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 <論壇> 安倍代理市政倒した力が林派中尾市政を縛る   2009年3月16日付

 下関市長選は、自民党が総力戦態勢をとった友田氏が無惨な落選となり、安倍派の落日を象徴するものとなった。公明党や連合・大企業、金融機関や関係企業などの総力戦となった自民党安倍派の独裁支配が崩れたのである。これは、安倍代理の江島市長を引きずりおろした市民の力が、安倍代理市政そのものも許さない力としてあらわれたことを示している。
 中尾氏は当選したが、多くの市民は、さもしい林派としてあらわれたうさん臭さを認識しつつ、安倍代理市政を断ち切ることを第一義にして投票した。とくにマニフェストで約束し、選管の選挙公報で全戸に配布された公約を取り得として、それを実行することを要求して投票した。
 3陣営の選挙戦はまれに見る低レベル戦であった。各陣営とも、公衆のなかで下関をどうするか訴えたり、市民のなかで組織を動かしていったりという選挙の態をなしていなかった。各選対が把握していない別のところで、市民の方が独自の判断で、独自に動いて投票行動をした。この3陣営にとっては「得体の知れない力」が選挙を動かしたのだ。
 選挙戦は、4期14年に及ぶ安倍代理の江島市政を打倒する市民のたたかいとして展開してきた。はじめは対抗馬をつぶして無投票で再選をはかり、それが市民の運動によって打ち破られると、江島批判票を三分割して当選をはかり、それもうち負かされて出馬断念に追い込まれた。選挙は反江島票の「三分割係」が急に主役になり、安倍派は友田で全力投入、中尾選挙は林派が主導するものとなって、各候補者の選挙態勢としては有権者不在の選挙とはいえない低レベルなものとなった。
 広範な市民の要求を代表して、安倍代理江島市政と一貫してたたかってきたのは、市民の会を中心とする8万7000人に達した満珠荘署名運動、市役所建て替え反対の市民、学校統廃合反対の市民、角島の保育園廃止反対の運動、そして全市に渦巻く箱物利権政治による下関食いつぶし、若者に雇用を与えよの要求、大型店出店の野放し、さらに市民に聞く耳のない独走政治などに対するうっ積した怒りである。この市民の力が、自民党各陣営には理解できない得体の知れない力となって、かれらを大騒ぎさせたのである。
 江島市政とたたかって、市民世論を喚起し、力のあるものにしていったのは、満珠荘再開を求める頑強な署名運動を中心とする市民運動である。選挙に入る過程で、市民の会グループが独自の後援会集めの活動をやり、独自の市民交流センターを開設して、市民の独自の運動をはじめた。この選挙常識を超えた行動が、選挙というのに市民世論の喚起などまったくやる気も能力もない各陣営の外側で、市民の流れをつくり出し、江島市長を引きずりおろすだけでなく安倍代理市政を許さない力となった。今度の選挙戦におけるこの運動の意義はきわめて大きい。
 林派も中尾氏とその陣営にとぐろを巻いて有頂天になっている汚れ族は勘違いをしてはならない。安倍派友田陣営は林派中尾陣営に負けたのではない。かれらは安倍代理江島市政と1つもたたかってはいない。市民の力に負けたのだ。中尾選挙はこの市民のたたかいを利用し、便乗することによって市政利権を手に入れたのである。中尾票の中心をなす市民票は、林派よりはるかに大きな権力を持つ安倍代理政治をたたきつぶした力であり、それと比べたらまるで貧弱な林派代理の利権政治を許すものではない。
 告示後、市民の会と長周新聞は中尾選挙から撤退した。これは反市民の汚れ政治に走る姿勢を暴露した中尾新市政にたいして、厳格な批判の自由を確保したことを意味している。汚れ利権屋がまぶりついた中尾新市政が公約を実行するかどうか、ひき続き市民の監視と運動だけが力となる。

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