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売国政治継続図る米国と財界
              民主党使う代理人政治     2009年9月4日付

 小泉構造改革・安倍戦争政治を軸とする自民党売国政府が全国の国民の意志でたたきつぶされ、民主党の圧倒的多数となった総選挙結果を受けて、米オバマ政府や日本の財界が民主党に猛烈な圧力をかけている。米側の要求は民主党が公約としてきたインド洋での無償給油支援活動停止、日米地位協定見直し、在日米軍再編問題の再協議などの撤回が中心。日本の財界は製造業派遣の原則禁止見直しや成長戦略の継続など小泉改革の継承を要求している。民主党・鳩山代表はさっそく連立政府樹立にむけた政策協議で「日米関係」を最大重視する姿勢を明確にした。オバマ大統領との電話会談でも「日米同盟が基軸」と忠勤を誓った。総選挙は、自民党売国政治に対して国民の鉄槌を下したがアメリカ支配層および売国的な財界は、国民の目先を変えてかれらの代理人として民主党を使おうという意志をあらわしている。

 「日米同盟」重視誓う鳩山代表
 鳩山代表は3日未明、オバマ米大統領と電話で会談。「日米同盟が基軸。建設的な未来志向の日米関係を発展させよう」と呼びかけ、「気候変動や核廃絶・不拡散に大統領はリーダーシップを発揮している。私たちも同じ気持ちの政党だ」と表明した。衆院選結果について「勝利は大統領のお陰。チェンジは勇気がいるが日本国民に勇気を与えてくれたのは米国民であり、大統領だ」とおべんちゃらをのべた。米大統領の発言は「私からは申さないことになっている」として公表を避けたが、その後のホワイトハウスの発表で大統領側が「朝鮮半島の非核化、アフガニスタンの過激派の掃討」などを要求したことが判明した。
 ことさら「日米同盟重視」の立場が強調されたのが特徴となった。自民党が惨敗したのも売国政治の故であるが、民主党政治もやはり米日反動勢力の代理人として対米従属の継続がもっとも基本的な内容となっている。
 前日に持たれた3党連立協議(民主、社民、国民新)でも、民主党は3党共通政策(消費税率の据え置き、郵政事業の抜本的見直し、製造業派遣の原則禁止など6項目)に「外交・安全保障政策」を追加する素案を提示した。この「安保政策」の第1項目は「対等の日米関係」だが「地位協定見直し」に一切ふれず「なぜ盛り込まないのか」と紛糾し、「外交・安保」政策の協議は持ち越される事態となっている。民主党はアメリカが認めぬ政策を手直しして方針をまとめ、9月下旬にアメリカを訪問する方向だ。
 総選挙前からアメリカは民主党が掲げる給油問題や米軍再編をめぐる公約を非難し続けてきたが、総選挙以後圧力を強めている。
 8月30日に米ホワイトハウスのギブズ報道官は「強固な日米同盟と両国の親密な関係は新政権下でも発展していく」と声明を発表。米国務省のケリー報道官は「日米のパートナーシップは、アジア太平洋地域で平和と安定を追求し、世界各地で共通の価値観を促進するための鍵だ。朝鮮半島の非核化の前進、気候変動の脅威への対処と再生可能エネルギーの利用可能性の向上、アフガニスタンとパキスタンの安定化、国際的な人道・保健問題への対処において、日本の新政府と協力していく。ここに挙げた問題は、現代の日米の指導者が直面する課題のうちの一握りにすぎない」と具体策まで提示した。
 そのほかオバマ政府に近い米シンクタンク外交問題評議会のシーラ・スミス上級研究員がインド洋での給油活動の撤退方針について「問題は日本がアフガニスタン再建のために各国と活動したいのかだ」とのべ、給油活動にかわる貢献策を早期に出すよう要求。保守系シンクタンク・ヘリテージ財団のブルース・クリングナー上級研究員は「民主党の勝利が日米安全保障分野に与える影響を懸念している」と発言している。
 そして翌日にはケリー国務省報道官が再び登場し「普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設や、(在沖縄海兵隊の)グアム移転について日本政府と再交渉する考えはない」と明言。あわせてゲーツ米国防長官が10月中旬に訪日し、民主党新政府との間で今後の日米防衛協力のあり方やアフガニスタン情勢などについて協議すると表明した。米通商代表部(USTR)のカーク代表も「従来の強固な日米関係を維持し構築していくことを望んでいる」とのべた。

 鳩山論文批判し屈服を迫る 米大手メディア
 そして最大のターゲットとされたのは鳩山氏が月刊誌に寄稿した論文の一部だった。それは「冷戦後、日本は米国主導の市場原理主義、グローバリゼーションにさらされ人間の尊厳が失われている」と指摘し、東アジア共同体の創設を提唱。さらに「金融危機で、米国の単独行動主義の時代は終わったと受け止める向きは多い。世界の基軸通貨としてのドルの永続性への疑問も生んだ。私もイラク戦争の失敗と金融危機の結果、米国主導のグローバリズムは終わり、世界は多極化に向かうと感じている」とのべたものだ。総選挙前からニューヨーク・タイムズ電子版に掲載されていたが、選挙後に「“対等な日米関係”を掲げたのは“国内向け”で政権をとれば現実路線をとると見ていたが、論文は期待を裏切った」と主張し、米メディアが集中砲火を浴びせている。
 『ワシントン・ポスト』は1日、「日本の次期政府がアメリカとの決裂を模索するのは危険」とする社説を掲載。「鳩山代表はアジア重視の外交政策を掲げ、アメリカの市場原理主義を批判している」と非難。米軍再編問題については「沖縄駐留などの問題で、オバマ政府と交渉する余地はあるだろうが、日本がアメリカとの決裂を模索したり、アメリカがそれを許せば北朝鮮の核の脅威によって、日本周辺は非常に危険になる」と脅しをかけている。
 『ニューヨーク・タイムズ』も1日付社説で「米国との対等な同盟関係」への懸念を表明。インド洋の給油中止問題では「アフガニスタン政策を重視するオバマ政府と歩調を合わせて継続すべきだ」と主張している。『ウォールストリート・ジャーナル』も社説で「資本主義批判は起業家精神を奨励する責務を理解していない」などとこき下ろしている。
 内政干渉もいいところだが、アメリカからは日本を属国としか見なしていないことをまざまざと示す動きとなっている。ところが鳩山は反論もできず「グローバリゼーションの負の部分だけをいうつもりはなかった。正の部分も当然ある。決して反米的な考えを示したものではない」と弁解に終始。そして「日米同盟重視だ」とアメリカへすり寄っている。
 小泉改革なるものがアメリカが毎年つくってきた年次改革要求をそっくりそのまま実行したものであり、その結果日本社会はさんざんに破壊された。アメリカは軍事的隷属を中心問題にして、小泉と同じようにアメリカの言いなりになって民族的利益のすべてを売り飛ばす政治を民主党に要求しているのである。

 民主党の公約も次第に変化 反米的内容は認めず
 民主党の掲げる公約は2008年10月に発表された「政策INDEX2008」に肉付けされてきたが、次第にトーンダウンしてきた。
 「政策INDEX2008」の外交防衛政策は日米地位協定について「抜本的な改定に着手するとともに、米軍再編にかかる経費負担のあり方、思いやり予算など米軍関連予算の執行について不断の検証を行う」と明記。新テロ特措法延長への対応も「多国籍軍に対して海上自衛隊が行っている給油活動に関する総括やテロ対策の効果の検証もなく、説明責任を果たさないまま政府が制定を強行した新テロ特措法の延長に反対する」としていた。
 ところが昨年12月東京で民主党幹部4人(鳩山由紀夫、菅直人、岡田克也、前原誠司)と日本関連の米高官4人(ジョセフ・ナイ元国防次官補、ジョン・ハムレ米戦略国際問題研究所長、マイケル・グリーン前国家安全保障会議アジア上級部長、ジム・ケリー元国務次官補)が会談。その場で「民主党が掲げる政策を1度にぶつけたら、米議会や政府は反米とみなすかもしれない。皆さんは注意されたほうがいい」とクギを刺された経緯がある。
 とくにナイは@海上自衛隊のインド洋給油支援活動の即時停止、A日米地位協定の見直し、B沖縄海兵隊グアム移転と普天間飛行場移設を柱とする在日米軍再編計画の白紙撤回の3点を具体的に「反米3セット」と指摘。今年7月には在日米軍のエドワード・ライス司令官も記者会見をやって日米地位協定の改定や米軍再編見直しを求める民主党の選挙公約原案を批判した。
 こうしたなかで発表されたマニフェストは、「給油活動の中断」を外し、地位協定改定の見直しも「地位協定の改定を提起する」と表現を薄めた。

 小泉構造改革の継承を要求 日本財界も圧力
 さらに日本の財界も圧力を加えている。
 選挙後に日本経団連の御手洗会長は「当面は経済危機からの脱却を確実にし、税財政、社会保障制度改革、道州制導入などの課題は超党派での協議を望む」とコメントを発表。日本商工会議所の岡村会頭は「新政府はスピード感をもって景気・雇用対策を実行すると同時に内外需一体の経済成長を実現する政策を望みたい」とのべた。経済同友会の桜井代表幹事は「民主党は“国民の生活が第1”と掲げ、国民が受け入れやすい政策を羅列しているが、責任政党として、歳出・歳入一体改革、経済成長戦略、規制・行政改革、社会保障制度改革などに取り組むことを期待する」とハッパをかけている。民主党の公約との関係では製造業派遣の原則禁止見直しなどを要求している。
 まとまった内容は経済同友会が8月31日に発表した政策提言に示されている。そこでは「経済の持続的成長と歳出削減を促進させる規制改革の推進」を重視。具体的には「来年3月に活動期限を迎える現行の“規制改革会議”の機能を引き継ぐ組織を設置し、とくに医療・介護・保育・農業などの分野で規制改革を推進すべきだ」と指摘している。さらに「わが国は貿易・投資の自由化などによるグローバル経済の恩恵を享受して発展してきた。今後は世界経済のグローバル化推進のため、自らの負担をいとわず責任を果たすべき時代であることを忘れてはならない」と強調。「“市場提供”による国内の産業構造改革の推進を図る“内なる国際化”とEPA(経済連携協定)・FTA(自由貿易協定)締結など、経済外交の積極的推進による“外への国際化”が求められる」と主張し、まだ構造改革をおし進める意図をあらわにしている。若者は働こうにも仕事がなく、結婚もできず子どもも産めず、年寄りは医者にもかかれず、農漁業も潰される大変な国にした自民党政治を財界は、民主党をして継続させようというのである。
 これらの様相は、自民党から民主党に政府がかわろうとも、かれらを代理人とするアメリカ支配層とそれに隷属する財界が支配しているという現実である。アメリカでオバマが「チェンジ」と欺瞞してブッシュ政治を継承する。田舎の下関では中尾市長が反江島の市民派のふりをして安倍代理市政を継続する。アメリカ支配層や財界が今度は国民の反自民の怒りをそらす形で民主党を使う、そういう光景は見飽きるほど経験している。
 米日独占資本勢力の代理人政治に対して、それを規制できる力は大衆自身の直接の斗争である。今総選挙で自民党政府をたたきつぶした大衆の世論と行動は、売国・亡国政治を許さないというものである。その力は民主党を縛り付けているが、それだけではなくその世論を形にし行動にしていくことが最大の力となる。

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