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祝島島民に連帯する各界の声
              食料生産を守る崇高なたたかい    2010年2月3日付

 中国電力の進める上関原発計画をめぐり、祝島漁協が二井・山口県政、県漁協などの脅しに屈せず、圧倒的多数で漁業補償金の受けとり拒否を決議し上関原発計画のメドを断ち切ったことが全町はもとより全県、全国の強い共感をよんでいる。各界各層の声を紹介する。
   
 子や孫のため、日本を核戦争の戦場にはさせぬ
                         
 原爆展を成功させる広島の会 森永ヨシエ

 広島の被爆者の一人として、上関町の原子力発電所建設をめぐる食うか食われるかの攻防を経て、祝島島民の方方が団結してこれを阻止したことは、わがことのようにうれしく、胸が震える思いがします。
 昨年暮れ、寒い中を高齢の婦人の方たちが埋め立て工事を阻止するために座り込んでがんばっている姿が印象的でしたが、瀬戸内海を死の海にする原発建設に対して、国や県、中電の圧力に屈することなくたたかい抜かれたことは、日本の漁業を守り、国民の生命を守り、国益を守る崇高な志がなければできることではありません。
 とくに感じたことは団結の大切さです。私も人生を通じて、職場でのストライキや座りこみなどを経験してきましたが、自分の損得ではなく、「みんなのために」という心が一致した運動ほど強いものはありません。それが、28年間もの長い間、国、県、中電などの圧力に負けることなく、たたかってこられた根拠ではないかと思います。また、この経済的に苦しい時代にあって10億円もの漁業補償金を積まれても、あくまでも海を守るために団結を守り抜き、受け取りを拒否した強い精神力は、「自分さえよければいい」という風潮の強い今日だからこそ、なおさら光って見えます。この結果を出すことができたのは、みなさんがさまざな誘惑、圧力に負けることなくたたかわれた28年間の積み重ねがあってこそのことです。本当に頭が下がります。
 農漁業が衰退している日本で農漁村の高齢化が進んでいますが、祝島でもお年寄りが労苦をいとわず反対運動をここまでがんばられたことは、私たち被爆者にとって大きな励みです。食料自給率が低く、輸入に頼りきっている日本で、唯一の生命線は海と山を守ることです。そのかけがえのない瀬戸内海を原発の放射能で死の海にすることは日本の将来を永久に奪う自殺行為です。私は、20歳の時に広島駅で勤務中に被爆しましたが、原発建設はあの惨状を再び繰り返すことと同じであり、身震いするような戦慄が走ります。
 またそれは、一部の大企業家やそれに結びついた政治家が儲けのために、日本の農漁業を潰すだけでなく、大多数の国民を核の苦しみに陥れることであり、絶対に許してはいけません。戦後の政治、とくに小泉、竹中、安倍などの坊ちゃん政治家によって日本社会は狂わされました。働きもせずに株取引で大儲けするものがいるかと思えば、若い人には就職先がなく、働きながら子どもを育てることすらできないひどい世の中になりました。これを働くものの手で覆して、本当の国益を守った祝島の方方のたたかいは、必ず全国の人たちの心を動かすものと信じています。私たち広島の被爆者も、上関の人たちと同じ気持ちで、日本をふたたび核戦争の戦場にさせないため、子どもや孫たちのためにがんばっていきたいと思います。
  
 広島市民も二度と原爆使わせないために頑張る
                  原爆展を成功させる広島の会 石津ユキエ

 祝島の方方の漁業補償金受け取り拒否を知り、広島市民として心からうれしく、思わず万歳! と声をあげてしまいました。
 28年間も、圧力や誹謗中傷もあるなかで、泥をかぶってでもなりふり構わず「反対」を貫いて海を守ったことは、将来「あの時、じいちゃん、ばあちゃんががんばった」と必ずや次世代の人たちに語り継がれることと思います。ここまできたら、これからの将来のために子子孫孫にまでこの運動を伝えなければいけないと思います。
 広島では、原爆による放射能によって被爆者は一生の苦しみを背負わされ、いくら原爆手帳があっても、お金をもらっても、白血病をはじめとする原爆症で否応なく命が絶たれてきました。逆に、周りからは「手帳をもらっているからいい」という偏見も持たれますが、命は銭金にかえることはできません。原発を建てることは、原爆を落とされることと同じです。海が汚れるだけではなく、人を殺し、一生にわたって苦しめ、家族や身内の絆さえ奪うことにつながるものです。
 私たち広島市民は、原爆を二度と使わせないためにがんばりますが、上関の人たちが原発を建てさせないためにがんばられている姿に励まされます。日本をふたたび原爆の廃虚にさせないためには、広島・長崎の人たちが声をあげる以外にはないし、それが日本を守ることです。上関の人たちの「海を守れ」という行動も根っこは同じだと思います。
 漁業補償金を一銭も受け取らず、これからも体を動かして農漁業で町をおこしていくという選択は、これからの日本にとって必要なことを教えてくれています。どんな大きな圧力があっても、人人が力を合わせればすごい力になる。私たちも負けないようにがんばります。

 若手の力集めて国のもと、農漁業の立て直しを    下関市漁民 小田藤吉
           
  祝島の漁師は本当によく頑張った。私たちの経験でも札束で頬べたをたたかれると、たいていの者が負けてきた。とくにここ最近は、長年の国の政策で漁業がすたれ、昔なら私らが相手にもしなかった遊漁や、警戒船に雇われて一日数万円もらうとか、補償金を狙ってなんとか食いつなごうという漁師も増えている。沖に出て魚をとり、それを市場で競って得たお金で生活するのが本来の漁師の姿だが、それが崩れるなかで漁師自身の考え方も変わってきて、「手前の川を渡れ」というふうで、目の前の事しか考えられなくなってきた。だから補償金を受けとらないとか、海を守らないといけないと主張する者が時代遅れのような雰囲気もある。
 私たちが20代で組合に入りたての頃も補償金問題があった。その当時でさえも、「子や孫が漁業をしていくのだから、漁師が海を守らないでどうするのか」という人、「こんな大金を一生持つことはないのだから持たせろ」という人と組合は真っ二つに割れた。しかし父たちが「海を守ろう」と必死で説得して勝ったことがあった。漁業が盛んなときでさえ、金が目の前にぶら下げられると、そういう思いを持つ人がいたのだから、これだけ漁業で生活できなくなった今だったらなおさらだ。
 そのなかで祝島の漁師が目先の生活のためよりも、「瀬戸内海がだめになる」と、将来のために受けとりを拒否したということは、本当に偉大なことだ。
 上関に原発ができれば内海もダメになるが、海には家の壁や国境のように壁があるわけではない。外海の魚が内海で住むこともある。一つのところで中電が温排水を大量に流しておかしくなれば、他の海も同じようにおかしくなっていく。祝島や内海漁師だけの問題ではない。祝島の漁師にとっても豊北原発を撤回させた教訓が励みになって頑張っているのだと思う。
 県漁協が乗り出して、補償金を受けとるように脅していたようだが、結局あれらには、瀬戸内海がどうなるか、日本の食料がどうなるかなどの関心はまったくない。給料をもらって何年かして退職すれば関係ないのだから、「もらえる物はもらった方が得」という腹だ。漁師のための協同組合のはずが、そうではなくなってしまっている。県一漁協になる頃から、そんなふうに民主主義の組合ではなく、ちょうど戦時中のように人に物をいわせない体制が強くなってきた。各漁協の財産や建物も全部とりあげて、補償金も一度県漁協を通って配分されるようになり、そのなかで大きな漁師の意見が重視されて、一般の組合員の意見は通らなくなってきた。だいたい本当の民主主義なら組合員が投票して組合長が決まるのが当たり前なのに、私たちの組合が合併する前からすでに組合長は萩の田中に決まっていた。そんなふうで県一になってから漁師もだいぶやめていった。
 戦後日本がここまで復興してきたのは、国民全体が一生懸命働いたからだが、そのうち七割は農業と漁業だった。一生懸命働けば食料はあるし、生活ができるから全体的に立ち直るのが早かった。
 だが国は「輸出してもうければいい」と工業ばかりに力こぶを入れてきて、食料自給率四〇%という状況になってしまった。よくなったのは一部だけで、農業や漁業はまったくダメになり、貧富の格差はものすごく開いた。やはり内需拡大をしなければ国は栄えていかないということだ。なかでも農業や漁業は国の基だ。外国から食料を買えるのは平和なあいだだけで、一度なにか起こってストップすれば国民は餓死しないといけない。腹が減っては戦はできぬ。じり貧になっている農業や漁業を若い者の力を集めて立て直していかないといけない。

 内海全体の結束が必要    下関市漁民  匿名希望

 祝島が補償金の受けとりを否決したことはすごいが、これまでの自分たちの経験から、県や中電はまた次の手を考えて必ずやって来る。下関でも人工島など、だいぶ反対したが、「どうしてもつくらないといけないのだ」といって多数決で押し切られた。漁協合併でもそうだ。
 県の水産部は漁協合併のときにも組合に来て、「賛成しないと漁業の許可を下ろさない」といって脅した。県は漁船の許可や油の免税許可などを下ろす権限を持っているから、権力を振り回していうことを聞かせようとする。水産部はいつも漁業権をとり上げるときになると乗り出してきて、漁業振興のためになにかしたことがあっただろうかと思う。
 県漁協までが乗り出して原発を推進するようなことをしているが、わしら組合員の議決をとって推進を決めたわけでもないのに、なにを勝手なことをしているのかと思う。
 今は上関周辺の漁協で反対しているのは祝島漁協だけだが、他の七漁協も多数決で漁業権を放棄しただけで、なかに反対する漁師はたくさんいるはずだ。祝島の漁師と、周辺の漁師や瀬戸内海全体の漁師と結束していけば、共同海域のなかでもっと強い力になる。豊北原発のときには豊北だけでなく、油谷から下関まで外海側の漁師全体が反対で結束した。あのときのおばちゃんパワーはすごかった。

        海と山の結束が決定的    豊北町漁民 匿名希望

 祝島の総会で漁業補償受け取りを拒否したこと、同じ原発をたたかった者としてとてもうれしいし、すごいことだ。
 28年間というのはちょっとやそっとの歳月ではない。私はここで生まれ育ち、漁師になって60年になる。豊北町に原発が持ち込まれたとき私らも必死にたたかって中電を追い出した。
 私たちも経験してきたが、人間誰でも目の前でお金をちらつかされると絶対に心が動く。それに負けずに祝島がここまで頑張っていたのかと、海を守るというので、大勢が一致団結したことがうれしい。二八年も長びいてどうなることかと心配していたが、いろんな脅しや、裏切りなんかに負けずに来たのが今回の結果だ。大きなヤマ場をこえたと、安心した。
 しかし、まだ相手は何をしてくるか分からない。あの手この手でやってくるだろう。これからが正念場になる。今回も補償金にかかる税金の話がされたようだが、受け取ってないものから税金がとれるわけがない。誰だって分かることだ。近近町議選もあるが、今回のように頑張って欲しい。豊北も最後は反対派の町長を、海と山が一緒になって当選させたことが決定的だった。祝島のみなさんを応援している。

 江島前市長に続き二井県知事も下ろさせよう 下関・満珠荘利用者の会 青柳

 補償金受け取り否決の報道を知ったとき、祝島の漁民の皆さんがよくやった、頑張られた、ととてもうれしかった。
 瀬戸内海を守るんだという気持ちを語っておられると知り、その気持ちが大事だ、自分のためでなくみんなのため、だから勝ったのだと思った。
 私自身は上関町には行ったことがないが、農漁業の良いところだということだ。山口県では30年前に豊北町で原発反対のたたかいがあったので年配の人は知っている。豊北の人も喜んでいることだろう。
 上関町の28年は本当に長い。私は戦後国鉄で働いてきたが、組合運動にも「労働貴族」といって、たたかわずにおこぼれをもらおうというのがはびこってきて運動をつぶしてきた。上関原発の運動もいろいろあったと思う。しかし、最後は漁民が決める問題だった。
 県民、市民のなかに今、平和がなければ生活も守れないし、戦争だけはしてくれるなという共通した思いがある。原発は国策として出されているし、戦争とむすびつく。
 国と県、中電は、電力とか国民の目線などといって、うそをいってまで原発を押しつけてきたと思う。下関市民のなかで江島前市長が相手にされなくなっておろされたように、二井県知事もそうしないといけない。人としていけないことは絶対にやらせてはいけないし、県民みんなのためにならないことはいけないという基本の考え方に立てば何ら恐れるものはないということだ。
 10年先に、あの人たちの勇気のおかげで原発ができなくて良かったということが上関町内や県内で語り合われるようになればいいと思う。

 岩国と上関と心を一つにして勝利めざす 岩国基地の沖合拡張反対連絡会議森脇政保

 祝島漁協総会のこの度の快挙は、上関はもちろんのこと広島湾をはじめ瀬戸内海に生を持つすべての住民の大きな喜びだ。また、米軍再編による岩国基地の大増強、愛宕山の米軍住宅化とたたかっている岩国市民への限りない励ましである。これからいっそう上関と岩国は心を一つに力を合わせて勝利をかちとっていきたいと思う。 
 国や県などのやることは上関も岩国も沖縄も同じだと思った。かれらは「国策」という名のもとに、権力、金力を総動員してヤクザまがいのアメとムチ、ウソと欺瞞で住民を脅し欺き、住民同士の対立を煽る。家庭のなかにまで土足で上がりこんで家族、親せきまでもいがみ合わせ、人情を破壊し、助け合って生活している街の秩序をめちゃくちゃにして「国策」を強行して恥じることを知らない。
 「安心・安全日本一」をかかげる二井山口県知事などは、錦川の「鵜飼い」や「花火大会」の招待には出席するが、苦難のなかにある市民が何度要請しても、市民との対話の席に姿を見せたことは一度もない。そして「現実的対応」を口にして、反対する岩国市民を「思考停止」などと侮辱し、市民に隠れて国と裏取引をする。上関も同じだと聞いた。これが山口県の知事かと思う。
 いずこの住民も、子や孫のため、愛する郷土と日本の将来のためにと立ち上がり、あらゆる困難とたたかい、鍛えられ、真実をつかみ勝利をめざしている。
 岩国のたたかいも六年目を迎え、これからが正念場、上関の人人の28年間の苦労が報われるその日にむかって、共にがんばっていきたい。

 全県で上関に連帯し国策との斗い発展させる
                  豊北原発建設阻止山口県共斗会議 安村直行

 二井県政と県漁協がウソと脅しで仕組んだ漁協総会で、補償金拒否を圧倒的多数で勝利した祝島の海を守る漁師魂に心から敬意を表します。
 この快挙は、28年という長期の原発騒動に最終決着をつける偉大な一歩であり、「国策」を掲げて上関町を混乱のどん底に突き落とした中電と二井県政に重大な鉄槌をくらわせました。
 中電と二井県政は結託して、原発建設の絶対的条件である土地と海を取得してもいないのに「埋め立て許可」や「原子炉設置許可申請」などを乱発して、明日にも上関原発建設が実現するかのような子どもだましのペテンと、金力、権力を総動員して、ウソや買収、脅迫などの手段を使って町内をかく乱しましたが、これらがすべて水の泡となって消え去ろうとしています。
 30年前、「国策」を振りかざした豊北原発計画を、豊北町民と全県、全国の団結で粉砕し、中電と平井県政の権威をたたきつぶした山口県民の輝かしい伝統を再現する上関原発斗争の完全勝利を目前にしています。中電と平井県政は豊北原発の敗北に懲りず、上関原発では議員や商工会、区長などの親分衆を集めて「原発による地域振興」という推進運動を組織し「町が誘致」という推進構図をでっちあげ、他方では「反対」を唱えて町民の団結を内部から破壊するという巧妙な支配構図をつくりましたが、上関町民の土地と海を守る結束を崩すことができず、祝島島民の漁場を守る団結したたたかいは、中電・県当局の悪辣で姑息な手口が一切通用しないことを見事に証明しました。
 豊北斗争も上関斗争も政治家や資本家、組合長が偉いのではなく、生産活動を担う農・漁民、勤労人民こそが社会を動かす主人公であり原動力だということを示しています。
 上関町民は、祝島島民の勝利を軸にして原発計画に最終決着をつける町議会議員選挙を目前にしています。選挙の主役は候補者ではなく有権者・勤労人民で、候補者は有権者に従うという関係です。
 有権者が主人公ということは豊北町長選挙や昨年の衆議院選挙が鮮やかに実証しています。豊北町長選挙では、自民党候補を豊北町民が「海、山大交流」の民意で縛って圧勝し、原発計画にトドメをさしました。上関町議会議員選挙の最大の争点は原発計画に終止符をうち、町内を混乱のどん底に落とした中電と二井県政にすべての責任をとらせるという民意を町議会に反映させ、町民の反対世論を統率することだと思います。
 豊北原発阻止山口県共斗会議は、上関町民の不屈のたたかいに連帯する全県各地の国策に反対するたたかいを発展させ、山口県には一基も原発を建てさせない勤労県民の誇りと伝統を守り発展させるために奮斗します。ともにがんばりましょう。

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