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安倍政府叩き潰す大運動を
安保法制巡る記者座談会
             国民世論愚弄する強行採決    2015年7月17日付

 安保法制巡る記者座談会 安倍政府が武力参戦に道を開く安保関連法案を16日、衆議院で強行採決した。国会前には怒りに燃えた群衆が押し寄せ、連日にわたって数万人規模の抗議行動をくり広げるなど、騒然とした状況が広がっている。政府は参議院で可決できなくても再び衆議院で強行採決すれば良しとする「60日ルール」で押し切っていく構えを見せている。しかし事は強行採決したから終わりという代物ではない。世の中には安倍晋三のような為政者しかいないのではなく、主権者たる国民がいることを忘れてはならない。暴走する安倍売国政府を叩きつぶす国民的規模の政治斗争にしていくこと、戦争阻止を願う世論と運動が力関係において圧倒していることを見せつけることが待ったなしとなっている。記者座談会をもって展望について論議した。

 全国連帯した政治斗争に展望

  採決したからといって「仕方がない…」と泣き寝入りするような空気がまったくない。むしろ60日間でもっと盛り上がりを見せていく趨勢だ。国会前は連日すごいことになっている。学生組織のSEALDs(シールズ)が登場する夕方になると、若者たちがどっと押し寄せて、さらに世代や階層を問わず一般の人人が結集している。「子どもを殺し合いの当事者にさせたくない」という母親たちの姿も目立つ。70年前の戦争を体験した高齢者もいる。60年安保斗争や70年安保斗争を経験した世代も思いを蘇らせて隊列に加わっている。この熱気が国会に圧力を加えている。
  委員会で強行採決した15日の晩は6万人が国会包囲に集まった。60年安保斗争の時は30万人が包囲して岸を倒したが、この60日の間に1万が3万になり、6万になり、膨れあがっていくことは疑いない。「30万人でとり囲もう!」「30万分の1になろう!」という呼びかけも発信されている。もっと圧倒して100万人なり集まるならすごい力になる。できない話ではない。物事は国会の頭数で決まっているのではなく、すべて力関係で決まる。国民と安倍政府、背後の米日独占資本との矛盾が基本だ。強行採決をやるならやってみろ。そのかわり叩きつぶすぞ!という力を見せつけることだ。全国的な大政治斗争にしていけば弱り果てるのは目に見えている。政治体制としてとても保つものではない。安倍晋三を持ち上げてきたアメリカなり財界が飛び上がる状況をつくることだ。
  既に流れは変わっている。重たい空気を払いのけて、みなが開き直って行動し始めている。安倍政府は登場して以来、言論弾圧まがいのことを散散やってきたが、百田発言まできてむしろ袋叩きにあったのは安倍とり巻き集団だった。世論が許さないのだ。沖縄にしても県民そのものが下から立ち上がっているし、少少権力が襲いかかっても退かない強さがある。デタラメな連中が政治や権力機構を牛耳っているが、黙って委ねるわけにはいかないとみなが行動し始めた。これほどの大デモなり群衆が押し寄せるとは予想もしていないから、今になって慌てふためいている。国会前だけでなく全国的に盛り上がっている。この流れはもっと大きくなる。国会があてにならないなかで、直接行動に訴えて実力斗争で挑もうとしている。自民党であれ、民主党であれ、その上で踊り回っているに過ぎない。足下に軸を置いて全国的な政治斗争、行動を発展させればひっくり返る。自民党など瞬く間につぶれる。
  確かに自民党が衆院の3分の2の議席を得ている。しかし、偉そうなことをいえる立場ではない。もともとが民主党の大惨敗のおかげで得た権力ポストであって、極めて脆弱だ。前回総選挙の結果は、議席数だけでは実態を反映しない。小選挙区のテクニックで「自民圧勝」がもたらされただけだ。ところがよく見てみると議席数とは裏腹に、全有権者のなかで占める自民党の比例区の得票率は17%。選挙区でも公明党と併せてせいぜい25%前後で、投票率が50%そこそこだから議席を得ることができた。これが支持していない七〜八割の国民を無視して好き勝手できるほど世の中は甘くない。公明党も何が「平和の党」だ。
  吹けば飛ぶような権力基盤の上にいながら思い上がっている。勘違いもひどいが、アメリカが背後にいれば何でもできるくらいに思って暴走してきた。安保法制も国会や国民に問う前にアメリカに行って約束してきた。その約束を果たすために強行採決をやった。国民世論がどっちを向いているかにはお構いなしで、アメリカがどっちを向いているかばかり伺っている。だから「理解が進んでいない」と認めた直後に採決する。これは返り討ちにしなければならないし、安倍政府にとって終わりの始まりにしなければならない。
  行動に火をつけたのは知識人だった。憲法学者3人の腹をくくった行動に世間は沸いた。学者の会にせよ、彼らが国会のインチキを暴露していったことが大きな役割を果たした。戦後の国是を覆して武力参戦の道に踏み込もうとするのに対して、真理真実を貫き勇気を持って動いたことが全国を激励し、今の盛り上がりを導いた。弁護士会にせよ、宗教人にせよ各層が動き出し、若い層に火が付いている。
 若者にとってはみずからが戦場に立たされる切迫感がある。人殺しに駆り出されるし、そこで殺し、殺される運命にさらされる。どうして、アメリカのために死ぬ目にあわなければならないのか。やられるなら、今やらないといけないという思いが彼らのなかにある。
 母親たちも子どもが戦場に引っぱられてはたまらないと危機感を抱いている。理屈ではなく、戦争を止めなければならない、戦争させてはならないという思いは現実的なものだ。それは生き死ににかかわる問題で、「感じ悪いよね」では済まない。

 知識人や学生が牽引 労働者への波及も必至

  大学人がかつてなく積極的に行動している。大学改革とか新自由主義路線で散散学問の府が破壊されてきて、ここまできて開き直って対抗する流れが広がっている。安保法制は一つの契機になっているが、日本社会の命運とかかわってこれ以上は譲れぬという思いが強い。この間、大学改革はたけなわだった。数値目標に駆り立てられて、目先の損得すなわち資本の利潤に貢献できるか否かで大学が支配され、真理真実を探求する学問の府ではなく営利企業の道具のような地位に貶められてきた。その下で大学が体を為さないまでに崩壊してきた。
 偽論文とかのいい加減なものがはびこり、インチキや嘘で出し抜いた者が出世する。それが理研の小保方騒動だった。あんなものは氷山の一角で、真理真実を放棄させた結果にすぎない。福島事故でも原子力村のデタラメな姿を国民は目撃した。研究費を削って成果主義に駆り立てたり、学問の府を破壊してきたのはほかならぬ国だった。しまいには人文系をなくせというまでになった。大学において学問の自由が奪われ、民主主義が通らない。国の支配、資本の支配に服するかどうかが迫られ、まさに軍国主義的な圧力にさらされてきた。このなかで、学生たちに真実を教えなければならないという思いを強めているし、学者としてその知性を発揮しながら行動に出ている。呼応して学生が動いている。安倍政府は「反知性的」といわれているが、こんな者に負けるわけにはいかない。知識人としてのプライドがかかっている。腹をくくったら強い。
  世代を超えて、階層を超えて巨大なうねりにしていくことが勝負だ。そして労働者に広げることだ。貧困問題は切実なものがある。親の貧困は直接子どもにも反映して、ご飯をろくに食べることができない家庭も増えている。非正規雇用ばかり増やして労働法制を改悪してきたが、この貧困化こそが海外侵略とつながっている。国内市場の狭隘化にぶちあたって海外権益を求め、生産拠点を移転しているのが大企業だ。そして後進国の労働条件と競争させながら国内でも植民地的労働条件を強いている。
  「ものが売れない」「車が売れない」というが、国民がカネを持っていないのだから当たり前だ。ところが内部留保は握って離さない。そして海外に出向いて市場争奪をくり広げる。この海外移転その他の権益を守るために軍事力を動員しようとしている。集団的自衛権で米軍の鉄砲玉になることと同時に、これらの大企業権益を守るために若者を動員しようとしている。武器輸出解禁で三菱などの軍需依存企業がウハウハいっている。安倍晋三が自分のカネくらいに思って東南アジアにODAをばらまいてきたが、大企業のインフラ整備のためだ。海外権益を死守するというとき、アメリカの核の傘だけでは間に合わないから、みずからの軍事力を充てようとしている。ここは労働者がもっとも力を持っている勢力として、戦争阻止を第一級の政治課題として掲げて動くときだ。
  とにかく、全国的な動きをつくろう。採決したからといって勝負が決まっているわけではない。「60日ルール」というのがそもそもふざけたルールだが、その前に安倍政府を叩きつぶす力を発揮することだ。安保法制そのものは学者が違憲と指摘するように論理破綻も甚だしいデタラメなものだ。国民をだまくらかそうとしたが、嘘が暴かれて立ちゆかなくなっている。そして知性がないのでゴリ押しするしか手がなくなっている。これは力勝負でどっちが力を持っているのか国民の側が示さないといけない。思い上がった自民党を叩きつぶし、二度と日の目を見ることができないくらい壊滅状況に追い込むことが重要だ。全国的連帯を強めれば可能で、政治構造全体を突き動かす原動力になる。
 D いまや政治、経済にいたるすべての分野を見ていて、政府というのが国民の生命財産を守る気がまるでない。何につけても対米隷属で、安倍晋三のような売国奴が取り立てられて日本社会をダメにしている。福島であれほどの原発事故を引き起こしておきながら原発再稼働を動かし、火山噴火や地震等等で国土がどうなろうがお構いない。東北の被災地は大企業に対して税制優遇やショックドクトリンで蜜を味わわせながら、住民生活の再建は4年たっても置き去りだ。大企業天国をつくりながら、一方で国民生活の窮乏化はひどいものになっている。TPPにしても日本社会の解体、売り飛ばしだ。聞く耳がなく、民意を否定していくのも特徴で、どこまでもアメリカに隷属していく姿は辺野古問題一つ見ても歴然としている。
 これに対して全国的な大衆運動を強めるなら、安倍政府など吹っ飛ぶ。諦めずに意識的に広げることが重要だ。
 A 無理を押せば道理が引っ込み、暴走すればするほど国民から浮き上がっていく。主権者が怒ったときに、為政者にどんな末路が待ち受けているのか思い知らさなければならない。安倍晋三は岸信介のA級戦犯ならぬ自民党をつぶした「永久戦犯」になる運命だ。

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