トップページへ戻る

崩壊に向かう安倍・江島体制
来年春の下関市長選に向けて
              表面は暴走、内実は落ち目    2008年5月12日付

 下関では来年春の市長選が迫っている。行き場のない江島市長は5選を目指して「やる気まんまん!」というのが周知の事実になっている。ところが選挙を前にして市民から“善政”と評価されるものはゼロに等しい。支持率低下なら福田首相や安倍前首相の比ではないのだが、これを改めるわけでもなく、果てしもない箱物・道楽三昧、市民生活の「効率化」と称した切り捨ての暴走を続けている。満珠荘再開の署名が六万人を超えても、聞く耳なしである。保護者である安倍代議士が、総理大臣を放り投げして、再登場した集会では反省どころか自慢話ばかり。名誉回復として采配をふるった衆議院山口2区補選は、自民党選挙のぶっ壊し屋の本領を発揮、敗戦の記者会見も放り出して自民党の県議、市議からブツブツ文句をいわれている状態。江島市長の再暴走は安倍氏の気分も反映してスタートしたと見られるが、安倍氏の2区ショックで調子が狂っているとも見られる。下関市政をめぐってなにが動いているのか見てみた。
 市政の混乱と停滞は各方面で顕著になってきた。教育、福祉、行政運営、議会方面、旧4町との関係など、挙げればきりがない。さまざまな社会保障施策を予算ぶち切りでギロチンしながら、箱物利権事業には大盤振舞。市民の怒りが日日増幅している真最中だ。
 歴代の安倍代理である泉田市政、亀田市政の最終段階と比較しても、末期的な色合いは「あの当時どころではない「と語られている。下関では、いまやどこへ行っても市民から蛇蝎(だかつ)のごとく嫌われた存在だ。

 不可解な教育長人事 文科省の課長が天下り
 5月臨時議会を目前に控えた8日、下関市は空白の教育長ポストに文部科学省科学技術・学術政策局調査調整課長の嶋倉剛氏(44歳)を迎えると発表した。すでに地方派遣の経験などすませている現役キャリア課長が、30万人に満たない地方都市の教育長に天下ってくるというのだから、不可解な人事としてみなが驚いた。県教委から天下った松田教育長ではパンクしたというので今度は文科省から「エライ」さんが来るというわけである。
 下関市では、江島市政のもとで中央省庁から坊ちゃんキャリアの受け入れが増えている。現在では、港湾局長、都市整備部長、保健所長、財政部長の四ポストをお兄ちゃんたちが占めている。今度は特別職の教育長もキャリア組というわけだ。ただし、これまでの受け入れと違うのはもっと「エライ」現役課長ということ。いまどき田舎の首長が省庁に陳情に行っても、課長が出てくるのは稀といわれるほどで、格が違うのである。
 文部科学省のキャリアというと、入省から20年前後で課長級に横並びで出世。そこからいよいよ「ふるいわけ」出世レースが本番を迎え次は各局筆頭課長、総括官、官房審議官、部長、局長(次長)、文部科学審議官、事務次官へと生き残りサバイバルレースが本格化する仕組みといわれている。脱落した者は省庁の地方部局、地方公共団体、外郭団体の幹部職員として出向したり、民間企業に再就職あるいは政治家に転身するコースになっている。
 泉田元市長などは自治省の係長で下関に来て、市長になった。二井知事などは早くに官僚出世レースからはずれ、地方に下って敗者復活戦で知事になった。今度はそれ以上に格が上なのである。
 文科省課長の教育長人事は、明らかに安倍氏人脈と見られる。今回の人事は、直接的には全国最先端の大規模な小中学校統合を進める配置となる。しかしそれだけで文科省の課長が来るのは不思議な話。それ以上に、県の教育長を鼻であしらう関係だった中央の課長が、県教育長の下におりるというのはさらに不思議なこと。どう見ても“都落ち”である。文科省でなにか問題を抱えて放り出されたのか、それとも先に教育長以上のポストが待っているのか、という詮索も鋭く語られている。
 市内の話し好きのなかでは、失態続きの安倍氏が、江島市長と一緒では自分がやばいということで、市長の首すげかえ要員として呼んで来たのか、自分のかわりの代議士要員にするわけはないし、との深読みをする声もささやかれている。
 今月14日の市議会臨時会に教育長人事が提案されるものの、本人は「公務の都合で来関できず、所信表明できない」といっている。濱本収入役のスライド人事を否決した市議会としては、今度は顔を見たこともなければ、どのような人間なのかも知らぬまま、「文部科学省の偉い人」を教育長にするかどうか判断を迫られることになる。飼い猫議会の評判は定着しているが、今度は目くら判を押すのか、議会の演技も注目される。
 いずれにしても、江島市長は懲りない暴走市政を続けているが、安倍代議士の地位は落ち目であり、下関の市政をめぐる政治バランスは大きく変動しつつあるのは明らかとなっている。

 聞く耳ない江島市政 福祉切捨て学校は統合
 江島市長の聞く耳のない市政は度はずれたものとなっている。老人休養ホーム・満珠荘の再開を求める署名は6万人を超えた。だがこれは一部のものの要求だといって、新たに5000人のアンケートをとって多数のものの意見を集めるなどと、ふざけたことをいっている。後期高齢者医療制度などと関連して、長生きするのは国賊だという政治が根本だと論議になっている。川中中の教科教室問題も、さらにその学校の前に大ショッピングセンターをつくろうという計画も、教師や父母、住民の意見など聞く耳ない姿勢である。
 市民の怒りと要求はうっ積したものとなっている。市政運営では、市民生活に関係する分野は歳出削減、市長の道楽や利権事業は歳出拡大になっているのが特徴だ。とくに教育・福祉分野の切り捨て、旧4町の切り捨てが深刻なものになっている。
 「国保料を下げます「が95年に出馬した時の公約だったが、「若気のいたりだった」と反古にして、いまでは県内トップの高額負担。全国に先んじて、障害者相談員制度を廃止していたことも明らかになった。市財政から支払われる、わずか100万円程度(1人あたり年間2万4500円)の経費も削った。有料指定ゴミ袋は国内トップクラスの高額で、家計から巻き上げる。
 全市内における学校や保育園の統合計画も狂気の沙汰で、農漁村地帯からの子育て施設剥ぎ取りがとくにめだつ。角島地区の父母らが2万人近い署名を集めて保育園存続を要望しているのに、文部科学省推奨の幼保一元化施設のために効率化するといっている。
 学校は小学校・中学校をあわせて22校も廃校にする。これも学校用地の売り飛ばしによる財政補填(てん)と、その後の箱物流用資金に化けることは目に見えている。図書費や交付税措置されたはずの学校予算も一般財源化による箱物流用で、子どもたちのために使われない。学校給食は物価高騰が直撃して、もうじき食材を減らすことも視野に入れざるをえないなか、市からの補助など措置をとる動きは皆無だ。

 市民からは搾りあげ 箱物道楽には大盤振舞
 しかし箱物になると話は別。文部科学省推奨の教科教室型導入をめぐり父母らの反対の声を押し切ってきた川中中学校建設には、土地代・建設費をひっくるめて50億円をかける。予算3割増しの学校建設が最優先といわんばかりの進め方になっている。金をかけて区画整理した学校建設予定地の目の前には、あるかぽーと地区への進出に失敗した大型スーパー・イズミのショッピングセンターを誘致。教育に関わる人人にとっては「あり得ない」と思うようなことを平然とやってのけている。
 大型店は野放しで市街地の商店街が寂れるなか、追い打ちをかけるように、唐戸地区や竹崎界隈を駐車違反特別監視区域に指定して、客を追い散らす。7月からは、唐戸や駅周辺にタバコ禁止区域を設けて、警察官OBの食い扶持ポストを用意するということもやっている。
 公共事業を請け負う中小企業はどうなったかというと、大型箱物利権は安倍縁故企業や市長周辺が無競争で奪っていくのとは対照的に、全国でも2番目に導入された電子入札制度によって、横須賀市(小泉純一郎の地元で、国内ではじめて電子入札を導入)もビックリするような、日本一ひどいダンピング競争によって、経営難にあえぐこととなった。企業淘汰が国土交通省の誘導政策というのである。
 経費節減は市民の生活からで、搾り取って浮いた金がどこに回るかというと、巌流島のライトアップに8000万円とか安倍グループの映画館経営に290万円の補助、ロンドンバスに2000万円、JR西日本利権の梶栗駅舎には5億6000万円。そして、ペンギン御殿に22二億円、犬猫が気持ちよく死んでいくための安楽死施設に11億円、社会教育複合施設に80億円、豊浦町の観光施設は旧町時代より計画倍加して10億円など、各所で箱物建設が大忙しになっている。
 今後も、200億円規模の利権である新市庁舎、駅ビル、新博物館建設など、山ほど箱物利権事業が控えている状況で、「いい加減にやめさせろ!」の声が市内全域に渦巻くこととなった。

 諦め煽る野党系市議 市長選は予備選の様相
 こういうときに、市民にささやいて回っているのが、野党系市議らで、「江島市長はいい出したら聞かない」「議会が保守系が多数だから、あきらめるほかはない」などといっている。表面は暴走、中身は弱り目の安倍・江島体制を強いものだと思わせ、市民の運動をあきらめさせて、安倍・江島体制を救う役目を果たしているのである。
 下関は、安倍事務所がいて、連合は自民党安倍・林派を続けて、民主党市議は1人もいない状態。公明・創価学会は昔から安倍派。「確かな野党」と自称する「日共」修正主義集団も、市民の運動をつぶしては感謝される関係で、安倍・江島体制に刃向かった実績はまったくない無害状態。
 こうしたなかで、市民の大関心となっているのが来年の市長選である。市長選をめぐっては、今のところ江島市長の対立候補が表面上は出てこない状況になっている。江島市長の選挙戦術は、安倍事務所が丸抱えすることが根本条件となる。第2の条件は対立候補が出る前につぶすこと、つまり無投票なら当選確実。第3の条件はそれでも対立候補が出た場合、前回は票割り候補を立てて得票率19%で当選したが今度は2、3人票割り候補を立てて、得票率10%でも当選するようにする、というようなことが想定されている。
 現在、市長候補で名前がチラホラしている部分は、だれが安倍氏に認められるかをめぐる自民党内予備選といった状態。江島市長のベスト・パートナーである林真一郎氏(市議会議員)は、周囲に「出たい」と吹聴してきた1人。3月に参加費4000円の市政報告会をやったが、周辺からは近い関係ほど「やめろ」といっているといわれている。菊川町長だった、林哲也氏(県議)が出るとか出ないとかの話もあるが、浮上したり消えたりの繰り返し。「2人とも林系列で、安倍がウンといわないと市長にはなれない」とは安倍派内の意見だ。
 「江島の次は自分だ」といっていた安倍氏の筆頭子分といわれる友田有県議だが、余り評判が良くないというので、「友田がだめならわしが」と密かに願望をたくましくしているのが関谷博議長といわれている。最近やけに江島市長と距離を置くようなパフォーマンスが増えており、市民受けを心がけている風だと見られている。
 無所属で市会議員になったばかりの香川昌則氏も「市長になりたい」といってきた1人。「自民党に入党したのに自民会派に所属せず、議案にも反対しやがる」と文句をいう先輩議員もいるが、はじめの江島市長や岩国市長選、大阪知事選のように、無党派を装って票をかき集めるのが自民党の作戦。筑波大学に在籍していた学生時分、安倍晋三氏の秘書のような活動をしていた経歴の持ち主。安倍晋太郎氏の金庫番の小間使いをしていたが、無党派を装った江島氏と似た格好。
 下関市長選をめぐって名前が出ているが、下関ではアメリカ大統領選挙ばりの自民党内予備選がおこなわれる習慣があり、基本的には代議士に認められるのを競っている。公明から連合までを従えた安倍事務所が、安倍&江島コンビの継続という判断なら、線香花火のように散っていく存在と見られている。

 安倍・江島体制落目 強まる市政を変える力
 下関市政を変えるためには、安倍支配を変えなければならないというのは全市世論となっている。市長選とともに総選挙が注目だが、落ち目の安倍代議士であるのに、対抗馬をつぶす力への神話は健在で、民主党も名前も挙がらずチンとした状態。民主党は市議はゼロ、県議は加藤氏1人で、安倍氏に楯突いた古賀敬章氏が会社もろとも叩きつぶされたり、応援に回った企業が公共事業から干されて締め上げられたり、陰湿な制裁が加えられてきたのも前例。
 下関市政をめぐっては、安倍・江島体制が表面上を見れば聞く耳なしの暴走を続けているが、その内実はまったくの落ち目となっている。市民の力の方がはるかに強いものとなっており、政治的な激変をはらんでいる。
 こうしたなかで、政治を動かす最大の力は、議員などにはなく、市民大衆のなかにある。市民の生活の擁護、市民の民主主義の擁護、そして下関の食いつぶしを許さぬ、市民の世論と運動を強めるなら、腐った安倍・江島体制を打ち負かすところへ来ているということができる。

トップページへ戻る