) 二年といいますか、二年程度ということで、大体二年程度ということになります。』

クソワロタ。

『○前川清成君 いや、聞いているのは、あなたが先ほどの答弁で大体二年だとおっしゃったでしょう。それはどういう根拠で大体二年とおっしゃってるんですかと具体的に聞いているわけよ。』

『○参考人(岩田規久男君) それは、先ほど申しましたとおり、物価目標の安定を二%に挙げている国という実績が、大体二年程度ではそこに上げているということであります。ただ、実際の物価はその周りでどうしても振れますけれども、大体その二年で行っていると。そのためにはどのくらいのマネタリーベースを増やせばいいか、あるいはマネタリーベースを増やす手段はどれがいいか、あるいはコミットメントをどういうふうに強めたらいいか、そういったことがやはり影響してまいります。』

『○前川清成君 その今大体二年と言っておられるのは、どこかの国のことをおっしゃっているの。何をおっしゃっているの。』

『○参考人(岩田規久男君) その二%の物価をうたう、二%だけじゃないんですけど、三%の国もあります、目標は。ありますけれども、多くの国は大体二%の周りに目標を設定している。それが、ニュージーランドが始めたのが一九九〇年ぐらいでありますが、それ以来いろんな国が二%ぐらいで大体やっていて、その実績は大体二年程度で、中期的といっていますが、実績はそこ、大体それを達成しているということであります。』

『○前川清成君 大体二年と言い出したのはあなたで、それに対して大体二年というのはどういう根拠ですかと言えば大体二年ですと言えば、こんなの永遠に終わらないですね。これトートロジーというんですけれども。

 それで、原油が下がったことをぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ言い訳しておられますけれども、じゃ、日銀の金融緩和というのは、原油価格は下がらない、言わば原油神話というのを前提にしていたんですか。そうであれば、そのことを二年前に説明しておられたんですか。』

でまあ原油が下がった件についての話が続くのですが割愛してこの質疑の最後の方に参ります。

『○前川清成君 二十五年三月二十二日の記者会見において、達成できなかったときに、自分たちのせいではない、ほかの要因によるものだと言い訳はしない、そういう立場に立たないと市場が金融政策を信用しない、市場が金融政策を信用しないと幾ら金利を下げたり量的緩和をしても効き目がないというのが私の立場ですと、こういうふうに岩田副総裁はおっしゃいましたが、この委員会で、聞かれる前から原油が下がったとか、あれがこうだこうだと言い訳をしておられたのはどなたでしょうか。』

『○参考人(岩田規久男君) それは申し上げましたが、それは今申し上げましたように言い訳ではなくて、言い訳というのは、誰もそれが実際の真の理由にならないようなことを言う場合でありまして、しかし原油価格というのは、足下で下がっているのはどこの国でも、二%の物価目標を達成しようとしている国、どこの国でも起こっている現象でありますので、私は、それは説明できているという意味で言い訳とは違うというふうに思っています。』

ナンジャコリャ。

『○前川清成君 ちょっと今、言い訳の定義について何かよく分からなかったんですが、要するに、私先ほども聞きましたよ。原油にしたってサンマにしたってお米にしたって何にしたって、物価というのは上がったり下がったりしますよね。それを一切想定していないというのは、賢明な岩田副総裁やあるいは賢い方ばっかり集まっておられる日銀の方が、物価の上下を勘案していないというのはあり得ないですよね。それにもかかわらず、原油が下がったのは言い訳じゃないんだと。言い訳じゃなくてそれは何と言うんですか。』

しかしまあ何ですな、こう考えるとそもそも論として「期限を明示する」というのが本質的に無理がある上に、昨年10月に追加緩和を行ったのが明らかに説明をわけわからなくしているなあという所で。

『○参考人(岩田規久男君) 先ほども申し上げましたように、原油が上がったり下がったりというのはある程度想定して備えているということであります。下振れリスクがあったり上振れリスクがあるということはそれで対応するということでありますが、ただ、原油価格が半年もしないうちに五割六割下がるというようなことは、事前にやはり想定して金融政策を組むことはなかなか難しいということであります。

 余りそれで、本当にそれを予想してしまうと、金融政策がずっと変わってしまうということであります。』

そらそうなんだがタイムコミットメントをしているんだったらはやり追加緩和をしないとおかしいんじゃないですかねえという話になるわなそら。

『○前川清成君 原油価格は、例えば過去二回のオイルショックもありました。逆にですけれども、大幅に変動していることもあります。だから、それは想定している範囲を超えたんだと言われたら、それはその程度の理屈なの、金融緩和って。今の岩田さんのぐちゅぐちゅした言い訳を聞くと、結局、量的緩和によって物価が上がるんじゃなくて、原油が上がることによって、原油が上がることによって物価が上がりますと。原油が上がったら人々が、ああ、お金を使わないと駄目だなと思い出してお金が動くようになると。これ、金融緩和じゃなくて、じゃ、日銀はもう仕事をやめなさって、どうですか、神様にお願いするのと、あるいは原油価格の上昇をただただ期待するということしか中身はないのかなと、こういうふうに思います。』

ワロタ。

『  ただ、いずれにしても、もう私の時間も僅かですので、岩田副総裁、あなたが心配されたように、我々は投げ出したというふうには思いません。ここであなたが言い訳を繰り返せば繰り返すほど、市場は日本銀行を、そして岩田さん、あなたを信用しない。信用しなかったら、市場が信用しなかったら幾ら金融政策を、金融緩和をしても、更なる第三弾の金融緩和をしても効き目がない。それならば、いつまでも副総裁というポストにしがみつくんじゃなくて、名こそ惜しけれという言葉もあります、あなたが人生を懸けて研究してきた金融政策のためにも、ここは潔く辞職するべきだと。辞職するべきだというのは私が言い出したわけではありません。恨まれたくないので申し上げておきます。あなたが衆参それぞれの議院運営委員会で自ら言い出したことなんです。

 そうであれば、あなたは、この責任を取るというのが、学者の世界ではなくて、日銀という組織の責任者としては当然に取るべき対応ではないかと、私はそう思いますが、いかがでしょうか。』

まあ以下の答弁はお察しですので割愛しますが、そもそも人生を懸けて研究してきた置物マネタリーベース直線一気理論を師匠ご自身が弊履のように捨てていらっしゃるとしかどう見ても思えない件については本日の札幌金懇でご説明または質疑応答における鬼ツッコミがあるのではないかと存じますので正座して待ちたいと思います。

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2015/03/26

○師匠インタビューが笑ってしまうしか無い件について

こういう重要なインタビューが会員じゃないと全部読めないというのも如何なものかと思いますが・・・・・・・・

http://www.asahi.com/articles/ASH3S40WRH3SULFA00C.html
「景気回復、これから実感」 日銀副総裁、緩和策に自信
2015年3月25日03時09分

http://www.asahi.com/articles/ASH3R7K8XH3RULFA036.html
「デフレ脱却の道見えてきた」 日銀副総裁、一問一答
2015年3月25日03時10分

記事も一問一答も最初の方しか読めない(会員だと全部読めるみたいだが会員のわけがないこのアタクシは読めませんが何か)ので出ている分だけというヒジョーに少ない部分でネタにするのも甚だ遺憾ではあるのですが、それだけでもツッコミどころが満載という辺りで実にこう味わいの深いものを感じるのであります。


まず最初の方のURL記事から。

http://www.asahi.com/articles/ASH3S40WRH3SULFA00C.html(再掲)
「景気回復、これから実感」 日銀副総裁、緩和策に自信
2015年3月25日03時09分

・いわゆる一つの蕎麦屋の出前キタコレ!

『物価上昇に賃金上昇が追いつかない状態は近く解消され、「これからは多くの人が景気回復と実質賃金の上昇を実感できる」との見通しを語った。』(上記URLより、強調部分は引用者による)

ということですが、ここで師匠の過去の講演を拝見してみましょう。

昨年の2月6日の宮崎金懇にて。
http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2014/ko140206a.htm/
http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2014/data/ko140206a.pdf

『もっとも、私の考えでは、金融政策が本格的な効果を発揮するのはいよいよこれからであり、所期の効果が十分に発揮されるためには、政策のねらいや私たちのコミットメントについて、国民の皆さまに十分理解して頂いているということがとても重要です。』(2014年2月6日金懇挨拶の冒頭部分から、強調部分は引用者による)

・・・・・・なるほど昨年2月の段階で「いよいよこれから」ですかそうですか。

一昨年10月18日の中央大学での講演にて。
http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2013/ko131018a.htm/
http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2013/data/ko131018a1.pdf

『これまで、日本経済は日本銀行が想定している経路に沿って順調に回復してきましたが、金融緩和政策の実体経済への影響の遅れを考慮すると、「量的・質的金融緩和」が実体経済に本格的な良い影響を及ぼし始めるのは、いよいよこれからです。』(2013年10月18日中央大学での講演のまとめ部分から、強調部分は引用者による)

ちなみに、直近行われた石川金懇挨拶ではこの「いよいよこれから」という文言が入っていないのが実にいい味をだしておりますが、さて師匠の「これから」とは所謂一つの蕎麦屋の出前もビックリという奴でしょうかねえ(ニヤニヤ)。

なお、どうでもよいですが、今引用した2013年10月18日の講演引用部分の直後には『海外要因など下振れリスクは存在しますが、「量的・質的金融緩和」を継続していくことにより、2年程度で15年近く続いたデフレから脱却し、賃金の上昇を伴った2%の物価安定目標を達成できると考えます。』とも仰せですな。


・蕎麦屋もさることながらまだデフレ脱却もできていないのですかタイムフレームどうなってるんでしょうか

更に先ほど再掲した方の記事の後ろを引用します。

『「デフレ脱却への道は見えてきた」とし、現在の目標自体も変えるつもりはないと強調した。』(上記『「景気回復、これから実感」 日銀副総裁、緩和策に自信』記事URL先より)

とのことで、確かリフレ理論によりますと適切な金融政策を実施すれば数か月以内のデフレ脱却が可能という話でしたし(http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MEJ7MB6JTSFI01.html)、そもそも師匠も以前1年半ほどでインフレ率2%は達成可能と仰せになっておられた筈でございますが、(やまもといちろう氏のブログ過去記事のこの辺をご参照あれ→http://kirik.tea-nifty.com/diary/2013/02/post-15ba.html)
2年で2%目標達成どころかデフレ脱却もできていないたあどういう事でしょうか。

いやですね、別に過去において大口叩いていた訳ではないのなら結構なのですが、簡単かつすぐに物価目標を達成できるかの如き宣伝を行い、それまでの日銀を無知無能であるかの如く徹底的に罵って前執行部を石持て追い出した訳ですから、その大口のケツというものはきちんと結果責任を取って頂かないと、「ハッタリでも大嘘でも吹いて既存の連中を追い出せば後はどうなっても大勝利」というのであれば、まあ大仰に言えば世の中暗黒じゃねえかとしか申し上げようが無いですし、国会でも大口叩いていた訳ですから、そこの落とし前をつけないというのは議会軽視でもあり、国民の代表たる議会を軽視するとは国民を愚弄するにも程があると思うのですけどねえ。


・しかも効果の説明がエライ勢いでイカサマな件について

一問一答の方もほんのちょっとだけなのにツッコミどころ満載というのがオソロシス。

http://www.asahi.com/articles/ASH3R7K8XH3RULFA036.html
「デフレ脱却の道見えてきた」 日銀副総裁、一問一答
2015年3月25日03時10分

『「特に消費増税前の2013年度をみると、大規模緩和の効果はかなり大きかった。個人消費や輸出、企業の設備投資などが増え、実質経済成長率を引き上げたからだ。消費者物価も、緩和を始める前の13年3月には、生鮮食品を除いた指数で前年比マイナス0・5%だった。それが14年3月にはプラス1・3%となり、1年間で1・8ポイントも改善した」』(上記URLより、以下同様)

・・・・・( ゚д゚)
・・・・・(つд⊂)ゴシゴシ
・・・・・(;゚д゚)

えーっとすいません、2013年度って消費増税前の駆け込み需要で思いっきり下駄をはいている筈なのですが、消費増税の駆け込み部分も金融緩和の効果というのは中々斬新な説明ですし、CPIの説明も都合の良い所を切り取ってくるとかどういう事やとしか申し上げようがない訳で、2014年3月はコア1.3%のコアコア0.7%かもしれませんが、直近はコア0.2%のコアコア0.1%なのでありまして、消費増税前の駆け込み需要やらその他制度要因による駆け込みのある中で強くなったピーク近辺を切り取ってきて全部金融緩和効果にしてしまうとは恣意的にも程があるのですが、そんな中で師匠は平然とこのような説明をしています。

『大規模緩和の成果をみるうえでは、消費増税と原油価格の影響を除いて考えるべきだと思う』(上記URLより)

とか何のギャグを言っているのかという所で、今までの説明はそれでもまだ置物直線一気理論とか、インフレ期待が上がって実質金利が下がるとなんでも上手く回ります理論を引っ張っていた分だけ愛嬌というのもがあったのですが、記事で会員外でも見れる部分だけを見た範囲だけで申し上げるのも何ですが、今回の説明はあまりと言えばあまりな開き直りと牽強付会で、ちょっと見苦しいって程度のレベルじゃねえぞというような所ではありますな、うんうん。

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2015/02/06

○師匠の会見がお笑い劇場というよりは最早恥ずかしいというレベルである件について

http://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2015/kk1502a.pdf

質疑応答自体はそこそこあるのですが、その中でもアタクシ的にアレとしか思えない3つの質疑応答をネタにしたらそれだけでものすごい量にwww


・2年の定義が盛大に変わっている件について過去のご高説と比較対照の巻

途中の辺りから参りますかね。

『(問) 副総裁はかねて「量的・質的金融緩和」の柱として、2年で2%達成への強いコミットメントと、それを具体的に行動で示す、と一貫して説明してこられたかと思います。その点、1月の展望レポートの中間評価では2015年度の物価の見通しの中央値が+1.0%になり、2年での達成は難しく、2%の達成には3年かかるようにみえます。』

そうですね。

『QQEは2年という具体的な期限を明示したことが政策の効果や信頼性を高めたと思うのですが、2年で2%のコミットメントが現状揺らいでいるということはないのでしょうか。原油安が理由ということであれば、2%のコミットメントが守れなかったとしても具体的な行動は必要ないというお考えなのでしょうか。』

これは助け船のようで泥船を出すという質問。

『(答) 「2年程度」の点については、今のところ中央値では「2015年度を中心とする期間」という2年程度の幅におさまっていると思っています。2年程度で、できるだけ早くということには変わりはありません。』

・・・・・・・ほうほうそうですか。ところで副総裁任命の同意を求める際の国会での説明はこうなっておられましたよ。

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/002018320130305012.htm
第183回国会 議院運営委員会 第12号(平成25年3月5日(火曜日))

幾つかございますけど先ずは質疑冒頭の御法川信英委員(自民党)の質問に対する答えを引用しましょう。

『○岩田参考人 達成の期間ですが、一般に、私はインフレ目標採用国の研究をずっとしているんですけれども、そこでは、ミディアムタームと英語では書いてあって、中期的と書いてあって、それで、それのいろいろ研究をした研究書などでは、実際には一年半から二年で大体その目標圏内にきちっとインフレ率が維持されているということであります。』(上記2013年3月5日での国会発言より以下暫く同様)

>一年半から二年で大体その目標圏内にきちっとインフレ率が維持されているということであります
>一年半から二年で大体その目標圏内にきちっとインフレ率が維持されているということであります
>一年半から二年で大体その目標圏内にきちっとインフレ率が維持されているということであります

で、その続き。

『ですから、私も、それが標準的なスタンダードだということで、ただ、日本の場合、非常にデフレが長くて、デフレマインドがもう定着しておりますので、これを金融政策である程度マイルドなインフレに転換することが必要ですので、今言った中期的のうちの二年は、遅くとも二年では達成できるのではないか、またしなければいけないというふうに思っています。』

>遅くとも二年では達成できるのではないか、またしなければいけないというふうに思っています
>遅くとも二年では達成できるのではないか、またしなければいけないというふうに思っています
>遅くとも二年では達成できるのではないか、またしなければいけないというふうに思っています

ついでにその次の質問者となる津村啓介委員(民主党)の質問に対する質疑応答を前も引用しましたけれども念のため。

『○津村委員 (冒頭割愛) 二%ということを先ほどおっしゃられていましたが、岩田さんは、全責任を負う、マンデートだ、それを市場が信頼するからこそインフレ期待が上がるんだ、それについては現行の日銀法では不十分ということをおっしゃいましたが、これから中央銀行のトップ、副総裁につかれるとなれば、運用で、自分はこうやるんだ、全責任を負うんだということを明確にされることで、ある意味では、岩田さんのおっしゃる今の法の不備といいますか、そこを補っていかれるということだと思います。そこで、お伺いしたいんです。一つは、二年とおっしゃるのは、この就任の三月から二年後、つまり再来年の春ということでよろしいかというのが一点。それから、もう一つは、全責任を負って市場の信頼をかち取るということですから、それが達成できなかった場合の責任の所在ということははっきりとさせていかなければいけないと思いますが、それは、職を賭すということですか。』

『○岩田参考人 それは当然、就任して最初からの二年でございますが、それを達成できないというのは、やはり責任が自分たちにあるというふうに思いますので、その責任のとり方、一番どれがいいのかはちょっとわかりませんけれども、やはり、最高の責任のとり方は、辞職するということだというふうに認識はしております。』

『○津村委員 二年間というのは、二年後の春、つまり、二〇一五年の春の消費者物価の上昇率二%ということを目標とされる、そして、最高の責任のとり方としては、職をかけるということでよろしいですね。』

『○岩田参考人 それで結構でございます。』(ここまで上記2013年3月5日での国会質疑より)

・・・・・・・とまあ著名(かどうか知らんが)な質疑も念のため引用しておきましたよ!!!!!


などと、さっそく過去のご発言との比較対照をしてしまいましたが(^^)、そもそもの会見質疑に戻りたいと思います。


・物価って金融政策で達成できるんじゃなかったでしたっけという件を過去のご高説(以下同文)

でまあさっきの続きですが、見事に諸葛孔明の罠に嵌っているのが師匠のチャーミングなところです。

『先程の金融経済懇談会の冒頭挨拶でも申し上げましたが、消費が、消費増税後少し弱かったということ、それが予想外に長引いたということが物価引き下げ要因として働いたわけですが、もうひとつ強く働いたのが原油価格で、これは半年でマイナス6割と、半値以下になってしまいました。これは、すぐに金融政策でどうこうするということではないと思っています。』(最初のURLにある一昨日の記者会見より)

>これは、すぐに金融政策でどうこうするということではないと思っています
>これは、すぐに金融政策でどうこうするということではないと思っています
>これは、すぐに金融政策でどうこうするということではないと思っています

なるほど。

・・・・・・・では先ほど引用した副総裁任命の承認を得るべく国会で行った質疑に関して、3番目に質問に立ちました阪口直人委員(日本維新の会)との質疑を途中から引用してみましょう。

『○岩田参考人 私が一番懸念しているのは、どうも日本銀行が、物価の安定あるいは一%とか二%とかそういうインフレ目標達成を金融政策だけではなかなかできないという立場に立っている。やはり、世界のインフレ目標国のように、物価の安定は責任を持って日銀がやるんだ、中央銀行がやるんだ、そういうような考えをもう少し持っていただきたいというふうに思っておりますので、それが組織上の問題でそうなっているのかどうかよくわかりませんが、私、そういうふうな考え方も、もう少し柔軟になってほしいなという気持ちは持っております。』

『○阪口委員 岩田候補の、とにかく、そのときの経済や政府の政策のせいにはせず、日銀の責任で二%を達成する、この覚悟、これは大変にすばらしいものだと思います。また、先ほど、それが二年という期間内に達成されなかった場合には責任を負うんだと。このことも、ある意味、きょうは、市場を動かす上での大きな御発言であったかと思います。(以下割愛)』(以上上記2013年3月5日での国会質疑より)

ええまあこれも暫く前にネタにした、というかこの日の為にサルベージしてすぐに自分の駄文の過去ログから拾えるようにしていたんですけどね!!!!!

なお、会見質疑では以下「そのときの経済や政府の政策のせいにする」言い訳が続きますが鑑賞用に引用しておきますね。

『ある程度の時間は物価下押し圧力がかかり、その結果、ある程度、物価上昇を少し遅くするということは確かだと思います。もっとも、物価の上昇を抑制する一番大きな要因である原油価格の下落の影響も徐々に剥落していきます。また、これは経済活動に良い影響を与え、長い目でみれば物価押し上げ要因となるため、2015年の最初の頃は物価下押し圧力は強いかもしれませんが、次第に2015年度を中心として平均的には2%に向けて回復してくる、軌道に乗ってくると考えています。』(最初のURLにある一昨日の記者会見より)



・マネタリーベース直線一気置物理論は政策実務上全くの役立たずだという事のようですという話

ちなみにこれは質問後半部分への答えで実はベンダーの名前とかが出ていまして(日銀サイトにアップされている要旨では固有名詞が割愛されている)、ベンダー記事ではそこの名前とかもあったので、質問したのはブルームバーグの某H記者だと思われます(^^)。砲撃の前半とその答えを鑑賞しましょう。

『(問) 副総裁は就任前の2013年3月4日の講演で、「日銀当座預金が10%増えると予想インフレ率が0.44%上昇する」ということをおっしゃったという報道がありますが、これが事実かどうかをお伺いします。また、実際に日銀当座預金残高の推移をみますと、講演をされた2年前の水準が44兆円で、足許の水準が185兆円、これは10%どころか4倍以上に達しています。それにもかかわらず、予想インフレ率を表す一つの指標であるBEIは足許で1%を切っている水準です。これは、もともとのご発言自体が誤っていたのかどうか、それとも今でも同じようにお考えなのでしょうか。(後半割愛)』

(・∀・)ニヤニヤ

師匠のお答えである。

『(答) 最初のご質問について、何月何日に何を申し上げたか、何%であったのか、具体的な日時、数字までは記憶になく、調べてみないと分かりません。』

えーっとすいません。日時の方はどうでもよいのですが、マネタリーベース直線一気理論の一次関数の傾きの係数忘れたら困りませんか・・・・・・・と突っ込もうとするとそのあとに驚愕の言い訳が待っています。

『はっきりお答えはできませんが、日銀当座預金あるいはマネタリーベースと、BEIで測った予想インフレ率とはある程度強い相関関係があります。私が研究していた際には、過去のデータで、日本銀行の最初の量的緩和時代と、その後のリーマンショック以降の期間におけるBEIとベースマネー、当座預金の関係を前提にお話したことは事実です。』

ほうほうそれでそれで??

『ただし、その場合でも、最初の量的緩和の時代とリーマンショック以降では、日銀当座預金あるいはマネタリーベースと、BEIの関係は少し異なっています。経済環境によって、日銀当座預金あるいはマネタリーベースとBEIの関係は変わるもので、当時はそれを前提として、これぐらいの変化があれば、これぐらいになるだろうという発言をしたと思います。(以下割愛)』

・・・・・( ゚д゚)
・・・・・(つд⊂)ゴシゴシ
・・・・・(;゚д゚)

あのーすいません、「経済環境によって、日銀当座預金あるいはマネタリーベースとBEIの関係は変わるもので」ってので済むのでしたら2013年4月にQQEを導入した時にはどういう計算であのMB目標を出したのか、昨年10月に追加緩和を実施した時にはどういう計算でMB拡大ペースを増やしたのでしょうかとお伺いしたい訳で、「必要額が事後的にしか分からない」ような理論って実際にフォワードルッキングで政策を実施するのに何の役にも立たない所か有害にしかならない理論じゃないでしょうかね???????

まあ1兆歩譲ってその置物理論を政策として活用するとしまして、「その時の状況で関係が変わってしまう」直線置物理論でしたら、そもそも論として「2%のインフレ期待を達成するために必要となるマネタリーベースなり日銀当座預金の量は事前には分からない」という事になると思うのですけれども、なぜ事前に分からない筈の置物理論を使ってQQE導入時に黒田総裁が高らかに宣言していた「2%達成の為に必要な措置は全て投入した(キリッ)」とは一体全体なんだったのかと小一時間問い詰めたいのでありますが、あれは全て嘘八百であったという事なのでしょうか???

んでもって更に1京歩譲って腰だめの数字なら腰だめの数字でもよいのですが、「必要な額が事後的にしかわからない」のであれば、金融政策が物価に対して波及するまでのタイムラグというのを考慮に入れれば、必要以上に額を出して望ましくないインフレーションを起こして国民厚生を悪化させることを避けるためには、「必要な措置は全て投入」ではなく、「政策の効果を見ながら徐々に投入」するのが政策アプローチとして妥当なのではないでしょうかと思うのですが、置物直線一気理論の言い訳をして、もっと致命的なツッコミどころをご提供するという師匠のハイブロー振りに憧れてしまうアタクシであります。


・BEIに関する話がもう目を覆う惨状である

んでもって先ほどの多分ブルームバーグさんの質問と思われる中盤も鑑賞しませう。中盤というからには後半もあります(^^)。

『(問)(前半割愛)これに関連する質問として、大学の研究者ではなく、日本銀行の中で政策担当者として実務を2年近く経験されて、何か変化というか、ある程度分かったこと、あるいは分からなかったことがあるでしょうか。(以下割愛)』

どう見ても諸葛孔明の罠です本当にありがとうございます。

『(答)(前半割愛)BEI、予想インフレ率は、日本銀行の金融政策において非常に重要なキーポイントと思っていますが、これをどのように計測するかは非常に難しいということです。』

えーっとすいません。先ほどの就任前の国会説明もそうですし、昨日ネタにしたときに引用しましたが、副総裁就任後の2013年10月の中央大学での講演でも散々BEIを持ち出して説明していた(引用するとくどくなるので当該箇所は適当に確認してちょ)と思いますが何を今更仰せなのか、というよりは単にBEIの数値が自分の説明上都合が悪くなったからごまかしているだけでしょ。

『特に日本の場合は、米国や英国と比べてBEIに対する信頼性があるかという点、市場も非常に小さく取引関係者が限られているという点に問題があります。』

何を今更言ってるのでしょうかねえ。

『ただ、研究者のときには、予想インフレ率を知る手掛かりはBEIしかなく、ある程度欠陥はありながらも利用せざるを得なかったということです。』

http://www.jcer.or.jp/esp/result.html(ESPフォーキャスト調査、ただし非会員だデータはちょっと前のしか取れない)
http://www.boj.or.jp/research/o_survey/index.htm/(生活意識に関するアンケート調査)

その他色々とあると思いますし、いろいろなものを総合してみていくもんだと思いますが、もしかして貴殿におかれましてはそのような努力もしないでポッと出てくる数字のうち自分の論に都合の良いものを取り出していただけだったという事なのでしょうか???

『先程の「日本銀行に入って変わったのか」という質問とも関係しますが、日本銀行に入ってからは、予想インフレ率をみる上で様々な指標を提供してもらえるようになりました。研究者の時にはなかなか手に入らなかったようなものや、研究者としては気付かなかったようなデータもあります。実際、BEIもなかなか手に入らないもので、研究者としては手が縛られていました。』

ここの部分でベンダーのニュースではブルームバーグのようなものは高いのでBEIもなかなか手に入らないと仰せだったようですが・・・・・・・・・・・

http://www.bb.jbts.co.jp/marketdata/marketdata05.html(日本相互証券)
http://www.mof.go.jp/jgbs/topics/bond/10year_inflation-indexed/bei20150210.pdf(財務省)

などと簡単に参照できますし、大体からして・・・・・・・

http://market.jsda.or.jp/html/saiken/kehai/downloadInput.php(売買参考統計値)

こちらから物価連動国債にしろ利付国債にしろ売買参考統計値のデータが無料で取れますし、しかもCSVでもエクセルでも取得できますから、BEIはここから名目債と物価連動国債の利回りから計算すれば算出できる訳で、「なかなか手に入らないもの」となる理由がさっぱり理解できませんが。

まさかとは思いますが、BEIに関してその程度の知識レベルしか無いのに、その数値を金科玉条のごとく持ち出して日銀の金融政策をケチョンケチョンに誹謗した挙句に、ついには日銀副総裁にご就任された、などというような信じ難い事などが我らが美しい国ニッポンで起きる訳はないですから、きっと置物大師匠様におかれましてはジョークを飛ばしているんだと思いますよ(吐血)!!


『それが、日本銀行では様々な、膨大な指標が提供されるようになり、予想インフレ率は様々なサーベイデータをみなければならないということがだんだんと分かってきました。』

・・・・・( ゚д゚)
・・・・・(つд⊂)ゴシゴシ
・・・・・(;゚д゚)ナンカイコウナルノケサハ

いやーここまで「私は今まで無知の上に不勉強でした」って堂々と悪びれもなく言えるのってどういう神経してるんだろと思うのですが、「予想インフレ率は様々なサーベイデータをみなければならない」とか普通に当たり前だろと思いますし、何でしたらこんな分かりやすい解説も日銀レビューシリーズで出ていますけどご覧になったことはなかったのでしょうか(これ出た時にワタクシも読みましたよ)???

http://www.boj.or.jp/research/wps_rev/rev_2008/data/rev08j15.pdf
インフレ予想(Inflation Expectations)について
2008 年12 月

・・・・・・・まあ気を取り直してその先を鑑賞しましょう。

『最近BEIが非常に下がっていますが、実は長い間2%くらいでアンカーされていた米国でさえ、この原油価格のもとでは、ピークから30%〜40%下がっています。こうしたBEIの動きにはよく分からないところがあります。。従って、それだけをみて予想インフレ率がどうなっているかを判断するのは少しリスキーで、サーベイデータとか、賃金の交渉状況や企業の価格設定行動がどうなっているかといった広い範囲でデータをみるようにしています。』

何を今更の二乗という所ですが、要するにBEIだけで説明していたのが都合悪くなったから急に別のものを繰り出してくるという言い訳のスキルを日銀で学んだということですね!!!!

『その結果、広い範囲でみると、足もとの予想インフレ率が落ちているからといって、中長期の予想インフレ率がそれほど崩れているというわけではないということが分かってきました。』

分かってきました(ドヤァ)ってお前は小学生か。

・・・・・・そしてこの質疑のある意味白眉部分はこちら。

『そういう意味で情報を集め、分析し、提供してくれるスタッフのおかげで、研究者の時代よりも、深く分析できるようになったと思っています。』

>研究者の時代よりも、深く分析できるようになった
>研究者の時代よりも、深く分析できるようになった
>研究者の時代よりも、深く分析できるようになった
>研究者の時代よりも、深く分析できるようになった
>研究者の時代よりも、深く分析できるようになった

つまり従来は不勉強なうえに浅い分析に基づいて日銀を盛大に罵倒して白川総裁や山口、西村副総裁を石持て追い出したということを告解されておられるという理解でよろしいでしょうか???

#何がすごいって多分自分でそういう意味だと思っていないで発言しているとしか思えないところだが


・2年で2%厳しいなら枠組みを見直すべきではないかという話には案の定の回答

更に先ほどのブルームバーグH記者と思われる質疑の後半部分を鑑賞しましょう。

『(問)(前半割愛)もう1点は、就任後半年くらい経った2013年10月18日に中央大学で講演されたとき、「2年くらいでなかなか達成できないなら、どこに問題があるかを見直す」と「量的・質的金融緩和」についておっしゃっています。2年が経とうとしているなかで、まだまだ程遠い水準にあるとなれば、「量的・質的金融緩和」のメカニズムを含めて見直さなければならない時期に来ているのではないかと思います。この点についてどのようにお考えでしょうか。』

(;∀;)イイシテキダナー

『(答)(前半割愛)物価安定目標の達成について、例えば2年が、私が就任してから2年の今年4月ぴったりとすれば、そこまでうまくいかない状況だということは事実です。可能性はそういうことだと思います。』

辞任か焼き土下座マダー??

『ただ、消費増税の影響は、だんだんと和らいで、消費も回復してくるでしょう。足許の予想もしなかったような原油価格の下落も、中長期的にみれば、むしろ経済活動に良い影響を与えることを通じて、物価上昇をもたらしてくるということです。私がこのくらいにできるだろうと思っていた2015年の4月とかその辺りには間に合わないかもしれませんが、需給ギャップを縮めながら予想インフレ率も上げていくことによって物価が上がっていくという基調は変わっていないと思っています。』

えーっとすいません間に合わなかったら世界標準じゃないですし金融政策だけで達成しようという気概がないのが今までのレジームの問題だったと国会で言ってましたよね????

『従って、今の「量的・質的金融緩和」を続けていくのが適当だと思います。また、様々な下振れ・上振れリスクはあると思いますので、それに対してはいつでも対応する構えではいます。』

よくもまあ恥ずかしげもなく・・・・・・・・・


・辞任マダーの質問には見苦しい言い訳

『(問) 2013年3月5日の国会衆議院議員運営委員会で行った所信表明において、「就任から最初の2年で達成できない責任は自分たちにある。責任の取り方はどれが一番良いのか分からないが、最高の責任の取り方は辞職することだと認識している」とおっしゃいました。その後、答え方を変更されたこと、「電車の時刻表の通りにきっちりいかない」というような答弁をされたことは承知しています。先程も、きっかり2年ではうまくいかないとおっしゃいましたが、今、お考えにある責任の取り方とはどのようなものでしょうか。また、うまくいかなかった原因というのは、消費増税でしょうか、もしくは原油安でしょうか。4月を迎えるにあたって、期待に働きかける政策を採っている以上、これに対するご説明を頂きたいと思います。』

まあ想定通りの言い訳が来ますので鑑賞しましょう。

『(答) まず、副総裁として目標達成に向けて全力を尽くすということに変わりはないのですが、仮に、達成がどんどん遅れてしまう場合に、国会答弁では、「最終的に」とか「最高の」と言っているわけで、その前の段階の責任は「説明責任」であって、まずは説明責任を果たさなければ話にならないということだと思います。』

金融政策で達成するといっていたのに達成できていないのですから説明責任というのは政策の枠組みのどこかに間違いあるいは見込み違いがあったという点について説明するものですよね!!!!!

『説明責任を果たすとして、その時思ったよりも遅れる理由は、消費増税なのか、原油価格なのかということですが、もちろん消費増税は、ある程度遅らせる要因となっていると思いますが、私は、主として、原油価格がこれだけ下がっているということが大きいと思います。』

それは説明責任ではなくてただの言い訳です。そういう言い訳をするのがケシカランって日銀批判するときに言ってましたよね大師匠。

『原油価格の低下は、経済活動としては非常に良いわけで、政策委員の中央値としてはそんなに遅れてはいないのですが、就任時などに私がお話した時より遅れているのは、ここまでの原油価格の下落は予想できなかったためです。』

リーマンショックガーとか大震災ガーというのを言い訳呼ばわりして一刀両断にしておられた筈ですが。

『英国、米国や欧州などでも物価は下がっています。』

海外が下がっているからというのはエクスキューズにはならないのでは無いでしょうかねえ貴殿のかつての日銀批判の論調を踏まえますと。

『日本の場合は消費税の影響も加味されていますが、これは徐々になくなっていくと思いますので、基本的に大きな要因は原油価格の急落であろうと思います。』

ということで、これを説明責任というのでしたらもっと丁寧な説明責任を過去の日銀はしていましたけれどもねえ・・・・・・・・

てなわけで、美しい国日本の倫理というのは凄まじい勢いでマリアナ海溝よりも深く沈んでしまったのでしょうかねえなどと嘆きつつ質疑3本をネタにしたら量が膨大になったのでまあこのくらいにしときますわorzorz

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2015/02/05

○お笑い劇場の前座は挨拶(メインは会見ですよ)だが2013年10月と比較も入れると味わい深い

今回の金懇挨拶
http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2015/data/ko150204a1.pdf
最近の金融経済情勢と金融政策運営
宮城県金融経済懇談会における挨拶
日本銀行副総裁 岩田 規久男 2015年2月4日

・・・・・・・・・ということで金懇挨拶キタコレなのですが、今回は新機軸の導入といたしまして、こんなのを引っ張り出してみようと思います。

http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2013/ko131018a.htm/
http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2013/data/ko131018a1.pdf
「量的・質的金融緩和」の目的とその達成のメカニズム
中央大学経済研究所創立50周年記念公開講演会における講演
日本銀行副総裁 岩田 規久男 2013年10月18日

てな訳で、以下『』(今回)『』(前回)とか比較している部分がございましたら、今回というのが上記の宮城金融経済懇談会の挨拶、前回というのが2013年10月のご講演、とまあそういう風に比較して確認していると思ってください。なお、特段(今回)とか(前回)となっていない場合は基本今回分になりますが前回の小見出しなどをいちいち前回と書かない場合がありますが、文の流れを見れば理解できるかと思って割愛している部分がありますのでよろしくお願いいたします。


・当然ながら金融政策のメカニズムに関する説明しか読まない

今回の金懇挨拶ですが、前半部分は『2.日本経済の現状と先行き』となっておりまして、その辺はまあ普通に執行部の見解を話しておりますのでどうでもヨロシというか会見のほうでちょっとネタにするかもですという事で盛大にパスしまして、『3.金融政策運営について』という所から参ります。

『さて、ここからは、現在日本銀行が進めている金融政策について、いくつかの切り口からお話ししたいと思います。日本銀行は、2013年1月に、消費者物価の前年比上昇率2%という「物価安定の目標」を設定しました。所謂「インフレーション・ターゲティング(インフレ目標政策)」の導入です。この目標の実現に向けて、2013年4月以降、「量的・質的金融緩和」と呼ばれる強力な金融緩和を進めており、2014年10月には、この「量的・質的金融緩和」を拡大する措置も講じたところです。』(今回、以下暫く同様)

ほうほうそれでそれで?

『これらの政策は、長年にわたるデフレの中で人々の意識に定着してしまった「デフレマインド」を「緩やかなインフレマインド」へと転換すること、言い換えると、「物価の緩やかな上昇が継続することを前提に人々が行動するような状況」を作り出すことを意図しています。』

ふむふむ。

『したがいまして、皆さまに積極的にマインドを転換して頂くためにも、私たちの政策について丁寧にご説明し、理解を深めて頂くことがとても重要であると考えています。』

・・・・・・・????

えーっとすいません。導入してもうすぐ2年になろうとしているのですが、まだ「マインドを転換して頂くためにも」とか仰っている時点でどう見ても2年での目標達成が出来ていないという事になるとおもうのですが、いまだにそんな話をしている場合じゃないんじゃないですかねえ(ニヤニヤ)。

とまあそういうマクラが入りましてその次。


・気合なのか貨幣的現象なのかの説明が明らかに前回対比トーンダウンというか混線状態

『「量的・質的金融緩和」の核心は何かと問われた場合、私は「政策レジームの転換によるデフレマインドの払拭」であると答えることにしています(図表5)。』(今回)

まあ前回の講演でもレジームシフト云々というのがあったのですが、こんな文脈で出ていますな。

『なぜこのようなこと(引用者注記:市場の金利や市場の予想インフレ率の変化が生じた、という例を出しています)が起こるのでしょうか。それは、市場参加者が、マネタリーベースや超過準備の動向から中央銀行の金融政策レジームを判断し、将来の貨幣ストックや将来の金利およびインフレ率を予想するからです。金利や予想インフレ率に影響するのは、中央銀行の金融政策レジームと、そのレジームを前提とした市場参加者の将来の貨幣ストックの予想であって、現在の貨幣ストックではありません。』(前回)

えーっと、前回は金融政策レジームの転換が市場参加者の将来の貨幣ストックの予想を転換するので市場の予想インフレ率の変化が生じた、ということで前回講演の図表22と図表23で、「超過準備とインフレ予想」というお題でグラフを示しておりました。

しかしながら今回の講演では図表5では市場のインフレ予想がどうのこうのという話は皆無となっており、なぜか「デフレマインドの払拭」という話になっておりましてこれ如何にという所ですが、そらまあマネタリーベースを盛大に拡大した挙句に師匠ご推奨のBEIの方はろくすっぽ上がらんどころか下がっているのですから説明ができませんよね!!!!!

しかしそのあとの方ではレジーム転換の話として・・・・・・

『現在の日本銀行の金融政策も、従来と異なる政策レジームへの転換、すなわち「インフレもデフレも最終的には貨幣的現象であるから、積極的な金融緩和によってデフレからの脱却は実現できる」という考え方に転換したことが出発点となっています。』(今回)

という話をしているのですが、その割には貨幣の量がどうのこうの的な話については上記で比較しましたように、前回は思いっきりMB直線一気置物理論が登場していたというのに、今回は「政策レジームの転換でデフレマインドを払拭」と言いながら「貨幣的現象なのでデフレ脱却ができる」という風にそれお前ただのトートロジーじゃねえかという話に留まっている辺りが何とも訳ワカランチ会長としか申し上げようがありません。


・しかしながらレジーム転換に関する説明がいろいろとアレな件

でまあ今トートロジーと申し上げましたが、どうもこう説明がワケワカランチンなのよね。つまり、さっき引用したように・・・・・

『これらの政策は、長年にわたるデフレの中で人々の意識に定着してしまった「デフレマインド」を「緩やかなインフレマインド」へと転換すること、言い換えると、「物価の緩やかな上昇が継続することを前提に人々が行動するような状況」を作り出すことを意図しています。したがいまして、皆さまに積極的にマインドを転換して頂くためにも、私たちの政策について丁寧にご説明し、理解を深めて頂くことがとても重要であると考えています。』(今回、以下暫く今回)

という話をしつつ・・・・・・・

『「量的・質的金融緩和」の核心は何かと問われた場合、私は「政策レジームの転換によるデフレマインドの払拭」であると答えることにしています(図表5)。』

と言ってるのがそもそも訳分からん次第でして、

『人々の行動パターンは、人々が参加しているゲームのルールに依存します。そして、ルールが変われば、人々の行動も変わります。ほぼ自明とも言えるこの原理が、なぜ経済政策に関して重要かというと、「政策レジームの転換」が起こるかどうかによって、家計や企業など様々な経済主体の予想と、その行動が左右され、最終的に政策の効果それ自体も大きく異なってくるからです。』

と説明していて、最初のところでは「マインド転換のために説明してご理解いただきたい」とお話をしているのに、QQEについての説明では急に「レジーム転換すると経済主体の行動が変化するのは自明」(キリッ)と言い出すわけで、レジーム転換して経済主体の行動が変化しているんだったらそもそも「丁寧にご説明し、理解を深めて頂くことがとても重要」という必要がないと思いますし、だいたいからして先ほども申しあげましたがレジーム転換とやらをして2年近く経過しているのに今更説明して理解を求めるような状態だったら「レジーム転換で経済主体の行動が変化」というのがそもそも間違いとは言わないけど誇大広告だったんじゃないですかねえ。

でまあそのレジーム転換に関しては、

『例えば、極端なインフレに直面した政策当局が金融の引き締めを行うとしても、そうした政策が持続的なものと認識されなければ、将来の物価動向についての家計や企業の予想は変化せず、高インフレを前提とした行動も変わらないため、インフレは終息しません。逆に、インフレの克服に向けた政策当局の姿勢が確固たるものであることについて信認が得られれば、将来の政策経路についての企業や家計の予想の変化と、それを前提とした行動につながり、自己実現的にインフレが鎮静化することになります。』

てな訳で政策の信認が重要とのことですが、大口叩いた「2年で2%」がドンドン後ズレしているのにレジーム転換で行動の変化は自明(キリッ)とか言ってる場合かよと思いますが・・・・・・

『現在の日本銀行の金融政策も、従来と異なる政策レジームへの転換、すなわち「インフレもデフレも最終的には貨幣的現象であるから、積極的な金融緩和によってデフレからの脱却は実現できる」という考え方に転換したことが出発点となっています。』

その結果マネタリーベース直線一気置物理論でマネタリーベース拡大しましたが2年で2%is何処?という所で、結局のところこの辺の説明がただの循環論法になっているのが実に香ばしいのですが大口叩いた通りの実績が出ていないのだから仕方ないですね!!!


しかしここはある意味ワロタ。

『日本銀行はそれ以前にも、ゼロ金利政策や量的緩和の導入など、金融政策の歴史におけるフロントランナーとして様々な金融緩和措置を講じてきました。にもかかわらず、15年以上の長きにわたってデフレからの脱却が果たせなかったのは、「金融政策によってデフレは克服できる」という政策レジームが採用されていなかった(少なくとも民間経済主体からそうした信認を得られていなかった)ことに原因の一端があると思います。』

>少なくとも民間経済主体からそうした信認を得られていなかった
>少なくとも民間経済主体からそうした信認を得られていなかった
>少なくとも民間経済主体からそうした信認を得られていなかった

えーっとすいません、「日銀はデフレ脱却の意欲がない」だの「日銀はデフレ推進」だのと散々罵っておられたの置物先生一派のリフレ派の皆さんだと思うのですが、そう考えますとリフレ派の皆様におかれましては日銀のデフレ脱却に向けた取り組みに対する信認を損なう事を推進していた訳でして、そうなりますとデフレ脱却に向けた取り組みを邪魔しておられたのがリフレ派の皆様という事になりまして、「リフレ派の日銀批判がデフレ脱却への阻害要因になっていた」という話になるのではないでしょうか(^^)。

そういや相変わらずMB直線一気理論とかに悪態をつくとリフレ界隈の皆様が「債券市場の人間はデフレ派」とか面白い見解を示してくれて素敵なのですが、デフレ脱却に向けた政策に対してその政策スキームはおかしいのではないかというのがデフレ派ということでしたら、かつてのリフレ派の皆様はもっと強力なデフレ派だったという事になりますねうははははは^^;

でまあ結局MB直線一気一次関数理論で全然2%達成しないという状況って信認の問題になると思うのですがそこは盛大にスルーして達成時期を先送りしているのに「レジーム転換すると経済主体の行動が変わる」(キリッ)もへったくれもないと思うのですけどねえ。


とまあそんな感じでレジーム転換云々の話が結局ただの気合じゃねえかというツッコミでありました。


・2年での話がトーンダウンとは恐れ入りますな

さらに味わいがあるのはその次の『(2)「量的・質的金融緩和」の波及経路』であります。

『政策レジームの転換が信認を得るためには、政策当局からの明確で具体的なメッセージが必要です。』(今回)

まあ明確で具体的なメッセージをだしても先ほどの話のようにそれを実現しないと意味がないのですけれども2年で2%というのはどうなりましたっけなどとツッコミをしないで次を読みましょう。

『現在の金融政策においては、@「消費者物価の前年比上昇率2%」という物価安定の数値目標を設定し、その達成に強くコミットしていること、Aそのための具体的な行動として、「量的・質的金融緩和」を強力に進めていることによって、政策レジームの転換が具体化されています(図表6)。』(今回)

さて前回ですけどね。

『「量的・質的金融緩和」は、次の二つを柱としています。第一の柱は、2%の物価安定目標の早期達成についての「コミットメント」です。すなわち、「2%の物価安定目標を、2年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に実現すること」について、日本銀行は「明確に約束している」ということです。』(前回)

えーっと、2年程度とか早期にという文言が今回のテキストにないのは何でですかねえ(棒読み)という所ではございますが、一応今回の図表6のところには「2%の物価安定目標を、2年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に実現することについて、日本銀行が明確に約束。」とは書いてありますので、まあ別にひっこめた訳ではないのでしょうけれども、講演テキストに堂々と書くにはどこからどう見ても2年またはそれよりも早期に実現できそうもないので外したとしか思えないのですが、それはアタクシの目が濁っているからですかそうですか。


・「予想インフレ率が上昇するのは所与」なるもその「予想インフレ率」が変わっている件

でまあ『(2)「量的・質的金融緩和」の波及経路』の続きですけどね。

『「量的・質的金融緩和」に伴う長期国債の大規模な買入れによって、名目金利には強力な下押し圧力が働いていますので、政策レジームの転換が人々の予想インフレ率を上昇させると、人々の予想実質金利が引き下げられることになります(図表7)。予想実質金利とは、「将来の物価の変化を考慮すると、実質的な金利はいくらになるか」という主観的な予想であり、人々の貯蓄・投資行動や資産価格に様々な影響を及ぼします。』(今回)

まあ相変わらず予想インフレ率が上昇するのは所与というのがワロタとしか申し上げようがないですけれども、ここも前回と比較してみると興味深い点が発見されます。

『こうした2本の柱から構成される「量的・質的金融緩和」は、名目金利と、金融市場で資産運用を行う市場参加者の予想インフレ率に対して、それぞれ次のような作用をもたらします。まず、長期国債を中心とした各種資産の買入れにより、民間にお金を大量に供給することは、名目金利を引き下げる方向に働きます。加えて、2%の物価安定目標にコミットした「量的・質的金融緩和」は、のちほどご説明するように、市場参加者の予想インフレ率を引き上げる方向に働きます。』(前回)

ご覧いただきますとわかりますように、2013年10月の講演では「市場参加者の予想インフレ率」ということで思いっきりBEIにかかわる話をしていた(さっきのところでもそうでしたよね)のですが、2015年2月になりますと「人々の」とか「主観的な予想」とか、市場のBEIの推移が自分の説明にとって都合が悪くなっているのですっかり無かったことにしているという辺りに侘び寂びと申しますか幽玄の世界というものを感じる次第であります。


・そして市場が反応しているけれどもBEIの話はスルー&トリクルダウンキタコレ

で、その結果として・・・・・・・

『ご存じの通り、こうした変化にもっとも敏感に反応したのが金融市場であり、株式や外貨建て資産などリスク性資産の価格上昇は、資産効果を通じて民間消費を増加させる方向に作用しています(図表8)。』(今回)

ということで金融市場の話をしているのですが、肝心の金融市場におけるインフレ予想(つまりBEI)に関する話を完璧にスルーなされるとか、2013年10月にBEIを連呼していた講演との整合性はどうしたのでしょうかはいはいおじいちゃん満州の話はさっきもしたでしょお薬の時間ですよといった風格を漂わせるアレなものとなっております。

ちなみに、資産効果で消費増加という話ですが・・・・・・・・

http://mainichi.jp/select/news/20150203k0000m010025000c.html
アベノミクス:首相「トリクルダウン、我々の政策と違う」
毎日新聞 2015年02月02日 18時50分(最終更新 02月03日 00時40分)

どうも師匠の説明する金融政策の波及経路はアベノミクスでは無いと首相が仰せのようですが、その辺りの整合性についても小一時間お伺いしたいものでございます。


・しかしながら波及経路の説明が実にこうさびしいですなあ(棒読み)

でまあその続きですけどね。

『また、過度な円高の修正は、輸出採算性の改善などを通じて輸出関連企業の収益好転につながっているほか、海外からの観光客も目に見えて増加しています。』(今回)

輸出採算性の改善とのことですが、前回はこのように説明しておりましたよね!!!!

『また、外貨高の効果として輸出の増加はすぐに思い浮かびますが(図表6)、海外から日本への旅行者による国内サービス需要を増やす要因である点も見逃せません。』(前回)

>輸出の増加はすぐに思い浮かびますが
>輸出の増加はすぐに思い浮かびますが
>輸出の増加はすぐに思い浮かびますが

・・・・・・・・すぐに思い浮かんだ輸出の増加はどうなったんでしょと思いますし、全体でみた場合に観光収入の増加ってそんなに特筆大書するような話かよ(別に効果がないとは言わんが)と思いますけどね。

『加えて、これまでデフレマインドのもとで貯蓄や現預金の保有増に励んでいた家計や企業も、予想実質金利の低下や所得・財務状況の改善を受けて、住宅投資や設備投資を拡大させることが期待されます。』(今回)

えーっとすいません、QQE始まってもうすぐ2年で約束の期限なのですけれども「投資の拡大が期待されます」じゃあtoo lateにも程があるんですが、前回の講演ではこのあたりについて「(6)設備投資の増加」などと思いっきり小見出しを打ってこんな説明をしていましたよね。

『こうした動きは、企業の設備投資にも、複数の経路を通じて前向きな動きをもたらします。まず、家計の消費が増えれば、企業は消費の増加に応じて生産の増強を図る必要が出てくるため、設備投資に積極的になります。株高や外貨高によって、他社株や外貨を保有する企業(主として輸出企業)の純資産価値が増大すること(バランスシートの改善)も、企業が設備投資を増やす要因となります(図表8・9)。(途中割愛)また、企業利益の増加による企業マインドの改善も、設備投資を増やす要因です。(そのあといろいろあるがめんどいので割愛)』(前回)

ってな感じで、もう今にも投資が出るような話になっておりましたのは1年と4か月前のお話になりますけれどもね。

つーかですね、前回の講演では「(3)なぜ予想インフレ率は上昇するのか」ということでただの気合と信心としか思えない意味不明な供述をおこなった後、「(4)予想インフレ率の上昇は株高や外貨高をもたらす」、「(5)消費や輸出の増加」、「(6)設備投資の増加」、「(8)労働需給の改善と雇用者所得の増加」と、風が吹けば桶屋が儲かるのかピタゴラススイッチなのか知りませんが、インフレ期待が上がると勝手にすべてがうまく回りだすという説明を延々としていたのですが、今回は上記のような超あっさり味な話だけして、

『このように、政策レジームの転換による予想インフレ率の上昇を起点に、複数のチャネルを通じて総需要を拡大させていくというのが、現在の金融政策が想定している効果波及のメカニズムです。』(今回)

という話で終了しているのが何ともまあ前回の威勢良さはどこへという感じで実に奥ゆかしい味わいを醸し出しております。


・実質所得ガーに対する説明部分を鑑賞しましょう

でまあその予想インフレの維持のために追加緩和みたいな説明がある部分は割愛しまして、その次が『(4)雇用・賃金をどう考えるか』という所です。

『さて、予想インフレ率の上昇を起点に総需要が拡大し、生産から所得、支出という前向きの循環が働いた先には、働く人々の雇用の安定と労働条件の改善が待っていなくてはなりません。』(今回)

・・・・・・・えーっとすいません、アタクシ馬鹿なのでよくわからないのですが、そもそも論として被雇用者の雇用が安定しなかったり労働条件が改善しなかったりした場合にどうやって「前向きの循環」とやらが働くのかがさっぱり理解できないのですが、まず論を立てるところでの話がおかしくないですか????

しかもですよ、前回の講演ではすでにこのような認識を示しておられたのですけれども・・・・・・

『所得が増えると消費が増え、消費が増えると労働需給が改善して雇用所得が増え、それがさらに消費を増やすという好循環が生じてきます(図表18)。』(前回)

前回の講演で説明していた「(8)労働需給の改善と雇用者所得の増加」という部分では高らかにこのように宣言しておられた筈なのですが、何でまた今回こんな話になっているんでちゅかねえ(棒読み)。

『雇用者数の増加については、「非正規雇用が増加しただけで、正社員は増えていない」という批判があります。しかし、この議論は、雇用のパイ全体が拡大する中で起こっている、「まずは非正規から段階的に雇用を増やそう」という前向きな動きと、過去に続いてきた「正社員から非正規雇用への置き換え」という後ろ向きの話とを混同している面があると思っています。』(今回)

『景気回復の初期段階において、より柔軟に調整が行える非正規型の雇用が増えるのは当然のことであり、この段階では、多くの不就労者が職に就き、賃金収入を得られるようになったという点を、まずは公平に評価すべきだと考えます。』(今回)

それは一理あるが、すでに「2年程度で達成」といっている政策のうち1年10か月が経過しているのに、いまだに「景気回復の初期段階」ってお前は何を言ってるんだと小一時間問い詰めたい。

『また、これと似たような議論として、賃金の上昇傾向が継続していることに対しても、「名目賃金の上昇が消費者物価の上昇に追いつかず、実質賃金は低下している」という批判があります。』(今回)

ほうほうそれでそれで??

『この点については、まず、需要の拡大がもたらした物価上昇と、消費税率引き上げの影響を分けて考える必要があると思います。』(今回)

ちょwwwwおまwwwwwww円安シフトして物価上昇しているコストプッシュの部分はスルーとは恐れ入る。

『消費税率引き上げによる実質賃金引き下げ効果を除くと、一般労働者の実質賃金もパート労働者の実質時給も、前年と比べて大きく落ち込んでいる状況ではありません(図表12)。また、雇用者全体でみた実質所得も、消費税率引き上げの影響を除くと、2014年3月から9か月連続で前年比プラスとなっています(図表13)。』(今回)

『つまり、「労働者一人当たりの賃金も全体としての所得も、需要の拡大がもたらす物価上昇に見合う程度には上昇しているものの、消費税率引き上げの影響まで相殺するほどの上昇は、さすがにまだ実現できていない」というのが、実質賃金についての公平な見方であると考えます。』(今回)

毎回思うのだが、確かに消費増税はワンタイムエフェクトだから前年比で見た場合に翌年になったらその要因が剥落するけれども、そもそも論として名目賃金の方が昔から緩やかな上昇トレンドをとっているわけではなくて、2014年度に入ってやっと上昇したものであるからして、こちらの方がきちんと来年度も今年度並みに上昇してくれるかの保証がない訳で、本年度の名目賃金上昇が単に増税というイベントを受けて下駄を履いているのであれば、実際問題として来年度の実質賃金はやはり減少となりますよね、という話だと思うのよね。

つーことで、まあここは師匠独自理論ではなくて日銀もだいたいこういう説明になっているから折角なので突っ込んでみましたが、持続的に名目賃金が上昇することが確実ではないのに消費税要因を除けば云々という話で賃金上昇ヒャッハーという話になるのもどうなのよと思うのでありました。


で、最終的には実質賃金は上昇するのです(キリッ)な説明がその次にありましてですね、

『金融緩和によって需要を刺激する場合、通常は名目賃金よりも物価が先に上がるため、初めの段階では、実質賃金はむしろ低下します。しかし、実質賃金の低下が企業の雇用需要を増加させることで雇用者が増え、失業率が低下するという経路がありますので、この段階における実質賃金の低下は必ずしも悪いことばかりではありません。』(今回)

まあここは分かるが、それなら前回の講演の時にそういう話をしろと思うのだが、前回はさきほど引用したように「所得が増えると消費が増え、消費が増えると労働需給が改善して雇用所得が増え、それがさらに消費を増やすという好循環が生じてきます(図表18)。」(前回)という良い事ずくめの話をしているだけだったりするのがチャーミング。

『雇用需給がタイト化するにつれて、名目賃金も上昇し、実質賃金の低下圧力が和らぎ始めますし、生産が拡大すると雇用者もより効率的に働けるようになるため、労働生産性も上がります。こうして、最終的には実質賃金も上昇に転ずることになると考えられます(図表14)。』(今回)

でまあ図表14というのがあるのですが、そもそも論として金融緩和をすることによって需要が上がってディマンドプルが起きるというのがアプリオリになっている時点でナンジャソラであって、金融市場の動きによって円安になってコストプッシュで物価が上昇する方のルートの考察が無い上に、図表14では上記の桶屋理論を謎のフローチャートにしただけで、なんか先行事例でそういう実証データでもあるのならまだ信用しようかなと思うのですが、これではただのお絵かきですよね、というような話で締めている辺りが実に何とも置物クオリティ。


・いつまでまたせるんでちゅかねえ????????

でまあ波及経路の説明の最後である。

『金融政策は確実に実体経済に影響を及ぼしますが、その効果の波及には順番があり、それなりの時間がかかります。ましてや日本経済は、15年以上にわたるデフレからの脱却という難事業に挑んでいる最中です。所得の改善が支出を促し、さらなる生産と所得の拡大につながるという好循環がさらに進展することを、希望を持ってお待ち頂きたいと思います。』(今回)

希望を持ってお待ちいただきたいそうですが、1年4か月前の時点ではどういう説明だったでしょうか???????

『金融緩和政策は国債、株式、外国為替のような資産市場には直ちに影響を及ぼしますが、生産、雇用、物価および賃金などの実体経済に及ぼすまでにはかなりの時間がかかります。日本銀行が「量的・質的金融緩和」を採用してからまだ6か月余りしかたっていないことを考慮すると、むしろ、実体経済への影響は従来よりも早く現れたといえます。』(前回)

影響が早く現れたそうですよ!!!

『それはおそらく、昨年(引用者注:2012年のことです)11月中旬にアベノミクス構想が発表され、そのころからすでに「次元の異なる大胆な金融緩和政策」が期待され、投資家をはじめとする人々がその大胆な金融政策への転換を織り込んで行動し始めたためであると思います。つまり、「量的・質的金融緩和」の効果はすでに昨年11月中旬から始まっていたということです。実際に、昨年11月中旬から株高・円安の動きが始まっています。』(前回)

あれ?

『そのように考えると、現在時点で、異次元の金融緩和の実質的な継続期間はすでに11か月になりますから、実体経済への影響が現在程度の規模になるのは自然なことです。』(前回)

で、そこから1年4か月経過しているのですよね。

『これまで、日本経済は日本銀行が想定している経路に沿って順調に回復してきましたが、金融緩和政策の実体経済への影響の遅れを考慮すると、「量的・質的金融緩和」が実体経済に本格的な良い影響を及ぼし始めるのは、いよいよこれからです。』(前回)

「いよいよこれからです」と言って1年4か月も経過して「希望を持ってお待ちいただきたい」ってそこらの藪医者も裸足で逃げ出す引っ張りっぷりに落涙を禁じえませんなというあたりで金懇挨拶の鑑賞を終わりにしますが、会見の方が更に面白いにも程があるので明日はそのあたりを少々(^^)。


#新機軸でちと読みにくかったかもしれませんすいませんすいません

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2015/01/28

○師匠の金融教育に関する講演は途中にまさかの自己紹介(違)という小ネタ

内容自体は金融広報中央委員会(知るぽると)マターだと思うので師匠がお出になるものなのかねという感じですけどね。

http://www.boj.or.jp/en/announcements/press/koen_2015/ko150123a.htm/
http://www.boj.or.jp/en/announcements/press/koen_2015/data/ko150123a.pdf

Financial Education in Japan: Challenges Presented by the Aging Population and Declining Birthrate
Special Address at the ADBI-Japan-OECD High-Level Global Symposium in Tokyo
Kikuo Iwata
Deputy Governor of the Bank of Japan
January 23, 2015

最初の『I. Need for Financial Literacy Arising from Demographic Changes』から。

『In other words, each individual's efforts to achieve financial independence in their retirement period have become more important. Encouraging elderly people to work longer is one important factor, but so is improving financial literacy. Starting lifetime planning while still young and reserving assets for retirement will help.』

はあそうですかという所ですが、そのリタイヤメントした方々の資産をどうするという所でマイナス金利を思いっきり発生させているのに「リタイヤ後の金融面での独立性を各々の人々が確保するのが重要」とか言われましてもお前は何を言ってるんだと小一時間。


・・・・・・という所にはすぐに気が付いたのですが、昨日TL界隈で某識者の方が実に的確なツッコミをしておりましたので、アタクシがオリジナルで見つけた訳ではないので恐縮にもほどがあるのですけれども、折角ではありますのでこの講演の白眉となる部分をご紹介したいと思います。

『II. Changes in Financial Behavior and Challenges Presented by the Aging Population and Declining Birthrate』ということで、幾つかの話をしているのですが、その最後の部分に高齢者の金融リテラシーがどうのこうのというトピックに触れている部分がありましてですな、

『Another issue that warrants attention is the rapid increase in financial fraud targeted at elderly people. I feel very sorry for the victims of such crimes.』

高齢者を狙ったイカサマ金融商品とかそういう事案とかですな。オレオレ系もこの一種になるのかね。

『At the same time, the increase in financial fraud suggests that we need to strengthen the financial literacy of elderly people. The victims of financial fraud might have been caught off-guard. If they had had a little more financial literacy, they might not have been deceived.』

金融リテラシーを高めることによってこれらの詐欺的な被害を減らすことができるかもしれませんとはまさに仰せのとおりでございますが・・・・・・・・・・

『On the basis of our survey, we deem that elderly people generally have more confidence in their own financial literacy compared to other age groups. But in fact, they tend to have insufficient literacy.』

高齢者の方は自分の金融リテラシーが高いと思っているが実際は不十分な知識しかない傾向にあるとな!!


・・・・・さてここでちょっと話を変えてロイターの過去記事を鑑賞いたしましょう。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE95N01G20130624?sp=true
岩田日銀副総裁インタビューの一問一答
2013年 06月 24日 23:09 JST

『──副総裁として実務を担ってみての感想。

「(前半割愛)例えばオペについても、外部にいたときは簡単だと思っていたが、実務はそのような簡単なものではないとわかった。日本銀行の実務に対する理解を深めつつある状況だ」』(上記2013年6月24日ロイター記事URLより)

・・・・・・・・・いやあ実にこう味わいが深いですなあ(棒読み)と思いますが、もちろん先ほどの部分を自己紹介乙などというような失礼なことを申し上げる気は1ミリもございませんので念のため申し添えます(棒読み)。

#しかし上記ロイター記事を見ますと追加緩和がなくても今年の4-6には2%目標達成なんですね、そう言えばマッカラムルールとか何だったのでしょうかねえ


というのはともかくとして気を取り直して読みますとこの部分はこのような締めになっております。

『We should close the gap between high confidence and low literacy.』

ご自身の金融政策に関する(以下の部分は内務省検閲により削除されました)。

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2015/01/26

○焼き土下座マダー

http://www.boj.or.jp/announcements/calendar/index.htm/
公表予定

先週分を保存しておくのを忘れてしまったので惜しくも既に予定から消えていますが、金曜日は都内で岩田副総裁の講演があったはずなのですけれども・・・・・・・・・・

http://www.boj.or.jp/whatsnew/index.htm/
更新情報一覧

・・・・・・・・とまあそういうことで、ついに日銀様におかれましては置物先生の講演内容の公開をしないという荒業に打って出たようでその味わいの深さに誠に頭の下がる思いでありますな(ニヤニヤ)。(追記:英文のテキストだけありました)

でまあ就任当時の会見を鑑賞すると味わいが深いという指摘もありましたので、せっかくですのでこの機会に鑑賞してみましょう。

http://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2013/kk1303e.pdf
総裁・副総裁就任記者会見要旨―― 2013年3月21日(木)
午後6時から約1時間45分

5ページの辺りに実に素晴らしい説明がございますな。

『私は、2%のインフレを達成するため、あるいはデフレを脱却するためには、2 つの条件が必要だと思っています。1 つは、2%のインフレ目標を大体いつ頃までに責任をもって達成するのかということに日本銀行がコミットするということです。これにコミットすることが、非常に大事なことです。』
(上記URL先の2013年3月21日の就任会見より、以下同様)

(;∀;)イイハナシダナー

『大体いつ頃までに達成するかということについては、主要国の中央銀行は、大体、「中期的」とか「ミディアムターム」という言葉で表現しています。その「ミディアムターム」というのが実際何年くらいなのか、色々な研究者が調べたところ、大体2 年くらいということになっています。平均すると2 年くらいでインフレターゲットの中に入っているので、そういう経験から言っているわけです。』

2年ですよ2年。

『2 つ目は、そういう意味で、2 年くらいで責任をもって達成するとコミットしているわけですが、達成できなかった時に、「自分達のせいではない。他の要因によるものだ」と、あまり言い訳をしないということです。』

全く仰せのとおりですね!!!!!!!!

『そういう立場に立っていないと、市場が、その金融政策を信用しないということになってしまいます。市場が金融政策を信用しない状況で、いくら金利を下げたり、量的緩和をしても、あまり効き目がないというのが私の立場です。』

(・∀・)ニヤニヤ


ついでに18ページですけどね。

『 先程申し上げた「中期的」とは、大体2 年ぐらいであり、2%は2 年ぐらいで達成しなければいけないということです。』

>2%は2 年ぐらいで達成しなければいけないということです
>2%は2 年ぐらいで達成しなければいけないということです
>2%は2 年ぐらいで達成しなければいけないということです

『2 年経って、2%がまだ達成できない、2%近くになってもまだ達成できていない場合には、まず果たすべきは説明責任だと思います。ただ、その説明責任を自分で果たせないということ、単なる自分のミスジャッジだったということであれば、最高の責任の取り方は、やはり辞任だと思っています。まずは説明責任を果たせるかどうかが基本だと思います。』

・・・・・ということですので、2月の宮城金懇での「説明責任」をぜひ宜しくお願いいたします。

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2014/10/29

○ヘイヘイ師匠ビビってるビビってる!!!・・・・・こうですかわかりません><;

昨日は国会での半期報告がありまして、参議院財政金融委員会での質疑があったのですけれども、総裁答弁は相変わらず物価行きますよ攻撃が続いていますが置物副総裁の質疑が債券金利市場に乾いた笑いを巻き起こしたので、後日会議録を見て楽しく笑おうと思いますがとりあえず本日はニュースヘッドラインから備忘。

http://jp.reuters.com/article/idJPL4N0SN1X020141028
UPDATE 1-就任前の目標未達なら辞職発言、深く反省=岩田日銀副総裁
2014年 10月 28日 12:59 JST

ちょwwwwwおまwwwwwwwwという所ですが。

『[東京 28日 ロイター] - 日銀の岩田規久男副総裁は28日午前、参議院財政金融委員会で、就任前に2年程度で2%の物価目標が実現できない場合は辞職すると発言したことについて、深く反省している、と語った。大久保勉委員(民主)の質問に対する答弁。』(上記URLより、以下同様)

えーっとすいません国会での所信表明でそういう話をしているのですから、それは置物師匠におかれましては「国会で嘘ついて

『岩田副総裁は、昨春の就任前の国会における所信表明で、2年で2%の物価目標が達成できない場合は辞職する考えを表明したことに関し、「(達成できなければ)自動的に辞めると理解されてしまったことを、今は深く反省している」と語り、「まずは説明責任を果たすことが先決というのが真意だった」と説明した。』

えーっとそれなら衆議院と参議院の両方で説明したんですから片方の所で修正すれば良いと思うのですけれどもねえと思いますが、ここで所信表明の際における説明をサルベージしておきましょう。なお、この日の為に備忘も兼ねて8月末にサルベージネタを投下しておりましたので再掲になりますけどね!!!!!!

衆議院での所信聴取はこちら
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/002018320130305012.htm
第183回国会 議院運営委員会 第12号(平成25年3月5日(火曜日))

(改行は適宜省略しています)

『○津村委員 はい。失礼いたしました。二%ということを先ほどおっしゃられていましたが、岩田さんは、全責任を負う、マンデートだ、それを市場が信頼するからこそインフレ期待が上がるんだ、それについては現行の日銀法では不十分ということをおっしゃいましたが、これから中央銀行のトップ、副総裁につかれるとなれば、運用で、自分はこうやるんだ、全責任を負うんだということを明確にされることで、ある意味では、岩田さんのおっしゃる今の法の不備といいますか、そこを補っていかれるということだと思います。そこで、お伺いしたいんです。一つは、二年とおっしゃるのは、この就任の三月から二年後、つまり再来年の春ということでよろしいかというのが一点。それから、もう一つは、全責任を負って市場の信頼をかち取るということですから、それが達成できなかった場合の責任の所在ということははっきりとさせていかなければいけないと思いますが、それは、職を賭すということですか。』

『○岩田参考人 それは当然、就任して最初からの二年でございますが、それを達成できないというのは、やはり責任が自分たちにあるというふうに思いますので、その責任のとり方、一番どれがいいのかはちょっとわかりませんけれども、やはり、最高の責任のとり方は、辞職するということだというふうに認識はしております。』

『○津村委員 二年間というのは、二年後の春、つまり、二〇一五年の春の消費者物価の上昇率二%ということを目標とされる、そして、最高の責任のとり方としては、職をかけるということでよろしいですね。』

『○岩田参考人 それで結構でございます。』(以上上記衆議院HPより)

でまあこの参考人聴取で思いっきり「2年で2%行かなかったら辞任」という潔い姿勢と、津村委員も指摘するように、岩田さんが日銀法の弱い部分と指摘している事を職を賭すということで補うという姿勢までも見せたと評価になった訳ですが、もし説明責任どうのこうのでしたらその後の参議院で訂正していると思うのですけどねえ・・・・・・・・・・・

参議院(国会会議録検索システムから引用しているので直リンができませんすいません)議院運営委員会の昨年3月12日から以下引用しております。発言番号20番以降になります。

参 - 議院運営委員会 - 13号
平成25年03月12日

(改行は適宜割愛しています)

『○中西健治君 みんなの党の中西健治です。 岩田参考人、岩田教授にはこれまでもいろいろと御教示いただいておりまして、大変お世話になっております。今日はよろしくお願いいたします。まず、これまでの岩田教授の主張の幾つかをまとめてみますと、日銀法改正については、責任を明確化することで物価目標の達成が早まる効果があるということで賛成だということだと思います。それから、責任の取り方ということについては、最高の責任の取り方は辞職だということをおっしゃられていると思いますし、あと外債購入については、今は必要ないけれども、手段としては取っておくべきだということだと思いますが、確認ですが、今の認識でよろしいでしょうか。』

『○参考人(岩田規久男君) そのとおりでございます。』(以上国会会議録検索システムより参議院議員運営委員会平成25年3月12日の質疑を引用)

・・・・・・・ということで今回国会でご説明されたような話を全くしておられないようにしか見えないのですけれども、いずれにせよ就任時に話をしていた事は大嘘であられたというような事になるかと存じますが、それって国民の代表たる国会を愚弄するにも程がある話で、そらまあ参考人質疑だから別に偽証云々とかそんな事にはならないけれども、ことは国の重要政策に関わる問題ですから悪質じゃないですかねえ。


でまあロイターの記事に戻ります。

『当時言及した日銀法改正に対する考えについても、2%の物価安定目標が政府と合意されている現在は「あえて改正する必要はない」との認識を示した。』(最初のロイター記事URL先より)

ナンジャソラという所で、政府の方針が変わったら変わるんじゃマズイし、日銀の体制が変わったら変わるでもマズイからグローバルスタンダードとやらの物価2%目標を法に明記する改正するんじゃ無かったでしたっけ?????

『そのうえで、2年程度で2%の物価目標の達成について、人間の行動に働きかけるのが金融政策とし、「電車の時刻表のように、きちんとはできない。不確実性が大きい」と指摘。2年程度での実現を目指して、最大の努力を行うという日銀の行動が大事だ、と語った。』(最初のロイター記事URL先より)

さてここで再び参議院参議院議員運営委員会平成25年3月12日の質疑を引用してみましょう。先ほど引用した中西委員による質疑の続きにちょうど適切な物がございます。

『○中西健治君 これも確認に近いことということになるのかもしれませんが、安倍総理は国会答弁でデフレは貨幣的現象であるということをおっしゃられております。岩田参考人も近い考え方なんじゃないかなというふうに思いますが、貨幣的現象かどうかという言葉はともかく、金融政策だけで物価目標二%は達成し得るということでよろしいでしょうか。』

『○参考人(岩田規久男君) 物価に影響するのは金融政策以外でも確かにございます、先ほど言った輸入物価とかそういうのありますが。結局、いろんなところで、ほかの要因で上げ過ぎる要因があった場合には、金融政策のやり方を変えれば結局は二%のインフレになるということで、あるいはデフレ要因がほかにあったとしても、金融政策が結局しっかりしていれば二%のインフレはできるということで、最終的には金融政策が決めることができるということだと思います。(以上国会会議録検索システムより参議院議員運営委員会平成25年3月12日の質疑を引用)

ついでに申し上げますと、師匠の理論を基に以前山本幸三先生がこのような説明もしていましたよね。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE93204D20130403?sp=true
インタビュー:2%達成にはマネタリーベース拡大を=自民・山本氏
2013年 04月 3日 15:54 JST

『山本氏は、日銀副総裁に就いた岩田規久男氏が学習院大学教授当時に作成したシミュレーションから、消費者物価上昇率2%達成には、現在145兆円のマネタリーベースを160兆円─170兆円に増やしていく必要があるとした。試算は、リーマンショック後のマネタリーベースの量と予想インフレ率の目安となるブレークイーブン・インフレ率(インフレ期待を測る代表的な指標)の関係からはじき出したもので、同時に円レートや株価との相関式に当てはめると、ドル/円は98円、株価は1万1600円になるだろうとしている。さらに消費者物価指数を3%にするためには、マネタリーベースを180兆円程度に拡大させる必要があるとし、ドル/円は108円程度、株価は1万3600円程度になるだろうと試算する。』(上記URL先より)

なお日銀ホームページのトップを見に行けば判りますが、昨日のマネタリーベースは『マネタリーベース 2,555,800億円(2014年10月27日)』となっておりますので、山本先生が指摘する置物シミュレーションを用いますと15兆円程度のMBを拡大すると消費者物価が1%上昇するように見えますので、今のマネタリーベースですと今頃消費者物価は10%位まで上昇しているように思えますがどういう事なのでしょうかねえ。


・・・・・・・・・とまあそういう訳で、今さら何を言ってるんだこの置物はという所ではございますが、そらまあ鳴り物入りでご就任された置物大師匠の理論が単なる空論だった上に結局物価目標達成できませんでしたので辞任しますとなりますと、アベノミクス第一の矢とは何だったのかという話になるので引くに引けないという状況であるので仕方ないですよね!!!!!!


しかしまあ何ですな、まだ2年はやってきていない時期なのですから、普通に考えると「当初に申し上げた話は変わりません(キリッ)」「物価目標達成に向けて順調に推移しています(キリッ)」と話をするのが平常運転クオリティであって、この次にちょっとネタにしますが黒田さんはそういう話を継続しているんですが、早くもこの時期に腰砕けモードになっているという辺りに師匠の弱気化が思いっきり透けて見える所でして大丈夫かねという話でありまする。

まあ何せ引くに引けない状況にある中ですので、執行部からこのような弱気発言が早くも出るという辺りは労農赤軍だったら政治将校に吊るされるレベルの敗戦思想と言えそうな話ですが、まあさすがに強気一辺倒もかなーり苦しくなったなあという所で、折角黒田さんが強気の発言を継続して期待の意地もとい維持に努めているのに副総裁が「弱い輪」となって腰砕けてどないしますねんとゆー所でございますので、就任前の所信表明で示しておられた自信満々の超強気置物理論を少なくとも2年の期日が来るまでは継続して頂かないと何のために石持て追われたのかと麿も嘆いておられるでしょう(違うか)と存じますので我らが置物大師匠におかれましては置物理論が正しいので物価は上昇しますよ何言ってるんですか皆さんアホですか位の意気軒昂さを持って頂きたいというものです(棒読み)。


○黒田総裁の答弁も大概にアレだが

同じ国会答弁ニュースだが総裁答弁より
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPKBN0IH08220141028
消費増税先送りなら対応困難、マイナス金利は政策効果=日銀総裁
2014年 10月 28日 12:53 JST

『日銀による大規模な量的・質的金融緩和(QQE)の推進による需給ひっ迫などを背景に短期国債市場では、マイナス金利での取引が頻繁に発生している。この点について総裁は「日銀は格別、短期金利をマイナスに誘導しているわけではない」としたが、マイナス金利の発生自体は日銀による「強力な金融緩和の表れ」とし、「特に問題ではない。金利水準全体の押し下げの一現象」との見解を示した。日銀による大量の国債買い入れでも「国債市場の流動性が低下していることはない」としたが、「国債市場の動向を注意深く点検し、市場安定に努める」と指摘。こうした国債買い入れは「財政ファイナンスを意図したものではない」とも語った。』(上記URLより)

・・・・・・・はあ何を言ってるんですかという所ですが、何らかの問題があるという話をすると金融政策の限界みたいな話になって期待形成に悪影響を与えかねないから問題があるという話をしない、というのならまあ判らんでも無い。

ただですね、これだけ問題ないを連発されますと、そもそもこのオッサンは為替市場には詳しいかも知らんが金利市場知らねえだろとか思う話になる(だいたいQQE導入後もその手のボケ発言をして債券市場を大混乱に陥れたという前科があるし)し、単にシャチョーが個人的に興味が無いというのだけならまだ救いようもあるのですが、一番恐ろしい想像は「市場で起きている現象とその問題について情報がきちんと執行部に上がっていない」とか「そもそも日銀の実務部隊が状況及びその問題について理解していない」という可能性がありそうにしか見えない点でありまして、まさに先の大戦末期を彷彿させる状態であったらもうダメだこりゃという事ですので、そちらの方が恐ろしいのですよね。

『金融政策運営をめぐっては、目標達成の時期として日銀が明言している「2年程度」と、見通しで示している「2015年度を中心とする期間」との整合性を問われた。これに対して総裁は、QQEに「あらかじめ決まった期限はない」とオープンエンドと説明する一方、2年程度を念頭にできるだけ早期に2%の物価安定目標を達成するという「政策の目的は変わっていない」と言明。何らかのリスク要因によって日銀の見通しが変化し、目標達成に必要であれば「ちゅうちょなく」政策調整を行う考えもあらためて示した。具体策は「その時点の金融・経済情勢を踏まえて、必要・適切な施策を行う」と述べるにとどめた。』(上記URLより)

・・・・・・・・ヘッドラインではもうちょっと「順調に進んでいる」とか「所期の効果を上げている」とかいうのが出ていたのですが、まあ黒田さんはどこその置物のように手形の期日が来る前にオロオロしだすような腰の弱さは当然ながら無い訳で、この調子で話をしている上に、短国のマイナス云々も知らんがな状態となりますと、もとより追加緩和云々という話は無い上に、短国買入と長国買入の振替を行う技術的調整で何となく追加緩和に見せかける攻撃のような忍法小手先目くらましの術も出ない、と考えるのが妥当ではないかと思います。

(追記:上記文章で切れている部分を補足します)

そういえば昨日は師匠の妄言に関してああだこうだ書いている内に途中で文章が切れていてアセアセでございましたが・・・・・・・・・・・・

http://jp.reuters.com/article/idJPL4N0SN1X020141028
UPDATE 1-就任前の目標未達なら辞職発言、深く反省=岩田日銀副総裁
2014年 10月 28日 12:59 JST

『岩田副総裁は、昨春の就任前の国会における所信表明で、2年で2%の物価目標が達成できない場合は辞職する考えを表明したことに関し、「(達成できなければ)自動的に辞めると理解されてしまったことを、今は深く反省している」と語り、「まずは説明責任を果たすことが先決というのが真意だった」と説明した。』

んーっとですね、国会の所信聴取って「この人が日銀副総裁として適切か」という事を国民の代表たる国会の然るべき場所で審査するという意味もある訳ですからして、そういう意味では師匠の売り込みの場所とも言えるのですが、そういう場所で「誤認されてしまった事を反省」とか仰るというのが実にこう正直者ではあるのですが金融業界的に見た場合にはお前誤認勧誘したのかよと小一時間問い詰めたい所でして、まあ何ちゅうかこの人金融政策についてああだこうだと10年じゃ効かなく色々な話をしていた割には金融のイロハの部分もご存じないのかという所で、金融商品取引業者が誤認勧誘したら反省してまーすで済む話じゃないんですけどねえというような悪態をつきたかったのを途中で切ってしまいましたアセアセという所でした。

という駄文はどうでもいいから早くFOMCネタにしろですかそうですか(−−;

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2014/09/12

○師匠の会見のクオリティが壊滅的な件について

ベンダーニュースで見た時にはそんなに炎上している感じにも思わなかったのですけれども、これは壊滅的クオリティとしか申し上げようがないですので鑑賞鑑賞。

http://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2014/kk1409b.pdf

・まずは軽くジャブから

『(問) 大きく2 点お伺いしたいと思います。先週来、急激に円安が進んでいますが、製造業を中心に、海外からの部品調達も増えていて、円安は必ずしも望ましいことではないという声も聞かれるようになっています。株式市場でも、あまり好感していないようで、円安が進んでいるにもかかわらず、あまり株が上がっていません。まずは、円安についての見解をお伺いしたいと思います。』

『これに関連して、今日のお話でも、円安は物価上昇をもたらすということが統計的に必ずしも成立していないという話がありましたが、供給制約が原因でコストプッシュ型のインフレになっているのではないかという懸念が根強くありますので、それについての見解を改めてお聞かせ下さい。(後半は後ほど)』

ということで、今回の会見ですが当然ながら物価に関する質問が多くなっていて、あとは為替の質問が多くて、なんでこんなに集中するのだろうと思ったのですが、その理由は後で分かります。

『(答) まずは円安が進んでいることが経済にどのような影響を与えるのかということですが、幾つかあると思います。ひとつは、輸出を促進する効果があるということです。ただ、それは、海外経済がもたついているという要因とか、あるいは海外生産が増えているという構造的な要因があるため、円安の効果で輸出が伸びるというのは、例えば2000 年代中頃に比べると、やはり弱いということは否めないと思います。それから資源調達の面では、円安は困るというような影響はあると思います。』

講演テキストの方では金融緩和のメカニズムとして予想インフレ率が上がって実質金利が下がると外貨高円安になって資産効果は出るわ輸出は増えるわでウハウハという話をしていた筈なのですが、こちらの「円安は困る」とは何のことでしょうかねえ(ニヤニヤ)。

『ただし、円安が進んでも、それをさらに乗り越えていくというような企業の取り組みも進むのではないかと思います。』

なんか急にシバキアゲ根性論のようなものが飛び出しておられますが、円高のせいでエルピーダがどうのこうのとか師匠一派の皆様は仰せになっておられましたが、つまり以前仰せになっておられたような日銀のせいでエルピーダがどうのこうのというのは、「それをさらに乗り越えていくというような企業の取り組み」が足りなかったという事になるんでしょうか。自分が外から勝手放題言っている時には全部金融政策のせいなのにいざ中に入ると円安の問題はお前らで何とかしやがれとはこれまた豪快な説明に恐れ入るしかありません。

『また、物価上昇との関係では、今日申し上げた通りであり、円安によって、短期的、一時的に物価が上昇するということは間違いないと思いますが、もう少し時間が経ってくるといろいろな調整活動等が出てくるので、それだけでは中長期的な物価高の要因にはならないということです。やはり最終的には金融政策がどうあるかということに大きく依存すると思っています。』

置物理論に基づく金融政策で超円高デフレを克服という趣旨の著書があったように思いますが為替は関係ないということですかそうですか。


・2年で目標達成しない場合のツッコミキタコレ

というかこれ今引用した実質冒頭の質問の続きでして記者の皆さん優秀ですな。

『(問)(前半は直上で引用した部分)2 点目ですが、副総裁は、2013 年3 月に、2%の物価目標について所見を述べられたときに、2 年で達成できなかったらお辞めになるというようなご趣旨で強い決意を示されたと思います。あれから1 年半が経って、今日も、趨勢的に2%の達成はできるというご趣旨で発言されたと思うのですが、2013 年3 月時点でのご覚悟に今の時点でお変わりはないか、ということを改めてお聞かせ下さい。』

(;∀;)イイシツモンダナー

『(答)(前半は直上で引用した部分)それから2 年程度云々というご質問ですが、今一応そういう状況に向かっているので、それが達成できなかったらどうかということを今は考えていません。いずれにしても、オントラックであるし、オントラックを持続できるような金融政策を実現できるように努力したいと思っています。』

とのことですが、講演の方では「2015年度を中心とする期間」に2%に達するという話でありまして、既にこの時点で2年で達成できるというタイムスケジュールになっておりませんが、そうなりますと何がどうオントラックであるのかという点についてより明確な説明、すなわち講演の方で説明したのは展望レポートで示した見通しだが、岩田副総裁の見解としてはあくまでも2年間である所の2015年春に2%に達するという見通しであると断言して頂きたい所ですが、そういう話は一切しないところが卑怯者クオリティとだけ申し上げておきましょう。


・需給ギャップと予想インフレ率に関するツッコミ

一つ飛ばして次の質問もテラ優秀。

『(問) 講演の中で、物価を押し上げている最大の要因は、「量的・質的金融緩和」による需給の改善であると述べられています。』

さよですな。

『ただ、需給ギャップについてですが、足許で、4〜6 月は、消費増税駆け込み需要の反動で大きく落ち込んだこともあって、民間の今年度の成長率見通しは、ほぼ0%に近いような状況になっています。日銀は、10 月末に展望レポートを公表して、そこで新たな見通しをお出しになると思うのですが、下方修正は必至ではないかとみられています。』

(;∀;)イイシテキダナー

『物価を決めるもうひとつの重要な要因と指摘されている期待インフレについても、1 年半前、2013 年の4 月4 日に「量的・質的金融緩和」を導入した時と比べれば、確かに水準は高いのかもしれませんが、3 か月前、あるいは6 か月前と比べてみると、せいぜい横ばい、ないしはBEI等をみるとむしろ下がっているのではないかという指摘もあります。』

(;∀;)イイシテキダナー

『需給ギャップがこのような状況であり、期待インフレもそんなに上がっていないということであれば、やはり物価の上昇について、どうして上がっていくのかということになるのではないかと思います。(この先も面白いので後ほど)』

で、師匠の説明が全然説明になっていないのがもう壊滅的。

『(答) まず需給ギャップに関してですが、成長率が鈍化しているというご指摘でした。今後、見通しは、展望レポートでまとめていくので、今、申し上げることはできませんが、私は、需給ギャップは縮まっていくというように思います。』

?????????????

『それから、需給ギャップの見方として、私は、雇用指標の方を注視しています。』

ほうほう需給ギャップのファクターとしてはGDPではなく雇用だと仰せで。

『雇用は相当タイトになってきていると思いますので、その面から需給ギャップを捉えると、やはり需給ギャップの改善が物価を押し上げる要因として働いていくと思っています。』

雇用だけ逼迫しても別にそれだけで有効需要が増えるんでしょうかねえ。それ雇用が逼迫する背景に何があるかによって変わってくるんじゃないですかねえ。

『それから、予想インフレ率は、全体としては、やはり上がっているという傾向には、変わりはないというように思います。』

はて???

『ご指摘のBEIは、10 年物では、8 月頃から少し下方のトレンドにあったかと思いますが、それは個々の投資家の益出しなども短期的には影響しますので、そういうことを繰り返しながら、BEIもだんだんと上がっていくのだと思います。』

えーっと、益出し云々とかおじいちゃん自分で何を言ってるのか分かってますかねというのがまずは頭の痛くなる所ですが、さらにBEIが今後上がっていく見通しの根拠が無いんですけど大丈夫ですか????

『BEIは、8 月末で下げ止まって、今また上昇トレンドに戻っていると思います。』

ほほう。まあ円安進行の影響ですけどまあ良いとしましょう。

『そのほか、BEIだけではなく、企業、家計がどのように予想しているかは、もう少し色々なデータで見ています。そういう面で、全体に上がっているというのは、単月での振れはありますが、その傾向は、変わっていないのではないかと思います。(続きは次のコーナーで)』

「単月の振れはありますが」って今まさに仰せになった8月末から直近という2週間にも満たない期間のものがまさに「単月の振れ」じゃないんですかねえと思いますが、実は最後の質疑の答えの中ではこんな話をしていたりするんですよね。10ページ目に飛びますけど。

『(答)(途中割愛)。ただし、単月でみれば、マインドが足許では少し下がるというのは避けられないので、もう少し長い目でマインドの変化とか、そういうものをみていきたいと思います。それを早急にマインドが弱っているとか、景気ウォッチャーが単月で下振れたからといって、マインドが落ちているという風に、判断するのは避けたいと思っています。』

8月末から2週間の動きを捕まえて「下げ止まって今また上昇トレンドに戻っている」という発言をしたお方が同じ時間帯に同じ口で申し上げたとは思えないこの時間軸自由自在な説明、ともうしますか、はいはいおじいちゃんさっき逆の話をしてたでしょというワンダーランドな世界に最早ひれ伏すしかありません。


・師匠がどうも講演で謎のアドリブ炸裂したために見事に丸焦げになっている件について

今引用した質疑の最後の所が実は大変に香ばしくて師匠の姿焼きがこんがりと出来上がっているということで質問した記者様マジ有能。

『(問)(前半は直上で引用した部分です)むしろ、今、円安が加速しており、先程の講演では、講演録にないご発言ですが、円安自体がデフレ要因になる可能性があるので、金融政策で対応が必要だということもおっしゃいました。アドリブで講演中におっしゃったと思いますが、そういうことからすると、足許の円安は、むしろ今後の金融緩和、追加緩和の必要性を強めるようになるのではないかと思うのですけれど、如何でしょうか。』

な、なんだってー!!!というかそういや一部では「円安進行で実質所得が減少するから追加緩和待ったなし!!」とか言い出す人まで居るというのを聞いて耳を疑ったのですが、実は元ネタは師匠のアドリブだったんですね!!!!

『(答)(前半は直上で引用した部分です)円安というのは、それ自体が短期的には物価を上げる要因であると申し上げたのですが、中長期的にみると必ずしもそうではないので、それがデフレ要因であるかというところは、私がもしそのように言ったのであれば、それは言い間違いです。』

ほうほう。なおこの後同じ記者と思われる方の無慈悲なツッコミが待っておりますのでお楽しみに。

『正確に言うと、こういうことです。円安は、まずは物価を上げる要因になるわけです。しかし、実質所得が輸入物価の上昇等で下がってくるので、他の物を買う際には節約しようとして、物価を下げる要因にもなって、その上げる要因と下げる要因がどこまで相殺し合うかということです。』

講演テキストの方にはそんな説明一切無くて、実質金利が下がって外貨高になってウハウハという話しかございませんでしたがががが。

『時間の取り方によっても違うと思います。上げる圧力に対して、下げる圧力もありますので、両方を合わせるとニュートラルになる可能性もあるし、上げる方の力が最後まで強い場合もあるし、下げる力の方が強くなる場合もあるということで、円安ということだけで、物価の動向をみるというのは難しいと思います。』

2012年にお書きになられた著書につきましてはどのようにご説明頂けるでしょうか????

『むしろ需給ギャップであるとか、予想インフレ率とか、雇用指標はどうかとか、具体的に言うとフィリップス曲線がどう変化するかとか、そのようなことをみた方が分かりやすいと思います。』

すいませんちょっと仰っている事が良くわかりませんが。

『短期的には、個々の価格から予測は当たりますが、中長期的に考えると、どちらに物価が変化するかは分かりません。だから、もう少しマクロの指標をみた方がいいというのが私の趣旨です。』

個々の価格のトレンドと中期の変化は独立であるとはこれまた斬新な理屈、というかそもそもさっきの質問だって「円安」という全体にかかわる部分についての物価への影響だし、同じ質問の前段は思いっきり需給ギャップと予想インフレ率の見通しに関する質問なのですが何を仰せなのでしょうか???

『円安になるとデフレになると言った覚えはありません。』

ということですが、この次に無慈悲な攻撃が登場しますよ!!!

『(問) テープを聞き、メモもしていますが、申し上げると、「円ドルレートが安くなると、輸入財が高くなるので、短期的には物価を上げる要因になるが、消費者の色々な行動を考えると、それがむしろ物価を引き下げる方向に働く」とおっしゃっています。』

無慈悲な砲撃キタコレ!!!

『(答) それだけだと正確ではありません。他の財は下がるという要因があるということです。』

しかしその程度で引き下がるようなヤワな同志ではありません!

『(問) その後に、「金融政策がそれにきちんと対応しないと、結局下押し圧力が強くなるということです。それ以外に、短期的には輸入価格が上がって物価が上がるから実質所得が下がって、消費者が節約行動をとるので、物価が下がる圧力が強くなる。その下落はデフレになっていくので、それを食い止めて、バランスを釣り合わせながら物価を上げるには、量的・質的金融緩和のような政策が必要になる」と言われました。』

どう見ても火の海です本当にありがとうございました(・∀・)

『(答) 分かりました。もう少し正確に言いますと、そのように円安になるから物価が上がるという面もありますが、中長期的には、他の価格が下がる要因がありますので、下がる方が相殺する以上に働くリスクもあるということです。そういうリスクが大きいかどうかを見極める必要があります。それが、デフレになるほど下がる方の影響があるかどうかを見極めた上で、金融政策を運営すべきだということです。正確に言うと、そういうことです。』

「正確に言うと」もへったくれもそもそも記者の方の取ったテープ起こしだと両面の話なんぞしてないじゃないですかいい加減にしろ!!!という所ですけれども、それ以前の問題としてQQEのメカニズムについて講演テキストでは予想インフレ率の低下で(途中割愛)円安ウハウハという話をしているのに、こちらでは中長期的に物価にマイナスの場合もあるとかちょっと何を言いたいのか判らないという所です。

つーことで、毎度申し上げておりますように、説明のパーツパーツではその部分だけ単独で見た場合には筋の通った話をしているのですが、全体として見た場合の整合性やバランスが全然とれていない、という毎度の指摘に通じるのがこの一連の話で、まあ学者先生が意味不明な机上の空論を供述している分にはハイハイワロスワロスという事で良いのですが、全体的な整合性もバランスも考えないで部分的な適合だけ考えてバランスもへったくれもない政策を実施したら案の定実行してみたら乱暴な政策でございましたというのが足元で起きている現象だとしますと、このパーツパーツだけしか考えない理論によって既に問題が出ている訳で、2年と言わず早急に以下悪態という所ですな、うんうん。


・円安進行に関しての質疑もこれまたアレ

この次にこんなのがあります。

『(問) 円安の関係ですが、今日の講演にもありました企業の海外との連結での収益がよいという話ですが、足許の円安進行は、ポジティブという理解でよろしいでしょうか。』

『(答) 製造業には、そういうものがあったと思います。海外の子会社の配当が入ってくるものを円に換算すると高くなる、という効果があったと思います。』

ほらまた狭い一面の話だけしかしないよ。で、一つ飛ばして次の質疑。

『(問) 円安についての質問で恐縮ですが、今日の企業の方との懇談会では、企業の方から、更なる円安について、安定してほしいなどの何らかの意見があったのかどうか、というのがまず1 点目の質問です。あと、先程来、色々と出ていますが、全体として、ここから先円安が進むことが日本経済にとって、良いのか悪いのか、一概に言えないのかどうか、というところをお伺いしたいと思います。また、先週、黒田総裁が、記者の質問に対して、円安がないと2%達成できないというふうに考えるのは邪推だとおっしゃったわけですけども、その点について副総裁のご見解をお願いします。』

という質問だったのですが、円安の全体としての評価についての説明をしないで2%物価の方の話になっておりますがまあそこは良いとしましょう。で2%達成云々の部分です。

『(答) 本日の懇談会では、企業の方からは、為替は安定して欲しいという意見がございました。』

まあこれは良いとして。

『それから、円安でないと2%にならないとか、円高になると2%にならないとかというのは、先程申し上げたように、色々な要因がどのように相殺されるかによって違います。上がる・下がるという2 つの要因があるというよりは、時間軸でも違うということです。』

2012年の師匠様の著書「デフレと超円高」では『第一章円高はなぜ起きるのか』『第二章デフレは円高を生む』という章立てになっていたと存じますが・・・・・・・・・・

『長くなるほど、いろいろな調整もあって違ってくるということがありますけれども、そういうことを考えながら、金融政策を運営していますが、円安にならなければ2%達成しないとか、そういうふうには思っていません。』

どうも何を仰せになりたいのかが意味不明な日本語で。

『今日の説明でもありましたが、需給ギャップを縮めていくには、いろいろな経路があります。』

実質金利を引き下げると全部上手く行くという置物桶屋理論だったのではないでしょうか????????

『円安というのもそのひとつですが、それも短期と中期では違うし、先程記者の方から、円安になるとデフレになるから私が対応しなければいけない、と言ったのではないかとの指摘もありましたが、そうは言っていません。そう言ったのであれば、私の舌足らずで、きちんと説明しなければならないと思います。』

どうもさっき突っ込まれた事が気になっておられるようです。というか桶屋理論の表は何だったんでしょうか。

『世の中が円安になると必ず物価が高くなると思っているようなので、それに対しては、他の価格に対して、直ぐに調整は働きませんが、中長期的にそういう下げる力もあるということです。』

これ要旨作る事務方も相当苦労したと思われますな。

『円安になればなるほどよく、日本銀行は、物価が上がればいいので、円安で2%を達成しようとしているというご意見に対しても、説明をしたということです。』

円安によって資産効果と需要創出と輸出拡大が起きるという説明をしておられたのは師匠様なんですけどねえ。

『色々な経路を通じて、物価に影響は与えますが、一番の基本は、需給ギャップと予想インフレ率です。』

2012年の師匠様の著書「デフレと超円高」では「第五章デフレは貨幣的現象である」という小見出しがあった筈ですが何故需給ギャップと予想インフレ率なんでしょうか。

『予想インフレ率と需給ギャップに注目するのは、フィリップス曲線に注目しているということでもあります。』

『フィリップス曲線の動きは、今日説明しましたが、フィリップス曲線は、失業率の状況がどのようにインフレ率に影響していくのかを示すものですが、実際のインフレ率に加え、予想インフレ率にも依存するので申し上げました。』

などと意味不明の供述を繰り返しており、

『この問題は大学の講義みたいに難しいので、うっかりすると間違ってとらえられるなというふうに、反省しております。』

(誤)大学の講義→(正)蒟蒻問答

つーか難しいも糞も最初の説明が只の舌足らずどころか一面だけの話で全部話した気になっているだけだろいい加減にしろ!!!!!


・ということで円安の経済の影響ですが

『(問) トータルでみた経済への影響の見解についても、お願いします。』

『(答) それは状況によります。円安になればなるほどよいというわけではありませんし、円高になればなるほどよいというわけではありません。』

何度も同じツッコミをするのもいい加減疲れますが講演テキストでは以下同文。

『需給ギャップが落ち着いてきて、やはり完全雇用になってくると、それで雇用が安定してくるとか、物価も安定してくると、為替というのはどこかで均衡してくるのだと思います。どこで均衡するかというのは、予想することは難しく、私から言うこともできません。』

あのーすいません。おじいちゃん展望レポートで経済物価見通しの予測をしていると思うのですが、中長期的な均衡点を何も置かないで積み上げで予想しているんでしょうか???というか別に積み上げで予想したって良いとは思いますが、だったら先ほどから物価の話をするのに「中長期を考える上ではマクロの動向が重要」とミクロの積み上げはあくまでも短期の話だという主張をしているのに、その中長期の話においてどこかで均衡するか予想するのは難しくってナンジャラホイというか最早何を言ってるのかが判らんですけど。


・短国マイナス金利買入に関する質疑

まあ問題あるとも答えにくいので、その点については仕方ないかなあとは思っていたのですが、やはり質疑を見ると問題が大いにある説明をしているのでありました、市場動向云々とは別のレベルですけど。

『(問) (前半割愛)2 点目は、昨日、短期国債の買い入れで、日銀がマイナス金利で買ったのではないかと、市場で言われておりますが、事実の是非はお答えできないということは理解できるのですが、一般論として、マイナス金利であっても、マネタリーベースの目標のためには、国債をしっかり買っていくということは変わらないのかということと、マイナス金利で買うことにコストなり副作用といったものがあるのか、という点について、ご見解を伺いたいと思います。』

ということで、まあマイナスだから問題というような説明はしにくいだろうなと思ったのですが、師匠の説明はそういう次元を超越した斜め上の論点を呈示していました。まあ市場は斜め上の論点へのツッコミではなく(先ほど申し上げたように)マイナス金利ヒャッハーという現象面の話だけで反応していますけどね!!!

『(答)(前半割愛)それから、マイナス金利の話ですが、これは、2012 年7 月の金融政策決定会合において、短期国債の買い入れをより確実にするために、入札の下限金利というのを撤廃しておりますので、もしあったとしても、問題はないと認識しています。オペレーション上も、何かそれが障害になることはないと思います。』

2012年7月の入札下限金利撤廃というのはこの時の声明文に説明のようなものがあります。

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2012/k120712.pdf
(ちなみに当該部分は2ページ目になります)

『8.なお、このところ、固定金利方式・共通担保資金供給オペレーション等において応札額が未達となるケースがみられている。日本銀行は、資産買入等の基金の着実な積み上げを通じて前述の金融緩和を間断なく進めていく観点から、本日の会合で以下の措置を決定した。

(1)固定金利方式・共通担保資金供給オペレーションを5兆円程度減額し、短期国債買入れを5兆円程度増額する。
(2)短期国債の買入れをより確実に行うため、当該買入れにおける入札下限金利(現在、年0.1%)を撤廃する。CPの買入れについても同様とする。
(3)固定金利方式・共通担保資金供給オペレーションについて、金融機関の資金需要に柔軟に対応するため、「期間3か月」と「期間6か月」の区分をなくし、「期間6か月以下」とする。』(2012年7月決定会合声明文より)

・・・・・・・ということでございまして、マイナス金利での短期国債買入というのを想定したような決定とは全く関係ないものでありまして、今回の事案に関して2012年7月の決定からの既定路線であるかのような説明は強引にも程がある訳で、これはまあ師匠がオリジナルでこんな答えを出すとも思えない(別に馬鹿にして言ってる訳では無くて、こんな技術的なクソ細かい話って就任後の分ならまだしも就任前の話だったら師匠知らんでしょという意味です)ので想定問答を棒読みしたのかとは存じますが、あまりにも想定問答の作りがダメダメすぎるので猛省を促したい所であります。

まず「2012年7月」というマイナス金利での買入が想定できないような時期からの既定路線であるかのように説明するのがインチキな上に、2012年7月という前任総裁副総裁の時期を出している所が、あたかも前任に責任を転嫁するかのようなレトリックでケシカランと思う訳で、とりあえず想定問答は赤点再履修にも程があるという所ですな。

それにですね、この想定問答(勝手に想定問答棒読み扱いしていますが師匠の完全オリジナルならゴメンナサイ)ですけれども、もっと重要な点として、質問にもありますような「コストなり副作用といったものがあるのか」という点に関する部分が単純にオペレーショナルな部分、すなわち日銀とオペ先との間の関係にのみフォーカスした答えになっている点がゴミ答弁にも程がある所でして、先般来申し上げておりますように、オペマイナス金利のデメリットってオペレーション技術上の問題というよりは、市場と実体経済を繋ぐ部分において、「市場金利には名目ゼロ制約は無くても、実体経済には名目ゼロ金利制約がある」というギャップが顕在化する点の影響考慮が重要な点であり、それは実際に何かトンデモナイことが起きる可能性を秘めているけれども実際には起きて見ないと判らず、多分起きたら盛大な不都合が生じて金融政策のトランスミッションメカニズムに悪影響を与える事になるであろう、という話であって、単純なオペが打てる打てないの問題だけで済む問題ではないのですよね。

でまあ今回作られた想定問答(しつこいですが師匠の完全オリジナル答弁だったらスイマセン)のクオリティから勘案しますと、前半の市場雑談でも申し上げた「本当に覚悟を持ってマイナスを付けに行った(かどうか確定していませんが普通に市場がマイナスを付けたと認識するような状況を作ったという意味において)のか」という点に関して、実はお前ら何も考えないでマイナス付けにいったんじゃねえのか事態を分かってるのかと小一時間問い詰めたくなる、という点でも中々象徴的なコメントなのではないか、とまあ斯様思うのでありました。


#最後は師匠鑑賞会じゃなくて短期市場悪態コーナーになってしまいましたなすいませんすいません

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2014/09/11

○師匠の高座キターーーーーーー!!!ですが今回は参考文献も並べて味わってみましょう(・∀・)

師匠の金沢市での金懇テキスト
http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2014/data/ko140910a1.pdf
最近の金融経済情勢と金融政策運営
―― 石川県金融経済懇談会における挨拶 ――

でまあ暫く前の高座の時に申し上げましたが、この鶴光師匠もとい副総裁様におかれましては、(1)アプリオリに「こうなる」と言っている所与の部分についてその前提が怪しい、(2)相関関係と因果関係の取扱いが雑で(というか意図的かどうか知らんが曖昧に扱っていてというのか)自説に都合の良い因果関係がホイホイ出て来る、(3)何らかの現象について説明する際にその時々で違う説明をするので通してみると前後矛盾が発生する(つまり説明がご都合主義)、(4)説明に都合の良い話だけ持ち出してくる、というのがありますなあというのが特色だなあと思う訳で、こんなので何で経済学者が務まるのかよく判らんのですけれども、まあ今回もそのようなクオリティが炸裂していてツッコミ所がどうのこうのというよりも突っ込まない場所を探す方が大変という素敵な仕上がりになっています。

でですね、今回のカウス師匠もとい副総裁様の高座を鑑賞するのにちょうど良い参考文献があるわ(ただし別に中身ではなく小見出し見るための参考文献だが)と思ったので参考文献も並べて鑑賞すると実に香ばしくなって参りますのでオヌヌメ(かどうかは知らん)。

http://bookclub.kodansha.co.jp/product?code=288091
デフレと超円高 著:岩田規久男
発売日: 2011年02月17日定価 : 本体740円(税別)
ISBN:978-4-06-288091-6
判型/ページ数:新書/240ページ
シリーズ:講談社現代新書

以下、『』が毎度の引用部分ですけれども、特段注釈がないのは昨日の金懇挨拶テキストからの引用、引用部分に(2011年の岩田さん著書紹介より)とあるのが上記URL先からの引用になります。


・物価動向の説明が色々と怪しい点について

でまあ最初の小見出しは『2.日本経済の現状と先行き』でして、説明内容は思いっ切り展望レポートの話になっているのですが、物価の辺りは微妙に師匠節が混じっています。ということでいきなり本文5ページ目まで飛びます(そこまでの説明は展望レポートの棒読みと言っても過言ではないので、ある意味ここだけはツッコミを入れても展望レポートの楽観大本営へのツッコミなのでおもんない)。

『(2)物価動向』のところから。

『続いて、物価動向についてお話します。生鮮食品を除く消費者物価の前年比は、消費税率引き上げの直接的な影響を除いたベースでみて、7月は+1.3%となっており、「物価安定の目標」である2%の実現に向けての道筋を順調に辿っているとみています(図表7)。』

とまあそれは良いとして。

『物価動向をみるうえで重要なことは、毎月の消費者物価指数の数字は振れを伴うものであって、基調的な物価上昇圧力は、「需給ギャップの改善」と「予想インフレ率の高まり」という2つの要因で決まるということです。物価の基調を判断するためには、こうした2つの要因を丹念に点検していく必要があります。』

ここの部分なんですが、既に出ているけどまだネタにしていない8月金融政策決定会合議事要旨で似たような話をしている人がいて「細かい物価のコンポーネントを見て上がる下がるの先行き予測をするのは意味が無く、コンポーネントの積み上げで考えても意味が無い」的な正論と珍理論の紙一重的な話をしている部分があってこれは師匠かなと思ったのですがどうも師匠のようです。

でまあそれは兎も角として、師匠におかれましては「基調的な物価上昇圧力は、「需給ギャップの改善」と「予想インフレ率の高まり」という2つの要因で決まるということです」と仰せのようですが、ここで2011年の著書の見出しを拝見してみますと・・・・・・・・

『第五章  デフレは貨幣的現象である』(2011年の岩田さん著書の見出しより)

という小見出しがございまして、ええっとデフレが貨幣的現象なのに物価上昇圧力には需給ギャップと予想インフレ率の要因で決まるとは2011年の説明との整合性をお伺いしたいのですがまさか日銀に入って変な物でも食ってはいはいおじいちゃんおじいちゃんとなってしまわれたのではないかと大変に心配になる所ではございます。まあMB増やすと予想インフレ率が上昇する(と毎度のように師匠はアプリオリに認定しているのですがそもそもそのメカニズムもおかしいだろと思いますが)というから予想インフレ率は貨幣の上げ下げに影響されるのかもしれませんが需給ギャップは貨幣の上げ下げ関係ないだろいい加減にしろ!という所ですな、うんうん。

『先ほど申し上げたとおり、労働需給が引き締まっているほか、設備についても過剰感はほぼ解消され、稼働率が高まっています。こうしたもとで、需給ギャップは緩やかに改善し、最近ではゼロ近傍になっています(図表8)。また、後ほどご説明するように、中長期的な予想物価上昇率は、全体として上昇しているとみられます。』

まあこれはどうでもよい、というか需給ギャップ最近ではゼロ近傍って直近のGDPはどうしたと思いますがそのインチキ説明はそもそも執行部として行っているので師匠云々関係なし。

でまあ先行きの話なんですけどね。

『やや仔細に申し上げると、暫くの間は、石油製品を中心としたエネルギー関連のプラス寄与が縮小していくことから、1%台前半で推移するとみています。しかし、その後は需給バランスが需要超過方向で推移し、中長期の予想インフレ率が上昇していくもとで、再び上昇傾向を辿り、2014年度から16年度までの見通し期間の中盤頃、すなわち2015年度を中心とする期間に、「物価安定の目標」である2%程度に達する可能性が高いと考えています。』

えーっとすいません、「2年で2%物価目標達成しなかった場合は責任があって最高の責任の取り方は辞職」だったと思うのですが、「2015年度を中心とする期間」だったら2013年4月から2年以上たっている可能性の方が高いだろいい加減にしろ!という所でありまして、いけしゃあしゃあと何を仰せなのでしょうかこの人はと思う次第です。

まあ一億歩譲ってこの部分は展望レポートでの見通しを申し上げたという事だと致しましても、「2年で2%を達成しないと辞任」とまで大見栄を切って前任者を石持て追い出した(ようなものの)お方なのですから、当然説明の中に「私は2013年4月に申し上げましたように2年間、つまり来年の春には達成できると考えています」という一文を加えるべきではないかと思うのでして、早くも「2年で2%達成できなかったら辞職」を逃れようとする気満々なのが見て取れるというものであります。


・QQEの効果の話が相変わらずのクオリティ

次が『3.金融政策運営について』でして、相変わらずの置物理論で風が吹けば桶屋が儲かるという話をしているのですけどね。『(2)「量的・質的金融緩和」の波及経路』という小見出し(本文7ページ)の辺りからです。

『まず、金融緩和の波及経路についてご説明すると、最初の重要なポイントは、「予想実質金利の引き下げ」です(図表10)。』

ということで図表10というのが毎度お馴染み風が吹けば桶屋が儲かるの図表なのですが、相変わらずQQEを実施すると何で予想実質金利が下がるのかがアプリオリになっています。

『「量的・質的金融緩和」は、長期国債の大規模な買入れ等を通じて名目金利に下押し圧力をかける一方、予想インフレ率を押し上げることにより、その差分である予想実質金利を低下させることを意図しています。』

でまあ予想実質金利が低下するとどういう効果があるのかというのが相変わらずである。

『予想実質金利が低下すると、様々な面から実体経済における需要が刺激されます(図表11)。例えば、予想実質金利が低下すると、相対的に不利になった現預金や債券から、株式や土地・住宅等の実物資産、あるいはより金利の高い外貨への資金シフトが起り、その結果、株高や外貨高による資産効果によって家計の消費が刺激されます。』

ということで、外貨高になると資産効果でウハウハという話をしておりますが、外貨高というのはエネルギーなどを輸入に依存している日本の場合はそういう物のお値段が上がって実質購買力の海外漏出が起きるという面がありますよという話をスルーしているのが毎度の「物事の一面だけで説明する」というそれで社会政策をやる積りかよという話ではありますし、(今日テキストでますけど)会見では円安が良くない場合もあるみたいな発言もしていたみたいで、だったら円安でウハウハというこの説明は何なんだかという話。

『また、予想実質金利の低下に加え、消費の増加、株高および円安など複数の要因に後押しされた企業は、設備投資に積極的になると考えられますし、円安による輸出の押し上げ効果も期待されます。』

ちょっと笑ってしまったのはここでして、従来は「企業は予想実質金利が低下すると設備投資を拡大します」(キリッ)とアプリオリな話として説明していた置物桶屋理論の表現が変わっている事で、「複数の要因」だの「考えられます」だのという逃げ口上が入っている訳でして、先日ネタにした国会での所信聴取での説明はどこに逝かれたのでしょうかと小一時間問い詰めたい訳ですし、円安による輸出拡大も「期待されます」とか実際に円高修正したものの輸出がそんなに伸びていない件についての逃げ口上がある辺りが実に味わいの深い所ではございます。


・賃金に関する説明が中々アレな点

でまあその次が『(3)「量的・質的金融緩和」の効果』でして、執行部的な説明が続く部分は正直どうでもよい(執行部的な説明に突っ込んでも良いのだがいつもの話なのでパス)のですが、その後に味わいが。

『こうしたお話しをすると、「名目賃金の上昇が物価の上昇に追いつかない結果、実質的な賃金水準は下がっているのではないか」とのご批判を受けることがあるのですが、私としては、「物事には順序があるので、もうし辛抱強く政策効果を見守ってほしい」と申し上げています。』

もうワロタというか何というかですが、まあその前に2年で2%が来ないと辞任になっちゃいますね!!!!!

で、この次に賃金が上がるのにちょっとお時間がかかるという話をしているのですが・・・・・・・・

『企業側の立場で考えると、一旦増やした正社員は簡単に減らせませんし、一旦上げた給与はなかなか下げられません。』

・・・・・・・・・えーっと、ジャクソンホールでの黒田総裁の講演でもありましたし、他の多くの人たちも指摘していますが、日本の場合は雇用の需給調整を行う際に、雇用者での調整を行うよりも給与水準での調整を行う傾向があって、その結果として失業率などは低位で推移するものの、名目賃金上昇圧力が弱いどころか下落の圧力が掛かり、それも日本の粘着性の高い物価低迷の一因になったという話になっていると思うのですが、また随分と面白い説明ですね師匠!!

というか、師匠の2011年の著書紹介文でも・・・・・・・・

『緊急出版! 日本経済の危機と希望を問う!若者の就職難、雇用の不安定、賃金の低下、社会保障制度は崩壊寸前、今の生活のままでいいのか。』(2011年の岩田さん著書の紹介文より)

とありますが、まあこれは出版社が勝手に書いた事で、名目賃金には下方硬直性があるからデフレになると企業の労働コストが高止まりして企業収益を悪化させるのが経済学の常識ですねわかります。


・円安と物価の話も味わいがあります

ちょっと飛びまして本文10ページ目に『(5)物価上昇の要因――円安と物価――』というのがあります。

『このような状況から、日本銀行としては、先ほど申し上げたとおり、2%の物価安定目標は達成できるものと考えていますが、当然ながら、そのことに否定的なご意見も聞かれます。代表的なものは、「現在の物価上昇は円安による輸入物価(特にエネルギー価格)の上昇によるものであり、その効果が剥落すれば物価上昇のペースは下がるに違いない」という議論でしょう。』

ほほう。

『しかし、実際のデータを確認すると、「量的・質的金融緩和」以前は、為替レートの変化と物価上昇率の間に、有意な相関は見出せません(図表16)。つまり、円安が物価上昇をもたらすという関係は、必ずしも成立していないのです。』

ちなみに図表16というのは1998年4月以降の前年比ドル円為替レートの%対比と、コアCPI前年比%をプロットしたものになっておりまして、相関係数マイナス0.15というのが堂々と出ておりますな。

・・・・・・・・さて、ここで2011年の師匠の著書の題名と見出しを確認してみましょう。

題名→『デフレと超円高』、目次→『第一章  円高はなぜ起きるのか』『第二章  デフレは円高を生む』(以上2011年の岩田さん著書紹介ページより)

デフレは円高を生むという著書をだしておられます一方で「円安が物価上昇をもたらすという関係は必ずしも成立していない」とはこれまた豪快な説明でございまして、師匠におかれましては早急に2011年の著書を全面的に回収して焚書の措置を取られた方が宜しいのではないかと進言させて頂きとう存じます。

『この理由を簡単にご説明すると、「他の条件を一定とした場合、円安などによって輸入品の価格が上昇すると、それ自体は物価の上昇要因である一方、そのことによる実質的な所得の減少は、輸入品やそれ以外の財・サービスに対する需要を減少させ、それらの価格を引き下げる効果をもたらす」ということです。』

っていうのはこの部分だけ切り取るとその通りですが、はいはいおじいちゃんさっき「外貨高の資産効果や輸出拡大で需要が上がってウハウハ」って話をしてたでしょいもう忘れたんですかという話で、片方の口でそういう話をしているのに、ここで急に「他の条件一定で」みたいな話を持ち出すとか説明がご都合主義にも程がある訳で、こういう辺りが置物師匠一派の置物理論のアレな所で、パーツパーツでは部分的にフィットする説明をしているのですが、部分部分の説明が正しくても全体の整合性が取れていないので何が何だか判らん話になりますし、実際に政策をおっぱじめてみると当初こそパーツの部分のフィットで効くにしろ、徐々に全体の整合性問題が発生してプロコン的におかしい事になる、というのがQQE実施して1年半経過となった時点で起きてる現象なんじゃネーノと思うのでありますがどうでしょうかねえ。

と、考えますとちょっと先にある部分、さっきもそんな事言ってましたが、この師匠の説明に関してははいはいおじいちゃん鏡を見て下さいねと申し上げたくなる味わいの深さを感じる訳です。

『このように、円安などを原因とした特定の財・サービスの価格上昇が、全体としての需要や物価に対して最終的に及ぼす影響は、様々な波及効果の集積として決まってくることであり、一対一の関係として語れるものではありません。言い換えると、ミクロの変化を単純に積み上げても、マクロの変化を予想することはできないということです。』

まあお前の図表10とか、さっきからの「パーツパーツの説明は合っているけれども全体の整合性を何も考えていない説明」について良く良く自省してから同じ言葉を仰せになられた方が宜しいのではないでしょうかと。

『マクロ的な物価の動向を予想する際には、やはりマクロの視点で分析することが必要です。』

ぷぷぷ。

『具体的には、経済全体の供給力に対して、どのくらいの総需要が存在しているのかという、需給ギャップ分析が重要になります。足許の物価上昇の最大の要因は、金融政策の効果などによって経済全体の需要が拡大していることであり、そうした需要圧力があるからこそ、輸入品のコスト増や消費税率引き上げの価格転嫁も、円滑に行われているのだと考えています。』

つ貨幣的現象

・・・・・・ということで、まあ色々と読んでいて頭痛が酷くなる講演で誠にアレでございましたが、基本的な説明については2013年10月の中央大学での講演辺りで盛大にツッコミをいれましたので、まあ今回は従来の話にちょっと付け加えられた部分をツッコんでみました。

#もっと生産性のあるネタがあるのに師匠ネタやってるんじゃねえという指摘は謹んで却下致します(^^)

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2014/09/10

さてさてこれらのネタに加えまして、本日は石川県の金融経済懇談会で我らが師匠が落語もといご挨拶をされまして、そのうえ記者会見があるという事でして、金懇会見と言えば某サユリ様と記者様とのやり取りが面白いので本日はぜひともそれ以上のハイクオリティな応酬を期待したい所であります。

・・・・・・・などと思ったらこの絶妙の時期にこんな記事が投下されておりました。

○まあどうでも良いネタだが話のマクラにするには長すぎるので雑談ネタ

朝日新聞のサイトですが「東洋経済の眼」って名前のコラムコーナーです。
http://www.asahi.com/business/toyoeye/ASG9355WBG93ULFA01V.html
岩田副総裁の覚悟 日銀を追い詰めずに見守ろう
2014年9月6日09時53分

上記のように朝日新聞のサイトですが書いているのは東洋経済さんのようですが、この題名を拝読するに「2年で2%」目標達成に向けての達成に関連して岩田副総裁様を「追い詰めよう」というような人がいるんですか随分な悪党もいたもんですねえどこのロクデナシなんでしょう(棒読み)。

などと思いを馳せつつ記事を拝読しますと大変に豪気な記載が。

『しかし、岩田規久男副総裁は就任直前、国会で「(2年で2%を)達成できないのは責任が自分たちにあるというふうに思う。最高の責任の取り方は辞職することだ」と明言しました。就任前、白川日銀を激しく批判していた副総裁だけに、日銀関係者の間では今も「2%が実現できなければ辞めるべきだ。辞めれば、男岩田の株もあがる」という声がくすぶります。』(上記URLより)

>辞めれば、男岩田の株もあがる
>辞めれば、男岩田の株もあがる
>辞めれば、男岩田の株もあがる

・・・・・( ゚д゚)
・・・・・(つд⊂)ゴシゴシ
・・・・・(;゚д゚)

えーっとですな、大口叩いてやると言ったことが実現できないという時点でただの敗者な上に大口叩くわ元の人たちを悪しざまに罵って石持て追い出すわで、通常の敗者よりも罪が一段と深いとしか思えんのですけれども、何で「男岩田の株があがる」のかアタクシ愚昧にしてさっぱり理解に苦しむ次第であります。

まあ斯様な声を上げておられる方というのが実在するのか記事を書かれた方の想像上の存在に過ぎないのかは存じ上げませんが、仮に実在するのであれば、「男岩田の株もあがる」などと発言されておられる貴殿の首から上に存在するであろう物体はゴミ袋かなにかなのではなかろうかと小一時間問い詰めたい所ではございます。まあ皮肉で言ってるのを東洋経済の記者さんが真に受けただけのような気がしますけどね!!!!!

しかしこの石川金懇の前にこのようなコラムが東洋経済方面から飛び出してくるという辺りに絶妙な侘び寂びの世界を感じる次第でありますなあ。

・・・・・・・・うむ、また無駄な悪態からスタートしてしまったorzorz

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2014/09/04

○師匠の国会所信表明に見る異次元緩和のメカニズムのサルベージをするの巻

明日の金融政策決定会合と明晩のECB定例理事会を控えてヒマネタを投下している訳ではありません(キリッ)。

公表予定
http://www.boj.or.jp/announcements/calendar/index.htm/
10(水)
8:50 ○ ● * 預金種類別店頭表示金利の平均年利率等
8:50 ○ ● 企業物価指数(8月)
10:30 ○ ● * 【挨拶】岩田副総裁(石川)
16:30 ○ ● * フェイルの発生状況(8月)

・・・・・・・・・ということで来週水曜日には石川県の金融経済懇談会で岩田副総裁が講演をされるということでもございますので、平場での記者会見付きの講演という機会が何故か少ない(理由は知らん^^)師匠様ですが会見も当然ながら付いておりますので、是非ともこの辺りでのご説明を頂いた話に関するレビューと「2年間で達成しない場合の責任の有無と有る場合についての責任の取り方」についての質疑を拝見したい所でありますが、質疑を見るよりも想定問答を見たいような気もします(ニヤニヤ)。

という訳で例によって
http://kokkai.ndl.go.jp/
から詳細検索→発言者の欄に「岩田規久男」と入力→検索をして、検索結果一覧を表示しますとその中にあります

183 参議院 議院運営委員会 13号 平成25年03月12日

ということで、第183回通常国会における2013年3月12日開催の参議院議員運営委員会をポチッとなとして鑑賞をしようかと思います。

でまあ所信の話の部分も色々とアレですがそこから始めているとオワランチ会長になりそうなので、最初の櫻井充委員との質疑を鑑賞するのだが櫻井さんの質問が中々よろしいので実はそちらの鑑賞かも知れません。

・物価が上がれば消費や設備投資が増えるんでしょうかという論点

質疑はまず最初にそういう話から始まります。発言番号の11番目から引用します。

『○櫻井充君 いや、先ほどの所信の中では購買力低下のところで今のような説明だったんです。ここ、少なくとも、文書がきちんとしてあるので、そのまま衆議院の議事録を読ましていただきますと、デフレ予想の下では、家計や企業が、お金をそのまま持っていれば実質的な購買力が上がると考えてしまって投資や消費を抑制しておりましてというふうにお話しされているわけです。』

確かにそういう理論です。

『私が申し上げたいのは、家計はこのようなことを考えて消費を抑制しているわけではないということです。これは、内閣府の調査、内閣府だったかどこか忘れましたが、なぜ貯蓄をするのかということを尋ねたときに、結婚している世帯は六〇%以上が二つしか理由がないんです。病気や不時の災害への備え、それからもう一つは老後の生活資金です。独身の方々はこの順番が変わりますが、六十代の方では七〇%以上の方々が老後の生活資金やそれから病気や不時の災害への備えということでこれ貯蓄しているんです。』

ふむ(改行は適宜割愛しています)。

『ですから、今参考人がお話しされていることの前提は、今のようなマインドになっているから、このマインドに働きかければ消費が増えるという話になっていますが、その前提そのものが私は違っているんではないのかということを申し上げているんです。この点について、消費者のマインドについてどのようにお考えでしょうか。

(;∀;)イイシテキダナー

『○参考人(岩田規久男君) 御指摘のとおりの部面があって、二つあると思います。 一つは、やはりデフレになってくると、お金が、現金、預金が一番いいんだからそれを一番持つという、これは企業も家計も同じだというふうに思います。もう一つは、デフレ予想の下で将来の所得がやっぱり伸びないということを経験して知っているということがやっぱり消費を抑制すると。この間の所信表明ではその後の方のことはちょっと申し上げませんでしたけれども、二つの面が今言ったようにあるというふうに思っております。』

ほうほう。

『○櫻井充君 おっしゃるとおり、企業の中ではそういうところはあると思いますよ。それも全面的に否定しているわけではありませんが、問題は、個人の購買力が上がってこない限りは、幾ら企業が設備投資をしようと思ったって設備投資する意味がありませんよね。私たちは何を考えていたのかというと、需要をどう喚起するかということで、可処分所得を増やすべきだということを考えておりました。』

『今回はそうではなくて、需要サイドに働きかける前に、金融的な手法を使って企業なりなんなりが設備投資をしていってと。ですが、こうやって設備投資をしても、繰り返しで恐縮ですが、需要が喚起されない場合にはバブルのときと同じような格好で過剰設備になってしまったりするんではないのかという、そういう危険をはらんでいるんではないかと思っています。(以下割愛)』

・・・・・・・・・でまあこの議論のここまでの結論ですが、日銀様の見通しによりますと今後の設備投資がヴィンテージの更新だの省力化投資だのという物であって、生産拡大に伴う設備投資が拡大するという話になっていませんですよねえ師匠どうですかねえという所ですな。


・大規模緩和の効果の説明が前後矛盾している件について

『○櫻井充君(前段割愛、というか先ほどの部分です)これは、済みません、多分平行線なのでここで終わりにさせていただいて、もう一点、今の中で、お話をお伺いしておりましたが、二%上げるんだと、日銀がその強い意思を示すことがインフレを招いていく、インフレをつくってくるんだというお話でした。では、より具体的にどういうことを行って二%上げようとされているんでしょうか。つまり、二%上げます、上げますと言ったとしても、実態上、何をしてくるのかということによって違うと思っているんです。』

『これは、昨日も黒田参考人に私はお伺いしましたが、必ずしも私は明快なお答えをいただけたとは思っておりません。そういう点で、済みませんが、端的に、より具体的にどういうふうにしてその二%の物価上昇を実現されようとしているんでしょうか。』

ということで師匠のお言葉。(発言番号14番になります)

『○参考人(岩田規久男君) デフレからの脱却とかあるいは景気回復というんで、普通の景気回復のときは、金融政策で金利を下げて、そして銀行の貸出金利を下げて貸出しが増えていってという経路が普通通常なんですが、デフレ期待で、しかも、のときにはなかなかそういうふうにならないで、むしろデフレ予想をインフレ予想に変える、あるいは長期金利などを下げるという金融緩和政策が有効になってまいりまして、それによって人々の、特にマーケットのまず予想が変わると。』(原文ママ)

期待に働きかけるとな。

『マーケットの予想というのは、株式市場とか国債市場とか外貨の市場ですけれども、その市場では既に、アベノミクスで大胆な金融政策が取られるということで、先ほど申したように予想インフレ率一%ぐらいまで上がってきております。』

当時の物価連動国債市場は流動性がアレな上に消費税増税もBEIに跳ねるんですけどね!!!

『それが、株高、円安をもたらしていく。株高は設備投資を有利にする要因です。これは資本コストが下がるという要因なんですけれども。それで設備投資が有利になるんです。円安は輸出が有利になるということで、輸出が拡大すればやっぱり生産能力が要るというので設備投資に結び付くということで、それがまずコスト面から今までより設備投資が有利になるということが起こってまいります。』

・・・・・・・・・という説明をしているのですが、先ほどの部分にもありましたけど、そのちょっと前の発言番号の4番(冒頭あいさつ)部分でもこのように説明しているのですよねぇ。

『(これはちょっと前の発言番号4番から一部引用しています)こうした状況で、人々が、結局将来もデフレが続くだろうというデフレ予想あるいはデフレ期待を抱いてしまう。そうすると、そういうデフレ期待の下でいろいろな行動をしますために、実際にもデフレになってしまうという悪循環に陥っております。デフレ予想が蔓延しますと、企業も家計も基本的にお金を持ったままでいれば自然に購買力も上がるということで、投資や消費を抑制するようになっております。これが日本の経済の低成長と円高をもたらしてきた要因だというふうに思います。』

・・・・・・・・・・えーっと、企業も家計もキャッシュで持っていて投資をしないので状況が悪化するという説明をしているのにこちらでは株高が設備投資が有利になるとはどういう説明ですねん。資本コストが下がるってどういう説明ですねん????

『それが、やがて所得が増える、そういうことで、それから、株式は既に、株式を持っている人では消費が増えるということもありますが、いずれにしても、そういうふうになってくると、生産が増え、雇用需要が増えてまいります、どうしても。それが賃金に、上がるだろうという、だんだんだんだんそういう予想と、実際にもそういうことが起こってくるので消費も増えていくというのが、過去の、これは過去のデフレ脱却の歴史が全部示しているということで、そういう経験に基づいてお話ししています。』

どう見ても風が吹けば桶屋が儲かるの話ですが、そもそもデフレでみんな投資しないんだったら株が上がって消費が何で増えますねんということで、まあ資産効果の方は実際にそらまあ起きる話ではあるのですが、それなら一方でデフレでキャッシュを持つのが有利云々というデメリットの説明が変な訳で、デフレ云々が原因なのでは無くて、櫻井さんも指摘するように先行きの成長が見込めないから投資や消費が抑制されて、その結果としてキャッシュ志向が発生すると同じくしてデフレ傾向になったという説明をする(つまり因果関係が逆)というのが妥当に思えるんですけどねえ。


・株高で含み益が出るので企業が設備投資をするというサブプライム住宅居住者もビックリの珍理論

今の答弁の続きのツッコミがどう見ても素晴らしい(皮肉では無く)。

『○櫻井充君 例えばアメリカのように多くの国民の方々が貯蓄ではなくて株式を持たれている場合には今の理論も成り立つんだろうと思います。現実に、現在株高になって高級品は売れてきておりますから、株式を持っていらっしゃる方々は今のお話のとおりだと思います。ところが、日本の場合には決して多くの方々が株式を持たれているわけではないということ。』

うむうむ。

『それから、今の理論の中で私はやはり疑問を感じることは、企業が設備投資をしますと。設備投資が有利になるからそれはするのかもしれませんが、そこに実需が生まれるかどうかということが最も大切なことだと思います。』

全くですな。で、この次が円安で物価が上がるだけで良いのでしょうかというツッコミであるがその答えがかなり斬新。

『一方で、円安になった場合にはどうなるかというと、現在は石油の価格も上がり、それから輸入の小麦の価格もこれから上がってきて、先ほど参考人の中にもありましたが、結果的には、数年前に投機マネーが原油に入って、一バレル百六十ドルでしたか、あのぐらい付けた当時に、確かに国内物価は上がるんです。上がっております。ですから、円安になって間違いなく国内物価は私は上がると思っていて、日銀のその金融政策の結果なのかどうか、まだ今のはアナウンスメント効果だけで、多分間違いなく輸入物価が全体の物価を引き上げることになると思うんですよ。』

うむ。

『そうなると何が起こるかというと、賃金はまだ先に上がりませんから、そうなると、結果的には購買力の低下を招いてしまっていて、今のような議論にはならないんじゃないだろうかと、そう思いますけれども、その点についていかがですか。』

(;∀;)イイシテキダナー

なおこの時期に浜田先生は「実質賃金はむしろ下がった方が良くて、その分で雇用が増えるのが重要」とドラギ先生のジャクソンホール講演的なまあ一つの正論だがそれデフレ圧力にならんかという話をしておられたのはご案内の通り。

でまあ師匠。

『○参考人(岩田規久男君) まず起こることは、先ほど言った円安の効果は、輸出産業中心ですけれども、まず製造業中心ですけれども、企業収益が非常に良くなります。バランスシートも、それから企業は全体に輸出産業ではなくてもやっぱり非常に株式をたくさん持っています。』

な、なんだってー!!!!!

・・・・・・・えーっと、さっき師匠様「デフレで企業が投資しないでキャッシュを抱えているから良くない」って話をしていたんじゃなかったでしたっけ????

『大体今、全体の株式と出資金の中では企業は二七%も持っております。』

?????????????

『ですから、バランスシートはすごく良くて、要するに含み益が出てくると。そこから企業の生産活動が活発になって、雇用、所得という順序になるんですけれども。』

含み益が出るから生産活動が活発になるとは恐れ入った理論でして、アメリカのサブプライムな住宅にお住いの方々のホームエクイティ―がどうのこうのの話を思い出す訳ですが、バランスシート含みが増えて借金の余力が高まったからヒャッハー借金してパパ投資しちゃうぜーどうせまた株価が上がるから大丈夫だぜ〜!!!・・・・・・・こうですか、わかりません><

『今言った、株式は日本ではそれほど保有していないから、そこからの消費は、いわゆる資産効果というのは小さいだろうというのは、アメリカに比べればそうであろうというのはおっしゃるとおりだというふうに思いますので、むしろこれからは企業活動が活発になって、雇用が増えて、所得が増えて、デフレ予想がなくなると将来の人々も所得が増えるだろうという予想がだんだん出てくるというふうに思っております。』

資産効果で設備投資が出るとは斬新な理論ですので是非ジャクソンホールで発表して頂きたいと思います。


・結局話は噛み合わないのですがどう見ても櫻井さんのツッコミが妥当というかまさにそうなっていますがががが

さらに櫻井さんのツッコミは続く。

『○櫻井充君 おっしゃっていることの全てを否定しているわけではありませんで、ある部分については私はそのとおりだと思っているんです。ただし一方で、先ほどから出ているのが正の作用であって、その副作用といいますか、その部分についてどう勘案していくのかというところ、そこの全体のバランスで見てこなければいけないんだと思います。』

これって師匠一派の皆さんの得意技で、確かに仰せの話の一部は正しいのですが、話が全体として整合性が取れていないというのは、因果関係を確信犯なのか無意識なのか知らんがしょっちゅう取り違える事と、部分最適の話を全体に推し進めようとしてプロコンの比較衡量の観点がろくすっぽ無い事だと思いますので、櫻井さんのツッコミ誠にご尤もなのですよね。

『今の中で、円安のことのデメリットについてのお話はございませんでした。繰り返しで恐縮ですが、それからもう一つは、先ほど参考人のお話の中で、銀行からの貸出しは増えなくていいんだと、これは一つの考え方だと思いました。というのは、古典的な考え方かもしれませんが、金融緩和する際に日本銀行が一般の金融機関に対して持っている国債を買い取ってキャッシュに変えて、一般的に考えれば、そのキャッシュを銀行が企業に対する融資活動を行わない限り市場に対してお金が出てこないだろうと。』

この国債買って融資云々は櫻井さんも間違えていますな。まあ中々判りにくい話ですわ。

『ですが、先ほどの参考人のお話で、別に銀行は貸さなくていいんだというお話がありました。それはそれで一つだと思います。であったとすると、その中でもう一つおっしゃっていたことは何かというと、企業は内部留保を抱えているんだと。ですから、その企業が内部留保を抱えているので、それを出してくるからそれでいいんだという話がありました。』

うむ。

『これは、前提はここに立つと思いますが、確かにデフレなので今設備投資をしなくていいと、そういう立場に立っていれば、立場に立っていれば、確かにインフレになっていけば企業は設備投資を行うということになるんだろうと思います。しかし、今あれだけ内部留保を抱えている人たちが果たして単純にデフレだとかインフレだとかいうことで設備投資をしているのかしないのかということだと思います。』

(;∀;)イイシテキダナー

『繰り返しで恐縮ですが、実需がなければ、実需がなければそこに対して設備投資をしないというのは、これ企業の行動として当たり前ですし、それからもう一つは、実需が発生すると思えないような中で設備投資をしていった場合に、僕はこれ景気一時的に良くなると思いますよ、バブルになりますから。だけど、問題は、そのときに、繰り返しで恐縮です、実需が生まれなければバブルのときに企業が苦しんだような過剰な設備投資になってしまうんではないのかと。』

(;∀;)イイシテキダナー

『先ほどのお話の中で、金融資産なり外債なりにという話になっていました。これは結果的には金融でお金がただ単純に回っていくだけの話であって、実体経済上に対してどこまで影響が出てくるのか。これはもう一度、今度逆に言うと、アメリカでどうなっているのかというと、株式は史上最高高になっていますが、一方で失業率は七・七%と高止まりになってきていることを考えてくると、やはりそこに乖離があるんじゃないだろうかと。つまり、今のように相当多くの方々がストックを持っていらっしゃると、金融政策をやると確かに活性化されるように見えるけれど、実体経済上には格差が広がるだけの感じがしてならないんですが。』

『改めてもう一度お伺いしておきたいのは、円安になって購買力が低下するという懸念はないのかどうか、どうしてそこに実需が、今の参考人のお話でどうしてそこに実需が生まれるのか、より具体的に説明していただけないですか。』

途中で話がちと脱線気味になりましたが軌道修正して「円安で購買力が下がる話はどうなのよ」になりましたな。


師匠のお答えですが・・・・・・・・・・

『○参考人(岩田規久男君) 金融政策というのは基本的には金利が、例えば政策金利が下げる余地があって金利が安くなる場合もそうですし、今度の場合は、長期金利は下がると思いますが、予想インフレ率が少し上がってくるというのは、結局、一番企業の企業行動に影響を与えるのは予想実質金利です。名目金利ではなくて、将来どれだけインフレ率が起こるかを加味した予想実質金利。』

予想実質金利が下がると自動的に企業行動が活発化されるようですが、それは基調的に需要超過の経済だから起きるという話なのではないでしょうかねえ。

『金融政策というのは、結局は予想実質金利を下げることというコスト面から影響を与えるものなんです。これはもう金融政策はそういうものなんですので、それでもって実体経済というのは、コスト面は下がったから企業収益は、コストが下がったから設備投資は前よりも、デフレ期待のときよりは有利になって設備投資は起こってきて、設備投資が起こると、あとは御承知のとおり乗数理論というのが起こってきまして所得が増えるという、この循環で、金融政策の役割はそこにあるということです。』

いつの時代の金融政策なんでしょ??

『円安に関して輸入物価が上がるということでありますが、それは、ですから、金融政策をやる場合に簡単に、エネルギー価格が上がっただけでインフレ率が目標達成したと思ってすぐ引き締めるというようなことは世界のインフレターゲットの国は全部やっておりませんで、もうちょっと中長期的にそれがどう影響するかを見ていきながらやって実際に効果を上げているということでございます。』

結局全然答えをしていないのが素敵でして・・・・・・・・・

『○櫻井充君 端的にお答えいただきまして、どうもありがとうございました。これで終わります。』

まあ時間がここで終わったから追加砲撃が出来なかったというよりは、何度聞いても同じ答えしかしないなあという所だったのでしょうか、櫻井さんに感想を聞いてみたいものですな。


・忘れたとは言わせません

なおこの次がみんなの党の中西健治委員の質疑になるのですが、中身は兎も角最初の所の念押しが誠に素敵。発言番号20〜23になります。

『○中西健治君 みんなの党の中西健治です。岩田参考人、岩田教授にはこれまでもいろいろと御教示いただいておりまして、大変お世話になっております。今日はよろしくお願いいたします。まず、これまでの岩田教授の主張の幾つかをまとめてみますと、日銀法改正については、責任を明確化することで物価目標の達成が早まる効果があるということで賛成だということだと思います。それから、責任の取り方ということについては、最高の責任の取り方は辞職だということをおっしゃられていると思いますし、あと外債購入については、今は必要ないけれども、手段としては取っておくべきだということだと思いますが、確認ですが、今の認識でよろしいでしょうか。』

『○参考人(岩田規久男君) そのとおりでございます。』

『○中西健治君 これも確認に近いことということになるのかもしれませんが、安倍総理は国会答弁でデフレは貨幣的現象であるということをおっしゃられております。岩田参考人も近い考え方なんじゃないかなというふうに思いますが、貨幣的現象かどうかという言葉はともかく、金融政策だけで物価目標二%は達成し得るということでよろしいでしょうか。』

『○参考人(岩田規久男君) 物価に影響するのは金融政策以外でも確かにございます、先ほど言った輸入物価とかそういうのありますが。結局、いろんなところで、ほかの要因で上げ過ぎる要因があった場合には、金融政策のやり方を変えれば結局は二%のインフレになるということで、あるいはデフレ要因がほかにあったとしても、金融政策が結局しっかりしていれば二%のインフレはできるということで、最終的には金融政策が決めることができるということだと思います。』

ということですので、当然ながら2年で2%に対する所見が来週の金懇で聞けると期待しておりますよ!!!!

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2014/08/29

○「2年で2%」雑考

昨日付けた国会会議録情報のリンクですけれども、あれは自分で検索とかをした直後だと直リンでページが開くのですが、普通に踏むとセッション時間切れになってしまうのですねすいませんすいません。

ということでまずは浜田先生のお告げから。

http://jp.reuters.com/article/idJPKBN0GR0RB20140827?sp=true
アベノミクスは成長戦略に注力を、2年・2%こだわらず=浜田参与
2014年 08月 27日 18:58 JST

まあ浜田先生が「2年2%にこだわらない」と仰せになるのは今に始まった事ではないので特段のサプライズでは無くてはいはいまたですねという所ではありますけど・・・・・・・・・・・・

『GDPや個人消費など足元のさえない指標を受け、市場では日銀による追加緩和観測も再燃しつつあるが、消費増税による反動減の影響という「ショックが発生している時に、金融政策の先行きを足元の数字で決めることは適切ではない」と語った。』(上記URLより、以下同様)

ほうほう追加緩和催促ではないとな。

『その上で、供給制約が意識されている中で「それを無視して需要を付ければ、(供給の)天井にぶつかり、金融緩和を続けていくこと自体ができなくなってしまう」と主張。一段の緩和によってインフレが生じる可能性にも言及し、「私はインフレが欲しいわけではない。(日銀が目標に掲げる)2年で物価2%にこだわる必要はない」との見解も示した。』

供給制約による物価上昇論なのですが、供給制約によって物価が上昇した場合って一段の緩和でインフレというよりは、供給制約によって物価が上昇した場合はコストプッシュ的な状況なので、上昇した物価によって需要に悪影響なのでサステイナブルでは無いというような話のような気もするんですけど、まあそれは兎も角として・・・・・・・・・・


2年で2%の看板なのですけど、これに関しては昨日一昨日とお笑いネタにしてしまったジャクソンホールでの黒田総裁の講演からしますとですね・・・・・・・・・・

http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2014/ko140824a.htm/
http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2014/data/ko140824a1.pdf

『こうしたもとで賃金を引き上げるには、何らかの仕組み、つまり「見える手」のサポートが必要です。』(上記URLの講演テキスト抄訳より、以下同様)

ってのを昨日は統制経済キタコレとか茶化してしまいましたが、実際問題としては先の方にあるように、

『日本銀行の物価安定の目標は、そうしたメカニズムの中で、企業が賃金を決定する際のメルクマールとなり得るものです。』

というのに「見える手」というのに掛かっているというのが話の本意でして(ですよね???)、要するにこの「2%」の看板を思いっきり掲げるのが重要という主張は全くぶれていないのが黒田緩和のポイントになっている(その部分には野党審議委員の反対もありますけど)訳でして、浜田先生の主張する「供給制約による天井論」を敷衍した場合って「2%が(短中期的に)本当に適正な水準なのか」という話に繋がってしまいますのでまあ現在の黒田さん的にそれは引けない所でしょと思います。

それに「2年で実施」という強力なコミットメントを行う事によって期待の転換を図って実質金利の引き下げを行うというのもQQEのもう一つの骨子であって、「中長期的に目指せば良いじゃないの潜在成長力が弱いんだもの」という話をしておりますと期待の転換が図れませんという事に繋がりますので、ここへきて急にひよるというのも難しいと思いますけどねえという所。

いやまあ現実問題考えたら落とし所を模索した方が良いんじゃネーノとか、浜田大先生以前何って仰ってましたっけとかそういう話もありますが(^^)、その辺はスルーしまして今後の政策運営という話を考えますと、まだ2年で2%の達成時期まで半年以上も残っている訳ですからして、こんな所でロジックをひよって落とし所に持って逝くという事は無理としか申し上げようがなく、同様に物価が盛大に落ちでもすれば別ですが、基本的に1%を軽く割れる位でも別に10月展望レポートでシナリオが崩れる訳でも無いのですから、10月緩和とかいうのはまー普通に考えると無いですよねという話になりますという事で。

流れとしては物価が上がってみたものの「こんな筈じゃなかった」という不満が澎湃として沸き起こって、2年で2%を目指す必要は無くて1〜2%位でいいじゃないか的な話が一般ピープルから政治的な動きになってきて外からタオルが飛んでくるという事にならない限り、日銀はQQEのリングで大量緩和のタコ踊りを継続しないといけないという誠にアレな状態が続くものと思われますがどうでしょうかねえ。


○ということで関連で国会ネタサルベージというか久々に会議録鑑賞会

てなわけで国会会議録検索システム
http://kokkai.ndl.go.jp/

こちらの詳細検索というのをクリックして、真ん中の辺りにある発言者検索に「岩田規久男」と入力しますと師匠の国会での答弁がサルベージできます。

で、就任前の所信聴取祭りが

183 参議院 議院運営委員会 13号 平成25年03月12日
183 衆議院 議院運営委員会 12号 平成25年03月05日

ということで、第183回通常国会の議員運営会で行われたのですが(中曽さんとセット)、まずは3月5日の衆議院議員運営委員会から。

衆議院のサイトからも検索できて、こちらからですと会議録に直リンもできます(というか上記の会議録検索システムでも直リンできた筈なのだが久々なのでやり方忘れました)。なお参議院のサイトですと過去30日分は参議院のサイトから検索できるのですが、その前については会議録検索システムで見ろという仕様になっています。

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/002018320130305012.htm
第12号 平成25年3月5日(火曜日)

会議録検索システムの検索結果だと発言順に発言者と番号が振ってあるのでそちらから見る方が吉なのですが、発言番号で言いますと20番目からがアレ。

・忘れたとは言わせませんよ!!!!!

『○津村委員 はい。失礼いたしました。二%ということを先ほどおっしゃられていましたが、岩田さんは、全責任を負う、マンデートだ、それを市場が信頼するからこそインフレ期待が上がるんだ、それについては現行の日銀法では不十分ということをおっしゃいましたが、これから中央銀行のトップ、副総裁につかれるとなれば、運用で、自分はこうやるんだ、全責任を負うんだということを明確にされることで、ある意味では、岩田さんのおっしゃる今の法の不備といいますか、そこを補っていかれるということだと思います。そこで、お伺いしたいんです。 一つは、二年とおっしゃるのは、この就任の三月から二年後、つまり再来年の春ということでよろしいかというのが一点。それから、もう一つは、全責任を負って市場の信頼をかち取るということですから、それが達成できなかった場合の責任の所在ということははっきりとさせていかなければいけないと思いますが、それは、職を賭すということですか。』

『○岩田参考人 それは当然、就任して最初からの二年でございますが、それを達成できないというのは、やはり責任が自分たちにあるというふうに思いますので、その責任のとり方、一番どれがいいのかはちょっとわかりませんけれども、やはり、最高の責任のとり方は、辞職するということだというふうに認識はしております。』

(;∀;)イイハナシダナー

『○津村委員 二年間というのは、二年後の春、つまり、二〇一五年の春の消費者物価の上昇率二%ということを目標とされる、そして、最高の責任のとり方としては、職をかけるということでよろしいですね。』

津村さん念押しキタコレ!

『○岩田参考人 それで結構でございます。』

(;∀;)イイハナシダナー
(;∀;)イイハナシダナー
(;∀;)イイハナシダナー

・・・・・・・まあ何ですな、参考人の所信聴取ですから別に嘘こいたから偽証とかいう話にはならないですけれども、国会でこれだけの大口を叩いたのを無かった事にするというのはつまり国民に対して大嘘をついて日銀副総裁にご就任された、というとんでもない話になりますので、こちらにありますように来年の春に消費者物価指数が2%に達していなかったら当然のごとく責任を取って頂くという事でちゃんと落とし前をつけて頂くようにお願い致します。


・なお「消費増税ガー」などという泣き言は不可ですので念の為

津村さんの質疑が続きますがその先の阪口直人委員による質疑ではこのような説明がががが。

発言番号の29からです。

『○阪口委員 日本維新の会の阪口直人でございます。日本維新の会は、改革をとにかく前に進めていく、そして地方の自立を実現していく、そういった基本的な考え、哲学を持っておりますので、本日は、そういった考えに立って質問させていただきたいと思います。さて、特殊法人や霞が関の改革が、スピード感があるかどうかは別として、ある程度進んでくる中で、日銀の組織、これはなかなか進んでいかないということが言われておりますが、日銀の組織の評価と、そして、その改革のあり方について、お考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。』

なんじゃこの質問はという所ですが師匠の答弁が実に素敵。

『○岩田参考人 私が一番懸念しているのは、どうも日本銀行が、物価の安定あるいは一%とか二%とかそういうインフレ目標達成を金融政策だけではなかなかできないという立場に立っている。やはり、世界のインフレ目標国のように、物価の安定は責任を持って日銀がやるんだ、中央銀行がやるんだ、そういうような考えをもう少し持っていただきたいというふうに思っておりますので、それが組織上の問題でそうなっているのかどうかよくわかりませんが、私、そういうふうな考え方も、もう少し柔軟になってほしいなという気持ちは持っております。』

ということですので、当然ながら師匠におかれましては来年の春に2%達成できなかった場合には言い訳も泣き言も無く、最高の責任を取って頂けるものと期待しております。いやもちろんアタクシとしては来年の春に2%達成している事を期待しておりますのでそのような事態が起きないように心の底から祈念申し上げておりますけれどもね(棒読み)。


『○阪口委員 岩田候補の、とにかく、そのときの経済や政府の政策のせいにはせず、日銀の責任で二%を達成する、この覚悟、これは大変にすばらしいものだと思います。また、先ほど、それが二年という期間内に達成されなかった場合には責任を負うんだと。このことも、ある意味、きょうは、市場を動かす上での大きな御発言であったかと思います。(以下割愛)』

いやあここでも念を押されていて実に素敵ですが、良く良く考えたら「そのときの経済や政府の政策のせいにはせず」といか「二年という期間内に達成されなかった場合には責任を負うんだと」とか勿論賞賛して話をしているのですが、良く良く考えると中々こうオソロシスな賞賛ですな、うんうん。



・出口政策の話をしているのですが・・・・・・・・・・・・・

さっきの津村さんの質疑の続き。

『○津村委員 私は、失敗してほしいと思っているわけではありません。ぜひ、二年間で頑張っていただきたい。しかし、任期は五年ございます。そうしますと、二年後に目標を達成した残り三年間、ここも大事な職責があるわけで、いわゆる出口戦略について、中央銀行のトップの方はしっかりとシナリオを描いていただきたい。大変大きな国債残高が積み上がって、しかも、長期のものを買おうとおっしゃっているわけですから、なかなかそれを売却するのは難しいと思います。そういう意味では、副総裁候補は、日銀の自己資本はマイナスになってもいいという御発言までされていますけれども、出口戦略について具体的なシナリオをお持ちですか。』

ここで委員長から時間が無いので早くしてというのが入りますがそこは飛ばします。

『○岩田参考人 はい。出口戦略をするためには、国債を、まず売りオペをするというよりも、日銀当座預金の付利を引き上げていって銀行の信用創造を少し抑えるというのが最初の常道だというふうに思っています。それからもう一つ、金融システムの安定化をさせるためにこそ、銀行等にはもう少しデュレーションを短いものにしていただきたい。三年ぐらいまでにしていただきたい。そのためにこそ日本銀行は長期国債を買う、そのかわり短期の国債を民間には持っていただく。そのことをうまく進めるためには、やはり物価連動債を、これはインフレヘッジになりますので、ぜひ発行を再開していただきたい。そうすれば、投資家はインフレヘッジのできる国債を持つということになって、金融システムは安定しますので、出口戦略が非常にやりやすくなるというふうに思っております。』

これ発言がベンダーで出た時も「ナンジャソラ」の声が飛び交っておりましたが、銀行の信用創造がどうのこうのという話(これ全部読むとまあその手の話があるのですが)ということはつまり異次元緩和をすると銀行は自動的に信用創造が拡大という理屈になっているようでして誠にオモシロスと思いますし、物価連動国債を銀行が購入してインフレヘッジって話も(発言が出た時にもツッコミを入れたと思いますが)そもそも論として銀行は負債がインフレ連動している訳ではないですので、そらまあBEIが割安とか儲かるからというような理由で買う事はありますけれども、別にALM的に物価連動国債を買う必要ってない(負債が基本的に預金なのでインフレリスクは無いようなもんだわ)ですし、株も持っていますから別に物国そのものをヘッジで買う必然性ないですし、それで金融システムが安定して出口戦略がやりやすくなるとか中々意味不明で実に心が温まるものを感じます。


#なお、参議院での所信聴取に関しては金融緩和を盛大に行うとどうやって効果があるのかという説明が実に味わいが深いのでまた後日というかネタが無かったら来週月曜にでも(^^)今日は時間切れですすいません

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2014/06/04

○師匠の韓国巡業とな

師匠が韓国中銀の国際コンファランスに登場とな。

http://www.boj.or.jp/en/announcements/press/koen_2014/data/ko140603a1.pdf
Japan's Growth Potential and Quantitative and Qualitative Monetary Easing
Remarks at a Panel Discussion at The Bank of Korea International Conference 2014

http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2014/data/ko140603a1.pdf
日本経済の潜在成長力と「量的・質的金融緩和」

・・・・・・・・・ということで本チャンは英語なのですが、まあ当然ながら地の文章は日本語だと思われるので日本語の方を拝読しますと、物凄い勢いで既視感がある文章ですな。

http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2014/data/ko140526a1.pdf
「量的・質的金融緩和」とわが国の金融経済情勢
―― 共同通信加盟社論説研究会における講演 ――

まあ何ですな、この師匠の高座と同じ話をしておりまして・・・・・・・・・・・・


・「前回と比較してどこが削られているのか」を見ると味わいが深いという話

でまあこの前の共同通信での講演と同じ話をしている、というか同じ話が地の文になっているという事でして、盛大な使い回しワロタという所ではございますが、更にワロエルのは前回の共同通信の講演と比較してみますと、講演本文が10ページ⇒5ページ(ただし最後のページは1行にもならないので本当は4ページ)、図表が16枚⇒6枚と大幅に削減されておりまして、まあ要するに「内輪に近い所なら兎も角海外で話をさせるので削るべき所は削らないといけませんなあ」という事でバッサバッサと削るべきものを削ったらこうなりましたという事ですね判ります。


でまあどこが削られているかと言いますと・・・・・・・・・・

まず最初の『2. インフレ目標政策とデフレ』に関する部分がバッサリ削られていまして、何故デフレになるのかという話をすっ飛ばしてデフレは良くないという説明を延々と繰り広げている部分が無い訳ですよ。でまあそこでは「物価が継続的に上昇すると需要が喚起されるし、先行きの需要を常に前倒しする効果がある」とかいうような大変に素敵な部分が割愛されているのが誠に遺憾の極みでありまして、是非そのオモシロセオリーを中銀コンファランスでして頂きたかったのですが、ヒラ審議委員と違いまして「副総裁」の肩書があるので(以下の部分は諸事情を勘案して割愛しております)。

更に実に残念なのはインフレ目標政策に関する『(3)インフレ目標政策』という部分での

『それでは、「安定した緩やかなインフレ」を実現するためには、どのような政策が望ましいのでしょうか。その一つの答えが、インフレ目標政策(インフレーション・ターゲティング)と呼ばれる枠組みです。』(5月26日共同通信主催の講演から)

『日本銀行の政策に対する懸念として、「いざ金融緩和を止めようと思っても、金融市場や政府からの圧力がかかるため、なかなか止められないのではないか。そうすると、結局ハイパーインフレになってしまうのではないか」という懸念の声が聞かれますが、この点についても、インフレ目標政策を採用していることが有効に働きます。なぜなら、インフレ目標政策というのは、将来のインフレ率についての具体的な数値目標を掲げて、それを上回るインフレにもデフレにもしないことを約束する仕組みだからです。』(5月26日共同通信主催の講演から)

などという大変に素晴らしい「インフレ目標政策を実施するからインフレがコントロールできます」というだけのスポンジボブもビックリの中身であります所の師匠のリフレ理論を展開して頂きますと更に素敵だったのですが、これらの記述部分がバッサリ削除されているのは痛恨の極みとしか申し上げようがございません。なお、この部分のプレゼン資料が更に素敵なので暇な人は鑑賞する事を勧めますが月初で忙しいですねすいませんすいません。


・更に波及メカニズムの説明が大幅にカットされているのが実に味わいが深い

今回の講演は最初が『(量的・質的金融緩和の概要)』でその次が『(量的・質的金融緩和の波及メカニズム)』となっていますが、最初のQQEの概要の所は前回と同じでして、まあアプリオリにコミットメントと具体的な行動でインフレ目標が達成できるという話をしているのはいつもの話なのですが、今回と前回を比較すると中々かこう味わいがあります。

まずは今回の説明を拝読しますが、段落の頭に番号を振っているのは元の講演にある訳ではなくて、この次の説明の所で必要なので打っている点最初にお断り致します。

@『「量的・質的金融緩和」の波及メカニズムの鍵となるのは、予想実質金利の引き下げです(図表2)。インフレ目標の達成にかかる明確なコミットメントと、それを裏打ちする大規模な金融緩和によって予想インフレ率を引き上げることに加え、短期名目金利がほぼゼロである下で、巨額の長期国債買入れによって長期名目金利の上昇圧力を抑制することにより、予想長期実質金利に対する下方圧力が生じます。』(6月3日の韓国中銀コンファランスの講演から)

その予想インフレ率が引き上げになるメカニズムは何ですねんというのは前回と同様にアプリオリになるからなりますというオボカタ女史もビックリの説明。

A『予想実質金利の低下による刺激の効果として総需要が拡大することで、デフレの原因となっている需給ギャップが解消されます。また、需給ギャップが解消すれば、現実の物価上昇率が高まり、それが予想インフレ率を物価安定目標に向けてさらに上昇させるという、好循環も期待できます。』(6月3日の韓国中銀コンファランスの講演から)

そもそも予想実質金利が低下したからと言ってよーしパパ設備投資しちゃうぞーとなるかという話に関してはこれまたアプリオリなのですけどまあそういう説明。

B『物価安定目標の実現に懐疑的な意見として、「為替レートの円安化が進まないのであれば2%の物価安定目標の実現は難しい」との指摘が頻繁に聞かれますが、今申し上げたように、「量的・質的金融緩和」の波及メカニズムのポイントは、「予想インフレ率の引き上げと需給ギャップの改善の好循環によって2%の物価安定目標を実現する」ということであり、円安による輸入物価の上昇に依存したものではありません。』(6月3日の韓国中銀コンファランスの講演から)

この前のツッコミ祭りの駄文をご覧頂いた方なら気が付くと思いますが、確か前回の説明の際には円安による輸出企業の採算改善や資産効果などの効果の説明をしているのにここで円安に依存しませんとかはいはいおじいちゃん朝ごはんはさっき食べたでしょという話がありましたよね。

C『日本では、1990年代後半から長期にわたりデフレが続く中で、人々の予想インフレ率が低下し、「デフレ予想」が定着した状況にありました。人々の予想に直接働きかけて「デフレ予想」を払拭すること、すなわち、人々の予想インフレ率を引き上げることを政策効果の中心に据えた点が、「量的・質的金融緩和」の大きな特徴となっています。』(6月3日の韓国中銀コンファランスの講演から)


ということで、この部分は共同通信での波及メカニズムの最後の部分になります。


さて、前回の共同通信講演ではこの『(2)波及メカニズム』の部分がどう説明されていたでしょうか。

@『「量的・質的金融緩和」の波及メカニズムの鍵となるのは、予想長期実質金利の引き下げです(図表6・7)。予想実質金利とは、金融市場や銀行の店頭などで観察される名目金利から、個々の経済主体が予想する将来のインフレ率を差し引いた数値にあたります。例えば、借り手の側に立って考えると、一定の名目金利でお金を借りたときに、「物価の変化を考慮すると、実質的な借入れコストはいくらになるか」ということについての、借り手の主観的な予想ということになります。インフレ目標の達成にかかる明確なコミットメントと、それを裏打ちする大規模な金融緩和によって、予想インフレ率を押し上げる効果が生まれます。一方で、短期名目金利がほぼゼロである下で、巨額の長期国債を買入れることによって、長期名目金利の上昇を抑制する効果が生じます。こうした、名目金利の上昇抑制と、予想インフレ率の押し上げの効果が相まって、その差分である予想実質金利に対する下方圧力が生じることになるわけです。』(5月26日共同通信主催の講演から)

まあ実質金利の説明をしている部分とか説明がくどい部分は聞いている相手が違うからヨロシ。

A『企業や家計の予想実質金利が下がると、様々な面から実体経済における需要が刺激されます。例えば、予想実質金利が低下すると、現預金や債券から株式や土地・住宅等の実物資産、あるいはより金利の高い外貨への資金シフトが起こり、株高や外貨高などによる資産効果によって、家計の消費が刺激されます(図表8・9)。また、予想実質金利の低下に加えて、消費の増加や円安による輸出環境の改善など複数の要因に後押しされた企業は、設備投資に積極的になると考えられます(図表10)。』(5月26日共同通信主催の講演から)

ということで、先ほどのAの部分では予想実質金利が下がるとこういうルートで効果がある、という話をしていた訳ですが、この説明部分が全面的に削除されているのが実にこうお洒落で、予想実質金利が下がると資産効果が出て為替市場で自国通貨が下がって設備投資も増えますよという桶屋理論部分を盛大に削除しているのが実にこう味わいが深いというものです。

『こうして消費や投資などの需要が増加することによって、経済全体の総需要不足が解消されていけば、おのずと物価水準は上向き、それが予想インフレ率を物価安定目標に向けてさらに上昇させるという好循環が期待できます。』(5月26日共同通信主催の講演から)

ということで、金融政策の波及メカニズムの説明をしている部分だというのに肝心のメカニズム部分をすっ飛ばしてアプリオリに需要が拡大して需給ギャップが解消するという話をしている形にしている(なおそれ以前の問題として何故インフレ期待が引きあがるのかは全くの謎だが前回も謎なので致し方無いのです)という辺りに事務方の(以下の部分は諸般の事情を考慮して削除されました)。

B『物価安定目標の実現に懐疑的な意見として、「為替レートの円安化が進まないのであれば2%の物価安定目標の実現は難しい」との指摘が頻繁に聞かれますが、今申し上げたように、「量的・質的金融緩和」の波及メカニズムのポイントは、「予想インフレ率の引き上げと需給ギャップの改善の好循環によって2%の物価安定目標を実現する」ということであり、円安による輸入物価の上昇に依存したものではありません。』(5月26日共同通信主催の講演から)

これは前回と同じですね!!と思いますが、実は・・・・・・・・・・

『仮に、昨年4月以降の「量的・質的金融緩和」による消費者物価の上昇が、もっぱら円安による輸入物価の上昇を原因としたコスト・プッシュ型インフレであれば、実質GDPは減少し、それに伴って失業率は上昇したはずです。つまり、スタグフレーションが起きたはずです。』(5月26日共同通信主催の講演から)

から始まる大変に素敵な説明部分が全部カットされておりまして、さすがにこの部分を海外で説明させるのは(以下の部分は諸般の事情を考慮して削除されました)。

折角ですので前回の高座を再度鑑賞しましょう。

『しかし、実質経済成長率の実際の推移をみると、12年11月にアベノミクス構想が発表される直前は、2四半期連続のマイナス成長(12年第2四半期▲0.6%、第3四半期▲0.8%<季調済前期比>)でしたが、12年第4四半期以降は、6四半期連続してプラス成長になっています。また、13年度の実質経済成長率は、12年度の0.7%から2.3%へと大きく上昇しました。失業率についても、「量的・質的金融緩和」を開始する直前の13年3月は4.1%でしたが、14年3月には3.6%まで低下しています。3.6%の失業率というのは、リーマン・ショック前の好況期(07年7月)の失業率と同じ水準です。』(5月26日共同通信主催の講演から)

ということでGDPと失業率の数字だけでこの結論が出てくるというこの時の講演の白眉とも言える(つーかそこらじゅう白眉で馬良もビックリですけど)部分になります。

『つまり、「量的・質的金融緩和」以降のインフレ率の上昇は、実質GDPの拡大と雇用の改善を伴うディマンド・プル型だということです。』(5月26日共同通信主催の講演から)

という決め台詞に対して「ナントカ屋!」とか声の掛かりそうな場面ですな!!!!!!!!!!

C『日本では、1990年代後半から長期にわたりデフレが続く中で、人々の予想インフレ率が低下し、「デフレ予想」が定着した状況にありました。人々の予想に直接働きかけて「デフレ予想」を払拭すること、すなわち、人々の予想インフレ率を引き上げることを政策効果の中心に据えた点が、「量的・質的金融緩和」の大きな特徴となっています。』(5月26日共同通信主催の講演から)

という最後の所は同じです、というのはさっき申し上げた通りです。

・・・・・・・・・とまあそういう事で、メカニズムの説明部分を盛大に割愛しておりまして、しかもこう前回の講演で思いっきりツッコミ所だった部分をきっちりと削除している辺りが実にこう味わいが深い訳でして、実際の英文の講演テキストの方を読みますと、英文なのでまずは読むという行為から入るあたくしが読んでみても「何か表面的な説明しかしていないけどまあダイジェスト的な話を纏めてますねえ」と読めてしまうという事で、地の日本語の講演に関する推移を見ないで英文だけ見る分には「特に響くものは無いけど別にまあそうですか」ってな感じの仕上がりになっておりまして、日銀スタッフの皆様のご苦労がしのばれるというものでございます(あ、言っちゃった)。


・なお以下の部分は前回と同様ですが・・・・・・・・・

今回の講演ですとその次が『(日本経済の現状)』となっていまして、これが前回の講演における金融政策の『(3)現状の評価』と同じでして、その後の『(金融政策と成長戦略の役割分担)』が『4.金融政策と潜在成長力』という割には中身が大したことが無かった部分になるのですが、これは基本的に全部同じ(たぶん全文一致ですけど逐語確認はめんどくさいので斜めでの目視しかしていない)です。

従ってデフレの話がいつのまにか『デフレ不況』になっているのは何ですねんとか、『仮に、成長戦略に基づく政府の施策や民間の取り組みが停滞し、潜在成長力の強化が進まなければ、物価安定目標の達成は、「マイルドなインフレ下における低実質成長」をもたらす可能性があります。』っていうような従来師匠が振りまいておられました「マイルドインフレで世界は変わる」というマイルドインフレで色々な問題がホイホイ解決するかのような話との整合性はどこに逝きましたねんという部分も同じなのですが、まあ過去の話との整合性云々に関しては別に海外で師匠がこれまでああだこうだという話をしていた訳ではないので誰もツッコミを入れないでしょうから特段の問題も無いという話になるんでしょうな。


なお、『デフレ不況』の部分ですが日本語と英文テキストを並べてみると・・・・・・・・

『経済がある程度好調でなければ、経済の効率性とダイナミズムを高め、生産性を引き上げるための構造改革も進めることができません。デフレ不況下では、規制緩和を通じた競争促進政策等による痛みに対して、強い抵抗が生じるためです。「創造的破壊」という言葉がありますが、デフレ不況が継続していては、「破壊」の後に「創造」が続かないということです。』

『Unless the economy is more or less in good shape, the government cannot promote structural reforms to enhance the efficiency and dynamism of the economy to raise productivity. The reason is that in a deflationary recession there will be strong resistance to the pain that pro-competition policy measures through deregulation might bring. You will have heard of the term creative destruction. When deflation continues, destruction will not be followed by creation.』(双方とも6月3日の韓国中銀コンファランスの講演からで英文が本チャンです)

ということで、同じ「デフレ不況」を英文テキストでは「deflationary recession」と「deflation」を使い分けている辺りが中々こう味わいがあるのですが、味わいがあり過ぎてドメスティックおじちゃんのアタクシには良く判らんぞなもしという世界ではございます(^^)。


・・・・・・・・おお、また生産性の無い駄文を書いてしまった(いつも生産性が無いやんというツッコミは自動的に却下されるようにプログラミングされていますので念の為申し添えます)。

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2014/05/28

お題「政策インプリケーションは1ミリも無いが師匠の高座を鑑賞しませう」

ということで師匠の高座ネタであるがお題の通りただの落語鑑賞会となりますので金融政策運営的な意味を読み取ることはできません。

http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2014/data/ko140526a1.pdf
「量的・質的金融緩和」とわが国の金融経済情勢
―― 共同通信加盟社論説研究会における講演 ――

○昨日も申し上げましたがそもそも論として

まあ何ですな、日銀副総裁講演だと思って読むと血圧が上昇する位で済まないで脳溢血でも起こすんじゃないかというような悲惨な内容だったりするのですが、何がどう悲惨なのかとゆー事をつらつらと(生産的ではないが)考えたところ、そもそも今までの話はどうなったというのがあるのと、この講演で何か言いたいことがあるのかという点がさっぱりワカランという所でしょうか。例えば総裁の(総裁だけじゃなくて他の政策委員の皆さんもですけど)講演とかですと、必ず「今回のテーマ」みたいなのがあって、何か今回伝えたい事みたいなのがあるのですけれども、今回の講演見てて思うのはそもそも何かテーマでもあるのかと言うと明らかに話が散漫だわ、(昨日も申し上げましたが)パーツパーツの部分ではそこそこ話の筋が通っている場面もあるのだが、話が全体として整合性取れていないのは話のテーマがそもそも存在しないからそういう整合性を考える機会もなければ能力も無いという所でしょうかねえ。

ということでまあ鑑賞。


○デフレの弊害と緩やかなインフレの利点という部分で既にツッコミたくなる訳でして

・デフレの弊害の話があるが「何故デフレになるのか」という話が無い件について

『はじめに、「そもそもなぜデフレが問題なのか」「なぜインフレ目標政策なのか」といった基本的な点について、改めてお話ししたいと思います。』

ということで始まるのですが、そこの小見出しが『(1)デフレのもたらす弊害』とあってこういう問題があります云々という話があるのですが、そもそも何でデフレが発生したのかという点についての論考がこの後も含めまして1ミリも無いというのが政策担当者としてアホじゃネーカと思う次第であります。

つまりですよ、そもそも何でデフレが起きたのかという点についてとか、足元までの状況に関する論考が全然無い状態で処方箋が書けるのかよという話でありまして(ちなみに処方箋によりますと中央銀行がインフレ目標政策を実施すればよいという話しか無い)、原因やら状況やらに関する考察も無い中でどういう政策を実施すれば良いのかという話が出る訳もなく(実際問題としてこの講演の数多くある問題点のうちの一つは「何でこういう政策を実施するのか」という点が全然掘り下げられていない点だが掘り下げる能がないのだから仕方ありません)、そらまあ講演がお笑い高座であって政策インプリケーションが1ミリも無い罠という話になる訳ですよ。

でですね、本来この人たちはフリードマンの言葉を使って「デフレは貨幣現象」という話をしてマネタリーベースガーという話をおっぱじめてくるのですが、何でその話が無いのかと言いますとそれはどう見ても師匠が副総裁就任前に話をしていた「当座預金70兆円から80兆円で2%達成楽勝」という直線番長一次関数理論との整合性が取れなくなるからその辺りの話を徹底的に回避している訳で、まあその程度の事は気が付いているんですなあと思えるところが更にこちとらトサカに来るというものですが脳溢血になっても困りますので血圧は上げない方向で(^^)。


・逆が成り立つのか甚だ疑問な説明の代表例

さてこれはどういう事かと申しますと、例えば「経済が良くないので株価が下がる」というのはまあ大体正しいと思いますが、「では公的で株を買って株価を挙げれば経済が良くなるので成長戦略」というのは話がオカシクネエカという話になる次第ということでもありますが、木久扇師匠の高座にはこの手の話が幾つか出てくる訳でして、のっけからそういう話の前振りが出てきます。

『持続的な物価の下落であるデフレは、いくつかの経路を通じて経済の停滞をもたらします(図表1)。まず、物価が持続的に下落するということは、時間が経過するほど同じ金額でより多くの物やサービスが手に入る、言い換えると、現金や預金を持っているだけで価値が増えていくということですから、企業や家計が消費や投資といった支出行動を先送りするようになります。つまり、総需要が減少してしまうわけです。』

ということで、この先に小見出しで『(2)安定した緩やかなインフレの利点』というのがありまして、そこではこんな話をしております。

『すなわち、将来の安定した緩やかな物価の上昇が見通せるとするなら、デフレとは逆に、消費や投資を前倒しするインセンティブが恒常的に働くことになります。支出活動が刺激され、経済全体の総需要が増加すれば、企業はそれに見合った水準まで生産活動を拡大します。』

という話になっていますが、物価の持続的下落は需要を先送りさせる効果があるかも知れませんけれども(実際には物凄い物価下落でもしない限り需要自体が極端に落ちるとも思えんがそこはまあ措くとして)、じゃあその逆になった時に本当に需要が喚起されるのかというと、それは別問題ではないですかねえ。

つまりですよ、師匠の言う「消費や投資を前倒しするインセンティブが恒常的に働く」っていうのはそもそも前倒しする消費や投資が将来にあるから発生するものでありまして、ベースとして経済の成長というか個別経済主体の先行き見通しがプラスになっていない状況下では前倒しをする消費も投資も無いでしょという話です罠と思いますし、大体からして「前倒しするインセンティブが恒常的に」ってそれ単に永久に未来から力を前借りしていこうって話でどこの薬中患者だよともツッコミたくなりますが、つまり「経済が成長過程にあるから需要が喚起されて物価が上昇する」というのは分かりますが、「物価が上昇するから需要が喚起されて経済が成長する」とはならんでしょはいはいおじいちゃん満州満州というお話ではありますな。


・そもそも現状認識とデフレの弊害の話がずれている件について

とまあのっけからそういう話がありますが、デフレのもたらす弊害の説明はまだ続く。

『総需要が減少すると、企業はそれに見合った水準まで生産活動を縮小します。企業収益は悪化し、雇用者の所得も減少しますから、消費や住宅投資、企業の設備投資などの活動がさらに停滞します。つまり総需要がさらに縮小して、それによってますます物価が下落していきます。こうして、物価の下落と不況の悪循環に陥ってしまうのです。』

だそうですがそもそも物価は貨幣的現象じゃなかったでしたっけというのはさて置きまして、こちらの話ですとスパイラル的な悪化の話をしている訳ですが、実際問題として他の政策委員の皆様(黒田総裁含む)は日本の問題について「粘着性のある非常に小幅の物価下落状態」という認識をしめしていまして、スパイラルよりもデフレ均衡的な点について問題視しているというところ(その点についてセントルイス連銀ブラード総裁が指摘する複数均衡の形であるデフレ均衡として捉えるかどうかという部分は見解が一致していないようだが)でして、そもそもデフレの弊害の話をするのに日本経済の現状認識と合っていない部分を持ち出して弊害とか言われましても、政策担当者としての処方箋作りに役立たずどころか処方間違えませんですかねえとか思うのでありますが、こちらの師匠はただの置物で診療行為をしないのが不幸中の幸いというものです。


・デフレなので円高進行とな

弊害の話の続きで、まあ実質金利が高止まりしてどうのこうのの話は良いとしましてこの説明も何だかなあという感じではある。

『物価の持続的下落は、物やサービスに対するお金、すなわち「円」の価値の持続的な上昇を意味しますが、日本だけがデフレの場合、通貨間の関係では、外貨に対する円の価値の上昇、すなわち「円高」をもたらすことになります。』

他の条件が一定ならそうかも知れんが、そもそも何でデフレになっているのかという話をさておいて全てをデフレが原因になっているような説明がワケワカランですわなあ。

『円高が過度に進むと、国際的な価格競争力の低下や、獲得した外貨の円換算レートの悪化等を通じて、輸出セクターに悪影響が生じます。また、日本の労働力や資本のコストが国際比較で割高になりますから、日本企業の生産拠点の海外移転が進む一方で、日本への対内投資には悪影響が及ぶことになります。これは、国内の雇用需要を減らすとともに、成長率の低下をもたらします。こうして、過度な円高の進行という経路を通じても、デフレは日本経済の総需要に負の影響を与えることとなります。』

デフレだから円高になるという話だとそうかも知れんが、1ドル360円から円高が進行する中でデフレでしたっけとか、じゃあ通貨安はアプリオリに良い話なのですかとか、まあ色々と謎の部分は多いのですが、この先の所の先ほど引用したインフレの利点の話ではこんな説明が。

また『(2)安定した緩やかなインフレの利点』の所ですけどね。

『また、主要な貿易相手国との間で物価上昇率の格差が是正されることは、過度な円高の修正をもたらしますし、他国との予想物価上昇率差の縮小とその安定は、為替レートの安定につながります。』

は??としか申し上げようがないですが、原因と結果の話が自由自在になっている所が何ともですな。


・循環論法恐るべし

でまあこの緩やかなインフレの利点の所はこういう纏めになっているのですけどね。

『このようにして、企業の収益が好転し、雇用者の所得も増加しますから、家計の消費や住宅投資、企業の設備投資などの支出活動がさらに活発化します。総需要が持続的に増加することによって、物価も持続的に上昇し、好景気と物価上昇の好循環が実現することになるわけです。』

緩やかなインフレになるから物価も持続的に上昇するじゃあただの循環論法なのですけど・・・・・


○安定したインフレの達成には「インフレ目標政策」が必要・・・・・・で済めば誰も苦労せんわ

次の小見出しが『(3)インフレ目標政策』であるがのっけからいつもの師匠節なのだが爆笑の発作を禁じ得ない。

『それでは、「安定した緩やかなインフレ」を実現するためには、どのような政策が望ましいのでしょうか。その一つの答えが、インフレ目標政策(インフレーション・ターゲティング)と呼ばれる枠組みです。日本銀行が、消費者物価の前年比上昇率2%という「物価安定の目標」のもとで金融緩和を推進しているのも、インフレ目標政策の典型的な事例であるとご理解頂いてよいでしょう(図表3)。』

まあデフレの原因やメカニズムの考察が無いからいきなりこうなる訳で、それで達成できるとかなら誰も苦労はしません。

『(政策の信頼性と予測可能性の向上)』という小見出しの中も色々とアレ。

『インフレ目標政策には様々な利点があります。』

はあそうですか。

『まず、将来のインフレ率について、具体的な数値目標を掲げるわけですから、目標を達成できたかどうかは客観的に判断できます。』

どうやって判断するのでしょうか。インフレ目標政策を掲げている主要国の中銀ですけど現在はその判断についてリジットな形で足元の物価数値をトラックさせるような運営していなくて、フレキシブルインフレーションターゲッティングという運営にしている筈なのですが、その場合はどのようにして目標を達成できたか判断するのでしょうかねえ。景気が1サイクル終わって事後的に達成したとかしなかったとか言っても政策運営という点からは意味が無いにも程があるんですけどねえ。

『透明性が高くなることで、政策判断や目標の達成状況についての中央銀行の説明責任も重くなりますので、金融政策に対する信頼性は高まりやすいといえるでしょう。』

いやその前に師匠のその謎説明が説明責任になっているのか小一時間。

『将来の物価についての予測もしやすくなりますから、様々な経済主体が、それを前提として経済活動を行うことができるようになります。』

じゃあ均衡だったら同じじゃねえかと言われたらどうするのよ、っていうのはまあ言いがかりに近いけど(^^)。

『そして、この将来の物価についての予測可能性は、金融政策に対する信頼性が高まるほど、さらに強化されるのです。』

との事ですが、するってえと何ですか。貴殿および貴殿の一派の皆さんが日本銀行を口を極めて罵っておられたのは金融政策に対する信頼性を下げて日本銀行の政策運営の邪魔をしまくっていたという話になりませんかねえとか嫌味の一つも申し上げたくなりますなあ。


・でハイパーインフレの防止はいつものクオリティ

『(ハイパーインフレの防止)』というのはいつもの話。

『日本銀行の政策に対する懸念として、「いざ金融緩和を止めようと思っても、金融市場や政府からの圧力がかかるため、なかなか止められないのではないか。そうすると、結局ハイパーインフレになってしまうのではないか」という懸念の声が聞かれますが、この点についても、インフレ目標政策を採用していることが有効に働きます。』

そもそもハイパーインフレという供給能力が壊滅でもしない限りそう簡単に置きそうもない話を持ち出して「大丈夫です」という時点でウンコな議論というか藁人形論法にも程がある訳で、先般(ちょっと前に)ネタにしましたが米国での佐藤審議委員の講演にあった「マネタリストのある不快な算術」の話とかをちったあ読んでくれよと思いますが、その後の話もいつも通りのお笑いクオリティ。

『なぜなら、インフレ目標政策というのは、将来のインフレ率についての具体的な数値目標を掲げて、それを上回るインフレにもデフレにもしないことを約束する仕組みだからです。』

なんか「憲法9条を掲げているだけで日本は戦争も起きないし戦争にも巻き込まれない!!」と夢を見ている人たちの話法と同じように見えて大変に頭の下がる思いでありますので、ノーベル平和賞にノミネートされる様に運動をしたら如何でしょうか。

『日本ではデフレからの脱却の手段として議論されることの多いインフレ目標政策ですが、もともとは1980年代のニュージーランドなど、高インフレに悩んでいた国々によって採用された政策です。』

で?

『仮にこの先、景気が過熱して2%の物価安定目標を大きく上回るような状況が予想される場合には、インフレ目標政策の枠組みに沿った、適切な対応をとるということも、日本銀行はすでにお約束しているとご理解下さい。日本銀行は、日本銀行法で定められた理念に基づき、今後とも、政府との十分な意思疎通を図りつつも、自らの判断と責任において、金融政策運営を行っていくことを強調しておきたいと思います。』

約束してもそれが実行されるかという話を問題にしているのですが大丈夫だから大丈夫とはこらまた能天気でよろしゅおすなあ。


○QQEに関する話も色々とアレである

・波及経路が色々と変である

『3.量的・質的金融緩和について』ということで。

『ここからは、デフレからの脱却に向けて日本銀行が取り組んでいる「量的・質的金融緩和」の内容と、波及メカニズムについてお話しします。』

ということで波及メカニズムの方に参りますが、メカニズム図表の方は相変わらずのクオリティだがそこはスルーして文章の方を。

『「量的・質的金融緩和」の波及メカニズムの鍵となるのは、予想長期実質金利の引き下げです(図表6・7)。』

そもそも実質「長期」金利というのが微妙に変な所で、貸出ルートの事を考えているんだったら日本の構造上中短期の金利を考えておけば良いのであってより長い金利の話をしてもシャーナイと思いますがねえ。

『予想実質金利とは、金融市場や銀行の店頭などで観察される名目金利から、個々の経済主体が予想する将来のインフレ率を差し引いた数値にあたります。例えば、借り手の側に立って考えると、一定の名目金利でお金を借りたときに、「物価の変化を考慮すると、実質的な借入れコストはいくらになるか」ということについての、借り手の主観的な予想ということになります。』

でまあそれが下がると借入需要が喚起されてという話は前の方でも説明があったが、それが低いからよーしパパ借入して工場作っちゃうぞーとは成らんだろ重要なのは事業の収益性とか将来の成長期待だろとは思いますがさておきまして。

『インフレ目標の達成にかかる明確なコミットメントと、それを裏打ちする大規模な金融緩和によって、予想インフレ率を押し上げる効果が生まれます。』

波及経路の説明の中でこういう話になっているのだが、実質金利を下げるルートが効くという話をしていて、金融緩和で予想インフレが上がるから実質金利が下がるという話だが、そもそも何で金融緩和で予想インフレが上がるのかがアプリオリになっている時点でナンジャソラという話でして、まあこれ前からそういう話なのだが、そもそも論としてこの部分がどういうメカニズムで発生するのかという話が何もない時点で何ですねんという話ではありますな。

でまあ予想実質金利が下がる効果はいつも通りだが一応引用。

『例えば、予想実質金利が低下すると、現預金や債券から株式や土地・住宅等の実物資産、あるいはより金利の高い外貨への資金シフトが起こり、株高や外貨高などによる資産効果によって、家計の消費が刺激されます(図表8・9)。』

『また、予想実質金利の低下に加えて、消費の増加や円安による輸出環境の改善など複数の要因に後押しされた企業は、設備投資に積極的になると考えられます(図表10)。』

もう何だかねという感じで、将来見込みとか無くてそう上手くいくかよという話ですけどね。

『こうして消費や投資などの需要が増加することによって、経済全体の総需要不足が解消されていけば、おのずと物価水準は上向き、それが予想インフレ率を物価安定目標に向けてさらに上昇させるという好循環が期待できます。』

またも循環論法。


○QQE後の現状認識の話が色々と変な件について

現状認識の話ですが、その後に現状の評価という小見出しがあるのですが、その前の部分の話の方が色々とアレ。

『物価安定目標の実現に懐疑的な意見として、「為替レートの円安化が進まないのであれば2%の物価安定目標の実現は難しい」との指摘が頻繁に聞かれますが、今申し上げたように、「量的・質的金融緩和」の波及メカニズムのポイントは、「予想インフレ率の引き上げと需給ギャップの改善の好循環によって2%の物価安定目標を実現する」ということであり、円安による輸入物価の上昇に依存したものではありません。』

えーっと、最近の日銀展望レポートの理論によりますとプラスの需給ギャップとフィリップスカーブのシフトアップで物価目標達成という話になっているので、これはこれで単体での説明はそうですねという事なのですが、おじいちゃんつい今しがたQQEの波及メカニズムの中で「外貨高などによる資産効果」だの「円安による輸出環境の改善」だの思いっ切り説明しているんですけど、何でここで急にそういう話になるんでちゅかねえという所で、話のパーツパーツで正しい部分はあるのだが全体を見た場合の整合性が無いというのはまあこういう辺りにも示されていると思います。


『仮に、昨年4月以降の「量的・質的金融緩和」による消費者物価の上昇が、もっぱら円安による輸入物価の上昇を原因としたコスト・プッシュ型インフレであれば、実質GDPは減少し、それに伴って失業率は上昇したはずです。つまり、スタグフレーションが起きたはずです。』

そもそも実質GDPと失業率ってそんなにダイレクトに連動するかよ普通ラグを伴わないか???

『しかし、実質経済成長率の実際の推移をみると、12年11月にアベノミクス構想が発表される直前は、2四半期連続のマイナス成長(12年第2四半期▲0.6%、第3四半期▲0.8%<季調済前期比>)でしたが、12年第4四半期以降は、6四半期連続してプラス成長になっています。また、13年度の実質経済成長率は、12年度の0.7%から2.3%へと大きく上昇しました。』

財政吹かしまくって消費税増税前の駆け込み需要があったと思うのですが全部無視とは豪気にも程がある。

『失業率についても、「量的・質的金融緩和」を開始する直前の13年3月は4.1%でしたが、14年3月には3.6%まで低下しています。3.6%の失業率というのは、リーマン・ショック前の好況期(07年7月)の失業率と同じ水準です。』

もとの4.1%でも大概に低いけどな。

『つまり、「量的・質的金融緩和」以降のインフレ率の上昇は、実質GDPの拡大と雇用の改善を伴うディマンド・プル型だということです。』

もうね、アホか馬鹿かという感じですが、ディマンドプルなのかコストプッシュなのかを判断するのに実質GDPと雇用指標だけ見るとか随分とまあ雑な議論だわと思いますし、そもそも論としてリフレ派先生方におかれましては基本的に貨幣的現象である所の物価について良い物価上昇も悪い物価上昇という区別は無かった筈なんですけど何言ってるんですかこのおじいちゃんはという感じですなあ。


○成長力の話をするのが変だろという上に「マイルドなインフレでも良くない場合」とは何ぞやという話

・マイルドインフレでウハウハじゃなかったの???

でまあどうでも良い方の現状評価(展望レポートなどの丸写し状態)はさて置きまして、次の小見出しが『4.金融政策と潜在成長力』でのけぞるのでした。

『最後に、日本銀行の金融政策と、日本経済の潜在成長力の関係について、整理しておきたいと思います。』

『ご承知のとおり、日本は現在、@大胆な金融緩和、A機動的な財政政策、B民間投資を喚起する成長戦略を組み合わせたマクロ経済政策に取り組んでいます。こうしたポリシーミックスの中で、金融政策の役割は、直接的には「デフレから脱却して、2%の物価安定目標を実現すること」に尽きるわけですが、潜在成長力との関係では次のように整理できると思います(図表16)。』

ということで潜在成長力がどうのこうのという話をしているのですが、えーっとリフレ派的理論によりますと2%物価目標達成によるマイルドインフレで世界が変わるって話(そんなバナーを見たことがある気がしますがねえ)だったんじゃ無かったんですか???????

でまあその説明の所も色々と???なのだが一箇所だけ。

『経済がある程度好調でなければ、経済の効率性とダイナミズムを高め、生産性を引き上げるための構造改革も進めることができません。デフレ不況下では、規制緩和を通じた競争促進政策等による痛みに対して、強い抵抗が生じるためです。「創造的破壊」という言葉がありますが、デフレ不況が継続していては、「破壊」の後に「創造」が続かないということです。』

としらっと「デフレ不況」といつの間にかデフレと不況が一緒くたになっているのがチャーミングというもので、過去15年間における日本は常に不況だったんですかそうですか・・・・・・・・

最後の所に『(2)今後の課題』があってこれがまたビックリ。

『仮に、成長戦略に基づく政府の施策や民間の取り組みが停滞し、潜在成長力の強化が進まなければ、物価安定目標の達成は、「マイルドなインフレ下における低実質成長」をもたらす可能性があります。』

あれ??マイルドインフレで世界が変わってウハウハじゃなかったんでしたっけ??????


・最後の最後にまた「大丈夫だから大丈夫」理論が炸裂して終了

でその先が締めですが。

『逆に、成長戦略による経済の構造改革が進んだ結果として潜在成長率が上昇した場合、一時的に需給ギャップが悪化し、物価に対する下落圧力が生じる可能性があります。しかし、日本銀行は、2%の物価安定目標の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで「量的・質的金融緩和」を続けますから、そうした物価下落圧力をはね返すことができます。』

もはやナンジャソラとしか申し上げようがありません。

『日本経済が、2%程度の安定したインフレ率の下で、より高い実質成長を実現する日が、そう遠からず訪れることを期待しつつ、着実に「量的・質的金融緩和」を進めていきたいと考えています。ご清聴、ありがとうございました。』

そらご清聴するの大変だ罠・・・・・・・・・・・

#ということで全然生産性の無い話を最後までお付き合いいただきまして誠に恐縮至極に存じます

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2014/05/27

○置物師匠の講演クオリティが甚だ壊滅的な件について(ただし予告編)

昨日は展望レポート会合となります4月2回目(30日)のMPM議事要旨がご案内のように出ておりまして、そちらの方が色々と面白いというか興味の尽きないネタでございまして、その鑑賞をした後に引け後くらいに出て来たんですよね。

http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2014/data/ko140526a1.pdf
「量的・質的金融緩和」とわが国の金融経済情勢
―― 共同通信加盟社論説研究会における講演 ――

まあ何ですな、このテキストですけど日銀副総裁の講演だと思って読みますと血圧が上昇して誠に如何にも程があるのですが、置物師匠のお笑い高座だと思って読みますと抱腹絶倒モノであったりしまして、笑う門にはマチカネフクキタルな訳であるから致しましてお読みになられる皆様にもきっと良いことがあるに違いありません(たぶんそれは違う)。

でまあ講演本文を見ておりますと現状認識は変(ヘッドラインに出ていて皆様のけぞったと思いますがこれまでの物価上昇がディマンドプルとか頭沸いてるのかと)だわ先行き見通しは変だわそもそも論としてデフレが良くない話をするのに何でデフレになったのかの話が無いわですし、当座預金残高をこれだけ拡大すると期待インフレ率が幾ら上がるという話はすっかり無かったことになっているわとか、全体の説明がちゃんとできていないいのでパーツパーツの話は一応筋が通っているけれども全体で話の整合性が無いわと、もう読んでいて抱腹絶倒レベルですなあなどと読んだ次第でありまする。

なおその後に人から指摘されて気が付きましたがその後の図表というかプレゼン資料がこれまた卒倒するレベルでありまして、日銀副総裁御自らが雇用情勢の改善を身をもって示さなくても結構なんですけどねえというレベルではあるのですが、あまりにもツッコミ所が多すぎるのと、そもそも論として元の紙のレベルがアレなのでお笑いネタとしては楽しめても生産性としてどうよという話。

つーことで明日に回すのですが(−−)、実はこの後真面目に(^^)ネタにする4月30日金融政策決定会合議事要旨の中で物価先行きなどの所でどう見てもスットコドッコイな見解を述べているスットコドッコイがいまして、その後にこの落語原稿を拝読した所そこはかとなくアレなソレを感じたりするのでもありまする。

ということで別にんな事も書かなくても良いのではという指摘もあるかと存じますが、いやさすがにちょっと一言くらいは悪態入れておかないと気分がですなあという事で(−−;

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2014/03/31

○遅ればせながらどうでも良いとは言え置物師匠の高座より

すいません先週月曜の講演でしたわw

http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2014/data/ko140324a1.pdf
「量的・質的金融緩和」とわが国の金融経済情勢
―― 国際東アジア研究センターにおける講演 ――

・まあ端的に言えば「深みがまるでありません罠」としか・・・・・・・・・

講演本文が12ページあって正直申し上げてプレゼン資料の紙芝居が除く表紙で18ページもあるという代物なのですけれども、まあ何というか深みというものがまるで感じられないという物件でありまして、例えば巨大な緩和政策によって問題が発生しませんかという件に関してはこのような話をしています、って大体再掲ですけどね。

インフレ目標政策を説明した中での『(ハイパーインフレの防止)』という所から。

『日本銀行の政策に対する懸念として、「いざ金融緩和を止めようと思っても、金融市場や政府からの圧力がかかるため、なかなか止められないのではないか。そうすると、結局ハイパーインフレになってしまうのではないか」という懸念の声が聞かれますが、この点についても、インフレ目標政策を採用していることが有効に働きます。』

『なぜなら、インフレ目標政策というのは、将来のインフレ率についての具体的な数値目標を掲げて、それを上回るインフレにもデフレにもしないことを約束する仕組みだからです。』

リジットな運営してねえだろとかそういうレベルのツッコミもする気が起きん。

『日本ではデフレからの脱却の手段として議論されることの多いインフレ目標政策ですが、もともとは1980年代のニュージーランドなど、高インフレに悩んでいた国々によって採用された政策です。』

高インフレを抑えるのは引き締めを強烈にすれば良いのですが、問題はデフレ均衡のような場合にどうするのかという話で、紐の押し引き論とかの話じゃねえのと思うのですが。

『仮にこの先、景気が過熱して2%の物価安定目標を大きく上回るような状況が予想される場合には、インフレ目標政策の枠組みに沿った、適切な対応をとるということも、日本銀行はすでにお約束しているとご理解下さい。』

『日本銀行は、日本銀行法で定められた理念に基づき、今後とも、政府との十分な意思疎通を図りつつも、自らの判断と責任において、金融政策運営を行っていくことを強調しておきたいと思います。(図表5)。』


とまあそんな話をしている訳ですが、ここで先日NYのジャパンソサエティで講演をした佐藤審議委員の講演テキストの邦訳版(http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2014/data/ko140319d1.pdf)を鑑賞しましょう、ってこれも再掲ですが。

『一方、悲観的にみれば、名目金利水準が不連続に変化することで財政の硬直化が一段と進んだり、金融システムに影響が及ぶ可能性もある。皮肉なことだが、政府債務の大きさ故に、デフレ脱却に成功することが望ましくない波及効果をもたらすかもしれない。』

『とりわけ金融システムに深刻な悪影響が及ぶような極端な場合には、中央銀行がいくら物価安定に強くコミットしていても、金融システムの安定と物価安定のいずれかの選択に追い込まれる可能性がある。このように、財政の持続可能性への懸念等から中央銀行が物価安定に専念できなくなると、「マネタリストのある不快な算術」2として知られる状況に陥るかもしれない。』

『こうした悲観シナリオを顕在化させてはならない。日本銀行としては、金利環境の変化の可能性を念頭に置き、ストレス時の金融システムの頑健性をチェックするとともに、金融機関に対してはリスク管理の強化や収益力向上の取組みを普段から促してきているところである』(この部分は佐藤審議委員の3月19日NYでの講演の邦訳から引用)

一応置物師匠の方が一般ピープル向けの講演会(らしい)で、佐藤さんの講演が白川さんの「偽りの夜明け」講演のような講演会ですので、その点は割り引いて考えたとしましても、一方の説明があまりにも能天気にも程があるとしか申し上げようが無いのは残念というかとにかく「深みの無い底の浅い話」としか申し上げようがございませんという所です。


・予想実質金利の話をするのは良いのだが中身がねえ

でまあ話を終わりにしても良い(正直話がそんな感じで薄っぺらくてツッコミすらする気が起きない)という置物クオリティ抜群の講演なのですが、折角だから『(2)予想実質金利への働きかけ』という所に突っ込みを入れてみようと思う。

『(2)予想実質金利への働きかけ』から。

『こうした二つの柱からなる「量的・質的金融緩和」が実体経済に影響を及ぼしていく波及経路の最初の重要なポイントが、「予想実質金利を引き下げる」という効果です。少しややこしい話になりますが、しばらく我慢してお付き合い下さい(図表7)。』

いや全然ややこしくなくてペラッペラの話ですから大丈夫ですよ!!!

『予想実質金利とは、皆さんが金融市場や銀行の店頭などで実際に目にする名目金利から、皆さんの予想する将来のインフレ率を差し引いた数値にあたります。』

ほうほう。

『名目金利が「見た目の数字」、いわば客観的な金利であるのに対し、予想実質金利は、人々がそれぞれの物価見通しに基づいて主観的に予想する金利ですから、予想する主体によって様々な金利が存在することになります。』

はあそうですか。

『借り手の側に立って考えると、一定の名目金利でお金を借りたときに、「物価の変化を考慮すると、実質的な借入れコストはいくらになるか」ということについての、借り手の主観的な予想ということになります。したがって、ある経済主体の予想実質金利が低ければ低いほど、その経済主体は借入れの実質的なコストを低く予想しているということです。』

えーっとですね、普通借入をすると設備でも在庫でも良いのですが何らかの投資を実施すると思うのですけれども、その場合って「期待される名目収益率」の方が重要だと思いますがねえ。設備にしても在庫にしても陳腐化する訳でして、年間2%上昇するからって1年間置いてて名目で2%上がったよやったねパパ明日はホームランだってんな話あるかよヴォケという所で、そらまあデフレよりはインフレの方が(名目金利が同じなら)金利の実質的な負担が軽減されるけど、何かこの師匠って投資行動に関して金融資産への投資みたいなノリでしか物事考えてないんじゃないのという説明ですなあという所で。


・Q&Aコーナーのようなものがあったんですかね&原稿ではドレッシングが出来ますが・・・・・・・・という雑談

ロイターから
http://jp.reuters.com/article/idJPL4N0ML1BN20140324
UPDATE 2-物価目標2%は2年ぴったりで達成と言ってない、やる気示すのが主眼=岩田日銀副総裁
2014年 03月 24日 17:01 JST

まあ先週の月曜は置物講演に関連するベンダーのニュースで腹筋が崩壊された方が多かったかと存じまして、師匠ネタを期待する声(?)も頂いた訳ですが、まあ上述のようにそもそもツッコミを入れる気力も起きないスッカスカ講演テキストだった訳ですが、頭隠して何とやらという諺にもありますように、どうもQ&Aコーナーでもあったのか色々と講演テキストでは出ないボロがボロボロと出ているようで何より。

もう最初から腹筋が崩壊するのですがね。

『[北九州市(福岡県) 24日 ロイター] - 日銀の岩田規久男副総裁は24日、北九州市内で講演し、日銀が他の中央銀行と異なり物価目標の達成期限を2年と明示しているのは、他中銀と違い目標を達成するとの信頼がないため、やる気を示すのが狙いと強調した。2%の物価目標達成について「2年ぴったりで達成するとは言っていない」と述べた。』(上記URLより、以下断りの無い場合は上記のロイター記事から引用)

『岩田副総裁は、過去20年間の経験で他の中央銀行はほぼ2年間で物価目標を達成してきたと指摘。これに対し日銀は物価目標の達成に関して市場の信頼が低く、「期限を切らずに2%の物価目標を掲げても、2年、5年、それとも15年かけで達成するのかわからない」とし、「2%を目指し、道筋が外れたら対応するというやる気を示している」と説明した。』

との事ですが、ではBOEの直近4年間の実績やECBの今後2年間の見通し数値はどうなっていましたでしょうかという点について小一時間問い詰めたい訳ですが、一方で師匠は以前このような話をしておられます。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL040PR_U3A300C1000000/
岩田規久男氏、2%の物価上昇率「目標達成期間は18〜24カ月」
2013/3/4 18:06 〔日経QUICKニュース(NQN)〕

『日銀副総裁候補の岩田規久男・学習院大学教授は4日午後、資本市場研究会が開いた講演会で、2%の物価上昇率目標について「目標は政府が決めるが、達成のための政策手段は日銀が決める」との考えを示した。そのうえで、目標の達成期間は「18〜24カ月」とし、13年4月からの場合には「2014年9月から遅くとも15年3月までに達成する」と強調。それまではマネタリーベース(資金供給量)を増やすと語った。』(この部分だけ直上の日経QUICKニュース記事より引用)

ということですので、「2年ぴったりで達成と言ってない」というのは「2年よりも前に達成する」という事を意味するようでございまして、間違っても2年を過ぎて達成するという意味ではありませんですよニュースヘッドラインを見て皆さん勘違いしていますよ!!!!!!!(棒)

『物価連動国債と普通国債の利回り差で市場のインフレ予想を示すBEI(ブレーク・イーブン・インフレ率)は5年物が昨年末から上昇一辺倒で直近2.3%である点などを取り上げ、「 予想インフレ率がしっかりしており、日銀は(2%の物価目標を達成する)シナリオに自信を深めている」と強調した。』(再度ロイター記事より、以下同様)

5年物のBEIって市場の流動性が皆無な上に財務省のバイバックと日銀の輪番があってついでに消費税率がこれから5%上昇(3%は確定)するんですけどねえ。

『BEIの動向について、一昨年のアベノミクス開始以来上昇していたが、昨年5月のバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長による緩和縮小発言で下落、昨年末に米債務上限問題が解決に向かったことで、「再び予想した経路に戻ってきた」と説明した。』

消費税問題とかGPIFの物価連動国債投資観測とかその他の要因はどこへ????

ということで、どうも何だかなあという感じなのですが、惜しくもネットで見当たらないのが残念なのですけれども、ヘッドラインの方では「日銀に入っていじめられると思ったが、期待外れだった」 「日銀職員は非常に優秀、データ収集分析能力は信頼」などというようなのがあった(ブルームバーグとかクイック辺りで出ていた)のがまた実にこう香ばしいなあと思う訳で、金曜にネタにした微妙に微妙な家計の期待インフレに関する日銀レビューにもありますように、生データなら兎も角としてそのデータの分析という話になると鉛筆を舐め舐めする余地が多分にある訳でして、そんな中で今まで日銀を悪の巣窟のように批判して『日本銀行は信用できるか(講談社現代新書2009年8月)』などというような書物まで出された方が自分でデータ分析しないで日銀スタッフの出してきた分析を「優秀で信頼」とか何ちゅうメデタイ人だとしか申し上げようがないのですが、きっとそんな事は無くて岩田規久男大副総裁様が独自の分析を成されている物と同じような分析が出てくるから信頼しているんでしょうね(棒読み)!!!!!

つーかさ、いじめられるって副総裁には人事権あるんだからそらいじめん罠と思いますし、逆に優秀で信頼とか言ってるくらいだから副総裁様ヘヘー仰る通りですなあとか持ち上げられてすっかりいい気分で舞い上がっておられると存じますが、誠実な日銀の皆さんですからはいはいおじいちゃん5年のBEIが順調に上昇してまちゅよなどというような風情でお仕事をしておられるという事は一切無い物と存じます(棒)。

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2014/02/10

○師匠の会見であるが政策インプリケーションは皆無だが落語としては中々秀逸

さあ満を持して師匠の会見ですよ!と言いたい所ですが・・・・・・・・・
http://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2014/kk1402a.pdf

・まあそもそも講演が想定問答集棒読みみたいなもんでしたから

でまあ会見なのですが、表題の所がこうなっておりましてですね。

『岩田副総裁記者会見要旨
―― 2014年2月6日(木)
午後2時から約30分
於 宮崎市』

>約30分
>約30分
>約30分

・・・・・・・・・・・でまあテキストの方も9ページに過ぎない訳でございまして、もっとこう会見で鬼のようなツッコミが来てタジタジとなる師匠という図にでもなるのかと思ったのですが、まあ講演の方が金曜に申し上げましたように、何ともまあ想定問答集を編集して棒読みしたかのような代物で、師匠のオリジナリティーが感じられない(10月の中央大学での講演の方が遥かに師匠謹製っぽいテイストを醸し出していた)という所で、今回はそのテキストから醸し出される棒読み感が効いてしまっておりましたなあという所ですかそうですか。

ま、確かに当座預金残高の定量的なお話とかそういうのが講演テキストにあればまあ質問のしようもあるのですが、何もない中で質問しても「いや今回その説明は行っておりませんので特段お答えしませんよ」で終了されそうな所でもありますもんね!!!!


・ハト派追加緩和的な答えを引き出そうと思って質問しているものの・・・・・・・

『(問) 市場では、消費増税後の追加緩和観測が広がっているようです。副総裁は増税後の追加緩和が必要になる可能性についてどのように考えられているのでしょうか。』

師匠一派の皆様が揃いも揃って消費税増税に反対して、増税しろと黒田総裁が言うのだから責任もってプリエンティブに追加緩和をしろ位の勢いでお話が出ていた(本田先生とか浜田先生とか)訳ですからまあこういう質問でジャブを打ちたくなりますな。

『(答) 講演でも申し上げましたが、日本銀行は、2 年程度を目途にして出来るだけ早期に2%の物価安定目標を達成すると申し上げており、そのシナリオは順調に現在まで続いていると思いますので今の政策を続けていくのが基本です。ただ、経済では将来色々なことが起こり得ますので、上下双方のリスクに対しては適切な政策をとっていく姿勢に変わりがないということです。』

どう見ても想定問答集棒読みです本当にありがとうございました。

『(問) 新興国経済の不透明感に端を発して市場が動揺していますが、足もとのマーケット動向をどう受け止めていますか。また、日銀が描く景気回復シナリオに影響はありますか。』

この答えは長いのですが、これまた想定問答の話をしている感が満載で、師匠ならではの見方を示して何か話をするのかと思えば全然ない所が泣ける訳でして、1年日銀におられてすっかり以下不穏当文言の為自主規制。

『(答) 先月末頃から金融資本市場が少し動揺しているということですが、その原因はもう少し分析してみないとはっきりはわかりません。私は基本的には、米国の経済指標が予想よりも少し悪いということ、あるいは、中国でもちょっと弱い指標が出てきたこと等が投資家のリスクテイク姿勢に影響して、少しリスクオフになり、そのことが、金融資本市場の動揺を生んでいると思っています。』

せめて新興国で通貨があばばばばーになっている国の話をして欲しいのですが。

『米国の量的緩和縮小の影響に関しては、量的緩和縮小は、昨年12 月にFOMCで決まっていますので、市場が動揺するのであれば、そのときから動揺しているはずです。』

なるほど実際の量は関係ないと。

『先月末から金融市場が動揺しているのは、むしろ米国や中国の経済指標が悪いので「大丈夫かな」と投資家が少し不安になっているということだと思いますが、米国の経済指標が少し弱い部分は、寒波が大きい要素だと思います。米国の実体経済が急に何か悪くなることはやはりあり得ないので、何か突発的な他の要因があったと考えるのが普通だと思います。』

うーん言いたい事は分からんでも無いが何をテーマに話をしているのか不明瞭ですなあ。

『米国経済は、順調に回復してくると思います。米国経済では、消費と住宅投資が非常に重要な要素です。これが上向いている原因、あるいは長期的にも堅調に行くだろうという原因は、家計の過剰債務が解決しつつあることだと私は見ています。米国の消費や住宅投資は堅調であり、米国経済はそれほど心配ないと思います。日本の経済政策、金融政策に関しては、今の立場を堅持していけばいいと思います。』

ということで、質問としては新興国市場の動揺に関しての話だったのに米国経済の話を延々としておられるという中々豪気な質疑応答でございまして、恐らくは上の方にあるECBのステートメントのような話を聞きたかったと思うのですが、全力で質問のポイントと違う話をするという時点でもう何だかねという感じで、想定問答集読むのは結構なのですが読む箇所が違いやしませんかねなどとは全く思っておりません(棒読み)。


・物国BEIの話をするのは恥ずかしいので止めた方が良いと思います

債券市場関係者の腰が盛大に砕けたヘッドラインが出ていた部分。

『(問) 2 点ございます。(1点目割愛)それから、期待インフレ率を示すBEIについては、16 回債と17 回債でちょっと動きが変わっており、16 回債は、今年に入って突然上がり出して、17 回債はここ数日急落しております。これをどう解釈されているかお聞かせください。』

ちなみに17回債というのが今年度に発行復活して10月1月と発行されたブツで、16回というのはその前のブツで、リーマンショックやら何やらで発行停止する前の最後のブツで2018年6月10日償還ですから残存はもう4年4か月位しか無いやつね。

で、このBEIに関する答えがクソ長いのですが色々と香ばしいので観賞しませう。

『(答)(前半割愛)それからBEIに関するご質問は、5 年物と10 年物との違いということだと思います。10 年というのは少し長く、そんなに長い予想というのはちょっと無理なところがあって、5 年くらいのスパン、あるいはもっと短いところから5 年くらいの指標の方を、私自身は重視しています。』

えーっとすいません、新発発行しながら既発のバイバックをドンドン進めているのでそもそも16回債から手前の銘柄に関しては指標性という意味は凄まじく薄れていると思いますし、もっと短いところとなりますと確か1回債(今年の3月10日償還)のBEIとか900bpを軽く超えるのですけれどもまさかそんなのを重視しておられるのでしょうか。

つーかですな、そもそも順当にいけば2018年6月までの間に消費税がトータルで5%は上昇する筈で、これがCPIに3分の2効いてくると仮定してそれを4.25年で割ると78bp位になるという計算になりますけど。

『最近、これが非常に順調に実は上がっています。いつ頃から順調になっているかというと、これは昨年12月中頃からです。2%くらいまで上がってきていますが、昨年5 月下旬にだいたい1.8%くらいであった。』

2%くらいまで上がってきています(キリッ)との事ですがうち80bp位は消費税増税要因になりますし、昨年5月下旬から見て上昇したと言われましても、消費税増税転嫁相当分が単純に残存が0.75年ほど短くなった分だけでも12bp位効いてくると思うのですけど。

『ご指摘のあった10 年物、17 回債のように短いデータでは、何が要因でこうなっているかというのは経済的に分析するのは難しいです。』

新発債の場合は経済的に分析が難しいとはこれまた画期的。他に何もないのなら分析できないけど既発があって今回新発が出ているのですからカレントが変わったとも言えますし、期間構造の問題を加味すれば良いだけの話じゃないですかねえ。

『5 年物は、2009 年6 月頃から最近まで長いデータを得られます。このデータを用いて、予想インフレ率がどのように変化しているのかについて、最近、分析しました。就任前から申し上げているように、マネタリーベースと予想インフレ率の関係は、依然として非常に安定してあることが確認できました。』

>マネタリーベースと予想インフレ率の関係は、依然として非常に安定してあることが確認できました
>マネタリーベースと予想インフレ率の関係は、依然として非常に安定してあることが確認できました
>マネタリーベースと予想インフレ率の関係は、依然として非常に安定してあることが確認できました

すいませんどの辺の数値を使って分析をするとどのような計算式で安定的な関係を示しておられるのでしょうか????

『ただ、予想というものは、色々なことに影響されます。例えば、日本銀行がインフレ目標にどれだけコミットしているかを市場がどう判断しているか、というようなことが影響します。』

ほほう。

『例えば、昨年の1月末の政府と日本銀行の共同声明において、日本銀行は2%インフレ目標にコミットしています。そういうものが予想インフレ率を引き上げるということに影響する、あるいは、米国の量的金融緩和の縮小に対して、市場が動揺してしまって、先行きがよく分からなくなると、それは予想インフレ率に影響します。』

FRBは中長期的なインフレ期待は安定的に推移していると毎回のFOMC声明文で高らかに宣言しておられると存じますが師匠はFRBに喧嘩を売っているということですねわかります。

『あるいは、ユーロの金融が安定すれば、リスクを取りやすくなり、安全資産である日本円に誰もが逃げ込むというようなことはなくなり、リスクオンになります。その結果、日本経済に対する刺激も大きくなるであろうということで予想インフレ率が上がります。そうした色々な要因で予想インフレ率は上にいったり、下にいったりしています。』

ふーんそうなんですかあ。

『12 月中頃からの動きの背景としては、米国の量的金融緩和縮小の効果を市場が消化してきたことが大きい要素だと思います。予想インフレ率は、アベノミクスから始まり、昨年4 月4 日の「量的・質的金融緩和」の決定を経て、昨年5月22 日まで非常にスムーズに上がった後、上がったり下がったりしましたが、その変動がおさまってきて、5 月22 日前ぐらいのトラックに入ってきています。』

さきほど師匠「マネタリーベースと予想インフレ率の関係は、依然として非常に安定」と仰せでしたが、昨年5月22日から現在までどんだけマネタリーベースを拡大させたかご存知ですよねえ。

『金融市場がだんだん安定しているという効果があると私は思っています。いずれにしても、予想インフレ率というのは色々なイベントにどうしても左右されて上下します。』

なんか良く判らんけど中長期的なインフレ期待をアンカーさせるのがインフレ目標政策だと思うのですけれども、それではインフレ目標政策とは何ぞやという話になるような気がしますが何なんでしょ。

『人々の予想ですから、安定はしないですが、マネタリーベースを日本銀行が増やしているという政策は、予想インフレ率に働きかけるという意味で、基調的にきちんと働いています。この関係をやはり維持していきたいと思っています。』

もはや何が何だか分かりませんが、とりあえず本来流動性が相対的に高く、指標性がより高い筈の新発債を使わないで自分の都合の良いデータが出ている流動性がスッカラカンの既発バイバック方向になっている債券の数字を使いたいというのだけは分かりました。

でまあここでは師匠のオモシロ説明を肴にしましたが、実際問題として金融経済月報とかで堂々と「予想物価上昇率は総じて上昇していると見られる」とか言及して平気な顔で物価連動国債のBEI推移のグラフを添付しているのは、はあそうですかと思っておりましたけどこうやってオモシロ説明見せられるとやっぱり見苦しいから引っ込めた方が良いんじゃないかと斯様思う訳でございます。



・賃金の上昇が物価目標達成に必要ではないかという質問の答えが色々と残念な件について

『(問) 賃金の先行きの動向についてお尋ねします。先程のご挨拶の中でも、2年程度で2%の物価目標を達成するために、生産・所得・支出の好循環が必要であるとおっしゃっていました。今春闘が行われていますが、組合側はベアを要求していますが、経営側は、多様な賃金のあげ方を提案しています。副総裁の立場で、物価目標を達成するために必要な賃上げのあり方は、ベアなのか、それともベアでなくてもよいのか、が1 つ目の質問です。また、消費増税の分も加えた物価上昇率に満たない賃金の上昇であった場合、日銀の経済・物価見通しのシナリオに何か修正がありうるのか、影響があるのか、について教えてください。』

とまあこんな質問がありましてですな。

『(答) 1 点目ですが、基本的に需要が増加していて、物価が上がっているのだと思います。円安効果で上がっているだけだとおっしゃる人もいますが、円安効果というコストプッシュだけであれば、実体経済で何が起こるのかというと、物価が上がると需要が減って、生産が減少します。』

コストプッシュの円安だけではなく需要がついているということですが・・・・・・・・・・

『今起きていることはそうではなく、円安になっていることはありますが、物価が上がりつつ、生産も増えており、それは需要が増えていることを意味しています。ということは、需給ギャップが縮まっていることがベースにあるということです。』

えーっとすいません消費税増税前の駆け込み需要というのはどちらにという感じですし、大体からして物価が上がったら即座に需要が減るかというとそこにはラグがある可能性だってある訳で、駆け込み云々を除外してもそう簡単に割り切れるものなんでしょうかという話ですし、大体からして円安(とエネルギー関連)で説明できる部分が相当ある筈で、この前の展望レポ―ト中間レビューでの総裁会見などでの説明も足元は円安とかエネルギーで上昇している部分が大きくて、需給ギャップ縮小による物価上昇寄与が今後効いてくるという話だったようなのですが。

『そういうことが続くと、雇用は逼迫して、賃金に上昇圧力がかかってきます。この上昇圧力の受け方は、企業の規模によっても違うので、色々な賃金の上がり方があると思います。もちろんそれはベアでも、ボーナスでもいいです。もっと需要が出てくると、残業しなければいけないことにもなります。非正規雇用も増えて、その賃金も上がってくると思われます。このように、賃金が上がる要素は色々ありますが、いずれにしても賃金が上がるので、十分効果があります。』

なんか色々と説明がイミフというか「とにかくこうなるんです」という話で理屈としてどうなのよという感じがしまして、これなら気合と根性でフィリップスカーブを上方シフトという話をしている方がまだ説得力があると思うのですけどにゃあ。

『全体として需給ギャップがオントラックで縮小するにつれて、賃金上昇が予想されるようになります。例えば、デフレの中では、賞与を期待できる状況ではなかったのが、賞与もある程度安定して期待できることになります。』

賃金上昇が物価安定目標達成のために必要ではないかというテーマで質問をしているのに、「デフレを脱却したら賞与が安定して期待できることになる」ってトートロジーにも程がありますが。

『そのように色々な意味で、所定内給与、所定外給与に関わらず、全体としては賃金が上がっていくという期待が出てきますが、それが実際にも実現される経済とは、2%の物価安定目標を達成した経済ではないかと考えています。2%の物価安定目標というのは、今申し上げた状況を達成可能にするような経済的な基礎を創るという政策です。』

わけわからん。だから賃金が上昇しないと物価安定目標が達成できないのではという質問なのに何でそういう説明になるんじゃ。

『ご指摘のように、物価の上昇が少し先行して賃金が上がるのが遅れる場合があるので、そのときには実質賃金は下がりますが、需給ギャップがどんどん縮まってくる場合には、生産性が上がってきます。そのために、賃金の上昇が追いついてきます。』

実質所得が低下するのに需給ギャップがドンドン縮小するとはこれ如何に???

『それが行き過ぎると、今度は生産性の上昇を伴わずに、賃金の方が先に上昇してしまう状況が出てきます。そういう生産性の上昇を伴わない賃金と物価のスパイラル的な上昇局面に入っていくときには、金融は緩和しすぎたというシグナルになります。そういう意味で、もう少し見ていただければ、実質賃金が上がってくるというフェーズに入っていくと思っています。』

どうやって行き過ぎるんだそれ???


・2年で2%達成しなかった場合に関するお話

『(問) 何点かお聞きします。(途中盛大に割愛)3 問目は、、1 年近く前に、岩田副総裁は、就任される前後に、2 年で2%を実現できなければお辞めになる、それくらいの覚悟がおありだとおっしゃいました。』

ですなあ。

『伝え聞くところによると、既にトーンダウンされているのではないかということです。』

(;∀;)イイシテキダナー

『例えば、リーマンショックのようなショックがあれば、その実現は難しいということかもしれませんが、白川前総裁などに対して「リーマンショック後の対応が足りない」、「金融緩和が十分ではない」と、岩田先生も含めて、かなりきつく批判されていました。』

(;∀;)イイシテキダナー(;∀;)イイシテキダナー(;∀;)イイシテキダナー

『そういう意味では、何が何でも2年で2%実現する、出来なければおやめになると宣言される方が期待への働きかけという意味で言うと、より効果があると思いますが、如何でしょうか。』

さて師匠のお答えですが・・・・・・・・・・

『(答)(前半部分盛大に割愛)それから、2%の物価安定目標を達成しない場合についてですが、副総裁としては、物価安定目標の実現に向けて全力を尽くすということです。現在、順調に目標実現に向けた道筋を辿っているので、実現できない場合の責任の取り方を今ここで語るということは、必ずしも適当ではないと思います。今のところ、できるだけ早く2 年をめどに2%の物価安定目標の達成に全力を尽くしているという段階です。』

白川前総裁に対してはデフレ脱却できなければリアル切腹しろ位の勢いで散々仰せになっておられた師匠様におかれましては人に厳しく自分に甘いんですね分かります。というかこれは「今ここで語るのは適当ではない」との事ですので、適当になる時期が来るんですかそうですか。

まあしかしこの会見の感じだと一次関数直線番長理論へのツッコミとかしても無駄無駄無駄という感じを確かに受けてしまいそうで、会見が30分でドッチラケの中(かどうか知らんが)終了してしまうというのは判らんでも無いのですが、これは想定問答集作成部部局の巧妙な作戦勝ちなのでしょうか^^;

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2014/02/07

○師匠の講演が全然独自の理論展開になっていない件について&見所は会見のようです

さあマニアの皆様お待ちかねタンホイザの師匠の高座ですよ!!!!

http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2014/data/ko140206a.pdf

昨年の10月には中央大学で素晴らしい講演を実施して思わず不肖このアタクシが珍しく土曜日に駄文書きを行う(なおその前に土曜日駄文書きを実施したのは枝野官房長官(当時)の無法発言ネタ)という事で、この時は本文実質12ページでプレゼン資料図表が確か表紙を含めて24枚という豪華絢爛な高座だったのですが・・・・・・・・・・

もうね、上記URL先に行ってみたらPFFの枚数が「15」とある時点で何かこうワクワク感が無くなる話じゃのうと思いながら期待しないで読んだらまさしく期待しなかった通りの構成でオラガッカリだべという所でおじゃる。

・「いよいよこれから」が2発とな

冒頭の所でこんな説明が。

『実体経済や金融市場の状況をみると、日本経済はデフレ脱却への道筋を着実に辿っていると考えられます。もっとも、私の考えでは、金融政策が本格的な効果を発揮するのはいよいよこれからであり、所期の効果が十分に発揮されるためには、政策のねらいや私たちのコミットメントについて、国民の皆さまに十分理解して頂いているということがとても重要です。』

はあそうですかという感じですが、昨年の今頃は師匠は「インフレ率を2%にするためには、日銀当座預金を昨年末の約40兆円の倍、70〜80兆円にすべきだ。」と仰せで、それによりますとそうなると「来年の半ばには達成可能」との事でしたが、現状ではそれよりも遥かに大きい日銀当座預金残高が達成されている訳で、いよいよこれからとか店屋物の出前(死語ですかそうですか)じゃないんですけどもう大概達成が見えているもんじゃないんですかねえ。高度な理論を元に散々白日銀を罵倒していた分の約束手形の期日にはきちんと落とし前付けて頂かないと困りますな。
(ご参考→http://www.h5.dion.ne.jp/~bond7743/hatsugeniwakiku.html#iwakiku130228

もうちょっと先にも中々来ない店屋物の出前発言がございますが。

『内需面のポイントの最後として、設備投資についても触れておきたいと思います。現在、企業収益は改善しており、そのもとで、設備投資は持ち直しています。出遅れていた製造業についても、このところ機械受注が明確に持ち直しているなど、改善傾向がはっきりしてきています。先行きについては、企業収益の改善が続くもとで、予想実質金利の低下などを通じた金融緩和の効果がいよいよこれから本格的に発揮されるようになることから、設備投資は増加基調を辿ると予想しています。製造業の設備投資についても、次にお話しするように、海外経済の持ち直しが進み、輸出が緩やかに増加していくと見込まれるもとで、今後は勢いが増していくと予想しています。』

「金融緩和の効果がいよいよこれから本格的に発揮されるようになる」ってあのその確か先生一派の皆さんって適切な金融緩和をすると効果てきめんみたいな話してませんでしたっけという所ではございますが、そんな調子で2年で物価安定目標達成できるんですかあと1年2か月しか残ってませんよ。


・金融政策運営の説明に理論的な話が碌すっぽ見えない件について

『3. 金融政策運営の考え方』ということで説明しているのですが、実質金利に働きかける云々の説明はまあ良いとして、ではその実質金利がどうなると下がるのかという説明が『(2)「予想に働きかける」ということ』って小見出し(本文8ページ)にありましてですね。

『このように、現在、日本銀行が実施している「量的・質的金融緩和」は、将来のインフレについての皆さんの予想に働きかけることによって、その効果を発揮することを一つの眼目としています。』

『「人々の予想に働きかける金融政策」というと、どことなく曖昧で、頼りない印象を受ける方がいらっしゃるかもしれません。しかし、金融政策に限らず、どんな経済政策も人々の予想形成に影響しないものはありません。それは、人間は将来を予想しながら、現在の行動を決めるからです。したがって、人々の予想を考慮に入れながら政策を運営するということは、とても大切なことです。』

それは判ったがMBを幾ら増やすとインフレがこれだけ動くだのインフレ期待がこれだけ動くだのという一次関数直線番長な高級理論があった筈だがその辺の定量的な説明はどこにあるのでしょうか。

『また、経済現象に関係する予想については、「予想が結果として自己実現する」という面も重要です。例えば、多くの人が「この会社の株式の価格は上がる」と予想してその株式を購入すれば、実際にその会社の株価が上昇するといったように、「予想の自己実現化」は現実の世界に大きな影響を及ぼすのです。これまで長い間、多くの人が「今後もデフレ(物価の下落)が続く」と予想して、消費や投資行動を決めた結果、実際にデフレが助長されたという面は否定できません。つまり、物価についても、デフレ予想がデフレをもたらす、という自己実現的な現象が起きてきたのです。』

本当はここ段落が分かれているのだが段落分けしている意味がないので続けて引用。

『したがって、デフレから脱却して、安定的な物価上昇を実現するためには、まず、皆さんの予想を「デフレ予想」から「インフレ予想」に変える必要があり、そのための強力な手段として、「量的・質的金融緩和」を進めているわけです。』

で、その定量的な効果は???

『人々の予想に働きかけることを前面に出した金融政策というのは、過去にあまり例のない試みであるのは確かです。したがって、日本銀行としては、金融政策の新たなフロンティアを切り拓くという気持ちを持って、この政策の遂行にあたっています。』

すいませんこの前の中央大学での説明だと「このように日銀当座預金が減ったら物価連動国債のBEIが縮小しました」みたいなオモシロ事例を使ったあまり定量的とは言い難いけれどもそれでも何か量を出すとこのように効果があるみたいな話をしていたのですが、これではただの気合理論でして、エビデンスもへったくれもあったものではない訳で、金融政策の理論的バックボーンとなる事を期待されて日銀副総裁になられた筈の師匠はどこに行ってしまわれたのでしょうかという所でございます。

つーかですな、このような気合理論を振り回すのでしたらば別に黒田総裁が貫録の気合理論攻撃をしておけば良いのでありまして、本来師匠におかれましてはその気合がただの気合ではなく実は高度な理論を背景にしていて、まあ確かにチャレンジングではあるがこのような背景がありますのでチャレンジしているみたいな話をして欲しい訳でして、これでしたら所謂複数均衡の話を背景にして望ましくないデフレ均衡から本来あるべき安定的なインフレ均衡に持って行くために、均衡からの遷移を図りたいみたいな説明をしている黒田総裁のきさらぎ会講演(やその後の講演)の方がよっぽどクリアカットなロジック(かなりヤケクソなロジックだが、異次元政策を実施した意味合いの説明にはなっているでしょ)でして、誠に遺憾ながらその比較で見ても師匠のご説明は棒読み風味満点のテキストで何ですかこれはどこぞの局の作文棒読みですかという所ではありますな。


・物価安定の定義は将来の論点でしょうな

2%物価目標がどうのこうのという話をしている中で興味深い部分が。

『こうした表現が、一般の方々にはなかなか判りづらい面があったかもしれませんが、ここでのポイントは「安定的に持続するために必要な時点まで」という部分です。つまり、消費者物価の前年比上昇率が2%に達したとしても、その水準が先々も安定的に2%近辺にとどまるという見通しが立たない限り、急に金融緩和をやめてしまうということにはならないということを約束しているわけです。』

・・・・・・・・・・うーんこのという感じでして、「安定的に2%」の物価目標に関して、アクチュアルな物価指数水準の話をするのか、フォワードターゲットとしての物価目標水準の話をするのか、はたまた「期待インフレ率が2%でアンカーされている」というような話をするのか、それともフィリップスカーブのY切片が2%的な話をするのかとか、どうもこの辺に関する定義づけは微妙に曖昧だなと思うのですよ。

どうも師匠におかれましてはアクチュアルな物価水準が平均的に2%近辺で安定するような図をイメージしているような説明に近い感じになっていまして、まあインフレーションターゲットという意味では最もプリミティブな図ではあるのですが、金融政策運営の柔軟性という意味ではフレキシブルインフレーションターゲットというのが主要国の潮流という中ではあそうですか(棒)という所ではございまする。

実際問題として、ここの「安定的に2%」の定義って微妙に曖昧にしたまま放置プレイになっている訳でございますが、それはどう見ても日銀の作戦でしょという所でございますので注意が必要かと思われます。


・師匠の会見が面白いようですよ!!!

でまあ宮崎まで会見でツッコミをしにお出掛けになられる記者の皆様お疲れ様ですという所でございますが、会見ではBEIに関して大変に素敵な発言をされてベンダーヘッドラインを見た債券市場関係者の腹筋を崩壊させる事案が発生したり、2年で目標達成しなかった場合の責任についての話が何故かフェードアウトされたりなど、微妙にオモシロ事案があるようですので、テキスト出るの今日なので気が向いたら週末に更新するかもしれませんが期待しないで下さい。

なお、経済物価情勢や消費税に関する話などは思いっきり展望レポート通り(そらそうだという感じですけど)ですのでその辺からも何ちゅうかその棒読み感が漂ってくるんですけど執行部だから仕方ないですよね(棒)。

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2013/10/29

○師匠はまた質疑応答の無い所でお話ですかそうですか

知らぬ間にこんなのが。

http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2013/data/ko131028a.pdf
高橋是清翁顕彰シンポジウムにおける挨拶

まあ当然ながら高橋財政の話をしているのですが、また質疑応答の無い所でのお話ですね記者の皆さんの楽しいツッコミが予想される質疑御応答付きの講演はまだですかそんなに会見に出したくないですかそうですかという風情でありますがそれは兎も角として。

・「レジーム転換」の部分はまあそうですねという話

でまあ高橋財政の話をしていまして、その成功の背景には「レジームチェンジによる期待の転換」があるという話で、これはQQEにも引き継がれる考え方である、というのはまさにそうですねという話で、しつこく申し上げているきさらぎ会での黒田総裁の説明の中での重要な部分のうちのあまり注目されなかったもう一方のポイントはここに繋がる話ですよねという所です。

『高橋財政の成功は、経済政策のレジームを井上財政のデフレ・レジームから高橋財政のリフレ・レジームへ転換させることによって、人々のデフレ予想を覆して、インフレ予想に変えたことにあります。このレジーム・チェンジによる予想の転換という考え方は、今回、日銀が採用した「量的・質的金融緩和」の考え方にも引き継がれています。』

まあそんな訳ですからして、追加緩和がどうのこうのという話や、時間軸の強化という話ではなく、「2年で2%」の「2年」というのはデフレ均衡状態から望ましいインフレ均衡状態に持って行くために必要なのであって、この手の説明をみて「追加緩和」とか「時間軸強化」という話をするのはそもそもリフレ―ション政策によるレジームチェンジの意味する所を忘れてるんじゃないのかと思うのですが、どうも「日銀の追加緩和/時間軸強化」という新しい相場ネタを欲しがっている皆様におかれましてはこういう反応をするようで・・・・・・・・・・・


http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MVDFHI6S972A01.html
NY外為:円は対ユーロ下落、日銀副総裁が緩和継続を再確認
更新日時: 2013/10/29 04:43 JST

『10月28日(ブルームバーグ):28日のニューヨーク外国為替市場では円が対ユーロで3営業日続落。 日本銀行の岩田規久男副総裁が金融緩和の継続を再確認し、円売りが活発になった。』

『トロント・ドミニオン銀行のチーフ通貨ストラテジスト、ショーン・オズボーン氏は「日銀会合を前にハト派の発言が出てきた。これが円にとって弱材料となっている」と述べた。』(以上上記ブルームバーグニュース記事URLより)

相変わらずこういう反応になってしまう流れになっていて、どうも異次元緩和政策の「レジームチェンジによる期待の転換」というのが通常の逐次投入的な金融政策とは次元が違っている(だから異次元)という点に対する理解が浸透してませんわなあと思われるのですが、まあ6月時点では2年オペ導入でどうのこうのみたいな話が盛り上がったように、そもそも当初の時点では説明されている方も理解できていなかったし、説明もあまり整理されていなかったなとは思うのでありまする。


・国債引受に関する説明が雑な気がする件について

でまあそれは良いのですが、ここの説明はちょっといただけませんな。

『なお、高橋は、1935年には経済は安定軌道に乗ったと考え、歳出を削減するとともに、これ以上、日銀による国債引き受けを続けると、ハイパー・インフレになると考え、日銀の国債引き受けも止めようとしました。そのことが、軍事支出の増加を要求する軍部の反感を買い、高橋は36年2月26日に、青年将校によって暗殺されました。いわゆる、2・26事件です。高橋が暗殺された以後は、日銀の国債引き受けが悪用され、戦後にハイパー・インフレを引き起こす原因になりました。しかし、ハイパー・インフレを引き起こしたのは高橋財政ではなく、高橋が暗殺された以後の国債の日銀引き受けだったことに注意する必要があります。』

という説明をしているのですが、例えばこういうのがありまして・・・・・・・・・

http://www.imes.boj.or.jp/japanese/kinyu/1983/kk2-2-5.pdf(重いので注意)
いわゆる 「高橋財政」 について
島謹三

ちなみにこのブツ日本銀行金融研究所機関誌『金融研究』 の第2巻第2号 (1983年7月発行)
http://www.imes.boj.or.jp/japanese/kinyu/kinyu83.html
となりまして、ブツが昔のものなので画像のスキャンなので引用しようとするとタイプ打ちをしないといけないので引用はパスなのですが(大汗)。


んーっとですね、こちらのPDFファイルの28枚目(文書の下に打ってあるページ表記で110ページ)以降に「高橋財政」以降の物価動向に関するレビューがあるのですが、既に高橋財政期においても財政インフレや悪性インフレが懸念される状況にあったという説明が有る訳で、まあ勿論この辺は論者によって説が別れるの所ではるとは存じますが、実際問題としてその前からインフレーションの加速は進んでいた訳で、そう単純に「高橋財政では問題無くてその後が悪い」で済ませて良いのでしょうかとという話で、師匠ちょっと話を簡略化し過ぎじゃネーノと思うのですけど。

ちなみに頑張ってPDF31枚目(ページ表記で113ページ目)の『ハ、小括』という所をタイプ打ちしてみますね。

『以上、高橋財政期における経済パフォーマンスを検討してみたが、ここでそれを若干整理すると、@高橋財政期中すでに、財政支出に支えられなくても、景気は民間主導型で勢いがついていた、A日銀引受けが経済政策の歯車として組込まれており、マネタリーコントロールの力が喪失されていた、といえるように思われ、そうであるとすれば、例え戦時経済に突入しなくても、先行きの景気過熱とインフレ加速が目にみえていたと考えられる。』

『12年以降の物価急騰も「馬場財政」に帰着させる見解が多いわけであるが、それはやや当を得ていないのではあるまいか。むしろ、国債の日銀引受けが行われているような状況下では、安易に財政膨張が進むのは自然であり、そこへ経済合理性以外の外的要因が加わったときには必ずやインフレ加速につながるといった方が、正鵠を射た議論であろう。』(以上島(1983)より、上記PDFファイルの31〜32枚目、「金融研究」本文ページ113〜114ページより引用、タイプ打ちは引用者によります)

とまあそういうことで。

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2013/10/21

○師匠の素敵な高座ネタのフォローというか何というか

フォローというか追加なんですけどしつこいですかそうですか(^^)。

師匠の高座はこちら。
http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2013/data/ko131018a1.pdf

師匠の説明のアレな所は何かという愚考をしてみようかと思ってフォローするのだ。

えーっとですね、京都の講演をネタにした時に思ったのは「岩田副総裁の説明は(1)アプリオリに「こうなる」と言っている所与の部分についてその前提が怪しい、というのと、(2)相関関係と因果関係の取扱いが雑で(というか意図的かどうか知らんが曖昧に扱っていてというのか)自説に都合の良い因果関係がホイホイ出て来る、という辺りに特色がある」とか申し上げたのですが、今回の講演を拝読して追加で思ったのは、(3)何らかの現象について説明する際にその時々で違う説明をするので通してみると前後矛盾が発生する(つまり説明がご都合主義)、(4)説明に都合の良い話だけ持ち出してくる、というのがあるのかなあとか今回思ったのですね。

つーことでまず(3)の検証ですけどね。

つまりどういう事かと申しますと、時間軸自由自在というのは土曜日に申し上げましたが、まあ似たような話が期待インフレ率に関する部分で存分に展開されている訳ですよ。

予想インフレ率の上昇は金融政策のコミットメントで起きる云々の話を何回か説明していますが、例えば本文5ページではこのように説明しています。

『ここで重要なことは、銀行の貸出等を通じた貨幣の増加が現に起こっていないとしても、将来の貨幣の増加を見越して、予想インフレ率の上昇が起こり得るという点です。』

で、その後同じく本文5ページに『(4)予想インフレ率の上昇は株高や外貨高をもたらす』という小見出しで、予想インフレ率が上昇すると資産市場に好影響を与えるという話があり、これから消費などに好影響が起こり前向きの循環が起きるという説明が展開されている(その辺りは京都の講演でも説明がありました)訳ですよね。


然るに、これまた土曜にも引用しましたように、本文10ページにおける超過準備とインフレ期待に関する説明の中で師匠はこのように説明しています。

『まず、現実に起こったことをみてみますと、2006年3月9日の日銀による量的緩和解除は、わが国の国債市場から観察される予想インフレ率の低下をもたらしました(図表22)。』

でまあそもそもBEIの低下はCPIショックと言われるものでしたよねっつー話を土曜日には申し上げましたが、そもそも論としてその前の説明では「予想インフレ率が将来の貨幣の増加を見越して上昇し得る」という話をしている訳でして、量的緩和政策の拡大で将来の貨幣の増加を見越して予想インフレ率が上昇するんだったら、量的緩和政策の解除で貨幣の減少が見込める中で予想インフレ率が低下しないといけない筈ですが、量的緩和政策の解除時期が近くなってきましたねという見方が強まった遅くとも2006年の1月(実際は05年11月位から盛り上がって、1月にはもう「いつ解除ですかねえ」状態になりました)からのBEIの推移って師匠の説明を全然裏付ける動きになっていませんですよね。

しかしながらこの超過準備とインフレ期待に関する説明の纏め部分では師匠はこういう話をしているのですよね。本文11ページになりますけれども。

『なぜこのようなことが起こるのでしょうか。それは、市場参加者が、マネタリーベースや超過準備の動向から中央銀行の金融政策レジームを判断し、将来の貨幣ストックや将来の金利およびインフレ率を予想するからです。金利や予想インフレ率に影響するのは、中央銀行の金融政策レジームと、そのレジームを前提とした市場参加者の将来の貨幣ストックの予想であって、現在の貨幣ストックではありません。この意味で、「現在の貨幣ストックと物価との間に一対一の関係が成り立つ」という、素朴な貨幣数量説は現実に妥当しないでしょう。しかし、将来の貨幣ストックの経路に関する予想と予想インフレ率の間には密接な関係があり、そうして形成される予想インフレ率が現在のインフレ率を決定するのです。』

ということで、そもそも『金利や予想インフレ率に影響するのは、中央銀行の金融政策レジームと、そのレジームを前提とした市場参加者の将来の貨幣ストックの予想であって、現在の貨幣ストックではありません。』と説明しておきながら、その反証として例に挙げている2006年の量的緩和解除に関しては「実際に量的緩和解除を行い、さらに超過準備が減少した”後”に起きた」BEIの低下を指して「量的緩和解除はBEIの低下をもたらしました(ドヤァ)」と説明しているんですからそもそも説明が前後矛盾しているんですよね。


ちなみに本文12ページでは師匠は、

『金融緩和政策は国債、株式、外国為替のような資産市場には直ちに影響を及ぼしますが、生産、雇用、物価および賃金などの実体経済に及ぼすまでにはかなりの時間がかかります。』

『昨年11月中旬にアベノミクス構想が発表され、そのころからすでに「次元の異なる大胆な金融緩和政策」が期待され、投資家をはじめとする人々がその大胆な金融政策への転換を織り込んで行動し始めたためであると思います。つまり、「量的・質的金融緩和」の効果はすでに昨年11月中旬から始まっていたということです。実際に、昨年11月中旬から株高・円安の動きが始まっています。』

ということで、資産市場に直ちに影響を及ぼす、という認識を示しているのですが、その前の本文5ページの辺りでの説明では「予想インフレ率の上昇が資産価格に好影響を与える」という風に説明している訳ですから、つまりは2006年の量的緩和政策解除によるBEIの低下はもっと早い時期から起こっていないと師匠の説明を裏付けることにならない(量的緩和解除したら超過準備が減少するのは自明だから)筈ですよね。


ついでに(4)の検証という程でも無いですが、同じく超過準備とインフレ期待に関する説明をしている部分で、超過準備豚積み説(と師匠が言っているがそもそもナンジャソラなのですけどね)の師匠様によります反証の一つ目が先ほどの2006年の日本なのですけど、もう一つの反証はこちらですな。本文10ページ以降。

『また、最近の米国でも、今年5月22日に行われたFRB議長の議会証言によって、量的緩和が近い将来に縮小される――より正確には、超過準備の増加ペースが抑制されるというだけのことなのですが――との予想が生まれた結果、名目金利の上昇、予想インフレ率の低下、予想実質金利の上昇が発生しました。逆に、今年9月18日の連邦公開市場委員会(FOMC)による量的緩和継続の決定は、名目金利の低下、予想インフレ率の上昇、予想実質金利の低下をもたらしたのです(図表23)。』

というころで図表23があるのですが、それは判ったのだがそのだいぶ前からFRBは物凄い勢いで超過準備を拡大しているのだが、その間インフレ期待は基本的に安定推移していた筈なのですけれどもそっちに関する説明は何で存在しないんですかという辺り、まあ説明に都合の良い所だけ切り取ってきて「このようにこの説明は成立するんです」とか言われても政策担当者としてどうなのよと思うのですよね。

つまり「この理論はこの通り正しい」という話をする際に出してくる事例が「都合の良い場面のものに限る」という事になっているっつーことは、そもそも論として政策のバックボーンとなるその理屈が実際のケースに適合しているのかという点に関する検証が出来ていないという事になりますので、そらまあ当たりを引いてめでたしめでたしだったら良いのですが、スカを引いた場合にどうするんですかという話でして、失敗しましたテペヘロで済む話じゃないんですから、「都合の良い状況では当て嵌まる説明」とかで政策理論の説明をする政策担当者とか恐ろしくてタマランチ会長と思うのですがどうなんでしょうかねえ。


結局ですね、師匠の説明ってパーツパーツでは筋の通った話をしているので、パーツパーツだけを見ていると説得力がかなりあるのですよ。まあそこが質の悪い所でして、今回の講演(はややボロが多いのですが前回の京都の講演とかが典型的なのですが)なども漫然と読んでいると凄い説得力がありそうに見えるのですが、先ほど申し上げましたように(1)そもそも前提として「これがこうなります」という部分の検証が無くアプリオリに正しいとなっている、(2)政策に関しての考察が同じ事案で都度都度別の説明、しかも単体で見た場合には一応筋が通った話をしている、というのに加え、(3)相関関係と因果関係の使い方が怪しい、ので何となく説得力があるけど良く考えるとあれ?となるのですが、良く良く批判的(いちゃもん前提とか言わないように^^)に読むとナンジャソラとなるというのが仕様なのですよね。

つまり、例えば今申し上げたように、「金融政策が予想インフレ率に対してどのような形で影響を及ぼすか」という説明の際に、その都度説明に都合の良い理屈を巧みに(なのか巧まざるなのか知らんですけれども)繰り出してきたり、自説に都合の悪そうな話を巧みにスルーしたりするので、一瞬あれ?と思っても中々気が付きにくいのですよ。

で、パーツパーツを読むだけではなく、その中のロジック展開で「さっき説明していたロジックと違う説明をしているのではないか?」と思って前後の文章を読み直してみると、説明の前後で同じ事に関して別の時間軸での説明をしたりという自由自在振りを発揮しているというような面が見える訳ですよ。土曜日には金融政策の効果に関する時間軸自由自在と称して講演での説明(これまでの金融政策の効き方に対する時間軸)と質疑応答での説明(今後の金融政策運営における金融政策の効き方に対する時間軸の考慮)に矛盾があるでしょと指摘しましたが、まあそんな感じですな。

#いやあ粘着してますなあ>自分

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2013/10/19

お題「師匠の高座が大変に素敵なので思わず休日に更新」

昨日は記者会見などのセットが存在しない師匠の講演が中央大学で行われまして、ヘッドラインを見ながら腹筋が躍動する不肖このアタクシは講演テキストとテキスト以外の発言(質疑応答があったみたいですが質問はその場なのか予め募集したものなのかは知らん)を見ながら腹筋の鍛錬を行っておりましたので感動覚めやらぬうちにネタ投下(^^)。

ということで師匠の高座はこちら。表紙と図表含めて38枚もありますが、講演は正味12ページ。

http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2013/data/ko131018a1.pdf
「量的・質的金融緩和」の目的とその達成のメカニズム

まあ何ですな、この講演テキストを作ったのは誰だぁ(ガラッ)と海原雄山状態というのが最初の感想でして、『「量的・質的金融緩和」の目的とその達成のメカニズム』という話なのですが、まあ前回の京都での講演もそうでしたが、達成メカニズムに関してスタートとなる「QQEを実施するとインフレ期待が高まって実質金利が低下する」という部分に関して何故そうなのかという考察が例によって例の如く存在しておりませんで、そこがアプリオリにそうなるという前提のもとでその先の話を積み上げている次第。

まあ前回の講演をネタにした時にも申し上げましたが、そんな訳ですから途中の部分部分を見るとその部分では話の筋が通っているというのが何となく話をもっともらしく見せているのですが、まあ「MBを増やすと何でインフレ期待が高まるのか」という点についての定量的な説明は当然ながらないのですな。


○2006年夏以降のBEI低下と超過準備の関係という事実認識にアレな点があるのが白眉

・・・・・・・・・とまあここまでは前回と同様の話なのですが、今回の講演における白眉は「2006年に量的緩和を解除したらBEIが低下しました」という部分でして、そもそも事実関係を誤認してたり金融調節の仕組みを理解して居なかったりという凄まじいまでの内容が記載されているのがこれは酷いとしか申し上げようがない部分です。

いやね、MB拡大するとインフレ期待が高まるんです(キリッ)とか言うのはまだ一つの説としてそういう考え方なんですとしておけば良い話なのですが、そもそもの時点で事実関係の誤認、というとちょっと言い方に問題あるかもしれませんが、既に起きた現象に関する解釈が決定的におかしいとしか申し上げようがないというのを日銀副総裁が講演するなよと思う訳で、誰だよこのテキスト作ったのは(まあ師匠でしょうけれども)という所ですし、幾らなんでもこの部分は表に出させない方が宜しかったんじゃないでしょうかと思うのでまずはこの白眉部分をネタにする次第。

講演テキスト10ページ(ファイルの11枚目になります)の『4.超過準備とインフレ』と言う部分から。

『ここで、やや視点を変えて、私たちの政策に対するひとつの批判、具体的には、「日本銀行がマネタリーベースを大量に供給しても、銀行の超過準備が積み上げるだけで貨幣が増えないから、インフレにはならない」という主張――いわゆる「超過準備豚積み説」――の妥当性について触れておきたいと思います。』

初めて聞いたぞこの「超過準備豚積み説」って日本語と思いますがまあそれはそれとして、今回の講演の中で最も海原雄山が厨房に乗り込んで来そうな部分はこちらになります。

『まず、現実に起こったことをみてみますと、2006年3月9日の日銀による量的緩和解除は、わが国の国債市場から観察される予想インフレ率の低下をもたらしました(図表22)。』

でまあ図表22というのがPDFファイルの37枚目にありまして、2006年3月の量的緩和解除の決定以降の物価連動国債最長期物BEIと超過準備の推移をプロットしているグラフ(貼りつけスキルないから皆さんはファイルを見てちょ)でありますが、まあここが幾重にも残念なグラフとなっている訳です。


まず最初の重大なツッコミ所ですけど、物価連動国債市場に衝撃が走ったのは量的緩和解除ではなくて(大体からして量的緩和解除が意識されるようになった時期のBEIは上昇しとるがな)、2006年7月(公表ベースだと8月)に行われたCPIの基準改定時に起きたいわゆる「CPIショック」というものであります。

2006年8月26日に公表された7月の全国CPIから基準年が2000年基準から2005年基準に変わったのですが、この時に市場の予想以上に改定後のCPIが下振れ(携帯電話料金新プラン(禿携帯のホワイトプランでしたっけ)が全部織り込まれた事が大きかったと記憶していますが)した結果、ナンジジャソラとなって(何せ当時はベースのCPIの数字が低くて物価上昇期待も大して無かったですからその手のテクニカルな話の影響は無茶苦茶でかかったです)、物価連動国債が売り込まれたという事案があった訳ですな。

と申しましても、当時はエライ売られたなあと思っていましたが、図表22の方を見ると0.75%位だったBEIが0.5%位に下がったとかいう話だったのかとふーんという所ではあるのですがまあそれは兎も角。

この辺の事情に関しては(折に触れてご紹介しているのですが)a-kunさんの所で当時の状況に関する解説がございまして、またまた時を経てリンクを張らせて頂きたく存じます(存じますも蜂の頭も張ってしまいますが^^)。

http://d.hatena.ne.jp/a-kun/20061026
2006-10-26 (Thu) あえてつっこんでみる。

#なお上の方でも申し上げていますが、物価連動国債市場の環境については2006年当時と今とでは色々な面で思いっ切り違いがありますので、現在の市場環境に関する話とはまた別の問題の話となっている点は念の為申し添えますm(__)m

ということで2006年当時のBEI推移に関して事実関係の認識にまあキツイ言い方をすれば誤認と申しますか、ご自身の説に都合のよすぎる勝手解釈をする時点で政策担当者として如何なのもかという話。


でまあ更に如何なものかと思われるのは、図表22の右目盛りに「超過準備」を使っていることでして、基本的に金利誘導政策を実施している際には超過準備というのは金融機関の資金繰りバッファー部分以上には積みあがらないというのが金融調節上の仕様となっており、仮に過去の経緯(つまり量的緩和政策の出口時点の話ですが)で積み上がっている場合は何らかの手段を用いて必要以上の超過準備を不胎化しないといけないと言う事です。

つまり、金融機関の資金繰りバッファーニーズ(これは当然ながら通常だと限界的な所まで下がるし、金融危機モードとかになれば資金繰りバッファーに余裕が必要になるので増えるという可変のものです)を大幅に上回る超過準備を中央銀行が供給し、それが継続的となる場合というのは、短期市場金利における「恒常的なカネ余り」が生じ、需給関係で言えば資金の出し手の資金放出意欲が常に上回る状態となりますので、短期市場金利というか翌日物金利となるでしょうが、この水準は常設の預金ファシリティーが存在する場合はその金利、無い場合はゼロ水準に向けて低下してしまう事になります。

さらに現在の日米の量的緩和政策のように短期金融市場(というか翌日物取引市場)の資金需給を超余剰状態にすると預金ファシリティー金利(今の米国なら25bp、日本は10bp)を下まわった水準で翌日物金利が推移する事になります。だからゼロ金利政策時には超過準備をバカスカ積み上げる事が可能であり、コインの裏表の関係になりますが、同じ文脈で現在はFOMCの中でQEの出口で市場金利を誘導できるのかという議論が行われたりする訳ですよね。

でもって2006年の量的緩和解除後に金利誘導政策を実施したのですが、ゼロ金利政策自体が解除されたのは2006年7月ですが、当時の日銀は常設預金ファシリティーは存在していなかった(昔から預金ファシリティーを常設していたのはECB)ので、ゼロ金利を解除しながら量的緩和政策を行うというのはそもそも物理的に不可能な話でして、そもそも論として超過準備の量とインフレ期待を結びつけること自体がゼロ金利政策下以外の状況における政策技術論的に意味をなさない話であって、このおじさんは日銀に入ってもまだ理解していないのかと呆れてものも言えない(散々悪態ついてますかそうですか)という所ではございます。


ということで、まあこの部分がとにかく白眉なのですが、その他の部分でも色々とツッコミ所は有る訳でして・・・・・・・・・・・・・・・・・


○なぜ予想インフレ率は上昇するのかという部分が説明になっていない上にマネーの説明部分がアレな件について

さてテキスト戻りまして本文4ページの『(3)なぜ予想インフレ率は上昇するのか』という小見出しの部分を鑑賞致したいと存じます(^^)。

『さきほど、「量的・質的金融緩和」が市場参加者の予想インフレ率を引き上げる方向に働くと申し上げました。』

ちなみに、そのさきほどというのは同じページの上の方に『加えて、2%の物価安定目標にコミットした「量的・質的金融緩和」は、のちほどご説明するように、市場参加者の予想インフレ率を引き上げる方向に働きます。』とありますので、ついに師匠がMB拡大すると物価が上昇するんですという従来の理論の説明を披露されるとワクテカしながら(嘘)拝読しないといけませんよ!!!

『市場参加者の予想インフレ率が上昇するのは、日本銀行が2%の物価安定目標の達成を強く約束し、その目的達成のために民間に供給するお金(このお金は現金と金融機関が日銀に預けている当座預金の合計で、「マネタリーベース」と呼ばれます)の量を大幅に増やし続ければ、将来、銀行の貸出等が増え始め、その結果、世の中に多くの貨幣(貨幣とは現金と預金の合計です)が出回るようになる、と市場参加者が予想するようになるためです。』

・・・・・・・・・・・・・・・?????????????????????

どうもこの「貨幣」というのはいわゆるマネーストックのうちのM1部分なのかM2+CDの部分を指しているのか判らないのですが、まあ要するにマネーストックの話をしているんですなあというのは理解できますのでそこは丸めて話をしますが、そもそも「マネタリーベースを拡大すると金融機関の貸出が拡大する」という部分につきましてその理論的背景でも実証的背景でも何でも良いのですがご説明なく、アプリオリにMB拡大で貸出拡大(キリッ)とか言われてその前提で話を展開されても困るのですけれどもねえという所です。

つまりですね、金融機関の貸出が増える減るというのは金融機関のバランスシート上で預金と貸出金が両建てで増えるか減るかという話であって、それ自体は超過準備の額がどうのこうのというのと話は別ですがなという話です罠。

確かに金融機関が貸出を全力で拡大しますと、バランスシートの反対サイドに預金が拡大となるので、例えば法定準備預金額が拡大したり、銀行券需要が拡大する結果として銀行券発券残高が拡大するという現象は起き得ますので、「事後的な結果として」アグリゲートされた銀行券発券残高や日銀当座預金残高が拡大してマネタリーベースが拡大するというのは有りますが、今申し上げましたようにこれはあくまでも起点が金融機関の投融資行動であって、その事後的な結果としてマネタリーベースが拡大するという話であって、師匠の仰るような「マネタリーベースを増やすと金融機関の貸出が拡大する」という因果関係にはなっておりませんぞなもしという話です罠。

しかしながらこれをアプリオリに認定しておりますので、師匠の説明は以下このように展開される訳でございます。

『将来、貨幣が増えれば、その貨幣の一部が物やサービスの購入に向けられるため、インフレ率は上昇するだろう、と予想されるわけです。ここで重要なことは、銀行の貸出等を通じた貨幣の増加が現に起こっていないとしても、将来の貨幣の増加を見越して、予想インフレ率の上昇が起こり得るという点です。』

そらまあ師匠のように相関関係と因果関係を混同して錯覚する人もいるでしょうからマネタリーベースを増やすと将来金融機関の貸出が増えると思う人もいるかもしれませんけどね!!!!!



でもって最初に引用した部分の「豚積み説」の部分に戻りますけどね(本文10ページ)。

『ここで、やや視点を変えて、私たちの政策に対するひとつの批判、具体的には、「日本銀行がマネタリーベースを大量に供給しても、銀行の超過準備が積み上げるだけで貨幣が増えないから、インフレにはならない」という主張――いわゆる「超過準備豚積み説」――の妥当性について触れておきたいと思います。』

インフレにはならないというよりは、それ単体では効果ないでしょというのが批判の筋なんですけど。で、具体例の話はさっきの日本の話と米国の話が出てきますが、日本の話に関しては今しがた悪態をついた通りで米国の部分はもはやめんどいので割愛してその結論部分。


『なぜこのようなことが起こるのでしょうか。それは、市場参加者が、マネタリーベースや超過準備の動向から中央銀行の金融政策レジームを判断し、将来の貨幣ストックや将来の金利およびインフレ率を予想するからです。』

えーっとすいません、結局「マネタリーベースを拡大したら金融機関の貸出が増える」という理屈の説明になっておりませんですが・・・・・・・・・

『金利や予想インフレ率に影響するのは、中央銀行の金融政策レジームと、そのレジームを前提とした市場参加者の将来の貨幣ストックの予想であって、現在の貨幣ストックではありません。この意味で、「現在の貨幣ストックと物価との間に一対一の関係が成り立つ」という、素朴な貨幣数量説は現実に妥当しないでしょう。しかし、将来の貨幣ストックの経路に関する予想と予想インフレ率の間には密接な関係があり、そうして形成される予想インフレ率が現在のインフレ率を決定するのです。』

だからマネタリーベースを拡大したら金融機関の貸出が増えるという因果関係に関する説明をして頂きたいのですが、これではただのトートロジーじゃないでしょうかねえ。



○政策効果の時間軸に関する説明が自由自在な件について

これはテキストに無い部分でベンダーヘッドラインを見ていてワロタという件になりますので、以下は一部にニュースからの引用が混じります。

まずは講演部分になるのですが、これまでのQQEの政策効果に関してこのような説明がございます。

本文13ページの『6.おわりに』の説明をまずご覧ください。

『金融緩和政策は国債、株式、外国為替のような資産市場には直ちに影響を及ぼしますが、生産、雇用、物価および賃金などの実体経済に及ぼすまでにはかなりの時間がかかります。』

ふむふむ。

『日本銀行が「量的・質的金融緩和」を採用してからまだ6か月余りしかたっていないことを考慮すると、むしろ、実体経済への影響は従来よりも早く現れたといえます。それはおそらく、昨年11月中旬にアベノミクス構想が発表され、そのころからすでに「次元の異なる大胆な金融緩和政策」が期待され、投資家をはじめとする人々がその大胆な金融政策への転換を織り込んで行動し始めたためであると思います。つまり、「量的・質的金融緩和」の効果はすでに昨年11月中旬から始まっていたということです。実際に、昨年11月中旬から株高・円安の動きが始まっています。』

なるほど。

『そのように考えると、現在時点で、異次元の金融緩和の実質的な継続期間はすでに11か月になりますから、実体経済への影響が現在程度の規模になるのは自然なことです。』

とまあこれは分かりましたが、そこで大変に興味深いのは質疑応答コーナーでの今後の金融政策に関するお答えと思われる師匠のお話になります。


ブルームバーグニュースから
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MUUTDS6JTSEY01.html
岩田日銀副総裁:2年で物価2%未達なら見直す−量的・質的緩和
更新日時: 2013/10/18 17:20 JST

当然ながらこの記事のお題になっている方にもツッコミが必要ですが(^^)、そこは次に回すとして、大変に奥が深い説明と感動する事しきりだったのは以下の部分となります。

『岩田氏は「2年を念頭に置くが、それで達成できなくても、できるだけ2年に近いスピードで達成すると約束した。これは後に引けない。2%のインフレ率が安定的になるまで、絶対に金融緩和の程度を緩めない」と述べた。さらに「ちょっと2%に近づいてきたら、もう金融緩和をやめるということはしない」と語った。その上で「2年くらいで、なかなか達成できないなら、どこに問題があるかを見直す」と語った。』(上記ブルームバーグニュース記事URLより)

えーっとまあ見直す云々のツッコミは後に回しますが、講演テキストの方では先ほど引用致しました通り、『金融緩和政策は(途中割愛)生産、雇用、物価および賃金などの実体経済に及ぼすまでにはかなりの時間がかかります。』という話をしておられたやに存じますが、そうなりますと「2%に近づいてきたからと言って金融緩和をやめる事はしない」というような金融政策運営を実施しますと、金融政策の物価に及ぼす影響のタイムラグから考えまして、どこからどう見ても「緩和のやり過ぎ」となって今度は物価が上振れすることになるんじゃないか。とまあ不肖無学のこのアタクシなんぞは思ってしまうのです。

これまでの金融政策効果に関しては「タイムラグがある」という話をしながら、今後の金融政策の継続期間に関する説明ではタイムラグが無いかのような説明をしているという超越自由自在説明に関しまして、もうちょっと判るようにご説明を賜りたいと斯様願うものであります。



○BEIの説明も自由自在ですね!!!!

さて、先ほどの講演テキストでは上の方で引用致しましたように、師匠は『将来の貨幣ストックの経路に関する予想と予想インフレ率の間には密接な関係があり、そうして形成される予想インフレ率が現在のインフレ率を決定するのです。』とご説明されておりましたが・・・・・・・・

ロイターニュースから
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL3N0I827120131018
UPDATE 1-物価目標達成難しいなら対策、米中など海外経済に下振れリスク=岩田日銀副総裁
2013年 10月 18日 18:37 JST

まあ題名の方は兎も角として(しつこい)、BEIの足元での推移に関して質疑でこのようなご説明をされておられます。記事の小見出し『米財政・金融政策の方向明確化ならBEIは再上昇』って所ですけどね。

『物価連動国債と通常の国債の利回り差から投資家のインフレ予想を示すBEI(ブレーク・イーブン・インフレ率)が、5月にピークを付け、一進一退の動きを示している点について、岩田副総裁は「米財政・金融政策の先行き不透明が原因」と解釈。今後、米財政・金融政策の方向性が明確になれば「再び上昇する」との見解を述べた。』(上記ロイターニュース記事URLより)

えーっとすいません、日本の金融政策なら兎も角米国の金融政策が原因って講演ではマネタリーベースを増やせば期待インフレ率が上昇します(ドヤァ)って言ってませんでしたっけいやもういいですけどね。



○見直すんですかそうですか

これは講演テキスト関係ありませんが先程のブルームバーグ記事である。URL再掲。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MUUTDS6JTSEY01.html(再掲)
岩田日銀副総裁:2年で物価2%未達なら見直す−量的・質的緩和
更新日時: 2013/10/18 17:20 JST

『岩田氏はその上で、「2%のインフレが今の金融政策だけでは不十分ということになるのは、海外のリスク要因が一番大きい。そういうことがあれば、日銀はまた何らかの対応を当然する」と言明。「それは逐次投入でなく、中長期的に見て、日本経済がやはり2%インフレに到達することが無理だということになれば、また新しい手段を考える余地はある」と語った。』(上記ブルームバーグニュース記事URLより)

ふーん、師匠って今まで日銀に対して「外部要因のせいにして言い訳するのはケシカラン」みたいな主張を散々繰り返していませんでしたっけ????????

というよりは、まあ皆様が期待するお約束の記事URLを付けておきますね!!!!!!!!!

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MJ5ZL46S973201.html
岩田日銀副総裁候補:2年で達成できなければ辞職−物価目標2% (1)
更新日時: 2013/03/05 13:55 JST

『3月5日(ブルームバーグ):日本銀行の副総裁候補に政府が提示した岩田規久男学習院大学教授は5日、国会での所信聴取に臨み、2%の物価目標の達成について日銀が全面的に責任を持つ必要があるとした上で、今後2年間で目標を達成できない場合は辞職する意向を示した。』

『岩田氏は「日銀は2%を必ず達成する、この達成責任を全面的に負う必要がある」と指摘。「日銀は金融政策のレジーム(体制)転換をすることが求められている」と述べた。達成期間については「遅くとも2年では達成できるのではないか、またしなければならない」と述べた。 』

『2年以内に目標が達成できなければ、「責任は自分たちにあると思う」とし、「最高の責任の取り方は辞職するということだと認識している」と言明。2年後の消費者物価 上昇率が2%に達しない場合は職を賭すということかとの再度の問いに「それで結構だ」と述べた。』(以上、上記ブルームバーグニュース記事URLより)

人に厳しく自分に大甘ですねわかります。

#ということで休日特別編をお送りしました(^^)他にいちゃもん付け所もありますがまあこの辺で

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2013/10/07

○会見で質問が来たのはワロタぞな(師匠&アブラハム)

総裁記者会見で質問が来たのはワロタとしか申し上げようがございません。まあ詳しくは今日の会見要旨にも出てくるでしょうが、総裁会見での質問については「それはこちらでコメントする事ではありません」という感じだったと思いますが、別途説明はあったようでございますな。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131004-00000178-jij-bus_all
日銀副総裁、謝礼受領を否定=アブラハムサイトに記事掲載
時事通信 10月4日(金)21時1分配信

『投資助言会社アブラハム・プライベートバンクのグループが運営するウェブサイトに、就任前の岩田規久男日銀副総裁のインタビュー記事が掲載されていた問題で、日銀は4日、副総裁が「謝礼などは一切受け取っていない」と説明していることを明らかにした。』(上記URLより)

ということですが、こちらの引用記事にありますように「掲載されていた」という表現になっているのにも味わいがありまして、金曜の朝見た時にはあったと思った木久扇師匠のインタビュー記事が金曜の昼前にはサックリと削除されていまして、何か問題となった途端に削除って逆に目立つからマズーじゃねえのと思うのですけどねえ。

海外投資新聞「識者の見方」(リンクはしない)
http://media.yucasee.jp/offshore-news/columns

こちらに先日まで師匠のインタビュー記事があって、そちらに例の高度な理論に基づく「当座預金残高80兆円になったら物価は2%行きます」という説明があったので、こちらの記事が削除されたのは誠に遺憾にも程がある(まあどうせ誰かが魚拓取っているでしょうから問題は無いですけど)所でございまして、金融経済懇談会でデビューしたら手ぐすね引いて待っておられます記者の皆様が当座預金残高と物価の関係について海外投資新聞さんのインタビューを題材にツッコミが飛ぶのになあと残念に思うのでありました。

『アブラハムについて、証券取引等監視委員会は3日、違法に投資商品販売を行ったとして、金融庁に行政処分するよう勧告した。岩田副総裁は日銀内部の聞き取りに対し、学習院大教授時代の今年1月下旬、同社の取材を受けたことを認めた。その上で「インタビュー以外の関係はない」と話したという。』(2つ前のURLの時事通信ニュース記事より引用)

まあこんなので一々首が飛んでいたら首が幾らあっても足りませんからそんな話になるような案件では無いにしましても、まあ一般的なメディアじゃない所のインタビューとなりますと一応事前にバックとか確認しておくもんじゃないのかねとゆー気もしますし、当時からまあ微妙にアレな評価もありました(のであたくしは以前ここの記事を引用する時に「ここから引用するのは如何なものかと思うのだが」という断り書きをしたと思います、つーかリンクを敢えて張らない時もありましたし)し、何ちゅうか脇が甘いっすなあとしか。

まあそのインタビューを受けた云々よりもその内容の方が突っ込まれて然るべきだと思われますので、インタビューを受けた云々に関してはあまりゴリゴリ言う気もしませんな。辞任するなら政策の方で辞任して頂かないと意味が無いのでww

やまもといちろうさんがもう一発エントリー投下中なのでご参考までに^^;
http://kirik.tea-nifty.com/diary/2013/10/post-4e88.html
アブラハム・高岡壮一郎さん、今日も元気に金融庁へ喧嘩を卸売
2013.10.06 |

#同社の関連ネタで色々と検索掛けると味わいの深いものが鑑賞できるので確かにネトヲチ向けかも

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2013/09/26

○師匠ェ・・・・・・・・・・・・・

金融経済懇談会という記者会見付きの企画には中々お出ましにならない師匠ですが、こういうのは出てくるんですね。

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130924/fnc13092409310004-n1.htm
実体経済に波及し始めた 日銀副総裁・岩田規久男氏(寄稿)
2013.9.24 09:30 (1/4ページ)

『量的・質的金融緩和は、国債や株式、外国為替を取引する投資家たちが予想する将来のインフレ率(予想インフレ率)を引き上げるように作用する。』(上記URLより、以下同様)

ほほうそうですか投資家ですかそうですかBEIの推移っていやまあどうでもいいです。

『インフレになると、現金や預金、利息が一定の国債などの債券の購買力は減少する。そのため、インフレを予想した投資家たちは、手持ちの現金や預金で、あるいは国債などの債券を売って得た資金で、インフレに強い株(株式投資信託を含む)や土地・住宅(Jリートなどの不動産投資信託を含む)、日本の金利よりも高いドルなどの外貨建て資産を購入しようとする。』

資産価格ルートですかそうですか。マネタリーベースを拡大すると物価に効くという話は????

『その結果、株価が上昇し、円安・外貨高になる。株高と外貨高により、株や外貨建て資産を持っている家計の資産価値は増加する。』

あのーすいません持っていない家計はどうするんでしょうか????

『資産価値が増加した家計は消費を増やす。』

えーっとですね、そこって本当にそうなんでしょうかねえ。

『株価の上昇は家計の気分(マインド)を明るくする。このマインドの改善も家計の消費を増やす要因である。実際に、家計の消費は最近3四半期連続して増加し続けている。』


で、次のページ。
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130924/fnc13092409310004-n2.htm
実体経済に波及し始めた 日銀副総裁・岩田規久男氏(寄稿)
2013.9.24 09:30 (2/4ページ

『企業は消費の増加に応じて生産を増やし、生産を増やすために雇用を増やす。』(上記URLより、以下同様)

資産価格上昇って永続的に続く期待があればそら消費も永続的に拡大するかも知れないですけれども、ワンタイムエフェクトだと思ったらそう簡単に生産増加のために雇用拡大と単純に進むとは到底思えないのですけれども・・・・・・・・

『平成25年度入り後、雇用者数は毎月前年比1%前後で増え続け、求人倍率が上昇する一方で、失業率は低下している。こうした労働需給の改善により、最近、所定外給与とボーナスがともに増加し、雇用者全体の所得は増加した。これも消費を増やす要因である。』

随分と金融政策の効果が速攻で効きますねえ(棒読み)。

・・・・・・・とまあこんな感じで延々とツッコんでも良いのですが、よくよく考えたらこの前京都の商工会議所でやっていた講演の話と同じものが掲載されているだけという事に気が付きましたので以下ツッコミ割愛でありますが、何だこの資産価格ルート1点張りという話。

で、これ前も申し上げましたけれども、師匠の理論って一つ一つのパートに分けるとその部分部分では幾分かのツッコミどころはあるのですが、そこだけはあまり変な話をしていないので一瞬納得しそうになるのですが、煙に巻く攻撃の訓練を受けております不肖このアタクシに言わせますと、師匠の理論って肝心の元の部分(量的緩和をするとインフレ期待が上昇して、インフレ期待が上昇すると資産価格が上昇する)がもう所与状態になっていまして、要はその所与が本当に所与で良いのか、という検討が無いので師匠理論だと全てが上手く行くように一瞬見えてしまう訳なんですよ。

で、金融経済懇談会で意地の悪い記者の皆様の盛大なツッコミを受ける程のお時間も無いほどに多忙な師匠様におかれましては、何故かこのような質疑応答コーナーが無さそうに思われる所にはホイホイとお出ましになられるようで、来月こんなイベントがあるようですよ!!!!

中央大学さんのページから
http://www.chuo-u.ac.jp/research/institutes/economic/event/2013/09/6203/
公開講演会のお知らせ(経済研究所創立50周年記念)

日程10月18日(金) 15時00分〜16時30分
場所多摩キャンパス 8号館 2階 8206教室
講演者日本銀行副総裁 岩田 規久男氏
内容テーマ:「量的・質的金融緩和」の目的とその達成メカニズム

経済研究所では、創立50周年記念事業として日本銀行副総裁 岩田 規久男氏をお招きし、公開講演会を開催いたします。ぜひご参加ください。

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2013/08/30

○やっぱり岩田副総裁の講演が色々とアレな件についての続き

昨日は我ながら消化不良気味でしたが、もうちょっとつついてみることにしましょう。

http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2013/data/ko130828a1.pdf
「量的・質的金融緩和」のトランスミッション・メカニズム── 「第一の矢」の考え方 ──


・波及メカニズムのそもそもの起点の説明が微妙にも程がある件について

QQEの説明部分はまあほうほうと読み流してしまうのですけれども、一応最初でこういう話をしておりますので引用。本文4ページ(ファイルで5枚目)から。

『第1のポイントは、消費者物価の前年比上昇率2%という「物価安定の目標」を、2年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に実現するということを、日本銀行がはっきりと約束したうえで、そのための具体的な行動として、これまでとは次元の違う金融緩和、すなわち「量的・質的金融緩和」を進めていることです(3枚目)。金融緩和政策が実際に効果を発揮するためには、2%という物価安定の目標を中央銀行が責任をもって達成するのだという強い意思表示、すなわち「コミットメント」と、それを裏打ちする具体的な行動を伴っていることが何より重要です。』

『中央銀行がインフレ目標の達成にコミットし、その実現を目指して思い切った金融緩和政策を実施することによって、人々の期待がデフレ予想からインフレ予想に変わり、行動が変わり、経済全体の動きが変わってきます。このことが、政策効果実現の大きな鍵を握っています。』

という説明は一見するとご尤もなのですが、良く良く考えてみると波及メカニズムの図表(昨日も申し上げましたが上記URLの22枚目にある図6になります)を見ますと、まずインフレ目標を設定してQQEを実施すると予想インフレ率が上昇するというのが所与になっているように見えますし、こちらの説明でも「思い切った金融緩和策を実施すると期待が変化する」というのが所与になっているように見えます罠。

しかしですよ、その前に「コミットメントとそれを裏打ちする具体的な行動」という話をしているのですが、そもそもその具体的な行動によってどのような経路を経て人々のインフレ期待に影響を及ぼすのか、という事に関しての説明がこの講演では示されておりませんで、インフレ期待が発生して予想インフレ率が上昇するのが所与になっていて、その予想インフレ率が上昇することによって色々な波及効果が出てくるという話になっているのがもう何だかねという所です。

つまり、師匠の説明の場合は最初のインフレ期待の変化が所与扱いになっているという訳でして、中央銀行がインフレ目標でございと言って数値を設定して政策を実施すればインフレ期待がそこにアンカーされますよとか随分とめでてえ話であって、各国の中央銀行が常にインフレ期待がアンカーされているかどうかという事を金融政策運営上重視しているというのは無駄な努力なんでちゅかねえとか思うのですが。

つーても良く考えたら師匠の場合は以前このような話をしておられましたので、MB増やせば自動的にインフレ期待が上昇するんですねわかります。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL040PK_U3A300C1000000/
岩田規久男氏「期待実質金利の低下が円安・株高の要因に」
2013/3/4 17:44

『「多くの人が抱くデフレ予想をインフレ予想に変えなければ、デフレ脱却はできない」と指摘。「金融政策だけがデフレ予想をインフレ予想に変えられる」と強調し、日銀の金融政策の転換が必要との考えを示した。その際に市場がみているのは日銀の当座預金やマネタリーベース(資金供給量)との考えを示し、「当座預金残高が10%増えると、予想インフレ率は0.44ポイント上がる」とし、マネーの供給拡大が必要との考えを説いた。』(上記URLより)

当座預金残高幾らでしたっけねえ(棒読み)。


ちなみに、具体的な波及経路の説明部分が本文7ページからになるのですけれども、そこでもやはり・・・・・・

『こうした二つの柱、つまりインフレ目標の設定とそれに向けた大胆な金融緩和を行うことにより、世の中の人々が予想する将来の物価の動き、つまり予想インフレ率が上昇します。そうすると、物価の上昇を織り込んだ将来の実質的な金利負担、つまり予想実質金利が低下することになります。』

とありまして、どう見ても所与です本当にカムサハムニダとしか申し上げようがない説明となっているのが実にチャーミングとしか申し上げようが無い訳ですよ。

でまあそこを起点にしてああなるこうなるという話を桶屋が儲かる理論で説明している訳ですが、そもそもそのインフレ期待を飴細工のようにホイホイいじる事が出来るのであれば先程も申し上げましたようにどこの中央銀行も苦労しない話でありまして、そうじゃなくて金融緩和効果によって起きる具体的な事象によってインフレ期待に対してなんらかの効果を与えることができますよねという話ではないかと思うのですが、どうもこの先生、相関関係と因果関係をごっちゃにして説明するのが得意のようで、いやそれって鶏が先か卵が先かよく判らないんじゃネーノという話もバッサバッサと自分の理論に合う方向の因果関係に話を帰着させちゃうから、話をぼーっと聞いていたりする分には何となくそうかなと思ってしまうという感じなんじゃネーノと思ったりするのでございまする。


・実質金利が下がるとこんないい事がありますのオンパレードを鑑賞

本文9ページの冒頭から。

『このように、予想インフレ率の上昇を通じて予想実質金利の低下を促すことが、様々な経路を通じて需要の増加につながっていきます。』

ほほう。

『まず、予想実質金利が低下すると、資金調達の実質的なコストが下がるわけですから、設備投資や住宅投資が刺激され、増加します。』

とあっさり説明しているのですが、確かに資金調達の実質的なコストが下がる事は借入を行って投資をするインセンティブを高めますが、そもそも論として設備投資を行うには資本投下して装備した設備によって収益が向上しないと何の意味も無い訳でありまして、一面として実質コストが下がるというのは重要ですけれども、収益期待というか成長期待が無かったら更新需要以上の設備投資需要が出てくるんでしょうかという話になりますし、住宅投資ったって将来の収入に対して不安があるとか、どう見ても全然給与がアガランチ会長という状態でよーしパパ物価が上昇しそうだから借金して住宅買っちゃうぞーとはならんだろ常識的に考えてと思うのですが。

つーかですね、その前の方での説明で日本経済の現状ということで(昨日引用した部分になります、本文3ページ図表の2枚目(PDFの18枚目))説明している部分で・・・・・・・

『一旦デフレと需要縮小の悪循環に陥った経済を立て直すには、大胆な金融政策、すなわち「第一の矢」によって物価の継続的な下落に歯止めをかけ、デフレによって減少した需要を本来あるべきレベルに回復させることが有効であり、また必要でもあります。これが、現在日本銀行が進めている金融緩和の背景にある考えであり、また私が研究者として長年主張してきたことでもあります。』

という話をしていて、日本経済の現状について大幅な供給能力の過剰状態にあるという認識になっているのに、予想実質金利低下如きで何で設備投資が刺激されるのかをもう少し詳しく説明して頂きたいと思う訳ですよいやマジで。

つーことでですね、まあ部分部分での説明は何となくほほうと思ってしまうのですけれども、このテキスト読んでいて違和感持つのって結局の所この「全体としての話の整合性」と「因果関係と相関関係をごっちゃにした説明」であって、ついでに言えば黒田総裁の先日の講演と話が違うじゃないかというような部分(昨日引用した潜在成長率引き上げに関する説明部分ですが、他にもあるのよね)だったりする訳ですよね〜。

『次に、予想実質金利の低下は、株式や住宅・土地などの資産価格の上昇要因でもあります。手持ち資産の価格が上昇した方々は、以前よりも気前よくお金を使い、消費を増やす傾向があります。これを資産効果と呼んでいます。また、株価や地価が上昇すると、家計や企業の財務状況が改善しますので、銀行などから資金が借りやすくなり、企業の設備投資や家計の住宅投資も増える傾向があります。』

そもそも予想実質金利が低下すると資産価格が上がるのかというのが????なのですが財務状況が改善したからと言って設備投資や住宅投資が増えるかというとそれはそう単純な物じゃないでしょという話は先ほども申し上げた通りですわな。

でまあ資産効果が消費に効くのはそらまあそうでしょうけれども、経済に有意な刺激を与えるような資産効果って事になるとそれなりに顕著な資産価格の上昇、つまり経済の成長力などを大きく上回るような上昇が必要になるんじゃネーノと思うのですけれども(違ってたらスイマセン)、それってつまり一発的な効果はあるでしょうけれども、どう見たってサステイナブルな話じゃない罠と存じますが・・・・・・・・・・・・(長期間継続したらそれは資産バブルじゃろ)


『さらに、円の実質金利が外国の実質金利に比べて相対的に低くなると、為替は円安方向に動きやすくなります。円高が修正されることは、輸出を押し上げる要因となりますし、企業収益の増加を通じて設備投資を増加させる要因にもなります。京都のような観光地では、円安による外国人観光客の増加も期待できます。加えて、皆さんが外貨建てで持っている資産の円建て価格が上昇しますので、資産効果により消費を増加させる要因にもなります。』

輸入の方の話をしてねえわと思いますし、そもそも実質金利なの??とかまあ色々と?????な部分があるのですが、確かにまあこのような話が全部所与でしたらバラ色の展開という図表が見えますわなあと感心した次第です。


・結局何でインフレ期待が上昇するのかの話がワカランチ会長のままでした

でまあこのようなバラ色トークは更に続くのですが、結論部分をば。

『また、このプロセスの最初の段階では、皆さんが物価上昇を予想することが重要な鍵を握っていると申し上げましたが、そうしたプロセスの過程で需要が増加して、実際に物価が2%という「物価安定の目標」に向けて上昇し始めると、そのことが、将来の安定的な物価上昇に対する予想をさらに強め、それがまた予想実質金利を低位で安定させることにつながります。』

いやだから需要が増加するのには師匠の理屈だと物価上昇予想が高まることによって発生するという話なのですから、そもそもの話のスタート時点で循環論法をしてどないしますねんと思うのですけれどもねえ。

『このように、これまでデフレと需要縮小の悪循環に陥っていた日本経済は、緩やかで安定的な物価上昇と需要の拡大という好循環に向けて、いままさに舵を切ったところであると言えるでしょう。』

まあコストプッシュで物価は上昇してますけどね。

『「人々の期待に働きかける」という私の説明を聞いて、おまじないのような話だと思われた方もいらっしゃるかも知れません。しかし、金融政策というのは本来、「人々の期待に働きかけること」を通じてその効果を発揮するものなのです。』

えーっと岩菊先生って貨幣数量説での説明じゃなかったでしたっけというか3月も直線番長よろしく当座預金残高10%引き上げで期待インフレ率が0.14%(訂正追記:上の記事にあるように0.44%でしたね!あまりにも実態と違うからつい数字間違えちゃいましたよ!!!)上昇って言ってましたのに、いつの間にかこちらがメインに??いやまあどうでもいいですが。

『過去15年近く続くデフレの中で定着してしまったデフレ予想を「緩やかで安定的なインフレの方向」に変えていくことが、私たちが現在取り組んでいる金融緩和政策の、最も重要なポイントだというのが私の考えです。』

まあ期待を何らかの気合のようなもので変化させようというのに対して頭から否定する気はこのアタクシも毛頭ございませんが、しかしながら結局の所「具体的にどのような経路でインフレ期待が上昇することになるのか」という点については説明がトートロジーの域を1ミリも出ていない訳でして、これがまあ円安修正で輸入価格の上昇を起点にするとか、資産価格の上昇によって消費を刺激して企業の価格設定行動に変化を生じさせるとか、そんな話でもあるのならまだ判るのですが、師匠の話だと結局の所「インフレ期待が上昇するから上昇するんです」という話をしているだけにしか見えないのでしてもう何だかねという所ですなあと思った次第でありまする。


・因果関係と相関関係

でまあ波及経路の説明をしている図表もあるんですけどね。

『(3)予想実質金利の低下⇒ 設備投資の増加』ってのと『(4)予想実質金利の低下⇒ 資産価格の上昇』『(5)資産価格の上昇⇒ 設備投資の増加』ってのが時系列で出ているのが図表9から11(PDFファイルで25枚目から27枚目)になるんですけれども、そもそもが単にプロットしているのに怪しげな丸を書いてあるだけとか、予想実質金利の数値が『10年物国債金利−最長期間BEI』ってもしもしあの物価連動国債ってここ5年ほど新発債出てないんですけどとかいう所で誠にアレ。

まあそれは兎も角としましても、そもそもが予想実質金利と設備投資の間に相関があるからと言って因果関係があるのかどうかってまた別問題でしょと思う訳でして、例えばこの図だけの説明だと⇒を逆にしたって同じことになる訳でして、そこの因果関係についての説明が先ほど引用したように何か随分と雑な中でこの説明って何なんでしょうねという所で。

でまあそういう因果関係と相関関係の考察がアレだから先ほど引用したように「当座預金残高が10%増えると予想物価上昇率が0.14%(訂正追記:上の記事にあるように0.44%でしたね!あまりにも実態と違うからつい数字間違えちゃいましたよ!!!)上昇する(キリッ)」って話になるんでしょうなあとしか申し上げようが無いのでございますが、とりあえずあたくし頭が悪くて良くワカランチ会長ではございます。


・纏めの部分から少々

最後の部分で本文13ページ目(PDFの14枚目)を鑑賞。

『「量的・質的金融緩和」は、まず、人々、とくに、資産市場における投資家の予想インフレ率を引き上げることにより、予想実質金利の低下をもたらします。』

QQEの後結局BEIは行ってこいですけどね!

『この予想実質金利の低下が国債や株式や外国為替といった資産市場の市場価格の変化を引き起こします。こうした資産価格の変化は、投資家が投資資産の構成を変えるだけで生じますから、「量的・質的金融緩和」実施後、ただちに始まります。』

ただちに始まったけど以下同文。

『一方、こうした資産価格の変化が、消費や実物資産投資――すなわち、設備投資と住宅投資―――および輸出などの総需要を増やし、その総需要の増加が生産と雇用の増加をもたらす、といった、実体経済の変化を引き起こすまでには時間がかかります。』

あっそう。

『それは、企業や家計や外国の企業が、資産市場で起きている変化が短期的な現象なのか、それとも長期的な変化なのかを見極めてから、企業であれば、設備投資を増やすかどうか、家計であれば、消費を増やすかどうか、あるいは住宅投資に踏み切るべきかどうか、外国企業であれば、日本からの輸入を増やすかどうか、といったことを決めようとするからです。』

QQE実施によってインフレ期待が上昇して、インフレ期待が上昇したらホイホイと効果が出るような話をつい今しがたまでしておられたような気がしますが??????

『現在、「量的・質的金融緩和」が始まってからまだ5ヶ月しかたっておりません。』

あと1年7か月「しか」ございませんけど。

『モノやサービスに対する需要と雇用が増え、その結果、物価と賃金が本格的にかつ安定的に上がり始めるまでには、もう少し時間がかかります。しかし、時間はかかるものの、現在の「量的・質的金融緩和」を粘り強く続ける限り、かならず、実体経済も良くなり、物価と賃金はともに上昇し、多くの人の所得は増えるはずです。』

信じる者は救われるとの事ですが、2年で達成と大口を叩いているのですからタイムスケジュールマダー(・∀・)っ/凵⌒☆

『現在はまだ「量的・質的金融緩和」の入口に入ったばかりです。したがって、皆さんには、「最近、物価が上がったのは、円安でエネルギー価格が上がったからにすぎない、悪い物価上昇だ」とか「まだ賃金が上がらない」と言って、「量的・質的金融緩和」の効果に失望されることなく、今しばらく、「量的・質的金融緩和」の効果を見守っていただきたいと思います。』

これは昨日の再掲でありまする。


・ところでこれは・・・・・・・・

ロイターの記事から。

http://jp.reuters.com/article/idJPL4N0GT1IB20130828?sp=true
UPDATE 1-物価目標2%達成しても、賃金・生活改善なければ失敗=岩田日銀副総裁
2013年 08月 28日 17:06 JST

昨日も引用しましたがアップデートされていました。

『金融政策が実体経済に波及するには「株価の上昇と円安が必要」と指摘し、波及するには「半年から1年半かかる」との見通しを述べ、アベノミクスが実体経済に好影響を与えていないとの見方をけん制した。』(上記URLより、以下同様)

んーっとですね、円安が必要というのは多分それ国際的なお約束違反発言になると思うので、まあこのニュースが英訳されていない事を祈りたいと思います。つーか黒田総裁はあくまでも為替操作はしていませんと主張している訳で、こういう所で師匠が不用意に「円安が必要」とか言い出しちゃうとか閣内(?)の意志統一大丈夫かと心配になってしまいますよ。

『実体経済に効果が波及するまでの間は「財政政策による需要の下支えが重要」とも指摘。安倍晋三政権が「第3の矢」として進める成長戦略は、一時的に過剰な供給力を作り出すと指摘し、「金融緩和で需要を創出することで、潜在成長力を引き上げることができる」と述べた。』

えーっとですね、師匠講演の方では潜在成長力の引き上げは成長戦略で実施するって説明しているのに何でここでは金融政策で潜在成長力を引き上げるって話になってるんですか?????


更にロイターの記事から。
http://jp.reuters.com/article/idJPTYE97R07B20130828
岩田日銀副総裁、物価2%超えて上昇なら国債買わないと明言
2013年 08月 28日 19:55 JST

まあ買わないと明言するのはインフレ目標の趣旨からしてそうなんですけどね。

『大胆な金融緩和は戦前の軍事調達のための国債発行同様にハイパーインフレを招かないかと出席者から質問された同副総裁は「終戦直後は戦争で生産力がなくなったため人々が少ない物を買おうとして猛烈なインフレが起こった。今は生産能力はあるが需要がない状況。高いインフレになる確率は少ない」と説明した。』(上記URLより、以下同様)

まあやはりこういう懸念ってご年配の方程経験値あるいは親から聞いたとかの体感があるから持つ罠と思います。

『それを踏まえて「物価が2%を超え、3%、4%と中期的に上昇していくような場合には、政府の財政規律が緩んで『どんどん国債を買ってくれ』と言われても日銀は買いません」と言い切った。』

キタコレ!

『「戦前は軍の言いなりで国債を買わざるをえなかったが、今の日銀は独立しておりそういう状況でない」と付け加えた。』

えーっとあのそのそもそも貴殿が日銀副総裁に就任した時の経緯ってとか、貴殿が日銀入りする前には国債の引受しろだの日銀法改正しろだの散々仰せで、日銀の独立性は手段の独立であって目的は政府が決めるとのロジックだった(のでその理屈だと政府が財政に協力せよと命じたら従うという話だ罠)と思うのですが、説明に都合の良い時だけ急に独立して云々というのが出てくるその豪気さに痺れるのでございましたとさ。まあどうでもいいですけど。

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2013/08/29

○木久扇師匠の高座ですよ皆さん!!!

http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2013/data/ko130828a1.pdf
「量的・質的金融緩和」のトランスミッション・メカニズム── 「第一の矢」の考え方 ──
京都商工会議所における講演


師匠の高座なのですが、通常政策委員の皆様におかれましてはデビュー戦は「金融経済懇談会」となる(総裁は別ですけど)というのが仕様というのは先ほども申し上げた通りですが、今回の講演は「京都商工会議所における講演」ということで、メディアは聴くのはおっけーだが質問は不可みたいな仕切りだったようですけど、質疑応答自体はあったので正直その内容のアップをお願いしたいのですがまあ多分やらないだろうなあと思うのでありました。

しかしまあ色々とツッコミ所があって大変に面白い高座もとい講演だった訳ですけれども・・・・・・


・えーっとあれインフレ目標行ったらすべてがハッピーだったのではなかったんでしたっけ?????

のっけから講演じゃなくて質疑応答の方をネタにしますけれども(^^)。

#これ日銀が質疑応答要旨を出してくれない場合は共同でも時事でもブルームバーグでもロイターでも良いので一問一答形式で詳しくネット版にアップして頂けると全力でネタにできるんですけどねえ・・・・・

ロイターの記事から
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE97R05Y20130828
物価目標2%達成でも賃金・生活改善なければ失敗=岩田日銀副総裁
2013年 08月 28日 17:11 JST

『[京都 28日 ロイター] - 日銀の岩田規久男副総裁は28日京都市内で講演し、物価上昇率2%の目標を達成した際に「賃金や設備投資が増えて人々の生活が改善していなければ、政策は成功でない」と述べ、家計の所得や企業の設備投資がそれぞれ増え経済に好循環メカニズムが働く姿を目指す重要性をあらためて強調した。』(上記URLより)

・・・・・・・・・・・えーっと、インフレ目標2%達成で世の中ハッピーになるって宣伝してたの岩菊先生たちだった筈なのですが、何でまた急にこういう話になるんですか従来までの話はどこに行かれたのですかと思うのですけれども、いつの間に宗旨替えしとるんじゃこの師匠はというか、きっとこれは日銀のインボーで中の人が笑福亭鶴光師匠に入れ替わっているんですよ!!!!(超大嘘)

ま、従来はそういう現実的な問題を全く斟酌しないで金融政策を論じておられたけれども、実際に政策を行う立場になってみて初めて気が付いた、などという事では無いと存じますので、これはきっとロイター辺りの報道が岩田副総裁の発言の真意を取り違えているということではないかと存じます(棒読み)って言いつつ他のベンダーも同じようなリファーをしていた気がしますがね。


さてまあそんな事はともかくとして、師匠の能書きを拝読すると致しましょう・・・・・と言いつつこの師匠の説明がこれがまた実はちょっと読んだだけだと微妙にツッコんで良いのやら良くないのやらがワカランチ会長な部分があって、今日とりあえず一通りツッコムのですが、数回再読したり発言の詳報を見たりしながらツッコミどころを追加するかもしれません(^^)。


・どうでも良いが京都で掴みに「東京遷都」を出すのはどうかと

折角の関西での講演なので掴みは「わんばんこ」とかそういうネタで入るという訳には逝かないですかそうですか(当たり前)。

『京都商工会議所は、明治15年(1882年)に創立され、昨年130周年を迎えたそうですが、日本銀行も同じ年に開業しましたので、京都商工会議所と同じ年齢を重ねていることになります。当時京都は、東京遷都によって失われていた活力を取り戻そうと、事業家たちが発電事業や博覧会などの先駆的事業や商工会議所の設立に取り組んでいたと聞いています。一方、当時全国的には、西南戦争後に大量に発行された政府紙幣を回収するために、中央銀行の設立が求められていました。』(以下断りが無い場合は最初に出した講演テキストより引用)

・・・・・・・んーっとですね、遷都に関する詔が最後に出たのは桓武天皇による平城京から平安京への遷都でして、東京遷都というのは厳密にいうとややこしい話(事実上で言えばどう見ても遷都状態ではあると思いますけど)で微妙みたいなのですが、あたくしは何せ東夷なもんで「由緒ある京都人は帝が現在一時的に東京に出張しているだけと認識している」というネタが都市伝説なのかマジなのか存じませんのでアレなのですが、京都商工会議所という所で微妙な表現を使うのってどうなのよとか思っちゃいましたが単に都市伝説に釣られているだけですかそうですか(^^)。

Wikipediaで恐縮ですが
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E5%A5%A0%E9%83%BD
東京奠都

http://www.mlit.go.jp/kokudokeikaku/iten/onlinelecture/lec16.html
首都機能移転問題と「東京遷都」

#「遷都やなんて関東のイナカモンはこれだから困りますなあ(ヒソヒソ)」などと言われてませんように^^;


とまあそんな話はどうでも良いのですが、2ページ目辺りから早速ツッコミどころが発生するのでございます。


・閣内(?)不一致キタコレ!!

最初に第一の矢から第三の矢までの説明があるのですけど、その役割分担に関して師匠はこのようにご説明になられています。

『「第一の矢」である金融政策や「第二の矢」である財政政策は、経済全体の需要を拡大することで、わが国の経済を本来あるべき成長軌道――これを「潜在成長軌道」といいます――に復帰させることを目的としていますが、「第三の矢」である成長戦略は、潜在成長軌道そのものを引き上げる、つまりわが国の経済が成長していく「伸び代」自体を拡大することを目的としています。』

・・・・・・・・・・・・・・・・えーっとですな、ほんの4日ほど前のジャクソンホールでの黒田総裁の講演ではQQEによって「自然利子率の上昇」を図るという説明をしておりまして、それは即ち「第一の矢である金融政策によって潜在成長率を高めます、その為に成長基盤オペなどが用意されています」という説明だったのですが、岩田副総裁様におかれましては黒田総裁の直近の説明と整合性が取れない(まあ岩田さんの説明の方が普通だと思いますが・・・・・・^^)とはこれはまた如何なることなのか実にこう????????∫dxという所でございます。

まあ岩田さんの方が普通の説明なのでどちらかというとジャクソンホール講演の方について「この原稿を作ったのは誰だあ(ガラッ)」と海原雄山状態になるのが正しいような気もしますけど、いずれにせよつい直近の総裁の説明と副総裁の説明がずれているのはどういう事ですかと存じます、はい。


・デフレスパイラルだったのか!!!!

そのちょっと先で3ページ目の説明から。

『ご覧のように、現在のわが国経済は、点線で示された潜在成長軌道、すなわち本来あるべき成長軌道よりも低い位置にあります。これは、継続的な物価の下落、すなわちデフレの状態が続いてきたことによって、経済全体の需要が落ち込み、それがさらなる物価の下落を招くという、悪循環に陥っていることが原因となっています。』

デフレスパイラルだったんですかそうですか・・・・・・・・・・


・改めて閣内?不一致を確認

でまあその3ページ目の説明の最後の所ですけど改めて説明しているので更に引用。

『さて、さきほど申し上げたように、「第一の矢」である金融政策の効果が本格的に表れるには、ある程度の時間が必要です。このため、政策発動当初は「第二の矢」である財政政策の効果が先に表れ、そこに重なるように金融政策の効果が強まってくることで、実線で示した経済の成長軌道が、点線で示した本来の軌道に近づいていくことになります。』

『一方、先ほど述べた「第三の矢」、すなわち成長戦略は、点線で示した潜在成長軌道そのものを引き上げる役割を担っています。言い換えると、金融政策や財政政策は、わが国経済の一時的な体力低下を、本来の元気な状態まで戻すための政策であるのに対し、成長戦略は、元気な状態で発揮される「地力」そのものを引き上げるための政策です。日本経済が長期的に発展し続けるためには、この成長戦略の成功が望まれます。』

この点線だの実線だのというのは図表の2枚目(上記PDFだと18ページ目になります)にあるのですが、これですとつまりは潜在成長率を引き上げて潜在成長軌道をシフトアップするのは第三の矢だという事になりますなあというのを思いっきり図でも示していて黒田総裁涙目ということですねわかります。


・メカニズムの説明が正直訳判らない件について

でまあその次にQQEに関する説明があって、何かそこの説明も微妙にアレなのですが、どこをどう突っ込んで良いのかを思いつくのに少々時間が掛かるので明日続きをやる(ちなみに今日は森本審議委員の講演(岩手での金懇)があるからそのネタも投下しないといけないのだが)としてQQEの波及メカニズムがもう良く判らない件について。

本文7ページ(PDFで8枚目)の『4.「量的・質的金融緩和」の波及経路』なんですけどね。

『ここからは、金融緩和政策が実体経済に影響を及ぼしていく、その波及経路について、私の考えをご説明したいと思います。はじめにチャート図をご覧ください(6枚目)。やや細かい図になっていますが、これが金融緩和政策の波及経路の主な部分を説明した全体像になっています。順を追って説明させて頂きますので、しばらく辛抱してお付き合い下さい。』

ということで何で辛抱しないかといけないかと言いますと、そのチャート図というのが図表の6枚目(PDFだと22枚目)にあるのですが、この図が正直何じゃそらな説明になっておりまして、もう何だかこう盛大にツッコミたいのですが、とりあえずこれ余りにも盛大なチャートなのでツッコミの内容を考えるだけでも中々大変という代物になっております。

まあ図を一見して「風が吹けば桶屋が儲かる」という言葉が真っ先に浮かんでしまったのは気のせいということで勘弁なのですが、なんかもう説明が物凄く部分部分はそうかも知れんがそれ全体として整合性はどうよというのと、それに加えて個別の説明でも怪しげな部分があって盛大にツッコミたいのですが、実はまだ全部纏まっていなくてあまり美しくないのでこのツッコミも明日行う(単に時間が無いというのとこの先にもっと面白いツッコミどころがあるのでとりあえず駆け足モードというのがあるのですがががが)としまして、皆様におかれましては上記のチャート図をぜひともじっくりとご鑑賞されることを全力で推奨させていただきたいと存じます。


・グラフの解釈が超越手前味噌な件について

実際にQQEがこんな効果を出しましたという話をしている部分も盛大にツッコミどころがあるのですけれども、その中で一番これは酷いと思ったのは図表の8枚目になります。

説明は本文11ページ(PDFで12枚目)にあるのですけれども。

『予想インフレ率が上昇すると、名目金利から予想インフレ率を差し引いた予想実質金利が低下するとご説明しました。ここで、金融市場で観察される実際の金利等の推移を見てみると、今年の初め以降、金融市場参加者の予想インフレ率は上昇傾向、予想実質金利は低下傾向にあることがおわかり頂けるかと思います(8枚目)。』

図表はPDFファイルの24枚目にあるのですが、BEIの推移とプレーン国債利回りの推移と予想実質金利の推移を並べているのですが、そこに引いてある矢印の補助線が如何にも胡散臭くて、3月の所からトレンド線っぽく矢印引いているのですが、このグラフ見ると3月対比で見た場合はBEIはいいとこ横ばい、予想実質金利は普通に見て上がってませんかという感じにしか見えないのに、何故かトレンド線っぽく引いている矢印ではBEIは拡大、予想実質金利は低下となっていまして、矢印の最後の部分がBEIは実際のグラフの線よりも上、予想実質金利は実際のグラフの線よりも下となっているとかお洒落にも程があります。

まあ百歩譲って1月からの傾向で言えば岩田副総裁の仰せの通りですが、これジャクソンホールでの黒田総裁の講演でのツッコミと同じですが、3月以降で見た場合横ばい(4月以降でみたら悪化してるようにしか見えませんが・・・・・・)ということは、それはQQEの効果では無くて白川総裁時代に行ったインフレ目標の2%への引き上げの方が効果あったという話にならんかってことで、説明が胡散臭い上にグラフに引いている補助線がインチキくさいとか本当にこれが日銀かよ経済学者かよと申し上げたくなってしまう図に吹いたウーロン茶を返せと申し上げたい所ではございまする。

#もちろんその前からQQEみたいなものを市場が織り込んだというのはあるとは思いますけど、まあこのグラフだけ持ち出してQQEの効果です(キリッ)というのは無理筋でしょうなということです


・まずい時間が無いから最後にこれを

つーことで続きは明日になりますが、最後の所はワロタ。

『現在、「量的・質的金融緩和」が始まってからまだ5ヶ月しかたっておりません。モノやサービスに対する需要と雇用が増え、その結果、物価と賃金が本格的にかつ安定的に上がり始めるまでには、もう少し時間がかかります。しかし、時間はかかるものの、現在の「量的・質的金融緩和」を粘り強く続ける限り、かならず、実体経済も良くなり、物価と賃金はともに上昇し、多くの人の所得は増えるはずです。』

信じる者は救われるとな。

『現在はまだ「量的・質的金融緩和」の入口に入ったばかりです。したがって、皆さんには、「最近、物価が上がったのは、円安でエネルギー価格が上がったからにすぎない、悪い物価上昇だ」とか「まだ賃金が上がらない」と言って、「量的・質的金融緩和」の効果に失望されることなく、今しばらく、「量的・質的金融緩和」の効果を見守っていただきたいと思います。』

確か浜田先生などは「適切な金融政策を実施すれば数か月でデフレ脱却」という話をしておられた訳でして、(今日引用できませんでしたが)質疑応答の中で岩田副総裁は「CPI+1%ではまだ事実上のデフレ状態」というような話をしていた訳でしてあれどうなったのかなとか、そもそも岩田副総裁も副総裁就任前に「当座預金残高80兆円で1年半で2%達成」とかいう話をしていたように、何かもうちゃっちゃと効果が出るような話をしていた筈だったのですがどうなったんでしょうかねえと。

つーか、物価上昇に良い物価上昇も悪い物価上昇も無い、というのがリフレ派の主張だったと思うのですけれども、悪い物価上昇なる言葉を使うのではなく、本来は「悪い物価上昇などというものはございません(キリッ)」って説明するもんじゃないのかねと思いましたがまあどうでもいいです。


いやー、ということで鑑賞すべき所が盛大にあって我ながら消化不良でどうもすいません。まあ皆様に置かれましても木久扇師匠の講演テキストと図表を穴のあくほど読まれるとオモロイと存じますのでお暇な方にはオヌヌメ^^;

#お暇じゃない方には明日続きを投下しますぞな

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2013/06/25

○岩田副総裁インタビューキタコレ!!!!

キタコレ!!
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE95N00820130624?sp=true
インタビュー:追加対応は中長期的な物価上昇が困難な時=日銀副総裁
2013年 06月 24日 22:55 JST

『[東京 24日 ロイター] - 日銀の岩田規久男副総裁は24日、ロイターとのインタビューで、追加の金融政策対応が必要となる経済・物価の下振れ判断について、予想インフレ率が長期的に低下し、安定的な物価上昇率2%の中長期的な達成が困難となるケースを指摘した。短期的な経済・物価の変動には対応しない姿勢を示しながら、上下双方向のリスクに対応する用意も手段もあると語った。米リーマン・ショックのような危機が再び発生した場合は、収束まで短期的な流動性供給を行う考えを明らかにした。岩田副総裁がメディアとのインタビューに応じるのは、今年3月20日の就任以来、初めて。』(上記URLより、以下同様)

とのことですが、講演の前にインタビューが先に来ましたが、佐藤審議委員の時はブルームバーグだったので今度はロイターということですか、良くわかりませんが。

で、金融緩和政策の効果についてはこんなお話を。

『<異次元緩和で需給バランス改善すれば、緩和効果の好循環に>

岩田副総裁は、4月4日に導入した異次元緩和といわれる「量的・質的金融緩和」について、2%の物価安定目標の早期達成を日銀が強く約束していることが重要と強調し、これを大前提に長期国債の大量買い入れによってマネタリーベースを増加させていくことで「予想インフレ率が高まっていく」と説明。実質金利の低下によって、時間の経過とともに設備投資や住宅投資が増え、株高・円安を通じた資産効果や輸出の拡大などで需給バランスが改善。徐々に賃金や物価に波及し、「予想インフレ率が一段と上がり、実質金利が下がって、設備投資などを刺激するという効果を繰り返す好循環の過程に入っていく」と自信を示した。』

MB増加すると予想インフレ率が高まっていく、という最初の所が引き続きアレですが、その最初の所をネグりますと(おいおい)はあそうですかという話ですな。

で、引用は記事の順序と異なりますが(理由は後半になるとただのあたくしのツッコミコーナー(またの名を悪態)になるから)追加金融緩和に関してはこのような説明です。

『<経済・物価リスクは上下に存在、期待インフレ・実質金利を注視>

経済・物価の先行きをめぐるリスクは「下振れも上振れもある」と述べ、追加の政策対応が必要となるようなケースは中長期的な観点で判断し、「特に予想インフレ率が長期的に低下し、安定した(物価上昇率)2%に中長期的に到達しないような場合」と説明。経済・物価が「短期的に下振れることはいつでもあり得る」とも述べ、「中長期的なトラック(経路)に乗っているかどうか、それによって実質金利が下がるかどうかだ」と短期的な経済・物価の変動での追加対応に否定的な考えを示した。』

で、ちょっと飛ばして引用しますと、

『リーマンショックなど危機が発生した場合の対応については「短期的な流動性対策を危機が収まるまで行うことはあり得る」と言明。「危機対応はいつでも準備しており、監視・モニタリングもしている」とし、「信用秩序の維持と物価の安定は日銀の2つの目的なので、信用秩序が崩れるときは通常の金融政策とは別途に対応する」と述べた。』

ということで、まあ普通に考えますとそう簡単に追加緩和という話にはならないものの、経済に短期的ショックがあった場合には何らかの手段を取る、ということで、まあここは「必要な政策は全て投入しました逐次投入はしませんよ」という話と整合的なので仰る通り。しかもこれは前からの岩田さんの主張に整合的ですが、経済ショック対応じゃない方の金融緩和の場合、リスク性資産を買うよりも国債(長期国債)を購入するというのも従来の説明通りですね。


というのが大体政策インプリケーション部分でして、以下は政策インプリケーション部分もあるような気がしますが単なるアタクシのツッコミコーナーです。

『<異次元緩和、実体経済に影響及ぼす芽が出始めている>

予想インフレ率の上昇を受け「マインドが改善する効果はすでに出ている」ほか、先行して改善している消費に続き、生産も増加していると指摘。有効求人倍率など雇用関連指標も改善している点を挙げ、「いろいろなところで緩和効果があらわれ、前向きな行動が出てきている」と語った。このように異次元緩和はすでに実体経済にも影響を与えているとしたが、現状は「実体経済に影響を及ぼす芽が出始めている段階」とし、今後さらに効果が広範に及んでいくとの認識を示した。』

えらい速い勢いで効果がでるんですね、いやまあどうでもいいですが。

『物価安定目標のカギを握る予想インフレ率の今後の動向では、物価連動債から試算したブレークイーブンインフレ率(BEI)は調整過程にあるが、同インフレ率からみた実質金利は「現在マイナス」と強調。「インフレ率は、民間アンケートなどで以前は下がるという見通しだったものが、上がるという予想に変わってきている」と語った。』

>「インフレ率は、民間アンケートなどで以前は下がるという見通しだったものが、上がるという予想に変わってきている」
>「インフレ率は、民間アンケートなどで以前は下がるという見通しだったものが、上がるという予想に変わってきている」
>「インフレ率は、民間アンケートなどで以前は下がるという見通しだったものが、上がるという予想に変わってきている」

・・・・・・・・・・・・・・そ、そうなのかと思って思わず金融経済月報を確認したのですが、直近の金融経済月報(http://www.boj.or.jp/mopo/gp_2013/gp1306.pdf)の図表30というのがファイルの50ページ目にあるのですが、何かその岩菊先生の認識はどこのどの数字を見て仰せになっておられるのかが良く判らんのでごじゃりますが・・・・・・・・・・・


『<物価2%目標、2015年4─6月期になる計算>

その上で、2%の物価安定目標の達成について「2年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に達成することが最も重要」とし、達成に向けて「全力をあげて取り組む」と力を込めた。足元の消費者物価指数の前年比は東京都区部がプラスに転換、全国も今後1─2カ月で上昇に転じるとの見通しを示し、「物価が足元で上がり始めるとフィリップス曲線が上方にシフトし、もう少し物価が上がり、賃金も上がるとの予想が出てくる。そうなれば、2年程度で達成する可能性は高まっていく」と語った。』

物価がゼロ近辺に上昇するとフィリップス曲線が上方にシフトするなら何でこの前の物価上昇の時にはフィリップス曲線が上方にシフトしなかったんでしょうかねえという考察が無いと、結局の所同じ事の繰り返しになるだけのような気がするんですけれども・・・・・・・・・・

『さらに名目成長率目標を達成するために必要なマネタリーベースの伸びを推計するマッカラム・ルールなどに基づけば、2%達成は「今の緩和ペースで2年程度、2015年4─6月期になる計算だ」と試算した。』

あーもしもし、かつて副総裁当座預金残高を70兆円から80兆円に早期に持って行けば来年半ば、すなわち2014年半ばには達成可能という話をしていたと存じますが、どさくさに紛れて何で1年先送りしておりますのでしょうか。

なおご参考の過去の駄文はこちら
http://www.h5.dion.ne.jp/~bond7743/hatsugeniwakiku.html#iwakiku130228

・・・・・・・とまあ何ともアレなインタビューデビューでして、記者会見やって以前の主張との整合性について説明をお願いしますとか言われた時に耐えられるのかねと引き続き不安が絶えないのでございますけれども、良く良くロイターの記事を見たら一問一答がありましたぞな。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE95N01G20130624?sp=true
岩田日銀副総裁インタビューの一問一答
2013年 06月 24日 23:09 JST

まあふーんという感じですが、最後に盛大なオチがががが。

『──副総裁として実務を担ってみての感想。

「日銀内のさまざまな部局を時間の余裕があるときに見て回っている。外部にいたときは金融政策の観点でしか日銀をみていなかったが、信用秩序の維持がなければ物価の安定もできない。そのためにはさまざまな人々の仕事、下支えがある。例えばオペについても、外部にいたときは簡単だと思っていたが、実務はそのような簡単なものではないとわかった。日本銀行の実務に対する理解を深めつつある状況だ」』(上記一問一答の方の記事URL先より)

>例えばオペについても、外部にいたときは簡単だと思っていたが、実務はそのような簡単なものではないとわかった。
>例えばオペについても、外部にいたときは簡単だと思っていたが、実務はそのような簡単なものではないとわかった。
>例えばオペについても、外部にいたときは簡単だと思っていたが、実務はそのような簡単なものではないとわかった。

・・・・・・・・・・・orzorzorzorzorz

えーっとすいません、先生って金融政策論で何年どころか十何年じゃ効かなくメシ食っておられたと思うのですけれども、まさか今までの政策提言は実務上のフィージビリティーを何も考慮に入れずにおこなっていたとでも仰せなのでしょうか。

まあしかし何ですな、

>日本銀行の実務に対する理解を深めつつある状況だ
>日本銀行の実務に対する理解を深めつつある状況だ
>日本銀行の実務に対する理解を深めつつある状況だ

素直にこういう発言をする辺り、岩菊先生って実に正直で人柄は良いんだろうなあとは思われるのですが、金融政策論議でああだこうだと日銀の事をケチョンケチョンに仰っていた方がこういう風に言ってしまってどう見られるのかねとか気になるんですけど、そういうのを委細気にせずに平然と言えると人生楽しいだろうなあと思うのでありました。いやマジで。

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2013/04/05

・ところで岩田副総裁の精緻な理論によりますと・・・・・・・・・・(^^)

ちょうど昨日山本幸三先生のロイターインタビュー記事をネタにしておいて正解でしたな。ということで昨日の再掲。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE93204D20130403?sp=true
インタビュー:2%達成にはマネタリーベース拡大を=自民・山本氏
2013年 04月 3日 15:54 JST

『山本氏は、日銀副総裁に就いた岩田規久男氏が学習院大学教授当時に作成したシミュレーションから、消費者物価上昇率2%達成には、現在145兆円のマネタリーベースを160兆円─170兆円に増やしていく必要があるとした。』

『試算は、リーマンショック後のマネタリーベースの量と予想インフレ率の目安となるブレークイーブン・インフレ率(インフレ期待を測る代表的な指標)の関係からはじき出したもので、同時に円レートや株価との相関式に当てはめると、ドル/円は98円、株価は1万1600円になるだろうとしている。』

『さらに消費者物価指数を3%にするためには、マネタリーベースを180兆円程度に拡大させる必要があるとし、ドル/円は108円程度、株価は1万3600円程度になるだろうと試算する。』(以上上記URLより)

・・・・・・・・・・・・えーっと、今回の決定ってマネタリーベースを年末に200兆円、来年末には何と270兆円にするという物ですが、岩田先生ならびに山本先生の精緻な理論に基づきますと今回の決定でしたらどこからどう見てもマネタリーベースの出し過ぎとしか思えない訳でございまして、「こんなに出したら物価目標が大幅に上に逸脱してしまうではないか」と言って反対するべきではないのでしょうか(棒読み)。

岩田副総裁におかれましては今回決定された数値の積算根拠および、従来のご主張との乖離に関しての説明をじっくりとして頂きたい物でありまして、説明できないのでしたら従来の精緻な理論はただの与太話でしたと言う事になると思うのですけれども如何でございましょうかねえwwwww

#いかんまた最後に悪態で締めてしまった

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2013/04/04

○どうでも良いが色々と残念な画期的理論

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE93204D20130403?sp=true
インタビュー:2%達成にはマネタリーベース拡大を=自民・山本氏
2013年 04月 3日 15:54 JST

『山本氏は、日銀副総裁に就いた岩田規久男氏が学習院大学教授当時に作成したシミュレーションから、消費者物価上昇率2%達成には、現在145兆円のマネタリーベースを160兆円─170兆円に増やしていく必要があるとした。』(上記URLより、以下同様)

はあそうですか。

『試算は、リーマンショック後のマネタリーベースの量と予想インフレ率の目安となるブレークイーブン・インフレ率(インフレ期待を測る代表的な指標)の関係からはじき出したもので、同時に円レートや株価との相関式に当てはめると、ドル/円は98円、株価は1万1600円になるだろうとしている。』

あのもしもし株価下がるんですか??????

『さらに消費者物価指数を3%にするためには、マネタリーベースを180兆円程度に拡大させる必要があるとし、ドル/円は108円程度、株価は1万3600円程度になるだろうと試算する。』

あのもしもし株価1000円ちょっとしか上がらないんですか??????

『一方で山本氏は、金融緩和の強化が日銀による「財政ファナンス」になるとの懸念を回避するために何らかの基準を設ける必要はないとし、「(物価上昇率)2%までは国債を買うがそれを超えたら止めるのが物価安定目標政策だ。物価安定目標政策こそ、最大の財政ファイナンスに対する歯止めであり、ハイパーインフレに対する歯止めだ」と述べている。』

えーっと、物価というのは経済に遅行するものとされておりまして、2%まで国債買ってその後止めるだけで物価が2%で止まるとかどんだけ画期的な理論なんですか?????????

・・・・・・・・・でまあここで悪態並べようかと思ったのですが、並べる気力もわかないような話でございまして、山本先生昔はもうちょっと普通の話をしていた筈なのですが、何でここまでイミフな事を言い出すようになったんでしょうか。

なお、当然そういうタイミングだとは思いましたが、最後の所を見て吹いた。

『山本氏は自民党の「デフレ・円高解消を確実にする会」の会長を務める。インタビューは2日に実施した。』

えーっと、2日の日経平均は日中安値も11600円よりも高かったという記憶しかございませんが、どういう画期的なシミュレーションなんでしょうかねえとか思うのですが、それを作っているのが(つーかそれシミュレーションでも何でも無くて単なる直線番長じゃねえかという気がするが)きくちゃんである、という所に実に味わいの深いものを感じる訳でございまするorzorzorz

他にもそもそもBEIとマネタリーベースの回帰分析とか言われましてもBEIってリーマンショック前後で無茶苦茶振れてますがなとか、かつてのCPI基準年見直しショックとか、色々と別の要因があるんですがもしかして単回帰だけしてるんじゃねえだろうな疑惑とか突っ込む程アタクシは頭が良くないので以下割愛という事で^^;。

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2013/03/25

○岩田副総裁:やはり微妙に怪しい説明があったりちょっと思慮の浅い部分があったり

まあどこからどう見てもカウス師匠岩田副総裁が地雷原になりそうな悪寒はする訳ですが、案の定というか何と言うかという感じではあります。

・まあとりあえず冒頭の挨拶を引用しておく

『(岩田副総裁) この度、副総裁を拝命しました岩田でございます。よろしくお願いします。』

『私は、長い間、金融論、特に金融政策について研究してきました。特に、日本経済がバブル崩壊により景気後退に入った1992 年頃以降の日本銀行の金融政策をずっと研究し続けてきました。』

ずっと研究しているのに何で調節の話とかがアレなんでしょうかねえ(呆)。

『当初は、資産デフレと金融政策の関係が非常に重要だったのですが、その後、日本経済が、1998 年頃から消費者物価上昇率でみると毎年マイナスになるというデフレに突入してくる中で、デフレから脱却するためにはどのような政策がいいかということを研究してきました。私の研究では、インフレターゲットの採用国が、その当時までで10年くらいの経験を積んできたわけですが、かなり良い成績を挙げていました。』

デフレ脱却の為のインタゲでは無いのですが・・・・・・・・・

『そういうことが参考になり、また、1930 年代のアメリカがデフレから回復してくる、昭和恐慌から日本経済が回復してくる過程に関する研究も同時に進め、そういう研究を進めるにつれ、インフレ目標政策、あるいはインフレターゲットという金融政策のレジームへ転換することが日本のデフレ脱却には不可欠だと思ってきました。そういう研究を続けていたら、「瓢箪から駒」と言いますか、自分自身が言ってきたことを実際の政策に活かす場を与えられ、研究だけでなく実践の場に移すということで、非常に大変な重責を担ったと思っています。』

ほうほう。

『そういう自分が培ってきた学問的な研究を支えにしながら、中曽副総裁とともに、総裁をしっかりと支えていくのが私の役割だと思っています。どうぞよろしくお願いします。』

まあ最初は無難です。


・岩田−翁論争についての話を早速都合よく改変して無いですか

岩田−翁論争に関連して日銀の政策に関してどういう問題があってどうしたいかという質問があったのですけれども、カウス師匠岩田副総裁過去の話を改変してないですかこれ??

『(岩田副総裁) いわゆる「岩田―翁論争」というのは、当時、要するに、「日本銀行が長期的にマネーストックをコントロールできるか」という問題について、私は、「長期的にはコントロールできる」という立場だったわけです。(以下次のコーナーに続く)』

えーっと、長期的じゃなくて短期的にもコントロールして日銀が能動的にマネーサプライのコントロールしろという金利誘導政策を行うという前提の下では実務的に無理ゲーの話を持ってきたんじゃなかったでしたっけ。でまあ結局の所は、長期的には金融緩和や引締めによって何らかの影響があるでしょでもそれって確たる定量的な意味での「コントロール」って難しいですよねという当たり前の形で片付いたんでしょ。まあ市場金利の乱高下も気にせずという事であればマネーサプライの直接コントロールという金融政策も有り得ますがそれは金融市場にストレスが掛かりますからねえ。

ということでそもそもカウス師匠は「長期的には」じゃなくて「長期も短期も」コントロールできるって話をしていて、実務サイドからマッコウクジラで反論が来たという話だった筈なのですが、何でこうなるのやら。つーか長期的には可能というのは最終的に植田和男さんが裁定下した形で結論をつけましたし、信用乗数が安定しているという岩田さんの主張はその後実証的に否定されたのですけれどもねえ。


・2%インフレ目標の達成のためには何が必要か

という怪しげな部分を読んで早速???になるのですが、まあそれはそれと致しましてこの話の続き。

『(岩田副総裁)(先ほどの続き)ただ、98 年頃から実際にデフレになると、その論争も超えたところに金融政策の問題が出てきました。』

というか信用乗数いやまあどうでもいいです。

『なぜデフレになるかというと、一旦デフレになるとデフレ予想ができ、デフレ予想があるからこそ、そのもとで皆さんが行動することでさらにデフレになってしまうという、トートロジー(同語反復)のようなことになってしまいます。』

デフレ均衡は発生しているけどこの言い方で示唆されるようなデフレスパイラルではないような気もしますけれどもまあどうでもいいです。

『デフレ予想が生じたときは、逆に、インフレ予想を起こさない限り、デフレは脱却できないというのが私の立場であり、果たして、日本銀行が、金融政策によってデフレ予想を覆してインフレ予想に転換できるのかという点が、今までの日本銀行と私の立場とが必ずしも一致していないところではないかと思います。』

悪態ついてばかりでしたがこの部分に関してはあたくしも岩田副総裁に同意する所であります。ただまあインフレ予想に転換させるための具体的な金融政策について岩田さんが持ち出す話があまりにも無茶振り過ぎなのでえーという所なのですが・・・・・・・・・・・・

『私は、2%のインフレを達成するため、あるいはデフレを脱却するためには、2 つの条件が必要だと思っています。1 つは、2%のインフレ目標を大体いつ頃までに責任をもって達成するのかということに日本銀行がコミットするということです。これにコミットすることが、非常に大事なことです。』

ふむ。

『大体いつ頃までに達成するかということについては、主要国の中央銀行は、大体、「中期的」とか「ミディアムターム」という言葉で表現しています。その「ミディアムターム」というのが実際何年くらいなのか、色々な研究者が調べたところ、大体2 年くらいということになっています。平均すると2 年くらいでインフレターゲットの中に入っているので、そういう経験から言っているわけです。』

英国ェ・・・・・・・・・

『2 つ目は、そういう意味で、2 年くらいで責任をもって達成するとコミットしているわけですが、達成できなかった時に、「自分達のせいではない。他の要因によるものだ」と、あまり言い訳をしないということです。そういう立場に立っていないと、市場が、その金融政策を信用しないということになってしまいます。市場が金融政策を信用しない状況で、いくら金利を下げたり、量的緩和をしても、あまり効き目がないというのが私の立場です。(以下次に続く)』

まあこれは一理あるのですが後の方の質疑で微妙にアレな発言があってですなあ(次の次にネタにする)。


・では具体的に何をするか

『(岩田副総裁)(先ほどの続き)従って、まず、インフレ目標を、中期的に責任をもって達成するというコミットメントが必要であり、この立場に立った上で、今、黒田総裁がおっしゃったような、量的・質的な緩和を進めていくということです。』

ふむふむ。

『コミットメントと、コミットしたことを実際に行っていることを市場に知ってもらう意味では、政策金利がほとんどゼロになっている中で、量的緩和しかないと思いますので、その量的緩和について――黒田総裁がおっしゃったように、その手段としてどういうものを買うかという「質的」なところまで含めて――、これから政策委員やスタッフの方と議論しながら、しっかりと、2 年後くらいまでにはインフレ目標を達成できるように全力を尽くしたいと思っています。』

>その量的緩和について(略)これから政策委員やスタッフの方と議論しながら

「議論しながら」とか入れている辺り、ヒラの審議委員ではなくて副総裁という立場を考えた上の発言でございますなあと結構なお話なのですが、岩田副総裁におかれましては確か77兆円だか80兆円だかの当座預金残高に持って行けば来年半ばには達成可能とかそういう話だったような気がするのですが、具体的な案はまさかこれから考えるとか、従来考えていた事が単なる無理ゲーだったのでやはり考え直しますだとかそういう事では無く、既に20年来金融政策論を研究しておられる岩田副総裁の中では当然ながら具体的な提案があると存じますので、来週の決定会合で早速研究の成果を見せて頂けるものと確信しておりますので楽しみにしております(棒)。


・説明責任が果たせれば無問題とな

2年で2%行かなかったらどう責任を取るのか、という質問を何故か黒田総裁と岩田副総裁のみに振られておりましたが(^^)、岩田副総裁のお答えが微妙に微妙。

『(岩田副総裁) 先程申し上げた「中期的」とは、大体2 年ぐらいであり、2%は2 年ぐらいで達成しなければいけないということです。2 年経って、2%がまだ達成できない、2%近くになってもまだ達成できていない場合には、まず果たすべきは説明責任だと思います。ただ、その説明責任を自分で果たせないということ、単なる自分のミスジャッジだったということであれば、最高の責任の取り方は、やはり辞任だと思っています。まずは説明責任を果たせるかどうかが基本だと思います。(以下次に続く)』

>まず果たすべきは説明責任

ほうほう。確か従来は時限を切って目標を達成できない場合は問答無用でクビにしないと強力なコミットメントにならないという趣旨のご主張をしておられたと思うのですが、「ミスジャッジだったら辞任」という事はつまりミスジャッジじゃなくてリーマンショックのような場合は不可抗力として説明できるから問題ない、とまあそういう事を仰りたい訳ですねわかります。

いやあ人間立場が変わると発言が替わるもんですなあ(棒)。


・日銀法改正でコミットメント強化はまあ判らんでも無いが・・・・・

でまあこの質問には実は日銀法改正云々の話がありましてですな。

『(岩田副総裁)(先ほどの続き)日本銀行法改正については、長期的には、法的な担保をもって物価目標を決めていく仕組みの方が必要だと思います。どの人が総裁、副総裁あるいは審議委員になるかに関係なく、どのような人がなっても、基本的には2%あるいは3%という――それはその時の政権によって違いますが――、物価目標をきちんと法的に担保することは、長期的には必要だと思います。』

物価目標の担保については仰せの話は分からんでもないのですが、その時の政権によってコロコロ物価目標が変わるというのも如何なものかと思う訳で、それこそ岩田副総裁の言うような趣旨で日銀法改正をした後に実際にCPIが1%近辺とかに上昇して未だに根強いインフレフォビアが炸裂して、そのインフレフォビアの世論とやらに阿る政権が登場して「じゃあ物価目標1%以下な」とかいう事になったらどうしますねんという話でもありまして、日銀法改正でコミットメント強化をしたい、という趣旨は判らんでも無いのですけれども、現実問題として重要なのはインフレフォビア丸出しの世の中の状況を改める事でして、そちらを見極めてからでも良いのではないでしょうかねえ。


・何かその説明はおかしい

都合よく改変シリーズがもう一つあるんですけれども、リフレ派という立場の方が増えてきたと思いますがどうでしょうという質問があったのですが・・・・・・

『(岩田副総裁) 「リフレ派」という言葉は、我々が言っている意味で必ずしも理解されているとは思いません。「リフレーション」という言葉を最初に言ったのは、1930 年代のアーヴィング・フィッシャー教授だったと思います。フィッシャーは、基本的に、「デフレの中で、雇用が失われ、経済成長が低下していく状況にある時、デフレを止めなければならないのだが、その時に、デフレが始まった前の物価水準までとにかく戻すために金融を緩和する」という意味で「リフレーション」と言ったわけです。』

『しかし、現在は、物価水準をデフレになる前の元にただ戻すというだけではなく、実際には、経済は、ある程度の物価上昇があった方がむしろ安定することが分かってきました。特に、1990 年代ぐらいから、ニュージーランドが始めたインフレーション・ターゲットの中で、2%ぐらいの方が、だんだん失業率も低下して、雇用も最大化するし、経済も成長するということが経験的に分かってきたのです。従って、リフレ政策は、やはり2%ぐらいのインフレ経路を上手く歩むように、金融政策を運営するという考え方だと思います。』

という風に言われますと非常に普通の政策に聞こえるのですが、そこで主張している具体的な政策論がやれケチャップ買えだの(ケチャップは物の例えなのでしょうがすっかり人口に膾炙したのがアレ)復興財源国債引き受けろだの国債無限に買えだの具体論に落とし込む段階でそれは効くだろうけれども実際にやったら効き過ぎで止められなくなるだろうというような話を連発しているからちょっと待てという話になっていた訳ですけれどもねえ。

『「2%のインフレ目標」とは、あくまで手段であって、その方が、最終的には、雇用もよいし、成長率も上がるという実績があります。』

>「2%のインフレ目標」とは、あくまで手段であって

まあその通りなのですが、確か今まで日銀に対してああだこうだ言ってた時には2%絶対いかせろ行かなかったら全員切腹しろ位の勢いで話をしていたと思うのですが立場が変わると以下同文。

『それが何故かについては、色々あり、本日はそこまでの説明はなかなか大変ですが、そういう経験が、短い国でも10 年、長い国では20 年ぐらいの実績があるのです。そういう意味で、2%ぐらいというのは、国際標準として、主要国ではそのぐらいの経路が、企業活動も上手くいき、投資行動も上手くいき、貯蓄行動も安定していくという実績のもとに、リフレーションは出てきているのです。「2%ぐらいのインフレ」というと、何か大変なインフレとなってしまう、日本だけが凄いインフレになるのではないか、と思われるかもしれませんが、世界が、この20 年くらいで経験を積んだ実績のある目標だということです。』

ということで、まあそれはそうなのですが、問題は長期的に物価が上がらなかったので2年間という期間で年2%の物価上昇という状況に変わるということが日本の場合には「凄いインフレ」となってしまう惧れが有る事でして、仮にそういう風になってしまうとバックラッシュが起きて却って良くない結果になり兼ねませんが、その辺に関してあまりにも楽観的すぎないかと思うのですよね。


・デフレ脱却の経路の説明

さてまあ色々と引用してみましたが、デフレ脱却の経路について説明している部分がまあ今回の岩田副総裁の会見では一番のハイライトだと思います。何せ1ページ半以上掛けていますのでこれを変に切らずに全部引用してみましょう。

『(岩田副総裁) デフレの原因についてです。貨幣的な現象と我々は考えますが、その意味が誤解を招き易いので、少し説明します。』

ということで。

『例えば、現在、アベノミクスで、安倍首相が大胆な金融緩和を言われ、市場が期待していることで、マーケットのインフレ予想が随分上がってきています。これは、物価連動債などでみると、急激に上がってきています。0.7%くらいだったインフレ予想が、今は1%を超えていると思います。』

固定利付債の金利も下がっていますけどね。

『そうすると、皆さんの行動が、インフレ予想のもとでの行動に変わってくるということです。そうすると、だんだん需要が増えてきて、だんだんデフレギャップが無くなってきて、物価が下げ止まって上昇に転ずるということですが、その時に足許では、マネーストックが増えていないところに注目して頂きたいと思います。』

ということでさらりと説明しているのですが、市場のインフレ予想が一般ピープルのインフレ予想に反映して行動が変わるというメカニズムが必ずしも自明とも思えないですし(大体からして市場のインフレ予想の計測自体が怪しい)、インフレ予想のもとでの行動になると需要が増えてデフレギャップが無くなる、というメカニズムって本当に自明なんでしょうか。

『つまり、インフレやデフレは貨幣的現象だという場合に、足許でのマネーストックと物価上昇率との関係があると言っているのではないのです。これは、市場が非常に長期の予想をして、貨幣供給の経路はどうなるだろうと予想して、そして、将来は貨幣供給がどこかで増えてくることを予想し、「ということは将来インフレになるのだから、例えば今のうちに買っておいた方が良い」という行動が出てくるのです。そのようにして、足許の物価下落が止まっていくということです。』

何か市場のプライスアクションの話と家計や企業の行動の話がごちゃごちゃになってませんかこの部分、と思うのですが、この先でも何か市場の話と家計や企業行動という実際の経済活動の話がごちゃ混ぜにして説明されている部分が見受けられるんですけど以下続く。

『ですから、長期的にみると、貨幣供給の増加率と物価の上昇率は、非常に相関関係が高いのです。しかし、短期的にみると、例えば、今、マネーストックは全然増えていませんが、物価はだんだん下げ止まってくるということです。貨幣供給と物価の関係とは非常に長期の関係であって、短期的に、足許で貨幣と物価との関係があると言っているのではないのです。』

>貨幣供給と物価の関係とは非常に長期の関係であって
>貨幣供給と物価の関係とは非常に長期の関係であって
>貨幣供給と物価の関係とは非常に長期の関係であって

えーっと、当座預金残高を80兆円にしたら来年の半ばにはインフレ率2%達成可能という話は???浜田先生なんかも6か月でデフレ脱却可能とか仰ってましたよねえ。

『デフレ脱却の歴史では、1930 年代の昭和恐慌もそうですが、基本的には、金融政策によってデフレ予想からインフレ予想に変わることで、最初に出てくるのは、自己資金を使って、あるいは増資をして企業が設備投資をするということです。』

昭和恐慌の脱却って金融政策と財政政策の合わせ技だったような気がするんですがまあそれはそれとして。

『何故かというと、企業は、デフレのもとでは、自己資金の使い道が無いために自己資本、内部留保をたくさん持っているので、銀行に借りにいくわけではないのです。』

そうなんですか〜

『内部留保は2011 年末のデータをみると、企業は220兆円くらいの現金・預金を持っています。』

現預金と内部留保って企業会計上別物ですので、そういう表現をするのはちょっとどうかと思いますけれども。

『金融機関ではない企業です。何故それだけの現金・預金を持っているかというと、デフレ期待で使い道が無いためです。そのために、ただ持っているだけなのです。これが、インフレ予想が出てくると、最初は株や外貨に移りますが、やがて物・設備投資や在庫投資に移ってくるというように、今、凍りついている貨幣が動き出すということです。』

えーっとすいません、インフレ予想で企業が何で株や外貨を購入するんでしょうか。家計がそういう行動をするなら話は分からんでもないのですが、別に企業は金融商品で利殖をしようとして現金を手元においてはおりませんぞなもしという所で、この辺は企業の話と家計の話がゴチャゴチャになって説明しておられるだけなのでしょう、という風に解釈をしておきますが、それにしても何かちょっとえーという説明ではございます。


『簡単に言えば、最初に起こってくることは、貨幣の流通速度が高まるということです。それによって、物の支出に使われるようになる。今までは、ただ貯蓄資産として持っていた貨幣が、物の支出に使われるようになることを、デフレ脱却の歴史がいつでも示しています。』

貨幣の流通速度が速まるというのは仰る通りです。

『同じことがつい最近の日本でも起こっています。』

ほう。

『小泉内閣の時代、2001 年から2006 年、2007 年ぐらいまで景気が回復しますが、この小泉改革の時、最初から3 年半、銀行の貸出はずっと減っています。凄く減っています。』

3つの過剰の整理と不良債権処理・・・・・・・・・・

『それにもかかわらず、どこからお金が出て設備投資や生産のファイナンスをしたのかというと、全部、内部留保や現金・預金の取崩し、増資です。銀行の貸出に頼らないので、その過程ではマネーは増えていないのです。このように、マネーが動かなくなっている、家計に加え企業までがマネーをたくさん持っているのがデフレの特色です。これは、デフレが15 年も続いたから、そうなってしまっているのです。』

何かもっともらしいのですが、「家計に加え企業までがマネーをたくさん持っているのがデフレの特色です」というのはデフレ云々ではなくて単に資金循環上政府部門が大幅赤字で資金不足状態になっているだけのことのような気がするんですけれども。

『そのお金を、最終的に物の支出へ動かしていくことが金融政策の役割です。そして、経済活動が段々活発になってくると――小泉改革の時も大体3 年半くらいまではむしろ銀行貸出が減りながら――、景気が回復しています。同じく、1930 年代に米国がデフレ不況から回復する、日本が昭和恐慌から回復するときも、貸出が増え始めるのは回復が始まってから大体3 年半から5 年くらいです。』

いやだから不良債権処理・・・・・まあいいです。

『最初、銀行貸出は増えていないのです。長期的にはその後から貨幣はどんどん増えてきます。長期的にみると、最終的に貨幣が増えないとやはり物価は上がりません。長期的には、貨幣と物価の間では関係はみられると思いますが、おそらく、ここから回復していく過程では、「それほど貨幣は増えていないではないか」、「銀行貸出は増えていないではないか」とおっしゃる方がいると思いますが、それがいつでもデフレを脱却する過程の特色です。』

ほうそうですかそうですか。


・情報管理にも懸念がありますなあという部分

オファーがあった時にどういうご心境で??という質問がありまして岩田副総裁のお答えがこの正直者!という感じでして、まあ岩田さん正直者で幸せ回路内蔵なんでしょうなあというのは把握した。

『(岩田副総裁) 「わが意を得たり」ということは、全然ありませんでした。むしろ、この3 月で本来は定年退職するので、実は定年退職後の生活を楽しみにして生活設計しており、急にアベノミクスが出て来て、世の中が急に変わり、何か私の言っているような政策に転換するのかなという気持ちがありました。』

講演とかではそうでも無かったような気がしますがまあそれはそれとして。

『そういうことですから、最初の頃は、自分の生活とは余りにも違うので、自分で副総裁になるというのはあまり歓迎しないという気持ちでした。しかし、そのうちにだんだん周りが「お前しかやる人がいない」と言い出して、首相からも「どうか」と言われ、周りの人もそう言っているうちに、自分も、「そういう政策を採るべきだ」と言ってきたので、やはりここで尻込みしてはいけないのではないかな、という気持ちにだんだん変わってきて、最後はお引き受けすることに踏み切ったというのが正直な気持ちです。』

まあ実に正直でよろしいのですが、相当前から話がありましたというのがバレバレな言い方でございまして、いやそういうのはこうやっておとぼけモードになるのが正しいのではないか、ということで黒田総裁の同じ質問に対する答えを引用しておきます。

『(黒田総裁) 私は、これまでマスコミの方にも申し上げていた通り、アジア開発銀行(ADB)の総裁として、実は一昨年の11 月に5 年の任期をもって再選され、まだ任期が4 年くらいあるということですし、ADBの仕事に十分満足しているということで、全くそういったことは考えていませんでした。ただ、具体的に、そういうお話があった時に、十分考えた上で――これは1 人で考えましたけれども――、お引き受けすると決断した次第です。』

まあ岩田副総裁の場合は思いっきり正直に話をしているのは人間としては好感が持てるのですが、これからは中央銀行の副総裁という立場にあって、色々と平場で話をしてはいけない事案というものにも多く接するようになる訳でして、この調子で正直者モードをやっておりますと情報管理という面でちと大丈夫かと懸念されるのですけれどもどうでしょうかねえ。

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2013/03/13

本当はですね、インフレターゲット政策のお手本とかいう事になっているBOEの2月MPC議事要旨が色々な意味で面白いのとか、スタイン理事の講演とかパウエル理事の講演とかその他諸々のネタがあるんですけれども、目先に面白ネタが出てしまいますのでそっちばかりやっていて甚だ遺憾ではございます(^^)。

ということで木久扇師匠規久男先生のお笑い劇場は今日も行くという昨日の国会所信聴取ではございまして、ヘッドラインが出る度にのけぞったり茶を吹いたりしていた方も多いかと存じますが、まさか金融政策ネタでお笑い劇場になるとは思わなかったのですが、後述のように実は新執行部ノミネートを待たずしてMPMにもお笑い劇場化が進んでいるように見える次第でございまして、こうなって参りますと直近の講演などを見ても明らかにまともに筋を通しに行っている佐藤さんと木内さんに確りと頑張って頂きたい物だと思うのでありました(^^)。

しかし民主党のこれはワロタです。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MJHP3Y6TTDTL01.html
民主:黒田・中曽日銀正副総裁案に賛成決定、岩田副総裁は反対 (3)
更新日時: 2013/03/12 18:47 JST

『桜井氏は会見で、黒田氏について「十分に納得がいかない点があったが、空白を作れない」と指摘した。黒田氏の今回の同意人事案は19日に辞任する白川方明総裁の残りの任期(4月8日まで)に対してであり、再任を認めるかどうかは「国会に呼んでもう一度、十分議論する。不同意もあり得る」と述べた。 』(上記URLより)



木久扇規久男先生のオモシロ答弁は今日(というか昨日ですが)もいく

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MJHHXD6TTDS001.html
日銀副総裁候補・岩田氏:緩和の出口は付利引き上げと国債売却 (2)
更新日時: 2013/03/12 14:06 JST

『具体策としては「長期国債を買っていけば、2年以内にはインフレ率は2%に達する。あえてリスク資産に踏み込まなくてもできるかなと思う」と表明。「様子を見てやらなければいけないので、全ての選択肢をあらかじめ排除するのは危険だ」と述べ、リスク資産の買い入れも排除しない姿勢を示した。』(上記URLより、以下同様)

はあそうですかという所ですが、ヘッドラインを見ていて壮大にズッコケたのはやはりこれではないかと存じます。

『金融調節の操作目標としては「当座預金を目標にするのは、金融政策の操作上は比較的マネタリーベースよりもやりやすい」とした上で、「どちらが良いのかは、いろいろな専門家の意見を聞いてこれから考えていきたい」と語った。』

ちなみにこれ、ブルームバーグニュースのヘッドラインだとこういう感じで出てきましたが、他のベンダーでも大体そんな感じだったと思います。

JBN 09:39:*岩田氏:目標どちらよいか専門家に相談−当預かマネタリーベース(3/12のブルームバーグニュースヘッドラインより)

ちょwwwwwwwおまwwwwwwwwwwということでやまもといちろうさん的に言えば金利市場の皆様におかれましては大草原不可避状態になっておられたのではないかと存じますけれども、いやあの黒田さんが言うならまだ判るのですけれども規久男先生10年以上に渡って日銀の金融政策は駄目でクソで日銀はゴミにも劣る人間の屑と言わんばかりの勢いでご批判をされていたと存じますが、まさかのこの発言に椅子からコケる人が出てもおかしくない勢いであります。

いやね、決定するのは確かに政策委員会の討議が必要だけど、当然ながらたたき台になる案を持って話をするんじゃネーノとあんさん専門家でしょと思うのでありますが、もしかして岩田大先生におかれましては金融政策の具体策に関してはお前ら下々の者が考えろというハイパーマルナゲータ状態をお考えなのでしょうかとゆー所で俺様の吹いたコーヒー返せとゆーところであった昨日の朝のひとときでございました。

いやね、たしかに「おれさまのかんがえたさいきょうのきんゆうせいさく」をその通りに実施するための具体策はお前ら考えろ出来なかったらお前ら事務方が無能なんだとはこれはまた恐れ入りました「異次元政策」であることは間違いございませんですが、いくらなんでも岩田規久男大先生とあろうお方がそのような異次元政策スキームをお考えなどとは想像し難い所でありますので不肖このあたくしの勘違いである、と思いたいのですが、何かどうもそんな香りがプンプン漂ってくるぜヒャッハーという所でして、「2%の物価目標を達成できないのは俺様の考えた金融政策を実施できない事務方が悪い」とか、しまいに買入オペ札割れとかしたら「応札をしない金融機関が悪い」とか言い出しそうな気がするのは何かアタクシが勘違いしているだけですよね!!!!!!!

あとですね、記事中だとあまり詳しくないのですが、出口政策に関しての具体的な話で相変わらず物価連動国債発行しましょうとか金融機関の保有国債の平均デュレーションを短くさせようというような話をしているのですが、どうも金融機関の投資行動様式などに対するご理解が致命的に不足していると思われるのが残念な所なのですが、まあ正直申し上げまして何とかストの専門家でありましても債券系でずーっとやっている人とか、元々債券セールスやってた人とか、そもそもバンキングに居た人とかじゃない場合には、いわゆる何とかストの方でも平気で意味不明の事を言い出すという例は多く見受けられますので、この辺に関しては下手に細かい具体的政策論に触れないで「色々とやり方はあります」とかまあ上記ブルームバーグ記事で引用されている程度の一般的なツールについて話をしておけばヨロシアルと思います。平然と「専門家に相談」とか言ったり、スットコドッコイな出口政策の具体的な話をしてみたりと、この先生どうもバランスが変ですなあという所でございます。

ちなみにもうちょっとマニアな話になるんですけどね。

JBN 09:55:*岩田氏:インフレ目標と名目GDP目標はよく似ている(3/12のブルームバーグニュースヘッドラインより)

ってえのがあって、まあ一般的にはそういう扱いになるんだろうなあとは思うのですけれども、最近この話が盛り上がるきっかけになったカナダ中銀総裁でBOEの新総裁候補のカーニーさんの場合は講演とか、これまでのカナダ中銀の金融政策行動とかをレビューしてて思うのは、カーニーさん的に言えばこの「目標」については「約束としてのターゲット」として捉えているのではなく、あくまでも金融政策行動を説明する「説明の為のガイドライン」として捉えているんでしょうなあというのが伝わってくるものであります。

つまりですね、カーニーさんカナダ中銀の時にも「実質ゼロ金利政策を継続する期間」というのを思いっ切り公表しておきながら、途中で「経済物価情勢を勘案して金融緩和政策の正常化に着手しますよ〜ん」と平気で反故にしてしまう(これをやると2度目から信じられるのかという論点が発生するのですが、まあ勝ち逃げしてしまうとその辺が有耶無耶になってしまうのがガイダンスなのかコミットメントなのかを曖昧にするイカサマ政策の醍醐味)というプレイをしておりまして、そういうのを平然と行うカーニーさん的には「目標」は目標であるけれども「ターゲット」というよりもより「金融政策行動を説明する為のガイドライン」に近い意味づけなんでしょうなあと思う次第で。

英国の場合は(今週中にはネタ投下しますが)2月のインフレレポート出した時のMPC議事要旨を見ますと、現状で物価は2%のターゲットを上回り3%に近い方で推移した上に向こう2年間はサガランチ会長というどう見てもインフレ目標のグローバルスタンダードw的に見た場合に駄目だこりゃという状況になっておりますが、一方で景気の足取りは弱く先行きも下方リスクがあるという状態になっておりまして、どう見てもスタグフレーション一歩手前です本当にありがとうございましたという風になっているのですが、この困った状態を回避する荒業として名目GDP目標という作戦に出る(物価が高止まりするとGDPの名目値は物価の分で下駄を履くので何となく目標を達成しているように見える上に、現状のような場合に「物価が高止まりしているのに何で緩和を拡大するんじゃヴォケ」と言われずに済むから)のではないかと腹黒カーニー新総裁予定者の発言を見て思っているのは意地が悪いですかそうですか。

#なお話が脱線すると、確か名目GDP3%がどうとかいう話があったような気がするけど、物価目標2%必達で名目GDP目標3%だと随分とこら低くねえかという雑談を昨日は(も)友人として盛り上がって(というか盛り下がって)おりましたことを付言させて頂きます

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2013/03/07

・訂正その2の積りが途中から余計な雑談:3年以下を買えは出口政策の時でしたか・・・・・・・・・・ってえ?????

もう一つの訂正ですけれども、これは昨日の駄文になりますが、規久男先生の衆議院とかいう所でのご高座ネタでございまして、これはネットの記事引用部分ではありませんで・・・・・・・

(以下昨日の駄文より)

(前半略)「銀行保有の国債のデュレーション、3年までにして頂きたい」(今の金利水準判ってますか預金保険って知ってますか大丈夫ですか満(以下略))というような部分でしたが残念ながらネットニュースで拾えなかったのでツッコミは断念させて頂きます。

(ここまで引用終了)

という部分なのですが、これはどうも改めて確認すると目先の話でこんな事を言っている訳では無く、別のベンダーなどを確認すると「(出口政策について)銀行等にはデュレーションを3年くらいまでにしてもらい、日銀は長期国債を買う」との趣旨の発言だったようです。

ああそうか今すぐ銀行の保有債券のデュレーションを短くしろという話じゃないのかちょっと安心したわ・・・・・・・とつい思ってしまいそうになりますが、良く良く考えたら更にこの訂正版の方がアチャーな話をしているのが規久男クオリティでございまして、この人の「政策提言」ってティンバーゲンルールも裸足で逃げ出す「究極の部分最適」ですなあなど、謹んで訂正している割には何故か悪態の上塗りになってしまうお話だったりします。

だってね、恐らくこの「出口政策では銀行の保有国債を短期化させましょう」っていうのは、巷間よく言われる「金利急騰したら銀行経営に影響が起きて金融システム不安ガー」という話に対しての政策案なのではないかと思われる(思われる、というのはどうも規久男先生の話が実務家からみた場合に斜め上にも程がある物が出て来る頻度が他の人よりも高いので、常識的に解釈するとそうなるとおもいますけれども実はこっちの解釈がそもそも間違っているかもしれない、という意味を込めております^^)のですが、いやまあそうやって例えば出口政策懸念で銀行が売ってくる長期国債などの長期債を日銀が吸収していくような形を取れば「銀行の損失レベルを下げる可能性」が高まるように見えますので、その「銀行の損失ガー」の観点からすると使えそうに見えますが・・・・・・・・・・・・

という所で読者諸兄におかれましてはオチが理解できると思いますが、出口政策をやろうとしている中で中央銀行がせっせと長期国債の購入を拡大しちゃったらそれは出口に薪を積み上げた上にガソリン撒いて火を点けてしまうようなもので、本来やるべき流動性の吸収の真逆をやるという話でありまして「銀行の損失ガー」の対策を打つつもりが、出口政策の逆を実施して更に悲惨な事態を招くという吉本新喜劇もビックリの展開になってしまうというのはもう何なんでしょうねえというか、お願いだからそういうのは他の国で実験して下さいという所ではございますな。


ちなみに、訂正とは関係なく脱線しますと、他に規久男先生におかれましては「物価連動債、投資家のインフレヘッジになり、金融システムが安定、出口戦略が非常にやりやすくなる」と言った趣旨の発言もされているようでありますが、これまた実務家から見ますとこの先生何言ってるんでしょうという所でありますわな。そもそもインフレヘッジを物価連動債という商品カテゴリーで実施しないといけない投資主体が現在の国内機関投資家にいるのでしょうかという根本的な問題を把握していない時点で如何なものかという所ですし、それで出口戦略が非常にやりやすくなるとか最早どういうロジックなのかさっぱり判りません。

でまあ連日悪態をついておりますように、この先生、リフレ云々という金融政策論のようなネタでああだこうだと議論をもう10年じゃ効かなく行っている筈なのに、調節技術の話も怪しいですし、金融市場に関する理解も浅いとかそういう言葉で斬るのも刀の汚れじゃというくらいの無茶苦茶さでありまして、そもそもこれで10年金融政策ネタで本を出したりしてるというのが如何なものかというのが最近色々と具体的発言をするとボロボロとボロが出てくるというのがオソロシス。

いやね、黒田さんの場合は別に金融政策論を本業にしていた訳では無いですし、財務省時代も理財とか官房とかほぼやっていないに等しいですからその辺の知見が微妙なのはシャーナイナイと思うのですが、ここ10年来金融政策論で主に議論をすることがメインに近かったお方の具体的な金融政策具体論とかそれに立脚する技術的な問題や制度的な問題、金融市場に関する理解がもう無茶苦茶とか言う時点でリフレとは何だったんだという話になるんですよねえマッタクモウ。

いやね、この前も書いたんですけれどもあたくし別にリフレ的な発想についてマッコウクジラで全否定する訳でも無いのですが、特に最近というかここ数年のリフレ論議って政策の具体論に落とし込んだ際に話に飛躍があったり政策としてのフィージビリティーが無茶にも程があったり、大体からしてそれ現実問題としてフリクションが発生するから金融政策プロパーの問題ではないでしょとか、まあ要は理屈は判るのだがそれは現実に落とし込めない空論で、「世界の皆が9条を守れば戦争は起きません(はぁと)」ってのはその通りだしそうあるべきだとは思いますけれども、じゃあそれをどうやって実効性のある政策として落とし込むのかという話になると「現実がという日銀理論がケシカラン」で片付けられてしまって実際の政策論にならない上にそもそも現状認識自体が変なバイアス入って歪んでいるとゆー状況だと思うんですよね。まあ言っちゃあ何ですが、どこぞの政党が夢のようなマニフェストを引っ提げて「財源なんぞ無駄削減と埋蔵金で出てくるから気にしなくても良い」とか言ってたりしてた時期があり、何か知らんけど皆さんが持て囃して恐ろしい事に政権を取ったら素敵な有様になった、という事案が極東のとある島国であったような気がしますが、何かもう同じ香りが漂ってくるのが規久男先生のご高座を拝聴していると思うのですけれどもさてどうなるんでしょうねえ。

しかしまあ何ですな(何時の間にやらお詫び訂正ネタから話がドンドン逸れているような気がするのは気のせいです)、この空論金融政策論、つーかそもそも言ってることがかなりアレなので空論にもなっていないような気がしますが、まあそういうのを引っ提げておられる規久男先生がMPMの場でどういう風になるのかってのと、黒田さんがそのきくちゃんをどう扱うのかというのがまあ注目される訳でして、議事要旨ではそこまで詳しく掲載されないでしょうけれども、10年後の議事録でどんな事になるんでしょうかねえと妄想する訳ですよ。

議長:はい次だれか?
きくちゃん:はい!はい!はい!
議長:またきくちゃんかよ〜他に誰かいないの?

という某テレビ番組大喜利状態になるのか

きくちゃん:ああだこうだと現実を踏まえないエクストリーム意見
黒ちゃん以外の委員一同:「・・・・・・・・・・・・」

と政策委員の皆様をゴルゴ13状態にしてしまうのか、まあ今後の推移を(良く考えると楽しくないけど)楽しんでお待ちしたいと考えます。


以上、今週の駄文の訂正部分につきましては謹んでお詫びを申し上げている積りだったのですけれども、何故か途中からお詫び成分が揮発していることに関しまして深い遺憾の意を表明させて頂きたく存じます。



・そういや高座の影響も少々あるのかね

色々なご本職の何とかストさんのレポートと言いましてもあたくしも全員のを隅から隅まで読む暇はないのですが(つーか日米欧英中銀のリリース見てるだけでも時間が足りんわ)、昨日の国会でのご高座辺りを受けまして「和製フリードマン」とか「理論的支柱」というようなヨイショレポートじゃないものも散見されるようになりまして、誠に恐縮至極に存じます(謎)というような所ではございます。

つーかですよ、従来の岩菊先生とかリフレ界隈の見解とかって書籍もバンバン出ていますし、別に本買わなくてもネットでも色々と意見は読めたりします(ちなみにあたくしは岩菊先生の本なら3冊、他のリフレ系の先生の本も何だかんだ言って10冊近くは持ってるぞなもし)ので、大体どういうロジックで話をしていて、政策論に落とした場合どういう話をしているのかというのも具体的政策論も含めて見解を見ることは出来ると思うのですが、実は本当にノーマークだったのかねと思っちゃうようなヨイショレポートやヨイショコメントをしているのを拝見してナンジャソラと思って(敢えて名前は出しませんでしたがURL先をお読みになれば判るように^^)先日ご紹介申し上げた次第ですが、まあその辺も徐々に伝わるようになっているのは結構なお話ですなあ時既にお寿司かも知れんけどね、と思うのでありました。

まあここまで来たら10年来叩き続けた(追記:「大口の」が抜けてました)ケツをちゃんと拭いて頂くべく、金融政策運営に対して立ち向かって頂きたいときくちゃんに対しては思いますのですが、まあ「一度やらせてみようということで政権交代」の結果がどうなったかというのと同じような話にならない事を心の底から願っておりますので和製フリードマンであらされる所のきくちゃんには是非その理論を実践して頂きたい所でございますので副総裁よろしくお願いいたします(棒読み)という所ですなあっはっは。

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2013/03/06

○高座キタコレ

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MJ5ZL46S973201.html
岩田日銀副総裁候補:2年で達成できなければ辞職−物価目標2% (1)
更新日時: 2013/03/05 13:55 JST

もう何と申しますか色々とツッコミどころが多いのですが、このヘッドラインにありました部分に関しては「金融政策がてめえの職如きで釣り合うのかちょっと考えろ」という感じでありまして、辞職如きで落とし前が付くとでも思っているのかこの人はという所で甚だトサカに来る次第でさらに血圧が上昇する所です。

大体からして岩田さんにおかれましては10年以上に渡って散々日銀批判をネタにしておりまして、まあそれでも以前はそれなりに意見としてまとまっている話もあったのですが、ここ数年は言ってることがいちゃもん状態だわ言説に関してもそれこそ一派の皆様におかれましては自殺者が日銀のせいだとかエルピーダの破綻は日銀のせいだとか、ほとんど殺人者呼ばわりまでして注目を集めておられた訳でございまして、それだけ大口叩いた挙句に辞職如きで釣り合うんでしょうかねえ。

などと申し上げましたが、従来散々人に対して過激な発言を連発しておられた規久男大先生様の事でございますので、そのような安易な事を考えている訳では全くございませんでしょうと信じております。すなわち、辞職するにあたりましては単に辞職するだけではなく、「私が今まで言っていた事は間違えていましたどうもすいません」という板を首からぶら下げて日銀の周りを三歩歩くごとに土下座5回しながら400周くらいして頂いて、終了後は常盤橋公園辺りで首から下を埋まって頂きまして晒し者になって頂き、ついでに副総裁の給与もさることながらこれまでの印税だの講演謝金だのも国庫納付して頂く位の覚悟でお取組みになっておられるものだと信じておりまして、まあそこまで国会で言うのは不謹慎ということでしょうから辞職と仰せになったのでしょうと規久男先生には大いに期待したい物でありまする。

ということでまあ後は就任会見まで高座も無い(参議院での聴取はあるけどまあどうせ同じ話になるんでしょ)のでツッコミを少々。

『マネタリーベースをどれくらい増やす必要があるかに関しては「かなり大きいということは間違いない」と言明。』(上記URLより、以下同様)

あら???当座預金残高10%増やしたら期待インフレ率が0.44%上昇するんじゃなかったでしたっけ??????????

『「現在の資産買い入れ等基金の方式だと、日銀が国債を買っても償還して資金が戻ってくるので、ネットで資産残高が増えるかが見えない」とした上で、「ネットでマネタリーベースをどれだけ増やすかを見なければならない。その点も実際の金融政策では改める必要がある」と述べた。』

・・・・・・・・・・・orz

えーっと、現在の資産買入基金は「買入を行った国債の保有残高」を目標にしておりますので、償還部分も加味した買入を行っているのですけれどもこの人は基本的な事を何も判っていないというもう大丈夫かという話なんですけれども、そもそもこういう基本的な事も判っていない人間が金融政策論議をリードするという日本の状況が話にならんという事ではあります。

『超金融緩和策の将来の出口戦略では「国債の売りオペをするというよりも、日銀当座預金の付利を引き上げていって、銀行の信用創造を抑えるというのが最初の常道だと思っている」と述べた。』

・・・・・・・・銀行の信用創造を抑えるという意味が何を仰っているのかという感じですが、不十分と仰せの現在の国債などの買入量の段階で既に付利金利と実際の国債市場金利の差がこれだけ出ている訳でして、これからもっと凄まじい量の買入をした後の状況を考えると、付利引き上げを少々したからと言っても短期市場金利の誘導が円滑に出来るようには思えませんけどどうなんでしょうかねえ。というのはまあツッコミというよりは自分のメモであります(^^)。


『物価目標の達成時期では「世界経済などさまざまな要因に左右される。不確実性もある」と説明。「必ず2年でということは言い難い」としながらも、「達成に向けて全力でやっていきたい」と述べた。』

日銀がリーマンショックの影響がとか言うと散々「人のせいにする」と口汚く罵っておられたのはどこの誰でちゅかねえ・・・・・・・・

という勢いでもっと突っ込もうかと思ったのですが、何だか知らんのですが、今回はヘッドラインも飛び飛びでベンダー記事のネットでの扱いもこの辞職の所だけなので何なのですが、そのほかオモシロ発言があったので一応メモ。

ヘッドラインベースでは色々とありましてツッコミどころ満載なのですが、ワロタ部分としては「財政による金利上昇を抑えるためにも金融緩和が必要」ってそれどう見ても火にガソリンと金属ナトリウム持って特攻するようなロジック(財政維持懸念で金利が上昇しだしたら中銀が国債を買い出したら更に財政ファイナンス懸念が拡大して拍車を掛けるだけ。ECBがうまく行ったのは政府と中央銀行が一対一対応の関係になっていないからですよね大丈夫ですかねえはいはい満州の話はさっきもしたでしょお薬の時間ですよという所ですな)とか、「銀行保有の国債のデュレーション、3年までにして頂きたい」(今の金利水準判ってますか預金保険って知ってますか大丈夫ですか満(以下略))というような部分(3/7追記:別のベンダーヘッドラインを見ますと若干発言の趣旨を間違っていたようですので訂正記事を投入しました)でしたが残念ながらネットニュースで拾えなかったのでツッコミは断念させて頂きます。

ということで生産性皆無の雑談を連日にわたってお送りして誠に申し訳ございませんでした。ちゃんとした話題に戻りましょう、といいつつこれって会議録出るんでしたっけとか楽しみにしている自分がいるのはここだけの話。

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2013/03/05

木久扇規久男先生のご高座キタコレ

昨日は都内でご高座があったようですが、ベンダーにヘッドラインが出て金利市場関係者の間では良い腹筋の運動になったのではないかと愚考致します次第。

http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE92305N20130304
期待物価上昇率2%で15円円安、4000円株高へ=岩田学習院大教授
2013年 03月 4日 17:13 JST

『具体的には、当座預金残高が10%増えると予想物価上昇率が0.44ポイント上昇し、期待物価上昇率が2%ポイント上がれば為替は15円の円安、日経平均株価は4000円上昇するとの見方を示した。』(上記URLより)

出たこの謎の計算という話なのですが・・・・・・・

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/cabs/index.htm/
業態別の日銀当座預金残高

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/cabs/jcabs.pdf
業態別の日銀当座預金残高(2013年1月)

上記PDFから過去の数字を拾えますし、もっと長い期間のデータは時系列統計データ検索サイトから拾えるのですが、そこの月中平残ベース(でも末残でも良いですが普通は平残見るわな)の合計数値が日銀当座預金残高の月平数値になる次第ですけれども、ご覧になれば判るように昨年の1月積み期間(1/16-2/15)の当座預金残高平残が294448億円で今年の1月積み期間の当座預金残高平残が410950億円となっておりまして、規久男先生の高度な計算式によりますと昨年1月から40%上昇しておりますので予想物価上昇率は1.76%も上昇していないといけないという話になります。

・・・・・・・という程度でツッコミを止めてしまうと面白くないので、物は試しに2007年1月からの数値を時系列統計データ検索サイトで拾ってきたら2007年1月の当座預金残高平残は84714億円になっていましたけれども、その頃から当座預金残高は4倍超になっておりますが何なんでしょうこの計算。

まあ通常の金利政策と量的緩和期を比較するのも言いがかりという見解も有ろうかと存じますが、以前の2001年3月から始まった量的緩和の時って当初の当座預金残高のスタートが4兆円程度から始まって(http://www.boj.or.jp/announcements/release_2001/k010319a.htm/)最後は30〜35兆円にまで引上げ(http://www.boj.or.jp/announcements/release_2004/k040120.htm/)してましたので、この高尚な理論を用いますとその間の予想物価上昇率が(600%増加と控えめに計算して^^)26.4%は引きあがっていないといけないのですけれども、こらまた随分と無茶苦茶な金融緩和をしましたねえという所ですなわははははははははははは。


同じ高座の件ですが。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MJ4JJS6JTSEG01.html
岩田・日銀副総裁候補:物価目標のマジック、予想インフレ上昇で円安
更新日時: 2013/03/04 19:13 JST

『岩田氏は「デフレは貨幣的な現象だ」とあらためて強調。2%の物価目標達成に向けた日銀の取り組み姿勢が市場の信認を得れば、予想インフレ率の上昇を通じて予想実質金利が下がり、実際の物価が上がり始める前に円安・株高が進むと説明した。企業収益や設備投資、家計消費といった実体経済にも一定の時間差を伴って波及すると語った。』(上記URLより)

フィッシャー効果ェ・・・・・・・・・

『デフレ予想をインフレ予想に転換できるのは金融政策だけだと主張。各経済主体が物価目標の達成を前提に行動する同目標導入国の姿は「外から見るとマジックのように見える」と述べた。市場が注視するのは日銀当座預金と現金の増減だとも説明し、円相場に対しては予想インフレ率1ポイントの上昇で7.4円の円安・ドル高効果があるとの試算を示した。』

>市場が注視するのは日銀当座預金と現金の増減だ
>市場が注視するのは日銀当座預金と現金の増減だ
>市場が注視するのは日銀当座預金と現金の増減だ
>市場が注視するのは日銀当座預金と現金の増減だ
>市場が注視するのは日銀当座預金と現金の増減だ

強力な電波を受信致しました!!!!!

・・・・・・・・・・・・・・・えーっと、それは去年の3月に前年の震災対応による大規模流動性供給という特殊要因が剥落した時に突如ネタにしていた人たちがいて、金利系の本職の何とかストでも大真面目に特殊要因の話をしないで説明していたのが某護国寺証券とか某溜池山王証券とかにいたような気がしますが、今年はご案内の通り1月積み期間で前年対比で10兆円以上も日銀当座預金が拡大しているのですがついぞそれを円安材料のネタにしている話を聞いた事がございませんけどねえ。

『安倍晋三首相が求める大胆な金融緩和を背景に名目金利が下がっている理由については、予想インフレ率の上昇で日銀による国債買い入れ増の観測が勝っているためであり、デフレ予想ではないと指摘した。ただ、世界標準の物価目標の下では達成に向けた金融政策手段に関しては独立性が保障されているため、政府に国債購入を強要される財政ファイナンスの懸念は起こりようがないと強調。こうした「プロパガンダ」を悲しく思うと述べた。』

>財政ファイナンスの懸念は起こりようがない
>財政ファイナンスの懸念は起こりようがない
>財政ファイナンスの懸念は起こりようがない

発行する国債全部買えだの言われていう事聞かなければ日銀法改正とか言われても財政ファイナンスの懸念が起こりようがないとか何というお目出度い方なのでしょう。

・・・・・・・・何か他にも盛大にツッコミどころがあったような気がするのですが、オモシロヘッドラインが満載されている割には記事の方があっさり味なのが多かったので惜しいですなという所です。

ということで今日の国会でどんだけオモシロネタを炸裂させてくれるかとかもうワクワクテカテカなのですけれども、この高尚な理論を引っ提げて登場させる前に国会におかれましては規久男先生の高尚な理論に是非ドシドシ突っ込んで頂きたい物である、と斯様に存じます次第ではございます。(ちなみにネットで拾えなかったですが「18カ月から24か月で達成可能」との事でしたので、あれだけ日銀を諸悪の根源呼ばわりしてたんですから達成しなかったら当然一族郎党獄門送りの覚悟なんでしょうなあ)

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2013/03/04

○正副総裁候補者の所信聴取がはええええよ

http://www.47news.jp/CN/201303/CN2013030301001464.html
衆院、4日に黒田氏の所信聴取 日銀総裁人事で
2013/03/03 17:25 【共同通信】

『衆院議院運営委員会は4日、政府が次期日銀総裁候補として提示した黒田東彦アジア開発銀行総裁(68)の所信を聴取する。人事案提示後、黒田氏が公式に意見表明するのは初めて。2%の物価目標達成に向けて金融緩和を強化する方針を説明する見通しだ。与野党の質疑に応じる。』(上記URLより)

ということで今日が黒田さん、明日が岩田さんと中曽さんの所信聴取でございまして、まあ中曽さんは別に問題が出るような発言は出ないでしょうから良いとしまして、黒田さんと岩田さんに関してはまあちょっと勉強する前に所信聴取かよという所で大丈夫かという所ではございます。

まあ何ですな、変にハードル上げまくる勇ましい発言をしてから実際に現実問題として出来ることとできない事を把握した後に顔真っ青とかになって悶絶して頂いた方がこうなりますと面白いので精々悶絶しろやとは思いますし、日本のためにという点で言えばここであっさり穏当になった方がコストは低いのでしょうが、悶絶の結果社会にコストを与えた事が明らかになることによって事実関係も踏まえないで適当な与太話を吹くような輩が絶滅した方がより長い将来を見据えた際に世のため人のためになると考えたりしてはいかんのでしょうけれどもねえとか色々と考えてしまう今日この頃。

でもまあ岩菊先生の場合は例えば付利下げたら資産買入が札割れになるかもしれませんよとかいう話をしても「それはお前らの説明がおかしい」と言い出しそうな所がお洒落でありまして、まあポイントは岩菊先生がネタ要因になるのかどうかでしょうなあとは衆目の一致する所ではないかと存じます。

つまりですな、岩田さんがああだこうだ発言するのに一々市場が大反応してたらそらもうエクストリームな市場展開が想定されますし、はいはいおじいちゃん満州の話はさっきもしたでしょお薬の時間ですよという反応になりますとそれはそれでナンダッタンダという話になるのですが、はてさて今後どうなるのかというのが実にこうあまり嬉しくは無いものの外野的には興味津々と言った所で、中の人におかれましては誠にご愁傷様としか申し上げようが無い所ではございますな、うんうん。

#何かダイヤモンドオンラインで岩菊先生が先般のゆかしメディア系でのインタビューと同じような話をしていたようなのですが、肝心の部分が会員限定記事なのでスルー致します

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2013/02/28

○日銀正副総裁人事関連で色々とニュースやコメントを拾って保存しておきましょう(^^)

・昨日の続きで岩田規久男先生ェ・・・・・・・・

もと切込隊長のやまもといちろうさんがこんなエントリーを投入されておりましたが、良く見ると記事へのリンクが掲載先の「海外投資新聞」じゃなくてウェブ魚拓になっている所に素敵な芸風を感じます(^^)。

http://kirik.tea-nifty.com/diary/2013/02/post-15ba.html
【祝】日銀副総裁候補・岩田規久男・学習院大教授がアブラハム「海外投資新聞」に登場

でまあこちらはこちらで鑑賞して頂くとして、アブラハム・グループさんご提供の海外投資新聞さんの記事は昨日もご紹介しましたがこちら。

http://media.yucasee.jp/offshore-news/posts/index/241?la=0005(直リン自主規制)
学習院大学岩田規久男教授直撃インタビュー
インフレ率2%は来年半ばに達成可能=学習院大学岩田規久男教授
2013.1.30

読めば読むほどクラクラしてくるので不肖このあたくし脳ドックにでも逝った方が良いのではないかと思ってしまう位のツッコミどころ多彩のインタビュー記事でございまして、いやこの認識で日銀副総裁ねえとか思うのですが、総裁と副総裁を入れ替えるべきだとおっしゃる方もおいでのようで世の中どうなってるんでしょうねえと呆れる今日この頃でございます。

ということで以下先ほどの海外投資新聞さんの岩田教授インタビューから引用しつつ少々ツッコミをしようかと存じますが、必ずしも全部のツッコミどころをツッコんでいる訳では無いので念の為申し添えます。

最初のインフレになるメカニズムの話もお前は何を言ってるんだという感じですが、一番素晴らしいのはこの辺りの話。

『――日銀は具体的にどんな政策をとるべきですか? 』

『前回の日銀の政策決定をみると、実際にはほとんどベースマネーは増えない。』

ほうほうそうですか。

『インフレ率を2%にするためには、日銀当座預金を昨年末の約40兆円の倍、70〜80兆円にすべきだ。 今の日銀の当座預金の増やし方のペースをみると、インフレ率が2%になるには早くても3年程度かかる。予想インフレ率と当座預金との関係には時期によって違いがあるので推測には幅があるが、今のペースでは遅ければ5年程度かかるだろう。』

・・・・・・・・・・・どうも良く判らないのですが、今の基金オペの残高が目標通りに積みあがると何処からどう考えましても年末の101兆円目標達成時点で日銀当座預金残高は80兆円は楽勝で到達する筈なのですけれども(佐藤審議委員が先日群馬で講演した時は90兆円〜100兆円に達するかもという話ですし、銀行券と財政要因中立と言う超イイカゲンな前提を置いて計算すると90兆円程度になるような希ガス)、そのペースで3年程度掛かるというのはそもそも前提においている日銀当座預金残高の拡大ペースを盛大に誤解されているとしか思えませんが大丈夫でしょうかきくちゃん先生。

『安倍総理が目指す「できるだけ早期」のインフレ率2%達成は、今のペースでは無理。逆に言えば今の日銀にはやる気がないということだ。日銀の姿勢が変わらなければ、今の株高も円安もしぼんでしまうだろう。』

えーっと、そもそも前提となる当座預金残高拡大ペースを間違えたままでやる気があるだの無いだの言われましてもただの言いがかりにしか見えませんが・・・・・・・・・


次の質疑も読んでいて愚昧かつ経済学士ですらない低能のこの不肖ワタクシにとりましては意味がワカランチ会長ですので就任記者会見の際には是非とも詳しい説明をお願いしたいと斯様に思うのでございますが。

『――国債買い入れオペでは札割れが起きています。当座預金を2倍にできますか?』

『それは今、日銀が1年物など短期の国債しか買っていないからだ。日銀はもっと長期の国債を買うべきだ。』

そもそも国債「買入オペ」では札割れ起きていないので質問者のレベルもアレなのですが、その質問を訂正することなく回答されるというのが大変素敵な訳でして、いやまあこれが黒田さんのようにそもそも財務省時代に金融政策に関連する政策の方面(理財局とか官房とか)を触って居なかったのでそんな細かい話は知らんぞなというのであれば致し方ないのですけれども、この木久扇規久男大先生におかれましては従来より日銀の金融政策に対して色々と批判をしている方でございますので、当然ながらこの辺りの事実関係を誤認したままで批判されますとそもそも議論が成立し得ないのでございまして、大丈夫なんでしょうか本当に。

それに「1年ものなど短期の国債しか買っていない」というのもかなりミスリーディングな言い方でして、基金国債買入は1年〜3年を買っていますし、輪番オペというのもありますので、まあ基金オペが時限的措置という名目で3年までの国債しか買っていないのでもっと長いのを買えと言いたいのは判りますが、この部分も事実関係をミスリードするような言い方をしているのがもう何だかねという所です。

『金融政策というのは、流動性が違う資産を交換するほど効果を発揮する。』

それって財政政策の領域になるような気がしますし、大体からして伝統的金融政策は金利操作でございますがなと思いますが一応突っ込まずに流しておきましょう(って突っ込んでいますが)。

『民間ではリスクのある長期国債は持ちにくい。したがって当座預金の流動性と同じ短期の資産を買ってもあまり意味がない。長期国債を買えば札割れは起こらない。』

????????????????????えーっとすいません意味がワカランチ会長ですし、これでは日銀が短期国債ばかり買っているかのような説明になるのですが・・・・・・・・・

『インフレ期待が生じたときには、民間は長期国債をもっていると価格リスクが大きくなるので持ちたくなくなる。そういう時にこそ、民間が持てなくなる長期国債を買ってあげるのが流動性を供給する中央銀行の役割だ。』

いやもうここのところが凄まじいとしか申し上げようがないのですが、インフレ期待が高進してフィッシャー効果だか何だかで長期金利が上昇している時に、長期国債を中央銀行が更に購入して流動性を突っ込んだら高進したインフレ期待が更に高進して火に油を注いでしまい大変な事になってしまうのですけれども大丈夫でしょうか??????????????

『大手メガバンクはすでに長期国債を減らしているが、地銀はまだかなり長期国債をもっている。インフレになると経営的な問題やシステム不安が起きてくる可能性があるので、その意味でも日銀はもっと長期国債を買うことが必要だ。』

えーっと、短期金利がゼロ制約になった後でより長い期間の金利下がると金融機関はよりリスクを取らないと必要な収益が出せなくなるので更に大変な事になるのですが。つーかインフレになるたって景気回復を伴うインフレだったら銀行経営ってウハウハになって少々の債券ポートのやられは本業とか保有株式とかでお返しできるんですけどねえ。

『さらに、インフレヘッジになる物価連動債をもっと発行すべきだ。』

えーっとそれは財務省に言ってください。ああそれからこの前の国債市場特別参加者会合で「国内投資家の需要が無いので発行再開しても消化が厳しいかも」という見解が大多数をしめていたんですけどねえ。

『長期国債を日銀が買う代わりに、物価連動債を機関投資家や個人などに買ってもらえばいい。こういう時にリスクをとれるのは中央銀行しかいない。』

もはや訳が分からんのでツッコミが出来ない・・・・・・・


しかしまあ一番酷いと思ったのはこのくだりでしょうなあ。

『――日銀は国債の直接引き受けをすべきですか?』

『それはありえない。それは日銀があまりにもかたくなに何もしないから出た議論。むしろ、日銀が財政ファイナンスをするのを避けるためにあるのがインフレターゲットだ。』

1つ上の質疑を見ているとインフレ期待が高まって金利が上昇したらどんどん長期国債買えとかどう見ても財政ファイナンス推奨です本当にありがとうございましたという所ですが、「何もしないから出た議論」とかエライ他人事のように仰せですが先頭切って仰せだったの貴殿だと思うのですが・・・・・・・

http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK062843420110708
復興国債の財源、日銀引き受けが需要創出に最も効果的=岩田規久男・学習院大学教授
2011年 07月 8日 16:59 JST

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-22301220110721
復興債の日銀引き受け、景気浮揚と超インフレで意見対立
2011年 07月 21日 14:26 JST

・・・・・・・・・・えーするってぇと何ですな、岩田大先生様におかれましてはかつて仰っていた「復興国債の日銀引受」は政策提言としては単に為にする議論であって、本当に実行したら「ありえない」政策であったということである、とまあ斯様な話になるのですが、それって政策に携わる者としての姿勢として如何な物なのでしょうか?

つーか「日銀が言う事を聞かないので有り得ない極端な政策を突破口にする」とかそれただの「目的が正しければ何をやっても良い」理論であり、(自主規制)のロジックじゃないですかとゆーか、まあ恐喝みたいなアプローチでありまして、政策論争というのはそのような恐喝的手法を用いて為されるものではない、とまあ斯様に思う訳でございまして、恐喝で事情聴取を受けるのは中田カウス師匠くらいにして頂きたいと存じます次第でございます。

何か他にもツッコミポイントがある気がしますが、あんまりやっていると精神衛生によろしくないのでこの辺まで。

#しかしこちらの海外投資新聞さんの「識者の見方」のメンバーが何ともアレでございますな
http://media.yucasee.jp/offshore-news/columns

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2013/02/27

○悪態雑談を書こうと思ったが時間がねえので備忘だけ

いやまあ実を申しますと岩田規久男大先生の「当座預金残高77兆円で2%」云々の記事ってベンダーのヘッドラインにはあったのですが、その内容を探そうとネットを検索しても引っかからず、大体その趣旨の話があると思ったのですが、それは微妙に謎のサイトにインタビュー記事として絶賛掲載されていたのですが、このサイトってどこぞの運用助言会社の関連サイトなのでそこのサイトに誘導するのも如何なものかと思ってスルーしていたのですが、やまもといちろう氏などのスコープに引っ掛かったようで何かご存知の方も増えたようなのでURLつけておきますね(上記の理由によりリンクはしない)。

http://media.yucasee.jp/offshore-news/posts/index/241?la=0005
学習院大学岩田規久男教授直撃インタビュー
インフレ率2%は来年半ばに達成可能=学習院大学岩田規久男教授

1月30日のインタビューのようですが、中々香ばしい内容が続いておりましてアレの風格を漂わせておりますが、日銀の当座預金残高はたぶんこの調子で買入が続いて札割れが起きない限りにおいて、年内に80兆円(こちらでは77兆円じゃなくて70−80兆円という話ですね)にはたぶん楽勝で達するという事ですから、なんと来年半ばにインフレ率2%が達成可能だそうです。いやあ良かったですねえ(棒読み)。何でしたらこの際6月までに前倒しでジャンジャン買っていただけるともっと早く達成できるんじゃないですかねえ(棒読み)。

という話やその他の話でもしようと思ったのですが時間が無いので以下明日以降に^^;

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2013/02/26

○とりあえず市場メモ(黒田総裁ノミネート関連)と雑感

黒田総裁に岩田規久男副総裁ノミネートな上にTPP参加もおまけに出た事からとりあえず株高で反応しましたが為替は朝は94円台後半とかまでやっていましたけれどもその後は押して94円台前半で推移。

んでもって債券市場は全年限堅調の巻となりまして、まあ要は国債または短期国債の買入が更にどどーんと実施されるでしょうという順当な予想に基づくものなのと、まあ極端に円安にぶれなかったので(最近株高を受けてもあんまり債券が反応しない)まずは買いで反応という形になりましたな。

とりあえず国債とか短期国債の買入が拡大されるというのは予想されるのですが、それがAPPの買入国債の5年までの延長を伴う買入の拡大とかになるのか、それとも更に短期国債を買うという事になるのか、はたまた輪番拡大でより長い所の買いになるのかというような事を考えた上で、「まあ細けぇこたあいいんだよ!」と言う結論になった(のかどうかは知りませんが^^)風情で5年は0.120%(1毛強)になるわ、3MTBは0.70%になるわ(先週末は0.7%台後半)、10年は0.705%(2毛強)の引けだけど場中は0.700%まで出合うわと堅調で、超長期も引けは1.5毛強とかでございましてまあブルフラットまでは行きませんでしたが超長期も付いて行きましたぞなもしとゆー展開。

まあ何ですな、黒田さんに岩菊さんという事で国債の買入は増えるでしょうなあという話になりますので、ますます財政マネタイズの様相が濃くなる訳ですが、これが武藤さんだと同じ国債買入拡大にしても比較的マイルドに行くのかなあとは思われたのですが、黒田さんの場合どう見ても金融政策および調節の実務的な面を把握しているとは現状では思えませんので、制約条件を無視して突っ込んで行くかのような話をするリスクはありますので、当初反応としては財政マネタイズって債券市場としては買いで反応してイールドカーブはブルフラットという事になるのでしょう。ただまあ問題はその賞味期限でありまして、賞味期限のあるうちに明確な形での景気上向きとか成長戦略の示現とかが無いと、無限に財政マネタイズは出来る訳では無いのでどこかで爆発する訳ですが、その爆発へのパスが速まるリスクはあるでしょうなあと言う事で。


○さらに雑談は続く

ではまあその辺のリスクってどの辺にあるのかねという所ですが、ポイントとしては新任のうちお二方が明らかに金融政策の実務的な問題とか調節の技術上の問題とか短期金融市場とか全然ご理解頂いているとは思えん(大体からして金融市場の人間だって分かっていないで適当な与太をほざいている何とかストが続出している位ですから、黒田さんが判っていないのは仕方ないのですが、金融政策論をぶっている学者先生が理解しているように見えないのが極めて残念なのですが岩菊さんは岩菊さんなので致し方なし)とゆーのがリスクの1番目で、もう一つのリスクは「市場の期待が異様に高い」ということではないかと思うのですよ。


・ということで第一のリスク顕在化は「実務を知る前に下手にハードルを上げること」でしょうなあ

と言う事でしつこく申し上げておりますように、大体からして黒田さんにしても岩菊さんにしても金融政策に関してああだこうだ仰せの話を見ますと金融調節の実務的な話とかフィージビリティーとか全然考えてないだろうという話を平然とするところを見ますとその辺の話って当然のごとくご存知ではない訳ですな。


でまあ黒田さんがその辺ご存知では無いのは(岩菊さんは何とかならんのかと思うが)現時点では致し方ない事なのでまあそれはそれで今後理解して頂ければとは思うのですけれども、問題はその辺を理解する前に実務的にこれは出来る出来ないという話ってえのがある中で、それを丸無視して変に市場の期待に応えようとして無茶振りな事を言い出してハードルを高めてしまい、無理な事をするようになり、それが更に市場の無理無体な期待を呼んで無理を重ねて・・・・・・・という事になりますとマズーな話になる訳でしな。

まあ最初のうちは先程も申し上げたようにゴルディロックスよろしく無事に回るかも知れないのですが、いつまでもあると思うなゴルディロックスでございまして、どこかで爆発した場合には恐らく取り返しのつかない事になってしまうでしょうなあとゆー所で、その辺のハードルを自分で上げてしまって自分の首を絞めるとナローパスが更にナローパスとなってキャットウォーク状態になるんじゃねえのという所ですな。



・大体からして「自分の尾を追う犬(byブラインダー元FRB副議長)」の傾向が既にある訳で・・・・・・・

大体からして安倍ちゃん登場からの流れって、まあ良く言えば市場の期待を盛り上げながら進めているという事ではあるのですが、一歩引いて見ますと市場の反応に一々振り回されている節もある訳でございまして、何かとにかく市場に円安燃料を投下しないと!ってな感じで発言がホイホイと飛び出してしまうという傾向があるように見えるのですよね。まあ最近はG7やG20で五寸釘を思いっきり差されたようでやっと大人しくなりましたが。

でまあその安倍ちゃんご指名となられます所の黒田さんと岩菊先生ですけれども、何かこのお二方も市場の期待とやらに応えながら期待をコントロールして行こうってえ事になった場合に、既に「自分の尾を追う犬」になりつつある状況が更に加速され、その結果として将来において金融の大きな変動要因を作ることになるというのもこれまた懸念される所でございます。

大体からして市場のクレクレというのは一旦はじまると留まる所を知らないですし、大体からして市場がクレクレする事が本当に国民厚生的に望ましい事なのかというと市場はそんなこたあ碌に考えないでクレクレをする訳でありますから、そのクレクレに一々付き合っていたらあらぬ方向に政策を加速させてしまい、気が付いた時には取り返しのつかない事になってしまうリスクというのがこれまたオオアリクイとなる訳で、魔弾の射手の終幕を迎えるとかそんな事にならないように願いたいものです。


・「見せ方」とか「気合の出し方」が上手い組み合わせになって役割分担できると良いですね(棒読み)

まあなんですな、総裁が金融政策実務に関しても金融調節実務に関しても堪能で安定感抜群の武藤さんだったら岩菊先生がやんちゃな発言やら信念(ただし金融調節実務的に無茶振りにも程がある^^)の発言を少々行ってもネタで済みますし、黒田さんとて賢いお方でしょうからちゃんと実務を把握すればその実務と政策のべき論とのバランスを取りながら、岩田さんをある意味で鉄砲玉として使いながら「気合」を見せて行く、という形での政策運営が出来るとは思う(というか思いたい)のであります。

まあ気合とかやる気とかその辺の見せ方がはがゆいはがゆい博多人形(などというネタを知っているのはジジイの証拠)であったというのはその通りでありますので、まあその辺ってキャラの作り込みよう(とか言うとやや言い方が不謹慎ですが)で上手く回せると良いなあとか思うのですが、黒田さんがそういう所をうまい事やってくれるのかどうかは今後に期待したいものの、先ほども申し上げたように市場の期待が下手に高い上にそれを当事者が自覚しているというか意識しているだろうなあとか思うと、そううまい具合に行くのかと言えばカオスになるんじゃネーノという懸念がある(あるからさっきからああだこうだと思いついた順に悪態を書いているのですが)次第ですし、大体からして岩菊先生がその辺の役割を理解してある意味プロレス的に突っ込んで行く、というような芝居の出来るような腹の黒い方では無いと思われる訳でして・・・・・・・・・・



・規久男先生ェ・・・・・・・・・

http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324838304578324871862202496.html
2013年 2月 25日 10:07 JST
日銀副総裁への就任要請、謹んでお受けする=岩田規久男氏

『【東京】学習院大学の岩田規久男教授(70)は25日、安倍晋三首相から日銀副総裁への就任を要請されていることを明らかにした。岩田氏は記者団に対し、安倍氏に「謹んでお受けする」と回答したと述べた。先週の安倍氏の訪米前に打診されたという。』(上記URLより)

と言う事でまだ正式提示の前にこんな話をして良いのかなあとか思っていたら早速こんなのが出てワロタ。

http://jp.reuters.com/article/idJPTYE91O01V20130225
日銀総裁人事を週内提示、野党に全力で理解求める=官房長官
2013年 02月 25日 12:44 JST

『黒田東彦・アジア開発銀行(ADB)総裁に日銀総裁、岩田規久男学習院大学教授に副総裁への就任をそれぞれ打診したとの報道に関しては「まったくその段階ではない」と語った。菅長官は日銀正副総裁人事に関する報道が相次いでいることについて「正式に固まったものではない。(国会に人事案を)提示していないし、白紙だ。先回りのコメントは控える」と述べた。岩田氏が、安倍晋三首相の訪米前に打診があったと発言していることに対しても「正式な打診ではない」とした。』(上記URLより)

・・・・・・・・・・・・規久男先生ったら嬉しいのは判るんで、まあ真っ正直で純粋な方なんだなあとは思うのですけれども、こういうのって仮に話があっても「お作法」としての手続き論がある訳で、この辺のプロトコルを理解しないでいきなり平場で話をおっぱじめてしまうとかっていうのがもう既に大丈夫かこの先生という風情を盛大に醸し出している訳ですな。

まあ今回はご愛嬌で済むでしょうから問題ないとは思いますが、この調子のままで突き進むと、というかこの先生突き進みそうな悪寒が全力でするのが極めてアレなのですが、そうなってしまいますと何かもう盛大にブラックアウト期間中にペラペラしゃべるとか、MPMの内容についてエンバーゴが掛かっているのにペラペラしゃべるとか、大変に素敵なやらかしを始めそうな気がして今からある意味楽しみ(別に楽しくは無いが)でございます。


・MPMは大喜利になるんでしょうか

ということで実務上の件についてワカランチンの方がヒラ審議委員ではなく総裁副総裁という立場で2名も入ってくる上に、総裁ってMPMの議長でもある訳ですが、さてこのワカランチンの2名様、うち黒田さんは今後改善するかもしれませんが、まあ岩菊先生はその辺聞く耳持たないでしょうから、そうなりますと今後のMPMでの議論が大喜利状態になってしまうのではないかというのが懸念というか傍から見てたらある意味面白いのかもしれませんなあという所で。

いやね、大喜利の仕切りをやる司会の歌丸師匠がちゃんと安定感あれば良いのですが、規久男先生と一緒になって司会(総裁)が暴れだしてしまうと収拾がつかなくなる訳ですし、それがMPM内に留まっていればまだしもそのまま平場にホイホイ出てくるとかになると物凄い勢いで不安定要素をまき散らす事になるのでそれはご勘弁賜りたいと思うのですよね。

つまり大喜利のキャラクターは(それなりに皆さんに素質はあるのでしょうが^^)あくまでもお約束のキャラ付けとして進行しているのでありまして、例えば木久扇師匠の与太郎キャラだって師匠がリアル与太郎だったらそもそも大喜利が成立しなくなるとか考えますとMPM大喜利が大喜利じゃなくてただの不毛な論争となるんじゃないかとか思う訳です。どうなることやらガクガクブルブルではございますな、うんうん。


#ということでまあ何の役にも立たない雑談大会で恐縮至極


・おまけ:自分の尾を追う犬あるいは市場に振り回されるという意味ではこのニュースも象徴的

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130226/t10015781511000.html
日銀人事 民主に容認論広がる
2月26日 4時26分

まあ容認するのは当然でしょとか思いますが、その中で気になるのはこの部分。

『そして、「市場との対話や組織の運営の能力など党の基準に合致している」とか「市場が好意的に受け止めているなかで脱官僚に固執し、反対ばかり繰り返せば、国民の理解は得られない」などと容認する意見が広がっています。』(上記URLより)

>市場が好意的に受け止めているなかで
>市場が好意的に受け止めているなかで
>市場が好意的に受け止めているなかで

・・・・・・・・・・・・いやだから市場が好意的に受け止めているから反対しないとか、それってただの市場のクレクレ促進に他ならず、そのクレクレは単なるクレクレでは収まらず、いずれエスカレートすると暴力になるんですけどねえと思うのですけど。

市場丸無視も困りますがここまで市場の反応に見事に影響される政治っつーのもそれはそれで末恐ろしい物を感じるのですけどねえ・・・・・・・・・・

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2013/02/25

武藤総裁で規久男副総裁ならまああるかと思いましたがこれはちょっと債券市場的にアレな話ではありますが。

○黒田総裁に岩田規久男副総裁とな・・・・・・・・

昨日の夕方時事通信。
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2013022400093
日銀総裁、黒田氏起用へ=積極緩和派の元財務官−政府(2013/02/24-17:50)

はあそうですかという所ですが、今朝の公共放送と毎日新聞では以下の通り。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130225-00000007-mai-bus_all
<日銀人事>次期総裁に黒田東彦氏固まる 民主内に容認論
毎日新聞 2月25日(月)2時32分配信

『政府は24日、3月19日に退任する日銀の白川方明(まさあき)総裁(63)の後任に、元財務官でアジア開発銀行(ADB)総裁の黒田東彦(はるひこ)氏(68)を起用する方針を固めた。白川総裁と同時に退任する山口広秀(61)、西村清彦(59)両副総裁の後任には、日銀の中曽宏理事(59)と、物価目標論者で学習院大教授の岩田規久男氏(70)を充てる方針。安倍晋三首相は25日の公明党の山口那津男代表との与党党首会談で説明し、週内に国会に提示する。』(上記URLより)

これは中曽さん罰ゲームですなナムナム。


http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130225/t10015750521000.html
首相 日銀総裁に黒田氏起用の意向
2月25日 4時51分

『安倍総理大臣は、日銀の白川総裁の後任に、アジア開発銀行総裁を務める黒田東彦氏を起用する意向を固め、与党の幹部に伝えました。また、副総裁には学習院大学教授の岩田規久男氏を充てる意向で、25日にも本人から就任の承諾を得て、国会への人事案の提示に向けて、調整を本格化させることにしています。』(上記URLより、以下同様)

とのことですが・・・・・・・

『安倍総理大臣は、日銀の総裁について、大胆な金融緩和を実行するとともに、「国際金融マフィアになり得る能力も重要だ」などと述べ、各国の金融当局のトップなどと渡り合える能力が重要だという考えを示しており、黒田氏が適任と判断したものとみられます。』

だそうですが、先日ネタにしたように黒田さんこんな話をしておりまして、えーっとすいませんこういう発言って基本的に世界の中央銀行におけるメインストリームとだいぶ違うと思うのですけれども本当「各国の金融当局のトップと渡り合える」のでしょうかという懸念ががががが。

http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE91A01B20130211
ADB総裁の職に満足、日銀人事については答えられない=黒田氏
2013年 02月 11日 17:22 JST

『日銀をめぐっては「グローバルスタンダードである2%の物価目標を掲げたのは非常に画期的で正しい」と評価した。2%達成までに要する期間については「2年ぐらいが適切」との見方を示した。「日本国内に日銀が買うことができる金融資産は何百兆円もある」として金融緩和の手段は豊富にあるとの持論を改めて強調した。なお外債購入は「為替政策であり中央銀行の所管でない」として否定的な見解を述べた。』(上記URLより)

まあ何ですな、岩田規久男先生によれば当座預金残高77兆円だかで期待インフレ率2%が達成できるようですし、黒田さんによれば2年で物価2%達成できるそうですので、まあその叩いた大口を早速履行して頂きたいと存じます(ただしスタグフレーションで達成は却下)が、そんな中で日銀から副総裁になる方は大変です罠と思いますし、大体からして政治との対話とか誰がするのやらとか思うとこりゃまあ前途多難にも程があるわと思うのでした。

#しかしまあ何ですな、モーサテに出ている「債券ディーラー」が黒田さんのことを「バランス感覚」という評をしているのに朝から相当のけぞったんですがorz

岩菊先生はまあずーっとあの調子でしょうけれども、黒田さんの場合はそうは言いましても官僚でいらっしゃいましたので、実際に現実の壁にぶち当たった場合に現実に合わせてどうすべきかという事は考えて無茶苦茶路線に走るという形にはならないんじゃネーノといういうのがまあかすかな期待ではある(岩菊先生は現実がおかしいとか日銀が悪いとか言い出しそうですが^^)のですが、国債管理政策が重要な中で黒田さんのキャリアに理財局がろくすっぽ見当たらないというのも何だかなあ(国際と主税中心)という感じですし、まあ色々と先行きが思いやられる人事呈示ではありますぞな。

景気伴わないで物価だけ輸入インフレで上昇とか、国債管理政策がアチャーになってあばばばばばーとかいうのに成らないようにとか考えると結構なナローパスなのですが、言う事がかなーり極端な方が少なくとも2名執行部に入るという時点で先行き嫌な予感しかしませんですけれども、杞憂である事を心から望みたいと存じますです、はい。


○まあそれは良いが次に何が出来るかと言いましても・・・・・・・という雑感メモ

まあ何ですな、それはそれとして何をしますかという点ですが、これから黒田さんと岩田さんに「現実問題としてこのようになっています」という説明を一からしないといけないとか日銀の中の皆様ご愁傷様でございますとしか申し上げようがございません(しかも岩田さんとか「そのような日銀理論は要らん」とか聞く耳持たなさそうでオソロシス)が、現実問題として何をするんでしょうねえというのを現実問題に落として愚考。

・APPの拡大は「量」を出すなら国債しかないのですが・・・・・・・

まあ量を出せ出せと仰せの岩菊先生などにかかればAPPの拡大という話になると思うのですが、量を出すという話になったらまあ短期国債か長期国債。ただし短期国債は固定金利オペの札割れがあってその分の穴埋めに買入を拡大しないといけない(あたくしの目分量では5兆から10兆程度は固定金利オペの残高が減ると思うのだが)上に、既に金利水準から見るとここから10兆円規模での拡大とかすると短期国債市場自体が壊滅しそうな希ガス。

つーことでまあ長期国債の買入拡大の方がまだマシだと思うのですが、こちらもまた金利水準は中々大変な事になっておりまして、付利下げの思惑があるというのも理由ではあるのですが、2年が0.04%だの基金買入の金利が0.049/0.046だのとこちらもこれまた素敵な状態になっておりまして、こちらはこちらで2年国債市場が壊滅状態。

となりますと物理的に新発のある5年までAPP拡大とかいうのがこの前の1月議事要旨でも出ていましたが、何か5年まで拡大する理由も無理矢理になりそうではありますが、それよりも既に0.13%まで低下している5年を買うんですかそうですかという所な上に、現在の2年国債市場の壊滅状態が5年まで伸びるという事になりますと、つまりは中短期国債市場が壊滅モードになるというお話。

市場が壊滅するとワシらの食い扶持がどうのこうのというおとなのじじょうもありますけれども、まあそれよりも将来的な問題として、市場壊滅によってオファービットが思いっきり開くような市場の流動性壊滅モードになるのがアレな訳でございまして、市場の流動性が落ちると将来の出口政策に無茶苦茶困難が発生する、というか要は出口が出れない=インフレを適正な水準で止めることができないという問題が発生するでしょという話。

かつての量的緩和政策の場合は短期市場は見事に死んでいましたが、そうは言いましても2年だのというような中期国債市場の金利は死んでいなかった(一番潰れている時は瀕死でしたが)上に、まあそもそも物価がゼロからプラスになる段階という時期なのであまり上方に慣性のついていない時点(というのが早かったのではないかという話はさておきまして)での解除だった上に、オペが短期物だったので拡大した流動性を引くのもスムーズだったのですが、今度は足元から今のところは3年、もしAPPを5年まで拡大するとなると5年までイールドカーブが日銀の買入で歪みまくるとゆー状態になるので出口の時に相当ショックを与えないと厳しいでしょうねという希ガス。


・ということで個人的には輪番の方がまだマシとは思っていたのですが・・・・・・

てなわけで、5年までの債券市場を壊滅状態に追い込むよりは、より長い国債の買入である輪番の拡大と銀行券ルールの一時撤廃(条件として物価目標の達成のメドが付くまでというのと、財政健全化への取り組みが継続する事を入れる)と言う方が「より長期の国債を買う」という点と、「銀行券ルールの一時撤廃」という点でインパクト出せるので、少ない量で効果が出るんじゃないでしょうかというのと、5年まで国債市場を壊滅させるのはマズイでしょという事から考えて居た訳ですが、問題は新執行部のうち名前が挙がっている人が債券市場的にあまり常識的とは思えない話をすぐにおっぱじめてしそうな所でして、まあ輪番拡大はこの執行部ですと諸刃の剣どころか村正の妖刀にも程があるので(やるんじゃねーかとは思いますが)少々アレではございますな。


・リスク性資産の購入に関してはどうでしょうかねえ

ETFとかREITとかの買入拡大という話はあるのですが、これは量が稼げないので岩田先生的にどうなんでしょとか思う(つーかそういうのあまり肯定的じゃなかったような気もするんだが)所ではございますが、黒田さんだったらETFの買入拡大とか言い出すかもしれませんな、よー判らんけど。


・まあ問題は付利下げの方ですが

付利を下げますと資産買入の残高を100兆に積み上げるとかゆーのが物理的に困難になりますし、大体からして一旦下げて打ち止めとかそういう訳にも行かない(いったん下げたらゼロになるまで下げの思惑が続く)訳でして、付利の下げというのはまあやったらやったで今度は金融政策の枠組みを全面的に組み替えないといけないのですけれども、まあ問題はその事情についてこれからちゃんと説明してご理解頂けるかという話ですなあという所で。


・オープンエンドの前倒し実施とかですかねえ

他にあるとすればオープンエンド買入の前倒し実施という事くらいしか想像がつかないのですけれども、本当はコミットメントを途中で反故にするのってどうなのかという気はしますが、まあそこは適当にネグってしまうしかないですかねえという所です。ただまあ短国月10兆買入とかやられますと短国市場の金利がどうなるかとか想像したくないのですけれども・・・・・・・

などという所でしょうかね、良く判らんが。

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