トップページへ戻る

圧倒する戦争反対世論を広島へ
原水爆禁止全国実行委員会
            8・6に向け盛り上がる原爆展運動   2014年7月7日付

 原水爆禁止全国実行委員会は6日、下関市で全国会議を開き、今年の原水爆禁止8・6広島集会に向けた各地の活動を集約し、その反響の特徴と教訓を明らかにして、1カ月後に迫る8・6広島に全国的な平和勢力を大結集する課題に向けて奮斗することを確認した。安倍政府による集団的自衛権行使の容認など戦後史の段階を画する戦争策動が強まるなかで、全国的な世論の急激な発展と平和と独立を求める行動意欲が脈打っており、広島・長崎をはじめ各地の人人との結びつきを基盤にして八・六集会に結集していく働きかけを強めること、私心なく人人の根本的な願いに奉仕して原水禁運動を切り開いた1950年8・6斗争の路線に立って全国的な平和運動を発信していく基盤が急速に広がっていることが鮮明にされた。
 
 戦争体験者の新鮮な怒り共有

 初めに事務局の川村なおみ氏が提案をおこない、第1回実行委員会(3月30日)以後、各地で原爆と戦争展がとりくまれ、かつてない共感と行動意欲が高まっていることを指摘。安倍政府が憲法解釈の変更による集団的自衛権行使の容認を閣議決定するなど「戦争放棄の国」から「アメリカのために戦争する国」へと一変させる暴挙に突き進むなかで、「お国のため」といって国民を徹底的に搾取し、戦争に総動員して殺戮と破滅に導き、最後には自らの延命のためにアメリカに民族的利益を売り飛ばして屈服していった戦争政治と、アメリカの原爆投下に始まる日本支配が、現在の貧困、恐慌、戦争へと突き進む情勢と一つにつながっていることが新鮮な怒りとともに大衆的な論議として発展していることを明確にした。
 広島、長崎、下関をはじめ、これまでにない気迫で体験を語る被爆者、戦争体験者とともに青年、学生が使命感に燃えて活動に参加していること、「みんなのため」で鉄棒、かけ算九九の全員達成などで発展している教師集団の実践は若い教師の参加が広がり、「自由・民主・人権」を掲げてアメリカの戦争の肉弾にさせる新たな軍国主義教育と対決する教育運動として発展していることを明らかにした。さらに劇団はぐるま座の『原爆展物語』『礒永秀雄の詩と童話』などの全国公演は青少年に強い影響を与え、戦争に反対し、平和な社会の建設を担う幅広い層の人人と結びついて各地で平和運動の基盤を大きく拡大していることを明らかにした。
 そのなかで安倍政府は、集団的自衛権行使の容認をはじめ、TPP批准に通じる郵貯、年金、農林共済などの金融部門、労働、医療などの生活の全般にわたる規制緩和をおこなって外資へ市場を明け渡し、国内では増税と低賃金化で貧困層を拡大し、大企業の営利のために公共性を否定し、社会の維持すら困難な状況に追い込む戦後史上例を見ない売国的な政策を進めており、海外に進出する大企業の権益を守るために国民を戦争に駆り立てる動きを強めていると指摘。全国的にTPPに反対する農漁業者、医療従事者、知識人らのたたかい、上関原発阻止斗争をはじめとする原発建設、再稼働、輸出に反対する世論の広がり、下関でも私企業の利益のために周辺住民の生活を犠牲にする、洋上風力発電建設反対運動が勢いよく発展しており、生産と生活の実際に根ざした壮大な運動を展望して世論の転換が進んでいることを明らかにした。そのなかで、昨年の総選挙での野党解体に見られるように、被害者意識で自己の権利や主張だけを唱える「左翼」潮流がおしなべて消滅する一方で、それらと明確に一線を画し、個人の利益でなく、大多数の国民の根本的な利益を代表してたたかう1950年8・6型の政治勢力の存在が決定的になっていることが強調された。

 アメリカの盾にさせぬ 気迫こもる被爆者

 論議では、広島からは、4月以降、廿日市をはじめ修道大学、広島大学での原爆と戦争展をおこない、修学旅行生、広島市内の小中学校での体験証言活動で被爆者たちがこれまでにない気迫で体験を語り、子どもの真剣さがかつてないことが強調された。
 「“安倍はなにがなんでも戦争をしようとしているが、進んでアメリカの盾になるものだ。命令する政治家は責任逃れし、一般国民が犠牲にされる”とかつての経験を重ねて語られる。食料難、思想統制などの経験とともに溢れるように語っている」とのべ、学生を連れて被爆者の話を聞かせる大学教員や中学校教師も「集団的自衛権ではアメリカのために日本が動員されるんだ」と子どもに語りかけており、原爆展パネルや被爆者の実体験を学ぶことを中心にして教師と子ども、学生の意識が急速に高まっていることを報告。
 また、中国人留学生も「母国では“原爆投下は戦争を終結させた”と教わってきたが、現実は違った。犠牲にされる民衆同士は平和のために協力しないといけない」とスタッフ参加を希望するなど、約20人の大学生をはじめ被爆2世、市民などが宣伝活動やスタッフとして活動参加を申し出ていることを明かした。
 長崎からは、6月中旬に第10回目の原爆と戦争展を開催し、被爆者、戦争体験者、被爆二世や現役世代、学生などが、集団的自衛権行使の動きのなかで強い問題意識をもって訪れ、「いつの時代も自衛といって戦争が始まった」「安倍が守ろうとしているのは一部の富裕層だけで私たちのことではない」と論議され、被爆体験をはじめ空襲での機銃掃射、戦後の食料難などの経験が激しく語られたことを紹介。
 また、占領下の1951年に京都大学生のなかでとりくまれた原爆展運動に参加していた男性から当時の資料が提供され、「本来の原水禁運動は全国的、国際的な影響力をもった運動であり、一部の人人だけの狭いものではない。国の将来を憂い、米軍や警察に狙われながらも情熱に燃えてやったからこそ全国に広がった。この原爆展はアジア各国にも広げる構えでやってほしい」と期待を寄せていたこと、大学教員からも「開戦から戦後社会、原水禁運動を広げるテーマまで一連になったパネルがすばらしい。アメリカは自国に矛先が向かないように日本と中国を狡猾に争わせて日本をコントロールしてきた。そのなかで戦争と原爆投下の真実を知らせることは重要だ」と大学での開催が希望されていることを報告した。
 沖縄の活動家は、第8回那覇「原爆と戦争展」をおこない、「沖縄では集団的自衛権容認と平行して、名護市辺野古への新基地建設、南西諸島への自衛隊配備が進められ、体験者だけでなく若い人たちも強い怒りが渦巻いている。慰霊の日にも重なって、体験者は壮絶な体験を語り、若い家族連れや高校教師が授業の一環として生徒を連れてきて身を乗り出して聞き入った。“子どもたちを戦争に行かせてはいけない”というこれまでにない意識が高まっている」と語り、自治会や婦人会からも地域での原爆展開催を要望されていることも明かした。また、職場などでも賛同協力者が広がり、ある食品流通会社では職場をあげて協力体制がとられるなど「戦争の危険を切実に感じて行動が広がっており、体験者から高校生まで広島集会への参加が決まっている」とのべた。
 岩国の活動家は、「米軍岩国基地の拡張と市民を欺して愛宕山への米軍住宅建設が進められるなかで、集団的自衛権の動きはそれと一体のものと語られている」とのべ、市議会が「沖縄の負担軽減」を名目にして全土の基地化に協力する決議をあげたことに「岩国を米軍に売り飛ばして市民をコケにしている。娘を売った金を手にして喜んでいる恥知らずの姿だ」と怒りが広がっているとのべた。「岩国『原爆と戦争展』では熱気と迫力と真剣さが違った。子どもを連れてきて切切とパネルを前にして体験を語る市民や、福祉系学校の生徒が“高齢者の経験や思いを知らなければ福祉はできない”と教師に引率されて参観した。若い人たちを束ね、八・六集会へ結集していきたい」と決意をのべた。
 劇団はぐるま座の団員は、大分、福岡、山口で公演を重ねてきた経験の特徴として「戦争遺児、遺族の人たちが安倍政府の動きに対して“二度と遺族をつくらせないという遺族の願いを覆そうとしている。体を張ってでも食い止めなければ”と精力的にとりくみ、“戦争を止める若者をつくっていけば戦争は止めることができる。そういう運動を起こす力になる”と期待を寄せ、介護福祉従事者が“戦争体験世代の思いを学ばなければ、質の高いサポートができない”と自分たちの社会的使命や誇りとつなげてかかわった。体験者は“あんたたちが声を上げないとあんたたちが戦争に連れて行かれるんだ”と熱情を込めて願いを託していた。TPPに反対する農業者たちも明治維新の顕彰の意識とつながって国の独立の問題としてとりくみに参加している」とのべた。
 また子どもたちから「戦争が始まるのか」と聞かれ「自分たちが平和ボケしていてはいけない」と親世代から意識の変化が語られたり、戦後の欺瞞を突き破って朝鮮戦争での原爆使用を阻止する世界的な世論をつくった本流の運動に触れて「遺児、遺族の願いを覆してはいけないし、戦没者の無念を無かったことにしてはいけない。広く伝えなければ」と強い行動意欲につながっていることを明らかにした。
 8月4日の広島での『原爆展物語』公演も被爆者や高校生がとりくみに参加していることをのべ、「戦争反対の圧倒的な国民的な運動の動きにしていく願いが高まっており、8・6集会に全国から結集していきたい」とのべた。

 現代の軍国主義と斗い発展する教育運動

 山口県の教師からは、8月5、6日の「広島に学ぶ小中高生平和の旅」に向けた街頭宣伝活動で「子どもたちが被爆者に学んでくることを訴えると“集団的自衛権を許せば徴兵令であなたたちが戦争に連れて行かれる。絶対に反対してほしい”と声をかけてくる人や、“もう数年したら生の被爆体験は聞けない。非常に重要なことだ”と頭をなでてくれ、短時間で多額のカンパが寄せられている。その市民の支援を受けて子どもたちも自信を強めている」と報告。
 「教育と戦争は不可分であり、子どもをアメリカ型の自由放任で野放しにする一方で、教師には“叱ってはいけない”と、管理統制を強めることで子どもを戦争の肉弾にする動きになっている。そのなかで上宇部実践の交流会は宮崎、福岡、大阪、山口県内各地で若い教師が結集して、勤労市民の資質を受け継ぐ平和の担い手になるたくましい子どもを育てる実践がいきいきと広がっている。抑えつけられていた教師魂をとり戻す営みになっており、子どもが成長していくことに、親たちもみんなで協力する平和の担い手になることを願って子どもの旅の参加を申し出ていることも情勢の特徴だ。全国に打って出る覚悟でやっていきたい」とのべた。
 各地からの報告を受けて、戦争政治が強まるなかで「平和」「人権」を唱えてきた野党勢力は軒並み解体消滅しており、これらと一線を画して圧倒的な国民世論を束ねて戦争阻止のさらに強固な運動をつくる路線上の教訓について明確にすることが提起された。

 大衆を代表する運動へ 野党消滅のなか

 愛知県の活動家は、原爆と戦争展の参観者から広島集会への参加申し込みがあったことを報告し、「左右の既存の政治勢力を見てきた人人がそれらに幻滅し、この原爆と戦争展に強い共感をあらわしている。戦後社会の評価、アメリカへの評価が一致することが大きい。護憲運動にかかわる人たちが展望を求めてやってきたり、これまで動かなかった人たちが家族に働きかけて参加を始めている。この運動が日本人民の基本的な要求を束ねる運動として評価されている。それを自覚して、戦争体験者の新鮮な怒りをくみとっていくことが求められている」とのべた。
 また、「戦後の平和運動が体験者を加害者と見なす評価を基調にしており、いろんな戦争展を見ても体験をストレートに出しているものはない。被爆者に“死に損ない”という中学生がいたが、日本社会を覆う原爆投下者の論理の影響だ。これと対決するのは原爆と戦争展のパネルだけだ。だからこそ堰を切ったように体験者が語るし、遺族会など保守と見なされてきた人たちが結集してくる。深刻な経験をした日本人民の側に立つことが修正主義や社民潮流との分岐点だ」と強調した。
 教師からも「親世代も子どもの成長を喜ぶだけではなく、自ら進んで宣伝活動に参加されるようになっている。戦争情勢を敏感に感じて、社会を担う労働者の集団主義の考え方で統率された平和運動が広がることを労働者でもある親たち自身が願っていることを教えられている。同僚教師たちも被爆者の話を聞いてかつてなく発動されており、親の見方も単に保護者という観点ではなく、運動の担い手としてかかわっていくことが必要」「被害者意識で自己主張する勢力は潰れていく。自分のためではなく、みんなのためにだから支持される」と語られた。
 はぐるま座からは、「大衆の切実な思いと活動する側との温度差を解決する必要がある。独りよがりの“反対”や欺瞞的な平和勢力が暴露されるなかで、圧倒的な大衆の願いを学んで感覚や感性を変えていく情熱や燃焼がどれだけあるかが勝負だ。既存の古い概念で人を見ていたら進歩と保守が逆転する。手練手管ではなく、誠心誠意人人に奉仕していく思想と行動を見て人は信頼を寄せてくれる。歪曲された歴史の欺瞞を覆して、今の人人の新鮮な感覚に合致させていく努力をしていくこと、いわゆる“反対”を叫んでいる人たちだけのところではなく、生活や社会構造のしがらみのなかで言葉に発することのできない圧倒的な大衆と結びついて願いを掴んでいくことが求められている」と指摘した。
 また、「国が決めたことだから仕方がないという諦めも普遍的に振りまかれているが、下関の洋上風力発電建設反対の運動は、風力問題にとどまらず“国策を跳ね返す力”が広範な人民のなかにあることを示すうえで大いに励まされた。深刻な体験をしてきた大衆はそういう力を持っているという不動の確信こそ今重要だ」「このような情勢下でも非常に明るい運動というのが特徴だ。対米従属政治と国民生活のさまざまな矛盾が極点に達しており、それを戦争反対で一つに結びつけていくことが求められている」と、生産基盤や生活のなかに渦巻く要求と結びついて旺盛な活動を展開することが論議のなかで強調された。

トップページへ戻る