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学校校舎改築せぬ江島市政
安倍代議士の地元下関でなぜ
                教育交付金を利権に回す     2005年11月12日付

 下関市では小・中学校の使用禁止トイレや校舎外壁のはく離など、教育施設がボロボロになっていくのに放置されていることが、多くの父母や教師のなかで問題となっている。ほかの市や旧豊浦郡の4町と比べても、校舎等の老朽化がはげしいのに、放置したままである。あまりに子どもを粗末にするデタラメな教育政策であることは、ゴミ袋を値下げさせる会の母親たちが「教育アンケート」をとりくみ、旧市内の小・中学校50校の千数百世帯から寄せられた意見にも、数多く出されていた。合併したばかりの旧四町の父母にも、教育費の負担増や環境悪化にたいして怒りが広がっている。どうしてそうなっているのか、交付税として国からおりてくる予算をほかの利権事業に回しているからである。将来を担う子どもの教育費をピンハネする放とう親父のような政治が下関を荒廃させているのである。

  父母・教師の中で問題に
 今年、長府小に子どもが入学した母親は「入学したての子が、学校のトイレは汚くて使えないと、泣いて帰ってきた」とのべ、生野小にかよわせる母親は「トイレが改修されはじめたと喜んだら、選挙のまえだけだった。参観日に行ったがなおっていないし、すごく臭かった」と、教育環境が悪いことに思いをぶつけた。
 今年はじめに市教委が旧市内の小・中学校50校にたいして、トイレ調査した結果でさえ、使用禁止にしていたトイレは106カ所あり、うち1年以上も放置されたものが25カ所にのぼった。ある中学校の教頭は、「一番古い校舎のトイレは、30年以上まえにつくられ、壊れてもメーカーに部品がない。予算要求では改修してほしいから、優先順位にあげているが、何年たってもやってくれない」と、首をひねる。市教委総務課から、「予算がない」と決まり文句ではねつけられてきた。

 改修工事の予算を削減
 アンケート調査のなかで明らかとなったのはさらに、校舎外壁が落ちたり、はく離しそうな部分だけカットしている校舎、室内の天井から水もれがする、門扉が台風で飛んでしまったままなど…。教育施設とはいいがたい現状が、子どもをつうじて保護者や教育関係者のなかから、たくさん寄せられた。学校施設の傷みや老朽化そのものは、いまにはじまったことではないが、近年のあらわれは改修工事や修ぜんする予算を削られたため、噴出してきたものである。
 昨年度、下関市が旧市内の中学校17校に予算化した学校建設費は、わずか4000万円ほどしかなかった。日新中の校舎外壁工事と数校分の耐震工事調査ができただけ。中学校だけでみると、2000年度に日新中の大規模改修工事をおこなったきり、5年間で1校もされなかった。小学校33校も同じようなもので、昨年度の学校建設費は1億2000万円、大規模改修、外壁改修ともに1校ずつとなっている。
 下関市予算書をもとに過去20年間の学校建設費の推移をみると、1995年度以前と比べて近年は10分の1以下しか予算化されていない。たとえば1990年度は、校舎大規模改修工事をしたのは2校、柔剣道場建設が2校、水泳プールと体育館の大規模改修工事がそれぞれ1校で、総額5億1000万円の予算であった。同年の学校建設費は少ないくらいで、89、88年度は長成中新設に十数億円かけているが、ほぼ同じだけの大規模改修工事をおこなってきた。
 小学校33校についても同じあつかいで、95年度以前は新設校のあった年をのぞいても、6億円から10億円近くついていた。1980年代後半から90年代前半は、大規模改修工事は2校分やられ、体育館やプールの改修工事が1〜2校ずつのペースだった。50校で約200棟の校舎を管理運営するには、1年に2〜3校ずつ大規模改修工事をしなければ、安全に保てないために必要上してきたもの。10年以上まえの市長が教育に理解があったということではなく、そのための国からの財源保証がされてきた。
 現在、新市となって小・中学校の校舎は合計262棟、そのうち築後40年以上が50数棟、うち50年以上は13棟もあり、なかには王江小のように戦前戦中に建てられた校舎もある。戦後すぐの物資がなかった時代や、海砂を使っていた時代のものもある。トイレや水回りが壊れても、すでに直す部品がない。耐用年数を過ぎたりスレスレの校舎は、大規模改修工事をしなければほうっておかれてきた。いまのペースでいけば、100年以上待たなければ大規模改修工事の順番はまわってこないことになる。
 市教委総務課の星出恒夫課長は、「市全体の財政が悪くなった。教育も聖域ではないということだ。マイナスシーリングで毎年10%カットだからしかたがない」と、近年はできなくなったとの見解をのべた。しかし一般会計全体でみると2004年度は962億円と、10年まえ(1994年度)の同839億円よりふえている。1985年度は同564億円で現在の6割程度だったが、それでも昨年度の10倍以上は学校建設費がついていた。他都市と比較しても突出した予算カットとなっている。旧下関市より財政事情がきびしかった旧豊浦郡四町の小・中学校は、ほとんどの校舎や体育館が改築されて新しくなっていることが、そのことをよくものがたっている。

 全国一律の交付金だが旧豊浦4町斗差
 総務省交付税課によると、全国一律で小・中学校ともに、1学級ごとに学校建設費として67万1000円(今年度ベース)の地方交付税として組み入れているという。国の措置としては1校建てかえれば、47年間の減価償却をへて新しい校舎にやりかえる名目で、1級当り67万1000円を算出しているという。財源のない田舎の町村でも学校の建てかえができ、全国どこでも機会均等に教育を受けられるようにしてきた。
 下関市には80校、814学級あるから、今年度は5億5000万円が下りていることになる。大規模改修工事や増改築をやれば、さらに総事業費にたいして6割ほどが地方交付税として、後年に戻される。いいかえれば5億5000万円を元手にすれば、一部後払いとなるが13億7500万円の仕事はできるということ。これは大規模改修工事を10棟近くでき、中小規模の学校であれば、丸ごとやり変えられる金額である。
 国がいやらしいことは、地方交付税にすることで学校教育の目的以外にも使えるようにしたことである。下関市の江島市政は、それを子どものためには使わせないで、PFI事業の新博物館建設のように、20年間にわたり毎年五億円を払いつづけるなどという、政治がらみの箱物利権財源にしてきた。
 江島市政は、し尿処理場建設をめぐって、20億円もかからないものを当初60億円も見こんだり、官製談合で業者選定をして公正取引委員会の調べを受けている。それ以前から、安倍代議士出身の神戸製鋼とのあいだで、奥山清掃工場やリサイクルプラザ建設で200億円も使ったりしてきた。
 これらの汚い利権事業のために、下関の子どもたちの教育を食い物にしているのである。このような放蕩親父市政が、小泉内閣の官房長官の丸がかえ市政のもとでやられている。アメリカから持ち上げられ「清潔な次期総理」とまでいわれる安倍代議士は、なぜデタラメ市政をやめさせないのか。日本中で放蕩親父政治をやろうというのか、市民は注目している。いずれにしても、市民がいっそうものをいい、行動をすることが下関を良くする唯一の力となっている。
 下関市では教育アンケートの母親たちやゴミ袋値下げ署名の婦人たちが中心になり、アルマイト食器をまともな給食食器にかえさせ、トイレ改修を市民の運動で実現させてきた。ムダな箱物利権である101億円もかかる新博物館計画を、白紙撤回させた運動と結びつけてとりくまれてきた。子どもを守るために親や教育関係者をはじめ市民が力をあわせれば、政治を変えられるという確信を強めるものとなっている。

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