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原爆と戦争展、東京で衝撃
原爆と戦争展全国キャラバン
               日本中に知らせたい真実     2010年9月10日付

 原爆と戦争展全国キャラバン隊(劇団はぐるま座団員で構成、長周新聞社後援)は、8日から東京で「原爆と戦争展」の街頭展示を開始している。東京での「第二次世界大戦の真実」の展示は初めてで、戦争が始まる経緯から、戦地での体験、全国空襲、沖縄戦と峠三吉の原爆展パネル、さらに「米軍再編で揺れる岩国市民の声」などを組み合わせたパネル展示は、若い世代を中心に衝撃を持って受け止められている。品川駅東口の連絡通路や町田市のJR町田駅前で展示をおこない、みずからの体験とともに、現在の対米従属に対する怒りが溢れるように語られている。
 通勤客や若い世代、買い物客、年配者など多くの人が行きかうJR町田駅の人工地盤の上でおこなわれた「原爆と戦争展」は圧倒的な注目度で、強い関心と支持を集めた。涙をぬぐいながら参観する若い女性や、パネルを見ながらスタッフに体験を語る戦争体験者など、パネルのまわりには途切れることなく人垣ができた。
 江戸川区で東京大空襲を体験したという80代の男性は、東京空襲で折り重なった死体の写真を指しながら、「これより実際はもっとひどいものだった。9日の夜中から始まった空襲で家には焼夷弾が直撃し跡形もなく燃えてしまった。風も強く5b以上ある道路でも火がはうように燃え移り、木造の家だからあっという間に焼け落ちていった。逃げる途中はけむたく、熱く、目もあけられないようななかを必死で逃げた。3日後に江戸川から上野まで歩いたときには死体だらけで、電車に乗っている人はみんな衣服が焼け、体が焼け焦げていた。業平にタバコ工場があったが、そこでは材料などが1週間以上燃え続けていた。死んだ人は焼いて空き地に埋めていたので、今でも掘り返せばたくさんの遺骨が出てくるはずだ。浅草でも華やかなように見えるがその下にたくさんの人が眠っていることを若い人は知らないと思う。二度とこのようなことをさせないために、多くの人に伝えて頑張ってくれ」と期待を込めて語り、カンパを寄せた。
 相模原市でコンビニを経営する50代の女性は「相模原は元元の軍需産業である三菱重工や三菱キャタピラなど三菱関係がすごく多い。でも何棟も並んでいる近所の社宅は、今は半分くらい空いていて、そこに住んでいる人たちも値引き品しか買っていかず、1回の買い物で1人当たり単価400〜500円は購買力が落ちている。こちらも売れないから値引きするが、それではとてもやっていけない。若い人たちの就職口もなく、かわりにホストクラブなど水商売がかなり増えている。短絡的に金もうけしようと、携帯サイトやドラッグなどの犯罪も溢れすぎて、とにかく病んでいる。だからこそ、子どもたちにこういう展示を見せてほしい。神奈川県はマッカーサーが降り立ったところでもあるし基地もたくさんある。私たちは真実が知りたいし、今は真実が余りにも隠されすぎている。これだけの犠牲者の方たちがあって今の私たちがある。この人たちのことを思えば、少少のことは耐えられると思う。ぜひ頑張ってほしい」と思いを語り、アメリカに謝罪を要求する署名に名を連ねた。
 都内のガソリンスタンドで働いている30代の女性は、パネルを見て「学校ではこのパネルに書いてあるようなことが教えられず、大学も出たが今まで自分が知らずに過ごしてきたことが恥ずかしくなった。戦地に行った兵隊が戦争をして死んだのではなく、餓死や伝染病で死んでいったことなど驚きだった。今戦争を体験されている方が高齢になっているなかで、今のうちに戦争を体験していない世代が受け継いでいかないといけない。しかし都会では、働いても結婚して子どもを産んで育てることもできないのが現実で、個人個人が生きるのに必死で戦争のことなどについて考える余裕がない。友だちでもバイトやパートが多く正社員はほとんどいない。今住んでいる町田市の近くに厚木基地があって、米軍機がよく飛んでくる。厚木にある艦載機が岩国に移転するというが、岩国の人が困るだけだ。国民のほとんどは米軍基地はいらないと思っているはず。それぞれの生活は大変だが、戦争や基地の問題など考えていかないといけない」と話した。
 厚木市の出身で東京都内の大学に在籍する女子学生は、「知らないことばかりで衝撃的だった。沖縄の米軍基地など政府はいろいろな理由を付けて米軍基地を置いているが、実際には日本人を苦しめてアメリカのいいようにもっていっているのではないか。今、ゼミで沖縄の基地問題をやっているので勉強したい」と関心を示し、沖縄戦の真実のパネル冊子を購入した。

 本当に日本平和なのか パネル前に白熱論議

 幼稚園関係者の50代女性は、「今の日本は戦争がなくて平和だといわれるが、本当に平和なのかと思う。核家族になり、母子家庭が増え、親は生活に追われて社会のことを見る余裕もなく目先の生活にきゅうきゅうとなり、子どもたちも年長組くらいになると処世術を身につけていて、周りと同じ考え方でないといけないとなって、ケンカもできないし、ケガもできない。個性重視というが、まったく個性がなくなっている。これは、とても危険なこと。戦争につながっている。周りと違う意見を堂堂ということができなければ、戦争を止めることができない。私たちが思っていることの根源がこの展示にあると思う。日本は基地があって植民地なのに、平和ボケしている。子どもたちを見ていると、この先の日本はどうなってしまうのかと考えてしまう。小学校などでぜひ展示してほしい」と期待を寄せた。
 中国人留学生の男性は、「中国も日本も同じ戦争の犠牲者。日本はいくつもの米軍基地があり、アメリカは今後もっと政治や経済などで影響を強めようとしていると思う。正義の戦争はないという人がいるが、外敵・アメリカに対してたたかうことは必要で、それは正義の戦争だと思う」と話した。
 以前、神奈川県の三崎から出航するマグロ船の船長をしていたという男性は、「原爆が落ちた半年後くらいに広島に行ったことがあるので、他人事とは思えない気がしてパネルを見たが、このことこそ真実で日本中に知らせないといけないことだと思う。このようなことは本当は政府がやっていかないといけないことなのに、民主党はバカみたいな代表戦を繰り広げ、国民の感覚とはかけ離れている。戦後の日本は農業や漁業がしっかりしていたから発展していったのに、今日本の食料自給率は低く、スーパーに並んでいる魚の多くも外国産だ。最近マグロ船は減ったし、現在あるマグロ船でも日本人の船員はわずかで外国人がとても多い。このままでは食料の面からもアメリカから乗っ取られてしまう。農業・漁業から立て直していくことが大切ではないか」と危機感をあらわにした。
 当時、東芝の養成工で東京空襲で焼け出されたという男性は、「渋谷の近衛輜重にいたが、原爆直後に命令で広島に行き、遺体処理の仕事を終戦までやった。ひどい有様だった。兄は硫黄島近くのウオッゼという島に送られ、食料がなく餓死した。骨もなく、箱に名前が書かれた紙だけが貼られていた。未だにどこに骨があるかもわからない。戦後、血のメーデーにも参加したが、あのころの運動は本当の独立と平和を勝ちとるという目的がはっきりしていた。今は、自民党も民主党も、他のものもそんなものはなにもない。アメリカは金が欲しいだけで、日本を守るわけがない」と語った。
 大学で教官をしていた男性は、「学生たちがアメリカに行っては洗脳されてくることに腹が立って仕方なかった。原爆は戦争を終わらせるために必要で、そのために何百万人が助かったのだと。アメリカが世界制覇のためにやったということは明白で、大インチキだ。日本の天皇をはじめとした支配者たちも、戦後の自分たちの身を守ることを考えて終戦を準備した。戦後はアメリカの支配下に組み込まれたが、日本の支配構造は、戦前も戦後も変わっていない。アメリカは産軍一体だが、日本も三菱などは軍需でもうけることに一番力を入れている。パールハーバーも完全にやらせだ。韓国の船が沈没したのは、北朝鮮との緊張関係をつくって、再軍備を強めていくためにアメリカが仕組んだことだと思う。こういうことはなかなか表立っていいにくいが、みんなが考えないといけないことだ。大事なことなので頑張ってほしい」とカンパを寄せた。
 60代の男性は、パネルを見終わってから「アメリカとの関係は安保があるからいけないのだ。独立するためには安保を破棄して、自国で国防もするようにしていく世論をつくっていかないといけない。そしてアジアの人たちともキチンと付き合っていけるようにすることが大事。日本民族は欧米列強には負けないすごい技術も力も持っている。それをアングロサクソンは疎ましく思って、民族絶滅作戦をしようとしている。明治維新のときのような誇りがいる」と語り、パネル冊子を購入した。

 原爆展物語に強い期待 来年3月に東京公演

 また、来年3月に東京でおこなわれる「峠三吉・原爆展物語」公演のパネルを見て、「ぜひ見てみたい」「やるときには教えて下さい」と申し出る姿が相次いだ。
 70代の女性は、「兄が戦死し、もう一人はボロボロで帰ってきた。当時のことを子どもに伝えなければと思うが、なかなか上手に話せない。この劇を見せたら、分かってもらえるのではないかと思う。子どもと一緒に必ず見に行きます」と連絡先を記していった。
 原爆と戦争展全国キャラバン隊は今後、井の頭公園や都内各所で14日まで展示をおこなうことにしている。

 

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