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「安倍政府に鉄槌を」の声圧倒
座談会・参院選の争点と展望
             日本つぶす売国政治と対決    2007年7月16日付

 参議院選挙に突入したが、大衆世論は急激に動き始めている。小泉、安倍政府は、「構造改革」「戦後レジームからの脱却」と称して強行してきたが、これに対するうっ積した怒りが、あらゆる所から顕在化し、あい呼応して、「自民党に大惨敗を」「主権者の力を思い知らせなければならない」の声となって盛り上がっている。大衆世論はどのように動いているか、なにが争点になっているか、選挙の展望などについて、記者座談会をもって論議してみた。

 常識通りには行かない様相
 司会 いよいよ参議院選が本戦にはいったが、各層の世論や対応、受けとめはどうなっているだろうか。
  山口県選挙区では、自民党が林芳正内閣副大臣と、民主党が周南市の主婦戸倉多香子氏で、選挙の常識的な構図としては自民楽勝であるが、そう常識通りにはいかない様相だ。
  林芳正票は6年前が42万8000票、12年前の初当選が29万票だった。3年前の岸信夫36万5000票、対抗馬の大泉が31万票でわずか5万票差だった。林陣営の集票目標は45万票というが、そんなに集まるわけがない。ひょっとしたら、大変おもしろいことになると方方で語られるようになっている。相手が「おばさん」だろうが関係なく、自民党をやっつけたいという世論がすごい。国政、県政、市町村政を牛耳ってきた自民党と自分たち県民の対決だという空気が圧倒的だ。地元の下関で、林のポスターも安倍のポスターもあまり見かけない。
  岩国で住民の所を回ると、みんな参議院選の結果が「楽しみだ」といっている。強権的な米軍再編圧力で、市議会では自民党の飼い犬議員どもが、市予算を否決するなど騒いできたが、市民のなかでは逆に「やっつけろ!」の思いが充満している。「参議院選で、白黒つけるのだ」と自治会長なども語っていた。それと久間の発言に怒っていて、「あのような思考回路は日本人の感覚ではない。あの連中が岩国にも襲いかかっているのだ」といっていた。
 米軍厚木基地の空母艦載機移転にたいして、これまで自治会が中心になって反対してきた。これまでの選挙を見ると、住民投票、市長選、市議選、県議選と住民の側は全勝してきた。自民党の県議は旧市内にはいなくなった。しかし自民党安倍政府、二井県政は予算を出さずに屈服させるというならず者のような調子でやってきた。川下の50代の婦人は「民主党も好きじゃない。だけど自民党を落としたいから投票する。今回は、やっつけるための選挙だ」といっていた。豪腕振りかざしたってみんな負けていないし、盛り上がっている。
  広島でも小泉・安倍政治との対決だとみんな思っている。久間発言もあって、被爆地を激怒させた。「黙っておれない」という思いがどこでも語られている。原爆展の宣伝活動のなかで自治会や商店主などに聞くと、市場原理で大型店が商店をなぎ倒してきたことや、年寄りのなかでは税金問題が切実であること「このままでは生きていけない」という世論もすごい。「小泉・安倍になってアメリカに媚るばかりで、もの申す姿勢すらない。今回の発言でもアメリカ向けだ」「これは対米追随ではなくて、従属なんだ!」と戦争体験者もいっている。

 各層の怒りが充満 医療界や造船界も・漁民も商店主も
  山口県に戻るが、県下の沿岸漁民の所では「林事務所を成敗しろ!」という思いがうっ積している。マリンピアくろいの、林派による使い込み事件などによる信漁連破綻への怒りはすごい。その後203億円もの焦げ付きはすべて漁民が肩代わりさせられ、岩国基地や下関の人工島、上関原発の漁業権売却、宇部の産廃処分場埋め立てなど認めさせられ、とうとう県漁協となって漁協もつぶされた。これまで漁協は「自民党の集票マシーン」といわれてきた。しかし親分が旗を振っても、いまでは末端が動かない。
 生産現場ではこの10年来の流通再編による影響も甚大で、大型店が市場を支配して輸入物が溢れ、産地の魚は買い叩かれるばかり。よってたかって生産者を搾っていくシカケに我慢は限界だ。零細な漁師は非正規雇用の労働者と同じ境遇で「儲けはワーキングプアの若者と同じくらいだよ」と苦笑していたが、そのような搾り上げられている感覚は全産業的な意識と共通している。
 下関市民のなかでも「自民党がどれほど大敗するかが楽しみ」という雰囲気が日増しに強まっているように思う。みんながどう感じているかが、隣近所にせよ、友人知人との会話のなかにせよ、相互交流のなかで世論が急激に動いているなと感じる。選挙戦に突入して以後は特に盛り上がっている。別に民主党支持というわけではないが、反自民が強まっているし、かれらを「懲らしめろ!」の世論がすごく強い。民意なんて無視して突っ走ってきた、権力支配構造にたいして、大衆の側が「なにをやってもしょうがない」ではなくなってきた。
  商店などでは大衆消費が落ちこんでいると実感が語られている。市民生活は様変わりしてきた。「儲かっているのは大企業だけというこの露骨な政策が許せない」と店主らはいう。林の依頼をして回っている人物が「これまで自民をやっていたような人が“今回はダメよっ”と断ってくる。どこに行ってもそういう人が増えている」と嘆いていたという。「いままでは悠然と構えていた林事務所が“やってくれ”と必死になっている」という声もある。
 造船界や内航船業界では、規制緩和・構造改革で散散にやられた。廃業の危機にさらされている。内航船は18年以上たった船がほとんどだが、新船をつくる体力が船主にない。規制緩和によって低運賃を強引に押しつけられてきたからだ。ギリギリの採算で、船主家族が乗って動かしているような状況。499dの貨物船をつくろうと思ったら6億円かかるが、つくれるわけがないという。一方では、構造改革で中小企業金融公庫などの政府系金融機関をなくしてしまって、長期低利で融通する金融機関もなくなってきた。安定輸送が危惧されている。
 医療界も市場原理によって削減、削減できた。「もっと医療に金を使うべきだ」と、語られている。社会的影響が大きすぎる。国民皆保険制度も崩すし、医者も足りない。出産もできない。小児科医療も各地で危機。少子化なのに対策がなされないし、むしろ酷い方向にばかり向いているではないかと。国内総生産から医療費をいくら使ったか比率をはじきだした計算で、日本は世界のOECD加盟国のなかでもっとも医療費に回していない国に浮上した。保険証がなくて医者にかかれない、あるいは陣痛が始まっているのにたらい回しにされて死亡したケースも起きている。効率一点張りの市場原理で、医者も看護師もギリギリの状況を強いられて「限界だ」といっている。
  水産大学では、長崎の伊藤市長銃殺事件の直後は、知識人のなかでの重苦しい雰囲気を感じたが、世論は激しく流動していると思った。大学もトップダウンでメチャクチャな状況がつくられてきた。先月、安倍政府が「骨太の方針」を出して、水産大学を含めて独立行政法人は基本的につぶすとやった。「必要がある部分については文書を上げろ」と急に通達が下りてきたという。農林水産関係は1番酷い状況で、統計事務所とか食糧事務所のようなものはすべてつぶしていく方向。補助金も株式会社にしか渡さない。食糧自給などはさらに下がっていくといわれていた。
 水産大学は04年に独立行政法人化して、補助金を毎年1%ずつ減らされてきた。今度は競争原理を導入して、現在87残っている国立大学のうち50ぐらいはつぶれるのではないかと話されている。ある教授は「安倍という男がアメリカやCIAの手先になって、わざと日本の教育をつぶすようなことをやっている。そう考えないと説明がつかない。今度の参議院選は国民が鉄槌を下すだろう」と確信していた。

 市町村合併でも大矛盾
 司会 自治体合併で吸収された地域はどうだろうか。
  旧山陽町では「これまで参議院選で自民党が事務所を開くことはなかった」と地元の人がいっていた。しかし今回は慌ててつくったようだ。現役世代は敬遠しているという。地元の土建関係の人物は「ゼネコンを中心にした集票マシーンは機能しなくなっている」「田舎でこんな状況は前代未聞だぞ!」と様子を語っていた。
  旧豊浦郡など見ても、いままで保守の地盤ですんなり自民に流れるといわれていたが、今回はそうもいかないのではないか。もう露骨に捨てられているし、豊北、豊田などは合併で投げ捨てられて怒りが溜まっている。「こんなはずじゃなかった」と。豊北町のような広大な町で中学校を1つに統合してしまったが、今度は行政が保育園まで集約するといいはじめ、若いお父さん、お母さんも怒っている。幼い園児たちをバスに乗せて、遠く地元を離れた滝部まで連れて行くというのだから、あり得ない。「この町の子どもは2度と増えさせませんよ」と宣言されたようなもので、地域を根絶やしにするという政策だ。
 選挙の集票は町議などのボス支配が機能してきたわけだが、合併してリーダー機能が衰弱している。自民党町議というのも合併誘導で役目を終えて、自分たちも切って捨てられたわけだし、がんばって動くメリットもない。合併によって過疎地域の衰退には拍車がかかっているし、そのなかで住民の怒りの世論が噴き始めている。ここで切り捨てる側が奔走しても誰もいうことを聞かない。全国でも長崎の離島など保守が強かった地盤で統一地方選は自民が惨敗した。山口県でも県議選は自民党が惨敗した。無関係ではないと思う。

 国潰すとの実感拡大 深刻な生活の破壊・生産の道を閉ざす
  個別の大衆の意見が、地域的、全国的に響き合いながら盛り上がっている。自民党が慌てはじめて、それを見てさらに大衆世論は盛り上がる。選挙を有利にするために日程を1週間先延ばしにして、支持率は余計に下がりはじめた。安倍が焦って絶叫するたびにみんなが喜んで、支持率が下がっている。本当に民意が分からないし、なめた奴だと。
 小泉からの6年、国民生活の破壊が深刻になってきた。労働者をとりまく状況も激変。農漁業も中小企業も、製造業、流通業も全分野で大激変だ。社会保障もぶち切っているし、税負担は跳ね上がるばかり。そうして大企業だけがボロ儲けしている。バブル期の倍以上の利益をあげている。調べてみると従業員給与は横ばいだが、それは正規雇用の従業員給与なわけで、非正規雇用をたくさん入れているから、賃金はものすごく切り下げたということだ。一方で株主配当がすごく増えている。株式資本主義で、ヘッジファンドなどが入り込んで配当に回る儲けがふえた。重役報酬も桁違いになっている。そういう世の中にしてしまった。
 しかしこれは目先の搾取に夢中になって、搾取する相手である労働力の再生産を断ち切るというわけだ。労働力は社会の活力の源だ。国民は数が多いほど国の活力は大きいわけだが、それをつぶしてしまっているのだ。これは独立した資本主義国の支配階級のやり口ではない。外国に指図され、外国に逃げ出そうかというものの政治だ。
  学校統合などは末端での現象だけれども、根本からおかしい。子どもを減らす方向で動いている。まるで“日本民族間引き政策”。徳川時代は食っていけないから百姓みずからが間引きしたが、いまは政府が間引きさせていく。
  「これはたまったもんじゃない」という怒りと同時に、日本をつぶそうとしているという実感が広がってきた。労働現場では技術者がいないし、各分野で技術は根絶やし、労働者も根絶やし。いったいなにをやっているのかと。
  政府系金融も廃止したが、内航船主が船をつくれない、金を借りられないことと共通して、農漁業など食料生産の道を閉ざして日本はどうなるのか。漁協などは浜の信用事業が奪われて、上部団体は預金だけ集めて貸したがらないし、農協もそう。中小企業は銀行が冷徹だという。大企業が社会の片隅の利潤まで分捕っていくのだから、零細なものは成長なんてしなくていい、みずから退場しなさい、といった調子。だから株式会社による農業、漁業には補助金をがっぽりつぎこむ流れだ。自由化といって農漁業は後継者すらいない状態に追いこまれ、食糧自給率は今後12%になるという。
  若い世代が結婚できず、子どももつくれない状況。医者にもかかれない。昔は無医村を問題にしていたが、いまは地方都市も“無医村”状態だ。防府市では、出産できる病院も診療所もないという。だから一般の出産が県立中央病院に集中するようになっている。東北などはもっとひどいことになっている。
  国立大学をなくしていくというのも、日本社会つぶしを象徴している。バカの国にして、活力をなくしていく。

 教育の機会均等も崩す
  教育分野にも自由競争が持ち込まれたが、教育の機会均等を崩して、まともな教育ではない。東京の中学校教師が、「金のあるものはほとんど私立にいき、公立中学はスラムみたいになっている」という。学校は自由化で、成績のランク付けによって予算も連動して出すようなことを足立区からはじめている。人の集まらない学校は切り捨てていく。つぶれる学校まで出ている。
  社会的な現象として、労災事故や欠陥商品も激増してきた。JRは尼崎線のような事故をやって開き直っているし、あちこちの工場での爆発事故のようなものが増えている。電気製品や自動車など何10万台のリコール。食べ物なんて何を食べさせられているかわからない。ミンチ肉問題があったが、アメリカの狂牛病肉、中国の毒食べ物など輸入物もある。
  農水省管轄の輸入食糧を検査するセンターではどんどん人員を減らしている。
  段ボールの豚まんは人ごとではない。ミートホープ問題も氷山の一角。スーパー、コンビニが発達して、置いているのは加工品ばかりで、食うだけとなっているが、そこに何が混入されているかわからない。商取引の信用というものが崩れている。スーパーは買いたたくし、生産に見合わない為に誤魔化す。企業の社会的な責任は捨てて、いかに騙して儲けるかという詐欺商売みたいになっている。市場原理とは、社会的な信用関係の放棄だった。
  自由競争・規制緩和というけれど、大企業は国策で保護されて大儲けなのだ。官製談合などは安倍総理の地元である下関で典型的だが、全国的にみてもすごい。トヨタとかキヤノンとかは国賊企業といってよい。日本全部をぶっつぶした犠牲の上に儲けている。農漁業は早くからその犠牲であるし、労働者が犠牲。自動車産業が九州に進出しても、非正規雇用ばかりでたまったものではないといっている。
 上場企業全体で外国人株主の割合が3分の1を超えている。全体で3分の1ということは、個別企業によっては50%超えているということだ。キヤノンも外人株主が50%を超えているし、実態としては外資。この社長の御手洗が経団連の会長をやって安倍政府に指図している。日本の労働者が働いてつくった超過利潤は外資が持って逃げる。いま安倍政府がやっていることは、日本人のするようなことではない。アメリカに国籍を移したような連中が政府をやっている状態だ。

 露骨な民主主義の破壊
  そして民主主義の封殺にみんなが怒っている。民意というものを全く考慮しない政治が特徴だ。国会審議もすべてトップダウン。この間も強行採決の連続で「もう参議院はなくてもいい」という意見まで出ている。17法案を強行採決したが、下関で江島トップダウンに驚いていたら、全国版になったという感じだ。小泉のときはマスコミが煽って民意を装ってやるという手法だったが、安部になったらその形すらない。「何議席になったらやめるのか?」と問えば、「20議席になってもやめない」という。国民がいなくても為政者がやっていけるというわけだ。
  岩国では市民があれだけはっきりと民意を示したが、それを無視していく。みんな岩国のことにはカンカンになっている。市町村合併も地方自治をなくしてしまう民主主義破壊だった。みんなはいっていくところはなくなり、国民の声は届かなくなっている。そして突っ走っていく。
  最大問題は軍事だ。久間が「原爆はしょうがない」といったが、日本人の生命財産を守る気がないということだ。防衛大臣というが日本を防衛する大臣ではなく、アメリカを防衛する日本政府の大臣だ。アメリカに対する核攻撃の防波堤になりますという姿勢だ。防衛政策全体が、完全に米軍に組み込まれてしまっている。
 最近、在日米軍司令官が、「アメリカでは大統領と軍や国務大臣などと一緒に定例会議を1週間に1度やっているが日本でもやろう」と発言している。在日アメリカ大使、米軍司令官、総理大臣、防衛大臣などが集まってやろうと。こんなことを米軍司令官がいう。マッカーサーと同じ占領統治だ。米軍の情報によって日本の政府と自衛隊が動いていく。日本の外交は、外務省より米軍に直結した防衛省が主導する格好にするというわけだ。
  医療関係者のなかでも、アメリカ大使館が政府に年次改革要望書を出し、これを忠実に実行していることに怒りの矛先が向いている。「これは内政干渉を通り越して、アメリカが内政をやっている」という実感だ。
  教師の中でも、教科教室は占領時代にやられたものだが、またそれが強まっていると語られている。教育を知らない外側からの力で、教育をつぶすものだといわれるが、やらせているのはオリックス・宮内とか、キヤノン・御手洗などの外資の手先連中で、大学改革の音頭をとって競争原理をやれといっている。それは年次改革要望書に沿ったものだ。
  労働法制でも、規制緩和をし、製造業までも派遣などを認めた。今度は3年たったら正社員にするとの条件も削除しろというのが対日要求だし、経団連の要求だ。使い勝手のよい労働者を低賃金でいつまででも使えるようにしようとしている。気にくわないものは、金さえやればすぐに解雇できる制度にするという。この奴隷化はアメリカ方式。
  小泉・安倍をはじめとした政治家について「日本人ではない」「エイリアン・宇宙人のようなものが降りてきてやっている」という印象が広がっている。「久間は国籍をアメリカに移せ」というのが大衆の実感と響き合っていたが、「チーム安倍」といわれる取り巻きにしても、下関の江島市長にしても、植民地にやってきて好き放題をやるアメリカ人といった観がある。日本国民の民意を完全に無視して突っ走る別の国の権力。アメリカのいいなりで日本をぶっつぶし、国民はアメリカのための肉弾、略奪対象にしてしまう政治だ。
 参議院選挙の争点というのは、年金とか政治と金の問題とか、自民党と民主党の争点というものだけではない。それは1つの問題で、憲法改定が直接公約にあがっているように、戦争を経て戦後62年の進んできた道と関わって、今後の日本がどっちに進むのかという大きな対立だ。それは日本国民全体の全生活と関わって、売国、反動、戦争、貧困の道か、独立、民主、平和、繁栄の道かという根本的な対立だ。参議院選挙を通じて、この国策と対決する全人民的な世論と運動をいかに強いものにするかだ。

 離反起きる山口県 回るごとに怒り増幅
  各層の怒りの質が根深い。「選挙では民意の力を示して見せないといけない」となっているし、「おもしろくなりそうだ」という雰囲気をつくっている。
  山口県選挙区をみたときに、自民党の林芳正、安倍にしても殿様選挙しかやったことはないし、大衆性はまるきりない。みこしに乗って議員になってきただけで、本当の意味で自分が選挙の矢面に立った洗礼は受けていない。「アメリカ仕込みの最新の政策通」などといっているがやっていることは「大名の子は一生大名、百姓の子は一生百姓」という徳川時代の士農工商制度と変わらない。「しもじもはワシに逆らえない」と思いこんで「切り捨て御免」だが、これも徳川時代だ。これでなにが「最新の自由社会の旗手」か、笑わせる話だ。それが今度の選挙で懲らしめられるなら、みんな楽しいはずだ。
  大衆世論が理解できず、大衆を動かすことができないものは政治家ではない。メディアの世論調査に一喜一憂しているが、自分で世論がわからんわけだ。戦前に国会で、特高に大衆世論を調査してもらうという論議があって、何のために政治家をしているのかといわれていた。それより程度が悪い。

 郡部農村も自民党離反
  支持基盤をみてみると、下関では林派の県議や市議がついて回っているが、かれらが回れば回るほど嫌われていく。土建関係も踊らない。下請は切られるばかりでついていかない。ゼネコンに依存して暮らせる関係にはなっていない。郡部農村も頭にきているし、自民党選挙をやっていた人たちの離反が相当なものだ。
  岩国では遺族会が自民党から大量脱退しているという。県議選で自民党現職が落選したのも、遺族会の票が逃げたからだといわれている。公明党は市議選で「空母艦載機能移転には反対」といっていたが、その後裏切った。

 国民と自民の対決 自民の下請公明に批判・各層に怒り充満
  自民党にとっては、いまや選挙は公明党が1番頼りだ。しかし学会員が集めてきた票が激減するという指摘もある。「庶民の味方」という宣伝カーを流したとたんに「庶民を苦しめてなにをいうか」と町中で大話題だ。
  自民党の選挙後援会なわけだ。宗教政党というのは危険だ。神様が「これをやれ」といえば無条件で動く。貧乏人が多い創価学会が、貧乏人を苦しめる自民党の下働きをやる。戦前のファシズムと戦争の痛ましい経験から、政教分離は大事な原則とされてきたのだ。
  広島では、ある創価学会員が選挙で回ると「公明党はなにをしているのか」「いうこととやることが違う」とあちこちで怒鳴られて、もう回るのがイヤになったといっていた。
  ある囲碁クラブでは、安倍と林がツーショットで写っているポスターを貼っていた。すると会員から文句が出てのけた。そんな実情だ。
  選挙が近づくにつれて、民主のポスターはエッ? と思うところで見かけるようになった。聞いてみると、民主党の熱烈な支持者というわけではないが貼っている。自民党をやっつけようという世論がスライドしている。戸倉事務所へ「ポスターがないからくれ」ともらいに行ったら「もうなくなった」といっていたらしい。民主の組織力というよりみんなが勝手にやりはじめている。
  周南でも5月ぐらいには、「どうみても無理」という空気があったが、今月に入ってそれが「わからないぞ」という話になっていた。
  岸信夫の参院選から3年。この3年の世論転換はすごいものがあるし、県議選をみても全県的に自民は凋落している。
  今度の争点は、別にいい方を選ぶというものじゃない。自民党の権力支配と国民の対決だという世論だ。選挙常識からみたら自民楽勝構図だがそうはいかない空気になってきた。どの層も怒り心頭に発している状況だ。落城もまったくないとはいえない空気になってきている。山口県でそんなことになったら全国では目も当てられない惨敗だ。

 情勢転換への契機 全県、全国の団結で
  やはりこの機会に大衆運動を強めないといけない。国政選挙ということで大衆の政治的関心はものすごく高まっている。その動きのなかで、確信をもって「自民党をやっつけてやろうか」となっている。下関・江島市長の暴走にせよ、二井知事によるデタラメ県政にせよ、安倍・林支配が根本問題だ。ここをやっつけないことには、下関も山口県もどうにもならないし、全国でもそれは一緒だ。
  岩国基地、上関原発、市町村合併、漁協合併などの問題、労働者、農業関係、医療、教育、福祉など各層のさまざまな怒りが、1つの亡国、売国の国政との対決というもので1つにつながって、自民党に鉄槌を加える。すべての力が合流して全県団結、全国団結の力に確信が強まれば、大きな情勢転換の力になる。それを形にして運動にしていく契機にしなければならない。
  上関でも、国策でやられてきている。中電だけで25年も推進策動ができるわけない。決定的な推進は全部、国、県のラインでやってきた。祝島では国、県との対決を避けて、経済主義、現地主義で押さえてきたのが、山戸路線だった。それは全町、全県、全国民団結にはいかず孤立感になる。「わしらだけがたたかっている」といって崩れていくし、意図的に崩れさせる路線だった。
 原発というのは電気をつくるだけではなく原水爆製造工場であるし、軍事施設だ。それは、自衛艦が抗議行動を威圧しに来たことを見ても歴然としている。上関が25年で経験したのは農漁業の破壊と地方生活の破壊だった。それは全国と共通したものだった。それに立ち向かうには全県、全国と団結して国策とたたかうという運動の立て直しがいる。祝島の運動再建はそのような豊北でやったような方向なら展望がある。参議院選挙を通じて、そのような力を強めるなら上関も勝利の展望になる。
  漁協なども、漁民のなかであと半分の補償金が欲しいから自民党というが、その二井知事を含む自民党林派が、マリンピアを食いつぶし、漁協を食いつぶした張本人ではないか。漁協の推進の親分衆も、それに「しょうがない」といっていたのでは何が男かということになる。参議院選挙は漁民の本音を発動するいい機会だ。
  岩国では全県、全国の世論と呼応して自民党を懲らしめてきた。今度の国政選挙は、飛んで火に入る夏の虫という感じだ。下関の市民運動にしても、国政との対決、安倍・林との対決ということで、全国的な共通性がでてくる。安倍、林の地元である下関で恥をかかせるなら、全国をたいへん激励することになる。
  国政をどうするかという問題での大衆世論だ。アメリカ人まがいの民族の裏切り者が、権力をにぎってメチャクチャに日本社会を破壊している。とうとう米軍指揮下におかれて、核攻撃の盾にしようというのだ。民主にしても、修正主義勢力、社民勢力などもインチキなアメリカ民主主義崇拝では自民党と同じで、対決にならない。しかし、今回の国政選挙では、自民党に鉄槌を加えることが、これらの中途半端な政党をも縛り付けることになる。今度の選挙は、日本の情勢を大きく転換させる契機になりうると思う。

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