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現役世代に被爆体験語り継ぐ
原爆展成功させる広島の会
                 急がれる核戦争阻止の力      2005年4月26日付

 「原爆と峠三吉の詩」原爆展を成功させる広島の会は、被爆体験集の発行を準備する2回目の相談会を24日午後から東区民センターでおこなった。相談会には、会の被爆者をはじめ、戦争体験者、退職教師、大学教官、労働者、高校生など25人が参加した。会合では体験者たちが、原爆を落とし、いまでも戦争をくり返すアメリカの犯罪をハッキリさせなければいけないことや、現実に戦争を押しとどめる力を持った青年学生、30代〜50代の親世代へ語り伝えることが共通の要求として出され、被爆者としてただ語るだけでなく、実際的な力をつくっていくという熱のこもった論議がくり広げられた。
 
 被爆体験集発行にむけた相談会
 冒頭、会の重力敬三代表世話人があいさつし、事務局から1年間の会のとりくみの概況と被爆体験集の内容・進行をふくめた、今後の方向について報告された。
 昨年から今年2月までのあいだで大小あわせて9カ所での地域原爆展、被爆体験を語るとりくみがおこなわれたこと、全国的な影響を与えたメルパルクでの原爆展、市内南区の皆実小学校で地元の被爆者九人が子どもたちに体験を語るとりくみも反響が広がったことが明らかにされた。さらに山口県を中心として10校以上の修学旅行生に体験を話したこと、今年はすでに6校から修学旅行で体験を聞く申し入れがあることも報告された。
 参加者からは「地元五日市の学校からも語ってほしいと申し出がありました。この会に出あわなかったら語ることはなかった。もっと語っていきたい」(80歳婦人)、「市内の小学校でも2、3日の期間をとって、そういうとりくみをやりたいとの話がすすんでおり、そのときは地域から10人でも行ってやりたい」(73歳男性)など意見が出された。
 戦地をくぐりぬけ、原爆のなかを生きぬいてきた87歳の男性は、「災害は忘れたころにやってくるというが、忘れないいまでも戦争を仕かけたり、裏で悪だくみをしているではないか」と強調し、「原爆は日本人が落としたんじゃない。アメリカが落としたんだ。そのことをもっと考えてほしい」と訴えた。さらに被爆当時、東練兵場で被爆によって手の皮がずる剥けとなり握ることもできない12、3歳の女学生に大きなおむすびをつくってあげたこと、8年間も軍隊で戦争し、硫黄島玉砕の2万人のなかの1人だったことにもふれ、「あの女の子の姿、戦友のことを思うと胸が痛む。“人を殺してみたかった”、ましてや“2年まえから計画していた”などもってのほかだ」とうっ積した思いをぶつけた。
 別の84歳の男性は、「平和な日本を守らなければいけない。もし戦争になれば、若者は全部徴兵制でかり出され殺されていく。その若い人たちの教育をしっかりやらないといけない。平和のための礎を築かなければいけない」とのべた。
 70代の被爆男性は、学徒動員で働いていた職場で中国から帰って来た人たちが中国人にどんなことをやってきたかの話を聞いたこと、「ここではいえないようなひどいことを聞いた。いま中国で教科書問題や靖国神社問題で反発しているのもわかる気がする。いまからの世代には日本がやってきたこと、いい面だけじゃなく、悪い面もハッキリさせ、いまからしないように教えないといけない」と語った。
 87歳の男性は「アメリカは毒ガスを使ったらいけないとかいってきたが、原爆はそれ以上だ。それにたいしてアメリカは断りの言葉もない。アメリカに改めてもらわないといけない。日本はただ頭を下げていればいいというものではない」と何度も強調。別の男性も「勝てば官軍で好きなことをやってきている」と共鳴しあった。

 速効性ある世代へ伝えたい 口口に切迫する思い
 74歳の男性は、「会として小学生のレベルでとどまってはいけないのではないか」と指摘、「もっと速効性のある世代に語り伝えないといけない。中国で起こっている反日デモは内容は別としても、あのエネルギーはうらやましい。歴史的なこと一点を目的に盛り上がっているが、日本人の若い世代があれだけのエネルギーを持っているだろうか」「40、50代に体験を話してストレートに話が伝わり行動できる人、そのような個人、団体へ働きかけていってはどうか」と語り伝えることの切迫した思いが出されると、参加者全員もその方向で共感を示し、さらに論議は発展した。
 メルパルク原爆展などで連日のように体験を語った被爆男性は、原爆展会場でもイラクでの人質事件ともからんで五、六人で討論をしたこと、「討論したアメリカの学生がいま帰ってから原爆のことを話している。そういう世代に伝えることは必要だ。会場で子連れの親に声をかけたがほとんどが30、40代の人たちで関心を持って来ていた。学校での被爆体験を聞く会でも父母がいっしょに聞けるようなとりくみなどから広げていきたい」とのべた。
 被爆者の60代婦人は、「原爆を受けたのが小さいときで、絶対に戦争をしてほしくない。平和運動は絶対に必要なことで、峠三吉さんの詩とともにもっとやってほしい」と語り、現役世代の40代の男性は、「この数年、地道にやるなかで同じ世代のなかでも広がってきた。興味がある人、ない人はいるが、もっと広げていきたい」と語った。また大学教官も、自主ゼミとして原爆展や被爆者の話を聞くとりくみを計画していること、「学生たちもさまざまな問題をかかえながら生活し考えており、人生の先輩としてぜひ協力をお願いしたい」と協力を求めた。
 さらに参加者からは「お父さんたちにもっと表に出てほしい」と、親世代が子どもたちの未来のために誇りを持って行動することへの期待があいつぎ、今後この方向でとりくむことを全員で一致した。
 今後、会の活動として若い世代、学生などへの被爆体験の継承のためのとりくみをおこなっていくこと、長崎原爆展を下関原爆被害者の会と広島の会の共催でとりくむこと、さらに地域原爆展として「可部原爆展」をとりくむ。
                 可部原爆展
 日時 6月9〜14日
 場所 安佐北区総合福祉    センター・ロビー

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