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米軍に貢ぎ市民生活は疲弊
下から市民の行動機運
          岩国市長選  福田市政暴走に制裁をの声  2012年1月16日付
 
  米軍再編問題を最大の争点におこなわれる岩国市長選(22日告示、29日投票)が迫るなかで、市民のなかでは前回市長選からの4年間を振り返りながら、米軍艦載機移転の容認、愛宕山への米軍住宅建設など市民無視で強行されることへの強い怒りが語られている。とくに下から市民の力を強めていく行動機運が高まっている。
 市民のなかでは、民主党政府の要求に従って米軍艦載機移転を受け容れ、愛宕山を米軍住宅として売却を表明するなど、市民を無視して暴走してきた自民党・福田市政に対する怒りはうっ積している。前回は自民党本部の全面バックアップで「このまま国と対立すれば岩国は夕張になる!」の大絶叫とともに謀略的な選挙を仕掛けた福田陣営も、「今回は動く人がいない」「4年間の実績を強調しても盛り上がらない」といわれ、街頭演説に保守系市議などを総動員して「福田市長になってからすべてがよくなった」と絶賛させる異例の事態。後援団体の「岩国の明るい未来を創る会」による宣伝カーでは、「4年前の対立と混乱からはなにも生まれなかったが、岩国はいま明るい話題でいっぱいです!」と強調し、国立病院の愛宕山への移転、民間空港の開港や愛宕山売却による負債残高の減額、国民健康保険料の値下げなどをあげ、「すべて福田市長の功績だ」とする自画自賛に明け暮れている。

ペテンの国保料値下げ

 だが、市民生活の実際は4年で疲弊の一途をたどっており、そのノー天気な主張に市民からは冷ややかな視線が送られている。
 市内のある男性は、「福田市長は国民保険料を値下げしたのは今年度だけで、福田市長になってからの3年間で大幅に値上がりしている」と疑問を投げかける。
 福田市長が国保料の値下げを強調しているため、毎年保存していた領収書を見比べてみると、3年前には2万2440円だった国民健康保険(一人分)の均等割は2年間で2万8680円にまで値上がりし、今年度はじめて1440円下がったものの、3年前から比べると4800円も上がっていた。平均割も同様に6720円の値上がり。支援分や介護保険料も同様に値上がりしており、「なにをもって値下げといっているのか」と憤慨している。
 値上がり金額を年収別に見ると、150万円世帯が5万円、300万円世帯で約9万円上がり、500万円世帯になると13万円も値上がりしている。615万円以上は4万円であり、低所得者層の値上がり幅が大きいことがわかる。
 男性は、「莫大な再編交付金が入っているのに、国保料は県下で2番目にまで上がり、年寄りの年金は減って生活できなくなる。いくら補助金が下りても市民生活は楽にはならない仕組みだ。岩国で生まれ育ち、幼い頃は米兵が寿橋の上から老人を川に放り投げたり、夜に酔った米兵が民家に侵入する事件が後を絶たなかった。牛野谷の自治会長が米軍属にひき殺されたが、“公務中”という理由で不起訴になった。戦争中ならまだしも平時に起きた事故でも自国に裁判権がないような国は治外法権の植民地としかいいようがない。岩国市民が困窮しているからといって、札束で頬をたたくようなやり方で米軍容認に誘導し、ウソを並べてだますやり方をこれ以上許していたら岩国は殺伐とした米軍街になってしまう」と語気を強めた。

議会となれあう市当局

 さらに市民のなかでは、市議会と市当局のなれあいによって市議連中の横着ぶりに拍車がかかっていることが話題になっている。
 愛宕山売却問題で揺れ動いていた昨年6月、酒に酔った米兵2人が岩国駅前商店街のパン製造会社のドアガラスを割り、店主が防犯ビデオから犯人を照会し告訴したが、議会中だった某議員が「こんな時期に騒ぎを起こすなら岩国で商売できなくさせるぞ!」と脅迫したという話もある。そんな議員が、「国立病院移転は私の功績だ。いずれガン治療の専門科も設置するのだ」と自慢げに触れ回るものだから、「ガンはお前ではないか」と語り合われている。
 商店主の男性は、「議会が仲良しクラブになってまるで緊張感がない。この地域から出ている市議も“福田市長を支持します”とわざわざチラシを配っているが、もともと米軍再編反対で票をもらっていながら鞍替えし、福田与党になってからはすべて右へならえで前回市議選では1700票も減らした。票を世話してもらった柏原塗建の要望通りにしか動かないので地域では相手にされない。自治会長なども利権に関係する企業が押さえたので、地域の祭りや駅伝大会などもできなくなった」と語る。
 東地区では20年にわたってミニ駅伝大会が開かれ、市内各地の小学生から一般まで1600人も集まる大規模なイベントだった。しかし、「自民党議員ばかりが来賓で招かれる一方で他党の議員を呼ばないため地域が結束できなくなって、開催が中止になった。みんな地域のためにボランティアで動いているのに市長周辺から議会、自治会に至るまで万事が“市民のため”という精神がなくなり、利権をあたため合う一部の人間だけのものになっていることにみんな辟易している」と語られている。
 市内で電器屋を経営する婦人は、「福田市長は艦載機移転を容認したら、岩国の町が再び活性化をとり戻すかのようにいっていたが、この四年間をみるとまったく繁栄がなかった」と語る。
 「岩国は昔から商店などの小売店が多い町だった。だが、規模を縮小したり、完全に廃業したりとだんだん店の数も少なくなってきた。家電量販店がのさばり、今では出張して家電修理などを主体としてやっている。商店はどこも同じような状況だが福田市長は実態を知らない。米軍再編に協力しても市民に還元されることはなく、市長周辺の一部の人たちだけがうれしがっているだけだ。今回は絶対に落としたい」と話した。
 今津地区に住む男性は「岩国市の活性化を願って前回選挙では現職に投票したが、市民生活は向上するどころか厳しさを増している。それどころかますます米軍基地再編を強化して、岩国市内経済をもっと食いつぶそうとしている。今の生活も厳しいなかにあるが、そこで基地財源にまぶりついてしまえば、逆に借金は増えるばかりで子どもや孫の世代はもっと厳しい生活を強いられるようになるのではないか。将来性を見据えても現市長の暴走を許していてはいけないと思う。今回の選挙で市民の思いを見せつけたい」と話した。

米軍基地内は贅沢三昧

 イラク戦争時に3カ月ほど基地内で働いたという女性は、「これまでアメリカが日本を守ってくれるという思いもあったが、基地内に入って米軍やその家族等の生活をまのあたりにしてあまりの贅沢さに腹が立つ思いが抑えきれなかった。市内では経済的な厳しさが話になるが、基地のなかでは税金使いたい放題の豪華な生活で、一歩外とはまるで別世界だった。そこからよく考えると、アメリカが日本を守るというのは建前であることもわかったし、岩国がアメリカの町になりつつあることに気づいた。米軍基地も日本中にあるが全国的な問題として撤去世論を強めていかなくてはいけない。対立候補に勢いがないのも事実だが、それでも市民の力で市政を変えていかなくてはいけない」と思いを語った。
 長周新聞号外を読んだある駅前の商店主は、「米軍基地再編は本当に岩国市だけの課題ではなく日本を左右する問題だと思う。これまで米軍基地の存在が岩国も沖縄も日本全体も発展のつっかえになっていることは事実。日本は思いやり予算などで食いつぶされてきたが、これを容認する福田市長の暴走に制裁を加えなければと思う。日本全体を立て直していくうえでもまず岩国で頑張らなくては」と語っていた。

 

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