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大増税し米軍再編に1兆円
米国の都合による軍事戦略
               売国生極まる戦争政治     2005年11月10日付
 
 小泉政府は「聖域なき構造改革」などと絶叫して国民が食っていけないばかりか生きていけないような施策を強行している。その一方で、「米軍再編」費用をすべて日本政府が負担することを約束している。米軍再編は日本の都合ではなくアメリカの世界戦略に日本を縛りつけるためのものであるが、まるでありがたいことであるかのような態度で、1兆円をこえるような血税を投入しようとしている。アメリカの国益のための戦争に金を出し国民の命も差し出すという度はずれた売国ぶりをさらけ出している。この戦時動員政治は、日本国民を貧乏にし押さえつけることが重要な内容となっている。戦争を押しとどめる要求は、生活を守り、民主主義を守る要求を基礎にしている。

 特別予算も準備 07年度にも「米軍再編枠」
 「在日米軍再編」の中間報告で、大野前防衛庁長官は「讃岐うどんの粘り腰でがんばった」などといって、在沖米海兵隊6000人とその家族のグアム移転の費用を負担すると約束した。日本からの移転費はもちろん、移転先のグアムに新設する軍事施設費まで負担するというもの。
 アメリカ側は「米軍が単独でおこなうと20年かかる。日本が支援してくれれば6年で完了」とのべ「30億〜35億j(約3300億〜3800億円)以上必要」と要求した。移転目的は「沖縄が攻撃を受けることを想定し米軍司令部や家族だけグアムへ避難させる」というもので、「負担軽減」どころか沖縄を焦土にするために約5000億円規模もの血税をつぎこもうというのである。
 沖縄の普天間基地代替施設建設と称する辺野古崎では、陸上と海上を埋め立て、1800bの滑走路と駐機場や格納庫、さらに普天間にない港湾機能をも備えた、基地機能の強化である。これには1000億円以上つぎこむことを約束した。
 普天間基地機能の移設では、KC130空中給油機12機と米海兵隊員300人を海自鹿屋基地に移設し、嘉手納基地のF15戦斗機訓練は5空自基地(築城、新田原、百里、小松、千歳)に移転する。どこも米軍の家族住宅、格納庫などの施設建設をともなう。そのほかに、那覇軍港や浦添補給地区などの統合移転、キャンプ・ハンセン内の実弾射撃訓練場の移転新設などがあり、沖縄関連で数千億円規模になるのは必至である。
 厚木基地移転計画が動く、米軍岩国基地(99年現在=海兵隊員2700人、家族1900人)は、先行して大増強が進行中。08年に完成する沖合拡張工事は2000b級の大滑走路2本体制にし水深13b級の空母接岸可能な軍港も建設。その建設費総額は2400億円となっている。
 厚木海軍部隊の米兵1600人(家族ふくめて4000人規模)が移転し、E2C早期警戒機四機の夜間着艦訓練(NLP)が移転。そして厚木から移転する米兵住宅のために、二井県政が約850億円投入してすすめた愛宕山開発(住宅1500戸、約5000人分)の宅地をあてる。厚木基地の374棟にのぼる建物を岩国基地に新築し、米軍家族住宅を整備する費用は1000億円以上となる。
 横須賀では原子力空母の配備にむけて129億円を投入し、来年3月に完成予定で岸壁延長工事(来年3月完成予定)をしてきた。原子力空母配備を発表したことで、さらに原子炉関連施設整備のため数千億円がつぎこまれる。
 これに「米陸軍第1軍団司令部をキャンプ座間(神奈川)に移転して陸自中央即応集団司令部と一体化」「米軍横田基地への空自航空総隊司令部を移転」なども加わる。
 これら「米軍再編」費には1兆数千億円もの血税を貢ぐことになる。07年度にも「米軍再編枠」という特別予算を組む準備に入っている。
 
 年間で2000億円超 在日米軍費用まで負担
 「米軍再編」以外に毎年つぎこまれているのが「思いやり予算」などというふざけた名をつけた在日米軍駐留経費負担である。1978年からふえつづけ04年には2441億円。05年は2387億円が計上された。それとは別に沖縄関連のSACO(日米特別行動委員会)経費263億円(05年度)もある。
 04年に投入された詳細を見ると、米軍基地の水光熱費(ガス、上水道、軽油、灯油、プロパンなど)で258億円。米軍基地内の施設整備費に749億円。夜間着艦訓練(NLP)など在日米軍の訓練移転費に4億円。駐留軍労働者の労務費1134億円と基地労働者の社会保険料負担296億円など日本負担である。
 同年の基地別で見ると、横須賀基地(神奈川)は原子力空母用岸壁建設などで79億円。三沢基地(青森)は米軍が建設を要求した第2滑走路建設(3000b)の調査などで81億円。厚木基地(神奈川)は整備用格納庫の建てかえなどで11億円。佐世保基地(長崎)では艦船部品工場拡張工事に13億円、などがある。
 このほか米兵の家族住宅798戸で、1戸当り5351万円というほとんどの日本人が真似できない豪華住宅である。そのほかにアスレチック・ジム、野球場、プール、消防署、小学校、中学校、独身下士官宿舎、郵便局、歯科診療所などの建設や調査費などがある。そういうあつかいをするから米兵が横柄な犯罪をして国民が迷惑する関係となっている。
 厚木基地の空母艦載機が硫黄島でおこなうNLP費用は16機が年に3回訓練するだけで7000万円計上。硫黄島で使う電気代(743万円)、廃油処理費(124万円)、給食費(2394万円)、電話代(62万円)まで負担。給食費は1食当り2157円で、これも超豪華食事である。
 労務費では基地労働者の給与だけでなく各種手当、健康診断費、永年勤続表彰費(1000万円)のほか、米軍が貸す制服費(3億円)も入っている。米軍が貸す制服の品目は99品目で、ピストルベルト、警棒つり、蝶ネクタイ、タキシード、ネクタイピン、コック用帽子など、ありとあらゆるものが日本側負担なのである。

 自衛隊基地経費にも2600億円
 さらに大きいのは米軍との一体化がすすむ自衛隊基地の周辺の騒音防止工事などにあてられる「基地周辺対策経費」や「施設の借料、補償経費」である。この合計額は昨年度が2665億円で、今年度が2607億円。「思いやり予算」と自衛隊の基地経費をあわせた基地対策推進費は昨年度実績で5107億円にもなる。
 そのほか「イラク人道復興支援活動への対応」で281億円(04年、05年度予算の合計)。インド洋での無償給油支援も油代だけで161億円(01年12月から今年8月までで約41万`g)などである。
 これらの実態は、米軍が日本を守るためにいるのではなく、日本が世界中で戦争をやる米軍を守っている関係を示している。

 国内は増税に拍車 消費税増税やサラリーマン増税
 日本政府はドル暴落を食い止めるためにドルを買い支え、財政危機にあるアメリカの国債を買いこんで、アメリカ財政を支えている。日本の金をアメリカに流して、国内には回らなくしている。アメリカがアフガンやイラクで戦争をはじめれば金を出し、米軍再編といえば1兆円をこえる血税を出す。小泉政府は、あらゆる医療や教育、福祉などの社会的な支出を削減して生活を困難にし、そしてサラリーマン増税から消費税引き上げなどの大増税をやろうとしている。国民生活を破壊することによって、米軍の戦争に日本を縛りつけようとしているのである。
 国と地方の税財政改革(三位一体改革)では、4兆円の補助金をやめ、3兆円しか地方へ回さない税源移譲をとなえ、補助金カットをすすめている。先月には義務教育費国庫負担の中学分8500億円を廃止することを政府方針として決めた。さらに生活保護(生活扶助、住宅扶助、医療扶助、介護扶助)と児童扶養手当で9180億円を削る案まで出している。
 税制改革は増税と減税対策切り捨てが柱である。「サラリーマン増税」といわれる定率減税廃止に踏み切ろうとしている。定率減税は納税額にたいし、所得税の20%、住民税の15%を減税する措置。1世帯当り、所得税で年25万円、住民税で年4万円を上限に軽減。年収700万円(夫婦子ども2人)の世帯で年8万2000円減税、年収500万円(夫婦子ども2人)の世帯で年3万5000円減税。減税総額は年3・3兆円だった。
 これを「景気は回復した」といって昨年12月、06年1月から所得税分、6月から住民税分の減税幅を半減することを決定し、07年から全廃しようとしている。年収が1300万円(夫婦子ども2人)をこすと減税額が上限の29万円となり、高所得者は優遇される制度である。加えて「公的年金控除」や「扶養者控除」の半減もうち出した。
 このなかで谷垣財務相は消費税増税法案を07年に国会へ提出すると表明した。増税幅は最低12%で近い将来18%という方向。手取り15万円の労働者で見れば毎月1万8000円(12%の場合)が消費税で飛ぶことになる。酒税は税金の高いビール(350_g当り税78円)や発泡酒(同税47円)をさけ「第3のビール(同税28〜24円)」を買う客をターゲットに増税を狙う。2006年度には電気やガソリンを対象にした環境税を導入し、年間3700億円(1世帯当り年間2100円)の税徴収もたくらんでいる。

 大企業には法人税引き下げて優遇
 主要3税といわれるのは所得税、法人税、消費税だが、89年の「抜本的税制改革」で3%の消費税を創設する一方で所得・法人税を減税した。94年には所得税の先行減税をやり、97年に消費税を5%にした。98年には所得税特別減税と法人税率を引き下げ、99年には「恒久的減税」と称して法人税率と最高税率を引き下げてきた。
 大企業はさんざんなリストラ、ピンハネ商法で史上空前の高収益をあげている。この法人税は何分の一かに減税している。消費税でも、輸出企業には適用しないといって、トヨタなどは1000億円以上も消費税の返還がやられるほどである。
 戦後60年、日本の植民地ぶりは度はずれたものとなっている。アメリカは戦争で原爆を投げつけ、沖縄戦で大殺戮(りく)をし、空襲で焼き払い、そして日本を軍事占領し、かれらの都合のいいように日本の制度を変えた。ひとにぎりの独占資本集団の反米の牙をぬいて、目下の同盟者にして育成するものであった。米ソ二極構造が崩壊した近年、またもアメリカの都合がいいように日本を「改革」している。それは日本の歴史も文化も破壊し、金利稼ぎのヤクザのような連中が権力を振り回して暴利をむさぼるようなデタラメ社会である。そのアメリカ支配の根幹が在日米軍という軍事力である。
 米軍再編、日本の自衛隊の傭兵動員、日本全土の戦時動員体制は、中国、朝鮮などアジア各国を敵とするものであるが、なによりも日本人民をさんざんに搾取し抑圧・弾圧することが重要な内容である。

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