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福田記念館への寄贈図書、4300冊に
              150人・団体から開館後もつぎつぎに    2004年5月20日付

 福田正義記念館の図書・資料の収集の呼びかけにこたえて、約150人・団体から貴重な図書・資料が寄せられ、図書だけでも約4300冊が寄贈された。そのうち、福田正義主幹の生涯と業績を示したメイン展示場の本棚に約1600冊の関連書籍・資料がおさめられている。
 福田主幹は、1955(昭和30)年4月、「いかなる権威にも屈することのない真に大衆的言論機関」として『長周新聞』を創刊した。主幹の業績展示の下に備えられた閲覧棚には、長周新聞の創刊以来49年間のバックナンバーが各年ごとに冊子にされて展示された。また、安保・基地・原水禁、労働、教育、文化、国際の各分野ごとに主要記事を収録した冊子、豊北原発、下関学園、中野書店、サンデンなどの斗争や、中国人遺骨送還、日中漁業協定問題、児童画、映画評、高杉晋作と明治維新、市民が顕彰する金子みすゞなど、問題別に記事をまとめた冊子も展示された。

 本紙主要記事 問題別に冊子に
 そこには、吉武邦敏氏ら下関の美術・図工教師らがとりくんだ児童画教育や福田主幹の映画評の冊子もあり、当時の活動内容が研究できる。また、原発斗争や労働運動、安保・基地反対斗争、国際連帯の路線、明治維新の評価にかかわる歴史観などを学ぶことにも役立つようになっている。
 さらに、この間の福田正義顕彰運動で長周新聞社が発行した主幹の社説集、安保斗争論、労働運動論、国際連帯論、教育・文化論、原水禁・基地斗争論、市政・市民論が、文化・芸術、教育、原水禁・平和運動にかんする主幹の評論集とともに展示されている。
 福田主幹が1950年、広島で火ぶたを切った原水禁運動に関連しては、当時の関係者の貴重な資料提供もあった。福田主幹が編集し日本ではじめて原爆の被爆写真を公開した新聞『平和戦線』特集号をはじめ、同紙や『平和の斗士』、『民族の星』のバックナンバーがそろえられ、占領下での原水禁運動などの斬新な息吹が伝わってくる。また、被爆詩人・峠三吉の『原爆詩集』のほか、峠の編集した『原子雲の下より』や、峠の平和運動論の原稿コピーがファイルして展示され、被爆市民の魂からアメリカの犯罪を告発した詩精神を深く知ることができる。関連して、『峠三吉作品集』や多くの被爆体験記、『日本の原爆文学』全集も本棚におさめられている。
 こうした福田主幹の下関や広島での活動、『長周新聞』でかかわった多方面の活動の内容を深く研究するうえでの参考となる図書・文献も多数寄贈され、展示されている。

 日本文学関係や映画関係も
 数種類の『安保斗争史』や戦後労働運動史、沖縄などの基地反対斗争の歴史のほか、教育関係では『山びこ学校』、北方教育、生活綴り方運動、『国分一太郎文集』などがある。
 日本文学関係では、戦前戦後をとおした中野重治や小林多喜二の全集、『日本プロレタリア文学集』、戦争文学全集、金子みすゞ全集など豊富である。映画関係でも、小津安二郎監督やチャップリンの伝記、『映画五〇年史』などがある。
 福田主幹は20世紀初頭に下関に生まれ、戦前ファシズムが迫り、戦争へと突入するなかで、『展望』を発刊、『門司新報』などで人民の戦争反対の世論を代表して論陣をはった。その時代背景となる書籍・資料も豊富にそろえられた。
 明治維新関係では、『吉田松陰撰集』や『高杉晋作全集』をはじめ維新の志士を紹介した図書、長州藩と維新の関係を研究した書籍などが、作家・古川薫氏の寄贈した自著とともに展示され、維新研究に供されている。また、明治維新発祥の地下関を知るうえで、野村忠司氏から寄贈された『下関二千年史』など研究書が展示されている。また、維新以来の日本資本主義の発達を研究した野呂榮太郎や、羽仁五郎、服部之総、井上清氏ら著作もそろっている。
 さらに、福田主幹の青年期に発行された雑誌『プロレタリア科学』、『戦旗』や河上肇の『貧乏物語』、マルクス主義の『経済学教程』、『唯物論入門』、『ロシア共産党史』などがガラスケースにおさめられている。

 福田主幹蔵書コーナー特設
 福田主幹の生きた時代は、二回の世界大戦、ロシア革命や中国革命など戦争と革命の時代であった。その国際的背景を研究するための図書も、歴史から文学まで豊かである。
 ソ連共産党の歴史、レーニン伝、コミンテルンと日本の資料集、毛沢東著作、民族解放革命の歴史、解放戦争の実録、アグネス・スメドレーら外国人の書いた中国革命がある。また、ソ連の作家ゴーリキーやエレンブルグの作品、中国の小説『紅岩』をはじめ革命小説も少なくない。
 このほか、朝鮮、ベトナム、キューバなどの歴史を描いた図書も多い。なかでも福田主幹が直接かかわった在日朝鮮人運動にかんする運動史や作家・金達寿の評論集などは研究の助けとなる。
 閲覧棚には、『民族民主教育』、『人民教育』など人民教育の歴史を知ることのできるバックナンバーをはじめ、劇団はぐるま座の『文芸戦士』、日本民主婦人同盟の『婦人解放新聞』、共産主義青年同盟の『先鋒』など各団体の機関紙・誌のバックナンバーも展示された。
 とりわけ福田主幹は戦前の日本共産党がつぶれ、中国では勝利したのはなぜかという問題意識から一貫して修正主義とたたかい、左派党を結党した。閲覧棚にはその機関誌『革命戦士』と機関紙『人民の星』のバックナンバーが展示されたほか、「真の前衛党建設」と題して福田正義文献集が冊子にして展示された。人民に奉仕する思想で大衆路線の道を歩む党でなければならないとじゅんじゅんと説かれている。
 なお、メイン展示には、福田主幹の蔵書コーナーが特設された。高杉晋作全集など明治維新の歴史、日本近代史、日本共産党をはじめ内外の革命運動の論争史のほか、文学批評、演劇論、内外の文学作品など多岐にわたっており、福田主幹の問題意識を知るうえでたいへん興味深いものがある。

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