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「貧乏にして戦争やる」が公約
米国の為戦争やる国作り
              自公政府の売国政治    2009年7月22日付

 麻生政府が衆院を解散し、小泉登場以来の自民党政治に国民が審判を下す選挙戦が始まった。ソマリア沖への自衛隊出兵強行、北朝鮮船舶に臨検を行う新法制定の具体化、軍備・兵員増強に乗り出す新防衛大綱作成など、戦時国家づくりの暴走への憤激世論が沸騰するなか、自民党は「実績」を自慢。安倍元首相などは輪をかけて「集団自衛権の行使を選挙争点にせよ」と息巻いている。自民党政府は、ひたすらアメリカの要求にそって、戦地への自衛隊派兵に道を開き、有事法制、米軍再編、対テロ訓練など戦時体制づくりをすすめてきた。国民生活を破壊し「食っていけない」若者を肉弾としてかり出す動きも強めてきた。総選挙は戦争問題が日本の進路をかけた重要争点となっている。
 麻生政府は今月6日にも「ソマリア沖の海賊退治」を掲げ、海賊対処法(先月成立)に基づく海自二次部隊を派遣した。従来の自衛隊派兵関連法と違って、派兵期間も派兵地域の制限も取っ払った。「専守防衛」の建前すら投げ捨て「海賊船」が急接近しただけで武器の先制使用を認めている。現在アデン湾近辺は、恐慌の影響で大型船舶の運航が減り、警護対象船は激減している。そこにわざわざ「海賊退治」といって自衛艦を派遣する。それは交戦突入の危機をみずからつくり出す挑発行為にほかならない。
 北朝鮮によるテポドン打上げや核実験をめぐっても、アメリカの核保有には一言も抗議しない自民党政府が、居丈高になって貿易全面禁止の制裁措置をとり臨検実施の法整備を具体化している。船舶検査法は衆院解散でいったん廃案となったが、めざす方向は今後も同じ。それは臨検実施の根拠を「周辺事態」から「国連制裁決議」に変え、日本が攻撃されてもいないのに、国連決議で決まれば他国に対し「臨検」という戦争行為に踏み切る好戦的な内容である。
 そして急いでいるのは安倍元首相が「マニフェストにいれて選挙に臨むべきだ」と叫ぶ「集団自衛権の行使」の具体化である。すでに自民党国防部会は「米軍艦の防護」「米国に向かうミサイルの迎撃」「多国籍軍防護のための武器使用」「多国籍軍への補給・輸送・医療などの支援」など4類型の検討に着手。自民党マニフェスト骨子の「外交・安全保障」にも「(集団的自衛権の行使と憲法との整合性について)現実的な整理を行う」という文面を盛り込んだ。米軍を守ることが公約なのである。
 そのうえに「敵基地攻撃能力の保有」の具体化に乗り出している。自民党の国防部会による新防衛大綱に向けた提言では、敵基地攻撃が目的の「トマホーク巡航ミサイルの保有」も明記した。
 4月に朝鮮の「テポドン」事件が起きたとき、誤情報で全国の自治体が「ミサイル対処」でフル動員された。それは「集団的自衛権の行使」と「敵基地攻撃能力」がもし整備されれば、自衛隊が即座に報復攻撃に踏み切り、戦争突入となっておかしくないところまで来ていることを意味する。「まさかと思っていたら、知らぬ間に日本が全面戦争に突入していた」という戦争体験者の痛恨の経験は過去の話ではない。戦争突入の危険が現実問題として目前に迫っている。

 国民欺き先制攻撃体制 小泉以来の具体化

 こうしたいつ戦争に突入してもおかしくない戦時国家づくりを国民を欺きつつ進めてきたのが小泉・安倍・福田・麻生と続いた自民党政府であった。
 小泉内閣はアメリカがNYテロ事件直後にアフガン侵略に突っ込むと、テロ関連三法を成立させて海上自衛隊による米艦船への無償給油支援を開始。米英軍がイラクに攻め込むと特措法をつくって自衛隊のイラク派遣を強行した。「テロ撲滅」「国際貢献」などといって、結局は自衛隊を米軍の下請軍隊として、戦地に派遣する前例をつくることが狙いだった。
 国内では「備えあれば憂いなし」と絶叫して、言論・治安弾圧のための有事法制定を進めた。「有事」の際、国全体を米軍指揮下に置き、自衛隊、自治体、民間企業、住民が縦系列で総動員できる体制を法制化。そして米軍や自衛隊が強制的に家屋を占拠して基地に使うこと、食料や土地の強制接収、米軍と自衛隊による民間港や空港の優先使用なども具体化した。さらには「防災」「対テロ」を掲げて核攻撃を想定した「国民保護計画」なる住民総動員計画も具体化した。港湾にフェンスを張り全国で米軍や自衛隊が主導する異様な住民動員訓練を行わせた。小泉の主張した「備え」とは「戦争をするための備え」であった。
 そして04年防衛大綱で「新たな脅威が発生した」「多様な事態に実効的に対応し、国際平和協力活動に主体的、積極的に取り組む」と規定。さらに2005年2月の日米安全保障協議委員会(2+2)で「日米共通の戦略目標」に「テロリスト・ネットワークのせん滅」を追加。ここで米軍とともに海外での軍事行動へ乗り出す意図を明確にし「在日米軍再編」計画を本格化させた。それは日本に米軍司令部を移転させて自衛隊司令部と一体化させ日本を丸ごと米軍指揮下に置くこと、日本の自衛隊基地をすべて米軍基地化することであった。同時にそれはイラクやアフガンの戦斗で敗退につぐ敗退を重ね米兵の死者が続出するなかで、日本の若者をその身代わりの肉弾として使うという、アメリカの意図に基づいていた。
 こうしたなかで06年10月に北朝鮮核実験問題が起きると安倍首相(当時)が経済制裁を発動。臨検港に下関と佐世保を指定し臨検にむけた法整備やミサイル開発を開始した。さらに07年1月には防衛庁を「防衛省」に昇格させ、自衛隊の「付随的任務」だった「海外活動」を「本来任務」に変えた。「専守防衛」の建前もかなぐりすて、「海外派兵」を本来任務としたのである。
 それは陸・海・空三自衛隊を米軍と一体となって海外でたたかう対テロ戦斗部隊として変貌させた。
 陸上自衛隊は「日本へ着上陸する外国軍隊とたたかう」としていたのを、「対テロ」体制に転換。装備は対戦車などの戦斗ではなく対人戦斗を重視。その目玉として「対テロ戦」と海外派兵を中心任務とする秘密部隊「中央即応集団」(4100人)を発足させた。海上自衛隊は08年4月から海外派兵を任務とする部隊の権限を強めたほか、臨検拿捕訓練や対人戦斗の訓練を強めた。航空自衛隊も以前の偵察中心の任務から「対地攻撃機能の強化」など戦斗にむけた強化を実行。首都圏の入間基地から自衛隊基地へのパトリオット・ミサイル配備も開始した。「戦後レジーム(体制)の脱却」を掲げてすすめたのは「先制攻撃」体制への転換であった。

 食えなくさせて肉弾に 予算は米国に貢ぐ

 こうした動きと連動して国民生活が無惨に破壊され、まさに「食うためには自衛隊に行くしかない」という若者が大量に増やされてきた。
 小泉登場以来の「財政改革」とは、国民に使うべき予算を削って、アメリカや大企業に流す体制にすることだった。いまやアメリカのドル暴落防止の買い支えに使い込まれている外貨準備高は一兆jを超過した。老後の生活にと思ってコツコツ納めてきた年金積立金も株式市場の資金供給源にされ、07年度、08年度の2年で、約15兆円もの損失を被っている。郵貯資金の340兆円も外資が虎視眈眈と狙っている。日本の富がアメリカに巻き上げられる構造のなかで国民は生活できなくなっている。そのうえに大企業の法人税や富裕層の所得税率は引き下げをやり、庶民には定率減税廃止などサラリーマン課税を重くした。医療費や介護保険費などの社会保障や教育費の切り捨ても強行した。
 さらに「痛みを伴う改革」などと叫んで企業リストラやM&A(合併・買収)を促進した。「郵政民営化」による1万5000人の郵便局員削減や通信「自由化」ではNTT労働者10万人削減など大ナタをふるった。そして03年には派遣労働の適用業種を製造業に拡大。トヨタやキヤノンなどはこの非正規雇用労働者を使って巨額利潤を上げたが、労働者は貧困生活を強いられた。その結果、ワーキングプア(働く貧困層・年収200万円以下)と呼ばれる生活保護水準並みの労働者が1032万人(07年)に到達した。世界恐慌突入後にはこれらの労働者が企業リストラで放り出された。こうしたなかで日本の完全失業者数は347万人(09年5月)に達している。都市部では職も住居も奪われた野宿者が急増する事態となっている。

 露骨な自衛隊への勧誘 失業者や高校生狙い

 許し難いのはこうしてアメリカや大企業に富を垂れ流した挙げ句、日本の「食えない若者」をターゲットにして「資格もとれるし、安定した職がある」と自衛隊への勧誘を強め、米軍の肩代わり戦争の肉弾にしようとする動きである。
 03年の有事法制定と翌年の国民保護法施行にあわせ地方自治体では「危機管理や防災の専門家」として退職自衛官を職員として雇用する動きが広がった。市役所などで住民基本台帳を閲覧し、中学3年生など年頃の少年宅を自衛隊広報官が訪問・勧誘する動きが活発化したのも同時期だった。
 それが段階を画すのは防衛庁が省に昇格した07年に「防衛力の人的側面についての抜本的改革」の報告書が決定されて以後。地方自治体や学校関係者による協力で志願者を募ることが具体化され、高校出身などの自衛隊員が母校の後輩に自衛隊募集や宣伝をする「ハイスクールリクルーター制度」が創設された。これが現在、全国で650以上の高校・専門学校で取り入れられ、自衛隊員勧誘でフル回転している。
 「就職活動と無縁」と装って小・中・高校生を総合学習・職場体験学習で自衛隊を訪問させる動きも活発化している。この数は06年と07年の2年間だけで5万3500人(4430件)に上る。昨年7月に公表された文科省の新学習指導要領の解説書(社会編)には「わが国の防衛や国際社会の平和と安全のために果たしている役割について考えさせる」と明記。修学旅行で自衛隊基地を訪れたり、学校祭に自衛隊音楽隊が参加したり、高校の防災訓練で自衛隊ヘリに生徒を乗せて体験飛行をしたりと、自衛隊の宣伝が熱心に行われている。職安でも自衛隊勧誘のポスターが掲示されるなど自衛隊募集が目立ちはじめている。
 現実に今年末にまとめる新防衛大綱の基本方針でも陸上自衛隊の定員を5000人増やして16万人にすることが盛り込まれている。イラクに陸上自衛隊を派遣したとき自民党政府は、自衛隊員の手当を1日3万円、戦死の弔慰金を9000万円(最高限度額)と設定し志願者を募ったが、国民を食えなくして戦場に駆り出す、戦前にもとられた常套手段が、自民党売国政府をして今も実行にうつされているのである。
 総選挙はこうした「貧乏にして戦争へ」という売国・亡国・戦争の自民党政治に審判を下すことが重要な争点とならざるを得ない。総選挙において日本人民が真の主権者として小泉・安倍・福田・麻生とつづく自民党政府が進める戦争と貧困の売国政治に対し、独立・民主・平和・繁栄を要求する世論と運動を大結集することが重要になっている。
 

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