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風力反対の運動さらに全市へ
安岡沖洋上風力反対集会
              意気込み溢れる住民集会    2014年4月14日付

 下関市川中公民館で13日、安岡沖洋上風力発電建設に反対する会が風車による健康被害についての説明会、住民集会を開催し、約200人の市民が参加した。安岡から始まった反対運動は署名運動を中心として発展し、4月10日時点で反対署名が4万筆をこえた。さらに下関全域に反対運動を広げていくことが語られる集会となった。
 
 住民ないがしろの政治との対決

 初めに主催者が「まだまだ住民のなかには、この風力発電計画が国や県の公共事業だと勘違いしている人や事業を計画しているゼネコンの前田建設工業が、住民に被害を及ぼすものを建てるはずがないとか、例えあっても行政がそれを許すはずがないと思っている人がたくさんいるが、残念ながらその可能性はゼロだ。風車の発生させる低周波音の健康被害は最近研究されることになり、風車からどこまで離れれば低周波音振動が届かないのか、未だ明確でなく、その規定や規制もない。まして今回の風車建設の総事業費約350億円には市内外の工事業者をはじめ、利権に群がっている人がたくさんいるため、私たち住民が根気強く反対運動をしなければ、必ず風車は建設されてしまう。建設を中止させるためにみんなで意見を出しあいたい」とあいさつした。
 次に反対する会のメンバーである安岡の医師が、低周波の引き起こす被害について説明した。「日本全国で海洋風力発電をしているところは実験的に2カ所だけだ。北九州で1基。千葉の銚子で1基。これは実験だ。実験段階で実用化されているところはほぼない。それなのに、ここに20基も建てようという無謀な計画がある。どのような被害が起きるのか解明する実証実験もやらずに海に建てようとたくらんでいる」とし、陸上で全国に300以上ある風力発電のある地域からの被害を紹介した。「頭蓋骨をこえて脳味噌に直接侵入してくるようなとても嫌な感じ。夜我慢できなくなって、車に乗って移動し役場駐車場で夜を過ごした。家に住んでいられない。引っ越し先の物件を探している。我慢できず夜の避難所としてアパートを自費で借りた。朝起きると肩が張り、時には吐き気がする。頭が痛いので脳の神経を撮ったが異常はなく、耳鼻科に行けといわれた」などの体験を紹介した。どんな検査をしてもCTを撮ってもMRIを撮っても低周波被害というのはわからず、どの医者も低周波障害というのは勉強していないことを原因としてあげた。病院に行っても「自律神経失調障害だ、メニエルだ、気のせいだ」果てには「精神科に行きなさい」といわれた人もいることや、実際風車から離れるしか治療法もないことを指摘した。
 「風力は8・2`以内に住んでいる人はみんな影響を受ける可能性があるといわれている。低周波に敏感な人はさらに不快に感じる可能性がある。下関で8・2`というと長府まで入る。下関はすっぽり入ってしまう。低周波の影響で集中力がなくなり、勉強をしなくなるといわれるが、半径3`以内に入る学校は、水産大学、安岡中学校、安岡小学校、関工、川中中学校、川中小学校、川中西小学校、垢田中学校、垢田小学校。これが4〜5`になると山の田、西高、南高、下商全部入ってくる。できてからでは遅い。伊倉の方は、今一番発達して人口が増えている。そこで今から20基の風力の低周波の影響が出る。しかも北西の風が強いからそのまま市内の中心部に向かって流れる」と語った。
 2011年1月、南九州の新燃岳が噴火してその低周波音がなんと250`離れた四国で戸や窓を振動させ大騒ぎになったことも紹介した。伊豆大島の三原山の噴火のときも約300`離れた茨城県や栃木県でも戸や窓を振動させ騒ぎになった。低周波は巨大な風車が空気を切り裂くときに発生する。空気中で伝わるだけでなく、地中でも伝わることが知られており、核実験監視分離施設の10`以内に風力発電をつくってはいけないことになっている。「核実験をやっている人たちは教えないだけで風力の低周波は10`来るということがわかっている」とした。
 また、ヨーロッパでは現在稼働している洋上風力発電の82%が海岸から10`以上、95%が5`以上離れていること、安岡のように2`しか離れていないところなどどこにもないことを明らかにした。
 「健康被害にあわないためには、限りなく遠くへ逃げるか建設を中止させるかのどちらかしかない。どちらを選ぶか。逃げるにしても土地は二束三文だ。逃げるも地獄、残るも地獄というのがここに住む我我の将来だ。それを止めさせて、ここで幸せに暮らすのならば中止するしかない」と語った。
 不動産関係者の男性は「欧州では今後建設される風車は海岸から10`以上離して建設される。それに比べ安岡は沖合1`〜2`だ。沖に行けば行くほど、水深が深くなり工事代が高くなる。いかに今回の計画がコスト重視で住民を無視した計画であるかがわかる。不動産も風車が建設されれば、かなり安くしなければ売れなくなる。前田建設工業はもうかるのかもしれないが、市民にとってはなんのメリットもない。そんなものを住民のすぐ近くに建てさせるわけにはいかない。先祖から受け継いできた下関を、私たちは次世代に紡いでいかなければならない。次世代の将来を売るわけにはいかない」と語った。
 今後の活動についても語られた。2月13日に請願書を提出し、下関市議会でも全会一致で反対の決議があげられたものの、いつでもひっくり返せる内容であること、市長の反対ではなく下関全体の反対運動でないと中止できないことが語られ、今後さらに下関全域に署名を広げていくこと、そのことが一番の力になると語られた。

 安岡の被害に留らず 下関全体の衰退に波及

 続いての質疑応答では、主に、今後署名運動を全市に広げていく方向での論議が進められた。
 初めに挙手した男性は、反対する会とともに署名活動をとりくみ始めたことを語り、彦島で署名活動をとりくんださいに住民の関心が薄いように感じたことを話した。そして、どうやって説明し、広げていったらいいのか尋ねた。反対の会の代表者がそれに対して、「風車の被害自体が最近わかってきたことでまだまだ知らない人も多い。われわれは、実際の被害を根拠にいっている。一ついえることは、反対をみんなでやっていくこと。市長に陳情を雨あられと出してほしい。そうすればみんなも注目する」と答えた。
 医師は「安岡・綾羅木が潰れたら下関はどうなるかを考えてほしい。彦島も長府も含めた市内全体に影響していく。安岡・綾羅木が下関の消滅の出発点になる。その経済が衰退すれば下関全体が衰退する。一滴の水滴も落ち続ければ岩が破れていく。20基の風力発電をつくったために彦島も長府もやられてしまう関係だ。また、下関で建てさせたら図に乗って北九州にも建てる。北九州には7000`h×70基だ。そうしたら彦島は全滅する。だから下関の運動は全国から注目されている。安岡・綾羅木の被害といった問題でなく、日本の政治の間違いをわれわれが止めないといけない。そういう意識でやってください。とにかく署名を集めること。4万を10万までもっていかないといけない。数をもっていくと政治家は動く。それでも市長が動かなかったらリコールでもする覚悟で頑張っている。熱意は必ず伝わる。そういう気持ちでとりくんでください」と訴え、会場からは大きな拍手が沸いた。
 低周波被害について詳しい男性は、「通常は風車の騒音、低周波音は空に向けて抜けてしまう。しかし、大気中に逆転層というものができると、天空に抜けたはずの騒音が逆転層のなかを通過して地表に下りてくるということが考えられる。逆転層の高さ、広がり、できかたによっては思いもかけないような遠くに騒音、低周波音が届く可能性がある。2`、3`は大丈夫だというのはあくまでも風車の直接に届いてくる騒音、低周波音だと思っている。それ以外に逆転層といわれるものを研究して、低周波被害というものを考えなければならない」と語った。
 若い母親は、「風車が建てられるのが沖から2`圏内というがなぜなのか。10`以上になるということはない、ということなのか」と質問し「水深が20b以上になったら設置が難しく前田建設に技術力がないからだ」との回答に「それでは私たちが中止させるしかないということですね」と力強く語った。
 県外から結婚を機に下関に来たという若い母親は「まわりにママ友しか知り合いがおらず、署名を頼んでもあまり周知されていないように感じる。風車の被害について知られていない。チラシのポスティングなどできることがあればしたい」と申し出た。また「署名のタイムリミットはいつまでなのか。陳情書を私たちも提出できるのならば出したいのだが、パターンなどがあれば教えてほしい」など積極的な発言があいついだ。
 去年の11月に会が結成され、安岡、綾羅木から運動が発展し川中まで広がっていることに確信が語られた。
 「海外では10`b以上が常識だというが、水深が20b以上のところで工事する技術のない前田建設に風力発電をつくる資格はあるのか」という問いや前田建設工業が福島の汚染水漏れのタンクの建設にかかわっていたことも論議になった。
 最後に「団結して署名を広げ、今後の勢いにしていきたい」と参加者全員で風力を建てさせないため「頑張ろう」を力強く三唱して散会となった。

 毎日新聞関連企業 推進チラシ配って回る

 なお、3月議会での請願可決の直後に、それに対抗する形で「安岡沖洋上風力発電事業に係る環境影響調査の実施について」と題する前田建設工業のチラシが配布されたが、配布を請け負っているのは、毎日新聞社のグループ会社で、福岡・山口エリア最大級のポスティング組織・「毎日メディアサービス」だった。商業メディアが歪んだ記事を書く理由についても考えさせるものとなっている。


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