朝のドラめもん

2017/03/01

お題「輪番予定額と日程が公表されましたが何か思ってたのと微妙に違うなあと」

本日はただの輪番雑談バージョンにてご勘弁ありたし。

○3月輪番予定が公表されましたが・・・・・・・・・・・・・

注目の17時の輪番予定公表ですが微妙に唸る内容。

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2017/rel170228e.pdf
当面の長期国債等の買入れの運営について


日本銀行は、長期国債等の買入れについて、当面、以下のとおり運営することとしました(2017年3月1日より適用)。


前回がこちら
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2017/rel170131c.pdf

ということで最初から比較してみますと・・・・・・・・・・


・買入回数については前月並み維持が確約されています

『(2)買入頻度
現時点で予定している買入れの日程は、別紙のとおり。ただし、必要に応じて回数を増やすことがある。

(3)買入金額
金利操作方針を実現するため、市場の動向等を踏まえて弾力的に運用する。』(今回)


『(2)買入頻度
月8〜10回(営業日)程度(必要に応じて回数を増やすことがある)

(3)買入金額
毎月8〜12兆円程度を基本としつつ、金利操作方針を実現するよう、市場動向を踏まえて弾力的に運用する。国債種類・残存期間による区分別の買入金額については、別紙のとおり。』(前回)

となっていまして、買入対象国債と買入方式については従来通りとなっています。

変化としては・・・・・・

(2)の買入頻度に関して前回は「全体の回数」については「必要に応じて回数を増やすことがある」となっていましたが、回数についてもレンジになっていましたので、一番少ない「月間8回」になると、1回に2つの残存区分は最低オファーするので、全部合わせると一番少なくなると16残存区分となりますが、中期、長期、超長期をレンジの下限回数のオファーにすると14回(5+5+4)となり、1年未満と物価連動が各2回で変動利付が1回なので、全部を下限でやっても月間8回の帳尻があってしまう計算になっていました。

これに対して3月からの方式では、主要3残存区分については、日程が指定されているので、中期6回、長期6回、超長期5回のオファーが確約済みで、更に「必要に応じて回数を増やすことがある」となっており、減ることは無いので「輪番スキップ」は無い上に回数は維持となっています。



・10年をピン止めする気が満々、というのと、中期を減額しますよ、というレンジの見せ方

ところが(3)の買入金額に関しては別紙にありますように、レンジと主要3残存区分の買入予定日については公約(??)通り記載があるのですけれども、肝心の「3月初回の買入予定額」が書いていないという中々謎展開になっております。

今回はレンジの表示だけで翌月初回の買入予定額が書いていなくて、単にレンジが表記されているだけのものとなっています。

短期:500〜1000
中期1-3年:3000〜4000
中期3-5年:3500〜4500
長期:3500〜5500
超長期10-25年:1500〜2500
超長期25-40年:500〜1500
物国:250
変国:1000(来月は奇数月なので無し)

でもってこのレンジに2月の最終回のオファー額を()で入れてみますとこうなります。

短期:500〜1000(700億円)
中期1-3年:3000〜4000(4000億円)
中期3-5年:3500〜4500(4200億円)
長期:3500〜5500(4500億円)
超長期10-25年:1500〜2500(2000億円)
超長期25-40年:500〜1500(1200億円)
物国:250(4500億円)
変国:1000(1000億円)(来月は奇数月なので無し)

これを見ますと、長期と超長期10-25年については前月最終回の買入オファー額が公表されたレンジの中間地点となり、中心からプラスマイナスが均等になっています。また、物国変国には変更が無いのは順当。

短期の方はまあ2月最終回がレンジの中心にあるとしまして(500単位のレンジになっているからここでわざわざ500-900とするのも妙ですし)ここまではまあ2月最終回からの流れを踏襲していると言えるでしょう。

その先が何だかなあの部分になるのですけれども、超長期25-40年と中期3-5年に関しては、2月最終回がそれぞれ1200億円と4200億円ですから、上下500で取ればそれぞれ700-1700と3700-4700になります。

然るに、レンジに関しては一応500単位の近い方に揃えたとは言えますが、額の少ない方にレンジを寄せているとも言えまして、何となく微妙な上に・・・・・・・・・・・・・

中期輪番の1-3年がおーという感じで、これは何と2月最終オファーがレンジの上限となっているというナンジャソラな内容となっておりまして、まー確かに需給が逼迫気味な所ではあるのですが、中期1-3の輪番を増やす気無し、というメッセージを出してくるとはびっくりしたなあもうという所でして、中期1-3のレンジが下振れしているせいか、中期3-5のレンジも(超長期25-40と同じパターンとは言え)レンジが下方シフトしている様に見えます(逆に超長期25-40は超長期10-25のレンジが2月最終回の買入額を中心に持ってきているので、あまり下方シフトに見えない)

つーことで、何か知らんのですが「10年とその近辺に関しては2月に輪番増額したのをそのまま継承してせっせと買います」というのは分かるのですが、10年から遠くなる(短期除く)につれて輪番の予定レンジが2月最終回のオファー額に対して下にスキューしている感じに見えます。



別の視点で前回とのレンジを比較してみましょう。()の数値は2月予定として公表されたレンジ。

短期:500〜1000(500〜900)
中期1-3年:3000〜4000(2800〜5200)
中期3-5年:3500〜4500(3000〜5400)
長期:3500〜5500(2900〜5300)
超長期10-25年:1500〜2500(1400〜2400)
超長期25-40年:500〜1500(600〜1600)
物国:250(250)
変国:1000(1000)

こちらで比較する(ただし1回目の買入予定額が2月最終と違うのは長期(4100→4500)、超長期10-25年(1900→2000)、超長期25-40年(1100→1200)となっています)と、中期のレンジは下限を上げて狭くはしていますが、それ以上に上限を下げていて、やはり中期輪番を減額する気満々に見えるメッセージの出し方になっています。

また、長期と超長期10-25年の所だけは下限、上限ともに上方シフトし、しかも長期の下限の上方シフトが目立つ、という形になっている一方で、超長期25-40年の買入レンジは100億円下方シフトしている、という結果になっております。


ということで、2月最終回の買入額との比較、2月当初公表レンジとの比較、という形で確認しましたが、

・長期輪番を厚めにシフト(しかも増額した4500億円をそのまま容認)
・超長期10-25年もやや厚め
・超長期25-40年はレンジ的には若干下振れ
・中期は1-3年を中心に減らす気満々に見えるレンジのシフト

ということで、10年近辺については2月に指値オペまでやって買入が多くなったのですが、そこは減らしませんよというメッセージを出していて、一方で特に中期が減らす気満々に見えるメッセージになっていますので、確かに金利ターゲットは10年金利に置いているのですからそういうもんと言えばそういうもんでしょうが、イールドカーブコントロールではありますが、「10年金利ピン止めオペレーション」という色合いが濃くなっているようにも見えます。



・しかし初回の買い入れ予定額が無いというのも何とも

そんな訳で10年近辺は引き続き厚め(2月になって厚めになったのをそのまま継承した、という形)に買うものの、特に中期の短い所などを中心に買入そのものは「隙あらば削減」スタンスというのを見せて来ました。

いやまあ中期に関してはここもと需給が良いのか何だか良く分かりませんけれども、直近で金利がエッサホイサと低下してきましたし、年度替わり以降は発行の減額による需給の引き締まりというのもテーマになっている所なので、4月に入る所からは減額になるのでしょうねえとは市場でも思っていたと思うのですが、2月のドタバタ相場の経緯って「1月25日の中期輪番スキップ」からスタートしていまして、今回に関しても中期の金利がホイホイ低下していく中だったので中期輪番減額でもしてくる可能性は無くは無かったのですが、結局2月中は輪番を(途中で増やした分も含めて)減額しないで進めて行ったのですよね。

「オペの実施時期公表で輪番の予見可能性を高める」(いや問題はそうじゃなくてオペ入れてくるロジックとその背景にあるYCCの定量的な考え方なんだけど、という話は兎も角としまして)という話で、かつ月の途中でも買入額の変更などが何度も行われた後ですから、2月の終わりまで輪番減らさないで来たのに、特に中期1-3年とか減らす気満々(しかも今日だけど幾らで来るか分からない)というのを出すのは、相変わらずの不意打ち感が漂いまして、何でそう一々微妙な変化球を投げてくるのかねとは思うのでありました。変化球投げるのもそらまあ投げるなとは申しませんが、それは変化球のコントロールとキレが良い時の話であって(以下の部分は悪態の為削除されました)。

#中期の不意打ちってそこそこ鬼門な気がするのですけれども

でもって昨日までも書きましたように、アタクシ的に普通に考えると今月の1回目は前月最終回と同額、と思っていましたが、長期と超長期はまあこのレンジの出し方だと前月最終回がレンジのほぼ中心にあるので同額で来るのかなあと引き続き思えるのですけれども、中期に関してはこれ前月最終回と同額で来るのかも怪しいし途中で減るのかよという事で、3月初回となる本日の中期輪番がどういうオファーになるのか、というのが非常に訳分からなくなってしまいました。まあ10時10分になると分かるのですが。



・量をある程度固定しながら金利上昇時にはエクストラな対応じゃなかったのか・・・・・・・・・・・・

「回数固定で日程も事前公表しますよー」、「金利が上がった時にはエクストラのオペをしますよー」、というのがこの公表出る前のお話で、確かに一見そういう書き方になってはいるのですけれども、いきなり中期の輪番減らす気満々という数字の出し方になっているし、そもそも初回の買入予定額を示さないし、というのが今回の新方式で出た結果となっています。

どちらかと言えば、という感じだとは思うのですが、これまでに出てきた報道やこの前の木内さんの会見での解説(報道が正しいならば、という留保付の解説)では、

「10年の金利上昇は頑張って止める」
「相場大荒れの原因となった輪番の細かな上げ下げは特に下げ方向は抑制して不確実性を下げる」

という感じで、金利に関しては「定例的な買入を淡々と行うので10年ターゲット逸脱しない限り少々の変動は容認」であって、その10年金利の水準が27日引けで4.5bp、28日の引けで5.0bpとなっているので、「10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう」というディレクティブに対してはまだレンジの中での金利がやや高い方にいるんだから、別に金利上昇を牽制しなければいけないような段階ではなく、したがって2月もそうですが3月も変に動いてこないで足元の買入ペースを淡々と進める。

というようなことをイメージさせられた訳です、つまり中期輪番スキップという買入額をバサッと減らしてみたら金利が上がってあばばばばーとなって結局減らした以上に買入をする事になった、というのを反省して買入のペース削減については金利がもう一段下がって10年金利がレンジの上限に近付いていく(▲9.5で輪番削減して+11で指値入れているんだからレンジは▲10〜+10ぷらすまいなす1bpくらいのイメージになっちゃいましたよね)のなら買入を減額してくる。とまあそんな具合で、当面は市場が(金利上がる方での)大暴れをしないように「柔軟な対応」から「ある程度量はガッチリ買いながら市場の落ち着きを待って輪番減額については落ち着いてから考える」という方面にシフトしたのかな、と思ったのです。


でも、この出し方だとそもそも3月1回目の買入オファー額が読めない(特に中期)ですし、レンジの見せ方が10年近辺には厚いですがそれ以外はちょっと薄め(特に中期は減らす気満々)となっていまして、量をガッツリ買うという感じには見えないので、ちょっとナンジャソラな感じがするのと、そもそも10年の金利水準がまだプラス圏にあるのに、今から(中期とは言え)減額のファイティングポーズをとるってどうなのよ(これが10年マイナス5bpとかなら話は分かるのだが)という事で、相変わらず金利を止めたいのか上げたいのか下げたいのかがワケワカランなあと思うのでありました。


・「柔軟なオペ対応」を残したのが吉か凶か

『(3)買入金額』の所では今回前回まであった「毎月8〜12兆円程度を基本としつつ」というのも抜けていまして、こちらに関しても別に中期のレンジが下にスキューしていなければそんなに驚かないのですけれども、中期輪番減額する気満々チックなレンジの見せ方をしながら月の買入総額の文言をバッサリ削除する、というのも微妙な味わいをだしますよね、と思うのだ。

つまり、これは事前に決めたスケジュールで淡々と買っていく、というよりも市場見ながら輪番をホイホイ上げ下げしてもおかしくない(さすがに長期超長期でそれをやる度胸は無いと思うけど)ですよ、という風に全体感として読めてしまうと思うので、これだと「オペの予見可能性を下げる」という事になるのかが何だか良く分からないなあとは思うの。

まー先程申し上げたような「量をガッチリと決めて買う」というのが余程やりたくないんだなあというのは分かるのですが、だったら事前に出ていた話ってのも(どういう説明になっていたのかとか良く分からんし報道の説明でも実際の所がイマイチ分かりずらいのですけれども)、もうちょっと説明のしようというのもがあるんじゃないかなあと思う訳で、ガラッとスタンスを変えたのかと思えば隙あらば中期減額みたいなのが残っているとか、変える気が無いならあまり変な小手先の修正というのはしないで良かったんじゃないかと思います。

まあ長期と超長期は事前に決めたスケジュールに近い所で買ってくる(超長期の25-40が怪しげではあるが)という感じですし、そっちが本命で中期はおまけ、という事なのかも知れませんけれども、だったら別に今回のような変更をしないで淡々とオペを入れていく形でも良かったのではないかと。


とまあそんな感じで全部雑感なのですがあと少々おまけ的になりますが同じく輪番ネタで。

・エクストラオペはたくさん打つのかしょぼいのをやるのか

今回の別紙脚注

『(注2)残存期間 1 年超 5 年以下、5 年超 10 年以下および 10 年超については、市場の動向等を踏まえて、上記に加え、上記以外の日にオファーすることがあります(その場合のオファー金額は上記の金額とは限りません)。ただし、買入対象銘柄の残存期間が重複する利付国債の入札日(流動性供給入札を含む)には、原則オファーしません。』(今回)

後半の方は良いとしまして(従来通り)エクストラオペのオファーに関しての実施は減らす方は無くて増やす方は有り、という事になったのですが、「その場合のオファー金額は上記の金額とは限りません」とかなっているのは何か変な意思でもあるのかね、とこれまた謎感が。


・短国買入は引き続き減額

『3.国庫短期証券の買入れ

金融市場調節の一環として行う国庫短期証券の買入れについては、3月末の残高を34〜36兆円程度とすることをめどとしつつ、金融市場に対する影響を考慮しながら1回当たりのオファー金額を決定する。』(今回)

となっていますが、2月は1月末残が38.0兆円で、償還が5.68兆円、買入が4.0兆円なので、2月末残が36.3兆円の予定になりますから、引き続き減額となるのですが、まー相変わらず1年カレントとかやたらめったら引けが強いとか、需給の方は頑強な強さという感じですので、これは順当。


・プレミアムフライデェ・・・・・・・・・・・・・・・・・

ところで今回の公表分の冒頭ですが、

『日本銀行は、長期国債等の買入れについて、当面、以下のとおり運営することとしました(2017年3月1日より適用)。── 次回公表は2017年3月31日17時を予定。』(今回)

ということで、来月月末は金曜なのでプレミアムフライデーとかいう日の筈なのですが、この平常運転ぶりにさすが日銀と感銘致しました。これで円債の皆さんプレミアムフライデーは自動的に無しということですね(そもそも期末の週末にプレミアムフライデーとかあったもんじゃないですけど)。

以上ひたすら輪番雑談ですいません。





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