トップページへ戻る

原水爆禁止の運動強めよう
               現役世代の行動が課題     2005年5月21日付
 
 アメリカの原水爆の独占と「核先制使用」の脅しによる身勝手な世界支配、とりわけ日本を戦場にした原水爆戦争の策動が現実に進行するなかで、これを全国民的な運動と国際的な連帯によって阻止することは、原水爆禁止運動の緊要の課題となっている。そのうえで、広島・長崎への原爆投下への新鮮な怒りを発揚し、1950年8・6平和斗争の路線を継承する運動を力強く発展させること、被爆者が体験を語り伝えるとともに、運動の主体となる現役世代、とりわけ労働者がその中心に立つことが切望されている。
   
 広島・長崎の連帯を強化
 下関原爆展事務局が作製した「原爆と峠三吉の詩」原爆展パネルはすでに全国1000カ所以上で展示され、各地で大きな反響を呼んでいる。空の上からの原爆ではなく、原子雲の下でどのようなことがあったのか、すでに日本の敗戦が決定的であり落とす必要がなかった原爆をなぜアメリカが落としたのか、その真実とかかわって沖縄戦や東京をはじめ各地の空襲の体験が、なんの罪もない人人を大量に焼き尽くし、殺し尽くした米軍の蛮行への怒りとともに噴き出すように語られている。論議は、今日のアメリカの原水爆の独占を背景にした暴力的な世界支配、グローバリゼーションによる「規制緩和」「構造改革」のもとでの無慈悲な収奪、生活破壊への怒りをともなって発展している。
 この原爆パネル展示を全国津津浦浦、職場・学校でくり広げ、原爆投下への怒りを共有し、アメリカが戦後世界制覇の野望から日本を単独占領するために広島・長崎に原爆を投下したことをあばき、いままた中国・朝鮮に照準を合わせたアメリカの原水爆戦争で日本全土を焦土と化す危険な策動に反対する力を幾倍にも強めることが求められている。
 今年は被爆地広島・長崎の両地で大規模な「原爆と峠三吉の詩」原爆展が、多くの被爆市民と各界各層の賛同と協力を得て開催される。敗戦後はアメリカ占領軍による「戦争を終結させ、多くの人命を救うため、日本の平和と民主主義のために原爆は投下された」という、宣伝のもとで、原爆犠牲者は殉教者のようにあつかわれ、公然と抗議することはできなかった。広島と長崎は同じ目にあったが、しかしその後は「怒りの広島、祈りの長崎」ともいわれるような異なった印象も残してきた。
 1950年、広島ではじめて原爆に抗議しアメリカの原爆投下の犯罪を暴露する運動の火ぶたが切られ、その後壮大な原水爆禁止運動に発展、世界中でだれも原爆に賛成できないようになった。だが長崎では50年以前の状態が長くつづいた。その後の歴史的経過をへたいま、広島の運動の原点が長崎の被爆市民に心から歓迎されている。広島、長崎の被爆市民が連帯の絆を強め、原子雲の下のほんとうの声を全国世界へ伝えることは、今日ひじょうに重要な意義をもっている。
   
 全人民の利益代表した労働運動軸に
 被爆者は地域や学校で、平和な未来のために次世代に被爆体験を語りつぎ、体験集の出版をつうじて真実の記録を残す運動を発展させており、子どもたちだけではなく、現役の若い世代がその願いを継承し直接運動を担うこと、とりわけ社会の生産を担う労働者が原水爆に反対し、原水爆戦争を阻止する運動の中心に立って前面に登場することを切実に願っている。
 1950年の8・6斗争では、中国地方の青年労働者が広島で会議を開き白熱した論議をした。反帝反戦斗争が第一義的課題であり日常斗争はその一環であること、これまでの経済主義的斗争は誤りであり、階級的宣伝と国際連帯性を強化することを確認して運動を転換させ、原爆反対の平和署名に精力的にとりくみ、8・6当日をストでたたかい平和大会に結集していった。アメリカ占領下、戒厳状態のもとでの果敢なたたかいは、広島の被爆市民の心からの支持を得て強い印象を残し、その後急速に全国に広がり、世界大会へと発展した。
 全人民の根本的利益を代表し、政治課題を高くかかげた労働運動は、その後平和・独立という日本民族の命運をかけてたたかわれた60年「安保」斗争に発展した。だがその後、アメリカと日本の支配層の弾圧と計画的な買収政策によって、「高度経済成長」のおこぼれにあずかる改良主義がまんえんした。自分たちの利益のためには、大多数の人民の利益を踏みにじり、体制の枠内に安住する労働貴族層がはびこり労働組合の腐敗・堕落は目にあまるようになった。
 現在、アメリカ独占資本集団のグローバル戦略のもとで、企業の合併・再編、倒産と失業の嵐が吹き荒れ、労働現場はすさまじい殺人的状況に置かれている。多くの人命を奪ったJR宝塚線の事故は、「営利優先」のもとで、「安全」や「公共性」を無視し、労働者が奴隷のようにあつかわれてきた結果である。この問題をめぐって、時代の中心に立って社会の生産を担う労働者の誇りをとりもどし、奴隷の鎖をたち切り、真に社会の主人公となる方向での論議が発展している。
 銀行や独占企業がアメリカ資本に乗っとられていくなかで、労働者が職場の問題、個人の利益だけに目をむけていては実際にあわないばかりか、排他的で反動的なものとならざるをえない。アメリカの原水爆戦争に反対し、グローバリズム、構造改革と真向からたたかうという高い戦略観点に立って、全人民の利益を代表して本来の労働運動へと転換する決意と行動が求められている。
 アメリカが日本をはじめ世界の労働者、人民を搾取、収奪し、支配する根幹は軍事力であり、その最大の武器は原水爆である。労働者がアメリカの支配、とりわけ原水爆に反対するたたかいを目的意識的に追求すること、それを第一において企業、産業をこえて団結し、農漁民、中小商工業者など勤労者の現状に心を寄せて結びつくこと、さらにアジア、世界の労働者、各民族との国際的な連帯を強めてたたかうことこそが、展望を切り開く道であることが明らかとなっている。

 広島での50年8チ6斗争継承を
 労働者がこのような運動を発展させるうえで、資本のおこぼれにあずかり、個人の権利を第一とする日和見主義、排外主義の影響とたたかい、これと決別することが決定的に重要になっている。労働貴族層を基盤とする日和見主義は、米日独占資本が労働者の立ち上がりを抑圧支配する社会的な支柱となっている。
 青年労働者、学生のあいだで、『広島と長崎』(福田正義・著)に新鮮な共鳴が語られ、50年代の先輩たちのように原水爆に反対する政治斗争を勇敢に献身的にたたかわなければならないことが、感動をこめて論議されている。それが平和のための積極的な行動に移され、ざん新な政治集団として形成されることが強く期待される。
   
 魂組織する教育・文化運動の再興へ
 子どもたちの教育をめぐって、平和の担い手としてたくましく育てるのか、平然と人を殺し、自己をも破滅させる人格破たん者を育てアメリカの肉弾として戦場に送るのかという二つの道が鋭くたたかわれている。「原爆と峠三吉の詩」原爆展パネルをまえに、被爆者が子どもたちに体験と平和への思いを語り伝える教育運動は、広島の平和教育をねじ曲げてきた「おじいさん、おばあさんが悪いことをしたから原爆が落とされた」という被爆者を冒涜(とく)する「加害責任」論をうち破って発展している。教師が被爆者、戦争体験者、汗水流して働く父母に学び、新しい時代意識に立ち信念をもって原水爆戦争に反対し、これにたちむかう民族の子どもを育てる教育運動を発展させることが求められている。
 1950年当時、広島の子どもの被爆体験をつうじた作文教育や「原爆の子の像」建設運動のなかで、子どもたちの精神を解放し、新しい次代の担い手として育てる教育運動が発展した。また米軍基地をかかえる岩国の教師を中心に献身的にたたかわれ「山口日記」斗争へと発展した平和教育運動はそのうえで、大きな教訓を残している。これを今日に継承発展させることが期待される。
 50年8・6斗争のなかで、峠三吉が指導的役割を担った青年文化運動が生命力をもって発展した。この時期、詩、絵画、写真、辻詩、映画、演劇などの多くの分野で人人の魂を組織する芸術創造が生まれ、平和運動の発展に大きく貢献した。その後長いあいだ、峠三吉の業績は「革新勢力」からも、葬りさられようとしてきた。平和運動を力のあるものにするには、峠三吉の詩業を広く普及するとともに、大衆への燃えるような愛情と、その敵にたいする憎しみに燃えた、人人の魂を組織する文化芸術運動の再興が切望されている。
 学問・研究、教育の世界に恥ずべき商業主義が持ちこまれ、御用学者がはびこるなかで、知識人の真実の発言が求められている。知識人は、なによりも広島の被爆市民をはじめ広範な人民大衆の平和への願いや行動と結びつき、その役に立ってこそ、その社会的役割・使命をはたすことができる。それはまた、青年学生の立ち上がりを促し、平和の力に育てるうえでも重要になっている。
   
 緊要性増すアジアでの国際連帯課題
 小泉政府はアメリカの戦略に従って、北朝鮮の核開発・拉致問題を利用して、また靖国神社参拝や竹島・尖閣諸島、中国の反日運動などの問題をめぐって、中国、「韓国」への挑発と排外主義をあおってきた。そのもとで、アメリカが核弾頭を搭載したミサイル防衛システムに日本を組みこみ、核ミサイルの飛弾を想定した自治体などを動員した有事体制づくりに拍車をかけている。こうした猶予ならぬ情勢のもとで、中国、朝鮮、イラクをはじめアジア人民との連帯、とくに在日朝鮮・「韓国」人との連帯の課題は緊要性を増している。
 朝鮮戦争のさなかにたたかわれた50年8・6斗争では、国際連帯の課題が重視され、「朝鮮で原爆を使うな」「朝鮮人民の民族解放斗争を支持しよう」のスローガンを鮮明にかかげてたたかわれ、当時朝鮮で原爆を使おうとしたアメリカの手足を縛る力のある運動を発展させた。このたたかいは、その後の日本、朝鮮、中国三国人民の熱い連帯の感情をはぐくんだ。ともにたたかった在日朝鮮人は、この運動の発展のうえで大きな役割をはたした。
 中国の反日運動の根本には、日本の労働者を搾取して中国に生産拠点をおき、日本の労働者の20分の1の賃金で中国の労働者をこき使い、タコ部屋のような勤務条件を強いてきた外国資本への蓄積された怒りがある。これに反対する運動を支持し、共通の目標と課題で連帯してたたかうことが求められている。
 アメリカはNPT再検討会議への対応に見られるように、みずからの原水爆の廃絶を拒否し、小型核兵器の開発に拍車をかけ、「核先制使用」の脅しで北朝鮮やイランなどへの攻撃を強めている。世界にあるすべての原水爆兵器は完全に廃絶されなければならない。そのためには、なによりもまずおびただしい原水爆を保有し新型原水爆までも開発しているアメリカが廃棄すべきであり、そうでなければ世界の原水爆兵器を廃絶することはできない。
 アメリカの原爆投下の謝罪を求める広島アピールの署名運動を圧倒的におし広げ、「広島と長崎」の普及・学習をまき起こし、職場、学校、地域に平和の活動家集団を組織し、全国世界から平和を願う広範な人人を結集して8・6広島集会に大きく結集することが期待される。
 ★60年まえの広島、長崎の被爆の惨状を伝え、広島、長崎の被爆市民のほんとうの声を若い世代に、全国、世界へ広げよう。
 ★戦争の終結には必要なく戦後支配という利己的な目的のために広島、長崎に原爆を投下した犯罪についてアメリカ政府に謝罪を求める。 
 ★日本を原水爆戦争の戦場にする中国・朝鮮への戦争挑発反対、在日米軍の再編とアメリカの下請戦争への参戦を阻止しよう。自衛隊のイラクからの撤退、有事法の撤回。
 ★世界中からすべての原水爆兵器の製造、貯蔵、使用の禁止を要求する。そのためにはアメリカが率先して原水爆を廃絶しなければならない。
 ★労働者を中心に各層人民が全国的に団結して、平和の力を大結集しよう。
 ★朝鮮、中国、イラク、アジアと全世界の平和愛好者との国際連帯を強めよう。
 ★峠三吉が活動した1950年8・6平和斗争の原点にたち返って、原水爆反対の運動を再建し、8・6広島集会に結集しよう。

トップページへ戻る