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武田恵世医師の講演 B
風力発電の不都合な真実
                          (2014年6月30日付

 青山高原の風力発電は故障が非常に多い。この前も壊れて、突然ブレード(羽)が落ちた。それに対してのシーテックのコメントは「何もいえない」ということだった。専門家は、台風のときよりも普段の風の方がよく壊れるという。なぜかというと台風のときは大概、自動停止しているからだ。
 それと落雷が青山高原では故障の大きな原因だ。これは秋田県の例だが、この羽に落雷して、折れて、電気が切れて燃えた。一応はしご車はつけるが、なんせ100b近く上なので水が届かない。だから見守るしかない。

 乱気流発生制御は不能 新出雲は発電に失敗

 去年、青山高原の風力発電が壊れた。同じ頃京都府でも壊れて、部品の不具合だといわれたが、おそらく何らかの理由で停電して自動停止装置が働かずに壊れたのだと思う。世界的にはそういう例が結構報告されている。
 山の周りは乱気流による失敗例というのがある。新出雲が典型的で、一番先の発電機で乱気流を起こして、その乱気流が次の発電機を襲う。それで一基以外はまともに発電できない。だから赤字になった。こういう例が結構ある。
 実は風力発電機の後方には、後流渦または後方乱流という複雑な乱気流が発生する。簡単にいうとつむじ風のようなものだが、これをいかに制御するか、制御といっても離すしかないが、それが今、課題になっている。
 コウモリという獣は風車に近づいただけで大量死する。アメリカとカナダの例だが、風車のまわりで死んでいる動物の約6割がコウモリで、鳥とは違って目立った外傷はない。2007年、カナダのカルガリー大学の研究者チームが解剖した結果、ブレードが回るときに起こる急激な気圧の低下で肺の中の血管が破裂して、血液が肺の中に充満したことが死亡原因だった。つまり原因は小さなつむじ風だった。
 これが人間に当たるとどうなるか。乱気流が発生するので雲が発生する。その雲はかなり遠くまで飛んでいく。したがって西側に風車があれば霧の渦になるということもありうる。

 野鳥へも深刻な影響が 様々な対策効果なし

 私は青山高原で野鳥の調査をした。結論からいうと、繁殖期で4分の1になっていた。越冬期だと20分の1になった。原因は、冬の方が風車がよく回っているからだろうと思う。
 実は世界的にも、野鳥への影響はよく調べてあって、風力発電所のまわりには鳥がかなり少ないということが報告されている。原因は、風力発電機の稼働による騒音、振動、低周波音、シャドーフリッカー(ストロボ効果ともいう。風力発電機の羽の影がチラチラする現象)、後方乱流、そして有名なバードストライク(ぶつかって死ぬ)だ。
 バードストライクは非常に深刻で、アメリカではさまざまな対策がとられたが効果は見られなかった。羽に目玉の模様を付けたり、赤に塗ったり、蛍光塗料を塗ったり、強い音を出したり、かかしを置いたりしたが、だめだった。
 カリフォルニア州アルタモントパスには5300基の風力発電機があるが、年間イヌワシが3けた、アカオノスリも3けた、この23年間で2万羽以上が死んだという。この風車は安岡に計画されている風車の4分の1の大きさだ。
 スペインのタリファというところでは、世界的に有名な絶滅危惧種シロエリハゲワシが年間で数百羽死亡している。総繁殖数は8100つがいしかいないので、種の存続にとって重大な脅威となっている。
 日本でも、特別天然記念物のオオワシ、オジロワシ、イヌワシなどが非常にたくさん死んでいる。結局、野鳥の来るところには建設しないということしかない。

 取付道建設で山を破壊 鹿激増、猪は凶暴化

 青山高原に風車をとりつけるさい、既存の林道はあったのだが、運ぶ物が大きすぎるのでこの道路では間に合わず、平行して取り付け道路をつくることになった。運ぶ物の一つ一つが100b以上もあるので、非常にたくさんののり面をつくって運ぶことになった。結果として非常に激しい土砂崩れが発生している。道路も寸断し、上水道の取水停止も頻発した。
 これに対して事業者は、「私どもは規定どおりの工事をしただけでございます」という返事をした。さすが中部電力、いうことが違う。
 その取り付け道路は、3年目には大きな溝ができて崩れている。その対策だが、崩れた土砂を谷底まで運んでいる。残土処理も結構出て、白滝山(下関)の例だが、谷を完全に埋めてしまっている。南淡路ウィンドファームは、安岡に計画されている風力発電機の70%ぐらいの大きさのものだが、かなり土砂崩れもひどく、800b離れたところまで崩れてきた。この会社は悪い会社で、まだ片付けていない。
 シカも激増した。非常にたくさんののり面や平地をつくるので、そこに外来牧草を植える。つまりシカにとっては産めよ殖やせよ状態。今まで笹ぐらいしか食べる物がなかったのが、牧草だから栄養満点だ。
 イノシシが凶暴化したという報告もある。南伊豆町だが、風力発電機がよく回転しているときはイノシシが活発で、追っても逃げないで向かってくるという。風力発電症候群、振動音響病の症状の一つとして、複雑な思考ができなくなる、簡単な計算ができなくなる、イライラする、怒りっぽくなる、という症状がある。
 早い話が酒に酔ったような状態。つまりイノシシは今まで人間が怖かったのが、「人間なんてなんぼのもんじゃい」という気持ちになって向かってきたと考えればつじつまがあう。
      (つづく)


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