トップページへ戻る

「安倍晋三を海外に行かせるな」
唖然とするバラマキの実態
             海外進出企業には大盤振舞   2017年1月27日付
 
 首相が外遊する度に大金をばらまき札束外交に明け暮れる姿は、一方で「国家財政が危機なので社会保障を削減する」「消費税を増税しなければ国にカネがない」といってきたのがまるで国民向けの欺瞞であり、それだけのカネがあることを自己暴露している。4年間の主立った数字を列挙しただけでも相当額に上り、カネがない人間なり政府の振る舞いではない。要するに誰のために国家財政を使うのか、選択の問題であることを教えている。被災地の復興はじめ国民生活のために費やすのか、それとももっぱら海外進出をくり返す大企業の権益拡大のために費やすのかという単純なものだ。
 
 国民向けには緊縮財政 「国家財政は危機」の欺瞞暴露

 生い立ちにおいて、カネがなければ交友関係を切り結べなかったのかと思わせるほど、安倍政府になってからの大盤振る舞いはすごいものがある。つい最近もフィリピンに1兆円規模の支援を発表して驚かせたばかりだが、ODAや支援名目で途方もない金額をばらまいてきたことが別掲の一覧からもわかる。
 外遊に行く度に商社やゼネコン、独占大企業の幹部たちが大名行列のようにしてついていき原発売り込みやインフラ利権をものにしていく。タイやミャンマー、ベトナム、バングラデシュといった後進国には低賃金の労働力を目当てに何百社という日本企業が進出してきたが、その生産拠点としてのインフラ整備も日本政府が肩代わりしてきた。円借款やODAでは、港湾や橋、道路整備などをするにあたって、まず現地政府を迂回する形で日本政府が資金を貸付け、そのカネでゼネコンが仕事を受注し、後に政府間の債務を免除するという手法が当たり前のようにやられている。中国の影響力が広がるアジア・アフリカを舞台にしても、競うようにカネを注ぎ込み、とり込み合戦をくり広げているのが特徴だ。昨年のイギリスに対する1兆円支援も、原発事業をしている日立が回収するものにほかならない。
 リーマン・ショック以後、多国籍化した日本の大企業の海外進出には拍車がかかった。かつて日本人労働者の10分の1ともいわれた低賃金国家・中国との経済格差が縮み、その投資が割高になり始めると今度は南下政策に舵を切り、より最貧国の労働力を求めて世界を彷徨(さまよ)い始めた。こうした国国で現地人民を搾取すると同時に、インフラ整備などで新たな市場をひねり出し、それを国内では頭打ちのゼネコンや独占資本がものにする構図だ。国民の目が届かない海外において、彼らが国家財政で養われてきたことをわかりやすく示している。
 海外進出によって日本国内では空洞化が進み、工場閉鎖で仕事を失った人人が大量に路頭に放り出されてきた。国内製造業の空洞化やメキシコ移民の低賃金をアンカーにして没落したラストベルト(錆び付いた工業地帯)の労働者と同じように、日本国内でも中国人研修生やインドネシア、ブラジル、フィリピンなど経済格差の著しい国国から大量の労働力を招き入れたことによって、その水準と競争するように賃金が押し下げられてきた。労働人口のうち非正規雇用が4割を占め、国民の3割が貯蓄ゼロ世帯、年収200万円以下の家庭が2割をこえるなど、後進国の「支援」をしている場合かと思うほど国内でも貧困が切実な問題になってきた。三食をまともに食べることができない子どもたちの姿を見かねて、子ども食堂を開設する動きが全国的に盛り上がるなど、高度成長の時代には想像もしなかったような社会が到来した。
 カネが有り余っている結果、世界を股にかけて金融資本主義がたけなわとなり、実体経済をはるかに上回る規模で金融投機がくり広げられてきた。そして独占企業や富裕層はタックスヘイブンに資金を隠匿し、あるいは内部留保として積み上げるばかりで、社会全体の利益のために吐き出そうとはしない。むしろ法人税を下げさせ、その分を消費税や国民負担に貼り替えるようなことばかりしてきた。消費税が導入されてからこの方、そのパーセンテージが上がって増えた税収分ほど法人税が反比例して国家の歳入から減ってきたことは、すでに暴露されてきたことだ。
 医療費値上げや介護保険料の値上げ、税控除の廃止等等、国会や各種の審議会では1000億円とか2000億円単位の予算を削り込む論議が進み、国民生活とかかわっては緊縮財政が強いられている。一方で海外や独占企業の延命のためには大盤振る舞いをやる二刀流である。地震と津波被害に見舞われた東北、そして熊本をはじめとした被災地で棄民状態が続いていることを考えても、いかに国家財政の使い道や優先順位がデタラメ極まりないかをあらわしている。国民の暮らしを守るために統治機構が機能するのではなく、ひたすら大資本やアメリカの代理人として奉仕する。彼らに還元するカネなら実は腐るほどあるのだという事実を、目下、安倍晋三が得意になってくり広げているバラマキ外交が正直に物語っている。
 ただ、これほどのバラマキをやって、その成果がまるで乏しいことも重大な特徴である。ロシアからは3000億円を持って行かれ、アジア太平洋地域では中国と張り合って孤立化の方向に進み、TPPではアメリカそのものから梯子を外されることとなった。パクスアメリカーナが終焉しようとしているもとで右往左往し、世界の笑いものにされている感すらある。
 グローバル化路線が潮目を迎えていることとかかわって、安倍外交の破産がこれから顕在化していくことは疑いないが、カネを配って回るだけでは激動する世界と関係を切り結ぶことなどできないこと、対米従属国家として見透かされ、ATMのような扱いすらされかねないことを昨年末の日ロ首脳会談は端的に示した。
 「これ以上、安倍晋三を海外に行かせるな」「小遣い感覚でばらまくな」の国民世論は高まっている。

 

トップページへ戻る