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広島アピール
アメリカ政府に謝罪を要求し、原水爆の製造、貯蔵、
使用を禁止する全国民的規模の運動を訴える
 広島、長崎に原爆を投下したアメリカの行為は、人類への許しがたい犯罪であり、アメリカ政府に謝罪を要求する。人類史上もっとも凶悪な無差別殺人兵器である原爆をまともに人間の頭上に投げつけたのはアメリカだけである。アメリカ政府は現在、朝鮮、中国、ロシア、イラクなどを名指しして核兵器先制使用の準備をすすめ、日本をも戦場とした原水爆戦争の危機をつくり出している。日本政府はアメリカ一辺倒の政治をつづけ、ミサイル防衛構想に加担し、核武装まで語り、有事法制をはかって、かつての戦争で甚大な被害を与えた近隣諸国と敵対して世界から孤立する道をすすんでいる。そのような、日本の誇りを捨て、日本とアジアをふたたび原水爆戦争の火の海に投げこんで破滅に導く行為を絶対に許すわけにはいかない。核保有国は数カ国におよぶが、アメリカ政府がすべての国に率先して原水爆を禁止しなければ、世界中の核兵器を廃絶することはできない。
 広島、長崎の被爆市民が、その苦しみ、悲しみ、怒りを若い世代へ、世界へ語り伝えることは、世界平和への重要な使命であり、それをはばからせるあらゆる要素は排除されなければならない。とくに原爆投下を「戦争を終結させるための慈悲深い行為」といい、原爆で無惨に殺され傷つけられた被爆市民に戦争加担者として反省を求めることは本末転倒であり、現在の原水爆戦争の危機にたいして被爆国の平和の力を無力にし、アジアの近隣諸国への犯罪をくり返すことを容認する原爆投下者の側の主張である。アメリカは戦後、日本を単独占領し、米軍基地をおいて休むことなく戦争をくり返しており、原爆投下は世界と日本の平和と民主主義のためではなかった。
 原水爆禁止を要求する世論は、全国、全世界で渦巻いているが、表にあらわれている原水禁運動は形骸化し力を失っている。われわれは原水禁運動を一党一派の道具とし、被爆者を利用して、狭いものにすることには同調できない。原水爆禁止は政党政派、宗教、思想信条、職業をこえたすべての国民の願いであり、それにふさわしい国民的規模の原水爆禁止運動が起こらなければならない。
 そのためには、アメリカ占領軍弾圧下の広島で、はじめて原爆反対の運動を切り開き世界的な運動をつくり出した一九五〇年代の峠三吉の時期の、被爆した広島市民の心を代表した、私心のない運動の原点に返らなければならない。とりわけ広島、長崎の被爆市民が、いまこそほんとうの声を上げ、若い力を結集すること、とりわけ労働者が世界平和のために役割をはたすならば、アメリカも容易に原水爆を使用することはできない。世界の平和愛好者と力をあわせて、あらゆる国の原水爆の製造、貯蔵、使用を禁止させる強力な運動を全国津津浦浦から起こすことを訴える。
    二〇〇二年八月六日
             峠三吉の時期の運動をめざす二〇〇二年原水爆禁止広島集会

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