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広島で本紙号外激しい共感
平和公園原爆展
               朝鮮制裁に強い危惧    2006年7月17日付

  原爆展全国キャラバン隊は毎週土日曜、平和公園内にある「原爆の子の像」横で街頭原爆展をおこなっている。八月が近づき、全国各地からの参観者が増えるなかおこなわれた15、16日の展示では、原爆の惨状への怒りとともに、北朝鮮のミサイル問題をめぐる「制裁せよ」「先制攻撃せよ」との日米政府やマスコミをあげた大騒ぎに対して、強い危機感が語られた。参観者に配布された「 “暴支膺懲” の失敗繰返すな/米日側が戦争の脅威作る」本紙号外は、強い共感を呼んだ。
 本紙号外を展示場所の近くにあるベンチに座り、熱心に読み込んでいた70代の男性被爆者2人は、「最近の政府やアメリカとテレビや新聞の動きは危険だ。戦争と原爆投下を2度とやらせてはならない。次の戦争は鉄砲でバンバンというものではない。ミサイル戦争、原水爆戦争になる。2人とも御幸橋の近くで被爆した。わたしたちが、生き証人だ」と語りはじめた。
 2人とも原爆によって家族の大半を殺され、その後の苦労は、並大抵ではなかった。戦後60年「アメリカのこんちくしょう」と思いながら必死に働いてきたこと、それがまたアメリカに従い、戦争に進むのではないかと思うと腹がたって仕方がないのだ。
 「北朝鮮がいまにも攻めてくるような騒ぎだが、そんな力も意志もあるわけがない。アメリカがミサイルや爆撃機で攻め始めれば、何時間かで終わりになることは北朝鮮が1番よく知っている。大騒ぎする日本や、アメリカのほうが、戦争がしたいのではないか。今はまだいいが、放置しておけば次は中国とやりはじめる。ミサイルが悪いというが、戦争で原爆を使ったのは世界でアメリカだけだし、また使うとすればアメリカしかありえない」と強い口調で語った。
 13歳の時、学徒動員で被爆したという婦人は、「小泉さんが先日アメリカを訪問していたが、アメリカと仲がいい同盟国と思っているのは、日本人だけ。アメリカは、日本を都合のいい道具か、盾ぐらいにしか考えていない。北朝鮮のミサイルは、アメリカ本土には届かず、日本がやられる。アメリカが、日本を守るわけがない。いいかげん、日本人は目を覚ますときですよ」と話した。

 熱心な若い世代戦争阻止へ切実な思い
 大阪から初めて広島を訪れたという30代の女性は、展示と本紙号外を見て「心強く感じた」といった。
 「原爆と全国の空襲の写真は、あまりにもむごすぎて最後まで見ることができなかった。北朝鮮の問題は、ミサイルを口実にして、攻めていくきっかけ作りのように見えて恐怖を感じている。1部の指導者のためにもう1度戦争に巻き込まれてはたまらないと思っている人が多いはずだが、テレビや新聞の大騒ぎで、洗脳されそうな気がして見るのも嫌になっていた。世界中で1番戦争をしているのはアメリカじゃないですか。もっとこの展示と、戦争をするなの声を大きく発表してほしい」と語った。
 静岡から訪れた30代の夫婦は、「どうすれば戦争を止めることができるのか、1人1人が考える時になっている。戦争がやりたいという人は誰もいないが、北朝鮮の問題を見ても、普通と思っている暮らしをしているあいだにいつのまにか戦争になっていそうな気がしてならない。テレビやマスコミによって、ものも言えないような雰囲気が漂っている。戦争に持っていきたいのはアメリカだと強く感じる」と話した。
 また、自分たち夫婦も、最近になって静岡の空襲の様子、戦争のことを学ぼうと意識を持ったばかり。原爆や戦争のことは学校でも若い者には何も知らされず、アメリカのような国が大きな顔をしていることに驚いたという。
 そして「平和が続くのなら1番いいが、世の中は戦争に向かって進んでいる。原爆を体験した日本人として、戦争をやめさせる世論を大きくしていく必要があると思う」と、アメリカに謝罪を求める署名を持って帰った。
 相模原からきたという30代の女性は、パネルを見たあとしばらく言葉がでなかった。「信じられないことだが、これが実際にあったことだと思うとショックを受けた。北朝鮮の中身などはよくわからないが、ミサイルをきっかけに一挙に戦争の危険を感じている。日本はアメリカにたいして、ハッキリ意見をいえる国にしないといけない」と話す。
 以前、ハワイ旅行にいったとき、資料館で真珠湾を攻撃した日本が悪いというビデオを長時間みせられ、周囲にいた他国の観光客から非難の視線をあびた。あとから思い起こしてみると、日本に攻撃されるということがわかっていなければ撮影できなかったような場面が多かったという。
 「展示を見て、アメリカは、わざと真珠湾攻撃をさせ原爆投下までやったのだとわかった。なんとむごい国だと思うが、北朝鮮の問題も同じではないか。戦争のことを知らない、あまり関心がないというような若い人に、もっと真実を伝えてほしい」と語った。

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 北海道で農業をやっている三〇代の男性は、「原爆と現在の日本の農業がおかれている状況が一つにつながる。牛肉の輸入再開問題や、牛乳の問題と原爆の投下を重ねあわせると怒りが募るばかりだ。農業は、国の基礎のはずなのに、輸入ばかりで日本の食料自給率は低すぎる。日本人の食べ物は、日本でまかなえるようにするべきだ。北朝鮮の問題でも、農業の問題でも、黙っているだけでなく、誰かが声をあげていかないといけない」といった。

 世界各国の参観者も ”アジア友好が一番”
 原爆展には、世界各国の人人も多数訪れている。
 「韓国」から30人程の団体で訪れていた教師たちは、原爆展を参観後、本紙号外を日本語がわかる同僚から通訳してもらいながら熱心に読んでいた。40代の高校教師は、「韓国でも、北朝鮮がミサイルを撃っただけで、なぜ日本が制裁や戦争とあれだけいっているのか疑問の声が高い。北朝鮮が戦争をするつもりのないことは、韓国では常識とされている。日本人は、原爆であれだけ酷い目にあわされ、朝鮮人も国が半分に分断されるなど、同じ境遇ではないか。日本が、中国や朝鮮など、アジアに目を向けず、アメリカばかりを気にするのはおかしい。アジアの友好が1番だと、みんないっている」と語った。
 イギリス人の23歳の男性教師は、「本当に身震いするような恐ろしい写真があった。アメリカが原爆を使用したことは、日本にとって屈辱です。なぜなら、白人国のドイツにたいしては使用しなかったからです。イギリス政府は、核戦力の近代化のため2500ポンドも使おうとしている。イギリス国民の意見を聞かずおこなっています」とアンケートに記した。
 カナダ人の男性と結婚しカナダに住んでいるという婦人は、「カナダでも反米がすごく強い。数年前、スミソニアンで原爆展をやらせないとアメリカがいったとき、バンクーバーで原爆展をやり成功した。その時、各国の大使館にも賛同をつのったが、日本大使館だけはダメだといった。日本人として本当になさけなかった。アメリカのやり方に怒っている国は多い。日本人がしっかりしないといけない」と話した。

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