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 <狙撃兵> 米国押しつけの「自主憲法」  2004年7月29日付

 ブッシュ政府の国務副長官アーミテージが、「憲法9条は日米同盟関係の妨げ」といって憲法改定を要求する発言をした。しかしこれはまずいということで、米国務省はすぐに「憲法は日本人の責任でおこなうべき問題」とか、「憲法改定は日本の主権の問題」などと弁解した。
 歴代の自民党は、憲法改定を主張してきたが、そのいうところは「アメリカの押しつけ憲法であり、自主憲法を」というものであった。しかし現在の憲法改定問題も、自民党の自主的発案というものではなく、アメリカが必要とするものであり、押しつけであることをあけすけに語ったものである。小泉は、自衛隊の多国籍軍参加についても、「米軍の指揮下にはいるのではなく、日本の独自の指揮で動く」といい、苦しまぎれとはいえ言葉1つにも工夫をこらしている最中に、そうあけすけにいわれたのでは身もふたもない。「憲法改定」でいきり立つ自民党も、「民族派」といって改憲を叫ぶ黒い車のコワイ兄さんたちも調子が狂うほかはなく、「旦那!ご冗談でしょう」とグチの1つも出るというものである。
 それにしてもアーミテージという男は、これまでも「日の丸の旗をアフガンに立てよ」といったり、「イラクに足を踏み入れよ」といってきたが、そのたびに小泉自民党政府は飛び上がって、憲法で決まった国是を覆して自衛隊を武力参戦に踏み込ませた。アメリカの副大臣程度の人物に、日本の総理大臣以下がまったく頭が上がらない。日本民族の第2次大戦における痛ましい経験に根ざした平和憲法までも、アワを食って売り飛ばすというのが敗戦後から「高度成長」をへてつづく対米従属関係の到達である。小泉自民党政府は、かつての南ベトナムのゴジンジェムとか、いまのアフガンのカルザイ、イラクのアラウィなどのかいらい政府の姿と違いを見つけるのは不可能な領域に到達した。
 アーミテージは、「キリスト教原理主義」のネオコン・極右の代表的人物で、人殺しを屁とも思わぬ野蛮人のたぐいだが、あれこれと人を欺瞞する言を弄するのでなく、あけすけに日米関係の真実を表現するところは、「アメリカのやることは万事進歩」などと信じてきたものの目を覚ますのに貢献している。「日の丸」「君が代」を叫ぶ自民党が愛国者どころか売国奴であり、それと対立するような格好をしてアメリカのいう「自由」「民主」「人権」を崇拝する「革新」系がもう1種類の売国である。
 日本の平和の問題、繁栄の問題、民主主義の問題も、独立の問題を解決しなければどうにもならないという真実が浮き彫りとなっている。
                                              那須三八郎

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