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岩国に空母基地移転を企む
全土が米軍の指揮下
              ふたたび日本を核の戦場に   2004年7月20日付

 日米両政府が16日、外務・防衛当局の「安保協議」で、米空母艦載機の地上基地・厚木基地(神奈川県)を米海兵隊岩国基地(山口県)に移転する計画を明らかにした。昨年広島県大黒神島に移転させようとしてとん挫した夜間発着訓練(NLP)も岩国基地で強行する計画。協議ではグアムの米第13空軍司令部を横田基地に統合し、ワシントンの陸軍第1軍団司令部をキャンプ座間(神奈川県)に移転すること、自衛隊司令部もそこにおき、自衛隊を下請軍隊として組みこむとともに、米軍の戦争に動員する計画を明らかにした。原爆を投げつけ、日本を占領支配してきたアメリカが、世界的には撤退している米軍を日本には集約して強化し、このなかで岩国基地は、海兵隊とともに空母基地としてアジアを想定した原水爆戦争の最前線出撃拠点にするというのである。小泉売国政府が有事法制を成立させてきたのも、対米従属下の軍国主義であり、日本の若者をアメリカの肉弾として動員するだけでなく、日本を原水爆戦争の戦場にする危険なものである。米軍基地撤去のたたかいは、日本民族の死活の重要課題となっている。
  
 夜間離発着訓練機能を強化
 アメリカが移転を計画している厚木基地は、F18戦斗攻撃機など約70機の艦載機をもつ空母キティホークと多数の戦斗艦を配備している横須賀基地と連動する。空母が横須賀基地に入港したとき、艦載機が厚木に飛来し、そこで離発着訓練をやったり、設備の検査などをおこなう。それは戦争と直結した最前線部隊である。
 そのため厚木基地周辺は、戦斗機の離発着訓練で、市民生活を破壊され批判が噴出。85年に政府が三宅島への移転を発表するが、地元の猛反発で計画を凍結。政府は91年から米側に「暫定利用」と約束し、厚木基地から約1200`離れた硫黄島に移転させた。03年1月には三宅島を断念し広島県沖美町の大黒神島への離発着訓練基地移転を企んだが、これも被爆体験をもつ広島県民の猛反発で計画はとん挫している。岩国基地は、沖合移設計画が進行中で、2本の滑走路と空母が接岸できる軍港も併設中で、沖美町や瀬戸内海の島への訓練基地要求とも連動しているとみられる。
   
 沖合拡張とも連動 空母の岸壁も新設
 岩国基地では現在、米軍の要求で沖合拡張工事(08年度完成予定)をすすめている。
 沖合拡張工事では、魚介類の産卵の場だった藻場42fや干潟41fをつぶして基地の東側海面215fを埋め立て、基地面積を1・4倍に拡張。そこに長さ2440bの滑走路を新設し、現在の滑走路とあわせて滑走路2本体制をつくる。とくに沖合拡張工事着手前の92年6月には防衛施設庁と山口県、岩国市の3者がNLPの受け入れなどで合意する議事録をつくっており、最初からNLP受け入れを想定していたことは明らかである。そのうえ空母や強襲揚陸艦など大型艦艇が接岸できる水深13b、長さ360bの国内最大の岸壁も新設し輸送能力を飛躍的に強化。また新滑走路の東側には幅42b、長さ36bの海上自衛隊のMH53Eが使用するというヘリポートも建設。そして97年には普天間飛行場(沖縄宜野湾市)のKC130空中給油機の受け入れを表明。02年には大型輸送ヘリコプターCH53Dシースタリオンの部隊も移駐した。こうして2本の滑走路をもち、大型艦船用の港湾機能、ヘリポートの機能の上に、空母艦載機の基地機能までもたせた一大出撃拠点にする計画が進行している。  

 司令部機能を集約 自衛隊も指揮下に
 こうした厚木や岩国基地をめぐる動きは在日米軍全体の再編増強と結びついている。米海軍はすでに太平洋地域の海軍哨戒部隊司令部が三沢基地(青森)に集約され、空軍はグアムの第13空軍司令部を米軍横田基地(東京)に統合する計画。陸軍はアジア・太平洋を管轄する第1軍団司令部をキャンプ座間(神奈川)へ移転する構想で米軍は極東における陸海空の司令部機能を日本に集約する計画である。
 とくにアメリカ側が指令機能を横田に統合する空軍のグアム部隊は核を搭載するステルス戦略爆撃機B2の専用格納庫が建設され、いつでもB2がグアムから核兵器を積んで軍事作戦を展開できるようになっている。これと現在横田基地に司令部をおく、横田の輸送部隊、三沢の戦斗攻撃部隊、嘉手納の戦斗機・空中給油機・空中警戒管制機などの混成航空団がアジア・太平洋全域で作戦をとる体制である。
 さらに核などを搭載する「弾道ミサイルの脅威には自衛隊と米軍が情報共有や運用面で共同対処する必要がある」として、米側は地上配備型システムを運用する航空自衛隊の航空総隊司令部(東京・府中市)と航空支援集団司令部を米空軍司令部のある横田基地に統合する計画を提案。航空総隊司令部は戦斗部隊である北部・中部・西部・南西の各方面隊を統括し、航空支援集団司令部は航空救難、輸送航空、航空保安管制などの支援部隊を統括する航空自衛隊の実動部隊。航空自衛隊は米軍指揮下に入る体制である。
 海軍関連でも米空軍と米四軍のスパイ施設のある米空軍三沢基地に昨年10月、上瀬谷(神奈川)の第一哨戒偵察航空団司令部が移転し、ハワイの太平洋艦隊哨戒部隊司令部の司令官と幕僚4人が赴任して第7艦隊哨戒偵察軍司令部(第5艦隊司令部も兼務)を新設した。第7艦隊(三沢)の哨戒部隊と司令部が統合し、対中国、北朝鮮、ロシアへのスパイ網を強めている。海軍では米海軍横須賀基地に配備した空母キティホークの後継艦となる最新鋭の原子力空母の配備と西太平洋地域への2隻目の空母の配備を計画している。
 陸軍ではアジア・太平洋を管轄する米本土の第1空軍司令部をキャンプ座間へ移転させ、米海兵隊も沖縄に配備している司令部機能の1部をキャンプ座間に、砲撃部隊をキャンプ富士(静岡)に移転させる。
 陸軍の第1軍団は、米本土を中心に歩兵師団など約4万人の兵員がおり、司令部は約500人。米国防総省は在「韓」米軍司令部の廃止も検討中で、そうなれば在「韓」米軍の歩兵師団も第1軍傘下に入る。
 加えて現在横田にある在日米軍司令部の司令官は空軍中将だが、このポストを大将に格上げし、陸軍司令部が移転するキャンプ座間に在日米軍司令部も移す。
   
 有事法で全土動員 米軍のために土地接収も
 小泉政府は自衛隊の多国籍軍参加まで踏みこんだ。6月までに有事法制を成立させ、民間の港にテロ対策といってフェンスを張りめぐらせたり、米軍の軍需物資荷揚げに民間港を使用する回数をふやすなど日本中を総動員する動きに拍車をかけている。
 6月に強行成立した有事関連7法は戦争をしかける態勢を規定。海上輸送規制法では「武力攻撃事態」「武器を敵国に運んでいる」といいがかりをつけて海上自衛隊が外国船を強制的に停船させて検査し、積み荷を没収する「臨検」を可能にした。公海でも「あやしい」というだけで民間船舶に停船を要求し、もし停船に応じなければ撃沈できるようにした。
 米軍行動円滑化法では、米軍陣地をつくるために首相の命令で民有地や家屋とり壊しができると決定。そのほか日本政府が米軍に都合のよい情報を流すこと、地方公共団体を動員して連絡調整をおこなうことも盛りこんでいる。
 さらに特定公共施設利用法では、港湾、飛行場、道路、海域、空域、電波の6分野の使用方法については米軍と自衛隊を優先利用させることも決定。
 国民保護法では、国・県など自治体がいっせいに動き食糧、医薬品、生活必需品、避難施設・土地を強制的に接収できるようにした。NHKや赤十字などの指定公共機関、消防団員、民間の運送業者、電気・ガス事業者、町内会や自治会も協力させると定めた。
 捕虜関連法では「スパイ」などの言いがかりで自衛隊が捕虜を拘束できるようにし、陸海空3自衛隊に捕虜収容所を設置することも決め、現在それらの具体化を各省庁が急ピッチですすめている。
 厚木基地の岩国移転をはじめとした米軍再編はそうした日本全国に共通した対米従属状態の行き着く先にほかならない。それは自衛隊の多国籍軍参加にとどまらず、日本全土を米軍指揮下におき、アメリカの企む原水爆戦争に総動員するところまできている。平和な日本実現のため、アジア各国人民と連帯して、米軍基地を撤去し原水爆戦争を阻止する世論の結集がきわめて重要になっている。

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