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江島市長打倒の対抗馬出す力
              下関 市長選前に市民運動活発化    2008年11月21日付

 下関市では衆議院選挙とともに、来年3月15日に控える市長選の行方が、市民の大きな関心事になっている。しかし安倍代理・江島市長打倒の機運はかつてなく熱気に満ちているのに確かな対抗馬はまだ見えないという様相となっている。幾重にもつくられた出る釘は打たれる独裁支配の構造の中で、それを突き破る力として市民の世論と運動は、8万人をこえた満珠荘再開署名をはじめ、市役所新庁舎の建て替えに反対する署名、小中学校を3分の1にする統廃合計画の白紙撤回を求める署名などが、江島市長打倒の対抗馬を出そうという意志をふくめて進んでいる。市長選をめぐる情勢を見てみた。
 「箱物や、くだらない道楽をやめろ!」「下関を第2の夕張にするな!」「市民生活に予算を回せ」の要求が、市民のなかではうっ積している。新しい箱物事業が目白押しになっている一方で、「行財政の効率化」として教育・福祉分野の予算削減や施設切り捨てが相次ぎ、担当各課の年間予算は毎年10%削減が命題になっているからだ。
 老人休養ホーム・満珠荘を閉館にしようとしている問題が端的で、福祉行政に突っ込む経常経費の削減としてごり押しをはかってきた。存続を求める署名が8万3000人に近づくなど全市民的な要求として盛り上がっている。多世代交流施設にして民間委託する、すなわち老人福祉と切り離した民間企業の儲けの具にするのが江島市長の意向で、12月議会で何らかのごり押しをはかる気配も見え隠れしている。
 豊北町では維持費がもったいないとして、5つあった市立保育園を1つにまとめる。そのために全国的にも珍しい幼保一元化施設を新たに建設する事業をごり押しした。角島保育園の存続を求める父母らの運動が起きたが、地元の意向は無視して突っ走った。福祉分野では障害者の相談員にかかる経費も全国に先んじて削り取った。
 文科省キャリアが天下って進めている小中学校の統廃合も、全国で前例がない規模のものだ。いっきに3分の1を削減するというのだから、父母や地域をカンカンにさせている。これも教育をよくするという動機はまるでなく、教育予算を大幅に削減することしか眼中にない。箱物資金など経常資金を捻出することが最大の眼目になっている。
 経費削減では、最近配られた「暮らしのサービスガイド」もその1つ。大阪の業者が作成、印刷、配布までを一括して請負い、経費プラス利益をすべて広告収入でまかなう手法をとった。「官民協働事業」というネーミングで記者発表までしたこの事業によって、市財政からの支出は確かに削減されたが、企業や病院など税金を納めている地元企業が一枠で8万円とか、小さな飲食店でも5万円などを要求され、シワ寄せが市民に押し寄せることとなった。「江島市長にいわれて来ました」「広告を出してもらえない場合は、(お宅の病院は)掲載できません」と勧誘する者もいて、何かのタカリかと問い合わせする人まで出て騒ぎになっていた。税金の二重取りともいわれた。
 地元中小企業は地域経済の疲弊で受注量が減ったうえに電子入札・ダンピング競争に投げ込まれて食っていけない。企業経営者のなかでは、「土俵際で片足1本で耐えている状態」とか「首つりの準備はできている…」といった話がザラだ。50%台の落札率まで飛び出していたところ、10月からやっとルール変更になり、今度は採算ギリギリの75%ラインにみなが札を入れる、当たるも八卦の“おみくじ”方式に変わった。全国で2番目に導入した電子入札によって「入札残は年間50億円」を自慢するのが江島市政である。その分が翌年に市外大手などが受注する箱物予算などに回されてきた。
 中小零細商店は大型店の出店ラッシュの脅威にさらされている。現状でもオーバーストア状態であるが今後は、市の許認可事業として進められてきた川中・伊倉地区の区画整理にはイズミがショッピングモールを出店。その横には下関駅前店やコスパ店を廃止してベスト電器が新規出店を計画している。議会で否決されたにもかかわらず、あるかぽーと市有地にも複合商業施設を誘致する計画で、開発業者を決定した。新庁舎移転や果てしない市街地の食い潰しと連動して、学校統合やこれらの乱暴な「都市開発」が繰り広げられている。無規制というよりバブル的な誘致に舵を切っているのが特徴。しかし店ばかりできても、肝心な購買力は落ち込む一方である。
 全市内への影響が大きいのは、彦島の三井金属傘下のエム・シー・エスが来年3月までに派遣・期間工を400人首切りする計画を打ち出し、三菱重工その他の大企業も減産と称した首切りと労働者の放り投げを進めていることだ。三井化学傘下企業の富山移転も3年後といわれている。
 市街地の大手企業支店も山口市や北九州市への流出が止まらない。市民の生活基盤である雇用環境が様変わりしていくなか、下関の街がたいへんな事態に立ち至っている。ブッシュ・小泉・安倍に連なる新自由主義の最先端市政が、どこよりも早く構造改革路線に基づいた市政運営をやり、突っ走った結末である。

 公務日の約半分は旅行 市民の苦難尻目に
 そんな状況下にあって市政として力を注いでいるのが、もっぱら道楽やくだらない箱物、“遊び”ばかり。
 18日、シーモール内で「薩長土肥サミット」が開かれた。下関市が主催して、鹿児島市、佐賀市、高知市から市長や副市長を呼んで、明治維新140周年を顕彰するというものだ。居合わせた市民や動員された市職員たちは、袴を着て登場した江島市長が、あまりにも明治維新140周年と関係のない、どうでもよいことを延々と述べる姿に唖然とすることとなった。
 歴史を揺り動かす最大の舞台となった下関であるが、江島市長の口から出てくるのは、海響マラソン、ロンドンバス、海峡サミットなどの自慢話ばかり。庁舎内では「わざわざ招いた3市にたいして失礼なことをした。怒って帰ったのではないか…」「企画課が、周到に準備してきたはず。自分のアドリブで暴走したに違いない」「140周年というにはあまりにお粗末な市長の見識をさらした」とざわついた。14日にフランスのパリから帰国して海響マラソンを楽しんだのち、袴姿でスポットライトを浴びて、翌日からは4日間の中国への出張旅行に再び出かけていった。
 近年はイベント趣味、初物趣味の遊び志向がエスカレートするばかりでときどき市役所に寄って、溜まった市長決裁のハンコを押しまくる。昨年の出張先の半分以上が海外で、年間の公務日のうち約半分は出張旅行をしている。土曜日・日曜日を挟むというワザまで発達している始末だ。長時間の道路封鎖やフル動員体制を強いたマラソンともども、物珍しさに飛びついていくのが特徴にもなっている。
 そして市民から削り倒した分、箱物が山ほど建設されていく。「全国初」ではなく「世界初なのだ」と訂正される犬猫安楽死施設。「世界最深の水槽」が売りのペンギン御殿も建設中。ペンギンシスターズも結成した。公設民営化を導入した社会教育複合施設は、安倍代議士の実兄が幹部をしている三菱商事が官製談合を指摘されて撤退したのち、森喜朗のお膝元で破綻寸前だった真柄建設(石川県)などが受注して、案の定同社は破綻。不動産不況の煽りで事業主体となる合人社(広島市)もどうなるかわからないと危惧されながら、総額80億円の事業が動いている。
 川中中学校には全国最大規模の「教科教室型」を導入するため、50億円もの事業費を注ぎ込んだ。その正門前にはイズミが県内最大規模のショッピングモールを出店させることになっている。教育荒廃を目的にした施策である。行政責任が問われる認可事業の区画整理は、見通しがないまま乱開発ばかりが先行。川中地区には300戸ものアパート群が出現した。その目と鼻の先に230億円かける新庁舎を移転させるといっている。不動産利権の後始末のようでもある。100億円規模と目される駅ビル構想、否決されたのに復活した新博物館建設、75億円ぶち込んで使い道がない人工島など、枚挙にいとまがない。世界が金融恐慌でたいへんな情勢に、“箱物過激派”ともいうべき散財と、無謀な都市改造をやっている。

 議会含め覆す力結集へ 署名運動も広がる
 こうした市政の状況にたいして、市民の行動も目立ってきた。飼い猫議会に任せていたら暴走を追認するだけで、放って置いたら街が食い潰されるという危機感はかつてないものだ。13年間で郷土がどうなってきたか、さめざめとした実感が広がっている。
 選挙情勢としては、江島市長が五選目を目指しているのは周知の事実で、その周辺では伊藤博県議や友田有県議、関谷議長や香川昌則市議など、自民党所属の自薦候補たちの色気話が山ほどそ上にのぼってきた。ただし安倍派ヒモ付きの人人が議員辞職して姿勢を示すといった行動は何もなく、出るのか出ないのかはさっぱり分からない。
 その他に「出る出る」と周囲に吹聴していた人物としては林真一郎議員や、林哲也県議(元菊川町長)など、自民党内の仲間内が多いのが特徴だ。
 そうして1年ちかく「出るかも」「出ないかも」と、周囲を巻き込んで騒動している。「出る出る詐欺」で第3候補を牽制しているのだろうとも語られている。市民のなかでは「江島市政を野放しにしてきた議員どもが出てきてもいっしょ」という声が圧倒的である。
 江島市長が市民に聞く耳なく市長をつづけてきたのは、安倍事務所が丸抱えし、市議会の安倍、林派保守会派、さらに公明、連合までが同盟関係を持ち、そこに「日共」集団が巧妙な形で対立を避ける構造が出来ているからである。
 市長選を前に、市民の署名運動が活発になっているが、それを妨害する潮流が暴露されている。市民運動妨害で目立っているのが「日共」集団と公明党・創価学会である。「日共」議員集団は市庁舎建て替え署名について、「長周新聞と一緒になるから出来ない」と唐戸の商店主に弁解している。実際には、自分たちだけでもやらないという意味である。事実、桧垣、江原、明石議員などは地域票とのからみで移転賛成と見られており、先月末の決起集会に出た大田議員も「がんばろう」のときには壇上から逃げて態度表明を避けた。
 また市庁舎署名でも小中学校統廃合計画の白紙撤回を求める署名でも、各地の自治会が取り組むとなると、創価学会関係者がごねて取り組ませないという現象が方方で現れている。
 また有力対抗馬と見られる人物周辺では、脱税とかさまざまな不正摘発などの脅しがかかっているとかの話もかわされている。
 その中で、満珠荘署名は8万人を超え、市庁舎問題署名も、学校統廃合問題署名も、下から力強く進んでいる。
 果てしもない下関の食いつぶしにたいして市民の怒りは充満しきっている。そして候補が出たら、これまで経験したことがないくらい熱狂的な選挙になることは疑いないとみなが確信している。下関全体の利益、郷土を守るために、市民運動を強めてその力で候補を押し立て、安倍代理の江島体制を飼い猫議会ともどもひっくり返すパワーを結集しようとの世論は確実に強まっている。

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