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ホームレス労働が標準に
下関・江島市長の雇用政策
              大企業の下請ピンハネが最大  2005年1月29日付

下関市では労働者の失業や半失業状態が広がっている。建設労働者には仕事がない。あっても半月出ればいい方で、家族をまかなうことができない。家族を養わないわけにはいかないから、仕事が終わったあと代行タクシーや製造現場で深夜労働をして、メドのない健康破壊の道をすすまざるをえない。江島市長は、「自由競争」「効率化」が地元業者への殺し文句で、北九州などの業者を導入している。北九州から来る労働者は、保険もかけないホームレスをつのっているところもあるといわれているが、江島市長は下関の労働者をホームレスの生活を標準にしているのである。この「自由競争」は、中小関係だけの話で、神戸製鋼所や三菱重工などの大企業は官製談合であり、実際の仕事はまるまる下請に出しピンハネだけをやっている。江島市長自身の利権のうわさが絶えたことはない。働くものが生活に困り、働かないピンハネ族が大きな顔をしている。市内の労働者、失業者は、大企業の利権とピンハネのよる暴利をもたらす、江島市長のダンピング政策を改めさせる行動を求めている。

  犯罪的なダンピング入札 行動求める建設労働者
 土木作業員のSさんは働きざかりの40代だが、いまは妻や子どもとも離れて実家に身を寄せている。もとはアルミサッシが専門の会社で働いていたが、大手住宅メーカーの進出で仕事がなくなり、会社倒産とともに路頭にほうり出された。下請会社のアルバイトで働くようになったが、明日の仕事さえ保証がない身分であり、会社からかかる電話が命綱で、連絡がなければ翌日は失業となる。
 先月は仕事に出られたのは15日間で、手取りは15万円だった。「半月出ればまだいい方。1カ月で5日しかないこともある」とSさんはいらだつが、働きたくても仕事がない。どだい家族どころか自分1人さえ、食べることができない賃金なのである。
 30代のYさんは、ユンボやクレーンのオペレーターだが、1年間失業している。7年間勤めていた建設会社は、賃金が3割強カットされたことがきっかけでやめた。職安の紹介で、2回ほど別の会社で働いてみたものの、求人票に出ていた条件と違い、休日や日曜もなく現場に出なければならず体がもたなかった。
 最近、面接に行った採石場も、臨時要員1人にたいして5人も先着がおり、Yさんは経験が少ないということでふるい落とされた。建設会社も2〜3社あたってみたが、担当者にさえとりついでもらえなかった。先月で失業保険も切れた。家にいれば母親から「まだ決まらんかね」といわれ、まるで針のむしろに座っているようで、精神的にもまいっている。
 高校を卒業して中小建設会社に入ったKくんは「ボーナスもなくなった。賃金も下がる一方で、日給1万円を切った。月15日しか仕事がなければ、もうやっていけない。このままではどうにもならない」と、先行きの不安をのべる。
 「別の会社で働いている友だちは日給5000円で、ダンプに乗っている友だちは日給1万円だけど、なかなか仕事が回ってこないといっていた」「会社も下請の仕事をとってきても、もうけが出ないギリギリのものばかり。大手はびっくりするぐらいで仕事をとっているのに、下請や孫請にはどうして回ってこないのだろうか」と疑問をのべる。現場管理の若手は、朝八時に出勤してから工事現場にむかい、夕方に会社にもどってから役所に提出する資料づくりを、夜の10〜12時まで連日おこなっている人もいるという。  

 電子入札後に拍車 中小企業を締め上げる
 以上のような建設労働者の実態は、2002年4月に市発注公共事業に電子入札が導入され、ダンピング競争とともに急速に広がった。熟練した大工1人が1日1万7000円前後だったが、半値の1万円まで下がっている。左官も日給で2万5000円だったが、いまは社会保険や退職金がない1人親方で、1万7000円前後まで落ちた。土木作業員は同1万5000円前後だったが、1万円以下はあたりまえで日給5000円というところもある。勤めていた会社からはリストラ「合理化」されて、社会保険や各種保険はなく、ケガでもすればだれも面倒をみてくれない。
 へたをすればホームレスになるか、もうすでになっているという人もいるほど、せっぱつまった状態に追いこまれている。
 1万2500人以上いる建設労働者の9割以上が、下関市内にある1000社以上の中小建設会社に勤めている。どこの会社もがけっぷちの経営となっているのは、公共事業の市発注件数が半分近くまで激減しているうえに、行政の旗振りで底なしダンピング競争がやられているからである。2004年4月から導入された最低制限価格撤廃で、数百万円から数千万円規模のガケ工事や道路整備といった工事や、小・中学校の耐震工事やカベ補修工事などで、ダンピング競争が激化して落札率が54%というものも出てきた。なかには70数社が参加した入札もあり、平均落札率が70%台にまで落ちこんだ。
 ある建設業者は、「予定価格1000万円の工事を700万円で落札したとすると、カットできないものは材料代や保険料、税金…。そうすれば人件費を削らざるをえない。社会保険もない、失業保険もかけていない日雇い労働者がふえているのはそのためだ。安定した職場でなければ、よい仕事はできないことは常識だ。しかしその日を食べていけるだけの給料しかない、家族も離散していないという労働者がこれだけふえれば、まともに雇っていては会社がつぶれてしまうという危機感にかられている」とのべる。中小の経営者が行きづまったら悲惨なもので、個人保証をしている家屋や財産を身ぐるみ引きはがされるか、生命保険でつぐなおうと自殺するケースもあとをたたない。
 そして江島市長がふやしてきたのは大型公共事業であった。すでに約500億円注ぎこまれた沖合人工島をはじめ、新水族館、新唐戸市場、市場駐車場、奥山工場ゴミ焼却炉、リサイクルプラザ、駅前人工地盤の延長、下水処理施設など、この五年間だけで約1000億円近くにのぼる。神戸製鋼所や三菱重工、西松建設など一部のゼネコンが、独占的に受注してきた。
 神戸製鋼所などが落札した数十億〜百数十億円規模の大型公共事業は、ほとんどが落札率が100〜95%と、予定価格いっぱいで受注された官制談合である。しかも神鋼は自分ではつくれず、下請にやらせた。奥山工場やリサイクルプラザで、神戸製鋼所や西松建設が孫請として引っぱってきたのは、九州地方の社会保険、失業保険もない日雇い労働者がたくさんいた。神鋼などは安い賃金と高い落札率で、法外なピンハネをしたことになる。
 江島市長のダンピング政策は、北九州のホームレス、準ホームレスを標準にして、市内の労働者の雇用政策をとっているわけである。そして、それこそが規制緩和・自由化の先頭を走り、小泉政府、さらにはブッシュ政府に認められるなら夢心地になるというものである。「市民を不幸にすることが自分の幸せ」という最悪の市長だという世論が広がっている。
 ホームレス労働というなら、タクシー運転手も車の中で弁当をかじり、睡眠をして走り回り、トラック労働者も車が寝室になっている。学校新卒者も仕事がなく、労働者のつぎの世代を給食費も払えない状態にし、年寄りも養えない状態におくのは、権力を握ったピンハネ連中のしわざであるが、そういう社会は本末転倒であり、つぶれかかっているという以外にない。
 市長選挙は、江島市長の大企業利権とダンピング入札をやめさせ、労働者生活を保障させる要求と結びつけ、行動にすることが求められている。

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