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物価高、不景気の上に消費増税
国民を食わせぬ安倍政府
              米国や大企業に貢ぐ     2013年9月9日付

 昨年以上の異常な消費需要の落ち込みのなか、日銀が「景気は回復している」といい、安倍政府が消費税を来年4月から8%、再来年10月からは10%に引き上げようとしている。これに対して、国民のなかでは底深い怒りが広がっている。アベノミクスによる円安で輸出大企業がもうけを拡大する一方で、ガソリンや食料品の値上げが庶民生活を直撃。歴代政府は消費税を「福祉のため」といってきたが、来年4月から前期高齢者(70〜74歳)の医療費窓口負担が2割負担に増え、介護保険制度も「要支援認定者の介護保険からの切り離し」「特別養護老人ホーム入所資格を要介護3以上とする」など重度者以外を対象からはずす改悪ばかりで、そんなペテンは通用しなくなっている。消費税は、社会全体で生み出した富を勤労生産者から奪いとり、アメリカや日本の独占大企業に貢いでいくシステムにほかならない。労働者と農漁業者、中小企業や商店が団結し、アメリカと独占大企業の代弁者である安倍政府と実力でたたかう機運が高まっている。
 
 来年4月には8%へ引上げ

 下関市内では、買い物でスーパーに行くと食料品などが軒並20〜30円値上がりしていたり、知らぬ間に菓子パンやコーヒー、ティッシュペーパーなどの内容量が減っていることが話題になっている。市内長府地区に住む80代の婦人は、年金は減るが後期高齢者医療保険料や介護保険料は有無をいわさず天引きになるうえに、物価が高騰していることについて、「買い物に出かけてもこれまでのように買いたいものを買えず、少しの贅沢はできるだけ我慢して本当に必要なものだけにするよう心がけている。安倍首相は消費増税に向かって準備を進めているが、ただでさえ切り詰めた生活をもっと困難に追い込む滅茶苦茶な政治だ」と憤りを語った。
 また中小企業や商店のなかでは、「増税されれば消費者の買い控えにつながるだけでなく、大手スーパーとの競争のなかで消費税分を価格に転嫁できないし、形の上では転嫁できているように見えても、それ以上の値引きを強いられるのが普通。それでも消費税分を納めろと迫られる」という。
 すでに消費税の滞納や、それを理由にした税務署の差押えも全国で頻発している。
 とくに小泉内閣時の2004年に、消費税の納税が免除される免税点制度の適用上限がそれまでの年間売上高3000万円から1000万円に引き下げられ、地元の商店街のほとんどが納税義務者になった。来年からの増税が実行されれば、消費落ち込みで赤字続きでも消費税は有無をいわさずとり立てられるため、中小企業や商店の倒産や廃業は一気に進み、失業問題はより深刻になると語られている。

 法人税減税庶民に転嫁 輸出企業に恩恵

 消費税は、第1に、法人税減税による税収減を消費税の税率引き上げによってまかなおうとするものである。2003年の「奥田ビジョン」にはじまって、日本経団連は消費税率の引き上げと法人税減税をセットで求める提言をくり返してきた。
 事実、1989年の消費税導入時に法人税率は42%であったが、99年までのその後の10年間で12%も引き下げられた。法人3税(法人税、法人事業税、法人住民税)の1989年から2010年までの減収額の累計は約208兆円。一方、同時期に国民からしぼりとった消費税額の累計は約224兆円にのぼった。「消費税はすべて社会保障のために使う」など大嘘で、大企業が税負担を庶民に転嫁するものにほかならない。
 同時に日本に消費増税を要求しているのは、アメリカが牛耳るIMF(国際通貨基金)である。昨年1月には「2015年までに消費税率を10%に引き上げる」という日本政府の方針が「不十分」と注文をつけ、「一五%まで引き上げよ」と要求した。
 このIMFに指示されて、政府やメディアが「日本の財政赤字は世界一で、消費増税をしないと金利が上がり、国債が暴落する」と騒ぐ。だが、日本政府はそのIMFに、リーマンショック後の2009年には10兆円を拠出し、昨年は「欧州危機を防ぐ」といって5兆円を拠出した。それだけでなく500〜600兆円ともいわれるアメリカ国債を買い支え、経済危機にあえぐ米国財政にプレゼントしている。消費増税をすればするほどアメリカが巻き上げていく関係である。
 消費税はまた、輸出については他国から消費税はとれないという理由で、輸出するたびにそれに対応した消費税額が還付される輸出戻し税制度がある。そのために輸出大企業は消費税率が上がれば上がるほど還付金額が大きくなる。
 それは事実上の輸出補助金であり、工場の海外移転を促す要因の一つとなっている。輸出戻し税は、外資系の輸出企業にも分け隔てなく恩恵を与えている。
 たとえばトヨタは、2010年度には2246億円もの還付金を受けている。そのほかソニー、ホンダ、日産、キヤノン、マツダ、パナソニックなどが年間1000億円以上かそれに近い還付金を受けている。増税によって庶民生活がますます苦しくなるなかで、大企業だけボロもうけしていく仕組みになっている。
 消費税はさらに、派遣など非正規雇用を大量に雇っている大企業にとって、税率が上がれば上がるほどメリットをもたらす。
 消費税の納税義務者は、売上高に五%をかけた額をそのまま納めているわけではなく、そこから仕入れのために支払った消費税額を差し引いた金額を納めている(仕入れ税額控除)。この場合、正社員の「給与」は直接雇用で控除の対象にならないが、派遣や請負などとして別の事業者に外注する形をとれば仕入れ資材と同じ「モノ」として控除対象になり、大幅な節税が可能になる。それが非正規雇用の拡大にも拍車をかけている。
 つまり消費税とは、社会全体で生み出した富を勤労生産者からとりあげて、アメリカや日本の独占大企業に集中させていくシステムにほかならない。

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