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礒永秀雄詩祭を呼びかけ
没30周年記念
             平和を励ます芸術の祭典に    2006年6月5日付

 詩人、文化・教育関係者13氏が呼びかけ
 詩人・礒永秀雄の没後30年を記念して、今秋各界から世代をこえて集まり詩祭を開催しようという呼びかけが6月1日、詩人、文化・教育関係者ら13氏の連名で発表された。呼びかけは、いまわしい戦争体験に立って多くの人人のために書かれた礒永秀雄の作品が、広く愛唱、愛読されてきたことをふまえ、10月8日に「祖父母の世代から子どもたちまでが一堂につどい、詩、童話、演劇、音楽、絵画などさまざまなジャンルの交流をつうじて、礒永秀雄の世界を香り高く創造する場」として、「礒永秀雄詩祭」を開催することを提起、とりくみへの多数の参加を訴えている。

  24日に第1回実行委員会 
 礒永秀雄とその作品は、山口県はもとより全国各地の詩人・文化人に広く知られており、日頃詩に接することがない多くの人人に世代をこえて、深い感銘を与えてきた。礒永秀雄詩祭の呼びかけは、こうした人人すべてに向けられている。
 礒永秀雄の作品と詩業はとりわけ、平和を願う人人を力強く励ますとともに、子どもたちを次代の担い手に成長させる糧として活用されてきた。
 没30周年を記念する詩祭の呼びかけ人には、礒永秀雄が主宰した駱駝詩社の旧同人である磯村英樹(東京)、スヤマ・ユージ(山口県詩人懇話会会長)の両氏、光市の礒永秀雄の会会長・加藤正暢、下関詩を朗読する会「峡」・野村忠司各氏ら詩人関係者をはじめ、文化界から下関芸術文化懇話会名誉会長・吉武邦敏、作家・古川薫、劇団はぐるま座・入江光司の各氏、教育界から元下関市中学校PTA連合会会長・海原三勇、小中高生平和の会の教師・今田一恵の各氏、さらに、武久病院・頴原俊一、本行寺住職・藤井日正、下関原爆被害者の会・吉本幸子、礒永秀雄の子息・礒永天志の各氏が名を連ねている。
 詩祭の内容、とりくみの構想については、近く開催される実行委員会で討議・検討されるが、現在のところ、詩人・文化人をはじめ、発展的な文化を求める広範な各界の人人がとりくみ段階から参加して、礒永秀雄の詩や童話、エッセイの朗読、朗読劇や童話劇の創作・出演、絵画や書の出品・展示、さらに音楽などさまざまな文化のジャンルを結集し、旧駱駝同人や高校教師であった礒永秀雄の教え子らによる回想などもおりまぜ、総合的な文化祭典として共同でつくりあげていく方向で論議されている。
 こうして詩祭では文化・芸術家、被爆者、戦争体験者や各界の現役世代、青年・婦人、教師、父母、子どもたちが、みずからの人生や生活と関連の深い出し物を発表、それら全体を通じて、礒永秀雄の戦後出発から「安保」斗争、反修詩、訪中詩などを節目とする詩業の発展に貫かれる精神を浮き彫りにし、礒永秀雄の世界を描き上げるものとなる。
 文化関係者のあいだでも、こうした多彩な分野が交流しあい、共通のテーマで文化を創造する場を持つことに、強い関心が寄せられており、礒永秀雄詩祭が、今日の時代の要請に応える新たな文化芸術運動の再建への契機となることが期待される。
 礒永秀雄詩祭に向けた第一回実行委員会は二四日(土)午後二時から、「礒永秀雄の世界展」が常設されている下関市の福田正義記念館で開催される。


                   礒永秀雄詩祭呼びかけ
 山口県を拠点に活動した詩人・礒永秀雄が亡くなってから、今年で30年になります。礒永秀雄は太平洋戦争の末期、学徒臨時徴集でニューギニアの手前・ハルマヘラ島に送られました。かれは、幾多の戦友の死を目の当たりにし、九死に一生を得て日本に帰ってきたとき、残された命を詩人にかける決意をしたと、くり返し語っています。事実、礒永秀雄はこの戦後出発に常に立ち返り、表面的な華やかさとは裏腹に暗い根をはる日本の現実を直視し、「高度経済成長」期の繁栄ムードのまやかしを拒否し、「革命」をとなえて人民を裏切るインチキともたたかい、『訪中詩集』に見られるように世界の未来を担う人民の精神を高らかにうたいあげました。こうして、多くの人人に役立つ芸術を創造するためにその生涯を貫き、詩を中心に童話、エッセイなど多くのすぐれた作品を残しました。
 礒永秀雄の作品は、世代をこえて多くの人人に愛唱、愛読されてきました。ここ数年、日本社会が殺伐とした様相を呈し、戦争のきな臭さすら漂うなかで、平和を願う人人のなかで深い感動を呼び、学校教育の場で活用されるなど新たな広がりを見せています。
 戦争体験世代は、みずからのいまわしい戦争の体験と戦後の苦労、人生の節節への回想と重ねて、礒永作品に流れる精神に共感を寄せています。戦後世代は、親殺し子殺し、金権第一の風潮がはびこるなかで、礒永秀雄の人間としてのまっとうな生き方や感情に共鳴するとともに、子どもたちにも安心して学ばせられる作品に信頼を強めています。さらに礒永秀雄の作品は、現代の子どもたちの魂をつかみ、子どもたちはそこに未来への希望を見て取り、みずからの生活を積極的に変えていく指針をくみとっています。
 礒永秀雄没30周年にあたり、礒永秀雄の作品をさらに広範な人人に届け、鑑賞しあい、その詩業を顕彰することは、大いに意義深いことといえましょう。そのことはまた、今日の時代の要請に応える新しい文化・芸術を創造発展させるうえで、貴重な示唆を与えてくれることでしょう。
 以上の趣旨にそって、祖父母の世代から子どもたちまでが一堂につどい、詩、童話、演劇、音楽、絵画などさまざまなジャンルの交流をつうじて、礒永秀雄の世界を文化の香り高く創造する場として、今秋10月8日、「礒永秀雄詩祭」を開催したいと思います。多数の皆さんのご参加を呼びかけるものです。
                                          2006年6月1日
                    呼びかけ人
    磯村英樹(旧駱駝同人)       今田一恵(小中高生平和の会)
    入江光司(劇団はぐるま座)     海原三勇(元下関市中学校PTA連合会会長)
    頴原俊一(武久病院)         加藤正暢(礒永秀雄の会会長)
    スヤマ・ユージ(旧「駱駝」同人)   野村忠司(下関詩を朗読する会「峡」)
    藤井日正(本行寺住職)        古川 薫(作家)
    吉武邦敏(下関芸術文化懇談会名誉会長) 
    吉本幸子(下関原爆被害者の会)
    礒永天志

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