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母親たちが質問浴びせる
ゴミ問題審議会長招き討議
         市民生活知らない坂本教授   2003年7月26日付

 下関市の有料指定ゴミ袋を値下げさせる会は23日夜、山の田の北部公民館で坂本紘二・市大教授(下関市廃棄物減量等推進審議会会長)を招いて、環境問題について勉強会と討議をおこなった。署名数は約5万人分を数えるまでなっており、地域で署名運動をとりくんできた自治会関係者や、母親たちなど約70人が、ゴミ袋1枚50円を市長に諮問したとされる同審議会の坂本教授から講演を受け、質問をぶつけた。
 はじめに西岡文子代表が「先生から環境問題を講演してもらい、先生にはわたしたちの生活を知ってもらうことで、よい交流であってほしいと願う」とあいさつをおこなった。つづけて講演に立った坂本教授は、行政はゴミ処理や収集から手を引くべきで、メーカーと消費者のあいだに行政はいらないとして、汚染者負担の原則とした。またゴミ袋1枚50円については、「安ければいいというふうにはいかない。いく分、負担感を感じることがたいせつだ」と話し、「わたしたちは後世に加害行為を加えている。将来を痛めつけている」と最後にしめくくった。
 これにたいして参加者からは疑問や質問が出され、市民生活の実情をはじめゴミ袋1枚50円についてや、行政責任について説明を求める声が上がったが、納得とはいかずに坂本氏が憤怒して席を立つ形でしめくくられた。同会は「25万市民のすべてに署名がわたるまで活動をつづける」と、意気ごみを高めた。以下は、坂本教授と市民のやりとりの要旨。
   50円の発想はどこから 
 市民 ゴミ袋を50円にしたのは、みなさんで審議して決められたことか。
 坂本 そうだ
 市民 それなら審議会のメンバーは、どういうふうにして選ばれ、審議した内容は公開していただけるのか。
 坂本 公開しているはずだが。わたしは江島市長から選ばれた。
 市民 ゴミ袋は高すぎる。
 坂本 だから、それは負担感がなければへらないからだ。
 市民 それはへんだ。わたしたちにいう言葉ではない。
 市民 人間が生きていくためには、かならずゴミが出る。消費税も払っているし、高い住民税も払っている。本来であれば行政の責任なのではないか。下関市はその責任を放棄したということと、同じことなのではないか。
 坂本 だから排出者責任という考え方から、ゴミ袋を50円にした。
 市民 あなたのいうことはよくわかる。排出者責任というのは、ひじょうにきれいな言葉だ。
 坂本 違う、へらすということだ。
 市民 だからといって50円もとることない。
 市民 山口市は10円だ。なぜよそができて、下関ではできないのか。
 市民 負担感があればゴミがへるというが、一方的でなく市民と協力しあってへらそうという考えはなかったのか。
 坂本 50円でなければ、へらないだろうという考えだ。
 市民 100円だったら、ぜんぜん出なくなるということか。
 坂本 それは高すぎる。
 市民 介護保険でもなんでもかんでも高くなる。
 坂本 きょう、わたしは追及されるために、来たのではない。
 市民 追及しているのではなく、質問をしているのだが。
 坂本 環境問題ということだからわたしは来た。
   審議会はイエスマン?
 市民 ゴミ袋の料金はどのようにして出されたのか。
 坂本 審議会で答申して出された。
 市民 この審議会というのは、役所の人が決められたのか。
 坂本 そうだ。
 市民 要するに、イエスマンを選んだと考えていいのか。
 坂本 わたしが選んだわけではない。
 市民 消費者が企業とわたりあうべきだという考えは、とてもよくわかるのだが、力のない個人がどうわたりあったらいいのか。企業とわたりあうべきというが、審議会の方からしてほしい。ゴミはゴミにあらずと先生はいうが、それは学者がいうことでかならずゴミとして出るものがある。高くすればゴミはへるというが、市民にたいして安易な痛みを押しつけているのではないか。審議会のなかには知り合いもいるが、論議を持ち帰ってああだこうだ、することもなかった。
 坂本 審議会としては、ゴミをへらしたいということで値段の設定をした。メーカーとわたりあう関係は、いろんな面でつくっていきたいと思う。NPOなどでメーカーと関係をつけていきたい。
 市民 50円という発想がどこからきたのか。下関市は介護保険料も高い。
 坂本 介護保険のことは知らない。
 市民 ちょっと待ってほしい。審議会の人たちや、それをとおした市議会の人たちは、市民の痛みなどぜんぜんわかっていないということがいいたいのだが。
 坂本 行政がゴミ処理の負担をすることが、あるべき姿とは思っていない。ゴミをメーカーが引きとる関係を早くつくりたい。いまは過渡的な状況だ。
 市民 そういう社会はいつくるか。
 坂本 さーそれは。
   市民の声聞くべきでは
 市民 わたしは月5万〜6万円の国民年金で、ほそぼそと暮らしている。年収が何千万円という人と、ゴミ袋代が同じというのはおかしい。このゴミ袋は、高いわりには薄くて困る。
 坂本 もう少し分別をよくするということで……。
 市民 おばあさんがスーパーで「ゴミ袋を1枚買わしてください」といいに行った。店員から1枚では売られないといわれると、がっかりして帰っていった。そういう生活をしている人もいる。
 坂本 いろいろチャンスを見つけて、話しあって提案した方がいい。
 市民 ゴミの分別が大事なことはわかる。だけどゴミの分別と有料化は、別問題なのではないか。年金だけで生活している方は、5箱で298円のティッシュペーパーが買えない人だっている。おむつはオシッコを吸うと、すごく大きくなり、ゴミ袋の量はかさんでくる。すでに無料配布分のゴミ袋はなくなっている。また高齢者にはこまかい分別は、分けきれない現実がある。きちんと分別はしたいと思うが、捨てる場所をスーパーにするだけでは、家庭ゴミがへっても世界のゴミがへったことにはならないのではないか。もう少し市民みんなの声を聞いてほしかった。
 坂本 すべてのものがメーカー引きとりになればいいのだと思う。
 市民 あまりものを買わなければいいのか。
 坂本 そういうこと。
 市民 けれどそれじゃ税金が入らなくなって、国はやっていけなくなる。
 司会 時間にかぎりがあるため、市民から出された声は質問状という形で出したいのだが。
 坂本 われわれは市長から諮問され、あくまで答申をするところ。議会が決めたことであり、わたしには決定権はない。

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