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江島当選図る自民党の陰謀
下関市長選・現職との対立なくす狙い
               市民の批判が決定的な力     2005年2月5日付

 下関市と豊浦郡の合併にともなう下関市長選挙は、3月27日に投開票されるが、一見混沌とした状況がつくられている。江島市長と中尾友昭氏、松原守氏の三つどもえとなっているが、現職・江島市長への批判は吹き上がっているのに、その批判の票をどこへもっていっていいかわからないとの世論がおきている。なぜそうなっているのか、市民はどのようにすればよいのか、多くの意見を求めながら考えてみた。
   
 安倍事務所にこび売る候補予定者
 選挙戦は、江島市長だけでなく中尾県議、松原県議の3候補予定者が、そろいもそろって自民党推薦願いを出したことから、1市4町の住民のなかにいっきにしらけムードが広がることとなった。「江島市長は落としたい。だけど選択肢がない」「県議2人とも“かわりにぼくを選んで”と安倍事務所にすり寄っている。草の根はまたも利用され、第2の江島が生まれるだけではないか」と、やり場のない怒りが起こった。
 3候補からの推薦願を検討してきた、自民党5支部の「特別選挙対策委」(委員長・友田有県議)は1日、それまで強引に役員のみで決めるといってきたのが、一転して「17日に党員投票により選ぶ」と発表した。中尾氏と松原氏は、「平等にあつかってもらい感謝」「思いを伝えたい」と手放しの喜びようであるが、「下関の選挙は安倍事務所しだい」という様相を強め、市民の方からは選挙戦がますます市民の手から離れて、空中戦の方向にすすむこととなった。
 安倍晋三幹事長代理は、実弟の岸氏の参議院選挙で、公明党の支持がなければ落選という危機感を味わい、中央ではNHKへの報道圧力問題や、北海道の巨大墓地利権などを騒がれている。そのうえに、選挙区の地元で江島市政倒壊により、腐れ縁関係が表沙汰にでもなったらたいへんなことになるという関係にある。
 安倍氏は当初から「現職支持」の空気を流してきた。実際の腐れ縁の関係からしても、江島市政が崩壊することは、安倍支配の痛手になる関係である。しかし日がたつごとに江島市長にたいする批判が強いことが明らかとなるばかりで、年末には「支部に任せる」と友田県議に代弁させる形をとった。「江島推薦でそのつぎは友田」という話も流れて、自民党内からも反発が大きくなった。公開討論会をやるといったものの騒ぎは収まらず、一転して党員投票となった。
 このような様相になったのは、第一に市民の江島批判が猛烈に強いという事実に突き動かされたものといえる。同時にこれは、一見すれば江島氏独走へのブレーキのように見えるが、実際には選挙を市民主導から自民党安倍事務所の手のひらのなかにおさめ、中尾、松原両氏を自爆に追いこむ自民党上層の高等戦術と見ることができる。
   
 市民しらけさせ超低空当選狙う手口
 市民のなかでは、中尾、松原両氏がすばらしい人物で、立派な市長になるという期待はほとんどない。第一どんな人間かよくわからないのである。市民のなかで共通した世論は、江島現職の3期10年のごう慢きわまりない反市民市政にたいする怒りであり、なんとしてでも落とさなければならないというものである。そのなかで、中尾、松原両氏が、選挙戦もたけなわとなる時期に、市民の方に目をむけるのでなく、自民党安倍事務所に運命をゆだねる方向を強めるというのでは、安倍カイライ市長である江島現職と対抗することにならない。そうすれば市民はしらけてしまい、票の持って行きどころはなくなって、超低調選挙となり、現職の超低空当選の芽が出てくるという結果にならざるをえない。
 市民が目にしている状況は、政治および政党の不節操もきわまっているという現実である。松原氏は連合・三菱労組の出身であり、自民党とは違った民主党の大幹部という看板をかついでいる。この松原氏が自民党に推薦をこい願うというところに、「自民党でも民主党でも、政治信条なんてどうでもよい」「ボクの得になること」を信条にしていると受けとられてもしかたがない。
 もっとも、三菱、神鋼、サンデンなどの連合下関は、民主党かどうかはどうでもよく、選挙のときには安倍与党となり、江島市長とも腐れ縁を結んできた。だから下関では民主党というのはどこにいるかわからない存在となっている。ぜんぜん対立してきていないのである。そして江島市長の巨大利権は、これらの企業が独占的にせしめてきた。
 中尾氏も、江島批判のために出るのだというふれこみで登場した。その期待で、草の根型の支援者もあらわれて動きをはじめてきた。それならいさぎよく、自民党などに連綿とせずに、江島対決を鮮明にすれば市民も目をむけるものを、市民をほったらかして自民党内の党員投票に運命を託すようでは、「ボクの出世」だけが関心で、反江島はポーズだけで、市民を利用するだけだと見られてもしかたがない。
 さらに、自民党も自民党であり、民主党の松原氏や、先の参院選で民主党候補の応援をした中尾氏を推薦候補にするというのも、政治的な節操がないといわざるをえない。江島市長が嫌われたら、いっしょに心中するのがスジである。安倍氏も、自民党の政治信条よりも、自分に傷がつかずに、下関支配の安泰という「ボクの得」だけが関心の、程度の悪い政治家だと見られてもしかたがない。
 江島市長が最初に登場したのも、反自民の勢力を代表するというふれこみでその票を集め、最後には安倍事務所が公然現職・亀田支持をくつがえして江島支持の旗色をハッキリさせ、江島氏は反自民と自民支持の両方から票を集めて市長のイスをとるという、古い人間は考えのつかない芸当をやった。安倍事務所はいつも勝ち馬に乗るというのが下関の常識である。中尾、松原氏がそのような江島氏の初当選のやり方を真似るというのでは、2度目となる現職批判の市民をだますことは困難である。
   
 江島市政維持構造と市民の力の対決
 こうして、中尾氏、松原氏はいったいなにを考えているのか、自爆することがわからぬバカなのか、それを承知のインチキ芝居なのか、という疑問が起こらざるをえない。ここは、自民党安倍・江島体制にこびを売り、踊らされる愚かさ、ないしは狡猾(こうかつ)さを転換し、ひたすら市民のために、市民の声を聞き、市民の要求実現のために粉骨砕身する姿勢を鮮明にしてのぞむかどうかが、かれらの運命を決することになる。
 下関の選挙は、こうして毎度のごとく、安倍事務所の選挙マジックと市民との対決となっている。
 市民はどう対応すればよいか。第1は、理念のうえだけでなく実際に、選挙は候補者がすべてを支配できるものではないし、かぎられた候補者の人気投票ではないという現実である。下関の選挙においては、自民党安倍事務所が中心になって、自民党につぶされている自民党員をしめつけるだけではなく、連合下関や公明党をも動員し、対抗者には謀略的な攻撃も仕かけ、警察も対抗者だけににらみをきかせてきた。権力、金力が総動員されて、対抗者は抹殺され、市民の要求は踏みにじられてきた。その構造が、戦後史のなかでもまれに見る「市民のいうことに聞く耳のない」江島腐敗市政を維持させてきたのである。この選挙を支配する構造に苦しめられてきたのは市民であり、この構造をうち破る力も市民のなかにある。
 現在、現職批判の格好をしながら、江島市政維持構造にゴマをする2候補のいい加減な姿勢にたいしては、この選挙過程において、断固とした市民の批判を加えて、市民のいうことに従うようにさせる必要がある。それを拒絶するなら、かれらはまったく哀れな結末にしかならないだけである。
 選挙は、江島批判にたいして、2人が名のりをあげ、批判票を2分する形となっている。しかし市民の側が、江島氏の得票を全投票数の3分の1にすれば、落選させることになる。加えて、中尾、松原氏の姿勢については、市民の追及を強め、その態度いかんで選別をしていくことが必要となっている。
 選挙マジックもふくめた江島市政維持構造をうち破り、現職打倒の市民の力を結集するならば、市民の江島批判による棚ぼた当選となる次期市長を縛りつけて市民のいうことを聞かせる力にすることができる。決定的なことは、市民の力の結集、名実ともに市民の主権の行使である。

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