トップページへ戻る

安部政府惨敗後なおも暴走
安部代理の下関江島市政
              わざと下関潰し軍港化の道    2007年8月17日付

 参議院選では自民党・安倍政府が歴史的な大惨敗となった。民意を無視して構造改革路線を突っ走り、対米従属の貧困と戦争政治の強権を振り回した挙げ句、国民の鉄槌をくらって死に体になったのである。世間で通用しなくなったのに「自分はやめない」といってわがままをいっている。首相の地元である下関市では、10数年来にわたって子飼いの江島市長が「市民に聞く耳がない」独裁暴走政治を実践してきた。この江島市政は安倍首相直伝の安倍モデル市政であったことを誰の目にもはっきりさせている。安倍事務所丸抱えで有権者の19%で再選された一昨年の市長選、江島派惨敗であった今年の市議選、さらに自民党安倍政府惨敗の参議院選とつづくなかで、安倍モデル市政である江島市政は下関をどうしようとしているのか。参議院選後の安倍政治による全国民の利益と関わった下関モデル市政の姿と、市民の進むべき方向について考えてみたい。
 この1年を振り返ってみると、安倍総理誕生を境にして、「何をやってもおとがめなし」といった調子で安倍氏側近グループの暴走が始まった。安倍総裁誕生というとき下関では、市民も市役所も知らず、消防の体制もないまま、打ち上げ花火がぶっ放され、市民はみな「なにごとか」と驚いた。そして、不可解な巨額箱物事業のオンパレード、市民無視の大暴走に拍車がかかった。
 直後には、急浮上した社会教育複合施設整備事業(文化会館建て替え)の、事業費155億円(20年間の管理運営もふくむ)という破格の事業をめぐって、事前に語られていたとおりに、安倍首相の実兄が中国支社長を務める三菱商事グループが、9億円安く入札した地元業者を振るい落として落札。あまりにも露骨な、「安倍総理誕生祝いの官製談合」との批判が沸騰、あまりの批判の前に三菱グループはあわてて辞退するという一幕があった。
 また、年末にかけて市議会には、懸案だったあるかぽーと市有地売却議案が上程され、林派議員を先頭にいっきにごり押しする姿勢を見せた。反発する地元自治会には市の顧問弁護士が脅迫文書を送りつけたり、地元商店会の幹部と抜き打ちで「合意」を取り付ける(その後撤回された)など、やり方は詐欺的でヤクザ的なものとなった。しかし暴走を押しとどめようとする全市民の行動が噴出し、改選前の臨時議会で継続審議(実質廃案)となった。
 05年3月の市長選のあと、究極の官製談合といわれるPFI方式の100億円をこえる新博物館建設(安倍後援会企業利権)が市民の反対で取りやめる羽目になり、その挽回戦として計画した文化会館建て替えも、市民の猛烈な反発で取り下げる羽目となった。
 そうしたなかで、今年2月に行われた市議会議員選挙において、江島市長批判をした候補が勝利し江島与党勢力が敗北する結果となった。議会にとぐろをまいてきた自民党ベテラン議員やJR西日本の企業代表議員が落選。安倍・林事務所の紐付き議員たちも多くが凋落した。30万市民のなかで江島市政批判が圧倒し、市民生活を守ろうとする世論が噴き上がったからである。それは2年前の市長選で、連合、公明総動員の安倍派丸抱え選挙で、江島市長は全有権者の19%の得票しか得ることができなかったことにつづく民意の表明であった。
 ところが江島市長は3月議会でさっそく廃案になったばかりのあるかぽーと市有地売却議案を、まったく同じ内容で市議会に再上程した。自分の選挙運動の資金管理をおこなっていた男性(みなとまち開発社長)に、関門海峡沿いの1等地・あるかぽーとの1部を二束三文で売り払い、それを安倍縁故企業であるみずほ銀行が無担保で融資するという大型商業施設誘致計画である。これは破綻後の土地利権を中心とした、実質のみずほ銀行利権だと誰もがみなしていた。
 当初、安倍代議士の出身企業である神戸製鋼がいかがわしい業者選定によって開発業者に名乗りを上げていたものの、市民の批判世論をうけてみなとまち開発にバトンタッチ。市有地の私物化と、地元商業なぎ倒しのやり口に、商業者や自治会、市民各層による粘り強いたたかいがまき起こり、最終的には暴走市政と飼い犬市議会を縛り上げ、26対10という大差で否決することとなった。一進一退の攻防で強権を打ち負かすのは、市民のたたかう力を結集し行動することだと、下関市民は深い確信をもった。

 懲りずに利権事業 ペンギン御殿やJR駅建設・巨大道路等も
 しかし親分の安倍晋三代議士が首相で、林芳正参議院議員が内閣府副大臣になるなかで、その後も暴走列車は懲りずに突っ走り続けた。
 政府が推奨する公設民営化方式の導入となる、社会教育複合施設事業の再入札をもちだした。原弘産は再入札もせず裁判も取り下げ、三菱商事が再エントリーして色気を見せていた。参議院選直後の入札予定が安倍首相の独走で選挙が1週間後になって、選挙前の入札で注目されるなか三菱商事グループは取り下げの羽目となった。結局下関の業者は聞いたこともない広島の合人社というグループが無競争で入札。そのなかには江島市長の選挙応援を熱心にやった広成建設などがはいっていた。誰が入札に参加しているのか、どんな事業なのか市民にも議会にも知らせぬという徹底的な秘密主義の入札方式が特徴。建設・管理運営を一括発注して、総事業費は約80億円。20年間運営したら150億〜160億円規模の事業で、市議会は審議すべき資料も内容も知らないまま、8月の臨時議会で補正予算を採決させた。
 特別仕様のガスを吸引させて、「気持ちよく」野良犬、野良猫を処分し、1匹ずつ獣医が死亡を確認するという、全国初の犬猫安楽死施設には11億円。海響館のペンギン御殿には、22億円。1匹の住環境は約4000万〜5000万円クラスというバカげたもので、仕入れるペンギンも国内水族館のお譲りは「血統がよろしくない」のだといって南米チリから調達したりしている。昔からペンギン水族館がある長崎では「ペンギンで集客できる時代はもう終わった。下関はいまからペンギンをメインにつくるんですか?」と長崎市の職員も驚くしろもの。
 JR梶栗駅建設は5億6000万円の総事業費のうちの大半が市財政からの拠出だ。「プラットホームだけなら5000万円でつくれる」と首を傾げる土木関係者もいる。そのほかJR西日本のために長府駅・周辺整備に28億円を見込み、各地の駅舎作りや下関駅ビル構想もある。国鉄官僚から安倍派代議士になった父親からつづく江島市長のJR利権である。また、長府に建設予定で05年9月にいったん廃案になっていた新博物館計画(約100億円)も、関係者を集めた説明会がもたれるなど、今夏になって再起動しはじめた。
 乱暴な金使いがとどまるところを知らないのは、軍港化が指摘される沖合人工島を中心とした不気味な都市改造である。対岸の響コンテナターミナルが散散な失敗に終わり、赤字補填のために市財政を注ぎこんでいる状態にもかかわらず、数100億円の予算を投じ、新幹線、高速道路、北九州と結ぶ超大型の取り付け道路がつぎつぎと姿を現している。この心臓部に位置する人工島は、米軍と海上自衛隊が「海外派遣を本来任務にする」ための軍港にするとしか考えられないものとなっている。岩国での愛宕山開発と財政破綻・予算配分のストップで米軍再編を認めさせるというのは人ごとではない。巨大箱物での食いつぶし政治は、軍港化のための意図的な財政破綻というなら岩国という前例があるわけだ。
 国民保護計画の具体化として5月には六連島で、「北朝鮮が潜水艦で攻めてくる」というバカげた想定で市町村では全国初の実動訓練を実施。官邸直結の大騒ぎをやった。親分が改憲や「戦後レジームからの脱却」などと叫びはじめたら、地元の江島市長は出張して自衛艦を視察しに行ったり、「祝防衛省」の垂れ幕を市役所に掲げたり、米軍艦船・自衛艦を下関港に寄港させると走って花束を持っていく。「軍事オタク」といわれる江島市長が、安倍戦争政治のお先棒を担ぐ異常さも露呈している。

 市民との激突拡大 教科教室や保育園統合・満珠荘問題でも
 市民に聞く耳持たぬ強権政治は、満珠荘閉館問題、川中中学校での教科教室型導入、豊北町での保育園統合などに端的にあらわれている。、各方面で市民生活との激突局面は広がった。市民が「やめろ!」といっている箱物には異常な執着心をみせ、「やめるな!」といっている老人休養施設・満珠荘は「休館」といって議会の審議を避け市民をだまして実質閉館を強行している。
 現在、存続を求めて4万人を超える署名が集まっているが、市議会も江島市政も年間1億円の維持・管理費が無駄だといい無視し続ける姿勢となっている。アスベスト対策を施すための「休館」だと騙して再開する意向などないという、詐欺師のような手法で老人福祉を切り捨てた。
 川中中学校の移転にともなう教科教室型導入は、全国でも例がない大規模校での導入となる。計画を雲の上で勝手に決めて強行するというやり方で、父母たちが「このまま導入しても失敗は目に見えている」「いまの川中中は生徒指導を充実させるべきで、教科教室はやめてほしい」「子どもたちをモルモットにしないでほしい」と切実な思いを説明会で訴えても「教科教室型でいく」と突っぱねるし、聞く耳をもたない。ヒラメ教育長は逆上するばかりであった。
 市教委の側は、教科教室型計画を持ち込んで川中中を混乱させ、途上でマスコミが「体罰教師問題」などと騒いで教師の指導性を攻撃し、その途上で生徒の自殺事件も起き、学校をさんざんに混乱させてきた。誰が見ても、教育に対して権力の不当な支配が教育をダメにしているのだ。そこにクラスのない学校にやりかえるというのである。これは江島市長の指示であり、全国前例のない政府のアメリカ追随教育をよそに先駆けてやり自分の手柄にするといういつもの流儀である。そして川中中学校建設には用地関連に約25億円を注ぎこみ、建物には約30億円をかけるといっている。
 豊北町では、町内の市立保育園をすべて統合して、これも全国先端の幼保一元化施設を新設するというもので、広い町内から園児たちを一時間以上もかけて通園させるというデタラメな計画に父母が怒った。角島の母親たちは島民の9割以上の署名を集めて市長に提出したが、財政が厳しいとるる説明していかに「お荷物」であるかを説き伏せるという開き直りをやった。“全国初”をことさらやりたがるのは、それが国政への手柄であり、アピールだからである。

 市財政は破綻状態 市民負担は増・異常な箱物費用
 下関市財政部は今年6月2010年度までの一般会計の中期財政見通しを報告した。毎年20億〜30億円の歳入不足が生じ、基金を取り崩して充てなければ回らないという厳しい財政事情が明るみになった。投資的経費(箱物費用)が異常に高すぎるのである。
 下関市の基金残高(自治体の貯金にあたる)からして、この調子で進むと、5、6年で頼るべき基金も底を突く。市債残高(借金)は特別会計などを合計すると2200億円を超えており、市財政のパンクは目に見えている。今年度は公債費(借金返済)131億円のうち利子だけで23億5000万円も支払っているが、下関市が箱物事業で市債を乱発し、利子で儲かるのは山口銀行などの金融機関である。
 江島市政がわざとでも財政破綻を招こうとしているという指摘について、否定する人間はいない。市県民税は大幅に増額となったばかりであるが、汗水流した稼ぎが税金として巻き上げられ、安倍事務所丸抱え、林事務所連合軍の江島市政に使い果たされていくことに、市民のなかでは我慢ならない思いが充満している。この放漫財政は同時に、食いつぶしたあとは市民と市職員に転嫁するコースであり、道州制にさいして関門特別市構想をブチ上げ、北九州市への身売り・主権放棄を放言するまでになった。
 各部局が担ってきた市民生活とかかわった経費が削りとられ、電子入札による全国ダントツのダンピング競争はわざと野放しにして、地元業者排除までやって中小企業は倒産が相次ぐ。市民生活の困窮がひどくなるのとは裏腹に、いかがわしい箱物と市外発注がくり返される。こうして圧倒的な市民は「ろくでもない市政だ」「下関は安倍と林の手のひらでしか動かないのか」といううっ積した怒りである。

 市議会も飼い犬状態に
 ここで、「反江島」が多数当選したはずの市議会は、その後どうなったのか。江島市長の暴走をやめさせ、市民の声が届くようにせよとの市民世論が圧倒して、議会編成に激変がもたらされたのは、たった半年前のことである。選挙が終わったら、さっさと自民党ペースで会派再編やポスト争いをはじめ、旧郡部議員も、選挙では無所属で出て、あるかぽーと反対や江島市長批判をして信任された議員も、さっそく宗派替えして自民会派に収まる現象が起きた。
 選挙によって、旧議会が抱えていた郡部会派(3人以上必要)8つは全滅し、旧市内も自民系の大再編になったことから4つの会派すべてが雲散霧消。小浜前議長体制は崩壊した。それは選挙戦で示された市民世論の打撃力を物語った。それなのに、選挙で低得票に終わった自民党・江島与党に全体がなびくという、驚くべき飼い犬状態を見せつけることとなった。そして、その後も安倍事務所、林事務所をバックにした民意無視の強権政治を黙認するシカケになっているのである。出てきた議案を賛成するだけという体たらくは隠し覆すことができない。
 参議院選まできて、江島市政の親方である安倍首相の方は、民意が示されても「やめない」とひらきなおった。しかし統率力はきかず、「できなくなった」ことを自覚せざるをえないすう勢となっている。しかし安倍総理誕生で暴走が1番早く、それに対する市民の反撃も1番早かった下関では、なおも暴走が全国最後まで続行の様相である。下関の市民の運動が、最後の暴走に鉄槌を加えるなら全国にさらに大きな貢献をするものとなっている。
 「改革」とか「戦後レジームからの脱却」などといいながらすすめる売国と反動、戦争と貧困の国政は、市町村政で具体的に実行されている。下関江島市政は安倍代理、林芳正「政策新人類」大臣の代理市政であり、そのもとで全国まれに見る市民食いつぶしと聞く耳のない暴走政治がつづいている。市議会には江島市政を同等以上の権限でチェックする権限を持っているという認識はない。すっかり上下関係になってしまい、飼い犬議会の姿をなおもさらしている。この市議会を動かし、市政を規制するのは市民の世論と運動である。市民の運動をさまざまなところから起こし、それを合流させながら、市議会を動かし市政を規制する力にすることである。

トップページへ戻る