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    安倍派メンツかけ臨戦態勢
下関市長選・記者座談会
               市民の会中尾選挙撤退     2009年3月11日付

 下関市長選は8日に告示を迎え、各陣営が選挙カーを走らせている。選挙戦が始まると、明らかに告示前とは違った様相があらわれている。下関の市長選は、自由な選挙とはいい難く、自民党安倍・林派を中心にして各政治勢力が入り乱れて、奇妙きてれつな展開をしてきた。選挙前に、安倍代理市政をやってきた江島潔市長が意欲満満であったのに出馬断念に追いこまれた。そののちの三候補が立候補して本戦に突入している。選挙情勢はどうなっているか、記者座談会をもって論議してみた。
  前哨戦までと本戦に突入してからでは、明らかに選挙情勢が異なっている。どういう特徴があらわれているだろうか。
  市民の所から見た選挙戦は引き続き低調で、全般的にシラケている。選挙カーが横を通っているのに、手を振る人をあまり見かけない。有権者不在の自民党および各政党内選挙をやっているかのようだ。
  一つの特徴は安倍派の危機感がはっきりあらわれた。「友田危うし」であわてふためいて臨戦態勢に入っている。自民党下関支部は自主投票といっていたが、そんなことはいってはおれなくなって、県議・市議どもが勢揃いして応援を始めた。
  告示日以後、秘書軍団の目の色が変わってきた。企業関係では恐怖の締めつけが始まり、緊張感が走っている。友田氏の選挙日程などが各社に送りつけられたり、呼び出しがあったり、断れない雰囲気で物事が動き始めた。
  公明党・先城憲尚県議が友田陣営の出陣式で「政党として100%支援する」と誓った。これも前代未聞だと驚かれた。「3日前の公明党」は裏方のはずなのに、前倒しで公然と飛び出してきた。いったからには創価学会をフル動員し、メンツをかけて挑むということだ。これまで「中尾をお願い」といっていた創価学会のおばちゃんががらりと態度が変わったといわれている。“神様の号令”がかかったようだ。
  安倍派としては、告示日まで来たところで、友田は危ないの判断をしている。安倍代議士本人が乗り出して号令をかけたということだ。衆議院選挙があるのでだれを支持するか態度は明らかにせず、よきにはからえの方針だったが、それどころではなくなったということだ。安倍氏のメンツがかかった友田選挙になった。
 C 安倍派がいっているのが、香川陣営が決起大会で300人しか集まらず低調すぎて、市民票が分散できないことだ。そして中尾決起大会が予想を超えて2000人ほど集まったことだ。

 中尾陣営は自爆コース 急速にシラケ広がる
  そして中尾陣営の変化だ。告示前日の総決起大会では、前回の1100人を大幅に上回っている。しかし結局は林派が取り仕切る選挙としての姿であらわれた。人からカンパを募っているくせに、豪華なスクリーンや音響の総決起大会。「どこからカネが出たのか」という声もある。壇上で「気持ちいい〜!」が第一声だったのが忘れられない。
 会場は林派企業の動員があったが、中尾選対が準備した椅子を大幅に超える参加となった。直前にマニフェストが配られ、公約として新庁舎建て替えをやめること、満珠荘の老人休養ホームとしての再開、学校統廃合は地元から要望がない限りやらないなど主張してきたことなどへの期待から、市民が自主的に参加したものだ。民意の大きな動きをあらわした。この民意の動きを安倍派は恐れた。
  中尾選挙をめぐって一つの衝撃が走っているのが、市民の会グループが中尾選挙の静観を決定したことだ。赤間町の市民交流センターには「お知らせ」を貼りだした。それは、「市民の会有志は、江島市政を打倒するため中尾氏を支持してきました。しかし、その目的達成後、中尾選挙は自民党林派が主導するものとなり、また中尾選対は市民の会グループが選挙を取り組むことは迷惑との態度をつづけてきました。したがって、中尾氏を支持することは市民に責任がもてないため、市長選は静観することにしました。センターに立ち寄られた多くの市民の皆様にも説明していきたいと思います」と書かれている。
  実態として中尾選挙から手を引くということだ。独自に集めてきた後援会の人人にも事情を説明して回っている。これは強烈な反響を呼んでいる。これまで市民の会の呼びかけで中尾後援会を集めてきた人たちは、「中尾選挙があれでは市民の会が手を引くのは当然だ」との反響だ。唐戸市場などでは「市民の会や長周新聞を敵に回したら中尾選挙は終わりだ」とも語られている。
  相当に警告はしてきたが結局聞く耳がなかった。林派の代理市長を目指すというのなら、選挙の性質はまるで違ってくる。林派の下働きを、市民の会や長周がやったのでは立場はない。市民の会グループが手を引いたのは中尾選対側の要求だった。「選挙は勝利は確実であり、どれだけ差を広げるかだ」とか、「長周や市民の会が入ると票が減る」などとアホなことをいって、迷惑だと見なし、排除する対応をしてきた。中尾氏は一度も市民交流センターに顔を見せなかったし、マニフェストも「配らないでくれ」という対応で、決起集会の案内もなかった。世間は「中尾の選挙は大ごとになった」といっているが、中尾陣営では「票が減らずにすむ」というわけで、文句をいう筋合いはないわけだ。
  中尾氏は結局は自爆コースを選択したわけだ。今度は人が悪いとはいわれない、自己責任を自覚しなければならない。告示前まで来た選挙情勢は、中尾陣営に市民の期待が集まってリードしたという情勢だったと思う。それは安倍代議士が躍り出てきたことが証明している。しかし、安倍派フル動員態勢となり、中尾陣営は林派主導となって市民の会グループは手を引くということで、選挙の性質は変わり、まったく流動的になったということだ。
  全候補が“市民派”を標榜していたが結局、自民党安倍派、自民党林派の姿を丸出しにした選挙になった。安倍派の香川氏が「しがらみがないのは私だけ」といって今のところ取り残された格好だ。
  安倍派、林派の自民党内選挙にして市民を排除した選挙だ。だから急速にシラケが広がっている。だれがなっても、低得票の不信任市長の誕生が予想される。低レベル選挙であることは疑いない。
  安倍派と林派の対決といっても、林派は合同ガスだけだ。サンデンは友田のようだ。県議では、塩満が中尾だが石崎は友田だし、市議では門出や平岡も友田だ。林派の主力はヘッピリ腰で友田についており、安倍派と対峙する根性はない。市民票が集まって勝てると思ったら、こらえきれずに躍り出てまぶりつく。さもしい根性だ。この辺が林派の特徴で、安倍派に頭が上がらずいつまでも格下扱いされる由縁だ。安倍派が戦斗モードになったときどういう動きになっていくか。かなりの連中が震え上がって蜘蛛の子を散らすように逃げていく可能性がある。

 市民の力が選挙を主導 江島市長も出馬断念
  今度の市長選を主導してきた力はどこにあるかという点をしっかり見なければならない。今度の選挙は、安倍代理の江島市政が下関を散散に食いものにし、疲弊させてきたなかで、あくまで箱物利権政治で暴走することに対する怒りが噴出し、かつてなく市民の運動が大きくなっているなかでやられている。市役所移転問題とか学校統廃合問題とか、さらに若者の雇用の問題とか、ダンピング入札の問題とか、さまざまな形の市民運動を主導してきたのは、満珠荘の存続を求める8万7000人に達した署名運動だ。この市民の力が、選挙を主導している関係だ。
 B 昨年の初めは、市議、県議たちが5、6人ほど「出る出る」といっていたが、秋頃にはすっかり影を潜めて無投票気配となっていた。江島市長の強権姿勢で、何をいっても聞く耳はないからあきらめるほかはないとふれ回ったのが、「日共」議員集団を先頭とする議員連中だった。中尾選対に潜り込んでいる「日共」議員とその仲間は満珠荘の署名運動をやめて、江島市長の民間委託方式に乗って自分たちの利権を求める方向で、満珠荘の会の分裂を策動した。これを打ち破って、会の団結を守り、「署名6万で聞かなければ10万を集めよう」と猛然と署名運動を強めた。これが市民全体を活性化させ、情勢を転換させ、選挙戦に導いていった。
 D 友田出馬表明から香川出馬、そして年明けに中尾出馬表明になった。このなかで、安倍代理の江島市政と市民の対決点を鮮明にし、市民の大衆的な運動で打ち倒そうの世論が強まっていった。さらに選挙構図について、江島市長の支持率は安倍派組織票をのぞいたら数%しかなく、そのために江島市政批判票を3分割しようとしている仕かけが暴露された。そして江島市長と中尾陣営の争いが中心であり、他はダミーだとの世論が圧倒するところになった。
 執念を燃やしていた江島市長が出馬断念に追い込まれたのは、まぎれもなくそのような市民の力だ。断念の直接の契機は、安倍氏が引導を渡したことだろうが、安倍氏の判断の根拠は江島市長が市民に追い込まれて見込みがないというところにある。
  長周新聞は昨年の秋から毎月1回ほど号外を、旧市内はもちろん旧郡部まで配布してきた。満珠荘の会は高齢でありながら暑い日も寒い日も献身的に署名活動を取り組んできた。市民の会は何度もチラシを配布しながら宣伝カーを出して江島市政打倒を訴えてきた。こうして市民世論を喚起してきた。

 汚れ集団の性根も暴露 運動に乗っかるだけ
  中尾選対でとぐろを巻いている林派とか偽善的な汚れ集団は、「中尾に風が吹いている」といった調子で、市民世論に乗っかるだけだ。なぜ市民が中尾に期待を寄せるようになっているのかさっぱり理解することができない。風に吹かれているカやハエと同じなのだ。「日共」集団や共産党左派を裏切ったイカサマ分子、その他雑多な市民派と称する連中は、大衆運動を組織する行動をしたことはなく、第一その能力はまったくない。マニフェストを配る力もポスターを貼る組織的な力もなかった。長周や市民の会の運動に乗っかっていながら、その成果だけ自分たちのものにしたがっているのだ。
  「日共」集団などは、長周の支持者もたくさん投票している。同じだと思っている人が多いからだ。それは連中も心得ていて、ごみ袋値下げは自分たちの手柄といったり、市議選の時には市民の会の宣伝カーに似せた車を使ったりする。さもしい乞食根性なのだ。
  市民の会は市議1人しか出せず、あっても3000票などと思ったら大間違いだ。ゴミ署名、満珠荘署名それぞれ10万人規模の署名を2度やった実績を持っている。そのような多くの市民の信頼を得ている団体なのだ。選挙についても、見返りを求めるのではなく市民全体のために私欲なく行動するという信頼ができている。だれに入れて良いかわからないが、市民の会が呼びかけるのなら、信頼してそうしようという市民は多い。林派としての旗あげをした中尾陣営は、この市民の会を排除することで、市民的な信頼を失っていくことになる。
  安倍派が恐れているのは、中尾選対ではない。これは赤子の手をひねるようなものだと見なしている。恐れているのは中尾期待で流れてきた民意なのだ。市民の会撤退で市民にどれほど影響するかやがて青ざめるだろう。市民を蔑視し、利用したり犠牲にしても平気という根性が失敗のもとなのだ。

 衆議院選直結の市長選 今回選挙の注目点
  この状況で選挙の注目点はどうなるかということだ。第一は安倍派が友田氏に全力投入態勢をとったわけで、これがどうなるかだろう。安倍代議士がメンツをかけてきた。柳井市の市長選・県議補選で惨敗しているし、引き下がれなくなった。友田選挙でいったら、創価学会のフル動員があり、安倍派の組織票のフル動員となるが、本人の評判が良くなくて市民票があまり望めないのが難点だ。
  市役所などでは友田市長になったら大ごとだという恐怖心すらある。安倍派の業者票といっても、この間まるでいい目にあっていない。前回、安倍派丸抱えの江島票が4万5000票だが、それを増やすのはかなり大変だろう。脅しつけるだけでは、減らさない可能性はあっても、増える可能性は乏しい。
 D 投票率が50%とみて12万票。友田票も1万は上乗せで5万5000はいる。安倍氏の神通力で、崩れを阻止し、1万票上乗せできるかどうか。
  中尾票がどうなるかだ。香川氏が1万票を上回ったら5万5000票を切ることになる。シラケがひどくなってさらに投票率が下がれば、さらに悲惨な低得票率市長だ。友田も中尾もどっちもどっちで、香川に入れようかという流れもある。
 安倍、林派、各派政治潮流に恥をかかせようというので、安倍派からも見放された感じの香川氏に流れが向くきざしもある。
  だれが当選するか以上に、政治的にはひじょうに興味深い。安倍派のメンツがどうなるかが最大関心だ。4年前から見ると、首相になって放り出して、ジェットコースター状態できた。挽回戦と思った衆議院の2区補選で陣頭指揮をして、自民党県議を大集合させビラ配りまでさせたが、無惨な敗戦となった。歴史的な参議院選の自民大惨敗もそうだったように、安倍氏が選挙の前面に立ったときには惨敗が多い。市長選も、吉と出るか凶と出るかわからない。
 国政では自民党がまるで支持がなくなって、ヨタヨタしている情勢なのだ。世界的な大恐慌で小泉、安倍の規制緩和、構造改革が大破産し、日本経済は悲惨なことになった。国民の怒りうっ積だ。市民排除で自民党選挙にしたら悲惨なことになるだろう。
  安倍氏の衆議院選挙のプログラムも変化だ。市長選には中立といっていた。今度強烈なしめつけ選挙をやったら、せっかく200カ所以上も町内行脚をやって人気取りをやってきたイメージが、急にヒットラーのようなイメージになって、努力が水の泡になりかねない。
  市民の期待が集まっていると思って、中尾選挙を仕切りはじめた林派のメンツがどうなるかも注目だ。また、中尾選挙にまぶりついて、物欲しそうにしている「日共」集団をはじめとするイカサマ市民派勢力の姿が暴露されるのは非常にいいことだ。市民派の振りをして運動をつぶし、市長与党になって、自分の利権につなげるという勢力だ。
  この間の選挙戦で市民の力は十分に示している。市民の力が選挙を主導し江島市長を倒し、安倍派を今大騒ぎさせている原動力だ。その根底にあるのは市民のなかに渦巻いている安倍代理市政への充満しきった怒りだ。しかし林代理市政なら良いとはならない。また市長選が安倍氏が登場する衆議院選挙に直結してきた。これを楽しみにしている市民は多い。

 

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