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原水爆禁止全国実行委員会
力ある原爆反対の運動へ
                米国の犯罪を徹底的に暴露     2004年3月25日付
 
 原水爆禁止全国実行委員会が20日、山口県下関市のからと会館で開かれた。沖縄県、神奈川県をはじめ、富山県、宮崎県、岡山県、大阪府、京都府、広島県、山口県内から労働者や公務員、教師、文化人、医師など約50人が参加した。実行委員会では、イラク戦争に自衛隊が派遣されるなど戦争情勢が強まっていくなかで、圧倒的人民のなかでは戦争への激しい怒りと、平和への強い願いが充満していることが、各地の運動状況から報告された。そして、この情勢のなかで今年の八・六広島集会へむけて原水爆禁止の運動をどう力強いものにしていくのかをめぐって論議された。
  
 労働運動の再建を重視
 はじめに倉崎繁実行委員長は「原爆展全国キャラバン隊が結成されて、日本全国で原爆展を開催していることが、全人民に大きな影響を与えている。ふたたび原水爆の使用を許さない大きなうねりに貢献しているのは重要なことだ」と話した。
 つづいて事務局から、昨年の総括のうえに立った今年の運動の方向性がつぎのように提起された。
 広島、長崎への原爆投下から59年目を迎える今年は、原水爆禁止運動を担う政治集団を形成して運動をいっそう力のあるものに高めていくことが求められていること、労働者を中心に青年学生、婦人、教師、文化人、知識人、宗教者など各階級階層の平和のための統一戦線をつくることが、差し迫った課題であるとした。
 米ソ二極構造崩壊後、凋落(ちょうらく)していくなかでのアメリカの「グローバル化」「新自由主義」の力による世界支配が原爆を背景にしてすすめられていること、開戦から一年がたったイラク侵略戦争は大義が崩れ去り、アメリカによる石油略奪のためであったことがだれの目にも明らかになったなかで、日本では小泉政府がアメリカのために臆面もなく自衛隊を下軍軍隊として派遣し、国内では有事法制を制定、民族排外主義のファシズム運動展開など、段階を画して追随を強めていること、それが朝鮮、中国、ロシアなどを攻撃目標にして、原水爆の使用も辞さないとするアメリカの戦争への動員であり、日本民族をふたたび原水爆戦争の犠牲にさらすものであることを明らかにした。
 また提起では、広範な人人のなかでアメリカのイラク占領支配と日本の自衛隊派遣をとおして、かつての原爆投下はなんのためだったのか、戦後日本は五九年たってどうなったか、戦後総括的な意識と反米愛国の世論がかつてなく高まっていることを指摘。既存の政治勢力が戦争情勢になって逃げていくなかで、「アメリカ占領下で犠牲を恐れず、原爆投下の犯罪性を正面から暴露してたたかった50年8・6のような、人人の平和への思いを束ねていった平和運動が渇望されている。そのために誠心誠意奉仕していく」とした。
 今年の原水禁運動の課題としては、昨年の到達のうえに立ってひきつづき「原爆と峠三吉の詩」パネル展を全国に押し広げ、日本人民の新鮮な怒りを呼び覚ます活動を重視していくことを提起。「原爆を使用しようとするアメリカの手足を縛り、世界中の原水爆の廃絶を求める運動を日本から発展させ、大きく影響を与えていくこと、そこではなんのために広島、長崎に原爆が投下されたのか、戦後からつながる現代の日本をどう見るのか論議を広げるとともに、かつて世界的な運動として発展し、アメリカの原爆使用を阻止した50年8・6斗争を伝え、戦争阻止にむけた平和運動の刷新と力の結集に力を入れていく」とした。
 とりわけ労働者を中心にして各戦線の原水爆反対の運動を起こしていくこと、被爆国日本の労働者が平和斗争を第一義にしてたたかうことで、日本人民のなかに渦巻いている平和擁護の世論を励まし、各戦線の力を束ね、世界の平和運動に貢献することが歴史的な使命であることの論議を起こしていくことを強調。労働者のなかに原爆パネルをくまなく広げ、今日の倒産と失業、殺人的労働など苦難の根源が原爆を背景としたアメリカのグローバル戦略にあること、なぜ「安保」斗争以後労働運動が力のないものになっていったのか、どう克服すべきかなど、かつて50年8・6斗争で「日常斗争主義、経済主義は誤りであり、反帝反戦斗争、階級宣伝と国際連帯が労働運動の第一義的な任務であることを、白熱的に論議して平和斗争を担い、朝鮮戦争に反対してたたかっていった。そのたたかいが全国、世界に響き、アメリカの手足を縛って朝鮮戦争やベトナム戦争で原爆を使わせなかった」ことを正面から論議して、平和斗争を担っていく労働者の集団形成に力を入れていくとされた。
  
 全国で原爆展に共感 イラク戦争も重ねて
 提起にもとづいて各地から運動の発展状況が報告され、論議がすすんだ。
 原爆展全国キャラバン隊からは、1班、2班が2月から行動を開始して、これまでに九州は福岡県、長崎県、熊本県、佐賀県で街頭原爆展がおこなわれ、大阪府、京都府、兵庫県、岡山県、愛知県、静岡県でもやられてきたことが報告された。訪れる各地で空襲の経験や戦争で親類を亡くした悲しみ怒りが熱く語られ、戦後日本社会の総括論議が広がっていること、1年間かけて北海道から鹿児島県まで全国の都道府県に足を運ぶ計画が報告された。「8月に開催される広島集会、原爆展に全国の平和への力を結集していきたい」と決意が語られた。
 原爆展を成功させる広島の会の犬塚善五氏は、呉原爆展の成功を報告。「軍港としての歴史を持つ呉市で、2400人の市民が参観し、イラク派遣というなかで平和を願う力が充満していることを感じた。はじめて体験を語った被爆者が50人ほどいた。子どもたちに語りつぐ運動が形になりつつある。被爆者の思いが、峠の詩によって表に出てきた。今後さらに広島で平和の力を結集していく方向を検討している」と話した。
 岩国の森脇政保氏は、A3判パネルを使った原爆展が会社、事業所、学校、地域で大小127カ所で開催されてきたことを報告。「圧倒的な人人が戦争反対であるし、かつての戦争で亡くなった親兄弟をたいせつに思い、平和を求めていることを確信した」と話した。そして、「わたしは柱島で空襲にあったが、黒島では20軒あるうちの19人の子どもたちが防空壕に入っていくところを確認されてグラマンの爆撃を受けて殺された。米軍は笑いながら機銃掃射で農民や漁民を狙った。あれはほんとうに鬼畜だった。島の人人は怒りと悲しみを耐えて、戦後もずっとその防空壕を守ってきた。人人の経験を掘り起こして束ねていけば、かならず勝てることを確信している。屈辱の米軍支配について、岩国市民のなかには独立、民主、平和、繁栄の願いが充満している」と語った。
 小中高生平和教室代表の今田一恵氏は、今年に入って平和教室では戦争体験者に学ぶことを重視してきたとのべた。「いまの情勢のなかで被爆者や戦争体験者の情熱、迫力がこれまでと違う。イラクと重ね合わせてアメリカ軍がいかに残虐なことをやっていったのか子どもたちに語り、どんなことにも負けないで生きていってほしいと願いを語られている。子どもたちが響いているのは“戦争は絶対に許さないんだ!”というあの強さだ」と語った。
 岩国や下関の労働者からは職場で原爆展をやってきたこと、涙を流してパネルに見入る労働者や「アメリカのやっていることはヒットラーと同じだ」「テロ、テロというがアメリカのやっていることが一番テロじゃないか」といって怒る労働者の反響が報告された。
 長周新聞社からは、「キャラバン隊の反応を見ても各地で空襲の経験が語られ、アメリカの凶悪な正体が語られている。われわれは戦争を阻止する斗争をしなければならない。かつての大戦でもそうだったが、戦争情勢が苛烈になるなかで政治勢力が逃げていく。自分のことばかり心配している者は人民のたたかう力が見えないし敵を恐れる。大衆の力を確信し、アメリカの犯罪性を真向から暴露すること、日本人民のもともとの平和運動の伝統である50年8・6斗争の路線を発展させることが重要だ」とのべた。
   
 大型原爆展も準備 7月には広島、秋には長崎
 原水禁全国実行委員会では、今後さらに全国で原爆展を広げること、「原爆と峠三吉の詩」パネルや峠三吉詩集、「広島と長崎」(リーフ)、「戦争はなぜ起きたか」「現代の日本をどう見るか」(小冊子)、チラシや長周新聞号外を使って各地域で独自の運動を発展させていくこと、8月広島集会にそうした力を結集して、戦争阻止の展望を切り開くことを確認した。なお、8・6集会を前後した7月26日から2週間、広島メルパルクで大型原爆展が予定されており、全国から広島へ大結集して被爆市民との交流を計画していること、秋には長崎で大型原爆展が開催できるよう準備をすすめていくことが伝えられた。

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