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被爆の真実学び学生が行動
広島修道大で原爆と戦争展
             伝える使命で意欲増す被爆者    2013年5月15日付

 広島市安佐南区の広島修道大学図書館・展示ギャラリーで13日、同大学では7回目となる「原爆と戦争展」が始まった。開催にあたって、これまでに賛同者になっている学生たちが校内にポスターを掲示して宣伝し、先月におこなわれた被爆体験を学ぶボランティア論の講義に参加した学生も新たに協力者となって、会場設営や案内を担っている。学生や教授、准教授などが参観し「真実を語り継ぎ、戦争を阻止する運動に協力したい」と、その場で約10人の学生が活動への参加を申し出ている。
 
 活動参加の申し出が相次ぐ

 会場である図書館・展示ギャラリーには、原爆展を成功させる広島の会の被爆者も毎日2人ずつが交代で訪れ、参観した学生たちに被爆体験を語っている。
 被爆者の上田満子氏は、昭和20年に憧れであった女学校に入学したが、当時は勉強どころでなく東練兵場で毎日農作業などに追われていたこと、一人ずつ交代で休みが与えられ、8月6日がちょうど自分の休みの日で家にいたときに被爆した経験を話した。「母と3歳の弟と私が家にいたが、3人とも家の下敷きになった。“助けて、助けて”と叫んだが、周りもそれどころでなくなんとか自力ではい出た。次に出てきた弟の顔はサッカーボールのように膨れあがっていた。最後にやっと出てきた母も右の顔が赤紫色にはれ上がり、お化けのような姿になってしまって思わず声を上げそうになったところをグッとこらえた」。
 そして、「二度とこのような戦争を経験してほしくないと思って若い世代に精一杯語り継いでいる。そのことが私たちの使命だと思うし、生きがいを感じている。今も世界で戦争がおこっているが、日本は他人事としておれない状況になってきている。国民を戦争の犠牲から守るための憲法まで変えて、戦争への動員体制を作り出そうとしているが、戦争情勢にきているのは明らかだ」とのべ、「若い人たちの力も借りて、全国の人人の力で戦争をくりかえさない運動を盛り上げていかなくてはいけない。みなさんもぜひ運動に参加してほしい」と熱心に訴えかけた。
 パネルを一枚一枚時間をかけて読み込んでいた人文学部1年の男子学生は、「自分は山口県出身。これまで原爆資料館には一度行ったことがあるきりで、戦争について真剣に学ぼうとしていなかった。パネルを見て一番印象に残ったのは、“動くものはみな狙われた”というパネルで、体験者の証言は衝撃的だった。老人、女性、子どもたちなど非戦斗員まで容赦なく殺したアメリカに対して、日本人として悔しい気持ちと怒りが同時にわいた」と感想をのべた。そして、「今日は途中までしか見ることができていないのでまた来たい。伝えていく活動は若者が担わなければならないと思う。僕も実際に行動に移していきたい」と話した。
 人文学部一年の女子学生は、県外出身であることを打ち明け「広島は特別な場所だと思い、戦争や原爆について学びたいと思っていた。体験者の話を実際に聞くことができて、若い私たちが、戦争体験世代に負けずなにか行動していくことが大事なんだと感じた」「パネルを見て、率直には“怖い”としか言葉が思い浮かばないが、戦争をくり返さないためには、今の若い世代がこの現実と向きあって行かなくてはいけないんだと思った。ボランティアとしての参加を考えたい」と話した。
 3年生の男子学生は、「昨年受けたボランティア論の講義で被爆者の体験を学んだ。僕は戦争を経験していないから遠い昔のことだと考えていたが、たった六八年前のことであり、今も戦争に脅かされる社会になろうとしている。若い世代であるからこそ、思いを行動に移していかなくてはならない」と話した。
 2年生の男子学生は、「第一次大戦後のバブルがはじけて、日本は中国や朝鮮に侵略していったが、第2次世界大戦がいかに必要のない戦争であったのかがよくわかった。今再び、戦争が不安視される世の中で、若い人が関心を持って戦争反対の行動を起こすべきだ。ぜひ活動に参加したい」とのべ、連絡先を記していった。
 大学教授は、「安倍首相が暴走政治を進め、また戦争をやろうとしているときに、若い世代に原爆と戦争の真実を学ばせることはとても有意義なことだ。私は日本が独立するためなら、アメリカとたたかってでも独立を勝ちとりたいという考えだ」とのべた。
 広島修道大学の「原爆と戦争展」は一七日まで開かれる。

 アンケートより

 ▼私は以前から戦争に関心があって、沖縄戦の本を読んだり「硫黄島からの手紙」を見たりしてきたが、今回の展示は正直怖かった。目を背けたいような写真がいっぱいだったが真実が伝わってきた。私は山口県出身で、岩国米軍基地についても展示があったので初めて真剣に考えさせられた。(人文学部1年・女子)
 ▼戦争・原爆の残酷さを思い出す貴重な経験になった。原爆を受けてから時間が経ち、これからどのようにして原爆の恐ろしさを継承していくのかもう一度しっかり考えねばならない時期にある。私も原爆の恐ろしさについてもう一度考えていきたい。(法学部1年・男子)
 ▼福島原発事故の状況が今ひとつわかっていなかったので、知る機会ができてよかった。原子力はやはり安心できるものではなく、可能な限りなくしていき皆が安心して暮らせるようになればいい。広島で生まれ育ったので、広島県民として私も原子力について、もっと知識を深め多くの人に訴えていきたい。(人文学部1年・男子)

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