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アメリカうち負かすイラク人民
               自衛隊、早期に撤退させよ    2004年4月22日付

 米海兵隊によるファルージャ包囲攻撃、住民の無差別殺りくは、占領者への積もり積もった憤怒を爆発させ、イラク全土で米英やその下請軍隊にたいする人民戦争を発展させている。そのなかで、スペイン新政府がイラク派遣軍撤退の作業に着手、ホンジュラス、ニュージーランドも撤退を決定、タイ、フィリピンも撤退の検討をはじめた。ブッシュ米政府による「国連主導」のイラク人への主権移譲のペテンももはや破たんし、米主導の「有志連合」は崩壊のふちに立っている。アメリカは強大な軍事力をもって問答無用の姿勢で襲いかかったがイラク人民の死を恐れぬたたかいで、すっかり危機におちいってしまった。イギリスについで小泉政府が「撤兵拒否」に固執していることが、世界の笑いものになっている。イラク全土に「占領軍撤退」を求める武力斗争がまき起こり、「人道復興支援」の名目も立たなくなった自衛隊は、ただちに撤退するほかなくなっている。
   
 ベトナムの悪夢の再現
 5日にはじまった米軍によるファルージャ攻撃は、人影を見れば射殺する、神聖なモスク(イスラム教礼拝所)を爆撃する、民家も爆撃、戦車で押しつぶす、救急車や消防車まで爆破するといった無差別の大虐殺であった。すでに900人をこえる住民が殺され、1800人近い人人が傷ついた。一時停戦のなかでも、2度目のモスク爆撃をするなど殺りくはつづいた。
 ファルージャの同胞を救えと、宗派の違いをこえてシーア派の住民も立ち上がり、南部のシーア派の聖地ナジャフをはじめ、クト、クファ、バスラでも武装蜂起し、占領軍を街からたたき出したり、政府庁舎を占拠した。あわてた米軍は、シーア派の指導者サドル師を逮捕または殺害するとの命令を出し、ナジャフを2500人の米軍で封鎖、突入の機をうかがっている。
 それがまたシーア派とスンニ派住民の反米・反占領の団結を促した。シーア派内の「穏健派」の指導者シスターニ師も、米軍によるファルージャ攻撃、サドル師逮捕令に反対し、サドル師支持を明言、「国難に共同してたちむかう」と、スンニ派との統一戦線を結成した。
 17日、民族抵抗斗争はさらに広がった。ロイター通信によると、中部のディワニヤで米軍車列が襲撃され、米兵3人が死亡。シリア国境に近い北西部のフサイバでも、米海兵隊と反米武装勢力300人が激戦、米兵5人が死亡した。同じく西部のアンバルでも、地元武装勢力との交戦で米兵1人が死亡。バグダッド東部でも、米軍車列が通過したさい、道路脇の爆発物で負傷者が出たとAP通信が伝えた。さらに、小泉首相が「非戦斗地域だ」として陸上自衛隊を駐留させているサマワでも17日、オランダ軍と地元イラク人武装部隊の銃撃戦が発生した。 中国の人民ネットは20日、「イラク人民の反侵略の斗争に多くの重要な変化が起こっている」とつぎのように報じた。
 1つは、イラク民衆の反米感情と抵抗斗争は、これまで小規模の隠ぺいした形から、公然たる大規模な戦斗に発展し、敵に大量の死傷者を出させる組織的な軍事行動となっている。事実、米国防総省の公表数字でも、4月は18日までに米兵死者は99人にのぼり、1カ月の死者数としては最大となった。このため、イラク開戦以来の米軍死者は706人に達し、そのうち昨年5月1日からの死者が568人となった。
 さらに2つ目の特徴として、イラクの独立を守るという共通の民族的利益のもとに、これまで宗派や部族間の対立が乗りこえられ、一致して占領軍とたたかう民族抵抗勢力が形成されていることをあげている。
 3つ目の特徴として、アメリカによるイラン、シリア、レバノン、パレスチナへの攻撃が、アメリカとイラク周辺国との矛盾を激化させたことをあげている。アメリカが中東諸国を「民主化」するとして、「資本主義と民主政治」を押しつけようとしていることが、親米国とされたエジプト、ヨルダン、サウジアラビアをふくむ中東諸国政府の猛反発を受けている。
 アメリカでは商業マスメディアをふくめて「ベトナムの悪夢の再現」が語られ、イラクから手を引くほかないとの世論が勢いを増している。

 世界各国の人民を激励 イラク人民の斗い
 反米救国のイラク人民の斗争の勝利は、アラブをはじめ世界各国人民にかぎりない勇気と確信を与え、はじめから「まちがっていた戦争をやめよ」「米英をはじめすべての占領軍を撤退させよ」「イラク人自身に国家再建をさせよ」との世論を日ごとに高めている。
 そのもとで、スペインのサパテロ政府は発足早早、「イラクからの撤兵作業をはじめた。15日以内に撤兵を完了する」と明言。ブッシュは「遺憾の意」を表明したが、どうすることもできなかった。他方、欧州連合(EU)のプロディ委員長は「スペインの姿勢はわれわれの考え方と同じだ」と支持を表明した。
 スペインの撤兵断行は、その他のイラク参戦国に波紋を広げた。中米でのアメリカの「盟友」ホンジュラスの大統領は19日、370人の軍隊を「なるべく早く撤退させる」と言明。同じく中米のエルサルバドルとドミニカも、今夏までに撤兵すると発表した。中米四カ国はスペイン軍傘下で計1200人を派兵しているが、それらをふくむ1万人の下請軍隊を指揮するポーランド軍は、再編のしようもない窮地に立たされている。
 スペインの隣国ポルトガルの内相も16日、イラク情勢の悪化を理由に、警察部隊128人の撤収もありうると言明。「反テロ」と称して米軍を国内に駐留させているフィリピンのアロヨ政府も、イラクからの撤兵を検討するといい出している。
 タイのタクシン首相は20日、「タイ軍人の安全が最優先されなければならず人道支援は二の次だ」「イラクに派兵したのはイラク人を助けるためだったが、もしも逆に危険にさらされるようならばそこにいる理由はない」と記者団に語った。いわば「人道復興支援」の任務がはたせないならば、撤兵せざるをえないというものである。
 このごくあたりまえの論理が、小泉首相にはつうじない。サマワの自衛隊は戦場化したイラクで、特措法の名目である「人道復興支援」もできず、ずっと宿営地内にひきこもって、1日3万円の危険手当だけは出している。にもかかわらず、小泉首相がかたくなに「撤兵しない」というのは、もともと派兵目的がアメリカの戦争支援であったというほかない。拘束された3人の日本人が解放されたことをかれが喜ばなかったのも、3人が殺されてイラク人と戦争する口実にしようとしたからである。
 日本人5人の人質が解放されたのは、この事件をつうじて日本国内で「自衛隊撤退」の世論と行動が盛り上がり、それをイラク人民が信頼し期待したからであった。「イラクからの撤退」世論を大きく盛り上げ、全人民的行動にして、イラク人民との国際的連帯を強めていかなければならない。

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