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<論壇> アメリカ人の植民地総督の様な振舞いの小泉政府 2006年1月26日付

 アメリカ産牛肉の輸入をめぐって、狂牛病の大騒ぎをしたあげくに輸入解禁となったが、さっそく禁止した脊髄つきの肉を送りつけていたことが判明。アメリカの輸出企業もさることながら、立ち会った国の検査官も、なにが禁止のとり決めであるかも知らなかったといっている。日本では大騒ぎをしたが、アメリカでは「日本人に毒を食わせてなにが悪いか」という調子であったわけである。一連の顛末は、小泉政府というものが、どれほど日本の国益を売り飛ばしたアメリカに卑屈な代理人であるかという現実をさらけだしている。
 日本では、輸入飼料による狂牛病が発生したり、輸入肉がらみのO157の病気がはやったり、輸入飼料を食ったニワトリが鳥インフルエンザになって大量処分されたり、輸入される野菜や穀物類も鮮度偽装の有害農薬まみれであったりしている。「健康は食から」というが、「病気は食から」という物騒な世の中になっている。市場原理・金もうけ万能が叫ばれて、国民生活の安全を保障するという政府のやるべき社会的機能がまるで信頼できなくなっているのである。
 アメリカの輸入農畜産物がいい加減になるのと対比して、肉や魚など食料品をあつかう日本の業者のところでは、規制がきわめてきびしくなっている。肉の屠畜作業は無菌室を条件にしたり、鮮魚は屋根のないところでさばいてはならないとか、魚の加工も保健所がうるさくいって来る。これが「アメリカ基準の採用」と称してやられている。国内の生産・加工を規制強化でしめ上げることが、いい加減な輸入物を無制限に規制緩和するためにやられているのだ。「グローバル・スタンダード」どころか、完全な二重基準である。
 この基本的な問題は、歴代政府が一貫してやってきた、国内では食糧自給ができないようにして、食糧はアメリカを中心とする外国から輸入し、日本の独立を放棄するという売国政治にある。
 現在小泉政府は、アメリカがつくった具体的な要求プランに従って、アメリカ基準の経済、社会への改革をすすめている。その結果、姉歯事件に象徴されるいつ倒れるかわからぬホテルやマンションの強度偽装という詐欺がはびこり、自民党が「改革の旗手」と持ち上げたホリエモンが詐欺商法で逮捕され、もうけ一点張りのJRは事故が連続するような社会になった。株などの投機をこととする不労所得者が「勝ち組」といって大きな顔をし、社会を支えて働くものは食っていけない状態に追いこまれ、アメリカの借金肩代わりのための働き蜂にしている。そして日本をアメリカの国益のための戦争に動員し、その戦場にまでしようとしている。
 アメリカはかつての戦争で、広島、長崎、沖縄をはじめ全国の都市で、罪のない無辜(こ)の非戦斗員数十万人を虫けらのように殺した。戦後日本を単独占領し、やったことは食糧をとり上げて、日本人を飢餓状態におき、そこにアメリカでは家畜に食わせていたような余剰農産物を与えてありがたがらせたことである。「イエロー」とか「ジャップ」などといって侮蔑してきたが、この状態が戦後61年たっても変わっていないどころか、ますます露骨になっているのである。
 そして小泉は、何事によらずアメリカに喜ばれさえすれば幸せという態度で、アメリカ人の植民地総督のようなふるまいをしている。アメリカ産牛肉の輸入騒ぎは、対米従属の象徴的な事件である。これは、社会の安全も、勤労者の生活の安定も、平和の問題も、国の独立という問題を避けては実現しないことを示している。

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