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働く者が主人公の平和で
豊かな社会創る力結集へ

               念頭にあたてのご挨拶      2009年1月1日付

 2009年の新年を迎え、読者・支持者の皆さんに謹んでご挨拶を申し上げます。
 敗戦から10年目の1955年、いかなる権威にも屈することのない人民の言論機関として創刊された長周新聞は、来年創刊55周年を迎えます。今年はこの創刊55周年記念運動を直接に準備する年となります。世界大恐慌まで来た戦後65年を総括し、平和で豊かな社会を実現する展望を切り開くための大論議を読者・支持者の皆さんとともに起こし、新しい時代への飛躍を期したいと考えます。

 
 内外情勢は歴史的な大激変を始めました。対テロ戦争などといって始めたアフガン、イラク戦争でアメリカはすっかり行きづまってしまいましたが、そのうえにアメリカを震源地とする金融恐慌が勃発し世界大恐慌へと進んでいます。これはレーガン、中曽根以来の新自由主義改革なるものの大破産ですが、それ以上に戦後世界資本主義の大破産です。
 今度の金融恐慌のきっかけとなったのはサブプライムローンの破たんですが、これは返済能力のない層に、住宅バブルが続くことを前提にして貸し付けたもので、そこに金融工学なる手法でその住宅ローンをさまざまに細分化して証券化し、それに保証を付け、格付け会社が優良の格付けをし、世界中に売り払い、それがバブル崩壊とともに大量に焦げ付いたものです。そのようなイカサマ証券が世界中に5京円もばらまかれて各国で焦げ付き、金融破たん、信用収縮をひき起こして大騒ぎとなっています。アメリカが、政府の財政も個人消費も、世界中から集めた借金によって虚構の繁栄、架空の需要をつくり出し、日本や中国などの企業がアメリカに輸出してもうけるという構造となっていました。
 この20〜30年来、「自由競争」「規制緩和」「市場原理」などが叫ばれ、労働者は非正規雇用でモノ扱いされ、各国の農業や地場産業は破壊され、医療や介護をはじめ社会福祉などは「自己責任」といって切って捨てられてきました。その一方で、詐欺金融を仕組んだ投資会社の経営者などは、年収50億円とか100億円という暴利をむさぼってきました。株主天下とされ、少数の富裕層が富の大部分を握り、大多数の働く者は困窮を極め、階級格差は度はずれたものとなりました。
 この経済破たんの根底にある問題は、過剰生産危機という資本主義につきものの病です。資本同士は激しく生存競争をしますが、そのためには労働者を低賃金にします。働く人人を貧乏にさせた結果、消費購買力がなくなり、過剰生産危機となります。新自由主義というのは、ベトナム戦争でドル危機が進み1971年には金ドル交換停止のいわゆるニクソンショックとなり70年代半ばには世界恐慌に見舞われ、戦後資本主義の相対的な安定期が終えんするというなかから出てきたものです。80年代以後は各国でバブルをひき起こして架空の消費需要をつくってきましたが、最後がアメリカのバブル破たんとなりました。値上がりする住宅を担保にして何度も借り換えをし、その差額を自動車ローンとかクレジットローンにして消費購買力をつくるというものが、初めから成り立つわけがありません。
 今度の世界恐慌は、第2次世界大戦へ行き着いた30年代恐慌を上回るものであり、100年来の大恐慌だと騒いでいます。100年を振り返ると、資本主義の自由競争時代が終わり帝国主義時代になって世界中が分割され、その植民地争奪をめぐって第1次世界大戦がひき起こされました。この戦争のなかからロシア社会主義革命が起きて労働者の国家が生まれました。資本主義世界は第1次大戦後のバブルがはじけて30年代恐慌になり、第2次大戦へと突き進んでいきました。一方で社会主義ソ連が発展しますが、第2次大戦が接近するなかでソ連指導部のなかから、世界の人民の解放のためにたたかうという国際主義を否定して、ソ連を擁護するために世界中の人民のたたかいを利用するという民族利己主義が台頭しました。
 第2次大戦は中国革命をはじめ一連の社会主義陣営を誕生させました。だがソ連を中心に発生した修正主義裏切者潮流が、人民の敵である米英仏帝国主義を友と見なし、各国の共産党を変質させ人民の解放運動を破壊し、ついに社会主義国が転覆されることになりました。米英仏指導部は社会主義の崩壊を「資本主義の勝利」と大騒ぎしましたが、実際は資本主義の崩壊の始まりだったということです。ロシア革命を勝利させたレーニンは「現代は帝国主義とプロレタリア革命の時代」といいましたが、それから100年近くたった現在、まさに資本主義は腐りきってしまい、社会を維持し発展させる障害になっていることは疑いありません。

 
 国内情勢も大きな歴史的転換の過程を進んでいます。小泉・竹中など自民党政府がアメリカのいいなりになって市場原理の構造改革を進めてきましたが、その結果日本社会はすっかり崩壊状況となりました。今度の世界的な金融恐慌は、この売国的で犯罪的な政治の破たんを示しています。若い労働者は子育てもできないような劣悪な扱いをし、社会的に保障すべき医療や介護、社会福祉や教育などを「自己責任」などといって切って捨て、食料自給率は安いものを輸入すればよいといって40%を切るまで農漁業を破壊しました。なによりも社会の生産活動を担う労働者を労働力の再生産もできない生活状態におき、いざ恐慌となると過剰在庫の部品と同じように首を切る派遣雇用や期間契約雇用を合法化してきました。働く者を厄介者のように扱う社会が成り立つわけがありません。
 自民党政府は金融立国といって金融自由化を進めてきましたが、結局アメリカ国債や債券などの形で600兆円といわれる資金をアメリカに吸い上げられて紙切れになるという有様です。国際競争力こそすべてといって、労働者は生活できない低賃金にし、農漁業や中小企業はなぎ倒して、トヨタとかキヤノンなどの大企業だけが輸出でボロもうけしてきました。日本の大企業は国家予算の3年分にも当たる250兆円もの、内部留保を抱えています。この大企業が真先に、株主配当は増やしながら、公的資金を要求し、何万人もの労働者を切り捨てています。
 また自民党政府は、米軍再編には3兆円を超えるような税金を出し、ミサイル防衛と称して日本をアメリカ本土防衛の盾にしてアメリカの核戦争の戦場にするというとんでもないことをやっています。そして日本の若者を生活ができないようにさせて、米軍の下請軍隊として駆り立て、アフガンなどに海外派遣し、米軍の肉弾に仕立てようとしています。カネを出すだけではなく命まで差し出すというのです。世界恐慌のもとで、各国の独占資本間の争奪は激化しており、失業と貧困と戦争の脅威が強まっています。
 世界的な大恐慌が進行し、新自由主義改革が破たんするなかで、麻生自民党政府は登場したとたんに立ち腐れ状態になっています。麻生首相に限らず、各政党、財界、マスメディアや学者など日本の支配層は、日本の国益に立った独自の世界認識と戦略などまるでなく、万事アメリカのいうとおりにやってきた売国奴の姿をさらしています。英語はしゃべるが漢字は読めないという首相の姿は、祖父の吉田茂から続く売国政治を象徴しています。
 かつての満州事変から日中全面戦争、太平洋戦争と続く第2次世界大戦で日本人民は320万人が殺され、日本中の都市が空襲で焼き払われて筆舌に尽くしがたい経験をしました。労働者は家畜かモノのような扱いを受けていますが、戦争中米軍は日本人を虫けらかサルと見なして殺し尽くす作戦を実行しました。人人は戦後の荒廃のなかから立ち上がって、平和で豊かな社会を建設するために努力してきましたが結局はアメリカの植民地的な隷属の鎖につながれ、今や破局的な状態になってきました。アメリカの対日戦争は、ならず者の軍国主義を退治して民主主義を実現するなどというものではなく、日本を単独で侵略支配し、アジア・中国侵略の基地とするという目的のためでした。アメリカは日露戦争のあとには日米戦争は不可避と見なし、ハワイ攻撃を待って日本を徹底的に壊滅させ占領するという計画を立てていました。もっといえば幕末のペリーの黒船来航以来の占領計画を持っていました。教育も文化もメディアも、自己中心の個人主義を中心とするアメリカ仕込みの洗脳装置となり、アメリカナイズされた植民地的退廃は目を覆うばかりとなっています。この凶暴なアメリカの帝国主義の正体を隠して美化する意図的につくられた世論は一掃しなければなりません。
 日本は明治維新によって、260年続いた徳川幕藩体制を打倒し、外国勢力の侵略を排して近代資本主義社会となりました。以来第2次世界大戦をはさんで140年、資本主義はすっかり行きづまり、働く者が主人公となる平和で豊かな新しい社会を実現する、歴史的な大変革期に来ているといえます。

 
 戦後のアメリカ支配の欺瞞が、人人の現実生活のうえで暴かれるなかで、日本人民の世論と運動は歴史的な大転換をとげています。
 昨年初めは、米軍再編問題をめぐる岩国市長選と衆議院補選が大きな注目を受けました。あらゆる権力、金力の攻撃を前に、岩国市民は強力な力を発揮し全国を激励しました。岩国市民の世論は、単純に騒音とか環境を破壊するからというものではなく、戦後の全歴史的な経験から、米軍が日本を守るものではないことを確信するとともに、基地に支配された岩国は対米従属の日本社会の縮図だということ、したがって日本の独立を実現する要求だという政治認識を共有することで、全国と結んだ強力なものとなりました。
 峠三吉の原爆展運動は、全国の空襲体験の記録、沖縄戦の記録、そして戦地体験、さらに戦後のアメリカ支配とそれに対するたたかいという総合的な「第2次世界大戦の真実」のパネルに発展し、多くの人人に真実を訴える力を発揮してきました。昨年は、長崎、広島の全市民を代表するものとして、全国、全世界に平和を訴える力強いものとなりました。被爆者の活動が気迫に満ちたものとなり、若い世代と呼応しあいました。現役の労働者、または失業を強いられている労働者が、「貧乏になって戦争になっていった」という戦前の経験などに照らし、自らの境遇をもたらしている根源である原爆投下に始まる戦後のアメリカ支配に目を見開き、積極的な行動を求めて登場してきました。広島でも長崎でも、若い学生たちがこの運動に参加していることが多くの人人に希望を感じさせています。
 中国電力の上関原発問題は昨年、二井知事が埋め立て申請を許可しましたが、建設が簡単に進むような状況にはありません。隣接する岩国基地は米軍を倍増させて、被爆地である広島湾岸を核攻撃拠点にしながら、戦時のミサイルの標的となる原発を建設するという暴挙に対して、上関と岩国、広島を結ぶ連帯が強まりました。また市町村合併をやり、農漁業を破壊して疲弊する農漁村の共通問題として、原発による上関町の無人島化政策に反対する世論は全国的に共有されています。
 安倍元首相の代理市政で、小泉・竹中の市場原理政治のモデルともいうべき下関の江島市政の反市民市政に反対して、郷土愛に立った市政の実現を目指す市民の運動は強力に発展しました。老人休養ホーム・満珠荘の再開を求める署名運動は、学校統廃合計画や市役所移転・建て替え計画の白紙撤回などさまざまな市民要求を代表したシンボル的な運動として発展しました。この運動は、個人の利権や地位を求めるために市民の運動を利用するというものを排して、署名をした8万人余の人たちへの責任、30万市民の利益を守るという私心のない精神で、団結できるすべての人と団結する新鮮な運動として、市長選を動かす大きな力を発揮しています。
 今年の大きな課題は労働運動を再建することです。失業者があふれ、就業労働者の労働はますます厳しくなっていますが、働く者を生活できないようにする独占大企業や政府は、この社会を統治する能力がなくなったということです。この社会で政治を動かすもっとも大きな力を持っているのは労働者です。労働者の協力なしにはいかなる大企業も国も成り立ちません。労働者は資本とたたかわなければ生活できず、さらに60年安保斗争のように全産業的、全国的、全世界的に団結して、対米従属下の構造改革路線と対決する政治斗争をたたかわなければなりません。多くの労働組合が会社側に奪われているなかで、下から先進集団が結集し、労働者の団結をつくっていく努力をしなければなりません。
 長周新聞は、戦後史を画する情勢の重大な転換点で、幾千万大衆とともに、独立、民主、平和、繁栄の日本を実現する実際的な力を結集し、新しい時代を切り開くために奮斗努力することをお誓いして新年のご挨拶といたします。
                                    2009年元旦

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