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下関では「汚れ勢力」暴走
安倍内閣発足
             消防に無断で花火祝い    2006年9月27日付

 安倍内閣が発足したが、地元である下関市では、安倍氏の誕生日に消防署や警察署にも連絡せずに花火を上げたり、市民が反対するあるかぽーとへの商業施設誘致計画について市議会が強行の姿勢を決めたり、江島市長、市議会と安倍事務所の暴走がはじまったことが危惧(ぐ)されている。テレビや新聞は花火が上がって「地元下関は安倍首相誕生に大喜び」と宣伝しているが、内閣発足の26日にあるかぽーと埋め立て地で開かれた祝賀花火大会には動員された市職員を中心に500人ほどしか集まらず、市民のさめた受けとめを印象づけた。

 市民の中では反発が強まる
 20日の夜、下関ではいきなり花火が上がりはじめ、市民は何事かと騒ぎになった。市の消防署も聞いておらず、警察署も聞いていなかった。安倍事務所のメンバーがかかわって花火を打ち上げたのだということであった。翌日の商業新聞では、安倍氏が総裁になり誕生日だというので、安倍事務所に関係する人人が、数万円の会費でカモンワーフでパーティーをしながら、打ち上げたものと知られた。安倍事務所は反発の強さから「有志によるもの」と関係の打ち消しにやっきとなっている。安倍氏が総理になったので、天下を取った気になった側近が、メディアにはやし立てられながら、「なにをやっても勝手」の超法規の暴走に及んだもので、先が思いやられることとなった。
 安倍代議士が首相となった26日午後、安倍事務所がシーモールの式場で、夕方には下関市や商工会議所、下関水産振興協会の3者があるかぽーと埋め立て地で、それぞれ「祝う会」が持たれた。
 シーモールの式場で、国会中継により安倍首相の決定を見届けた江島市長は、「下関としてこれ以上の誇り喜びはない」と挨拶。「下関、長門は総理大臣がいる選挙区になり、橋ができるビルができると考える人がいるが時代は違う。安倍内閣が10年は続いてほしい。私たちがしっかりささえていこう」と、地元経済や市民生活は痛みをがまんして、安倍内閣をささえようと訴えた。続いて乾杯をおこなった小浜議長は、「勝ってかぶとの緒を締めよで、安倍先生が安心して国政にたずさわれるようにしよう」と、市民の反発した受けとめを気にした姿勢を見せた。
 夕方には商業新聞などが呼びかけ、あるかぽーと埋め立て地で「安倍大臣に期待してエールを送る会」と題して花火大会をおこなったが、動員されたのは市職員を中心に目標半分の500人近くが集まっただけ。安倍首相は「エールに感謝している」とメッセージを寄せた。「市民の発言」では一部が浮ついただけで、「障害者など弱い者切り捨てしないでほしい」「食糧自給を上げてほしい」「平和憲法を守ってほしい」「教育格差の是正を」など、さめた発言が特徴となった。
 市民は安倍代理市政のもとで、高額ゴミ袋や介護保険料など全国にさきがけた高負担を押しつけられ、ダンピング競争入札で食べていけず、生活がよくなるきざしも感じられず、幻滅を通りこして怒っている。

 議会が真先に暴走 選挙前で足がすくんでいたのが・勘違いし強気
 安倍総裁が決まって真先に暴走をはじめたのは小浜議長が取り仕切る市議会で、25日におこなわれた市議会建設委員会(17人)で、あるかぽーと開発計画について、門出委員長が「建設委としては審議を一方的に打ち切りにして、議案提出を待つのみ」と宣言。早ければ12月定例会の前後の委員会で、土地の売却議案を採決に回そうというのである。
 このあるかぽーと開発計画は、市有地をべらぼうに安く賃貸売却して、開発業者のみなとまち開発がスーパーや専門店街などの高層ビルを、初期投資135億円で建設する計画である。5年以上も凍結状態であり、商店界、自治会、婦人層など市民の強い反対世論がまき起こって、とても無理といわれていたものであった。それが安倍自民党総裁誕生を境に暴走をはじめた。
 市議会は来年の選挙を前に足がすくんだ状態で、「地元合意が必要」「説明が不十分」などとしていたが、25日には「地元説明をいつまでで打ち切るかなど、日にちを決めるべきだ」(小浜議長)と、「かぶとの緒を締める」どころか、鼻息の荒さを見せつけた。小浜議長は、「仮契約したいのだったら、市長がもっと精力的にやるべきだ」と、執行部をたきつけた。安倍事務所の元秘書でもある佐伯元副議長は「(あるかぽーと開発)反対は長府やシーモールなど、無責任なところから反対している。地元の意見を尊重すべきだ」とピントはずれの発言。野稲委員は「はじめから知っているのは私くらいだ。早くカタをつけよう」と、引退表明をしたから怖いもの知らずという調子。
 下関市を良くする連絡協議会が、5月末でまとめた市民1万人アンケートでは、「スーパー誘致」の現計画に賛成はわずか6%しかなく、「白紙撤回」が半分近く「公園にすべき」は6割を超えていた。8月末に、唐戸地区の反対派集会(世界に誇る海峡を守る会主催)に180人が集まり、市主催の地元説明会でも反対が圧倒していた。
 こうして市民世論に追い込まれるのと同時進行で、「安倍総裁が確実」と騒がれるなかで、暴走をはじめたのは開発業者のみなとまち開発であった。9月はじめに現開発計画に反対している南部町自治会(山崎喜八郎会長)に、中谷正行弁護士が市の顧問弁護士をやる身でありながら、開発会社の下関みなとまち開発(藤井清崇社長)の代理人になって、自治会活動に介入し、脅迫めいた催告書を送りつけた。それは「(自治会の)要望は反映されたとは思えない」と町内回覧したことが、同社の信用を損なうことだとして、陳謝と訂正がなければ「何らかの対応を考えざるを得ない」などと、権力をかさに着た脅しをやるにおよんだ。

 住民大会と称して詐欺・業者動員の集会開催
 そして建設委員会の前日に「あるかぽーと開発支援集会」なるものを計画。500人の住民が集まって、賛成が多数だと騒ぎ、翌日の建設委員会前に推進の要望を市議会に提出した。集会には地域住民の姿はほとんど見られず、みなとまち開発の関連業者を集めた業者大会を住民大会と称するものであった。
 集会にはあるかぽーとの立体駐車場などで、市から年間2千数百万円で委託するシモカネ、シモケンのグループから、社長以下100人近い従業員のほか、受注が見こまれる建材会社や生コン業者、小さなサッシ業者や大工なども動員。安倍後援会幹部の建設会社から、ファックスで人数まで指名されて参加要請された下請業者や、「手当がつくのできた」という若者集団、下関信用金庫などみなとまち開発の出資会社からの動員も目立った。アルバイトのような某大学の学生が、「若者の意見」として10人近く登場した。司会者は、山口市在住の雇われ“外人部隊”。集会の企画、運営、演出をしたのは、みなとまち開発に雇われたカモンFM。みなとまち開発が主催した関係者集会であった。それを住民主催と称する詐欺行為である。その詐欺行為を市議会や市長が色めき立って歓迎するという暴走である。
 一部上場のスーパーを誘致するとして、ちまたではイズミとみなされているのに、テナントについて検討したこともない。みなとまち開発の藤井清崇社長は、数10億の負債をかかえて行き詰まった新日本勧業の元専務で、江島市長の資金管理団体の会計責任者をつとめたことや、市長選にも大きなかかわりを持ってきたことが、市民から不安視されている。なにをやり出すか分からないという不安である。
 下関市では10月中旬に155億円の社会教育複合施設計画で、審査により業者が決定するが、すでに県外大手に決まっているといわれている。数100億円の市庁舎移転は、今年中に候補地がしぼられ、下関駅をはじめ駅舎の改築もあいついで進められるが、安倍事務所がらみともいわれている。
 安倍総理の誕生が下関では強い警戒心で受けとめられている。安倍氏が総理になるまでに下関は万骨の山になったといわれているが、総理になったというので、江島市政や市議会、安倍事務所側近による超法規の暴走がはじまったのではたまったものではない。

 全国注目する下関 江島市政はアキレス腱・国政の行方示唆
 安倍氏は「美しい日本に」するそうだが、下関の現実は「汚れ勢力」が天下を取った気になっている。下関の政治を清潔にするには、江島市長周辺と市議会と安倍事務所の汚れを掃除するだけで様相は一変するものである。それは安倍氏の一声だけでいうことを聞かせることができるものである。市民はその一声がないのを注目している。
 安倍内閣が発足したが、下関江島市政のありようは、下関だけに限らず、国政の行く末ともかかわって、全国からひじょうに注目されるところとなった。それは安倍内閣のアキレス腱にもなりうるものとなっている。いずれにしても、平和で美しい日本のために下関市民の動きが大変注目されるものとなった。


         安倍新内閣 政策は米国の直輸入
     

 「ブッシュのポチ」といわれた小泉政府にかわって26日、安倍内閣が発足した。「日米同盟強化」を中心に憲法改正、教育基本法の改定、集団的自衛権の行使などを前面に掲げて、「戦後体制から脱却」して「イノベーション(革新)で新たな成長と繁栄の道を歩む国」にすることを公約にしている。小泉政府が布石した日本のあらゆる主権を放棄してアメリカが好き勝手にできる属国にし、アメリカのために戦争できる国にするコースを突っ走ろうというのである。戦争も知らず、坊ちゃん育ちで庶民の生活も知らず、自分で政策を立案する見識、経験も持ちあわせずにひたすらアメリカ政府や財界のいいなりに政治をやる、歴代政府のなかでもっともお粗末で危険きわまりない政府である。
 アメリカ支配層は2000年10月、アーミテージ(ブッシュ政府の前国務副長官)を中心にして特別レポート「アメリカと日本――成熟したパートナーシップに向けて」を出した。
 その内容は、従来の公共投資による景気刺激策から構造改革断行への経済政策の転換、反動的民族主義の起用、憲法の改正、集団的自衛権の行使、国軍の創設や核武装を含む国防力の強化、若い政治家の登用などで、日米同盟を英米同盟並みにするというものだった。
 小泉首相によって官房副長官から自民党幹事長、官房長官と異例のスピード出世をとげた安倍氏は、ブッシュ政府からも注目され、04年、05年の2回の訪米で破格の厚遇を受けた。
 04年自民党幹事長としての訪米では、当時のパウエル国務長官、ラムズフェルド国防長官、ライス大統領補佐官(国家安全保障担当)らと会見するなど総理並みの扱いを受けた。くだんの対日レポートをまとめたアーミテージらとも会った。
 安倍氏は直後の会見で、「集団的自衛権を行使できないという日本政府の解釈は限界に来ている」と明言、ライス補佐官を「彼が好きだ。彼はタフだ」と喜ばせた。ポール・ジアラ元国防総省日本部長は「彼のような人が将来、首相として日本の憲法改正に尽力することを期待している」とほめあげた。
 05年の訪米でも、ライス国務長官、ラムズフェルド国防長官、チェイニー副大統領らブッシュを除く首脳と会見、アーミテージ前国務副長官やハドリー大統領補佐官ら実務レベルの要人とも交流した。
 安倍氏はこのときワシントンで講演し、「憲法を変えていくという国民の決意と精神を、頑迷な護憲派の人人も無視できなくなっている。(憲法改正で)さらに高度な国際貢献が可能になる」と憲法改正への意欲を表明。集団的自衛権の行使について、「われわれの世代の責務の1つは、政府解釈を変更して行使を可能にすることだ」と売り込んだ。
 ブッシュ政府の安倍氏への破格の厚遇は、自衛隊のアフガン、イラク派遣や朝鮮、中国などへの戦争挑発の好戦的姿勢に対するご褒美であったこと、米軍再編による米軍基地増強、自衛隊との一体化による日本を盾にした世界への戦争動員のため、安倍氏が憲法9条を放棄して、米軍指揮下の自衛隊参戦態勢をつくることへの期待のあらわれであった。
 安倍氏は、総裁選立候補の決意表明で、「改革の炎はしっかり燃やしつづけなければならない」「私は1番若く、新しい日本をつくる担い手として、新しい発想でとりくんでいける」とのべた。そして、「イノベーションで新たな成長と繁栄の道を歩む国」を公約の4つの柱の1つに掲げた。
 安倍氏は総裁選直前に出版された外資系証券マンとの対談で、「私が進めるイノベーションとは、革新的な技術、製品、サービス、ビジネスモデルを生み出していくことだ」と解説した。それは「財界と一体となった政権運営をめざすという安倍氏のサイン」であった。
 御手洗・日本経団連会長は今年5月の就任以来、「政治と経済は車の両輪」論を強調し、「産業・経済・社会システム、また人人の意識などについてイノベーションを進めたい」、と訴えている。

 成長戦略も米国財界の要求
 実は安倍氏や御手洗氏が主張する「イノベーション」は、アメリカ独占財団が2年まえから主張する「イノベート・アメリカ」「希望の国アメリカ」の直輸入であった。その「イノベート・アメリカ」の核心は、社会構造全体を企業が効率運営でき、最大限利潤が得られる仕組みにイノベート(革新)するということだった。
 ブッシュ政府は今、これを国家政策として進めているが、安倍氏はアメリカと財界の利益を代弁して、その決意表明でのべたように競争原理、市場経済原理を徹底して「成長戦略を実行」し、「国を開いて海外からの投資を促していく」としている。郵政民営化に象徴されるように、「官から民へ」の「改革」を強行し、中小企業や農漁業を破壊し、地方を切り捨て、住民から巻き上げた税金、医療費などをそっくりそのままアメリカに貢ぐというわけである。
 こうした日本をアメリカの属国にしていく方向は、小泉政府が進め安倍氏が引き継いでいく規制緩和・構造改革であり、ブッシュ政府の基本方針である。早くも02年2月、1990代にCIA(米中央情報局)の東アジア担当だったエズラ・ボーゲル(現ハーバード大学名誉教授)は、日本国内の教え子で、日米関係で指導的役割をはたしているメンバーの会合(ケネディスクール同窓会)で、日本をイギリス化する、日本のグローバル化は日本だけでは無理だ。製造業、食料、流通、土木建築、金融業の分野はアメリカが責任を持つべきだ、今後は格差社会への移行は必然的だなどとの対日方針を示している。
 小泉政府はこうしたCIA要員の指揮のもと、竹中平蔵経済財政担当相や財界ではオリックス会長の宮内義彦らが中心となって規制緩和・構造改革を推進してきた。今度、安倍内閣の官房長官に任命された塩崎恭久氏は、ケネディスクール同窓会の会長をつとめており、安倍首相の政策提言などを作成する中心となっている。
 安倍内閣の発足は、若者に職がなく、働いても食べていけず、自殺者や孤独死が急増する一方で、ホリエモンや村上世彰のような投機屋が一攫千金で肥え太るような殺伐とした格差社会をますます拡大させ、アメリカのために戦争をする道を突進させようとするものだが、それは今全国で高まる戦争に反対し、独立・繁栄の日本をめざす人民の反撃にあうことは疑いない。

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