トップページへ戻る

安倍型民意無視続ける江島市政
問題山積9月下関議会
             全国が驚く議員発言制限    2007年9月5日付

 下関市議会は問題山積の9月議会が始まる。江島市政と市議会は安倍首相の支配下にあるが、「トップダウン」「強権政治」の代名詞だった安倍内閣は、国民から痛烈な審判を受けた参院選惨敗のあと、死んだような姿になっている。そのなかで、下関市江島市政と市議会がトップダウンの突っ走り政治を懲りずにやり続けている。下関市議会の議員の発言制限ルールが、山口県内全市町から広島、福岡と全国に知られるとどこでもびっくりされるような「飼い猫状態」であることが暴露されている。安倍代理の江島市政の暴走を止め、市議会を市民の側に取り戻し、市民の発言権を取り戻すこと、市政に民主主義を回復することが大きな問題となっている。

 異常なルール、議運で決定
 9月3日、2日後に開会が迫った定例市議会にむけて議会運営委員会がもたれた。同委員会では、議員たちから事前に出されていた一般質問発言通告をもとに「質問してはならない」ものをいくつか選び出した。
 そして兵頭典将議員が予定していた「社会教育複合施設整備事業の必要性および入札の公平・透明性について」「豊北町の保育園・幼稚園の統廃合について」や、中村勝彦議員(公明党)、「日共」市議団の2人が用意していた豊北町幼保一元化構想(保育園統合)関連、社会教育複合施設関連の質問を、「提出議案と関連する」として一般質問の内容から削除した。
 議運のなかでは植田(安倍派)、末永(公明)の2議員がもっとも積極的に発言規制を主張したのだと語られている。「日共」は明石議員が加わっているが「わしが一生懸命準備したのに…」というぐらい。社民・山下議員もいるが、これら野党といわれる部分も、この手の発言制限を異常なものと見なしていないのも下関市議会の現状だ。
 下関市議会では数10年来にわたって、一般質問については「所管の委員会とかかわることは発言してはならない」という、おかしな自主規制を議会みずからがおこなってきた。今回の9月議会からようやく常任委員会の所管事項についても一般質問することを「許す」のだと議運が決めたが、今度は「議案関連の一般質問は控えるように」と決定。保育園存続問題と、社会教育複合施設(80億円)問題という、今議会で最大注目点となっている案件にふれさせないものとなった。
 なお議運の顔ぶれは委員長・桑原博、副委員長・木本暢一、植田正、林真一郎、井上隆純、石川潔、明石弘史、末永昇、中村勝彦、山下隆夫の10議員。関谷博議長、福田幸博副議長も同席した。議員の発言権を自ら制限し放棄することを主張したり、賛成したものは議員とはいえず、辞職に値するというのが下関以外の常識である。
 市民に選ばれた議員が、有権者の付託に応えて行政運営をチェックする場なのに、「発言してはならない」というから、県内でも議会事務局職員などはビックリしている。「下関は常任委員会重視型の議会なのだ」と開き直る議員までいるが市長を直接追及する場は奪われる。また、その委員会は第3委員会室がモニター中継されるだけで、ほとんどが密室審議だ。
 ちなみに、合併した豊浦郡4町でも、もともと一般質問に制限などなかった。しかし在任特例でマンモス議会になったさい、下関ルールに統一することで申し合わせがなされ、旧4町の親分衆は違和感なくノーチェック体制に溶けこんだ経緯がある。
 下関市議会は、市民を代表する議会であることを禁止するという、世にもまれな議会となっている。それは市民の声が市政に届かず、江島市長の暴走を応援する根拠となっている。
 この飼い猫議会のもとで、江島市政は市民に聞く耳がなく、自分が決めたからやるという調子で暴走をつづけている。九月議会にあらわれている、暴走の様相は次のようになっている。

 1万人超す署名を無視 川中中教科教室
 9月議会で請願が出されている大きな問題が川中中の教科教室型校舎建設問題である。父母による見直しを求める署名が1万人を超えるというのに、「決まったから進める」というのが、松田教育長である。決めたのは江島市長というわけで、市長が決めたものに父母や教師が文句をいってはならないというものである。生徒数700人の大規模校で教科教室をやるのは全国初で、それが江島市長の「手柄」になるからである。つまり教育再生を叫ぶ安倍首相にほめられるためといってよい。
 「教科教室」はワークショップといって学校建設にかかわる検討会に地元PTAも加わった。だが結局市教委がすべてを決めて、意見は聞き入れられない。父母らが教科教室とはなんたるかを初めて聞いたのは建設事業も動き始めたのちの地元説明会だった。「従来型にしてもらいたい」という意見が相次いだが、市教委は「教科教室でいきたい」の一点張り。教育長などは何度かの父母らとのやりとりでも、顔を真赤にして興奮する始末であった。大切な子どもの教育のことなのに、親が発言してはならないというのである。
 市内の教師のだれもが「間違いなく失敗になる。子どもたちにとってよくない」「サファリーランド状態になるぞ」「教科指導より生徒指導を充実させるほうが先だ」と危惧(ぐ)し、川中中学校の教師たちもみんながそう思っている。子どもを育てているのは父母であり、現場の教師であるのに、その協力はいらないという姿勢で、教育委員会だけで教育をやるというのだから、頭がおかしくなっているといわざるをえない。
 同中学校では教科教室導入にむけて教師を全国の「先進地」に研修にやり、生徒指導が手薄になったおかげで学校が荒れた。その過程でマスコミが「教師の体罰」と騒ぎをやって教師の指導性を奪って黙らせ、その後校内での生徒自殺という痛ましい事件まで起きた。川中中を大混乱させてきたのは教科教室を発端にした市教委であった。その教育長がなんの反省もせずに、混乱の元となった教科教室を強行するというのだから、ますます荒れることは明らかである。
 これは文教厚生委員会で扱われるが、安倍派主導の議運は委員会メンバーによる一般質問を制限した。あとはちんぷんかんぷんの議員ばかりで、質問を無力にしようというわけである。

 現場の存続要求聞かず 中学校宿直廃止も
 さらに最近になって、江島市政は市内の全中学校への機械警備導入を動かし始めた。現在、旧市内にある17校のうち12校では宿直員が置かれ夜間緊急時の対応や校内警備などを担ってきた。全小学校で廃止したのにつづいて、これをセンサー網を張り巡らした民間警備会社・警察直結型に切り替えるというものだ。
 地域や学校関係者にとっては、利便性の面からも安心面からも、きめ細かいフル対応をやっている現行どおりの宿直員存置を望む声が根強いが、水面下で突然「廃止」を通告する動きとなった。半年後の4月からいっせい導入などと、いきなり大本営発表となった。宿直員のその後の生活や就職などの心配もなしである。
 学校現場からは「トップダウンもここまでひどいとは思わなかった」という声が上がった。1学期には、対象となる12校すべての校長からヒアリングがおこなわれ、全員が「宿直体制を残してほしい」と訴えていた。地域とともに学校運営を担っている側の実感だからである。すると2学期が始まるや市教委から「機械警備でいきます。効率化して浮いたお金は消耗費に回したい」という説明がなされ、結局、「ヒアリング」は聞き捨ての対応。「あの意見聴取はいったいなんだったのか?」とビックリすることとなった。校長会の意見すら無視されるのである。学校現場の教師たちは、いまだに知らされていない人がほとんどである。
 教育委員会は、市長の子分ではなく、教育に責任を持った独立した所という建前になっている。教育委員は昔は選挙で選ばれていたほどである。しかし松田教育長はひたすら江島市長の機嫌を伺うばかりで、教育を自分の出世の道具と見なしているといわざるをえない。そんな失格教育長は辞職せよと議会では論議されるのが普通である。

 地域から保育所なくす 幼保一元施設
 角島保育園の存続を求める動きがクローズアップされている。こちらも聞く耳など持たずに勝手に決めていた。地域から保育所をなくして、通園に1時間もかかるような場所への統廃合であるにもかかわらず、市役所五階で勝手に決められたのでは、角島だけでなく、粟野、阿川など豊北町全域の子育て世代はたまったものではない。
 父母らが知ったのは、すでに江島市長の側が決定したあとだった。事後報告に訪れた「地元説明会」で存続を訴える住民たちに「それでも市は幼保一元化でいきたい」を繰り返すばかり。
 行政運営ではなにをするにも地元同意が大前提だが、角島住民の91%が存続署名に応じているのに、なお突っ走る趨勢である。こちらも九月議会に請願が出されており、どのような扱いになるのか注目されている。

 4万人署名ないがしろ 満珠荘問題
 今春以後に老人パワーが炸裂して運動に火がついたのが、老人休養ホーム・満珠荘の閉館をめぐる問題だ。これも利用者にも施設の職員にもはからず、闇討ちのような決定であった。アスベスト対策を施したら再開される「休館」と発表されたのに、事態は閉館に進んでいるのもペテンである。早期再開を求める4万人の署名とともに請願が出されたが、「市民派」を自称する議員の側が現地再開なら紹介議員にならないといって、現地再開断念にすり替えるというペテンがやられた。

 異常さ際立つ入札方式 社会教育複合施設
 そして社会教育複合施設(文化会館建て替え)事業である。建設だけで約60億円、5五年間の維持管理費に約20億円をつぎ込むといって、9月議会には本契約議案が提出されている。昨年の入札では安倍首相の実兄が中国支社長を務める三菱商事グループが、不可解すぎる入札(市幹部らが評価点をつけて業者選定をおこなった)によって、9億円も安く応札した地元業者を振るい落として落札。あまりに露骨な「総理就任祝い」として批判世論が高まり、仕切り直しとなった。
 今回の入札方式は異常きわまりないものとなった。どの企業が入札に参加しているのかまったくわからない隠密方式をつづけ、決まった後に発表。結局、三菱商事グループは辞退。1社のみの無競争入札となった。なお三菱グループが辞退したのは、参議院選挙の当初の投票予定日の翌日7月23日に発表とされていたのが、選挙が1週間延びて安倍首相が具合が悪くなったからだろうというのが市民の観測。そして江島市長の選挙運動をした広成建設が受注グループに参加、利益誘導選挙だったと見られることもへっちゃらの状態である。
 市民はだれもが必要性や緊急性がある事業とは思っておらず、そんなものをつくるのなら市民のために使うことがいくらでもある。それなのに、「市民のためにつくる」といって大急ぎで推進している。入札(総合評価方式という点付け作業)は密室で、審査内容については録音テープもとっていない。議事録は、市長の箱物利権には毎度登場するパシフィックコンサルタンツが作成するといった調子。すべてが決まったあとに市民には知らされ、議会をいっきに通過していくというシカケである。

 ペンギン御殿に22億円 勝手に決まる箱物
 箱物ではほかにもペンギン様の御殿づくりにあてる22億円、犬猫安楽死施設につぎ込む11億円などが市民税を上げる一方で勝手に決まっていく。新博物館もつくるといい、乃木浜にはソフトボール専用球場やサッカーのサブグラウンドを備えた巨大な公園建設を進めるという。新市庁舎も、人工島も、第2関門橋もと、巨額利権の噂とセットのいかがわしい事業はとどまるところを知らない。
 「政治とカネの問題」で国会は大騒ぎだが、安倍首相の代理市長のところは、「政治とカネ問題」の花盛りである。9月議会は、市民の請願がいくつも出ており、市民の関心が高い。切り捨て御免のトップダウン・独裁政治がどこまでとおるか。市民の議会傍聴をはじめ、さまざまな行動が始まろうとしている。

トップページへ戻る