トップページへ戻る

原水爆戦争阻止の力大結集を
50年8・6平和斗争を継承
              全国の平和の力を広島合流へ   2004年5月29日付

 広島・長崎に原爆が投下され、1瞬にして幾十万の日本人の命が奪われてから59年目の夏を迎えようとしている。アメリカがおこなった原爆による老幼男女への無差別の大量殺りくは、それ以後もふくめて人類史上もっとも野蛮で凶悪な犯罪である。だが、アメリカは今日まで、一片の謝罪もしないばかりか、逆にこれを正当化しつづけてきた。そして近年、「核兵器の先制使用」を公言し、「使える核兵器」と称して小型核兵器の開発に拍車をかけ、「日本があったような目にあわせる」などといってアフガン、イラクで勝手気ままに無辜(こ)の大衆を殺りくし、朝鮮、中国を標的に日本を戦場にした原水爆戦争の危機をつくり出してきた。この1年、アメリカの横暴なふるまいはイラク人民の決起によってうち破られ、アメリカ支配層は全世界で孤立を深めている。こうしたなかで、あらゆる国の原水爆の製造、貯蔵、使用の禁止の世論を全国全世界におし広げ、新たな原水爆戦争をたくらむアメリカの手足を縛る力のある平和運動を発展させることが強く求められている。唯一原爆を頭上に投げつけられた体験を持つ日本から労働者を中心に国民的な規模で原水爆禁止運動を発展させることは、重大な国際的責務となっている。
   
 被爆国の国際的な責務

 ブッシュ政府は25日、通算21回目(1997年から)の臨界前核実験をおこなった。これまで実験場の水平坑でやっていたこの実験を、今後、より地下核実験に近い縦坑を使った方法でやると公言している。臨界前核実験は「使える核兵器」と称して5`d以下の小型核兵器の研究・開発を10年ぶりに解禁し、「反米的な指導者殺害」を口実に「強力地中貫通型核兵器」の開発をおおっぴらにすすめ、核実験の再開を急ぎ、ミサイル防衛(MD)システム構築を急ぐアメリカ支配層の必要から強行されてきた。
 米国防総省は「海外の米軍基地が大量破壊兵器で攻撃されることを想定して、小型・大型の原水爆で敵の兵器庫を攻撃する」と公言、核弾頭を搭載したミサイル防衛(MD)システムに日本を組みこみ、今年九月にはイージス艦搭載の海上配備型迎撃システムを朝鮮近海に配備。朝鮮・中国を射程に入れた迎撃ミサイルの共同飛行実験を来年中に実施するなど、日本を原水爆戦争の戦場にとって変えようとしている。
 アメリカにつき従ってイラクへの無謀な自衛隊派遣を強行した小泉政府は、日本を破滅に追いやるこうしたアメリカの原水爆戦争の策動を、「全面的に歓迎する」として、ミサイル防衛(MD)システムに加わり、スパイ衛星を打ち上げ、有事関連七法の制定を急いでいる。
   
 窮地に立つアメリカ 世界の力関係変化

 戦後世界の枠組みを構成してきた米ソ2極構造が崩壊し、アメリカは「自由・民主・人権」を叫んで、ソ連・東欧の社会主義国を転覆し、湾岸戦争をひき起こすなど、世界1極支配の野望をむき出しにしてふるまってきた。それはまさに現代の戦争狂、殺人狂としての姿であった。
 ブッシュ政府は、CTBT(包括的核実験禁止条約)発効促進会議をボイコットし、「核戦力の増強」のために予算を大幅に増額し、自国の核政策をエスカレートさせる一方で、イラクや北朝鮮などにたいしては「悪の枢軸」として「大量破壊兵器」「核脅威」を叫んで、「先制攻撃の必要性」をふりまいてきた。
 とくに、9・11テロ事件以後、「テロ報復」を叫び「パールハーバーを攻撃したものがあったような目にあわせる」といってアフガンに攻めこみ、広島、長崎に原爆を投下して日本を占領した方式でイラクを占領すると公言して、イラクへの一方的な武力侵攻を強行した。ブッシュ政府はこの過程で、小型核兵器の開発と核実験の再開にむけた核政策に拍車をかけ、スミソニアン博物館での原爆投下機エノラ・ゲイの展示を英雄をたたえるものとして強行し、広島・長崎への原爆投下の正当化をはかろうとした。
 だが、イラク人民は全土で決起し、奪われた民族の独立と主権の回復をめざし、宗教・宗派、思想・信条、政治的立場をこえた全民族的な団結で、アメリカの占領支配とたたかい、組織された人民の武装蜂起は凶暴なアメリカの軍事的抑圧をわずか1年でうち砕いている。それは、アメリカのイラク戦争と占領支配が「自由と解放」のためではなく、中東の石油を盗みとるための強盗的目的のためであったことを明確に暴露している。また、イラク・中東の人民が世界で唯一原爆の惨害を受けた日本人民に深い同情を寄せており、日本人民の平和への熱い願いと運動にたいする連帯の感情をみなぎらせていることが浮き彫りにされてきた。
 90年代以降のアメリカの世界的な戦争政策は、アメリカ資本が金融、通信の優位をテコにしたグローバリズムのもとで「自由化・規制緩和」をかかげ、各国の市場を力ずくでこじあけるものであった。それは1国の財政にまで介入し、年金や健康保険、介護保険など社会保障的なもの、農漁業などや医療や福祉、教育などの公共的なもの、文化芸術にいたるまで、安全基準や健全で文化的な生活の営みを保障する社会的規制をとり払い、もうけ第1、弱肉強食の市場原理にさらし、広範な大衆の生活を急速に困窮化させてきた。
 イラク人民のたたかいは、アメリカのグローバル戦略に反対する世界各国の人民のたたかいと連帯して、たがいに励ましあって前進し勝利的に発展しており、世界的規模での帝国主義と人民の力関係を大きく変化させている。

 謝罪要求署名全国へ 大衆世論を強大に   
 唯一の被爆国である日本において、労働者を中心にアメリカがたくらむ原水爆戦争に反対し、その手足を縛る国民的規模の運動をまき起こし、国際的な連帯を強め、その輪を広げ発展させることは急務になっている。
 全国数千カ所で開催されてきた「原爆と峠三吉の詩」原爆展や今年に入って展開されている全国キャラバンにたいする大衆の深い共感と熱い支持は、アメリカの原爆投下の犯罪を各地の米軍空襲の惨禍と重ねて糾弾するとともに、イラクの現状とあわせて、「自由と民主主義」の欺まんで日本を占領支配し、戦後日本社会を荒廃させてきたアメリカへの激しい批判となってあらわれている。こうしたなかで、被爆者がほんとうのことをほとばしるように語りはじめ、若い世代に伝え残す活動が勢いよく発展している。
 2002年8・6広島集会が発した広島アピール「アメリカ政府に謝罪を要求し、原水爆の製造、貯蔵、使用を禁止する全国民的規模の運動を訴える」は、「広島、長崎の被爆市民がその苦しみ、悲しみ、怒りを若い世代へ、世界へ語り伝えることは世界平和への重要な使命であり、それをはばからせるあらゆる要素は排除されねばならない。とくに原爆投下を“戦争を終結させるための慈悲深い行為”といい、原爆で無惨に殺され、傷つけられた被爆市民に戦争加担者として反省を求めることは本末転倒であり、現在の原水爆戦争の危機にたいして被爆国の平和の力を無力にし、アジアの近隣諸国への犯罪をくり返すことを容認する原爆投下者の主張である」「アメリカは戦後、日本を単独占領し、米軍基地をおいて休むことなく戦争をくり返した、原爆投下は世界と日本の平和と民主主義のためではなかった」と指摘し、「アメリカ占領軍弾圧下の広島で、はじめて原爆反対の運動を切り開き世界的な運動をつくりだした1950年代の峠三吉の時期の、被爆した広島市民の心を代表した、私心のない運動の原点に返らなければならない。とりわけ広島、長崎の被爆市民が、いまこそ本当の声をあげ、若い力を結集すること、とりわけ労働者が世界平和のために役割をはたすならば、アメリカも容易に原水爆を使用することはできない」と訴えている。
 今日、「広島アピール」を広範な人人のなかに持ちこみ、署名運動をまき起こし、論議をまき起こし、大衆的な世論を強大なものにすることは重要な意義を持っている。
   
 労働者の運動を軸に 統一戦線の形成を
 アメリカの手足を縛る平和運動を形成発展させるうえで、とくに、1950年8・6平和斗争の中心的役割を担った労働者の運動路線に学び、今日に継承することはきわめて重要である。
 アメリカによって日本を拠点にした朝鮮戦争がひき起こされ、レッドパージによる弾圧、GHQによる総評結成による朝鮮戦争支持が労働運動内部にふりまかれるなかで、中国地方の戦斗的な労働者は、日常斗争主義、経済主義は誤りであること、反帝反戦斗争、階級宣伝と国際連帯が労働運動の第一義的任務であることを白熱的に論議し、路線を転換して、朝鮮人民の解放斗争を支持し、労働者の歴史的使命に立った運動を犠牲を恐れず献身的に切り開いた。それは日本の独立・民主、平和、繁栄・民族文化の発展をめざす反米愛国の人民の統一戦線に立った斗争であり、ここで突破した流れが60年「安保」斗争まで発展した。
 アメリカとその目下の同盟者となった独占資本集団と正面からたたかうときに真に広大な大衆的基盤を持った力のある斗争が発展し、政治的経済的な譲歩をさせてきたことは、戦後日本の労働運動の重要な正面の教訓である。
 現在、労働現場では、アメリカが世界の独裁者としてふるまいアメリカ資本による市場支配を強引にすすめるなかで、人間生活の極限をこえた競争があおられ、殺人的なドレイ労働が横行している。労働者は「労働時間・解雇制限の緩和」などの「改革」で、おびただしい倒産と失業、「合理化」、長時間労働にさらされている。自殺は数年連続して3万人をこえ、昨年の死傷災害は11万8000件をこえ、まさに戦争と同じ状況にある。
 今日労働者を困難にしている根源は、アメリカのグローバル戦略であり、それを忠実に実行している日本の独占資本集団の「規制緩和、自由化」の構造改革路線である。それによって、金融・財政の根幹がアメリカに握られ、アメリカ資本による大企業乗っとりと大再編が強行されてきたのである。有事法制化は、軍事面でそれに対応したものであり、その支配を保証する根幹が米軍基地を中心にした軍事力であり、原水爆はその最大の武器である。
 さらに農漁業は歴史上なかった破壊が強いられ、国内自給が破壊され、輸入自由化で米国産の毒入り食物を食わされる状態となった。福祉や医療など、社会的な保障は「受益者負担」などといって切り捨て、教育は「機会均等」の原則を破壊して、教育費の高負担を押しつけ、植民地的な愚民化教育を強行している。
 個個の企業の労働者は企業の枠内ではなんの展望も見出すことはできないし、個人の権利は大きな労働者階級全体の根本の敵とたたかうなかに位置づけることでしか勝ちとることはできない。資本主義の枠内で個人の利益を追い求める改良主義、経済主義は完全に破産し、大衆から見離されている。
 独立、民主、平和、繁栄の日本を実現するために、日本の労働運動で50年8・6斗争から60年「安保」斗争にいたる伝統を回復することがきわめて、重要である。とりわけ、イラク・朝鮮人民との国際的連帯を強め、アジアにおけるアメリカの原水爆戦争の挑発に反対する労働者の運動を強化発展させることを中心に据えて、青年・学生、婦人、農漁民、教育・文化の戦線・分野で独自の運動を発展させ、広大な統一戦線を形成し、平和運動を力強く発展させなければならない。
 原爆展パネルの活用とあわせて、アピール署名運動を広範な大衆のなかで圧倒的に広げること、『広島と長崎』(福田正義)の学習と論議をまき起こすこと、これらの運動の成果をたずさえて今年の8・6広島集会を大成功させることが重要な課題である。

トップページへ戻る