
◆新岐阜にて。 |
岐阜県内にも路線網を広げている名鉄電車だが、ことバスにいたっては傍系の岐阜乗合自動車(以下、岐阜バス)がハバを利かせているせいか、わずか1路線しか存在していない。名古屋近郊や岡崎周辺を中心に広がる名鉄バスにあって、孤軍奮闘といった感じの岐阜の名鉄バスも、実はまもなく終焉を向かえる。といっても路線そのものがなくなるわけではなく、ここ数年強力に推し進めている名鉄バス合理化の一環として、運行管理をしている岐阜自動車営業所が岐阜バスに移管されるため、事業者が変更されるだけなのだが、岐阜から名鉄の一般路線が消えるのは確かなので、これを機会に乗ってみた。ところでなぜ、離れ小島のごとく1路線だけ存在しているかというと、かつての名鉄軌道線の廃止を代替したものだと帰ってからいろいろ調べて判明した。沿線にはごく一部、その面影が残っているらしいのだが、そんなことは全然頭になかったので思いっきりスルーしてしまった。帰ってから悔やんだのは言うまでもない。
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◆新岐阜で撮影。名鉄バス・電車・岐阜市営…この風景はまもなく見納めです。 |
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◆新岐阜にて。 |
さて、ここは新岐阜。岐阜市内随一のターミナルで、市内はもとより県内各地から様々な路線が集まってくる拠点なのだが、名鉄バスに関しては、客の流れは別として運行的にはほんの通過点に過ぎない。だから高富か西鏡島、どちらを先に行こうか迷ったが、たまたま北行車線側の歩道にいたので高富行に乗ることにした。通過点らしく単なる道路上のバス停である。岐阜バスターミナルはもとより、ごく一部の深夜バスを除いてJR岐阜駅前のターミナルにも乗り入れない。合理化の対象にはなっているが、本数は多く、待つこともなくバスは現れた。前ドアから多くの客が吐き出され、ある程度車内が空くと乗車口が開いた。休日のショッピングを楽しんだ帰りの老若男女、10余名が乗り込む。車内は前から後ろまで2人掛けシートがズラリと並び、その座席の部分は少しかさ上げされている。さらに窓には横引きカーテンとなんだか観光バスみたいだ。新岐阜を発車し名鉄岐阜市内線を横に見ながら長良橋通りを北上、金宝町、徹明町、柳ヶ瀬と繁華街での細かい乗降が続く。 |
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◆鳥羽川沿いを行く西鏡島行。 |
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◆岐阜バスの路線も平行しているので、10月以降岐阜バスカラーに変わっても違和感はない。あえて言えば白ヌキ文字の方向幕か。 |
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◆岐阜営業所を出発する西鏡島行。 |
岐阜市役所を過ぎてしばらくすると走っている国道256号が東へ向きを変える。すると岐阜市のシンボル、金華山が見えてきた。標高330メートル足らずの山だが、周りは平地でしかも市街地なので聳え立つように見える。頂上付近にちょこんと建つ岐阜城がアクセントだ。その山の足下、岐阜公園近くは上下車線を完全に分離して一方通行になり、バスも当然それに習う。それぞれ片方向のみのバス停もいくつか存在する。あとで地図を開けば北行が国道で南行は県道になっていた。片方向の車線しかない国道ってどうよ?って感じだが、これって珍しいのでは…。長良橋で長良川を渡り、あとはひたすら北上するのみ。左手に鳥羽川が見えたあたりからのんびりした風景になってくる。車内もかなり空いた。車窓が単調なのと心地よく効く冷房のおかげでウトウトしてしまい、気づけばバスは高富の市街へ。2車線の道路沿いに大型店舗が並んでいる。つい最近までは高富町の中心だったが、周辺の町との合併で今では山県市の一角になっている。警察署前でひとりぼっちになると、ほどなくバスは終点高富へ。営業所構内に入って停車する。同じ型のバスがズラリと並び壮観だ。 |
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◆全車エアロスターで統一されている。愛知県内の営業所からの転入も多い。

◆高富の市街を行く西鏡島行。やってきたのは1日1往復のバイパス経由便。
高富小学校にて。 |
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◆岐阜の町は軌道内進入可。線路の上に名鉄の電車・バスが走ります♪ |
しばらく高富で走るバスを撮影し、営業所から少し南下した高富小学校前から折り返す。往路とは逆に進むごとにお客は増えてゆくが、そろそろ夕方に差し掛かろうという時間でさほど混まない。岐阜市内に入って金華山の写真でも撮ろうと本町1丁目で下車する。本数が多いと思いつきで沿線撮影ができるからラクだ。撮影後は同じバス停から西鏡島行をつかまえる。さきほどとはうって変わり車内は混みあっていた。最前列左側の特等席がぽっかり空いていたので腰を下ろす。もうこのまま終点の西鏡島まで行ってしまおう。少し立ち客を伴ったバスは新岐阜に到着し大勢のお客が下車する。しかし次の岐阜駅前とあわせて同じくらいの乗車があった。少しバスが遅れて前の便と間隔が開いてしまったのか。かつての岐阜駅前電停は路線休止後もそのまま残っており郷愁を誘う。新岐阜からカーブしてくるレールは既に埋められ、休止扱いながら二度と電車が走ることはないだろう。岐阜駅前を出たバスは駅前に広がる繊維の問屋街を見ながら広い道路を進んでゆく。忠節橋通りを北上し千手堂から西へ。この付近もかつての軌道線あとを辿っていたみたいだったが、乗っているときは全然知らなかった。 |
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◆金華山、岐阜城をバックに。大仏前付近にて。この付近は一方通行の関係で、往路と復路が大きく離れる。 |
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◆休止中の名鉄岐阜市内線、岐阜駅前電停の脇を抜ける西鏡島行。名鉄軌道線にしては立派な安全地帯を備えた電停だったが、廃止される公算が強まった。 |
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◆西鏡島にて。 |
広い県道を快調に進んでいたバスだが、森屋を過ぎるといきなり右ウインカーをカチカチ鳴らして細い道へ入ってゆく。ここから先は昔ながらの旧道を進んで行くのだ。バス同士の離合がギリギリで狭く走りにくい道だが、やや南側を走るバイパスに比べると生活感があってバスを走らせるにはこちらの方がいい。市営から移管された岐阜バスも一部併走している。東鏡島、鏡島弘法前と進み、車内もかなり空いてきた。そのまま旧道を住宅の軒先をかすめながら進み、やがて長良川の堤防が見えてくるとほどなく終点の西鏡島に到着。かつて電車の車庫を流用したものと推測される広い操車場に入ってドアが開いた。ここまで乗ったのは僕を含めて2名だった。ところで岐阜駅を出てから既に20分以上経過し、結構乗りでがある。全線を通して考えると市街地の路線としては長距離の部類に入るのではないだろうか。岐阜駅周辺で乗客の流動が分断されているにもかかわらず、終日ほとんどの便が全線通して、それもほぼ10分毎に運行されているのは少し意外だ。近年の傾向からして岐阜駅で系統分割されてもおかしくない路線だなと、だだっぴろい操車場を歩きながら思った。 |
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◆大型バスが行き交う道にしては狭隘な道。森屋〜西鏡島間は生活感たっぷりの風景の中を走る。 |
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◆鏡島付近にて。 |
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◆ラストは長良川の土手沿いを行く。 |
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●バイパス経由便を写真だけでも。
森屋〜西鏡島間を県道92号(岐阜巣南大野線)経由で走る便が1日わずか1往復設定され、「バイパス経由」便として運行されている。メインルートとは約250メートルほど離れて平行しているが、途中バス停の名称は同じ。時間の都合から乗車できなかったので画像だけでも。ちなみに名鉄バスは少ないものの、新岐阜と旧本巣郡方面を結ぶ岐阜バスは結構走っていた。

◆↑上:鏡島弘法前にて 左:高富小学校前にて→ |
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