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3日間作業を実力で阻止
上関原発詳細調査
             下から斗い抜く力示す祝島  2005年6月25日付

 【上関】 上関原発計画の海域詳細調査に着手しようとする中国電力の作業を、実力で阻止している原発反対の祝島住民らは、23日の作業も中止させた。海上ボーリング用の台船を40隻の漁船で包囲するなど祝島住民の激しい抗議行動により、21日から開始された中電の作業は3日間延期されている。
 
 先頭に立つ婦人たち
 中国電力は調査開始2日目の22日、作業を阻む祝島漁船のすきを突いて船を接近させ作業員数人を台船に上げた。しかし、祝島住民も乗りこんだため作業をすることができず膠(こう)着状態となった。結局、午後八時近くまで事態は動かず、中電は台船の上に祝島住民と下請の作業員を残したまま引き揚げた。祝島の漁船は、夜も包囲を解かず、一部の婦人も泊まりこんで徹夜で警戒した。
 23日早朝には、一度祝島に戻った漁船や婦人も再度白井田に集合。船上で一晩過ごした住民に食糧を届け、「きょうも負けるなよ!」「がんばれ!」と声をかけあった。5、6人の婦人は、「陸のうえで叫ぶばかりではもどかしい! きょうは船でがんばるよ」と、漁船に合流した。
 陸の婦人たちは、「中電がきたら鬼にならないといけないから、いまは笑っておかないと」といいながら、これまでの様子などあちこちで談笑。70代の婦人たちは、「60代、70代が祝島では若手。わたしらが、命をかけて原発反対をするのは、命の海を守るため」「命をはれば、けがをすることもある。きょうで3日目だけど、1週間でも1カ月でもがんばる」「きのうもおばさんが船に乗ったから、ここまで持った。祝島の男は、最近おとなしすぎる」と語った。たがいに「23年原発反対できて、いまさら負けるわけにいかない」があい言葉となっていた。
 中電は、午前8時半過ぎに白井田に到着したが、海上保安庁の機動隊員が、中電側と祝島漁船双方の「武器の検査」をおこなうという奇妙な光景がしばらくつづいた。「検査」終了後、中電は何度か台船上に上がろうとし緊張が高まったが阻止された。
 その後、前日までは周囲にいた四代漁協所属の警戒船数隻を作業船の両脇に固定して前面に立たせ、祝島の漁船と直接むきあわせた。それまでは、海上保安庁の警備艇が中電の作業船をガードしていたが、祝島住民らの「海上保安庁は、中電の味方をするのか!」との抗議に、「中立」のポーズをとったのだと見られている。四代の漁業者は、「警戒船に出ただけなのに、一番せんない所にわしらを引きこんだ」と語っていた。
 昼まえに中電は、強行突破をはかり作業員をつぎつぎと台船に乗せ、現場はいっきに緊張した。「このまま押し切られるのか」「なんとかしろ」と陸ではみなが注目していたが、漁船を包囲している漁師の動きが鈍かった。
 そこで、先頭に立って行動したのは、「原発絶対反対」と書かれたはちまきをしめた婦人たちだった。海上では、台船の下に動かせないように漁船を入れるなどの行動をつづけた。陸の上から、「原発反対」「中電は帰れ」と気勢を上げながらヤキモキして見守っていた婦人たちの一部も、「こうしちゃおれん」と船の上に応援にかけつけた。
 住民らが「中電が先に台船からおりろ!」と抗議するなか、台船上では、前日から籠城していた山戸氏と清水議員が、ボーリング用のヤグラの上や柱に登っていて、海上保安庁の機動隊に危ないからおりるようにと「説得」されている最中。かけつけた婦人たちは「最後までがんばれ!」「中電が悪い」「おりるな」と声を上げた。
 しかし「海上保安庁の仲介」でなんらかの約束を中電にとりつけたとして、まず清水議員がおり、「23日の作業は中止する」との条件で山戸氏もおりてきた。午後1時半過ぎ、中電が「海上保安庁からの要請もあり、本日の作業は中止する」と宣言し、3日間のなかで一番早い時間に引き揚げていった。婦人たちは、「祝島の底力を見たかね」「まだまだ、これからよ」と話しながら、漁船を迎えに出た。
 その後、白井田の広場でもたれた集会で、「本日の調査中止」が報告されると、拍手が起きた。ところが、あいさつに立った山戸貞夫組合長が、「体力も限界が近い。明日以降の行動はやるかわからない。3日間がんばったことに成果がある」といったことで、拍子ぬけした空気が漂ったが、「みんなと相談してから決める」とつけくわえて散会となった。
 この行動は、上の方からの裏切りの力にたいして、婦人たちを中心に断固としてたたかいぬく力を持っていることを示した。祝島のたたかいにたいして、県1漁協合併・漁協解散とともに原発による漁業壊滅に反対する内海、全県の漁民の共同斗争の機運を強めさせている。さらに岩国基地への厚木基地移転などと結んで原水爆戦争をひき寄せる上関原発の撤回を求める山口・広島県民の連帯の機運も強めさせている。

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