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8・6広島集会に平和の力大結集を
被爆国冒涜の全土核基地化
             国民的憤激を形に    2006年7月7日付

  広島と長崎に原爆が投下されて61年目の夏を迎える。原子爆弾は、史上もっとも残虐な大量殺りく兵器であり、それを頭上に投げつけられ、その惨害を身をもって体験したのは日本人だけである。核兵器を廃絶し、平和で豊かな社会を築くことは、日本国民の戦後一貫した切実な願いである。だが今日、日本社会は荒れ果てた様相を呈し、そのうえ日本の国土を再び原水爆の戦場にしようとする許しがたい計画が進められ、事態は緊迫した局面を迎えている。全国に渦巻く憤激を1つに束ね、ざん新な原水爆禁止、平和運動が前面に登場することが期待されている。
 許しがたい在日米軍再編計画
 1945(昭和20)年8月6日と9日、アメリカによって緻密に計画・製造された人類最初の原子爆弾が、広島、長崎のなんの罪もない市民の頭上に意図的に投下された。それによって、幾十万もの老若男女が無惨に焼き殺され、苦しみもだえ命を奪われ、生き残った人人も不安のうちにつぎつぎと命を縮めてきた。原子雲の下でくり広げられた史上例を見ない残虐さ、その地獄絵を決して消し去ることはできない。原爆投下のような残虐な行為を許してはならず、すべての原水爆兵器の製造、貯蔵、使用を禁止することは、日本国民が共有する悲願であり、それは広島・長崎の名とともに世界の圧倒的な世論となっている。
 だが、原爆投下者・アメリカはその蛮行に一片の謝罪も示さないどころか、「日本軍国主義の無謀な戦争を早く終わらせるために必要だった」などと欺まんし、戦後一貫してこれを正当化し続けてきた。そして日本全土に米軍基地をはりめぐらせて隷属下に置き、圧倒的な核兵器を占有し、「原爆使用」を脅し文句に朝鮮、ベトナム、アフガン、イラクなど世界各地で戦争をひき起こし、大量虐殺を重ねてきた。
 今日、ブッシュ政府はイランや北朝鮮などを「ならず者国家」といって「核の先制攻撃」すら公言。「東アジア重視」をとなえ、中国やロシアを仮想敵国に見立てた核戦略のもとで、新型核ミサイルや核弾頭の開発をおおっぴらに進めている。そして、なによりも許しがたいことは「在日米軍再編」を基軸に、被爆国日本の全土をアメリカの原水爆を使用する戦争の最前線基地にし、再び原水爆の火の海に投げ込もうとする策動が急ピッチで進められていることである。

 全国で高まる怒り 「国民保護」掲げた総動員に危惧・被爆者先頭に
 小泉首相が訪米し、「新世紀の日米同盟」を掲げた、「日米共同文書」が発表された。そこでは「在日米軍再編の着実な実施」をうたっているが、それは日本を拠点にした空母による核攻撃群の機動的な展開と、「ミサイル防衛」の名による原水爆戦争への布陣を段階を画して強化するものとなっている。
 米軍岩国基地への厚木基地機能の移転・拡張増設は、岩国基地に空母を接岸させ、スーパーホーネットなど核ミサイルを搭載できる艦載機を群を抜いて配備するものであり、極東最大の戦力を持つ岩国基地の核攻撃機能を格段に強化するものである。これにともない、空母艦載機の夜間着艦訓練(NLP)基地を硫黄島から岩国基地に近い瀬戸内地域に移転させようとしている。これは被爆地・広島湾岸一帯を原水爆戦争の出撃拠点にとってかえようとする屈辱的な策動であり、地元の激しい怒りを買っている。
 アメリカは、米海軍の空母の半数以上、潜水艦の約6割を太平洋地域に配備し、日本、韓国、オーストラリアなどを含めた軍事演習や迎撃ミサイル実験をくり返し、極東アジアの緊張をふだんに激化させている。5月に佐世保に寄港した米原子力空母リンカーンは、核搭載攻撃機など85機を搭載しており、随伴戦斗艦船である巡洋艦、駆逐艦、フリゲート鑑、攻撃型原子力潜水鑑などはすべて核トマホークを発射させることができる。佐世保には原子力潜水艦もひんぱんに寄港しており、もう1つの被爆県を岩国、沖縄と連動したアメリカの原水爆戦争の出撃基地にする動きである。
 さらに、ブッシュ政府は横須賀を原子力空母ジョージ・ワシントンの母港にすることを決め、同基地に迎撃ミサイル搭載の米イージス艦を配備して「ミサイル防衛」の拠点にすること、最新鋭の地対空誘導弾道ミサイル「パトリオット3」を沖縄の米軍嘉手納基地に配備することをあいついで打ち出している。
 こうして、「ミサイル防衛網」の配備が急速に進められている。それは、在日米軍司令部のある横田基地に航空自衛隊総隊司令部を統合し、ミサイル発射の指揮所を設置。海上自衛隊のイージス艦への迎撃ミサイル配備、米軍の最新型早期警戒レーダーの航空自衛隊車力分屯基地(青森県)への配備など、日本海一帯にレーダー網をめぐらし、自衛隊を米軍の核戦略体制に直接組み込むものである。
 「ミサイル防衛」とは、日本列島をアメリカ本土防衛の盾とするものであり、とりもなおさず日本全土をアメリカのための原水爆の戦場にし、焦土と化そうとするたくらみである。
 米軍岩国基地内では早くから、核ミサイル攻撃を想定した核シェルターへの待避演習、米兵家族を国外に脱出させる訓練などが岩国市民を蚊帳(かや)の外に進められてきた。これは、アメリカが日本を原水爆戦争の捨て石にしようとしていることを暴露するものである。
 小泉政府は、「テロ対策」を叫び「国民保護計画」という国民総動員体制づくりを進めている。だが、それは「核ミサイル飛来」を想定した警報、避難訓練に見られるように、なによりも日本人に原水爆の惨禍を強いることを前提にした無謀極まる計画である。その訓練自体、広島、長崎の体験を愚弄(ろう)する下劣なものであり、「二度と同じ体験をさせてはならない」と決意する被爆者の激しい怒りを買っている。

 日本の支配が狙い 戦後から続く抑圧支配・核兵器が根幹
 小泉政府の5年間で、日本社会は惨たんたる状況になった。貧富の格差は歴然と広がり、村上ファンドやホリエモンに見られるようなバクチ的な利ザヤ稼ぎが幅をきかす一方で、失業と殺人的労働、重税と医療・介護の切り捨てが襲い、大多数の国民の生活はいちだんと苦しくなった。老人の孤独死が日常化し、自殺者は毎年3万人を超え、次代を担うべき青年が職に就けないでいる。小泉政府の「構造改革」は、国富をそっくりアメリカに貢ぐ徹頭徹尾の売国政策であったことが、だれの目にも明らかとなった。3兆円もの巨額のカネを、米軍再編のために注ぎ込み、アメリカのための原水爆戦争に日本の国土と人員を捧げる策動はその最たるものであり、民族を破滅に追いやる度しがたい犯罪である。
 61年前、原爆を投下して日本を占領したアメリカが、戦後一貫して日本を植民地的従属国にして横暴に振る舞い、いままた原水爆を振りかざして日本の国民を抑圧し、アジアの緊張を高める元凶となっている。それに小泉政府が媚びへつらって付き従う恥ずべき姿をさらしている。こうした現実は、戦前戦後を通じた人人の体験を呼び覚まし、全国各地で強い憤激を巻き起こしている。
 全国数千カ所で開催されてきた「原爆と峠三吉の詩」原爆展、原爆展キャラバン隊の全国的展開のなかで、原爆や沖縄戦、各地の空襲、戦地での体験がほとばしるように語られ、憤激は平和のための行動を求めて高まっている。
 日本の敗戦がすでに決定的であり、原爆を投下する必要がなかったにもかかわらず、アメリカが無辜(こ)の市民に原子爆弾を投げつけたのは、ただ世界制覇の野望から、ソ連を排除して日本を単独占領するためであった。原爆投下とそれにいたる沖縄戦や東京・大阪をはじめ各都市への空襲による無差別大量殺りくは、アメリカの同じ戦争目的と戦後の日本占領支配の野望に貫かれた1つながりのものであった。こうしたことが戦地にかり出された若者が無防備のまま米軍の攻撃にさらされ、飢えや病気で倒れていったいまわしい体験とも重なって、共通の論議になっている。それはまた、今日のアメリカのイラクでの蛮行や、アメリカの指示を忠実に実行する小泉政府の米軍基地再編、「市場原理改革」につながる植民地的屈辱と重ねて激しい怒りを呼び起こしている。
 米軍岩国基地への厚木基地機能の移転をめぐる住民投票や市長選に示された岩国市民の憤激と基地撤去の固い意志は、基地があるゆえの歴史的な屈辱と怒りをはっきりと示すものであった。岩国の現状は戦後、原水爆を根幹とする米軍基地によって抑圧支配されてきた日本社会の縮図である。それは、日本を拠点にしたアメリカの核による脅しが、なによりも日本国民に向けられたものであることを教えている。

 斬新な勢力結集へ・原爆反対の力束ねる
 日本全土の核攻撃基地化を許さず、これと正面からたたかい、日本を戦場にした原水爆戦争を阻止する全国民的な力を強めることは、民族の命運をかけた課題であり、それは日本国民に課せられた崇高な国際的責務となっている。
 原爆詩人・峠三吉が活動した時期、朝鮮戦争でアメリカの原爆使用の手足を縛る力を持って発展し、国際的な平和大会を日本で開くまでの影響力を広げ、原水爆禁止運動の起点となった1950年8・6広島平和斗争の私心のない運動に立ち返り、それを今日に継承することが強く求められている。
 広島、長崎の被爆市民がありのままの体験と真実を語り、新鮮な怒りを全国民的に共有し、原水爆禁止の要求を1つに束ねて発展させること、現役世代の労働者がその先頭に立つことが期待される。労働者を中心に青年学生、婦人、教師など各層のなかで、原水爆禁止運動を力強く発展させること、それを束ねて全国の平和勢力を大結集することは、日本全土の核基地化を許さず、原水爆戦争の放火者を追いつめる力を強大にする最大の保証である。
 「原爆投下は本土上陸にともなう多数の犠牲を避けるためであった」「日本人はまず、侵略の反省をせよ」など、原爆投下を正当化するあらゆる欺まんを一掃し、「反核を反米にすりかえてはならない」とか「和解」や「祈り」など原爆投下者、戦争挑発者への怒りを削ごうとするインチキをあばき、原爆を投げつけられた日本人の側に立って国民的規模の平和運動を推進する新しい平和勢力の登場が待望されている。
 それは、「原水禁」「原水協」などの既存の運動体に頼らぬ独自に組織された勢力として生命力を持って台頭しつつある。「原水禁」「原水協」などアメリカの「民主主義」の欺まんのとりこになった潮流の運動は形骸化の一途をたどり、被爆市民とは無縁の所で「平和運動の専門家」のようにマスコミにもてはやされるだけで、まじめな人人のひんしゅくを買っている。
 平和運動内部に送り込まれたこの潮流は、生命力のある運動が独自に発展することを抑える防波堤の役割を果たしてきた。今では、「北朝鮮の瀬戸際戦術が、この地域の軍事的対抗措置の悪循環をもたらし、北東アジア諸国の安全を脅かす」(しんぶん『赤旗』)などといって、アメリカの核恫喝のお先棒を担ぎ、日本の核基地化を推進する役割を公然と果たすまでになっている。

 国際連帯も切実な課題
 小泉政府とマスメディアは一体となって北朝鮮の「ミサイル発射」や「拉致問題」を騒いで日本全土の核基地化を促進するために利用し、極東アジアの緊張をいちだんと激化させている。また、靖国神社参拝や竹島問題などをめぐって、中国、「韓国」への挑発と排外主義をあおってきたが、その外交政策は内外で孤立し、破たんしている。イラク人民とともに、中国、朝鮮をはじめとするアジア人民、とりわけ在日朝鮮・「韓国」人との友好をはかり、連帯を強めることが、平和運動を発展させるうえで切実な課題となっている。
 「アメリカに謝罪を求め原水爆禁止を訴える」署名活動を、各界各層、全国すみずみにおし広げ、「原爆と峠三吉の詩」広島市民原爆展(7月31日〜8月7日、メルパルク広島)を軸にした、8・6広島行動に世代を超えて大合流すること、広島、長崎、沖縄、岩国をはじめ、江田島、宮島など広島湾岸の絆を強め、全国と世界の平和勢力が8・6広島集会(アステールプラザ)に大結集し、日本の平和運動再建の突破口を開くことが強く期待される。

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