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江島市長を取り調べよ
下関し尿処理施設談合問題
              植民地的略奪が根本   2006年5月26日付

 汚泥・し尿処理施設建設などを巡る談合事件で、大手メーカーのクボタ(大阪市)の営業部長ら7社の部長級担当者が、独占禁止法違反容疑で逮捕されたことが下関では大きな注目を受けている。公正取引委員会は不当な取引制限をしたとして、メーカーを強制調査中であるが、下関市で露呈したのは官製談合であり、業者の問題だけではだれも納得しない。下関の業者はみんな腹の中で憤っているが、公然と口にしないのは、「総理候補」と騒がれている安倍事務所が怖いからというのもはっきりしている事実である。下関では、地元業者排除が露骨にやられ大手メーカーがらみで不要不急の大型事業が食いものにされる一方で、市民は働く場も食える賃金もなく、負担ばかりが増える一方である。「江島市長が逮捕されなければおかしい」という市民の声は強い。し尿処理施設に象徴される下関市政の官製談合に、司法当局のメスが入らないというのでは、日本は無法国家になったという市民の世論が沸騰している。

  安倍官房長官の責任を問う声も
 下関市の官製談合にかかわったクボタで、逮捕者が出て実態暴露がされ始めたことに、建設業界のなかで「やりたい放題をしたのだから当り前」という実感とともに、「江島市長や疋田善丸・私設秘書が主導してきた官製談合にメスを入れないままでは、悪を隠すことにしかならない」と語られている。公共事業にかかわる地元業者は、「疋田氏にわたるリベートが、3%から10%近くまではね上がって、メーカーの水増し設計にもつながったとも聞く。孫請けの下の地元業者は、半値八掛けで働いて赤字覚悟。莫大な税金をだれが抜きとっているのか、安倍官房長官の責任も大きいし、市議会も警察も税務署も目をつむったままではないか」と憤りをぶつける。
 一方でダンピング政策で地元業者は倒産があいついでおり、べつの経営者は「このままでは市財政はパンクするし、地元業者はつぶれて働くところはなくなる。し尿処理施設も社会教育複合施設も、あるかぽーと開発にしろ大型公共事業の多くは、安倍事務所と江島市長の息のかかったパシフィックコンサルタンツがアドバイザリーでかかわってきた。過大見積もりをして大手に落札させてきた。同社は海外のODAで不正流用がばれて指名停止となったが、下関まで開発国なみに食い荒らしている」と怒りを語っている。
 彦島福浦町に建設中の同施設は、旧市内にある浄化槽および汲みとり式便所の2万数千世帯から収集される汚泥など、年間7万数千`gを処理するもの。収集された汚泥等から異物をとり除き、希釈したうえで公共下水に流しこむという簡単な施設で、終末処理場の水処理のような高度技術はいらない。また旧市内の下水道普及率は10年後に97%になるとされており、収集されるし尿、汚泥は全体量が4分の1に減るため、新設しても大部分は使われなくなることが明らかなものである。

  最初60億円と発表 追及され半額に
 江島市政はこの計画を当初、PFI事業で一括発注し、巨費をかけて一社に長期運営させようとした。それは計画段階でとん挫。次には04年12月市議会で、建設費だけで60億円以上かかると発表。小・中学校の老朽化した校舎なら、10棟前後はやり変えられる金額だが、市議会ではまともな審議もないまま市当局のいうがままに可決寸前だった。
 これをひっくり返したのは計画をマスコミ発表で初めて知った建設予定地の住民で、東大和町の自治会や水産・食品加工の関係者が立ち上がって頓挫させた。江島市政はコンサルタント料1700万円をドブに捨てたと同じなのに、次の基本計画策定もパシフィック・コンサルタンツに1450万円で委託。05年3月、新たに42億円の建設計画を出した。
 当初の60数億円から下がったのは、公共下水につなぐことで、水処理施設がいらなくなったためとしている。ところが1日198`gを処理する下関市と同規模の鹿児島市の施設と比べて2倍以上高いことが判明。不必要な施設どころか、巨額な水増し設計であった。市民世論の盛り上がりに慌てた市当局は、昨年7月1日に告示した入札参加条件で、予定価格は約30億円に下げたが、それでも鹿児島市の一・五倍は高かった。
 さらに大手メーカーの三機工業が、見積もりを出したが排除されたことに反発して、「20億円前後でもできる」と発表したことで、水増し設計は隠しおおせないものとなった。それだけにとどまらず、疋田善丸氏が本社に会いにきたことや、山村助役の話として「上がウンといわない」と江島市長が入札排除していることが暴露された。江島市政は、同施設とは関係のない水処理施設を含めた施工・引渡実績を求めて、全国でも類のない入札条件をつけた。同社を排除して、クボタを含めて4グループだけで入札した。
 同年7月末には入札が開札され、談合情報どおりのクボタグループ(4JV・共同企業体)が、26億8000万円で落札して、91・3%の高い落札率となった。同8月には就任してわずか1カ月だった安光和明・環境部長(57歳)が、「こういうやばいことには関われない」と辞表を江島市長に出した。

  業者選定にも疑惑 まるで植民地状態
 江島市政はコンサルタント業務を、パシフィックコンサルタンツ(東京都多摩市)一社ばかりに集中委託してきた。パシフィック社はODA(政府開発援助)事業の最大手で、下関市政には江島市政登場とともにかかわりを深くした。総事業費155億円の社会教育複合施設もパシフィック社がアドバイザリーを1000万円で委託。あるかぽーと開発、立体駐車場などの公募で江島市長とともに疑惑の業者選定をくり返してきた。
 同社はODAと合わせてJICA(国際協力機構)、JBIC(国際協力銀行)事業などで2003年度が89件120億円を受注したほか、5年間の合計で503件927億円を受注したODAの国内最大手。
 昨年パシフィック社は、中南米のコスタリカ、グアテマラ、エクアドル、内戦後のボスニア・ヘルツェゴビナでのODA事業で、水増しや流用などによる不正をおこなったことがばれて、計5件の約3330万円について返還を求められた。政府等も18カ月の指名停止にせざるを得なかった。また米軍基地移転の候補先になった、沖縄県辺野古沖の海底ボーリング調査を請け負うなど、米軍がらみとしても有力とされる。イラク戦争で暴利をむさぼっているチェイニー副大統領かかわりのハリバートン社の真似もしている模様である。
 ODA事業というのは、開発途上国に道路や港湾、発電所やダム、鉄道などを援助するなどというものだが、現地の要望から出たものではなく役に立たないものばかりであったり、現地住民の生活を圧迫するものとして問題になったいきさつがある。その実態は、日本のコンサルタント企業などが開発途上国を物色し、発電所やダムなどの計画を立案。それを現地国の高官などに持ち込んでその国の計画にし、日本政府にODA援助を申請させる。日本政府がそれを受けて対応する企業が受注する。金は現地にには流れずに日本の中だけで動き、現地政府が借金として長期に支払うなどの問題が指摘されていた。
 その過程で、現地の高官に賄賂がわたり、日本の政治家が抜くということも指摘されてきた。女房が高給靴を何百足もため込むなどぜいたくをきわめつつ独裁政治をやり、フィリピンを追い出されたマルコス元大統領などはその典型的人物と見られてきた。
 下関の現状はそれとそっくりだといわれている。市民の役には立たない施設を高い値段でつくらされて食いものにされており、下関は開発途上国と同じ、植民地状態におかれて略奪政治にさらされていると語られている。江島市長などはさしずめマルコス型の植民地かいらい市政ではないかとも語られている。下関市政の大型事業は、安倍代議士の出身企業神戸製鋼に「実績を問わない」という基準で、むりやりやらせた奥山焼却場なども、高額の予算を食ううえに故障ばかり多いといわれるしろもの。神戸製鋼のリサイクル施設も同じといわれる。
 安倍晋三氏の父親であった安倍晋太郎氏が外務大臣でODAかかわりが大きかったことは周知の事実である。祖父の岸信介元首相も、韓国、台湾などの戦後賠償にともなう援助がらみで疑惑を呼んだことも周知の事実である。ちなみに江島市長の経歴も、海外プラント企業の出身で、ODA事業と無関係ではない。下関を開発途上国のような植民地略奪の対象にされたのではとんでもないことである。
 小泉政府の官房長官安倍氏の代理市政では、業者の談合を排除して、電子入札、競争入札を全国に先駆けて導入した結果、地元業者はダンピングで倒産の連続、変わりに登場したのは競争の廃止、PFI事業のような「究極の官製談合」であった。

  市議会等の対応に注目
 今回の汚泥施設談合の摘発が、下関のように業者の談合をなくして、政治家主導の官製談合にかえるものであるのかどうか、司法当局の動きを監視すべきものとなっている。下関の官製談合にメスを入れるかどうか注目されている。警察、検察とともに、議会など、どうこの問題に対応するか注目される。
 もっとも大事なことは、下関がODA利権を略奪するような市政が横行し、市民生活を食いものにしていることにたいして、市民の世論を強めることである。下関市民のなかでは、市民が食べられない市政をつづけさせてはならず、ましてやこの状態を全国に広げてはいけないという世論が、安倍官房長官がポスト小泉として名乗りを上げたのと反比例するように、ほうはいとしてまき起こっている。まずは疑惑だらけの江島市長をはじめ小浜議長などしっかりとり調べをして、官製談合の仕かけを解明することを求める世論が高まっている。

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